JPH0789374A - 自動車用運転装置 - Google Patents

自動車用運転装置

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JPH0789374A
JPH0789374A JP5238474A JP23847493A JPH0789374A JP H0789374 A JPH0789374 A JP H0789374A JP 5238474 A JP5238474 A JP 5238474A JP 23847493 A JP23847493 A JP 23847493A JP H0789374 A JPH0789374 A JP H0789374A
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JP
Japan
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braking force
vehicle
control
throttle
brake
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JP5238474A
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English (en)
Inventor
Kenichi Hiromoto
建一 広本
Tsukasa Abe
司 安部
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は身体障害者等が簡易かつ小さな力で
安全に車両を運転できるよう構成した自動車用運転装置
に関し、坂道発進時における運転者の操作負担を軽減す
ることを目的とする。 【構成】 操作レバー15の指示に従って動作する電子
制御スロットル40及び電子制御ブレーキシステムム5
0を設ける。操作レバー15が減速領域にある際にオン
とすることでブレーキ機構16〜19に供給するブレー
キ圧を保持状態とするセットスイッチ14を設ける。セ
ットスイッチ14をオンとして車両を停車状態に保持し
たまま操作レバー15が加速領域に移行され、その後セ
ットスイッチ14がオフされた場合、車間距離センサ6
0により検出した前方車両との車間距離が適切な水準に
維持されるように制動力及び駆動力を制御して発進す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車用運転装置に係
り、特に身体障害者等が安全に車両を運転できるよう、
簡易かつ小さな力で確実にブレーキ操作及びスロットル
操作が行い得るように構成した自動車用運転装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、身体障害者等が安全に車両を
運転できるように、ブレーキ操作及びスロットル操作を
手動操作で行い得るように構成した自動車用運転装置が
知られている(実開昭57−195923号公報)。
【0003】この装置は、車両の加減速をレバー操作で
行うもので、例えば車両走行中にレバーを減速領域に移
動すると、ブレーキ機構が電子制御されて指令に応じた
減速度が発生し、またレバーを加速領域に移動すると、
スロットル機構が電子制御されて指令に応じた加速度が
得られるものである。
【0004】ところで、このように車両の加減速を単一
のレバー操作で行う場合、通常の走行時においては操作
が簡易であるため、身体障害車等を対象とする趣旨に合
致するが、坂道発進時に問題が生ずる。坂道で停車状態
を維持するためにはレバーを減速領域に維持しておく必
要があり、その状態から車両を発進させるべくレバーを
加速領域に移行するにあたっては、レバー操作が遅いと
車両が後退し、操作を急ぐあまり過剰操作がなされれば
不当な急発進が行われることになるからである。
【0005】このため、上記公報記載の装置は、操作レ
バーに制動力保持スイッチを設け、車両停車状態でこの
スイッチがオンとされた場合は、以後スイッチがオフと
されるまでレバー位置とは無関係に車輪をロック状態に
保持することとしている。この場合運転者は、操作レバ
ーを減速領域に保持した状態で先ず制動力保持スイッチ
をオンとし、制動力を保持した状態で操作レバーを加速
領域へと操作して適当な駆動力を発生させることがで
き、その後制動力保持スイッチをオフとすれば、車両を
後退させることなく坂道発進を行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置は、坂道発進時においても運転者のレバーの操作量に
応じた駆動力が発揮されるものであり、制動力保持スイ
ッチがオフとされた時点で駆動力が不足していれば車両
は後退し、また駆動力が過剰であれば急発進が行われる
ことになる。
【0007】このように、上記従来の装置は、運転者の
運転操作が未熟な場合には円滑な坂道発進を行い難いも
のであり、身体障害者等を対象とする車両については可
能な限り簡易な操作で高い安全性を確保すべきであるこ
とに鑑みると、更に改善の余地を残したものであった。
【0008】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、前方車両に対する相対速度を算出する手段を設
け、運転者によって坂道発進操作が行われた際には、前
方車両に対する相対速度に基づいて制動力及び駆動力を
制御することにより、上記の課題を解決し得る自動車用
運転装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】図1は、上記の目的を達
成する自動車用運転装置の原理構成図を示す。すなわち
上記の目的は、図1に示すように、供給される制動力制
御信号に応じて車両のブレーキ機構を駆動して所望の制
動力を発生させる制動力制御機構1と、供給されるスロ
ットル制御信号に応じて内燃機関のスロットルバルブを
駆動して所望の駆動力を発生させるスロットル制御機構
2とを備え、運転者の意思を表す走行状態指令手段3が
発する走行状態指令信号に基づいて走行状態制御手段4
が設定した制動力制御信号及びスロットル制御信号を、
それぞれ前記制動力制御機構1及び前記スロットル制御
機構2に対して供給するようにした自動車用運転装置に
おいて、前方車両と自車両との間の距離を検出する車間
距離検出手段5と、該車間距離検出手段5の検出結果に
基づいて前方車両に対する相対速度を算出する相対速度
算出手段6と、前記走行状態指令手段3の発する走行状
態指令信号に基づく制動力制御実行中に運転者が所定の
操作を行った場合、前記走行状態制御手段4に対して制
動力保持を指示する制動力保持指示手段7と、前記制動
力保持指示手段7の指示に基づく制動力保持中、前記走
行状態指令手段3の発する走行状態指令信号が、制動力
制御を要求するものから、駆動力制御を要求するものに
変化し、且つ、前記制動力保持指示手段7による制動力
保持の指示が解除された際には、前記相対速度算出手段
6の算出した相対速度に応じて制動力制御信号、及び駆
動力制御信号を補正して、車両を発進させる発進状態指
令手段8とを備える自動車用運転装置により達成され
る。
【0010】
【作用】本発明に係る自動車用運転装置において、前記
走行状態指令手段3は、運転者の意思を走行状態指令信
号に変換して前記走行状態制御手段4に供給する。この
際、前記走行状態制御手段4は、原則としてこのように
して供給された走行状態指令信号に応じた走行状態を実
現すべく前記制動力制御機構1及び前記スロットル制御
機構2を制御する。
【0011】ところで、当該自動車用運転装置を備える
車両において例えば坂道発進を行う場合、運転者は車両
を停車状態に維持したまま先ず適当な駆動力を確保し、
その後制動力を解除する操作を行うことで後退を伴わな
い円滑な発進を確保しようとする。
【0012】前記制動力保持指示手段7は、かかる機能
を実現すべく、運転者により所定の操作が行われた場合
は、車両を停車状態に維持すべく制動力を保持する指示
を発する。すなわち、かかる制動力保持の指示が有効に
発せられている場合は、以後前記走行状態指令手段3の
発する走行状態指令信号が、制動力制御を要求するもの
から駆動力制御を要求するものに変化しても、制動力は
保持されたままとなり、車両を停車状態に維持したまま
適当な駆動力が確保される。
【0013】そして、かかる状況下で前記制動力保持指
示手段7による制動力保持の指示が解除されると、前記
走行状態制御手段4は、前記発進状態指令手段8の指令
に従って補正した制動力制御信号、及びスロットル制御
信号を、それぞれ前記制動力制御機構1及びスロットル
制御機構2に供給する。
【0014】この際、前記発進状態指令手段8は、前記
車間距離検出手段5の検出値に基づいて前記相対速度算
出手段6が算出した前方車両との相対速度に基づいて、
円滑な発進が確保されるように制動力制御信号、及びス
ロットル制御信号を補正すべく指令を発する。
【0015】つまり、本発明に係る自動車用運転装置に
あっては、例えば坂道発進時等において運転者により所
定の操作が行われた場合、運転者の熟練度に因らず車両
が前方車両に適切に追従するように前記制動力制御機構
1及び前記スロットル制御機構2が作動して、円滑な発
進が実現されることになる。
【0016】
【実施例】図2は、本発明の一実施例である自動車用運
転装置の全体構成図を示す。尚、本実施例の自動車用運
転装置は、身体障害者等が安全に運転を行えるように前
記した制動力制御機構1及びスロットル制御機構2を実
現すべく制動力及び駆動力を電子制御する機構を備える
と共に、健常者用として通常のブレーキ操作、スロット
ル操作によって制動力及び駆動力を制御する機構を兼備
している。
【0017】図2中、電子制御装置(制御ECU)10
は、マイクロコンピュータを主体として前記した走行状
態制御手段4、相対速度算出手段6、及び発進状態指令
手段8を実現する本実施例装置の要部である。この制御
ECU10には、身体障害者モード・健常者モード切り
換え用のモード切替スイッチ11が接続されており、本
実施例の自動車用運転装置はこのモード切替スイッチ1
1により身体障害者モードが選択されている場合に特徴
的動作を示すものである。
【0018】また、制御ECU10には、車速センサ1
2、及び機関回転数センサ13が接続されており、それ
ぞれ車速に応じた周期で発生するパルス信号、及び内燃
機関の回転数に応じた周期で発生するパルス信号の供給
を受けている。
【0019】これらと共に制御ECU10に接続される
セットスイッチ14及び操作レバー15は、それぞれ前
記した制動力保持指示手段7、走行状態指令手段3を実
現する部材である。ここで、操作レバー15は車両の加
減速指示に用いられ、運転者の操作により前記走行状態
指令信号に相当する信号を制御ECU10に供給するた
めのレバーである。そして、セットスイッチ14は操作
レバー15によって指令されている走行状態を維持する
ためのスイッチである。
【0020】つまり、操作レバー15が減速領域にある
場合にセットスイット14がオンとされれば、以後操作
レバーが減速領域からニュートラル領域に操作されるま
で(ニュートラルで解除)その際の制動力が維持され、
また操作レバー15が加速領域にある場合にセットスイ
ッチ14がオンとされれば、以後操作レバー15が加速
領域からニュートラル領域に操作されるまで(ニュート
ラルで解除)その際の車速が維持されることになる。
【0021】更に、坂道等の発進のため、操作レバー1
5が減速領域に位置しているときにセットスイッチ14
がオンとされ、その後セットスイッチ14を押しながら
操作レバー15を減速領域から加速領域へ操作し、所定
の加速領域においてセットスイッチ14をオフとする
と、すなわち、セットスイッチ14及び操作レバー15
の発する走行状態指令信号が、制動力制御を要求するも
のから駆動力制御を要求するものに変化し、且つ制動力
保持の指示が解除されると、制動力が解除されると同時
に駆動力が発生して車両が発進することができるもので
ある。
【0022】尚、セットスイッチ14として、坂道発進
時には運転者による解除操作がされるまでオン状態を維
持することのできるスイッチを用いることも可能であ
る。この場合、操作レバー15が減速領域に位置してい
るときにセットスイッチ14がオンとされれば、以後セ
ットスイッチ14がオフされるまでは制動力が維持され
ることになり、その後操作レバー15を所定の加速領域
へ操作してセットスイッチ14をオフすれば、坂道等に
おける発進が実現されることになる。
【0023】図2中FL,FR及びRL,RRはそれぞ
れ車両の左右前輪,左右後輪を示す。これらの各車輪は
それぞれ独立に、油圧により作動して各車輪を制動する
ブレーキ機構16〜19を備えている。尚、これらのブ
レーキ機構16〜19は、供給される油圧に応じた制動
力発揮するように構成されている。
【0024】また、左右前輪FL,FRには、ブレーキ
機構16〜19に実際に供給されている実ブレーキ圧を
検出する油圧センサ20,21が配設されている。そし
て、これらの油圧センサ20,21は、検出した油圧に
対応した信号を制御ECU10に供給している。
【0025】ところで、本実施例においては内燃機関に
供給される吸入空気量を制御するスロットルバルブ22
の開度調整を電子制御で行っている。符号40は本実施
例においてかかる機構を実現すべく前記したスロットル
制御機構2を構成する電子制御スロットルを示す。電子
制御スロットル40は、直流モータ(DC−MOTO
R)41を駆動源として備え、操作レバー15から供給
される加減速指示量に応じて制御ECU10から出力さ
れるスロットル開度信号に基づいて、スロットルバルブ
22の開度調整を行う。
【0026】つまり、スロットルバルブ22はアクセル
ペダル23の他にワイヤ24によっても駆動される。そ
してワイヤ24の端部は、直流モータ41の回転を伝達
する電磁クラッチ42と連動して回動する軸43に連結
されている。
【0027】従って、電磁クラッチ42が直流モータ4
1とつながっている場合、直流モータ41が回動すれば
それにつれてワイヤ24がスロットルバルブ22を開閉
させ、スロットルバルブ22の開度が変動することにな
る。尚、電磁クラッチ42は制御ECU10から供給さ
れる制御信号に従って動作し、直流モータ41とスロッ
トルバルブ22とを切り離し、又は連結する。つまり、
電磁クラッチ42が切れた状態では、もはや直流モータ
41の回転に従ってスロットルバルブ22が開くことは
ない。
【0028】また、電子制御スロットル40には、図2
に示すように電磁クラッチ42の回転角に基づいてスロ
ットルバルブ22の実際の開度を検出する開度センサ4
4が組み込まれている。そして、この開度センサ44は
検出したスロットルバルブ22の実開度データを制御E
CU10に送信している。
【0029】図2において、符号50は本実施例におい
て前記した制動力制御機構1を実現する電子制御ブレー
キシステムを示す。この電子制御ブレーキシステム50
は、上記したように身体障害者用車両に搭載することを
前提として構成したものである。そして、身体障害者用
の車両設計にあたっては良好な操作性の確保が重要な課
題の一つである。中でも車両にブレーキをかける際の操
作性は、安全性確保の観点から最重要項目である。
【0030】そこで、本実施例においては僅かな操作力
で確実な制動力を確保するため、各車輪に配設されたブ
レーキ機構16〜19に供給される実ブレーキ圧を電気
的に制御し得る電子制御ブレーキシステム50を採用し
ている。図2中、符号51は電子制御ブレーキシステム
50の要部であるブレーキブースタ(制御用B/B)を
示し、同図に示すように負圧室51a,変圧室51b,
マスタシリンダ51cで構成される。
【0031】負圧室51aはチェック弁52を介して図
示されない内燃機関の吸気管内スロットルバルブ下流に
連通し、内燃機関の運転中は常に吸気負圧(E/Gバキ
ューム)の供給を受ける。尚、チェック弁52は、負圧
室51a側から内燃機関側への流れだけを許容する一方
向弁である。このため、内燃機関の吸気負圧が大気圧付
近にまで昇圧した場合においても、負圧室51a内には
適当な負圧を保持しておくことが可能である。
【0032】一方、変圧室51bは2つの大気導入弁E
ACV1,2及びエアフィルタ53,54を介して大気
と通じていると共に、負圧導入弁EACV3及びチェッ
ク弁52を介して内燃機関の吸気管に連通している。従
って、変圧室51b内の圧力は、大気導入弁EACV
1,2を閉じて負圧導入弁EACV3を開とすれば負圧
室51aの内圧と等圧になり、またEACV1,2を開
けてEACV3を閉とすれば大気圧となる。
【0033】マスタシリンダ51cは、負圧室51aと
変圧室51bとに差圧が生じた場合に、その差圧に応じ
た油圧を各ブレーキ機構16〜19に供給するシリンダ
である。つまり、マスタシリンダ51c内には負圧室5
1aと変圧室51bとを分離するピストンが配設されて
おり、変圧室51b内に大気が導入された場合そのピス
トンには変圧室51bから負圧室51aへ向かう推力が
生ずる。
【0034】そして、その推力がピストンに連結されて
いるプッシュロッドを介して油圧に変換されて、各ブレ
ーキ機構16〜19に昇圧されたブレーキ圧として供給
される。一方、変圧室51b内が負圧に保持されている
場合、マスタシリンダ51c内のピストンには何らの力
も作用しない。このため各ブレーキ機構16〜19には
それらを駆動する程度に高圧のブレーキ圧は供給され
ず、各車輪に制動力が働くことはない。
【0035】ところで、本実施例においては、負圧室5
1aと変圧室51bとは負圧制御弁(VSV)55を介
して連通している。従って、例えば健常者モードが選択
された場合は、VSV55を開弁することにより負圧室
51aの内圧と変圧室51bの内圧とを常に等圧に保持
すれば、制御用B/B51によるブレーキ圧ブースト機
能が作動することがなく、仮に操作レバー15を誤操作
したとしてもそれによってブレーキブースト機能が作動
することはない。
【0036】符号25は、健常者用モードに対応して設
けられたブレーキペダルを示す。このブレーキペダル2
5の踏力はブレーキペダル25用のマスタシリンダ26
で油圧に変換され、電子制御ブレーキシステム50のハ
イセレクト装置56に供給される。ここで、ハイセレク
ト装置56は、2つのマスタシリンダ26及び51cか
ら供給される油圧のうち高い方を各ブレーキ機構16〜
19に伝達する装置である。
【0037】尚、本実施例のブレーキシステムには公知
のアンチロックブレーキシステム(ABS)が組み込ま
れており、ハイセレクト装置56から供給される油圧
は、ABS機構27を介して各ブレーキ機構16〜19
に供給される。
【0038】また、制御ECU10には、ブレーキ機構
16〜19が作動して車両が制動されているときに点灯
するストップランプ(STOPランプ)28、選択され
たモードが身体障害者モード(以下、フレンドマチック
(FM)モードと称す)であるか健常者モードであるか
を表示するモード表示ランプ29、及びセットスイッチ
14のオン・オフ状態を表示するセットランプ30が接
続され、制御ECU10の運転状態等が運転者等に判別
できる構成とされている。
【0039】更に、本実施例の制御ECU10には、前
記した車間距離検出手段5に相当する車間距離センサ6
0が接続されている。車間距離センサ60は、例えば波
動を発してから反射波を受信するまでの時間を計測して
車間距離を演算する公知のレーダ装置で構成することが
でき、制御ECU10に対して、前方車両その他車両前
方に存在する障害物との車間距離データを供給するもの
である。
【0040】本実施例の自動車用運転装置は、後述する
所定の状況下において、前記した相対速度算出手段6を
実現すべく制御ECU10が車間距離センサ60の検出
結果に基づいて前方車両等との相対速度を算出し、かつ
その結果を考慮したうえで電子制御スロットル40及び
電子制御ブレーキシステム50を動作させる点に特徴を
有している。
【0041】以下、制御ECU10が車間距離センサ6
0の検出結果に基づいて実行する処理の内容について説
明するが、それに先立って本実施例の自動車用運転装置
の基本的な動作について説明する。
【0042】図3は、モード切替スイッチ11によりF
Mモードが選択されている場合に、操作レバー15の操
作感覚と一致した制動力を各ブレーキ機構16〜19に
発揮させるために制御ECU10が実行するルーチン処
理の一例のフローチャートを示す。以下、図3を参照し
て本実施例の動作について説明する。尚、本ルーチンが
機能するのは、操作レバー15が減速領域に操作されて
いる場合であり、操作レバー15が加速領域に操作され
ている場合については、後述のスロットル制御ルーチン
が機能することになる。
【0043】ところで、本実施例の自動車用運転装置
は、上記したように制御用ブレーキブースタ51の負圧
室51aの内圧と変圧室51bの内圧との差圧を利用し
て、ブレーキ機構16〜19に供給される油圧を昇圧し
ている。従って、負圧室51aと変圧室51bとの差圧
が大きいほど、ブレーキ機構16〜19に供給される実
ブレーキ圧は大きくなる。
【0044】一方、変圧室51bと大気及び吸気管との
導通を制御するEACV1〜3は、制御ECU10から
供給される流量指示信号に従って、導通部の開口面積を
変化させる制御弁である。このため、導通面積が同一で
も変圧室51bに蓄えられている負圧、すなわち吸気負
圧が大きい場合と小さい場合とでは、大気導入弁EAC
V1,2を開弁した際に導入される空気量に差異が生ず
る。同様に、変圧室51b内に大気が導入されている状
態で負圧供給弁EACV3を開弁する場合は、吸気負圧
の大小により変圧室51bから吸気管へ流出する空気量
に差異が生ずることになる。
【0045】つまり、運転者による操作レバー15の操
作感覚と、各ブレーキ機構16〜19が発揮する制動
力、すなわちマスタシリンダ51cから供給される実ブ
レーキ圧とを一致させるためには、EACV1〜3を開
弁した際に変圧室51bに導入する空気量、または変圧
室51bから流出する空気量を内燃機関の吸気負圧の大
小にかかわらずに制御できる構成とする必要がある。
【0046】そこで、本実施例においては、内燃機関の
吸気管内に発生している吸気負圧を検出し、検出した吸
気負圧の大きさに基づいてEACV1〜3の開弁時にお
ける開口面積を補正することとしている。
【0047】このため、モード切り換えスイッチ11が
FMモードであることが確認されて本ルーチンが起動す
ると、図3に示すように先ずステップ1101において
回転数センサ4の出力信号から機関回転数NEを検出
し、次いでステップ1102へ進みスロットル開度セン
サ24の出力信号に基づいて実際のスロットル開度TH
Rを検出する。
【0048】ここで、吸気負圧 E/GBは、機関回転数N
Eが大きい程大きく、またスロットル開度THRが小さ
い程大きく、NEとTHRの関数として求めることがで
きる。このため、本実施例においては図4に示すような
マップを予め制御ECU10に格納しておき、上述の如
くNE及びTHRを検出したら、その後ステップ110
3へ進みNE及びTHRでマップを検索して内燃機関の
吸気負圧 E/GBを求めている。
【0049】ところで、車両にブレーキをかける場合、
車両速度が低速であるほどブレーキが効くことによるシ
ョックが大きく感じられる。また、一般に低速走行中に
おいては、強い制動力が要求されることよりも制動力の
微妙な調整が要求される場合が多い。従って、本実施例
のシステムにおいて運転者の操作感覚と車両の制動感覚
とを対応させるためには、車速に応じた補正も行う必要
がある。
【0050】そこで、本実施例においては、上記ステッ
プ1103において内燃機関の吸気負圧 E/GBを推定し
たら、車速に対する補正を行うべくステップ1104へ
進み、先ず車速センサ12の出力信号に基づいて車速V
W の算出を行う。そして、このようにして吸気負圧 E/G
B及び車速VW の推定を終えたら、次にその E/GB及び
W に基づいて、変圧室51bに所定の空気量を導入す
るための補正ゲインG B 及びGVWを求める。
【0051】つまり、大気導入弁EACV1,2を開弁
して変圧室51bに大気を導入する場合に変圧室51b
内に導入される空気の量は、EACV1,2の開口面積
と、EACV1,2開弁前における変圧室51b内の圧
力、すなわち内燃機関の吸気負圧 E/GBとの関数であ
り、EACV1,2の開口面積が大きい程、また吸気負
圧 E/GBが低圧である程多量の空気が導入されることに
なる。
【0052】従って、吸気負圧 E/GBの大小にかかわら
ず変圧室51b内に所定量の空気を導入するためには、
吸気負圧 E/GBが大きいほどEACV1,2の開口面積
を小さく補正する必要がある。そこで、本実施例におい
ては、図5に示す如きマップを設定して予め制御ECU
10に格納し、ステップ1105においてこのマップを
上記ステップ1103で推定した吸気負圧 E/GBで検索
することにより補正ゲインGB を算出している。
【0053】また、車速VW と制動力との関係について
は、上記したように車速VW が遅い程制御用B/Bのブ
ースト力を低く抑える必要がある。つまり高速走行時に
は変圧室51bに多量の空気を導入し、低速走行時には
変圧室51bに導入する空気を少量とする必要が生じ
る。そこで、本実施例においては図6に示すような車速
W と補正ゲインGVWとの関係を予め設定しておき、ス
テップ1106においてこのマップを車速VW で検索す
ることにより補正ゲインGVWを求めている。
【0054】次に、ステップ1107では、運転者が要
求している制動力に対応した要求ブレーキ圧TBPL
と、油圧センサ20,21で検出された実ブレーキ圧と
の差ΔBPを検出している。ここで、ΔBPが正の値で
あれば運転者はより強い制動力を要求していることにな
り、またΔBPが正の値でなければ制動力を弱める意思
を持っていることになる。
【0055】ところで、ブレーキ機構16〜19に供給
されている実ブレーキ圧BPRは上記したように負圧室
51aと減圧室51bとの間に発生している差圧に応じ
た圧力を示す。従って、実ブレーキ圧BPRが大きいほ
ど負圧室51aと変圧室51bとの差圧が大きく、すな
わち変圧室51b内の圧力が大気圧に近くなっているは
ずである。
【0056】一方、大気導入弁EACV1,2を開弁し
た際に変圧室51b内に導入される単位時間当たりの空
気量は、変圧室51b内の圧力が大気圧に近いほど少量
となる。他方、負圧導入弁EACV3を開弁して変圧室
51b内に吸気負圧を供給した場合に変圧室51bから
流出する空気量は、変圧室51b内の圧力が大気圧に近
いほど、すなわち実ブレーキ圧BPRが大きいほど多量
となる。
【0057】従って、運転者の操作感覚に実際の制動力
の変化を対応させるためには、各瞬間における実ブレー
キ圧BPRに対しても補正を行う必要がある。つまり、
運転者が制動力を強めようとしている場合には、その時
点における実ブレーキ圧BPRが大きいほど開弁時にお
けるEACV1,2の開口面積を大きく補正し、また運
転者が制動力を弱めようとしている場合には、実ブレー
キ圧BPRが大きいほど開弁時におけるEACV3の開
口面積を小さく補正する必要が生じる。
【0058】そこで、本実施例においては、上記ステッ
プ1107においてΔBPを検出したら、ステップ11
08ではその値が正の値であるか否かを判別する。そし
て、ΔBP>0であればステップ1109へ進んで実ブ
レーキ圧BPRを増圧するための補正ゲインGBPU を算
出し、またΔBP≦0であれば運転者は制動力を弱める
意思を持っていると判断して、ステップ1110へ進ん
で実ブレーキ圧BPRを減圧するための補正ゲインG
BPD を算出することとしている。
【0059】尚、本実施例においては、それぞれの補正
ゲインGBPU ,GBPD が上記したように実ブレーキ圧B
PRの関数として定まる値であることに着目して、予め
制御ECU10に図7(A),(B)に示すGBPU 又は
BPD とBPRとの関係を表すマップを格納しておき、
これを実ブレーキ圧BPRで検索してGBPU 及びGBP D
を求めることとしている。
【0060】このようにして内燃機関の吸気負圧に対す
る補正ゲインGB ,車速に対する補正ゲインGVW,実ブ
レーキ圧BPRに対する補正ゲインGBPU 又はGBPD
算出したら、ステップ1111へ進んでこれらの補正ゲ
インを積算して総合補正ゲインGBRK を求める。尚、こ
の場合において上記ステップ1108でΔBP>0であ
ると判別されていれば、総合補正ゲインGBRK =GB
VW*GBPU となり、またΔBP≦0であると判別され
ていれば、総合補正ゲインGBRK =GB *GVW*GBPD
となる。
【0061】次のステップ1112及び1113では総
合補正ゲインGBRK を用いてEACV1〜3に所望の空
気量を流通させるために確保すべきEACV1〜3の開
口面積TAF1〜3を算出する。ここで、TAF1=T
AF2=TAF/2であるのに対してTAF3=TAF
であるのは、変圧室51bへの大気の導入は大気導入弁
EACV1,2から同時に行われるのに対して、吸気負
圧は負圧導入弁EACV3からのみ行われるからであ
る。
【0062】尚、運転者の操作感覚と一致した制動力を
実現するため、EACV1〜3の開口面積TAF1〜3
の基礎とされるTAFについては、運転者による要求ブ
レーキ圧TBPRと実ブレーキ圧BPRとの差、すなわ
ち上記ステップ1107で算出したΔBPと、総合補正
ゲインGBRK とを積算することで求めている(ステップ
1112)。
【0063】また、大気導入弁EACV1,2及び負圧
導入弁3は、図8の特性図に示すように、供給された流
量制御信号の電流Iに応じた開口面積TAFで開弁する
特性を有している。従って、上記ステップ1113にお
いて、各導入弁EACV1〜3それぞれの開口面積が算
出されたら、ステップ1114へ進みその開口面積TA
F1〜3を実現するために供給すべき電流値I1 〜I3
を算出する。
【0064】そして、ステップ1115において、運転
者による操作レバー15の操作に基づいて例えば制動力
を強めたい場合は大気導入弁EACV1,2それぞれに
対して電流I1 ,I2 を供給し、また、制動力を弱めた
い場合には負圧導入弁EACV3に対して電流I3 を供
給して今回の処理を終了する。
【0065】このように、本実施例の自動車用運転装置
においては、操作レバー15の操作位置に応じて運転者
の操作感覚に適合した制動力が発揮され、適当にその状
態を維持することで、高度な運転技術を必要とすること
なく円滑に車両を停車状態に導くことが可能である。
【0066】図9は、制御ECU10が操作レバー15
を介して行われる指示に従って電子制御スロットル40
を動作させるために実行するスロットル制御ルーチンの
フローチャートを示す。以下、同図に沿って本実施例の
自動車用運転装置におけるスロットル制御の手法を説明
する。
【0067】本実施例においては、スロットルバルブ2
2の実開度を検出する開度センサ44を用いてフィード
バック系を構成し、比例積分微分制御(PID制御)に
より直流モータ41を駆動する構成を採用している。
【0068】すなわち、図9に示すスロットル制御ルー
チンが起動すると、先ずステップ1201において操作
レバー15によるスロットル開度指示量TTHLを検出
する。次いでステップ1202では、開度センサ44に
より検出される実スロットル開度THRに基づいて、ス
ロットル偏差TTH(t) =TTHL−THRを算出す
る。 続いてステップ1203へ進み、直流モータ41
に供給する開度指示信号のうち微分制御により構成され
る成分を算出する基礎として、今回のスロットル偏差T
TH(t) と前回処理時におけるスロットル偏差TTH
(t-1) との差をとることによりスロットル偏差の微分量
ΔTTHを算出する。
【0069】更に、ステップ1204では、開度指示信
号のうち積分制御により構成される成分を算出する基礎
として、前回までのスロットル偏差の積分値に今回のス
ロットル偏差TTH(t) を加算して、ΔTTHの積分量
∫ΔTTHを算出する。
【0070】そして、ステップ1205へ進み、予め設
定した比例ゲインGP ,積分ゲインGI ,微分ゲインG
D を用いて次式のように基本制御量TTHIを算出す
る。
【0071】TTHI=GP ・TTH(t) +GI ・∫T
TH(t) +GD ・ΔTTH このようにして基本制御量TTHIが算出できたら、ス
テップ1206へ進んでバッテリ電圧VB の変動に対す
る補正を行う。車両に搭載されるバッテリの電圧は、車
両の運転状態等により大幅に変動する反面、スロットル
バルブ22の開度は精度良く制御する必要があるからで
ある。尚、本実施例装置の制御ECU10は、バッテリ
電圧VB に対する補正係数KVBを予めマップとして備え
ており(図10参照)、このマップをバッテリ電圧VB
で参照するこにより要求される補正係数KVBを算出す
る。
【0072】そして、上記ステップ1205において算
出した基本制御量TTHIと、この補正係数KVBとを乗
算することにより実制御量を算出し、その値をTTHI
として記憶する(ステップ1207)。
【0073】このようにして直流モータ41に供給すべ
き制御量TTHIを算出したら、ステップ1208では
その制御量TTHIを実現するためのデューティ比を算
出する。そして、算出されたデュティ比の信号をステッ
プ1209で直流モータ41へ向けて出力して今回の処
理を終了する。
【0074】このように、本実施例の自動車運転装置に
おいては、操作レバー15が加速領域に操作されると、
その指示値に従ってPID制御による高精度なスロット
ル制御が実行され、運転者の操作感覚を適切に反映した
走行状態が実現されることになる。
【0075】ところで、車両走行中は原則として制動力
と駆動力とを同時に必要とする状況は生じない。従っ
て、身体障害者等を運転者として想定する車両について
は、上記したように操作レバー5が減速領域に位置して
いるか加速領域に位置しているかによって制動力と駆動
力とが選択的に発揮される構成は操作性に優れ有効であ
る。
【0076】しかし、急勾配の坂道発進において円滑な
発進を行うためには、車両を停車状態に維持したまま予
め適当な駆動力を確保し、その後制動力を解除すること
で発進する操作を行うことが適切であり、この場合は一
時的に制動力と駆動力とが同時に必要とされる。
【0077】本実施例の自動車用運転装置には、かかる
機能を満たすべくセットスイッチ14を設けていること
は前記した通りであり、操作レバー15により車両を停
車させた後セットスイッチ14がオンとすれば、以後操
作レバー15を加速領域に移動すると、車両を停車状態
に維持し得る制動力を維持したまま操作に応じた駆動力
が確保されることになる。そして、その後セットスイッ
チ14をオフすれば、車両は円滑に発進することにな
る。
【0078】本実施例の自動車用運転装置は、この場合
の操作性を更に向上させたことを特徴とするものであ
り、上記の状況下でセットスイッチ14がオフされる
と、その後前方車両との車間距離が適切に保たれるよう
に電子制御スロットル40及び電子制御ブレーキシステ
ム50を制御するものである。
【0079】以下、図11〜図17を参照して本実施例
の自動車用運転装置の特徴的な動作について詳細に説明
する。
【0080】図11は、制御ECU10が実行するメイ
ンルーチンのフローチャートを示す。同図に示すように
制御ECU10は、そのメインルーチンにおいて先ずモ
ード切替スイッチ11がFMモードにセットされている
か健常者モードにセットされているかを見る。健常者モ
ードが選択されている場合、制動力や駆動力はブレーキ
ペダル25、アクセルペダル22の踏力に従って発揮さ
れるべきであり、制御ECU10は何ら処理を行うべき
ではないからである。
【0081】このため、上記ステップ100でFMモー
ドではないと判別された場合は、ステップ200へ進ん
で制御用B/B51の減圧制御を行うべくEACV3,
VSV55を開弁し、続くステップ300で電磁クラッ
チ42の接続を断つ処理を行って今回のルーチンを終了
する。
【0082】この場合、制御ECU10の動作状態に関
わらず以後制御用B/B51から高圧のブレーキ圧が供
給されることはなく、各ブレーキ機構16〜19からは
常にブレーキペダル25の踏力に応じた制動力が発揮さ
れることになる。また、スロットルバルブ22について
も制御ECU10の動作状態の影響を受けなくなり、内
燃機関からは常にアクセルペダル23の踏み込み量に応
じた駆動力が出力されることになる。
【0083】一方、上記ステップ100においてFMモ
ードが選択されている場合は、ステップ400へ進んで
モード表示ランプを点灯させると共に、電磁クラッチ4
2を接続して電子制御スロットル40をスタンバイ状態
としてステップ500へ進む。
【0084】ステップ500は、車間距離センサ60の
検出結果に基づいて前方車両との車間距離を演算するス
テップであり、前記した車間距離検出手段5の一部を構
成している。また、これに続くステップ600は、検出
した車間距離を微分して前方車両との相対速度を検出す
るステップであり、前記した相対速度算出手段6に相当
する。本ルーチンは、このようにして検出した車間距離
及び相対速度が適切な水準に維持されるように制動力及
び駆動力を制御することにより円滑な坂道発進を実現し
ようとするものである。
【0085】尚、上記ステップ600における車間距離
の微分処理は、図12に示す距離微分サブルーチンによ
って実行されるものである。ここで、図12に示すルー
チンは、所定時間毎に起動する定時割り込みルーチンで
あり、今回の車間距離DST (t) と前回の車間距離DS
(t-1) との差を距離微分値DDST(t) とするもので
ある。
【0086】ステップ700は、前記した発進状態指令
手段8に相当する本ルーチンの要部であり、セットスイ
ッチ14及び操作レバー15が坂道発進時の態様で操作
された場合に、円滑な坂道発進を実現するために必要な
目標スロットルバルブ開度TTHLS、及び目標ブレー
キ圧TBPLSを設定するステップであり、具体的には
図13に示す坂道サブルーチンにより実現されるもので
ある。
【0087】図13に示すルーチンが起動すると、先ず
ステップ701において既に制御ECU10によって坂
道制御が実行されているか、すなわち過去に坂道発進を
要求する操作がなされたかを判別する。ここで、過去に
おいて坂道発進を要求する操作がなされていない場合
は、ステップ702へ進んで現在坂道発進が要求されて
いるかを判別する。
【0088】ここで、本ルーチンにおいては、操作レバ
ー15が減速領域に位置した状態でセットスイッチ14
がオンとされ、その後セットスイッチ14がオンされた
まま操作レバー15が加速領域に移行された場合を坂道
発進の要求有り、と判断する。そして、かかる状況が検
出された場合はステップ703へ進んでその状態をフラ
グXSCを用いて表すこととしている。つまり、上記ス
テップ701においてはXSC=“1”か否かによっ
て、坂道制御が実行中か否かを判別するものである。
【0089】この場合において、ステップ701でXS
Cが“1”であると判別された場合は、ステップ704
へ進んで車速Vと所定の判定値KVW(5km/h程度) と
の比較を行う。車速Vが適当な水準(V≧KVWが成立
する程度)にまで上昇していれば、もはや車両は発進済
であり、坂道発進時を対象とした本ルーチンの処理を実
行する必要がないからである。
【0090】従って、上記ステップ704においてV≧
KVWが成立する場合は、上記ステップ702において
坂道発進の要求が発生していないと判別された場合と同
様に、以後ステップ705へ進むことになる。そして、
ステップ705で坂道制御の実行状態を表すフラグXS
Cを“0”とすると共に、円滑な坂道発進を実現するた
めの目標スロットルバルブ開度TTHLS、及び目標ブ
レーキ圧TBPLSを“0”にリセットして今回の処理
を終了する。
【0091】尚、本ルーチンにおいては、計算の便宜上
今回演算したTTHLS,TBPLSをそれぞれTTH
LS(t) ,TBPLS(t) として記憶すると共に、前回
演算したTTHLS,TBPLSをそれぞれTTHLS
(t-1) ,TBPLS(t-1) として記憶することとしてい
る。このため、ステップ705では、これら全ての値を
“0”にリセットする処理が実行される。
【0092】一方、上記ステップ704において車速V
がKVWに達していないと判別された場合、または上記
ステップ703の処理を実行した場合は、ステップ70
6へ進んでセットスイッチ14の状態を判別する。運転
者が正に車両を発進させようとするタイミングを検出す
るためである。
【0093】ここで、ステップ706においてセットス
イッチ14がオンであると判別されるのは、運転者が未
だ車両を発進させるべきではないと考えている場合であ
る。従って、この場合は車両を停車状態に維持したまま
適当に駆動力を発揮すれば足り、本ルーチンにおいては
ステップ707へ進んで目標スロットル開度TTHLS
(t) に操作レバ15の指示値f(レバー)を、目標ブレ
ーキ圧TBPLS(t)にセットスイッチ14をオンとし
たときの実ブレーキ圧BPRを代入して今回の処理を終
了する。
【0094】そして、以後ステップ706においてセッ
トスイッチ14がオフされたと判別されるまで上記ステ
ップ701,704,706,707の処理が繰り返し
実行されることになる。
【0095】ステップ706においてセットスイッチ1
4がオフであると判別された場合は、円滑な坂道発進を
実現すべくステップ708へ進む。このステップ708
は、上記ステップ600において求めた前方車両との相
対速度DDSTが、如何なる値を示しているかを判断す
るステップである。
【0096】つまり、坂道発進時において相対速度DD
STが正の値となるのは車両が前方車両に接近している
場合であり、この場合は車速を適当に落とす処理が必要
である。またDDSTが負の値となるのは、前方車両と
の距離が開いている場合であり、この場合は車速を適当
に上げることが必要である。
【0097】このため、本ルーチンにおいては相対速度
DDSTの大きさにより3水準に区分し、DDST≧K
(>0)の場合はステップ709へ、K>DDST≧0
の場合はステップ710へ、また0>DDSTの場合は
ステップ711へ進んでそれぞれ適当な値を目標スロッ
トル開度TTHLS(t) 、目標ブレーキ圧TBPLS
(t) に設定する。
【0098】ここで、ステップ709は坂道発進時にお
いて車両が前方車両に不当に接近する可能性がある場合
に実行されるステップである。このため、ステップ70
9においては目標スロットル開度TTHLS(t) を固定
すべく前回の値TTHLS(t -1) を設定し、目標ブレー
キ圧TBPLS(t) を増圧すべく前回の値TBPLS
(t-1) に所定の増圧幅BPSUを加えた値を設定する。
【0099】このため、車両の駆動力及び制動力がこれ
らの目標値に制御されるとすれば、内燃機関の発する駆
動力は一定のままブレーキ機構16〜19の発する制動
力が大きくなり、車速Vが低下することから、前方車両
への不当な接近が防止されることになる。
【0100】また、ステップ710が実行されるのは、
前方車両との相対速度DDSTが適切な水準に維持され
ている場合である。従って、この場合は目標スロットル
開度TTHLS(t) として操作レバー15の指示値f
(レバー)をそのまま用い、目標ブレーキ圧TBPLS
(t) として前回の値TBPLS(t-1) から所定の減圧幅
BPSDを減じた値を設定する。この場合、車両の駆動
力及び制動力がこれらの目標値に制御されるとすれば、
徐々に制動力が減少せられ適切な車間距離を維持したま
ま円滑な坂道発進が実現されることになる。
【0101】一方、ステップ711が実行されるのは、
前方車両の発進速度に対して自車の発進速度が不当に遅
い場合であり、この場合は操作レバー15の指示値より
更に大きな発進速度を確保するべきである。このため、
ステップ711においては、目標スロットル開度TTH
LS(t) として前回の値TTHLS(t-1) に所定の増加
幅THSUを加えた値を設定すると共に、目標ブレーキ
圧TBPLS(t) として前回の値TBPLS(t-1) から
所定の減圧幅BPSDを減じた値を設定する処理を行
う。
【0102】この場合、駆動力及び制動力がこれらの目
標値に制御されるとすれば、車速を抑制するように作用
する制動力が低下し、かつ車速を高めるように作用する
駆動力が大きくなるため、発進速度が比較的大幅に早め
られ、操作レバー15の位置に関わらず、車両は前方車
両に追従して適切な発進速度で坂道発進を完遂し得るこ
とになる。
【0103】そして、上記ステップ709〜711のう
ち何れかを実行したら、次回のルーチン起動時のため、
ステップ712において今回の目標値TTHLS(t)
TBPLS(t) をそれぞれTTHLS(t-1) ,TBPL
(t-1) として記憶して今回の処理を終了する。
【0104】ところで、坂道発進を行う際にセットスイ
ッチ14がオンとされるのは、原則として車両を停車状
態に維持し得るブレーキ圧が確保されている場合であ
る。従って、上記図13に示すルーチンの実行中は本来
制動力不足により車両が坂道を後退するようなことはな
いはずである。
【0105】しかしながら、運転者の不注意等により十
分な制動力が確保されていない状況下でセットスイッチ
14をオンとしたような場合には、上記図13に示すル
ーチンの実行中に車両が坂道を後退する事態が生ずる。
そして、この場合は前方車両に対して相対速度DDST
が負であるとして上記ステップ711が実行され、更に
目標ブレーキ圧TBPLS(t) が小さく更新されること
になる。
【0106】この場合、運転者が車両の後退を認識せ
ず、改めて坂道発進操作をし直さなければ車両は後退を
続けることになる。そこで、車両の後退を検出する機構
を設けて、坂道発進時に車両の後退が検出された際に
は、以後車両を停車状態に維持し得るブレーキ圧に保持
するようにしてもよい。
【0107】このように、図11中ステップ700で
は、坂道発進が要求されていない場合には、目標値TT
HLS(t) ,TBPLS(t) に“0”が、また坂道発進
が要求されている場合には、円滑な発進を実現し得るス
ロットル開度及びブレーキ圧が制御目標値TTHLS
(t) ,TBPLS(t) として設定される。
【0108】ところで、これらの目標スロットル開度T
THLS,目標ブレーキ圧TBPLSは、あくまでも坂
道発進に対する要求を満たし得るスロットル開度または
ブレーキ圧である。従って、坂道発進時を除く運転状況
下では操作レバー15及びセットスイッチ14の操作状
況を直接反映したスロットル開度及びブレーキ圧を実現
する必要がある。
【0109】このため、上記ステップ700において坂
道発進に対する目標値を設定したら、ステップ800,
900ではその目標値と運転者の操作状況を反映した目
標値との比較を行い、より適切であると想定される方の
目標値を最終的な目標スロットル開度及び目標ブレーキ
圧とする処理を行う。
【0110】ここで図14は、ステップ800に相当す
る目標開度演算サブルーチンのフローチャートを示す。
同図に示すように、本ルーチンにおいては先ずステップ
801においてスロットル開度に対して運転者から何ら
かの要求がなされているか、すなわち操作レバー15を
介してスロットル開度に対する指令が発せられているか
を判別する。
【0111】そして、何らかの要求がなされている場合
はステップ802へ進んで操作レバー15の指示値f
(レバー)をそのまま目標スロットル開度TTHLNと
して記憶し、また操作レバー15から何らスロットル開
度に対する要求がなされていない場合は、ステップ80
3へ進んで目標スロットル開度TTHLN=“0”とす
る。
【0112】このようにして運転者の操作状況に基づい
た目標スロットル開度TTHLNを設定したら、ステッ
プ804へ進み上記図13に示すルーチンで設定した目
標スロットル開度TTHLSと、本ルーチンで設定した
目標スロットル開度TTHLNとを比較し、値の大きい
方を最終的な目標スロットル開度TTHLとして設定し
て本ルーチンを終了する。
【0113】従って、最終的な目標スロットル開度TT
HLとしては、少なくとも円滑に坂道発進を行い得ると
共に運転者の意思を適切に反映し得るスロットル開度が
設定されることになる。
【0114】また図15は、上記ステップ900に相当
する目標ブレーキ圧演算サブルーチンのフローチャート
を示す。同図に示すルーチンにおいては、先ずステップ
901でブレーキ圧に対して運転者から指示が出されて
いるか、すなわち操作レバー15からブレーキ圧に関す
る指令が発せられているかを判別する。
【0115】そして、操作レバー15からブレーキ圧に
関する指令が発せられていない場合は、ステップ902
において更にスロットル開度に関する要求が発せられて
いるかを判別する。操作レバー15がニュートラル領域
に位置しているのか加速領域に位置しているのかをみる
ためである。
【0116】この結果、操作レバー15が加速領域に位
置していると判別された場合は、ステップ903へ進ん
で運転者の操作状況に基づいて設定する目標ブレーキ圧
を“0”に設定する処理を行う。ここで、本実施例にお
いては、操作レバー15の指示値を表すTBPLNと、
セットスイッチ14をオンとした際のブレーキ圧を表す
TBPLLとを共に運転者の操作に基づく目標ブレーキ
圧として扱う事としている。
【0117】そして、これらの目標ブレーキ圧TBPL
N,TBPLLそれぞれについて、演算の便宜上今回の
値をTBPLN(t) ,TBPLL(t) 、前回の値をTB
PLN(t-1) ,TBPLL(t-1) として記憶することと
している。このため、ステップ903においては、これ
ら全てを“0”にリセットする処理を実行することにな
る。
【0118】また、ステップ903では、更にフラグX
BLを“0”にリセットする処理を実行する。ここで、
フラグXBLは、後述の如くセットスイッチ14がオン
となっているか、すなわち車両を停車状態に維持すべく
ブレーキ圧を保持する要求がなされているかを表すフラ
グである。
【0119】一方、ステップ901においてブレーキ圧
の要求があると判別された場合、またはステップ902
において操作レバー15がニュートラルの位置にあると
判別された場合はステップ904へ進み、上記のフラグ
XBLが“1”か否かを判別する。
【0120】既にXBLが“1”であれば、現在の操作
レバー15の指示値に関わらず最終的な目標ブレーキ圧
としては、セットスイッチ14がオンとされた際のブレ
ーキ圧が記憶されたTBPLLの値を設定すべきであ
り、一方XBLが“0”であれば、現在の操作レバー1
5の指示値を目標ブレーキ圧TBPLN,TBPLLに
反映させるべきであることに鑑み、必要な場合分けを行
うためである。
【0121】今回が初回の処理であるとすれば、XBL
=“0”であるから、この場合はステップ905へ進ん
でブレーキ圧保持の要求がなされているか、すなわち操
作レバー15が減速領域にある状態でセットスイッチ1
4がオンとされたかを判別する。
【0122】そして、ブレーキ圧保持の要求がなされて
いる場合には、ステップ906でXBLに“1”をセッ
トした後ステップ907へ進み、現在の操作レバー15
の指示値に基づいて設定した目標ブレーキ圧TBPLN
(t) をTBPLL(t) として設定する。
【0123】つまり、操作レバー15によって車両を停
車させておくに十分な制動力を確保した状況下でセット
スイッチ14がオンとされたとすれば、TBPLL(t)
には、車両を停車状態に維持するに十分なブレーキ圧が
設定されることになる。そして、次回以降本ルーチンが
起動されてステップ904が実行される場合には、XB
L=“1”であるためステップ905〜907がジャン
プされることになり、操作レバー15の指示値の変化に
因らずTBPLL(t) の値が変化することはない。
【0124】一方、ステップ905においてブレーキ圧
保持の要求がなされていないと判別された場合、すなわ
ちセットスイッチ14がオフとされている場合は、ステ
ップ908へ進んでフラグXBLに“0”をセットする
と共に、ブレーキ圧保持の際の目標ブレーキ圧TBPL
(t) を“0”に設定する。そして、次にステップ90
9で操作レバー15の指示値f(レバー)をTBPLN
(t) として設定する。
【0125】このように、本ルーチンにおいては操作レ
バー15が加速領域にある場合、操作レバー15がニュ
ートラルまたは減速領域にあってブレーキ圧の保持要求
がある場合または無い場合の3つのケース毎にTBPL
(t) 及びTBPLL(t) がそれぞれの規則に従って設
定されることになる。
【0126】そして、これらの設定が終了したら、ステ
ップ910へ進んで上記図13に示すルーチンにおいて
坂道発進時を想定して設定した目標ブレーキ圧TBPL
SとTBPLN,TBPLLを比較し、最も大きいもの
を最終的な目標ブレーキ圧TBPLとして設定して本ル
ーチンの処理を終了する。
【0127】この結果、坂道発進時において運転者の操
作に基づいて設定されたブレーキ圧が不足している場合
は、車間距離センサ60の検出結果等に基づいて適正な
値に設定したブレーキ圧が各ブレーキ機構16〜19に
供給されると共に、運転者がより大きな制動力を欲した
場合にはその意思が適切に反映されることになり、円滑
な走行と高い安全性とが両立されることになる。
【0128】ところで、車両に発生させるべき制動力
は、前方車両に対する相対速度DDSTが高いほど大き
く設定するべきである。上記図13に示すルーチンで
は、坂道発進時に相対速度が判定値Kを越える場合に
は、徐々に制動力を高める処理を行うよう構成している
が、このような要求がなされるのは発進時に限るもので
はなく、追突を防止する観点からは通常走行時にも同様
に要求されるものである。
【0129】図11中ステップ1000は、かかる要求
を満たすべく目標ブレーキ圧を車間距離センサ60で検
出した車間距離に基づいて補正するステップである。図
16は、その具体的処理内容を表す距離補正サブルーチ
ンのフローチャートを示す。
【0130】図16に示すように、本ルーチンにおいて
は先ずステップ1001において上記ステップ600で
演算した車間距離微分値、すなわち相対速度DDSTが
所定の判定値KDDSTを越えているかを判別する。こ
こで、DDST>KDDSTが成立しない程度であれば
追突の危険性がないため何ら処理を施すことなく今回の
処理を終了する。
【0131】一方、DDST>KDDSTが成立する場
合、すなわち前方車両に対して急接近した場合は、ステ
ップ1002へ進んで目標ブレーキ圧TBPLの増圧補
正を行う。具体的には、上記ステップ900において設
定したTBPLに、補正係数KDD(>1.0)を乗算し
た値を補正後の目標ブレーキ圧TBPLとして設定して
メインルーチンへ戻る。
【0132】このように目標ブレーキ圧TBPLを補正
する構成とすると、車間距離が適正な水準に維持されて
いる場合には操作レバー15の指示値等をそのまま反映
した制動力が発揮されて良好な操作フィーリングが確保
できると共に、車間が急激に接近した場合には、その接
近を抑制するように制動力が強化され、より高い安全性
が確保されることになる。
【0133】尚、車間距離に基づいて行う目標ブレーキ
圧TBPLの補正は、上記したように補正係数KDDを一
定値として行う手法の他、図17に示す如くKDDを相対
速度DDSTの関数として設定する手法を採用して実行
してもよい。
【0134】上記したように、図11に示すルーチンに
おいては、ステップ1000までの処理が終了すると、
電子制御スロットル40及び電子制御ブレーキシステム
50の制御の基礎となる目標スロットル開度TTHL、
及び目標ブレーキ圧TBPLが一義的に設定される。
【0135】以後、制御ECU10は、このようにして
設定した目標スロットル開度TTHL、及び目標ブレー
キ圧TBPLに基づいてブレーキ制御(ステップ110
0)及びスロットル制御(ステップ1200)を実行し
て図11に示すメインルーチンを終了する。
【0136】尚、図11中ステップ1100,1200
は、上記図3及び図9に示すサブルーチンによって実現
されるステップであり、図3中ステップ1107におい
て、または図9中ステップ1201においてそれぞれ演
算の基礎とするTBPL,TTHLに上述の如く設定し
た目標ブレーキ圧TBPL、または目標スロットル開度
TTHLを代入して車両制御を実現するものである。
【0137】このように、本実施例の制御ECU10が
上記のメインルーチンを実行する場合、通常運転時には
操作レバー15を操作することにより、極めて簡単に車
両を操縦することが可能である。そして、一般的に比較
的高い技量が要求される坂道発進時には、前方車両に追
走することで円滑な発進を実現することができ、運転者
に対する操作負担を大幅に軽減することができる。
【0138】尚、上記実施例においては、FMモードが
選択されている場合に限り、制御ECU10が車間距離
センサ60の検出結果に基づいて制動力及び駆動力を制
御する構成としているが、これに限るものではなく、例
えばアクセルペダル23及びブレーキペダル25により
前記走行状態指令手段3を実現し、また、パーキングブ
レーキにより前記制動力保持指示手段7を実現する構成
として、健常者を対象とした制御を実行するようにして
もよい。
【0139】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、坂道発進時
には制動力及び駆動力が運転者の操作技量に因らず、前
方車両との相対速度が適切に保たれるように発揮され
る。つまり、坂道発進時には、運転者は前方車両が発進
したことを確認後所定の操作を行うだけで、車両は前方
車両に追従して円滑に発進し、極めて容易に確実な坂道
発進を行うことができる。
【0140】このように、本発明に係る自動車用運転装
置によれば、従来の装置の如く運転者の技量によって車
両が後退したり不当に急発進したりすることがなく、運
転者の操作負担を大幅に軽減することができるという特
長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車用運転装置の原理図であ
る。
【図2】本発明の一実施例である自動車用運転装置の全
体構成図である。
【図3】制御ECUが実行するブレーキ制御サブルーチ
ンの一例のフローチャートである。
【図4】内燃機関のスロットル開度THR及び機関回転
数NEと吸気負圧 E/GBとの関係を表す特性図である。
【図5】ブレーキ制御サブルーチン中で補正ゲインGB
を求めるためのマップである。
【図6】ブレーキ制御サブルーチン中で補正ゲインGVW
を求めるためのマップである。
【図7】ブレーキ制御サブルーチン中で増圧時補正ゲイ
ンGBPU 及び減圧時補正ゲインGBPD を求めるためのマ
ップである。
【図8】大気導入弁及び負圧導入弁の開弁時における開
口面積TAFと流量指示信号の電流Iとの関係を表す特
性図である。
【図9】制御ECUが実行するスロットル制御サブルー
チンの一例のフローチャートである。
【図10】スロットル制御サブルーチン中でバッテリ補
正係数KVBを求めるためのマップである。
【図11】制御ECUが実行するメインルーチンの一例
のフローチャートである。
【図12】制御ECUが実行する距離微分サブルーチン
の一例のフローチャートである。
【図13】制御ECUが実行する坂道制御サブルーチン
の一例のフローチャートである。
【図14】制御ECUが実行する目標スロットル開度演
算サブルーチンの一例のフローチャートである。
【図15】制御ECUが実行する目標ブレーキ圧演算サ
ブルーチンの一例のフローチャートである。
【図16】制御ECUが実行する目標ブレーキ圧の距離
補正サブルーチンの一例のフローチャートである。
【図17】制御ECUが目標ブレーキ圧の距離補正に用
いるマップの一例である。
【符号の説明】
1 制動力制御機構 2 スロットル制御機構 3 走行状態指令手段 4 走行状態制御手段 5 車間距離検出手段 6 相対速度算出手段 7 制動力保持指示手段 6 発進状態指令手段 10 制御ECU 11 モード切替えスイッチ 14 セットスイッチ 15 操作レバー 16〜19 ブレーキ機構 20,21 油圧センサ 22 スロットルバルブ 23 アクセルペダル 25 ブレーキペダル 40 電子制御スロットル 50 電子制御ブレーキシステム 51 制御用ブレーキブースタ 51a 負圧室 51b 変圧室 51c マスタシリンダ EACV1,2 大気導入弁 EACV3 負圧導入弁 60 車間距離センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給される制動力制御信号に応じて車両
    のブレーキ機構を駆動して所望の制動力を発生させる制
    動力制御機構と、供給されるスロットル制御信号に応じ
    て内燃機関のスロットルバルブを駆動して所望の駆動力
    を発生させるスロットル制御機構とを備え、運転者の意
    思を表す走行状態指令手段が発する走行状態指令信号に
    基づいて走行状態制御手段が設定した制動力制御信号及
    びスロットル制御信号を、それぞれ前記制動力制御機構
    及び前記スロットル制御機構に対して供給するようにし
    た自動車用運転装置において、 前方車両と自車両との間の距離を検出する車間距離検出
    手段と、 該車間距離検出手段の検出結果に基づいて前方車両に対
    する相対速度を算出する相対速度算出手段と、 前記走行状態指令手段の発する走行状態指令信号に基づ
    く制動力制御の実行中に運転者が所定の操作を行った場
    合、前記走行状態制御手段に対して制動力保持を指示す
    る制動力保持指示手段と、 前記制動力保持指示手段の指示に基づく制動力保持中、
    前記走行状態指令手段の発する走行状態指令信号が、制
    動力制御を要求するものから、駆動力制御を要求するも
    のに変化し、且つ、前記制動力保持指示手段による制動
    力保持の指示が解除された際には、前記相対速度算出手
    段の算出した相対速度に応じて制動力制御信号、及び駆
    動力制御信号を補正して、車両を発進させる発進状態指
    令手段とを備えることを特徴とする自動車用運転装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000006691A (ja) * 1998-06-25 2000-01-11 Nissan Motor Co Ltd 制駆動力制御装置
JP2004531423A (ja) * 2001-05-08 2004-10-14 コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト 斜面で車両の発進を補助する方法
JP2015074369A (ja) * 2013-10-10 2015-04-20 日産自動車株式会社 前後加速度制御装置

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