JPH0790074A - ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

ポリカーボネートの製造方法

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JPH0790074A
JPH0790074A JP23756093A JP23756093A JPH0790074A JP H0790074 A JPH0790074 A JP H0790074A JP 23756093 A JP23756093 A JP 23756093A JP 23756093 A JP23756093 A JP 23756093A JP H0790074 A JPH0790074 A JP H0790074A
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JP
Japan
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bis
carbonate
reaction
transesterification
hydroxyphenyl
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Application number
JP23756093A
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English (en)
Inventor
Yoshikatsu Kiyono
美勝 清野
Shigeki Kuze
茂樹 久世
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分子量が高く、品質に優れたポリカーボネー
トを効率よく製造する方法を開発すること。 【構成】 (A)ビスフェノールAなどのジヒドロキシ
化合物と(B)ジフェニルカーボネートなどの炭酸ジエ
ステルとのエステル交換反応において、エステル交換反
応の反応率が特定値を超えた時点以降で、2価以上の活
性ジエステル,酸ハライドあるいは酸無水物を添加する
ポリカーボネートの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリカーボネートの製造
方法に関する。詳しくは、触媒が全く存在しないか、あ
るいは品質に影響を与えない程度しか存在せず、品質に
優れたポリカーボネートを効率よく製造することができ
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般
に、ポリカーボネート(以下、PCと記すことがあ
る。)の製造方法としては、ビスフェノールAなどの芳
香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとを直接反応させる
方法(界面重縮合法)、あるいはビスフェノールAなど
の芳香族ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネート
などの炭酸ジエステルとを溶融状態でエステル交換反応
させる方法(溶融法)が知られている。PCの製造法に
おいて、界面重縮合法は、有毒なホスゲンを用いなけ
ればならないこと、副生する塩化水素や塩化ナトリウ
ムなどの含塩素化合物によって製造装置が腐蝕するこ
と、樹脂中に混入する水酸化ナトリウムなどポリマー
の物性に悪影響を及ぼす不純物の分離が困難なことなど
の諸問題がある。
【0003】一方、溶融法は、界面重縮合法と比較し
て、安価にPCを製造することができる利点を有してい
るものの、通常、280〜310℃の高温下で長時間反
応させるために、樹脂の着色問題から逃れられないと言
う大きな欠点を有する。また、塩基性触媒を用いること
が多く、得られるPCの耐加水分解性が悪いと言った問
題がある。このような溶融法において、この着色を低減
させるために、種々の改良技術が提案されている。例え
ば、特公昭61−39972号公報,特開昭63−22
3036号公報等には、特定の触媒を使用する方法が開
示されている。また、特開昭61−151236号公
報,特開昭62−158719号公報等には、反応後期
に酸化防止剤を添加する方法が開示されている。そし
て、特開昭61−62522号公報等には、反応後期に
2軸ベント式混練押出機を、また、特開平2−1539
25号公報等には、横型攪拌重合槽を使用するなどプロ
セス的な改良技術が開示されている。さらに、特開平2
−175722号公報には、モノマー中の加水分解可能
な塩素含有量を一定量以下にする方法が開示されてい
る。また、得られるPCの耐加水分解性を改良するため
に、従来よりジメチル硫酸のような揮発性酸により中和
することが知られており、最近ではp−トルエンスルホ
ン酸で中和を行い、過剰の酸をエポキシで中性化処理す
る技術(特開平4−175368号公報)が知られてい
る。しかし、未だ品質の問題は完全には解決されておら
ず、満足すべきPCを得るには至っていないのが実状で
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記状況に鑑み、品質に優れたPCを効率よく製造する
ことができる方法を開発すべく鋭意研究を重ねた。その
結果、エステル交換反応によってPCを製造する方法に
おいて、エステル交換反応の反応率が、特定の反応率に
達した時点以降で特定の活性ジエステル,酸ハライドあ
るいは酸無水物を添加することによって、上記の課題を
解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基
づいて完成したものである。すなわち、本発明は、
(A)ジヒドロキシ化合物と(B)炭酸ジエステルとか
らエステル交換法によってポリカーボネートを製造する
にあたり、該エステル交換反応の反応率が70%を超え
た時点以降で、2価以上の活性ジエステル,酸ハライド
及び酸無水物から選ばれた少なくとも一種を添加するこ
とを特徴とするポリカーボネートの製造方法を提供する
ものである。
【0005】先ず、本発明において、(A)成分として
用いられるジヒドロキシ化合物は、各種のものがある。
例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物及び脂肪族ジヒドロ
キシ化合物から選択される少なくとも一種の化合物であ
る。この(A)成分の一つとして用いられる芳香族ジヒ
ドロキシ化合物は、一般式(I)
【0006】
【化1】
【0007】〔式中、Rは、それぞれハロゲン原子(例
えば、塩素,臭素,フッ素,沃素)又は炭素数1〜8の
アルキル基(例えば、メチル基,エチル基,プロピル
基,n−ブチル基,イソブチル基,アミル基,イソアミ
ル基,ヘキシル基など)であり、このRが複数の場合、
それらは同一であってもよいし、異なっていてもよく、
mは、0〜4の整数である。そして、Zは、単結合,炭
素数1〜8のアルキレン基又は炭素数2〜8のアルキリ
デン基(例えば、メチレン基,エチレン基,プロピレン
基,ブチレン基,ペンテリレン基,ヘキシレン基,エチ
リデン基,イソプロピリデン基など),炭素数5〜15
のシクロアルキレン基又は炭素数5〜15のシクロアル
キリデン基(例えば、シクロペンチレン基,シクロヘキ
シレン基,シクロペンチリデン基,シクロヘキシリデン
基など),又は−S−,−SO−,−SO2 −,−O
−,−CO−結合もしくは一般式(II)あるいは(II')
【0008】
【化2】
【0009】で表される結合を示す。〕で表される芳香
族ジヒドロキシ化合物が挙げられる。このような芳香族
ジヒドロキシ化合物としては、例えば、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)メタン;ビス(3−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)メタン;ビス(3−クロロ−4−ヒド
ロキシフェニル)メタン;ビス(3,5−ジブロモ−4
−ヒドロキシフェニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン;1,1−ビス(2−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン;
1,1−ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−
メチルフェニル)エタン;1−フェニル−1,1−ビス
(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)エタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(通称ビスフェノールA:BPA);2,2−
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン;2,2−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン;1,1−ビス(2−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロ
パン;2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−ブロ
モ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス
(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン;2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジブロ
モ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)オクタン;2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)フェニルメタン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン;
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)
プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモ
フェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン;
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジブロモフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−
ブロモ−4−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)プロパ
ン;2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン;2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)ブタン;1,1−ビス(2−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン;1,1−ビ
ス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェ
ニル)ブタン;1,1−ビス(2−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)イソブタン;1,1−
ビス(2−t−アミル−4−ヒドロキシ−5−メチルフ
ェニル)ブタン;2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4
−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス(3,5
−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン;4,4
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン;1,1−
ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフ
ェニル)ヘプタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)オクタン;1,1−(4−ヒドロキシフェニル)
エタンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタ
ン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン;1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3−シクロヘ
キシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;
1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンなど
のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エーテル;ビス(4,−ヒ
ドロキシ−3−メチルフェニル)エーテルなどのビス
(ヒドロキシアリール)エーテル類;ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)スルフィド;ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルフィドなどのビス(ヒドロキシ
アリール)スルフィド類;ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホキシド;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)スルホキシド;ビス(3−フェニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホキシドなどのビス(ヒドロキ
シアリール)スルホキシド類;ビス(4ヒドロキシフェ
ニル)スルホン;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホン;ビス(3−フェニル−4−ヒドロキ
シフェニル)スルホンなどのビス(ヒドロキシアリー
ル)スルホン類、4,4’−ジヒドロキシビフェニル;
4,4’−ジヒドロキシ−2、2’−ジメチルビフェニ
ル;4,4’−ジヒドロキシ−3、3’−ジメチルビフ
ェニル;4,4’−ジヒドロキシ−3、3’−ジシクロ
ヘキシルビフェニル;3、3’−ジフルオロ−4,4’
−ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル
類などが挙げられる。
【0010】上記一般式(I)以外の芳香族ジヒドロキ
シ化合物としては、ジヒドロキシベンゼン類、ハロゲン
及びアルキル置換ジヒドロキシベンゼン類などがある。
例えば、レゾルシン,3−メチルレゾルシン,3−エチ
ルレゾルシン,3−プロピルレゾルシン,3−ブチルレ
ゾルシン,3−t−ブチルレゾルシン,3−フェニルレ
ゾルシン,3−クミルレゾルシン;2,3,4,6−テ
トラフルオロレゾルシン;2,3,4,6−テトラブロ
モレゾルシン;カテコール,ハイドロキノン,3−メチ
ルハイドロキノン,3−エチルハイドロキノン,3−プ
ロピルハイドロキノン,3−ブチルハイドロキノン,3
−t−ブチルハイドロキノン,3−フェニルハイドロキ
ノン,3−クミルハイドロキノン;2,5−ジクロロハ
イドロキノン;2,3,5,6−テトラメチルハイドロ
キノン;2,3,4,6−テトラ−t−ブチルハイドロ
キノン;2,3,5,6−テトラフルオロハイドロキノ
ン;2,3,5,6−テトラブロモハイドロキノン等が
挙げられる。
【0011】また、(A)成分の一つである脂肪族ジヒ
ドロキシ化合物としては、各種のものがある。例えば、
ブタン−1,4−ジオール;2,2−ジメチルプロパン
−1,3−ジオール;ヘキサン−1,6−ジオール;ジ
エチレングリコール;トリエチレングリコール;テトラ
エチレングリコール;オクタエチレングリコール;ジプ
ロピレングリコ−ル;N,N−メチルジエタノールアミ
ン;シクロヘキサン−1,3−ジオール;シクロヘキサ
ン−1,4−ジオール;1,4−ジメチロールシクロヘ
キサン;p−キシリレングリコール;2,2−ビス−
(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパンおよび二
価アルコールまたはフェノールのエトキシ化またはプロ
ポキシ化生成物、例えばビス−オキシエチル−ビスフェ
ノールA;ビス−オキシエチル−テトラクロロビスフェ
ノールAまたはビス−オキシエチル−テトラクロロヒド
ロキノン等が挙げられる。
【0012】本発明において、(A)成分のジヒドロキ
シ化合物としては、上記の化合物を適宜選択して用いる
が、これらの中では、芳香族ジヒドロキシ化合物である
ビスフェノールAを用いるのが好ましい。そして、ビス
フェノールAを用いる場合、ビスフェノールAとフェノ
ールとの付加体あるいはその付加体とフェノールとの混
合物を用いることもできる。このように付加体を用るこ
とによって、純度の高いビスフェノールAを得ることが
でき効果的である。
【0013】一方、本発明において、(B)成分として
用いられる炭酸ジエステルは、各種のものがある。例え
ば、炭酸ジアリール化合物,炭酸ジアルキル化合物また
は炭酸アルキルアリール化合物から選択される少なくと
も一種の化合物である。この(B)成分の一つとして用
いられる炭酸ジアリール化合物は、一般式(III)
【0014】
【化3】
【0015】〔式中、Ar 2 はアリール基を示す。〕で
表される化合物又は一般式(IV)
【0016】
【化4】
【0017】〔式中、Ar 1 は、上記芳香族ジヒドロキ
シ化合物から水酸基を2個除いた残基を示し、Ar 2
前記と同じである。〕で表される化合物である。また、
炭酸ジアルキル化合物は、一般式(V)
【0018】
【化5】
【0019】〔式中、R2 は炭素原子1〜6個を有する
アルキル基又は炭素原子4〜7個を有するシクロアルキ
ル基を示す。〕で表される化合物又は一般式(VI)
【0020】
【化6】
【0021】〔式中、R2 及びAr 1 は前記と同じであ
る。〕で表される化合物である。そして、炭酸アルキル
アリール化合物は、一般式(VII)
【0022】
【化7】
【0023】〔式中、R2 及びAr 2 は前記と同じであ
る。〕で表される化合物又は一般式(VIII)
【0024】
【化8】
【0025】〔式中、R2 ,Ar 1 及びAr 2 は前記と
同じである。〕で表される化合物である。ここで、炭酸
ジアリール化合物としては、例えば、ジフェニルカーボ
ネート,ジトリルカーボネート,ビス(クロロフェニ
ル)カーボネート,m−クレジルカーボネート,ジナフ
チルカーボネート,ビス(ジフェニル)カーボネート,
ビスフェノールAビスフェニルカーボネート等が挙げら
れる。また、炭酸ジアルキル化合物としては、例えば、
ジエチルカーボネート,ジメチルカーボネート,ジブチ
ルカーボネート,ジシクロヘキシルカーボネート,ビス
フェノールAビスメチルカーボネート等が挙げられる。
そして、炭酸アルキルアリール化合物としては、例え
ば、メチルフェニルカーボネート,エチルフェニルカー
ボネート,ブチルフェニルカーボネート,シクロヘキシ
ルフェニルカーボネート,ビスフェノールAメチルフェ
ニルカーボネート等が挙げられる。これらのなかでは、
特にジフェニルカーボネートが好ましい。本発明におい
て、(B)成分の炭酸ジエステルとしては、上記の化合
物を適宜選択して用いるが、これらの中では、ジフェニ
ルカーボネートを用いるのが好ましい。
【0026】本発明の製造方法は、前記(A)成分と
(B)成分を用いて、エステル交換反応によってポリカ
ーボネートを得るものである。このエステル交換反応に
よってポリカーボネートを製造するには、前記(A)成
分と(B)成分の他に、必要に応じて、下記に示す末端
停止剤を用いることができる。このような末端停止剤の
具体例としては、o−n−ブチルフェノール;m−n−
ブチルフェノール;p−n−ブチルフェノール;o−イ
ソブチルフェノール;m−イソブチルフェノール;p−
イソブチルフェノール;o−t−ブチルフェノール;m
−t−ブチルフェノール;p−t−ブチルフェノール;
o−n−ペンチルフェノール;m−n−ペンチルフェノ
ール;p−n−ペンチルフェノール;o−n−ヘキシル
フェノール;m−n−ヘキシルフェノール;p−n−ヘ
キシルフェノール;o−シクロヘキシルフェノール;m
−シクロヘキシルフェノール;p−シクロヘキシルフェ
ノール;o−フェニルフェノール;m−フェニルフェノ
ール;p−フェニルフェノール;o−n−ノニルフェノ
ール;m−n−ノニルフェノール;p−n−ノニルフェ
ノール;o−クミルフェノール;m−クミルフェノー
ル;p−クミルフェノール;o−ナフチルフェノール;
m−ナフチルフェノール;p−ナフチルフェノール;
2,6−ジ−t−ブチルフェノール;2,5−ジ−t−
ブチルフェノール;2,4−ジ−t−ブチルフェノー
ル;3,5−ジ−t−ブチルフェノール;2,5−ジク
ミルフェノール;3,5−ジクミルフェノール;式
【0027】
【化9】
【0028】で表される化合物やクロマン誘導体とし
て、例えば、式
【0029】
【化10】
【0030】等の一価フェノールが挙げられる。このよ
うなフェノール類のうち、本発明では特に限定されない
が、p−t−ブチルフェノール;p−クミルフェノー
ル;p−フェニルフェノールなどが好ましい。また、式
【0031】
【化11】
【0032】で表される化合物等が挙げられる。さら
に、本発明では、必要に応じて、フロログルシン;トリ
メリット酸;1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン;1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロ
キシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス
(4”−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン;α,
α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,
3,5−トリイソプロピルベンゼン;イサチンビス(o
−クレゾール)等を分岐剤として用いることもできる。
また、本発明では、無触媒でもよいが、エステル交換反
応を促進させるため公知の触媒を使用してもよい。この
ような触媒の具体例としては、アルカリ金属またはアル
カリ土類金属の単体,酸化物,水酸化物,アミド化合
物,アルコラート,フェノラート、あるいはZnO,P
bO,Sb2 3 のような塩基性金属酸化物、有機チタ
ン化合物、可溶性マンガン化合物、Ca,Mg,Zn,
Pb,Sn, Mn,Cd,Coの酢酸塩又は含窒素塩基
性化合物あるいは含窒素塩基性化合物と硼素化合物、含
窒素塩基性化合物とアルカリ(土類)金属化合物、含窒
素塩基性化合物とアルカリ(土類)金属化合物と硼素化
合物などの併用系触媒などが挙げられる。
【0033】前記触媒のなかでは、塩基性を示し、反応
系中に比較的残留しない含窒素塩基性化合物が好ましく
用いられる。ここで、上記含窒素塩基性化合物として
は、例えば、トリメチルアミン,トリエチルアミン,ト
エプロピルアミン,トリブチルアミン,トリペンチルア
ミン,トリヘキシルアミン,ジメチルベンジルアミン等
の脂肪族第3級アミン化合物、トエフェニルアミン等の
芳香族第3級アミン化合物が挙げられる。また、N,N
−ジメチル−4−アミノピリジン,4−ジエチルアミノ
ピリジン,4−ピロリジノピリジン,4−アミノピリジ
ン,2−アミノピリジン,2−ヒドロキシピリジン,4
−ヒドロキシピリジン,2−メトキシピリジン,4−メ
トキシピリジン,イミダゾール,2−メチルイミダゾー
ル,4−メチルイミダゾール,2−ジメチルアミノイミ
ダゾール,2−メトキシイミダゾール,2−メルカプト
イミダゾール,アミノキノリン,ジアザビシクロオクタ
ン(DABCO)等の含窒素複素環化合物が挙げられ
る。そして、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
(Me4 NOH),テトラエチルアンモニウムヒドロキ
シド(Et4 NOH),テトラブチルアンモニウムヒド
ロキシド(Bu4 NOH),トリメチルベンジルアンモ
ニウムヒドロキシド〔C6 5 CH2(Me)3NOH〕等
のアルキル基,アリール基,アルアリール基などを有す
るアンモニウムヒドロキシド類が挙げられる。さらに、
テトラメチルアンモニウムボロハイドライド(Me4
BH4),テトラブチルアンモニウムボロハイドライド
(Bu4 NBH4),テトラブチルアンモニウムフェニル
ボレート(Bu4 NBPh4),テトラメチルアンモニウ
ムテトラフェニルボレート(Me4 NBPh4)等の塩基
性塩が挙げられる。これらの含窒素塩基性化合物の中で
は、トリヘキシルアミン,テトラメチルアンモニウムヒ
ドロキシド,テトラブチルアンモニウムヒドロキシド,
ジメチルアミノピリジンが好ましく用いられる。
【0034】前記触媒は、それぞれ単独で用いてもよ
く、また、目的によっては、二種以上を組み合わせて用
いてもよい。そして、触媒の添加量としては、(A)成
分のジヒドロキシ化合物に対して、通常、10-2〜10
-8モル/モル、好ましくは10-3〜10-7モル/モルで
ある。この触媒の添加量が10-8モル/モル未満では、
効果が発現されない恐れがある。また、10-2モル/モ
ルを超えると、コストアップに繋がり、これを超えてま
で添加することはない。
【0035】本発明の製造方法では、前記(A)成分,
(B)成分及びその他の成分として末端停止剤あるいは
分岐剤等を用いてエステル交換法によってポリカーボネ
ートを製造するが、該エステル交換反応にあたって、エ
ステル交換反応の反応率が70%を超えた時点以降で、
2価以上の活性ジエステル,酸ハライド及び酸無水物か
ら選ばれた少なくとも一種の化合物を添加することを大
きな特徴とする。ここで、上記の活性ジエステルとして
は、各種のものがある。例えば、ビス(4−ニトロフェ
ニル)カーボネート,ビス(4−シアノフェニル)カー
ボネート,ビス(4−アセトフェニル)カーボネート,
ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)カーボネー
ト,ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)カーボネ
ート,1,1’−チオカルボニルジイミダゾール;1,
1’−チオカルボニルジ−2(1H)−ピリドン,ビス
(2−ニトロフェニル)カーボネート,ビス(3−ニト
ロフェニル)カーボネート,ビス(2−シアノフェニ
ル)カーボネート,ビス(3−シアノフェニル)カーボ
ネート,ビス(4−フルオロフェニル)カーボネート,
ビス(2,6−ジフルオロフェニル)カーボネート,ビ
ス(4−クロロフェニル)カーボネート,ビス(2,6
−ジクロロフェニル)カーボネート,ビス(2−イソプ
ロペニル)カーボネート,ジビニルカーボネート,テレ
フタル酸ビスイソプロペニルエステル,イソフタル酸ビ
スイソプロペニルエステル,フタル酸ビスイソプロペニ
ルエステル,テレフタル酸ビス(4−シアノフェニル)
エステル,テレフタル酸ビス(4−ニトロフェニル)エ
ステル,テレフタル酸ビス(2−シアノフェニル)エス
テル,テレフタル酸ビス(2−ニトロフェニル)エステ
ル等が挙げられる。これらの中で好ましい化合物は、ビ
ス(4−ニトロフェニル)カーボネート及びビス(4−
シアノフェニル)カーボネートである。
【0036】また、上記の酸ハライド及び酸無水物とし
ては、各種のものがあり、酸無水物としては、酸無水物
構造を2個以上有するものがある。例えば、ピロメリッ
ト酸二無水物;4,4’−ビフタリックアンハイドライ
ド;2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物;3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物;テレフタル酸ビス酢酸無水物;イソフ
タル酸ビス酢酸無水物;フタル酸ビス酢酸無水物があ
る。また、酸ハライドとしては、例えば、テレフタロイ
ルクロライド;イソフタロイルクロライド;2,6−ピ
リジンカルボニルジクロライド;4,4−(ヘキサフル
オロイソプロピリデン)ジフタリックアニドライド;
4,4−オキシジフタリックアニドライド;4,4−ス
ルホニルジフタリックアニドライド;4,4−イソプロ
ピリデンジフタリックアニドライド等が挙げられる。こ
れらの中で好ましい化合物は、4,4’−ビフタリック
アンハイドライド及びテレフタロイルクロライドであ
る。そして、活性ジエステル,酸ハライド及び酸無水物
の中では、カーボネート結合を有する活性ジエステルが
好ましく用いられる。
【0037】前記の活性ジエステル,酸ハライドあるい
は酸無水物は、前記(A)成分と(B)成分とのエステ
ル交換反応において、エステル交換反応の反応率が70
%を超えた時点以降で、好ましくは80%を超えた時点
以降で、特に好ましくは90%を超えた時点以降で添加
される。ここで、エステル交換反応の反応率は、前記
(A)成分と(B)成分のエステル交換反応において、
(B)成分の炭酸ジエステルに由来して生成するフェノ
ール類の量、例えば、炭酸ジエステルとしてジフェニル
カーボネートを用いた場合には、留出してくるフェノー
ルの量から計算される。そして、これらの活性ジエステ
ル,酸ハライドあるいは酸無水物の添加量は、エステル
交換反応にあたって用いられる添加物の種類あるいはエ
ステル交換反応の反応率などによって適宜決定され、一
様には規定できない。通常、ヒズフェノールAを基準に
して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜10モル%で
ある。この添加量が0.1モル%未満では、効果が発現さ
れないことがある。また、10モル%を超えると、得ら
れるポリマーの物性を損なう恐れがあり好ましくない。
これらの活性ジエステル,酸ハライドあるいは酸無水物
を添加しないで従来通りエステル交換反応を行ったり、
あるいはエステル交換反応の反応率が70%以下の時点
でこれらの活性ジエステル,酸ハライドあるいは酸無水
物を添加した場合には、高分子量のポリマーを得ること
ができない。
【0038】本発明の製造方法は、無触媒で行うことが
できるが、前記触媒を用いるとエステル交換反応を促進
させることができ効果的である。この場合、該触媒とし
ては、前記触媒のなかで、前記含窒素塩基性化合物が好
ましく、エステル交換反応をより促進させることができ
る。また、本発明の製造方法では、2価以上の活性ジエ
ステルを添加すると共に、触媒として、前記含窒素塩基
性化合物の存在下でエステル交換反応を行うのが、最も
効果的である。
【0039】本発明の製造方法は、具体的には、公知の
エステル交換法に準じて反応を進行させる。以下に、本
発明の製造方法の手順及び条件を具体的に示す。先ず、
(A)成分として、ジヒドロキシ化合物と(B)成分と
して、炭酸ジエステルとは、ジヒドロキシ化合物に対し
て炭酸ジエステルを1〜1.5倍モルになるような比率で
エステル交換反応する。なお、状況に応じて、炭酸ジエ
ステルの量は、ジヒドロキシ化合物に対して多少過剰と
する程度の1.02〜1.20倍モルが好ましい。上記のエ
ステル交換反応にあたって、前記の一価フェノール等か
らなる末端停止剤の存在量が、(A)成分であるジヒド
ロキシ化合物1モルに対して、0.05モル%〜10モル
%の範囲にあると、得られるポリカーボネートの水酸基
末端が封止されるため、耐熱性および耐水性に充分優れ
たポリカーボネートが得られる。このような前記の一価
フェノール等からなる末端停止剤は、予め反応系に全量
添加しておいてもよい。また、予め反応系に一部添加し
ておき、反応の進行に伴って残部を添加してもよい。さ
らに、場合によっては、前記(A)のジヒドロキシ化合
物と(B)の炭酸ジエステルとのエステル交換反応が一
部進行した後に、反応系に全量添加してもよい。
【0040】本発明の製造方法に従ってエステル交換反
応を行うにあっては、反応温度は、特に限定されない
が、通常100℃〜330℃の範囲であり、好ましくは
180℃〜300℃、より好ましくは、反応の進行に合
わせて次第に180℃〜300℃迄温度を上げてゆく方
法が良い。そして、該エステル交換反応は100℃未満
では、反応の進行が遅く、330℃を超えると、ポリマ
ーの熱劣化が起こり好ましくない場合がある。また、反
応圧力は、使用するモノマーの蒸気圧や反応温度に応じ
て設定される。これは、反応が効率良く行われるように
設定されればよく、限定されるものではない。通常、反
応初期においては、1〜50atm (760〜38,000
torr)までの大気圧ないし加圧状態にしておき、反応後
期においては、減圧状態、好ましくは最終的には0.01
〜100torrにする場合が多い。さらに、反応時間は、
目標の分子量となるまで行えばよく、通常、0.2〜10
時間程度である。
【0041】そして、上記のエステル交換反応は、不活
性溶剤の不存在下で行われるが、必要に応じて、得られ
るPCの1〜150重量%の不活性溶剤の存在下におい
て行ってもよい。ここで、不活性溶剤としては、例え
ば、ジフェニルエーテル,ハロゲン化ジフェニルエーテ
ル,ベンゾフェノン,ポリフェニルエーテル,ジクロロ
ベンゼン,メチルナフタレン等の芳香族化合物、二酸化
炭素,一酸化二窒素,窒素などのガス、クロロフロロ炭
化水素、エタン,プロパン等のアルカン、シクロヘキサ
ン,トリシクロ(5,2,10)−デカン,シクロオク
タン,シクロデカン等のシクロアルカン、エテン,プロ
ペンのようなアルケン等各種のものが挙げられる。な
お、本発明では、必要に応じて、酸化防止剤を使用する
ことができる。具体例としては、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト,トリスフェニルホスファイト,2−
エチルヘキシルジフェニルホスファイト,トリメチルホ
スファイト,トリエチルホスファイト,トリクレジルホ
スファイト,トリアリールホスファイト等のリン系酸化
防止剤がある。
【0042】本発明においては、エステル交換反応が進
行するにつれて、使用した炭酸ジエステルに対応するフ
ェノール類,アルコール類,またはそれらのエステル類
および不活性溶剤が反応器より脱離してゆく。本発明で
は、この反応器より脱離する上記のフェノール類,アル
コール類,またはそれらのエステル類の生成量を追跡す
る。そして、その生成量からエステル交換反応の反応率
が70%を超えた時点以降で、前記の2価以上の活性ジ
エステル,酸ハライドあるいは酸無水物の所定量を添加
した後、エステル交換反応を継続して行うことによっ
て、品質に優れたポリカーボネートを得ることができ
る。なお、反応器より脱離する上記のフェノール類,ア
ルコール類,またはそれらのエステル類あるいは不活性
溶剤の脱離物は、分離、精製しリサイクル使用も可能で
あり、これらを除去する設備があれば好ましい。そし
て、本発明は、バッチ式または連続的に行うことがで
き、かつ任意の装置を使用することができる。ここで、
連続式で製造する場合には、少なくとも二基以上のリア
クターを使用し、上記の反応条件を設定するのが好まし
い。本発明で用いられる反応器は、その材質や構造は、
特に制限はされないが、通常の攪拌機能を有していれば
よい。ただし、反応後段においては粘度が上昇するので
高粘度型の攪拌機能を有するものが好ましい。さらに、
反応器の形状は槽型のみならず、押出機型のリアクター
等でもよい。
【0043】以上の様にして得られたPCは、そのまま
造粒しても良く、また、押出機等を用いて成形すること
もできる。また、本発明によって得られるPCは、可塑
剤,顔料,潤滑剤,離型剤,安定剤,無機充填剤などの
ような周知の添加剤を配合して使用することができる。
さらに、得られるPCは、ポリオレフィン,ポリスチレ
ン,ポリエステル,ポリスルホネート,ポリアミド,ポ
リフェニレンオキシド等の重合体とブレンドすることが
可能である。特に、OH基,COOH基,NH2 基など
を末端に有するポリフェニレンエーテル,ポリエーテル
ニトリル,末端変性ポリシロキサン化合物,変性ポリプ
ロピレン等と併用すると効果的である。
【0044】
【実施例】更に、本発明を実施例及び比較例により、詳
しく説明する。なお、本発明は下記の実施例により限定
されるものではない。 実施例1〜4 内容積1.4リットルのニッケル鋼製オートクレーブ(攪
拌機付き)に、ビスフェノールA(BPA)228g
(1.00モル)、ジフェニルカーボネート214g(1.
00モル)及び(CH3)4NOH を1×10-5モルを仕込み、
窒素置換を5回行った。混合物を180℃まで加熱し、
ビスフェノールAと第1表に示すジフェニルカーボネー
トを溶融させた。次いで、温度を220℃とし、同時に
攪拌を開始し、窒素を微量に流通させると、生成したフ
ェノールが留去し始めた。反応物の温度を220℃のま
ま1時間保った。その後、温度を240℃にし、次第に
真空度を50mmHgまで上げて反応させた。フェノー
ルの留出量より反応率は92%であった。ここで、第1
表に示す添加物を添加し、240℃,200mmHgで
数十分反応させた後、温度を270℃にし、1時間徐々
に真空度を上げ、最終的に1mmHgにまで減圧し反応
を行った。最後にオートクレーブ内に、粘稠で透明な縮
合物が残った。この縮合物を塩化メチレンに溶解し、粘
度平均分子量を測定した。また、得られた縮合物を粉砕
し、プレス成形機を用いて厚さ3mmのシートを成形
し、体加水分解性を測定した。
【0045】実施例5 実施例1において、(CH3)4NOH の代わりに、(C4H9)4NBH
4 を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。 実施例6 実施例2において、(CH3)4NOH の代わりに、(C4H9)4NBH
4 を用いた以外は、実施例2と同様に実施した。
【0046】比較例1 実施例1において、添加物を添加しなかったこと以外
は、実施例1と同様に実施した。
【0047】実施例7 実施例1において、触媒を加えなかったこと以外は、実
施例1と同様に実施した。 比較例2 実施例7において、ビス(4−ニトロフェニル)カーボ
ネートを加えなかったこと以外は、実施例7と同様に実
施した。
【0048】実施例1〜7及び比較例1〜2の測定結果
を第2表に示す。なお、粘度平均分子量及び耐加水分解
性の測定は、次に従った。 1)粘度平均分子量(Mv) ウベローデ型粘度管にて、20℃における塩化メチレン
溶液の粘度を測定し、これより極限粘度〔η〕を求めた
後、次式にて算出した。 〔η〕=1.23×10-5×Mv0.83 2)耐加水分解性 厚さ3mmのシートを121℃のスチームに48時間曝
させた後の状態を目視観察した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】以上、本発明によれば、(A)ジヒドロ
キシ化合物と(B)炭酸ジエステルとのエステル交換反
応において、エステル交換反応率が70%を超えた時点
以降で、2価以上の活性ジエステル,酸ハライドあるい
は酸無水物を添加することによって、ポリマーの分子量
を高めることができ、耐加水分解性等の品質に優れたポ
リカーボネートを効率よく製造することができる。した
がって、本発明は、エステル交換法でポリカーボネート
を工業的に有利に製造する方法として有効かつ幅広く利
用することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】前記触媒のなかでは、塩基性を示し、反応
系中に比較的残留しない含窒素塩基性化合物が好ましく
用いられる。ここで、上記含窒素塩基性化合物として
は、例えば、トリメチルアミン,トリエチルアミン,ト
リプロピルアミン,トリブチルアミン,トリペンチルア
ミン,トリヘキシルアミン,ジメチルベンジルアミン等
の脂肪族第3級アミン化合物、トエフェニルアミン等の
芳香族第3級アミン化合物が挙げられる。また、N,N
−ジメチル−4−アミノピリジン,4−ジエチルアミノ
ピリジン,4−ピロリジノピリジン,4−アミノピリジ
ン,2−アミノピリジン,2−ヒドロキシピリジン,4
−ヒドロキシピリジン,2−メトキシピリジン,4−メ
トキシピリジン,イミダゾール,2−メチルイミダゾー
ル,4−メチルイミダゾール,2−ジメチルアミノイミ
ダゾール,2−メトキシイミダゾール,2−メルカプト
イミダゾール,アミノキノリン,ジアザビシクロオクタ
ン(DABCO)等の含窒素複素環化合物が挙げられ
る。そして、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
(Me4 NOH),テトラエチルアンモニウムヒドロキ
シド(Et4 NOH),テトラブチルアンモニウムヒド
ロキシド(Bu4 NOH),トリメチルベンジルアンモ
ニウムヒドロキシド〔C6 5 CH2(Me)3NOH〕等
のアルキル基,アリール基,アルアリール基などを有す
るアンモニウムヒドロキシド類が挙げられる。さらに、
テトラメチルアンモニウムボロハイドライド(Me4
BH4),テトラブチルアンモニウムボロハイドライド
(Bu4 NBH4),テトラブチルアンモニウムフェニル
ボレート(Bu4 NBPh4),テトラメチルアンモニウ
ムテトラフェニルボレート(Me4 NBPh4)等の塩基
性塩が挙げられる。これらの含窒素塩基性化合物の中で
は、トリヘキシルアミン,テトラメチルアンモニウムヒ
ドロキシド,テトラブチルアンモニウムヒドロキシド,
ジメチルアミノピリジンが好ましく用いられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】本発明の製造方法は、具体的には、公知の
エステル交換法に準じて反応を進行させる。以下に、本
発明の製造方法の手順及び条件を具体的に示す。先ず、
(A)成分として、ジヒドロキシ化合物と(B)成分と
して、炭酸ジエステルとは、ジヒドロキシ化合物に対し
て炭酸ジエステルを0.9〜1.5倍モル、好ましくは0.9
5〜1.25倍モルになるような比率でエステル交換反応
する。上記のエステル交換反応にあたって、前記の一価
フェノール等からなる末端停止剤の存在量が、(A)成
分であるジヒドロキシ化合物1モルに対して、0.05モ
ル%〜10モル%の範囲にあると、得られるポリカーボ
ネートの水酸基末端が封止されるため、耐熱性および耐
水性に充分優れたポリカーボネートが得られる。このよ
うな前記の一価フェノール等からなる末端停止剤は、予
め反応系に全量添加しておいてもよい。また、予め反応
系に一部添加しておき、反応の進行に伴って残部を添加
してもよい。さらに、場合によっては、前記(A)のジ
ヒドロキシ化合物と(B)の炭酸ジエステルとのエステ
ル交換反応が一部進行した後に、反応系に全量添加して
もよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】
【実施例】更に、本発明を実施例及び比較例により、詳
しく説明する。なお、本発明は下記の実施例により限定
されるものではない。 実施例1〜4 内容積1.4リットルのニッケル鋼製オートクレーブ(攪
拌機付き)に、ビスフェノールA(BPA)228g
(1.00モル)、ジフェニルカーボネート214g(1.
00モル)及び(CH3)4NOH を1×10-5モルを仕込み、
窒素置換を5回行った。混合物を180℃まで加熱し、
ビスフェノールAと第1表に示すジフェニルカーボネー
トを溶融させた。次いで、温度を220℃とし、同時に
攪拌を開始し、窒素を微量に流通させると、生成したフ
ェノールが留去し始めた。反応物の温度を220℃のま
ま1時間保った。その後、温度を240℃にし、次第に
真空度を50mmHgまで上げて反応させた。フェノー
ルの留出量より反応率は92%であった。ここで、第1
表に示す添加物を添加し、240℃,200mmHgで
数十分反応させた後、温度を270℃にし、1時間徐々
に真空度を上げ、最終的に1mmHgにまで減圧し反応
を行った。最後にオートクレーブ内に、粘稠で透明な縮
合物が残った。この縮合物を塩化メチレンに溶解し、粘
度平均分子量を測定した。また、得られた縮合物を粉砕
し、プレス成形機を用いて厚さ3mmのシートを成形
し、耐加水分解性を測定した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】実施例1〜7及び比較例1〜2の測定結果
を第2表に示す。なお、粘度平均分子量及び耐加水分解
性の測定は、次に従った。 1)粘度平均分子量(Mv) ウベローデ型粘度管にて、20℃における塩化メチレン
溶液の粘度を測定し、これより極限粘度〔η〕を求めた
後、次式にて算出した。 〔η〕=1.23×10-5×Mv0.83 2)耐加水分解性 厚さ3mmのシートを121℃のスチームに48時間曝
露させた後の状態を目視観察した。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ジヒドロキシ化合物と(B)炭酸
    ジエステルとからエステル交換法によってポリカーボネ
    ートを製造するにあたり、該エステル交換反応の反応率
    が70%を超えた時点以降で、2価以上の活性ジエステ
    ル,酸ハライド及び酸無水物から選ばれた少なくとも一
    種を添加することを特徴とするポリカーボネートの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 含窒素塩基性化合物からなる触媒の存在
    下で該エステル交換反応を行うことを特徴とする請求項
    1記載のポリカーボネートの製造方法。
  3. 【請求項3】 2価以上の活性ジエステルを添加すると
    共に、含窒素塩基性化合物からなる触媒の存在下で該エ
    ステル交換反応を行うことを特徴とする請求項1記載の
    ポリカーボネートの製造方法。
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