JPH0790555A - 電子ビーム・アブレーション装置 - Google Patents

電子ビーム・アブレーション装置

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JPH0790555A
JPH0790555A JP23140493A JP23140493A JPH0790555A JP H0790555 A JPH0790555 A JP H0790555A JP 23140493 A JP23140493 A JP 23140493A JP 23140493 A JP23140493 A JP 23140493A JP H0790555 A JPH0790555 A JP H0790555A
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JP
Japan
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electron beam
target
ablation apparatus
cathode
beam ablation
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Application number
JP23140493A
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English (en)
Inventor
Yukio Nishikawa
幸男 西川
Shinichi Mizuguchi
信一 水口
Zenichi Yoshida
善一 吉田
Junzo Ishikawa
順三 石川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高純度で組成ずれがなく、良質な薄膜を効率
的かつ大面積に連続的に形成する電子ビーム・アブレー
ション装置を提供する。 【構成】 ターゲット10の表面に電子ビーム12をパ
ルス状に照射し、照射部周辺に余分なエネルギーを与え
ることなく、ターゲット10の表面近傍の粒子13だけ
を高エネルギー粒子として断熱的に噴出させ、この噴出
した物質を基板11上に堆積させる。さらに、回転する
円柱状ターゲット27に電子ビームをパルス状に照射し
つつ、基板28をターゲット27の回転中心に対して平
行に連続的に移動させ、基板28上に大面積に効率良く
連続的に薄膜30を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アブレーション現象に
よって生成した高運動エネルギーの粒子を基板上に堆積
させ、薄膜を形成する電子ビーム・アブレーション装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、薄膜形成分野において、従来から
行われている真空蒸着法、スパッタリング法や化学的気
相成長法に加えて、アブレーション現象によって生成し
た高運動エネルギーの粒子を堆積させる新しい薄膜形成
方法が用いられるようになってきた。このアブレーショ
ン現象を利用した代表的な成膜方法として、パルス幅が
100ns以下の大出力パルス・レーザーを照射する方
法が知られている。この従来のパルス・レーザーを照射
する方法によれば、数eV〜数10eVという高運動エ
ネルギーの粒子や活性種が堆積するため、従来の方法と
比較して低温で、緻密かつ良質な薄膜を形成できるだけ
でなく、組成ずれが小さいという利点をもつ。
【0003】一方、例えば霜鳥らにより、応用物理;第
57巻,1988年,1078頁に示されたように、大
強度パルス・イオン・ビームを固体ターゲットに照射す
る方法が提案されている。イオン・ビームを用いた従来
のアブレーション装置を図12を参照しつつ説明する。
図12において、従来のイオン・ビーム型の薄膜形成装
置は、真空槽50の内部に設けられた陽極51、陰極5
2、ポリエチレン等のイオン源53、ZnSターゲット
55及び基板56等で構成されている。陽極51に高電
圧の短パルスが印加されると、ポリエチレン53の表面
は絶縁破壊を起こし、イオン・ビーム54が引き出され
る。陽極51および陰極52は球面状に加工されてお
り、イオン・ビーム54はターゲット55に幾何学的に
収束される。イオン・ビーム54はターゲット55内で
の飛程が小さく、またパルス幅が50nsであるため、
固体表面付近だけを断熱的に加熱しアブレーションを起
こす。アブレーション現象によりターゲット55から飛
び出した物質が基板56上に堆積し、薄膜が形成され
る。
【0004】また、イオン・ビームを用いた従来のアブ
レーション装置では、イオンを照射する方式であるため
薄膜中にイオン成分など他の元素が混入する問題があ
る。そこで、他元素の混入を防ぐために、イオンの代わ
りに電子ビームを用いる方法が提案されている。すなわ
ち、電子ビームを固体表面に照射し、電子を固体内部に
侵入させる。固体内部で電子が停止した所で、電子の運
動エネルギーを熱エネルギーに変換させ、固体を温度上
昇させる。固体の温度をその融点以上に上昇させ、材料
を蒸発させる。
【0005】一般に、アブレーション現象を起こすため
に、1原子当りの平衡蒸発に必要なエネルギーである数
eVよりも1桁以上大きなエネルギーを、時間的にも平
衡状態に達しにくい短時間に与える。アブレーション現
象を起こすためにレーザー・ビームを用いる場合、例え
ば深さ数10nm以下の領域にターゲットを構成する1
原子当たりに数eV〜数10eVのエネルギーを30n
s以下のパルス幅で与える。同様に、イオン・ビームを
用いる場合も、深さ10μm程度の領域に1原子当たり
20eVのエネルギーをパルス幅50nsで与える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のパルス・レーザ
ーを照射する方法では、電気エネルギーからレーザー・
エネルギーへの変換効率が高々数%と非常に低いため、
大きなエネルギーを必要とし、製造コストが高くなると
いう問題点を有していた。また、イオン・ビームを用い
た従来のアブレーション装置では、電圧が200kV、
電流が1kAの大規模な電源が必要であり、アブレーシ
ョンの繰り返しも数秒〜数分に1回と遅いという問題点
を有していた。また、イオンを照射する方式であるため
薄膜中にイオン成分など他の元素が混入する問題点を有
していた。また、従来の電子ビームを用いた薄膜形成法
では、一般に電子ビームをパルス状に照射することは行
われておらず、電子ビームを連続的に照射して成膜用材
料を溶融させ、平衡蒸発させる真空蒸着法である。その
ため、融点の高い材料は蒸発効率が悪くなったり、ある
いは材料とルツボとの反応やルツボの破損により純度が
低下するという問題点を有していた。さらに、ターゲッ
トが化合物や合金である場合には、化合物や合金の構成
元素の蒸発速度が異なることからターゲットと薄膜との
組成ずれが起こるという問題点を有していた。本発明は
以上のような問題点を解決するためになされたものであ
り、高純度で組成ずれがなく良質な薄膜を、効率的かつ
大面積に連続的に形成し得る電子ビーム・アブレーショ
ン装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の電子ビーム・アブレーション装置は、真空
槽と、前記真空槽内の所定の位置に設けられたターゲッ
トと、前記真空槽に設けられ前記ターゲット表面に電子
をパルス状に照射する電子ビーム発生源と、前記ターゲ
ットに対向するように設けられ電子ビーム照射によりタ
ーゲットから噴出した物質を堆積させる基板とを具備す
るように構成されている。上記構成において、電子ビー
ムのパルス幅は100μs以下であることが好ましい。
また、電子ビーム発生源は、陰極と、引き出し電極と、
加速手段と、収束手段とを備えたことが好ましい。ま
た、電子ビーム発生源の引き出し電極にパルス電圧を印
加することが好ましい。また、電子ビームの収束手段は
磁界または電界によることが好ましい。また、電子ビー
ム発生源は熱陰極であることが好ましい。また、電子ビ
ーム発生源の熱陰極は酸化物陰極であることが好まし
い。また、電子ビーム発生源の熱陰極はLaB6 である
ことが好ましい。また、電子ビーム発生源は冷陰極であ
ることが好ましい。また、電子ビーム発生源の冷陰極は
電界放射エミッタ型陰極であることが好ましい。また、
電子ビーム発生源の冷陰極は強誘電体の反転分布を利用
して強電界を表面に印加し電子を放出することが好まし
い。また、電子ビーム発生源は冷陰極にパルス電圧を印
加することが好ましい。また、電子ビーム発生源はプラ
ズマ電子源であることが好ましい。また、電子ビーム発
生源は陽極にパルス電圧を印加することが好ましい。ま
た、電子ビーム発生源は電子ビームを加速後、減速する
手段を備えたことが好ましい。また、電子ビームを静電
または磁界により偏向させターゲットに照射することが
好ましい。また、電子ビーム照射中はターゲットを回転
させることが好ましい。本発明の他の電子ビーム・アブ
レーション装置は、真空槽と、前記真空槽内の所定の位
置に設けられた円柱状のターゲットと、前記ターゲット
をその中心軸を回転中心として回転させる回転機構と、
前記真空槽に設けられ回転する前記ターゲット表面に電
子をパルス状に照射する電子ビーム発生源と、前記ター
ゲットに対向するように設けられ電子ビーム照射により
ターゲットから噴出した物質を堆積させる基板と、前記
基板をターゲットの回転中心に平行に連続的に移動させ
る移動機構とを具備するように構成されている。上記構
成において、複数の電子ビーム発生源をターゲットの側
面に沿って配列したことが好ましい。また、偏向手段を
用いて電子ビームをターゲットの中心軸と平行なベクト
ル成分を有する方向に走査することが好ましい。また、
ターゲット材料はSiインゴットであることが好まし
い。また、電子ビーム照射中のターゲットには正イオン
を照射し電荷を中和することが好ましい。また、電子ビ
ーム照射部近傍のターゲットの外周部位置を検出し、さ
らにターゲットへの電子ビーム照射位置が一定になるよ
うにターゲットの回転軸の位置を制御することが好まし
い。
【0008】
【作用】本発明の電子ビーム・アブレーション装置で
は、アブレーション現象を起こさせるために、例えば深
さ10nm程度以下の領域に1原子当たり数10eVの
エネルギーを短時間内に与える。そのため、平衡蒸発と
は異なり、照射部周辺に余分なエネルギーを与えること
なく、ターゲットの表面近傍の粒子だけを高エネルギー
粒子として断熱的に噴出させ、この噴出した物質を基板
上に堆積させる。その結果、ターゲットと比較して、高
純度で組成ずれがなく良質な薄膜が基板上に形成され
る。さらに、回転する円柱状ターゲットに電子ビームを
パルス状に照射しつつ、基板をターゲットの回転中心に
対して平行に連続的に移動させるので、大面積に効率良
く連続的に薄膜が形成される。
【0009】
【実施例】
<実施例1>本発明の電子ビーム・アブレーション装置
の第1の実施例を図1から図7までを参照しつつ説明す
る。図1は第1の実施例の構成を示す断面図である。図
1において、真空槽1の内部の所定の位置にはターゲッ
ト10が回転可能に設けられている。真空槽1の側部に
は電子ビーム発生源2及びパルス電源3等が設けられて
いる。電子ビーム発生源2は、陰極4、陽極5、グリッ
ド6、磁気レンズ7及び偏向系8等で構成されている。
真空槽1は真空ポンプ9に接続され、内部を真空に維持
される。真空槽1の内部において、ターゲット10と対
向する位置には基板11が保持されている。パルス電源
3により発生されたパルス電圧を陰極4に印加すると、
パルス状の電子ビーム12が発生される。電子ビーム1
2は磁気レンズ7によって収束され、ターゲット10に
照射される。ターゲット10に電子ビーム12が照射さ
れると、ターゲット材料がプラズマ状の噴出物13とな
って噴出し、噴出したターゲット材料が基板11の表面
に堆積することにより、基板11上に薄膜が形成され
る。
【0010】次に、ターゲット10に電子が侵入しアブ
レーションがおこる過程の模式図を図2に示す。図2に
おいて、(a)はターゲット10にパルス状に電子14
が飛来する様子を示す。(b)は電子14がターゲット
内で運動エネルギーを失い停止した様子を示す。この電
子14が停止したところで電子14の運動エネルギーが
熱エネルギーに変換され、その部分は局所的に高温とな
る。その後、(c)に示すようにターゲット10の材料
(構成元素)15が噴出する。この電子の侵入深さは電
圧の2乗に比例し、固体の密度に反比例する。電子があ
まり深く侵入しすぎると表面からの熱エネルギー発生源
の位置が深くなりすぎ、ターゲット材料の噴出が困難に
なるので、電圧によって電子の侵入深さを調節する。ま
た、電流密度によってターゲットの構成元素に与えるエ
ネルギーを調節する。さらに、パルス幅の短い電子ビー
ムを照射することにより、照射部周辺への余分なエネル
ギーの伝導を防止し、ターゲット材料を断熱的に噴出さ
せる。表1にターゲット材料にSiを用いた場合、電圧
と電子の侵入深さならびにパルス幅が30nsでSi1
原子当たりに30eVのエネルギーを与える場合に必要
な電流密度の関係を示す。
【0011】
【表1】
【0012】たとえば、電子ビームを電圧500V、電
流密度100A/cm2 、パルス幅30nsで照射する
と、ターゲット10の深さ2.2nmまでの領域に電子
が侵入し、アブレーションによってターゲット材料を噴
出させることができる。熱伝導性の悪い材料ほどパルス
幅が長い場合においても断熱状態が維持されるが、電流
密度をパルス幅に反比例させると、1原子当たりのエネ
ルギーは同じになる。アブレーションを起こすには高電
流密度が必要であるため、陰極から取り出す電流値とし
ても大きな値が必要である。
【0013】陰極として熱陰極を用いる場合、酸化物陰
極かLaB6 が好ましい。図3に熱陰極部の構成を示
す。図3において、陰極4の近傍にヒータ16が設けら
れており、さらに陰極4の前方に引出し電極17が設け
られている。引出し電極17にはパルス電源3が接続さ
れており、パルス電圧はこの引出し電極17に印加され
る。熱陰極では電子は連続的に発生されるので、引出し
電極17にパルス電圧を印加することによって、電子を
パルス状に取り出す。
【0014】一方、冷陰極を用いる場合、電界放射エミ
ッタ型又は強誘電体が好ましい。図4に電界放射エミッ
タ型陰極の構成を示す。図4において、電界放射エミッ
タ型陰極はエミッタ18、絶縁膜19及びその上に設け
られたゲート20等で構成されている。エミッタ18に
パルス電圧を印加すると、パルス状に電子が放出され
る。また、図5に強誘電体を用いた陰極の構成及びその
動作を示す。図5において、強誘電体は下部電極21、
誘電体22及び上部電極23等で構成されている。
(a)に示すように、最初上向きに負となるように分極
させておく。次に、(b)に示すように、下部電極21
に負のパルス電圧を印加して分極を反転させる。そうす
ると、試料表面に生じる高電界によって上部電極23付
近の電子が真空中に飛び出す。また、大きな電流を得る
には図6に示すプラズマ電子源も適する。図6におい
て、プラズマ電子源はウェネルト電極35、ウェネルト
電極35を取り囲むように設けられたシールド電極3
6、ウェネルト電極35の内部に形成されるプラズマ電
極37及びウェネルト電極35の前方に設けられた陽極
38等で構成されている。電子源内にガスを供給し、電
圧を加えて自続放電を発生させると、ウェネルト電極3
5の内部にプラズマ陰極37が形成される。陽極38に
パルス電圧を印加すると、パルス状に電子が放出され
る。
【0015】上記各電子ビーム発生源から取り出された
電流密度がまだ小さい場合、単一もしくは複数の電子ビ
ーム発生源からの電子ビームを磁気レンズ7によって収
束させる。この収束手段は電界方式であってもよい。前
述のように、アブレーションを起こさせるためには電子
の侵入深さも重要である。そのため、図7に示すよう
に、加速手段40により加速して電子ビームを取り出し
た後、減速手段41によりターゲット内への電子の侵入
深さを調節するように構成してもよい。また、電子ビー
ム12が照射されたターゲット10は噴出によって表面
状態が変化する。そのため、ターゲット10を回転させ
るか、又は偏向系8により照射位置を変えることによ
り、特定の場所にだけ深く穴があくようなことを防止す
る。その結果、安定したアブレーションを起こすことが
できる。前述のように、アブレーション現象では平衡蒸
発ではなく断熱的にターゲット材料を噴出させる。その
ため、ターゲット材料と形成した薄膜の組成のずれは数
%以内と小さく、化合物膜や合金膜を形成する場合で
も、用いるターゲットの組成は薄膜の組成とほぼ同じ組
成のもので良い。
【0016】<実施例2>次に、本発明の電子ビーム・
アブレーション装置の第2の実施例を図8を参照しつつ
説明する。図8において、図1に示した第1の実施例の
構成と異なる点は、電子ビーム12を偏向系24を用い
て曲げながらターゲット10に照射していることであ
る。このように偏向系24を用いて電子ビーム12を偏
向させることにより、ターゲット10から噴出した物質
が直接電子ビーム発生源2に進入することを防止する。
なお、偏向系24は静電偏向方式であってもよく、また
電磁偏向方式であってもよい。
【0017】<実施例3>次に、本発明の電子ビーム・
アブレーション装置の第3の実施例を図9及び図10を
参照しつつ説明する。なお、図1に示す第1の実施例と
同一の番号を付した構成要素は実質的に同一であるた
め、その説明を省略する。図9は第3の実施例の構成を
示す断面図である。図9において、真空槽1の内部の所
定の位置には円柱状のSiターゲット27がその中心軸
を回転中心として回転可能に設けられている。ターゲッ
ト27に軸対向するように、陰極25及び引出し電極2
6等で構成された電子ビーム発生源2が設けられてい
る。電子ビーム照射源2の詳細を図10に示す。陰極2
5はメニスカス状であり、円柱状ターゲット27の円筒
面に沿って設けられている。電子ビーム発生源2及びタ
ーゲット27の下方には基板28及び走行ロール29等
が設けられており、基板28は図中矢印で示す方向に直
線的に移動可能である。ターゲット27の近傍には位置
検出装置31、イオン照射源32等が設けられている。
電子ビーム発生源2にパルス電圧を印加すると、電子ビ
ーム12がターゲット27の表面に照射される。ターゲ
ット27に電子ビーム12が照射されると、ターゲット
材料がプラズマ状の噴出物13となって噴出し、噴出し
たターゲット材料が基板28の表面に堆積することによ
り、基板28上に薄膜30が形成される。円柱状ターゲ
ット27の全幅にわたってパルス状の電子ビーム12を
照射しながら、基板28を走行ロール29により移動さ
せると、基板上に広幅で連続的にSi薄膜30を形成す
ることができる。なお、電子ビーム照射を続けると円柱
状ターゲット27の径は徐々に小さくなる。そのため、
電子ビームの照射状態を一定に維持するためには、電子
ビームを偏向させるか、又は電子ビームの収束状態を制
御する。あるいは、円柱状ターゲット27の電子ビーム
12照射部近傍の外周部が一定の位置に来るように、例
えば光センサーを用いた位置検出装置31により測定し
つつ、円柱状ターゲット27の中心軸の位置を調整す
る。これにより、長時間にわたって安定して薄膜の形成
を行うことが可能となる。また、本実施例のようにSi
薄膜を形成する場合、円柱状ターゲット27にSiイン
ゴットを用いることにより、高純度材料の効率的な利用
ができる。しかし、Siは電子ビームが照射されると負
の電荷を帯びるため、イオン照射源32より正イオンを
照射し電荷を中和することが好ましい。
【0018】<実施例4>次に、本発明の電子ビーム・
アブレーション装置の第4の実施例を図11を参照しつ
つ説明する。なお、上記第3の実施例と同一の番号を付
した構成要素は実質的に同一であるため、その説明を省
略する。図11において、図10に示す第3の実施例の
構成と異なるのは、複数の電子ビーム発生源33を円柱
状ターゲット27の側面に沿って配列し、電子ビームを
パルス状に照射する方式とした点である。偏向系34を
用いて電子ビームをターゲットの中心軸に平行なベクト
ル成分を含むように走査することにより、円柱状ターゲ
ット27の全幅にわたって電子ビームを照射することが
できる。その結果、基板28の幅方向の膜厚分布はさら
に均一化される。
【0019】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ターゲッ
ト表面に電子をパルス状に照射するように構成したの
で、照射部周辺に余分なエネルギーを与えることなく、
ターゲットの表面近傍の粒子だけを高エネルギー粒子と
して断熱的に噴出させ、この噴出した物質を基板上に堆
積させることが可能となる。その結果、ターゲットと比
較して、高純度で組成ずれがなく良質な薄膜が基板上に
形成されるという効果を有する。さらに、回転する円柱
状ターゲットに電子ビームをパルス状に照射しつつ、基
板をターゲットの回転中心に対して平行に連続的に移動
させるように構成したので、大面積に効率良く連続的に
薄膜を形成することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子ビーム・アブレーション装置の第
1の実施例の構成を示す断面図
【図2】電子ビーム照射によるアブレーション過程の模
式図
【図3】第1の実施例における熱陰極の構成を示す図
【図4】電界放射エミッタ型陰極の構成を示す図
【図5】強誘電体を用いた陰極の構成及びその動作を示
す模式図
【図6】プラズマ電子源の構成を示す図
【図7】第1の実施例における電子ビーム発生源の加速
手段及び減速手段の構成を示す図
【図8】本発明の電子ビーム・アブレーション装置の第
2の実施例の構成を示す断面図
【図9】本発明の電子ビーム・アブレーション装置の第
3の実施例の構成を示す断面図
【図10】第3の実施例における電子ビーム照射源の構
成の詳細を示す斜視図
【図11】本発明の電子ビーム・アブレーション装置の
第4の実施例における電子ビーム照射源の構成の詳細を
示す斜視図
【図12】従来のイオン・ビーム型のアブレーション装
置の構成を示す断面図
【符号の説明】
1 :真空槽 2 :電子ビーム発生源 3 :パルス電源 4 :陰極 5 :陽極 6 :グリッド 7 :磁気レンズ 8 :偏向系 9 :真空ポンプ 10:ターゲット 11:基板 12:電子ビーム 13:噴出物 14:電子 15:ターゲット構成元素 16:ヒータ 17:引出し電極 18:エミッタ 19:絶縁膜 20:ゲート 21:下部電極 22:誘電体 23:上部電極 25:陰極 26:引出し電極 27:円柱状ターゲット 28:基板 29:走行ロール 30:Si薄膜 31:位置検出装置 32:イオン照射源 33:電子ビーム発生源 34:偏向系 35:ウェネルト電極 36:シールド電極 37:プラズマ電極 38:陽極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 順三 京都府京都市西京区大原西境谷町2−9 境谷町第二住宅 10−101

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空槽と、前記真空槽内の所定の位置に
    設けられたターゲットと、前記真空槽に設けられ前記タ
    ーゲット表面に電子をパルス状に照射する電子ビーム発
    生源と、前記ターゲットに対向するように設けられ電子
    ビーム照射によりターゲットから噴出した物質を堆積さ
    せる基板とを具備する電子ビーム・アブレーション装
    置。
  2. 【請求項2】 電子ビームのパルス幅は100μs以下
    であることを特徴とする請求項1記載の電子ビーム・ア
    ブレーション装置。
  3. 【請求項3】 電子ビーム発生源は、陰極と、引き出し
    電極と、加速手段と、収束手段とを備えたことを特徴と
    する請求項1記載の電子ビーム・アブレーション装置。
  4. 【請求項4】 電子ビーム発生源の引き出し電極にパル
    ス電圧を印加することを特徴とする請求項3記載の電子
    ビーム・アブレーション装置。
  5. 【請求項5】 電子ビームの収束手段は磁界または電界
    によることを特徴とする請求項3記載の電子ビーム・ア
    ブレーション装置。
  6. 【請求項6】 電子ビーム発生源は熱陰極であることを
    特徴とする請求項1記載の電子ビーム・アブレーション
    装置。
  7. 【請求項7】 電子ビーム発生源の熱陰極は酸化物陰極
    であることを特徴とする請求項6記載の電子ビーム・ア
    ブレーション装置。
  8. 【請求項8】 電子ビーム発生源の熱陰極はLaB6
    あることを特徴とする請求項6記載の電子ビーム・アブ
    レーション装置。
  9. 【請求項9】 電子ビーム発生源は冷陰極であることを
    特徴とする請求項1記載の電子ビーム・アブレーション
    装置。
  10. 【請求項10】 電子ビーム発生源の冷陰極は電界放射
    エミッタ型陰極であることを特徴とする請求項9記載の
    電子ビーム・アブレーション装置。
  11. 【請求項11】 電子ビーム発生源の冷陰極は強誘電体
    の反転分布を利用して強電界を表面に印加し電子を放出
    することを特徴とする請求項9記載の電子ビーム・アブ
    レーション装置。
  12. 【請求項12】 電子ビーム発生源は冷陰極にパルス電
    圧を印加することを特徴とする請求項9記載の電子ビー
    ム・アブレーション装置。
  13. 【請求項13】 電子ビーム発生源はプラズマ電子源で
    あることを特徴とする請求項1記載の電子ビーム・アブ
    レーション装置。
  14. 【請求項14】 電子ビーム発生源は陽極にパルス電圧
    を印加することを特徴とする請求項13記載の電子ビー
    ム・アブレーション装置。
  15. 【請求項15】 電子ビーム発生源は電子ビームを加速
    後、減速する手段を備えたことを特徴とする請求項1記
    載の電子ビーム・アブレーション装置。
  16. 【請求項16】 電子ビームを静電または磁界により偏
    向させターゲットに照射することを特徴とする請求項1
    記載の電子ビーム・アブレーション装置。
  17. 【請求項17】 電子ビーム照射中はターゲットを回転
    させることを特徴とする請求項1記載の電子ビーム・ア
    ブレーション装置。
  18. 【請求項18】 真空槽と、前記真空槽内の所定の位置
    に設けられた円柱状のターゲットと、前記ターゲットを
    その中心軸を回転中心として回転させる回転機構と、前
    記真空槽に設けられ回転する前記ターゲット表面に電子
    をパルス状に照射する電子ビーム発生源と、前記ターゲ
    ットに対向するように設けられ電子ビーム照射によりタ
    ーゲットから噴出した物質を堆積させる基板と、前記基
    板をターゲットの回転中心に平行に連続的に移動させる
    移動機構とを具備する電子ビーム・アブレーション装
    置。
  19. 【請求項19】 複数の電子ビーム発生源をターゲット
    の側面に沿って配列したことを特徴とする請求項18記
    載の電子ビーム・アブレーション装置。
  20. 【請求項20】 偏向手段を用いて電子ビームをターゲ
    ットの中心軸と平行なベクトル成分を有する方向に走査
    することを特徴とする請求項18記載の電子ビーム・ア
    ブレーション装置。
  21. 【請求項21】 ターゲット材料はSiインゴットであ
    ることを特徴とする請求項18記載の電子ビーム・アブ
    レーション装置。
  22. 【請求項22】 電子ビーム照射中のターゲットには正
    イオンを照射し電荷を中和することを特徴とする請求項
    21記載の電子ビーム・アブレーション装置。
  23. 【請求項23】 電子ビーム照射部近傍のターゲットの
    外周部位置を検出し、さらにターゲットへの電子ビーム
    照射位置が一定になるようにターゲットの回転軸の位置
    を制御することを特徴とする請求項18記載の電子ビー
    ム・アブレーション装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010248574A (ja) * 2009-04-16 2010-11-04 Ulvac Japan Ltd 蒸着装置及び蒸着方法。
JP2011518954A (ja) * 2008-04-28 2011-06-30 ライトラブ・スウェーデン・エービー 蒸着システム
CN111321379A (zh) * 2020-04-29 2020-06-23 山东交通职业学院 一种金属板表面处理设备

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