JPH07899Y2 - ロードセル秤 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、比較的面積が大きい略平板状の受皿を備えた
ロードセル秤に関するものである。

従来の技術 一般に、ロードセル秤は、荷重に対応して歪むロードセ
ルの一端に受皿が結合されており、このロードセルの起
歪部に貼着されたストレインゲージなどに接続した計測
手段により、前記計量物の重量は電気的に算出され、例
えば、デジタル表示で表示されるようになつている。こ
こで、前記受皿は様々な計量物を測定可能とするため
に、通常、比較的面積が大きな平板状に設けられてい
る。

考案が解決しようとする問題点 ここで、例えば、上述のようなロードセル秤を空調機器
の前などに設置すると、下降する冷風や上昇する温風な
どが受皿に外乱として作用する。

つまり、前述したようにロードセル秤の受皿は大面積の
平板状に形成されているので、この空気抵抗値は大き
く、ここに上記したような風が当たると、ロードセル秤
の表示が時々刻々変動し、例えば、デジタル表示の下一
桁がちらついて、非常に見苦しいことになる。さらに、
平板状に形成された受皿は重いため、ロードセル秤の設
置面の振動の影響を受けやすく、これも表示のちらつき
の原因となつている。特に、このような表示のちらつき
は受皿に計量物を載置していないロードセル秤の不使用
時にも発生するため、販売者や購買者が不信感を抱くこ
とになる。このため、ロードセル秤の信頼性が低いもの
となつている。

このような問題の対策としては、計測手段の電算部にロ
ーパスフイルタなどを使用して、表示の安定化を図ると
いう方法が考えられる。しかし、このような回路を形成
することはコストを要し、ロードセル秤が高価なものと
なるため実際的でない。

問題点を解決するための手段 計量物が載置される受皿が結合されたロードセルとこの
ロードセルからの出力値に基づいて前記計量物の重量を
算出する計測手段とを備えたロードセル秤において、前
記受皿の全面に空気の吹き抜け孔としての多数の孔部を
形成した。

作用 受皿に多数の孔部を形成したことにより、これら孔部を
空気が吹き抜けるので、この受皿の空気抵抗値は小さ
く、下降する冷風や上昇する温風などの中にロードセル
秤を設置しても、これらが受皿に外乱として作用せず、
かつ、受皿の軽量化が可能なので、床面の振動などによ
る影響も少なく、ロードセル秤の不使用時に表示部の数
値がちらつくことなどがなく、それでいて、ローパスフ
イルタのような高価な回路による補正も省略可能であ
る。

実施例 本考案の第一の実施例を第１図及び第２図に基づいて説
明する。なお、前述の従来例と同一の部分は同一の名称
を用い、説明も省略する。本実施例のロードセル秤１
も、本体２の中に固定されたロードセル３の一端に、連
結軸４が接続されており、この連結軸４の上端に、略一
体に設けられた皿受フレーム５と受皿６とが取付けられ
ている。ここで、この皿受フレーム５は、第１図に例示
するように、前記連結軸４にボルト７などで接続される
中心部８から、放射状に強度メンバ９を伸ばしたような
形状となつている。さらに、前記受皿６は、ここではＬ
型断面に形成された長方形の外枠部10と複数の横桟部11
とにより、例えば、梯子型に形成されており、これら横
桟部11の間は孔部12になつている。

このような構成において、このロードセル秤１は、従来
のものと同様に、受皿６に計量物を載置して、その重量
を計測できる。

このロードセル秤１では、受皿６を外枠部10と横桟部11
とから形成したことにより、孔部12が空気の吹き抜け孔
として作用するので、この受皿６の空気抵抗値は低いも
のとなつている。このため、例えば、このロードセル秤
１を空調機器の前などに設置し、受皿６が下降する冷風
や上昇する温風の範囲内に存しても、これらは孔部12か
ら吹き抜け、受皿６に外乱として作用しない。さらに、
上述のようなスケルトン構造の受皿６は、平板状の受皿
などに比して軽量に製作可能である。つまり、このロー
ドセル秤１の設置面が振動しても、この振動が受皿６に
与える影響は極めて小さい。従つて、ロードセル秤の不
使用時に表示がちらつくことが防止される。

ここで、上述のようにして、受皿６に計量物を載置して
いない、ロードセル秤１の不使用時の表示のちらつきが
防止されても、計量物の空気抵抗値が大きいことがあり
うるため、このような計量物を受皿６に載置すると、や
はり、表示がちらつくということが考えられる。しか
し、通常、前述した気流や振動による影響は、計量物の
重量に比すると極めて小さく、さらに、計量物を受皿６
に載置した時に表示がちらつくのは、各種秤に共通する
現象でしかなく、購買者に不信感を与えるものではな
い。

例えば、このロードセル秤１の使用場所として、郵便局
などが考えられるが、この場合、数ｇの封書から数10kg
の小包まで計量可能な秤が求められる。ここで、このロ
ードセル秤１では、受皿６及び皿受フレーム５をスケル
トン構造としたので、剛性を落すことなく軽量化するこ
とが可能であり、ロードセル秤１を、微小重量の計測が
正確でありながら大重量の計測も可能なものとすること
が期待できる。

つぎに、本考案の第二の実施例を第３図及び第４図に基
づいて説明する。このロードセル秤13は、本体14がドー
ム状に形成されており、この他は、上述のロードセル秤
１と同様に構成されている。

このような構成において、このロードセル秤13では、本
体14の形状がドーム型なので、上方などから孔部12が通
つた空気が効率的に流れるため、受皿６がより安定する
ことが期待される。

考案の効果 本考案は、上述のように受皿の全面に空気の吹き抜け孔
としての多数の孔部を形成したことにより、これら孔部
を空気が吹き抜けるので、この受皿の空気抵抗値は小さ
く、下降する冷風や上昇する温風などの中にロードセル
秤を設置しても、これらが受皿に外乱として影響せず、
かつ、受皿の軽量化が可能なので、床面の振動などによ
る影響も少ないため、ロードセル秤の不使用時に表示部
の数値がちらつくことなどがないので、販売者や購買者
などが不信感を抱くことのない信頼性の高いロードセル
秤を得ることができ、それでいて、ローパスフイルタの
ような高価な回路による補正も省略可能なので、ロード
セル秤のコスト削減が期待され、しかも、受皿の剛性を
落すことなく軽量化することも可能なので、微小荷重の
計測が正確でありながら大荷重の計測も可能な汎用性の
高いロードセル秤を得ることも期待される等の効果を有
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第一の実施例の分解斜視図、第２図は
側面図、第３図は第二の実施例の斜視図、第４図は側面
図である。 １……ロードセル秤、３……ロードセル、６……受皿、
12……孔部、13……ロードセル秤

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】計量物が載置される受皿が結合されたロー
   ドセルとこのロードセルからの出力値に基づいて前記計
   量物の重量を算出する計測手段とを備えたロードセル秤
   において、前記受皿の全面に空気の吹き抜け孔としての
   多数の孔部を形成したことを特徴とするロードセル秤。