JPH0790200A - 防汚塗料用樹脂組成物 - Google Patents

防汚塗料用樹脂組成物

Info

Publication number
JPH0790200A
JPH0790200A JP23988393A JP23988393A JPH0790200A JP H0790200 A JPH0790200 A JP H0790200A JP 23988393 A JP23988393 A JP 23988393A JP 23988393 A JP23988393 A JP 23988393A JP H0790200 A JPH0790200 A JP H0790200A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
resin
main chain
parts
antifouling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23988393A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Komazaki
茂 駒崎
Masataka Ooka
正隆 大岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP23988393A priority Critical patent/JPH0790200A/ja
Publication of JPH0790200A publication Critical patent/JPH0790200A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 たとえば、カルボキシル基あるいはリン原子
含有基またはイオウ原子含有基などで代表されるような
酸基と、特定の金属とからなる金属塩結合を、つまり、
多価金属の塩からなる結合を、主鎖中および/または主
鎖末端に有するポリウレタン樹脂を、必須の皮膜形成性
成分として含有することから成る、防汚塗料用樹脂組成
物。 【効果】 海水中で徐々に溶解するという機能を有する
樹脂が用いられている処から、塗料中に配合される防汚
剤を、長期間に亘って、安定的に溶出せしめることが出
来るし、加えて、強固で、かつ、適度なる水溶性を保持
することの出来る塗膜を与えるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規にして有用なる防汚
塗料用樹脂組成物に関する。さらに詳細には、本発明
は、主鎖中および/または主鎖末端に、多価金属の塩か
らなる結合を有するという特定のポリウレタン樹脂
(A)を、最低必須の成分として含んで成る、セルフ・
ポリッシング型の防汚塗料用樹脂組成物に関する。
【0002】そして、本発明の組成物は、とりわけ、長
期防汚性に優れるものであって、主として、船底ならび
に魚網などに用いられる防汚塗料に供されるものであ
る。
【0003】
【従来の技術】水面下にある物体、構築物または船底な
どの、いわゆる海水中に長時間のあいだ放置される物体
の表面には、藻類やフジツボなどの水棲生物が付着し、
成長増殖するために、その外観を損なうし、しかも、腐
食が起こる。
【0004】そして、船舶については、船速の低下と燃
費の増大との原因にもなっている。
【0005】また、養殖用の網や金網などへの水棲生物
の付着によって、海水の流れが阻止され、そのために、
酸素不足が起こり、ひいては、魚類ないしは貝類が死ん
でしまうという、大きな問題にもなっている。
【0006】そのために、かかる水棲生物の成長を防ぐ
ために、それらの物体の表面には、トップコートとし
て、種々の防汚塗料が塗布されている。
【0007】かかる防汚塗料は、疎水性樹脂と、親水性
樹脂または親水性化合物と、それ自体が毒物である各種
の有機錫化合物や、亜酸化銅などのような、種々の防汚
剤とを含んでいる。
【0008】こうした塗膜が海水と接触すると、親水性
樹脂または親水性化合物と、防汚剤とが、その表面から
溶出していく。
【0009】しかし、このようにして、ひとたび、塗膜
が海水に接触すると、直ちに、望ましくないほど速やか
に、防汚剤の溶出が起こり、その結果、必要以上に、高
濃度の毒物が、被覆物の周りに存在することとなり、防
汚剤の浪費と、海水の汚染とを惹起する処となってい
た。
【0010】そして、或る程度まで、防汚剤の溶出が進
行したのちには、この防汚剤の溶出速度が低下してしま
い、海中の水棲生物の付着が再開するという問題があっ
た。かかる問題を解決するために、側鎖にトリブチル錫
エステル基を有するビニル系重合体から成る防汚塗料組
成物が開発された。
【0011】これは、この重合体をビヒクルとする塗膜
が、海水に触れると、前記トリブチル錫エステル基が加
水分解されて、海水に可溶なるカルボキシレート基と、
トリブチル錫ハイドロオキサイドとに分解する。
【0012】そのうち、前者は、塗膜の海水中への溶解
に寄与するし、後者は防汚剤として作用するという処か
ら、塗膜が海水と接触すると、常に、新鮮なる塗膜が生
成し形成され、防汚剤が均一なる速度で以て溶出して、
長期間に亘って、防汚効果を発揮し保持する処となる
が、これがために、多くの船底、水中構築物ならびに漁
網などに、幅広く使用されてきた。
【0013】このように、塗膜自身が海水によって水溶
化するタイプを、セルフ・ポリシング型と称する。
【0014】しかし、近年、有機錫化合物の、生物や環
境などに与える悪影響が問題にされ、該有機錫化合物の
使用が制限されて来ている。そこで、セルフ・ポリシン
グ型で、しかも、生物を取り巻く環境などに悪影響を与
えないような、いわゆるマイルドなる防汚剤を含む形の
防汚塗料組成物の開発が急務となっている。
【0015】それがために、親水性基であるカルボキシ
ル基、ジメチルアミノ基、ヒドロキシル基または4級ア
ンモニウム基などを側鎖に持った重合体が、防汚塗料用
樹脂組成物のビヒクルとして提案されたが、長期に亘っ
て、均一なる塗膜自身ならびに防汚剤の溶出速度を保持
し得るものではなかった。
【0016】そこで、塗膜自身ならびに防汚剤の溶出速
度を適切なものとするために、カルボキシル基をフェノ
ールエステルにするとか、その他の活性エステル基や活
性アミド基あるいは無水物に変換するという試みも、各
種の文献や特許などに開示されて来てはいる。
【0017】しかしながら、それらの官能基を有する重
合体をビヒクルとする防汚塗料組成物から得られる塗膜
は、その塗膜と防汚剤との溶出性が劣るというのが、実
状である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】このように、防汚性が
長期に亘って優れる防汚塗料は、未だに、得られてはい
ないというのが、実状である。
【0019】そこで、本発明者らは、上述した如き従来
技術における種々の欠点の存在に鑑みて、防汚剤の溶出
を長期に亘って持続させることが出来る、極めて実用性
の高い、セルフ・ポリッシング型の樹脂を求めて、研究
に着手した。
【0020】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、一にかかって、防汚剤の有効成分(防汚毒物)の
溶出速度を均一に制御して、長期に亘って、防汚剤の溶
出を持続せしめるために、塗膜自身が海水に徐々に溶解
し、常に、新鮮なる塗膜を形成せしめるという、斬新な
るセルフ・ポリシング型塗膜を与え得るという、極めて
実用性の高い防汚塗料用樹脂組成物を提供することであ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明者ら
は、上述した如き発明が解決しようとする課題に照準を
合わせて、鋭意、検討を重ねた結果、必須の皮膜形成成
分として、主鎖中および/または主鎖末端に多価金属の
塩からなる結合を有するという特定のポリウレタン樹脂
を含んで成る防汚塗料用樹脂組成物を用いた処が、海水
中で、このポリウレタン樹脂(A)は、海水と接触した
部分から溶出して行き、常に、新鮮なる塗膜が形成さ
れ、防汚剤が均一なる速度で以て溶出して行くというこ
とを見出すに及んで、ここに、本発明を完成させるに到
った。
【0022】すなわち、本発明は、基本的には、主鎖中
および/または主鎖末端に多価金属の塩からなる結合を
有するポリウレタン樹脂を、必須の成分として含有する
という、斬新なる形のセルフ・ポリシング型塗膜を与え
る、極めて実用性の高い防汚塗料用樹脂組成物を提供し
ようとするものであり、
【0023】具体的には、主鎖中および/または主鎖末
端に多価金属の塩からなる結合を有するポリウレタン樹
脂(A)を含有することから成る、セルフ・ポリシング
型塗膜を与える防汚塗料用樹脂組成物を提供しようとす
るものであるし、
【0024】主鎖中および/または主鎖末端に多価金属
の塩からなる結合を有するポリウレタン樹脂(A)と、
親水性樹脂(B)および/または親水性化合物(C)と
を含有することから成る、セルフ・ポリシング型塗膜を
与える防汚塗料用樹脂組成物を提供しようとするもので
あるし、
【0025】あるいは、主鎖中および/または主鎖末端
に多価金属の塩からなる結合を有するポリウレタン樹脂
(A)と、疎水性樹脂(D)とを含有することから成
る、セルフ・ポリシング型塗膜を与える防汚塗料用樹脂
組成物を提供しようとするものであるし、
【0026】さらには、主鎖中および/または主鎖末端
に多価金属の塩からなる結合を有するポリウレタン樹脂
(A)と、親水性樹脂(B)および/または親水性化合
物(C)と、疎水性樹脂(D)とを含有することから成
る、セルフ・ポリシング型塗膜を与える防汚塗料用樹脂
組成物を提供しようとするものであるし、
【0027】そして、さらには、こうした各種の樹脂組
成物に、防汚剤(E)をも含んで成るという形の、セル
フ・ポリシング型塗膜を与える防汚塗料用樹脂組成物を
提供しようとするものである。
【0028】[構成]ここにおいて、本発明で使用され
る、主鎖中および/または主鎖末端に多価金属の塩から
なる結合を有するポリウレタン樹脂(A)とは、主鎖中
および/または主鎖末端に酸基と多価金属とからなる金
属塩結合を有するポリウレタン樹脂を指称する。
【0029】当該ポリウレタン樹脂(A)中に含有され
る金属塩結合としては、酸基の種類と組み合わせる金属
の種類とに応じて、種々のものが可能であるが、酸基と
しては、特に、カルボキシル基または式(I)ないしは
式(II)に示されるリン原子を含有する官能基が、あ
るいは、式(III)に示されるイオウ原子を含有する
官能基が適切である。
【0030】
【化4】
【0031】[ただし、式中のRは水素原子、水酸基、
アルキル基、アルコキシル基、アリール基またはアリー
ルオキシ基を表わすものとする。]
【0032】
【化5】
【0033】[ただし、式中のRは水素原子、水酸基、
アルキル基、アルコキシル基、アリール基またはアリー
ルオキシ基を表わすものとする。]
【0034】
【化6】
【0035】また、当該ポリウレタン樹脂(A)中に含
有される多価金属としては、Si、Ge、Sn、Pb、
Al、Zn、Cd、Hg、Cu、Ag、Ni、Co、F
e、Mn、Cr、Ti、Zr、MgまたはCaが、特に
望ましい。
【0036】したがって、かかる金属塩結合のうちでも
特に望ましいものとしては、一般式で示すことにすれ
ば、下記の式(IV)、(V)、(VI)または(VI
I)とというのとになる。(ただし、式中のMは、いず
れも、金属原子を表わすものとする。)
【0037】
【化7】
【0038】
【化8】
【0039】[ただし、式中のRは前出の通りであ
る。]
【0040】
【化9】
【0041】[ただし、式中のRは前出の通りであ
る。]
【0042】
【化10】
【0043】かかる主鎖中および/または主鎖末端に、
多価金属の塩からなる結合を有するポリウレタン樹脂
(A)は、公知慣用の方法によって製造することが出来
る。次に、その例を挙げることにするが、当該ポリウレ
タン樹脂(A)の調製方法としては、これらの例のみ
に、決して、限定されるものではない。
【0044】I……………酸基を有するポリウレタン樹
脂に、金属化合物を反応せしめることによって、当該ポ
リウレタン樹脂(A)を調製するというものである。
【0045】II…………アルカリ金属塩を有するポリ
ウレタン樹脂に、金属硫酸塩を反応せしめることによっ
て、当該ポリウレタン樹脂(A)を調製するというもの
である。
【0046】III………酸基、水酸基、チオール基ま
たはアミノ基の如き、各種の活性水素含有基と金属塩と
を併せ有する化合物と、イソシアネート基を有するポリ
ウレタン樹脂とを反応せしめることによって、当該ポリ
ウレタン樹脂(A)を調製するというものである。
【0047】はじめに、上記Iなる調製方法について詳
述することにする。此のIの製造方法で使用される、酸
基を有するポリウレタン樹脂は、以下に示すような、い
わゆる公知慣用の方法によって製造することが出来る。
【0048】Iの:水酸基、チオール基またはアミノ
基の如き、種々の活性水素含有基を有するポリウレタン
樹脂を製造したのちに、その樹脂とジカルボン酸無水物
とを反応させるというものである。
【0049】Iの:イソシアネート基を有するポリウ
レタン樹脂と、酸基、水酸基、チオール基またはアミノ
基の如き、種々の活性水素含有基と酸基とを併せ有する
化合物とを反応させるというものである。
【0050】Iので以て使用される、それぞれ、水酸
基、チオール基またはアミノ基の如き活性水素含有基を
有するポリウレタン樹脂を製造する際において、あるい
は、Iので以て使用される、イソシアネート基を有す
るポリウレタン樹脂を製造する際において、使用される
ジオール化合物として特に代表的なもののみを例示する
にとどめれば、
【0051】エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールも
しくはポリテトラメチレングリコールの如き、各種の
(ポリ)エーテルジオール類:1,4−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオールもしくは1,6−ヘキサン
ジオールの如き、各種のポリアルキレンジオール類;ま
たは2−ブテン−1,4−ジオールもしくは3−ヘキセ
ン−2,5−ジオールの如き、各種のエンジオール類な
どをはじめ、
【0052】さらには、3−メチル−1,5−ペンタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジ
メタノール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA
またはビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物の
如き、各種のジオール類などであり、そして、(ポリ)
エステルジオール類、(ポリ)ウレタンジオール類、
(ポリ)シロキサンジオール類あるいはポリブタジエン
ジオール類などである。
【0053】前記した(ポリ)エステルジオール類とし
て特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、前掲
されたような種々のジオール化合物と、イソフタル酸、
テレフタル酸、(無水)フタル酸、(無水)テトラヒド
ロフタル酸、(無水)ヘキサヒドロフタル酸、フマル
酸、マレイン酸、こはく酸の如き、各種のジカルボン酸
(無水物)との脱水縮合によって得られるという形のポ
リエステルジオール(油変性タイプをも含む。)や、
【0054】前掲されたような種々のジオール化合物
と、ε−カプロラクトンまたはバレロラクトンの如き、
各種のラクトン化合物との開環重合によって得られると
いう形のポリエステルジオールや、前掲されたような種
々のジオール化合物と、水酸基含有カルボン酸との脱水
縮合によって得られるという形のエステルジオールなど
であり、いずれも、公知慣用の反応方法によって得られ
るものである。
【0055】上記Iので以て使用される水酸基、チオ
ール基またはアミノ基の如き活性水素含有基を有するポ
リウレタン樹脂を製造するに際して、あるいは、上記I
ので以て使用される、イソシアネート基を有するポリ
ウレタン樹脂を製造するに際して使用される、ジイソシ
アネート化合物として特に代表的なもののみを例示する
にとどめれば、
【0056】イソホロンジイソシアネート、メチルシク
ロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロ
ヘキサン−2,6−ジイソシアネート、4,4’−メチ
レンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−
ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメ
チレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ト
リメチルシクロヘキサンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネートまたはキシリレンジイソシアネートの如
き、各種のジイソシアネート類などであり、さらには、
これらの各種ジイソシアネート類と、前記したジオール
類と付加反応させることにより得られる付加物などが挙
げられる。
【0057】Iので使用される水酸基、チオール基ま
たはアミノ基の如き活性水素含有基を有するポリウレタ
ン樹脂を製造する際に、あるいは、Iので使用される
イソシアネート基を有するポリウレタン樹脂を製造する
際に、それぞれ、鎖伸長剤類として、アミノ基含有化合
物を使用することが出来るが、かかる化合物のうちでも
特に代表的なものとしては、エチレンジアミン、テトラ
メチレンジアミンまたはヘキサメチレンジアミンの如
き、各種のポリアミン化合物などが、あるいはヒドラジ
ンなどが挙げられる。
【0058】それぞれ、Iので使用される、水酸基、
チオール基またはアミノ基の如き活性水素含有基を有す
るポリウレタン樹脂を製造する際の、あるいは、Iの
で使用されるイソシアネート基を有するポリウレタン樹
脂を製造する際の、ウレタン化または尿素化反応には、
公知慣用の触媒であるジブチル錫オクテートやジブチル
錫ラウレートの如き、各種の錫化合物を、
【0059】あるいは、DABCO(1,4−ジアザビ
シクロ[2,2,2]オクタン)の如き、各種のアミン
化合物などを用いることができるし、反応温度として
は、0℃〜100℃程度なる範囲内が、好ましくは、2
0℃〜80℃なる範囲内が適切である。
【0060】Iのなる方法で以て使用される、各種の
ジカルボン酸無水物として特に代表的なもののみを例示
するにとどめれば、無水コハク酸、無水フタル酸、テト
ラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テ
トラクロロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、
無水マレイン酸または無水イタコン酸の如き化合物が挙
げらる。
【0061】その付加反応には、つまり、上述した活性
水素含有を有するポリウレタン樹脂と、ジカルボン酸無
水物との付加反応には、基公知慣用の触媒であるDAB
CO(1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタ
ン)、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]
−7−ウンデセン)、N,N−ジメチルココアミン、ト
リエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンまたは
N−メチルイミダゾールの如き、各種の3級アミン化合
物や、トリフェニルフォスフィンなどのような種々の化
合物を用いることができるし、反応温度としては、0℃
〜150℃程度なる範囲内が、好ましくは、50℃〜1
30℃なる範囲内が適切である。
【0062】Iのなる方法で使用される、酸基、水酸
基、チオール基またはアミノ基の如き活性水素含有基と
酸基とを併有する化合物として特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、前記したジカ
ルボン酸無水物の加水開環物の如き、各種のジカルボン
酸類;
【0063】グリコール酸、β−ヒドロキシプロピオン
酸、乳酸、3−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシイソ酪
酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒドロキシ
−2−メチル酪酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リ
シノール酸、モノヒドロキシエチルフタル酸の如き、各
種のヒドロキシカルボン酸類;
【0064】グリシン、アラニン、アスパラギン、アス
パラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、
バリンなどの如き、各種のアミノ酸類;チオグリコール
酸、チオ乳酸、チオリンゴ酸、3−メルカプトプロピオ
ン酸の如き、各種のチオール基含有カルボン酸類;また
は2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジ
ン]−エタンスルホン酸の如き、各種の水酸基含有スル
ホン酸類;
【0065】あるいは、タウリンの如き、各種のアミノ
基含有スルホン酸類などをはじめ、さらには、チオール
基含有スルホン酸類;水酸基含有硫酸類;アミノ基含有
硫酸類;チオール基含有硫酸類;水酸基含有リン酸類;
アミノ基含有リン酸類、あるいはチオール基含有リン酸
類などである。
【0066】これらの化合物と、イソシアネート基含有
ポリウレタン樹脂との付加反応には、公知慣用の触媒で
あるジブチル錫オクテートやジブチル錫ラウレートの如
き、各種の錫化合物を、あるいはDABCO(1,4−
ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン)の如き、各種
のアミン化合物などを用いることもでき、反応温度は、
0℃〜100℃程度なる範囲内が、好ましくは、20℃
〜80℃なる範囲内が適切である。
【0067】当該ポリウレタン樹脂(A)を、当該Iな
る調製方法で以て製造する際に使用される金属化合物と
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、前
記した金属の酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、アルコ
キシド化合物、炭酸塩、硫酸塩あるいは酢酸塩などが挙
げられるが、それらのうちでも特に代表的なるもののみ
を例示するにとどめれば、
【0068】酸化珪素、酸化ゲルマニウム、酸化アルミ
ニウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化ニッケル、酸化鉄、酸
化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、
水酸化アルミニウム、水酸化銅、水酸化ニッケル、水酸
化マグネシウムまたは水酸化カルシウムなどをはじめ、
【0069】ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジク
ロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、四塩化ゲ
ルマニウム、塩化錫、塩化鉛、塩化亜鉛、塩化カドミウ
ム、塩化水銀、塩化銅、塩化ニッケル、塩化コバルト、
塩化鉄、塩化マンガン、塩化クロム、塩化チタン、塩化
ジルコニウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、
【0070】テトラエトキシシラン、ジメトキシジメチ
ルポリシロキサン、トリブトキシアルミニウム、テトラ
エトキシチタン、または炭酸鉛、炭酸亜鉛、炭酸カドミ
ウム、炭酸コバルト、炭酸マンガン、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、
【0071】硫酸錫、硫酸亜鉛、硫酸カドミウム、硫酸
銅、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸鉄、硫酸マンガ
ン、硫酸クロム、硫酸ジルコニウム、酢酸錫、酢酸鉛、
酢酸亜鉛、酢酸カドミウム、酢酸水銀、酢酸銅、酢酸ニ
ッケル、酢酸カドミウム、酢酸マンガン、酢酸クロムま
たは酢酸カルシウムなどである。
【0072】かかる金属化合物と、酸基を有するポリウ
レタン樹脂とを反応せしめて、当該ポリウレタン樹脂
(A)を製造するに際し、触媒として、アミン類や塩基
化合物などを用いることもできる。
【0073】反応温度としては、20℃〜200℃程度
なる範囲内が、好ましくは、50℃〜150℃なる範囲
内が適切である。かかる反応の際に、副生成物として、
水や酸類などが生成するが、これらは、必要に応じて、
それぞれ、共沸法あるいは塩基性物質による中和−濾過
法などで以て、除去しなければならない。
【0074】次に、前記したIIなる製造方法について
詳述することにする。此のIIなる製造方法で以て使用
される、アルカリ金属塩を有するポリウレタン樹脂は、
以下に示すような、公知慣用の方法によって製造するこ
とが出来る。
【0075】IIの:前述したIのや、前述したI
のなどの製造方法で以て得られた酸基を有するポリウ
レタン樹脂と、水酸化ナトリウムとを反応させるという
ものである。
【0076】その際の反応温度としては、0℃〜100
℃程度なる範囲が、好ましくは、20℃〜80℃なる範
囲が適切である。
【0077】IIの:イソシアネート基を有するポリ
ウレタン樹脂と、酸基、水酸基、チオール基またはアミ
ノ基の如き活性水素含有基と酸基のアルカリ金属塩とを
併有する化合物とを反応させるというものである。
【0078】此のIIのなる方法で以て使用される、
イソシアネート基を有するポリウレタン樹脂を製造する
に際して用いられる、それぞれ、ジオール化合物、ジイ
ソシアネート化合物、そして、鎖伸長剤類として特に代
表的なるものは、既述した製造方法Iに掲げられたよう
な、種々の化合物を挙げることが出来る。
【0079】IIので使用される酸基、水酸基、チオ
ール基またはアミノ基の如き活性水素含有基と酸基のア
ルカリ金属塩とを併有する化合物として特に代表的なも
ののみを例示することにすると、前述したIのなる方
法で以て使用されるような、酸基、水酸基、チオール基
またはアミノ基の如き活性水素含有基と酸基とを併有す
る化合物と、Li、Na、K、RbまたはCsなどのア
ルカリ金属からなる塩結合を有する化合物とが挙げられ
る。
【0080】これらの化合物と、イソシアネート基含有
ポリウレタン樹脂との付加反応には、公知慣用の触媒で
あるジブチル錫オクテートやジブチル錫ラウレートの如
き、各種の錫化合物を、あるいはDABCO(1,4−
ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン)の如き、各種
のアミン化合物などを用いることもでき、反応温度は、
0〜100℃程度なる範囲内が、好ましくは、20〜8
0℃なる範囲内が適切である。
【0081】当該ポリウレタン樹脂(A)を、此のII
なる方法で以て製造する際に使用される金属硫酸塩とし
ては、前記したような各種の金属の硫酸塩が挙げられ
る。かかる金属硫酸塩とアルカリ金属塩を有するポリウ
レタン樹脂とを反応せしめて、当該ポリウレタン樹脂
(A)を製造する際の反応温度としては、20〜100
℃程度なる範囲内が、好ましくは、40〜90℃なる範
囲内が適切である。
【0082】同じく、こうした反応の際にも、副生成物
として硫酸ナトリウムが生成するけれども、これらは、
必要に応じて、水洗法あるいは濾過法などで以て、除去
しなければならない。
【0083】最後に、前記したIIIなる製造方法につ
いて詳述することにする。此のIIIなる製造方法で以
て使用される、イソシアネート基を有するポリウレタン
樹脂を製造するに際して用いられる、それぞれ、ジオー
ル化合物、ジイソシアネート化合物、そして、鎖伸長剤
類の代表的なものとしては、前述した製造方法Iの処で
以て掲げられたような、種々の化合物などを挙げること
が出来る。
【0084】此のIIIなる製造方法で使用される、そ
れぞれ、酸基、水酸基、チオール基またはアミノ基の如
き活性水素含有基と酸基との多価金属塩を併有する化合
物として特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、既述したIので使用されるような、酸基、水酸
基、チオール基またはアミノ基の如き活性水素含有基と
酸基を併有する化合物と前記した各種多価金属からなる
塩結合を有する化合物が挙げられる。
【0085】当該ポリウレタン樹脂(A)を、此のII
Iなる方法で以て製造する際の、酸基、水酸基、チオー
ル基またはアミノ基の如き、各種の活性水素含有基と金
属塩とを併有する化合物と、イソシアネート基を有する
ポリウレタン樹脂との付加反応には、公知慣用の触媒で
ある、ジブチル錫オクテートやジブチル錫ラウレートな
どの如き、各種の錫化合物を、あるいは、DABCO
(1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン)の
如き、各種のアミン化合物などを用いることもできる。
【0086】反応温度はとして、0〜100℃程度なる
範囲内が、好ましくは、20〜80℃なる範囲内が適切
である。
【0087】当該ポリウレタン樹脂(A)を製造する際
の、それぞれ、ウレタン化反応、尿素化反応または酸無
水物付加反応における反応溶剤は、使用しても使用しな
くてもよく、樹脂単独の粘度あるいは共沸反応などを考
慮して、適宜、選択することが出来る。
【0088】溶剤を使用する際には、分子中に活性水素
を有しないような化合物を、あるいはそれらの混合物を
使用せねばならない。
【0089】かかる溶剤類として特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、ベンゼン、トルエンもしくは
キシレンの如き、各種の芳香族炭化水素類;ヘキサン、
ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンもしくはシクロオ
クタンの如き、各種の脂肪族炭化水素類ないしは脂環式
炭化水素類;
【0090】ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ルもしくはジ−n−ブチルエーテルまたはジメトキシエ
タン、テトラヒドロフランもしくはジオキサンの如き、
各種のエーテル類;
【0091】酢酸エチル、酢酸ブチルもしくは酢酸アミ
ルまたはエチレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ートもしくはエチレングリコールモノエチルエーテルア
セテートの如き、各種のエステル系溶剤類;
【0092】塩化メチレン、クロロフォルム、トリクロ
ロエタン、四塩化炭素もしくはクロロベンゼンの如き、
各種のハロゲン化炭化水素類;N−メチルピロリドンも
しくはジメチルフォルムアミドの如き、各種の非プロト
ン系極性溶剤類;
【0093】あるいはアセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンのもしく
はシクロヘキサノンの如き、各種のケトン類などであ
る。かかる溶剤類は、単独使用でも2種以上の併用でも
よいことは、勿論である。
【0094】当該ポリウレタン樹脂(A)を製造する際
の金属塩生成反応や金属交換反応にあっては、金属塩の
生成のために、水、メタノール、エタノール、イソプロ
パノールまたはn−ブタノールなどの、いわゆる分子中
に活性水素を有する化合物を、前記した有機溶剤と併用
することが出来る。
【0095】かくして得られる主鎖中および/または主
鎖末端に金属塩結合を有するポリウレタン樹脂(A)の
数平均分子量としては、300〜100,000なる範
囲内が好ましいし、さらに、500〜50,000なる
範囲内が好ましい。
【0096】300未満の場合には、どうしても、当該
ポリウレタン樹脂(A)のフィルム強度が低くなり、ひ
いては、塗膜として機能しなくなるし、一方、100,
000を超えて余りに高くなる場合には、どうしても、
当該ポリウレタン樹脂(A)の塗膜の、海水への溶出性
が悪くなるので、いずれの場合も適当ではない。
【0097】当該ポリウレタン樹脂(A)の金属塩含有
量としては、該樹脂の1g当たり、0.05〜5ミリモ
ル程度が好ましいし、さらに、0.5〜3.5ミリモル
程度がより好ましい。
【0098】0.05ミリモル未満の場合には、どうし
ても、塗膜の海水への溶出性が悪くなるし、一方、5ミ
リモルを超えて余りに多くなる場合には、どうしても、
塗膜の海水への溶出性が早すぎるようになるので、いず
れの場合も適当ではない。
【0099】また、当該ポリウレタン樹脂(A)の多価
金属塩の金属には、アセチルアセトンの如き、各種のジ
ケトン系化合物;アセト酢酸エチルの如き、各種のβ−
ケトエステル系化合物;あるいはアミン系化合物、ピリ
ジン系化合物の如き、各種のキレート形成性化合物が、
キレート化した形で以て結合していてもよい。
【0100】さらに、当該ポリウレタン樹脂(A)は、
金属塩の替わりに、アミン塩を一部、含んでいても、何
ら、差し支えがない。
【0101】本発明における樹脂成分としては、当該ポ
リウレタン樹脂(A)を、唯一の皮膜形成性成分とし
て、単独で以て使用してもよいし、あるいは、当該ポリ
ウレタン樹脂(A)それ自体の、海水中への溶出速度を
制御するために、それぞれ、親水性樹脂(B)および/
または親水性化合物(C)を併用することが出来るし、
【0102】また、かかる親水性樹脂(B)および/ま
たは親水性化合物(C)と、疎水性樹脂(D)とを併用
することも出来るし、さらには、疎水性樹脂(D)とを
併用することも出来る。
【0103】上記した親水性樹脂(B)とは、水溶性
の、ないしは水膨潤性の高い樹脂類を指称するものであ
る。かかる親水性樹脂(B)として特に代表的なものの
みを例示するにとどめれば、分子中にエーテル基または
アミド基の如き、種々の親水性基を有するビニル系重合
体や、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ールもしくはポリテトラメチレングリコールの如き、各
種のポリエーテル樹脂などである。
【0104】また、該親水性基含有ビニル系重合体とし
て特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、メチ
ルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、2−メトキ
シエチルメタクリレート、(メタ)アクリルアミドまた
はN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドの如き、親
水性基含有ビニル系単量体類の単独重合体、
【0105】あるいは、これらの親水性基含有ビニル系
単量体類と、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレ
ン、アクリロニトリルの如き、共重合可能なる各種のエ
チレン不飽和単量体類との共重合体などである。
【0106】さらに、上記した親水性化合物(C)と
は、水溶性の、ないしは水膨潤性の高い、低分子量の化
合物を指称するものである。かかる親水性化合物(C)
として代表的なもののみを例示するにとどめれば、1価
アルコール類、ポリヒドロキシ化合物、モノカルボキシ
化合物またはポリカルボキシ化合物などであるが、これ
らのうちでも特に望ましいものとしては、モノカルボキ
シ化合物が、就中、ロジンの使用が適切である。
【0107】さらにまた、上記した疎水性樹脂(D)と
は、非水溶性で、かつ、水膨潤性の低い樹脂類を指称す
るものである。かかる疎水性樹脂(D)として特に代表
的なもののみを例示するにとどめれば、塩素化オレフィ
ン系重合体類や、何ら、エーテル基またはアミド基の如
き、いわゆる親水性基を有しないか、あるいは、かかる
親水性基の含有率が極めて低いようなアクリル系重合体
などであるが、勿論、これらのもののみに、決して、限
定されるものではない。
【0108】前述した、それぞれの、ポリウレタン樹脂
(A)、親水性樹脂(B)、親水性化合物(C)および
疎水性樹脂(D)なる各成分から、本発明の防汚塗料用
樹脂組成物を得るには、上述したように、樹脂成分とし
て、専ら、主鎖中に金属塩結合を有するポリウレタン樹
脂(A)のみを、単独で以て使用してもよいし、あるい
は、当該ポリウレタン樹脂(A)と、当該ポリウレタン
樹脂(A)以外の3成分、つまり、前述した樹脂
(B)、化合物(C)または樹脂(D)のうちの、少な
くとも1種とを併用してもよい。
【0109】その際において、当該ポリウレタン樹脂
(A)と、当該ポリウレタン樹脂(A)成分以外の3成
分のうちの、少なくとも1種とを併用する場合には、通
常、当該(A)成分の100重量部に対して、(B)お
よび/または(C)成分が5〜200重量部程度の範
囲、好ましくは、5〜100重量部となるように、
【0110】あるいは、当該(A)成分の100重量部
に対して、(D)成分が5〜200重量部程度の範囲、
好ましくは、5〜100重量部となるように、あるいは
また、当該(A)成分の100重量部に対して、(B)
および/または(C)と(D)成分の合計量がが5〜2
00重量部程度となるように、好ましくは、5〜100
重量部となるように混合すればよい。
【0111】さらに、本発明の防汚塗料用樹脂組成物に
対しては、防汚剤(E)を配合させることが出来る。特
に代表的なる当該防汚剤のみを挙げるにとどめれば、ト
リフェニル錫ハイドロオキサイド、トリフェニル錫フル
オライド、トリフェニル錫クロライド、トリフェニル錫
ニコチネート、トリフェニル錫バーサテート、ビス(ト
リフェニル錫)−α,α’−ジブロムサクシネート、ビ
ス(トリフェニル錫)オキサイドもしくはトリフェニル
錫ジメチルキチオカーバメートなどをはじめ、
【0112】さらには、トリブチル錫ハイドロオキサイ
ド、ビス(トリブチル錫)オキサイド、トリブチル錫ク
ロライド、トリブチル錫フルオライド、トリブチル錫ア
セテート、トリブチル錫ニコチネート、トリブチル錫バ
ーサテート、ビス(トリブチル錫)−α,α’−ジブロ
ムサクシネート、トリシクロヘキシル錫ハイドロオキサ
イド、ビス(トリシクロヘキシル錫)オキサイド、トリ
シクロヘキシル錫クロライド、トリシクロヘキシル錫フ
ルオライド、トリシクロヘキシル錫アセテート、トリシ
クロヘキシル錫ニコチネート、トリシクロヘキシル錫バ
ーサテート、ビス(トリシクロヘキシル錫)−α,α’
−ジブロムサクシネートの如き、各種の有機系錫防汚剤
類;
【0113】クエン酸第二銅、キノリン第二銅、δ−ハ
イドロキノリン第二銅、オレイン酸第二銅、酒石酸第二
銅、オキシン酸銅、ナフテン酸銅、ノニルフェニルスル
ホン酸銅、酢酸銅、ビス(ペンタクロロフェノール酸)
銅の如き、各種の有機系銅防汚剤類;酢酸ニッケル、ジ
メチルジチオカルバミン酸ニッケルの如き、各種の有機
系ニッケル防汚剤類;酢酸亜鉛、カルバミン酸亜鉛、ジ
メチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチレンビス(ジチオ
カルバミン酸)亜鉛の如き、各種の有機系亜鉛防汚剤
類;
【0114】N−トリクロロメチルチオフタルイミド、
N−フルオロジクロロメチルチオフタルイミドの如き、
各種のN−トリハロメチルチオフタルイミド系防汚剤
類;ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィド、
N−メチルジチオカルバミン酸アンモニウム、エチレン
ビス(ジチオカルバミン酸)アンモニウムの如き、各種
のジチオカルバミン酸系防汚剤類;
【0115】N−(2,4,6−トリクロロフェニル)
マレイミド、N−4−トリルマレイミド、N−(3−ク
ロロフェニル)マレイミド、N−(4−n−ブチルフェ
ニル)マレイミド、N−(2,3−キシリル)マレイミ
ドの如き、各種のN−アリールマレイミド系防汚剤類;
【0116】または3−ベンジリデンアミノ−1,3−
チアゾリジン−2,4−ジオン、3−(4−メチルベン
ジリデンアミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジ
オン、3−(2−ヒドロキシベンジリデンアミノ)−
1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン、3−(4−ジ
メチルアミノベンジリデンアミノ)−1,3−チアゾリ
ジン−2,4−ジオン、3−(2,4−ジクロロベンジ
リデンアミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオ
ンの如き、各種の3−置換アミノ−1,3−チアゾリジ
ン−2,4−ジオン系防汚剤類だるとか、
【0117】あるいは、ジチオシアノメタン、ジチオシ
アノエタン、2,5−ジチオシアノチオフェンの如き、
各種のジチオシアノ系防汚剤類;トリアジン系防汚剤
類;ナフトキノン系防汚剤類;またはテトラメチルチウ
ラムジスルファイドの如き、各種のイオウ系防汚剤類な
どをはじめ、
【0118】さらには、ニッケル銅合金、銅、チオシア
ン酸銅、炭酸銅、硫酸銅、クロム酸第二銅、フェロシア
ン酸第二銅、硝酸第二銅、燐酸第二銅、、亜酸化銅、酸
化第二銅、沃化第一銅または亜硫酸第一銅の如き、各種
の銅系防汚剤類;あるいはまた、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、
硫酸ニッケル、クロム酸ストロンチウムの如き、各種の
金属防汚剤類などの、種々の有機系ないしは無機系の防
汚剤類などである。
【0119】さらには、各種の殺菌剤類、防藻剤類また
は防黴剤類などに使用されるような種々の化合物もま
た、使用できる。これらの防汚剤類は単独使用でも、2
種以上の併用でもよい。
【0120】特に、環境(海水)への汚染と、防汚性と
のバランスからも、亜酸化銅の使用が有効である。
【0121】当該防汚剤(E)の使用量としては、通
常、樹脂成分の100重量部に対して、1〜700重量
部なる範囲内が、好ましくは、2〜500重量部なる範
囲内が適切であり、こうした範囲内となるような割合で
以て配合すればよい。
【0122】また、本発明の防汚塗料樹脂組成物に対し
ては、さらに、顔料を配合せしめることも出来る。
【0123】そのうちでも特に代表例なもののみを例示
するにとどめれば、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラ
ックの如き、各種の無機顔料類;またはアゾ系、シアニ
ン系もしくはキナクリドン系の如き、各種の有機顔料類
などであるが、通常は、無機顔料類が用いられる。
【0124】これらの顔料類は単独使用でも、2種以上
の併用でもよい。
【0125】主鎖中に金属塩結合を有するポリウレタン
樹脂(A)を、必須の皮膜形成性成分として含有する、
当該防汚塗料用樹脂組成物には、主鎖中に金属塩結合を
有するポリウレタン樹脂(A)、親水性樹脂(B)、親
水性化合物(C)、疎水性樹脂(D)および防汚剤
(E)、ならびに、顔料その他の添加剤の溶解性を考慮
して、各種の溶剤を添加することが出来る。
【0126】そうした溶剤としては、既述したような、
主鎖中に金属塩結合を有する当該ポリウレタン樹脂
(A)の製造時において使用される溶剤類をも含め、ア
ルコール類の如き、分子中に活性水素を有する各種の化
合物を、あるいは、これらの混合物を、添加することも
出来る。
【0127】かくして得られる、本発明の防汚塗料用樹
脂組成物は、主として、船底塗料として、海中構築物用
塗料として、あるいは漁網用塗料などとして利用するこ
とが出来る。
【0128】
【実施例】次に、本発明を参考例、実施例および比較例
により、一層、具体的に説明するが、本発明はこれらの
実施例のみに限定されるものではない。なお、以下にお
いて部および%は、特に断りの無い限り、すべて重量基
準であるものとする。
【0129】参考例 1〔主鎖中および/または主鎖末
端に多価金属の塩からなる結合を有するポリウレタン樹
脂(A)の調製例〕 温度計、還流冷却器、攪拌機および滴下漏斗を備えた反
応容器に、メチルエチルケトンの107部と、キシレン
の107部と、1,6−ヘキサンジオールの79部と、
2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−
ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネートの136部
と、ジブチル錫ジラウレートの0.1部とを仕込んで、
70℃に昇温した。
【0130】次いで、同温度で、メチルエチルケトンの
93部と、キシレンの93部と、トリレンジイソシアネ
ートの185部とからなる混合物を、2時間に亘って滴
下し、その後も同温度で、8時間のあいだ攪拌して、こ
の反応混合物中には、イソシアネート基が存在しないこ
とを、赤外線吸収スペクトル(IR)測定で以て確認し
た。
【0131】その後は、フタル酸無水物の79部と、メ
チルエチルケトンの39部と、キシレンの39部と、N
−メチルイミダゾールの0.5部とを添加し、85℃に
昇温してから、同温度で10時間のあいだ攪拌して、こ
の反応混合物中には、もはや、酸無水基の存在しないこ
とを、IR測定で以て確認した。
【0132】しかるのち、酸化亜鉛の22部と、メチル
エチケトンの11部およびキシレンの11部とを添加
し、反応温度を85℃として、5時間に亘って反応さ
せ、不揮発分が49.5%なる、淡黄色の目的重合体の
溶液を得た。以下、これをA−1と略称する。
【0133】参考例 2(同上) 温度計、還流冷却器、攪拌機および滴下漏斗を備えた反
応容器に、トルエンの174部、2,2−ジメチル−3
−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロ
キシプロピオネートの174部および水素化ビスフェノ
ールAの41部と、ジブチル錫ジラウレートの0.1部
とを仕込んで、80℃に昇温した。
【0134】次いで、同温度で、トルエンの152部
と、イソフォロンジイソシアネートの152部とからな
る混合物を、2時間に亘って滴下し、その後も同温度
で、5時間のあいだ攪拌して、この反応混合物中に、イ
ソシアネート基が存在しないことを、IR測定で確認し
てから、
【0135】トルエンの105部と、ヘキサヒドロフタ
ル酸無水物の105部と、テトラメチルエチレンジアミ
ンの0.5部とを添加したのち、100℃に昇温して、
同温度で10時間のあいだ攪拌した処、この反応混合物
中には、もはや、酸無水物基の存在しないことを、IR
測定で以て確認した。
【0136】しかるのち、酸化亜鉛の28部およびトル
エンの28部を添加し、100℃で5時間のあいだ反応
させて、不揮発分が49.3%なる、淡黄色の目的重合
体の溶液を得た。以下、これをA−2と略称する。
【0137】参考例 3(同上) 温度計、還流冷却器、攪拌機および滴下漏斗を備えた反
応容器に、トルエンの214部、ジプロピレングリコー
ルの85部および2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプ
ロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネ
ートの129部と、ジブチル錫ジラウレート0.1部を
仕込んで、80℃に昇温した。
【0138】次いで、同温度で、トルエンの187部
と、イソフォロンジイソシアネートの187部とからな
る混合物を、2時間に亘って滴下し、その後も、同温度
で4時間のあいだ攪拌して、この反応混合物中に、イソ
シアネート基が存在しないことを、IR測定で確認し、
ヘキサヒドロフタル酸無水物の130部と、トルエンの
130部と、N−メチルイミダゾールの0.5部とを添
加し、100℃に昇温したのち、同温度で10時間のあ
いだ攪拌して、この反応混合物中には、もはや、酸無水
基が存在しないことを、IR測定で以て確認した。
【0139】しかるのち、ピリジン67部を添加してか
ら、トルエンの54部およびジメチルジクロロシランの
54部からなる混合物を、同温度で、1時間に亘って添
加し、さらに、同温度で10時間のあいだ反応させ、濾
過により副生したピリジン塩酸塩を除去して、不揮発分
が50.2%なる目的重合体の溶液を得た。以下、これ
をA−3と略称する。
【0140】参考例 4(同上) 温度計、還流冷却器、攪拌機および滴下漏斗を備えた反
応容器に、トルエンの217部、2,2−ジメチル−3
−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロ
キシプロピオネートの217部およびジブチル錫ジラウ
レートの0.1部を仕込んで、80℃に昇温した。
【0141】次いで、同温度で、トルエンの118部
と、イソホロンジイソシアネートの118部とからなる
混合物を、2時間に亘って滴下し、その後も同温度で、
4時間のあいだ攪拌して、この反応混合物中に、イソシ
アネート基が存在しないことを、IR測定で以て確認し
たのち、ヘキサヒドロフタル酸無水物の164部と、ト
ルエンの164部と、テトラメチルエチレンジアミンの
0.5部とを添加し、100℃で10時間攪拌して、こ
の反応混合物中には、もはや、酸無水基が存在しないこ
とを、IR測定で以て確認した。
【0142】しかるのち、20%水酸化ナトリウム水溶
液の213部を、40℃で、1時間に亘って添加してか
ら、85℃で2時間のあいだ反応させることによって、
樹脂中のカルボン酸をナトリウム塩と為した。
【0143】同温度で、硫酸銅5水和物の133部と、
水の533部とからなる水溶液を、1時間かけて添加し
たのち、同温度で、2時間のあいだ反応させた。その後
は、反応混合物から、分液ロートを用いて、有機層を単
離し、共沸で残存する水分を除いて、不揮発分が50.
3%なる、濃緑色の目的重合体の溶液を得た。以下、こ
れをA−4と略称する。
【0144】参考例 5(同上) 温度計、還流冷却器、攪拌機および滴下漏斗を備えた反
応容器に、トルエンの209部と、2,2−ジメチル−
3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒド
ロキシプロピオネートの209部と、ジブチル錫ジラウ
レートの0.1部とを仕込み、80℃に昇温した。
【0145】次いで、同温度で、トルエンの89部およ
びトリレンジイソシアネートの89部からなる混合物
を、2時間に亘って滴下し、その後も、同温度で、5時
間のあいだ攪拌して、この反応混合物中には、イソシア
ネート基が存在しないことを、IR測定で以て確認し
た。
【0146】続いて、コハク酸無水物の102部と、ト
ルエン102部と、N−メチルイミダゾールの0.5部
とを添加し、100℃で、10時間のあいだ攪拌して、
この反応混合物中には、もはや、酸無水基の存在しない
ことを、IR測定で以て確認した。
【0147】しかるのち、水酸化銅の50部およびトル
エンの50部を添加して、85℃で、5時間のあいだ反
応させることによって、不揮発分が49.3%なる、濃
緑色の目的重合体の溶液を得た。以下、これをA−5と
略称する。
【0148】参考例 6(同上) 温度計、還流冷却器、攪拌機および滴下漏斗を備えた反
応容器に、トルエンの221部と、2,2−ジメチル−
3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒド
ロキシプロピオネートの179部と、水素化ビスフェノ
ールAの42部と、ジブチル錫ジラウレートの0.1部
とを仕込んで、80℃に昇温した。
【0149】次いで、同温度で、トルエンの156部
と、イソフォロンジイソシアネートの156部とからな
る混合物を、2時間に亘って滴下し、その後も、同温度
で、5時間のあいだ攪拌して、この反応混合物中には、
イソシアネート基が存在しないことを、IR測定で以て
確認した。
【0150】引き続いて、トルエンの108部と、ヘキ
サヒドロフタル酸無水物の108部と、テトラメチルエ
チレンジアミンの0.5部とを添加し、100℃に昇温
してから、同温度で、10時間のあいだ攪拌して、この
反応混合物中には、もはや、酸無水物基の存在しないこ
とをIR測定で以て確認した。
【0151】しかるのち、酸化マグネシウムの14部
と、トルエンの14部とを添加し、100℃で、5時間
のあいだ反応させることによって、不揮発分が49.5
%なる、淡黄色の目的重合体の溶液を得た。以下、これ
をA−6と略称する。
【0152】参考例 7(同上) 温度計、還流冷却器、攪拌機および滴下漏斗を備えた反
応容器に、キシレンの84部、メチルエチルケトンの8
4部、ジエチレングリコールの35部、ならびにビスフ
ェノールAの水酸基に対して2モルのエチレンオキサイ
ドが付加した形の化合物の134部と、ジブチル錫ジラ
ウレートの0.1部とを仕込んで、70℃にまで昇温し
た。
【0153】次いで、同温度で、キシレンの98部、メ
チルエチルケトンの98部、イソフォロンジイソシアネ
ートの110部およびトリレンジイソシアネートの86
部からなる混合物を、2時間に亘って滴下し、その後
も、同温度で、5時間のあいだ攪拌して、この反応混合
物中のイソシアネート基量が変化しないことを、IR測
定で確認した。
【0154】引き続いて、キシレンの25部と、メチル
エチルケトンの25部と、グリコール酸の50部とを添
加し、85℃に昇温してから、同温度で、10時間のあ
いだ攪拌して、この反応混合物中には、イソシアネート
基の存在しないことを、IR測定で以て確認した。
【0155】しかるのち、ニッケルアセチルアセトネー
トの85部、キシレンの42部およびメチルエチルケト
ンの42部を添加し、85℃で、8時間に亘り反応させ
て、不揮発分が49.2%なる、黄緑色の目的重合体の
溶液を得た。以下、これをA−7と略称する。
【0156】参考例 8〔水溶性樹脂たる、N−ビニル
ピロリドン系共重合体(B)の調製例〕 温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗および窒素ガス
導入管を備えた反応容器に、キシレンの200部および
n−ブタノールの200部を仕込んで、内容液中に、3
0分間の窒素ガスブローを行なった。
【0157】次いで、100℃に昇温して、キシレンの
50部、n−ブタノールの50部、tert−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエートの5部、N−ビニ
ルピロリドンの400部およびメチルメタクリレートの
100部を、5時間かけて滴下した。
【0158】さらに、100℃で、10時間に亘る反応
を継続せしめて、目的とする水溶性樹脂を得た。以下、
これをB−1と略称する。
【0159】参考例 9〔水溶性樹脂たるアクリルアミ
ド系共重合体(B)の調製例〕 温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗および窒素ガス
導入管を備えた反応容器に、キシレンの400部を仕込
んでから、100℃にまで昇温したのち、
【0160】キシレンの100部、tert−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエートの10部、アゾビ
スイソブチロニトリルの2.5部、 N,N−ジメチル
アクリルアミドの250部、メチルメタクリレートの1
00部およびエチルアクリレートの150部よりなる混
合物を、6時間かけて滴下した。
【0161】さらに、同温度で、8時間のあいだ反応を
続行せしめて、目的とする水溶性樹脂を得た。以下、こ
れをB−2と略称する。
【0162】参考例 10〔疎水性共重合体(C)の調
製例〕 温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗および窒素ガス
導入管を備えた反応容器に、キシレンの400部を仕込
んでから、100℃にまで昇温したのち、キシレンの1
00部と、
【0163】tert−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエートの10部、アゾビスイソブチロニトリル
の2.5部およびメチルメタクリレートの400部と、
イソブチルアクリレートの100部とからなる混合物
を、6時間かけて滴下した。
【0164】さらに、同温度で、8時間のあいだ反応を
続行せしめて、目的とする疎水性樹脂を得た。これをC
−1と略称する。
【0165】実施例 1〜8ならびに比較例 1および
2 第1表に示される通りの配合組成に基づいて、それぞれ
の所定の成分を配合せしめ、混練分散を行なって、各種
の防汚塗料を調製した。
【0166】次いで、後掲する如き要領に従って、諸性
能の比較検討を行なった。それらの結果は、まとめて、
第2表に示す。
【0167】《性能試験要領》 〔I〕 ロータリー試験 サンドブラストした、10cm×10cm×0.8mm
なる大きさの銅板に、エッチング・プライマーを、塗膜
厚が5ミクロン(μm)となるように、1回、塗装せし
め、さらに、タール・ビニル系船底防錆塗料を、塗膜厚
が70μmとなるようにして、1回、塗装せしめた。
【0168】次いで、実施例1〜8ならびに比較例1お
よび2において得られた、それぞれの防汚塗料を、塗膜
厚が60μmとなるようにして、3回、塗装せしめて、
各種の試験板を得た。
【0169】しかるのち、それぞれの試験板を、海面下
に垂下された回転ドラムの外側に取り付け、試験板に対
して、海水の速度が10ノットとなるようにして、ドラ
ムを回転させ、3ケ月間のロータリー試験を行なって、
初期膜厚と経時変化後との膜厚差を測定して、自己研磨
性の評価を行った。
【0170】〔II〕 シミュレーション試験 サンドブラストした、10cm×10cm×1mmなる
大きさの銅板に、下塗防錆塗料として、タール・エポキ
シ塗料を、125μmなる塗膜厚で以て、2回、塗装せ
しめ、さらに、タール・ビニル系の中塗塗料を、70μ
mなる塗膜厚となるようにして、1回、塗装せしめた。
【0171】次いで、実施例1〜8ならびに比較例1お
よび2で得られた、それぞれの防汚塗料を、塗膜が10
0μmなる厚みとなるように、3回、塗装せしめ、しか
るのち、かくして得られた、それぞれの試験板を、前述
のロータリー試験を1ケ月間に亘って行なってから、さ
らに、そのあと、1.5mの海中に1ケ月間のあいだ浸
漬せしめることを以って、1サイクルの試験期間とし
た。
【0172】船舶の運航を想定したシミュレーション試
験を行ない、1サイクル毎の防錆性を、試験塗膜上の付
着生成物の占有面積(%)で以って表示した。それらの
試験結果を、まとめて、第3表に示す。
【0173】
【表1】
【0174】
【表2】
【0175】《第1表の脚注》塩化ゴムとしては、「ア
デカ塩化ゴム CR−10」[旭電化工業(株)製品]
を使用した。
【0176】ロジンは、50%のトルエン溶液として用
いた。
【0177】塩化ゴムは、50%の酢酸エチル溶液とし
て用いた。
【0178】
【表3】
【0179】《第2表の脚注》いずれも、塗膜の消耗度
(μm/月)で以て表示している。
【0180】
【表4】
【0181】《第3表の脚注》いずれも、付着生成物の
占有面積(%)で以て表示している。
【0182】
【発明の効果】本発明の防汚塗料用組成物は、海水中
で、徐々に溶解するという機能を有する重合体類を用い
るというものであることは勿論であり、加えて、強固に
して、しかも、適度なる水溶性を保持する塗膜を形成せ
しめることが出来る。
【0183】したがって、本発明の組成物は、塗料中に
配合される防汚剤を、長期間に亘って、安定的に溶出せ
しめることが出来るという処から、船底および魚網なら
びに海中構築構造物の如き、海水中に長期間に亘って放
置されるような、種々の物体の表面塗装などに、極めて
実用性の高いものである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主鎖中および/または主鎖末端に多価金
    属の塩からなる結合を有するポリウレタン樹脂(A)
    を、必須の皮膜形成性成分として含有することを特徴と
    する、防汚塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 主鎖中および/または主鎖末端に多価金
    属の塩からなる結合を有するポリウレタン樹脂(A)
    と、親水性樹脂(B)および/または親水性化合物
    (C)とを含有することを特徴とする、防汚塗料用樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 主鎖中および/または主鎖末端に多価金
    属の塩からなる結合を有するポリウレタン樹脂(A)
    と、疎水性樹脂(D)とを含有することを特徴とする、
    防汚塗料用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 主鎖中および/または主鎖末端に多価金
    属の塩からなる結合を有するポリウレタン樹脂(A)
    と、親水性樹脂(B)および/または親水性化合物
    (C)と、疎水性樹脂(D)とを含有することを特徴と
    する、防汚塗料用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 主鎖中および/または主鎖末端に多価金
    属の塩からなる結合を有するポリウレタン樹脂(A)
    と、防汚剤(E)とを含有することを特徴とする、防汚
    塗料用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 主鎖中および/または主鎖末端に多価金
    属の塩からなる結合を有するポリウレタン樹脂(A)
    と、親水性樹脂(B)および/または親水性化合物
    (C)と、防汚剤(E)とを含有することを特徴とす
    る、防汚塗料用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 主鎖中および/または主鎖末端に多価金
    属の塩からなる結合を有するポリウレタン樹脂(A)
    と、疎水性樹脂(D)と、防汚剤(E)とを含有するこ
    とを特徴とする、防汚塗料用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 主鎖中および/または主鎖末端に多価金
    属の塩からなる結合を有するポリウレタン樹脂(A)
    と、親水性樹脂(B)および/または親水性化合物
    (C)と、疎水性樹脂(D)と、防汚剤(E)とを含有
    することを特徴とする、防汚塗料用樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 前記した金属塩結合が、カルボキシル
    基、式(I)または式(II)に示されるリン原子を含
    有する酸基および式(III)に示されるイオウ原子を
    含有する官能基よりなる群から選ばれる、少なくとも1
    種の原子団基と、Si、Ge、Sn、Pb、Al、Z
    n、Cd、Hg、Cu、Ag、Ni、Co、Fe、M
    n、Cr、Ti、Zr、MgおよびCaよりなる群から
    選ばれる、少なくとも1種の金属とからなるものであ
    る、請求項1〜8のいずれかに記載の防汚塗料用樹脂組
    成物。 【化1】 [ただし、式中のRは水素原子、水酸基、アルキル基、
    アルコキシル基、アリール基またはアリールオキシ基を
    表わすものとする。] 【化2】 [ただし、式中のRは水素原子、水酸基、アルキル基、
    アルコキシル基、アリール基またはアリールオキシ基を
    表わすものとする。] 【化3】
  10. 【請求項10】 前記した防汚剤(E)が亜酸化銅であ
    ること、請求項5〜8のいずれかに記載の防汚塗料用樹
    脂組成物。
JP23988393A 1993-09-27 1993-09-27 防汚塗料用樹脂組成物 Pending JPH0790200A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23988393A JPH0790200A (ja) 1993-09-27 1993-09-27 防汚塗料用樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23988393A JPH0790200A (ja) 1993-09-27 1993-09-27 防汚塗料用樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0790200A true JPH0790200A (ja) 1995-04-04

Family

ID=17051302

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23988393A Pending JPH0790200A (ja) 1993-09-27 1993-09-27 防汚塗料用樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0790200A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002535437A (ja) * 1999-01-20 2002-10-22 アクゾ ノーベル ナムローゼ フェンノートシャップ 防汚塗料
WO2005100495A1 (ja) * 2004-04-12 2005-10-27 Daikin Industries, Ltd. 防汚塗料組成物
KR100910894B1 (ko) * 2007-08-10 2009-08-05 에이비씨상사 주식회사 용출억제형 무독성 방오 선저도료

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002535437A (ja) * 1999-01-20 2002-10-22 アクゾ ノーベル ナムローゼ フェンノートシャップ 防汚塗料
WO2005100495A1 (ja) * 2004-04-12 2005-10-27 Daikin Industries, Ltd. 防汚塗料組成物
KR100910894B1 (ko) * 2007-08-10 2009-08-05 에이비씨상사 주식회사 용출억제형 무독성 방오 선저도료

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3077446B1 (en) A coating composition
TWI298345B (ja)
US20230126942A1 (en) Polypyrrole-graphene/polyurethane antifouling coating as well as preparation method and application thereof
JP2002053798A (ja) プライマー組成物
JP2000355673A (ja) カチオン電着塗料組成物
EP0698643A2 (en) Antifouling paint composition
JPH0790200A (ja) 防汚塗料用樹脂組成物
JP3325315B2 (ja) 水性ポリウレタン樹脂組成物
EP0849289B1 (en) Hydrolyzable resin containing aldehyde bonded thereto and self-polishing antifouling paint
JPH06306310A (ja) 防汚塗料用樹脂組成物
JPH10298455A (ja) 防汚塗料組成物
JPH0768458B2 (ja) 金属含有樹脂組成物ならびにその製造方法
JPH06220397A (ja) 二液型ウレタン塗料組成物
JPH059415A (ja) 防汚塗料組成物
JPS6314021B2 (ja)
JPH07150077A (ja) 塗料用ワニス組成物及び防汚塗料組成物
JPS6284167A (ja) 水中汚損防止用塗膜形成組成物
JPH08245878A (ja) セミカルバジド組成物及びそれを用いた被覆組成物
JP3161005B2 (ja) 防汚塗料用樹脂組成物
JPH0782351A (ja) 新規加水分解性樹脂及び防汚性塗料組成物
JP2657222B2 (ja) 塗料組成物
JPS624728A (ja) 接着方法
JPH04230201A (ja) 水中防汚材
EP0617096A2 (en) Antifouling paint composition
JP2691964B2 (ja) 防汚塗料組成物