JPH0789205B2 - ハロゲン化銀乳剤 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤

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JPH0789205B2
JPH0789205B2 JP63251215A JP25121588A JPH0789205B2 JP H0789205 B2 JPH0789205 B2 JP H0789205B2 JP 63251215 A JP63251215 A JP 63251215A JP 25121588 A JP25121588 A JP 25121588A JP H0789205 B2 JPH0789205 B2 JP H0789205B2
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    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein
    • G03C1/035Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein characterised by the crystal form or composition, e.g. mixed grain

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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は写真の分野において有用であるハロゲン化銀
(以後AgXとよぶ)乳剤に関し、特に分散媒と1つのAgX
粒子表面上に、少なくとも{100}と{111}結晶表面を
有するAgX粒子とからなるAgX乳剤に関する。
(先行技術とその問題点) 一般に高感度の感光性AgX粒子を作る為には、感光中心
となる化学増感核の位置や数を制御してやる必要があ
る。その限定方法としては 吸着剤の吸着あり、もしくはなしの状態でAgx粒子
の角部や、エッジ部に、ハロゲンコンバージョン法もし
くはAgNO3とハロゲン化アルカリ液の添加により、エピ
タキシャル粒子を成長させ、吸着剤を吸着させて安定化
した後、化学増感し、潜像形成位置をエピタキシャル部
に限定する方法。
これについては、特開昭58-108526号、同57-133540号、
同62-32443号の記載を参考にすることができる。
粒子形成中に増感色素等の添加剤を加え、粒子に欠
陥部を導入し、その欠陥部にのみ優先的に化学増感核を
形成する方法。
この方法は、粒子に欠陥を導入することにより、化学増
感核の数を制御する方法である。これらについては、米
国特許2,735,766、同3,628,960、同4,183,756、同4,22
5,660、リサーチ・ディスクロージャー、アイテム1922
7、192巻、P.155(1980年)の記載を参考にすることが
できる。
1つのAgX粒子上に二種以上の結晶面を有するAgX粒
子を用い、それらの結晶面に対する硫黄増感剤の反応性
の違いを利用して、ある一つの結晶面上のみに化学増感
核を形成する方法。例えば40℃でpH6.4、pAg8.4の乳剤
を用いた場合ハイポによる硫黄増感の反応性が、{11
1}面>{100}面であることを利用して14面体粒子の
{111}面上にのみ化学増感核を形成する方法。この場
合{111}面積と{100}面積、比率の異なる14面体粒子
を用いることにより、化学増感核の位置と数を制御する
方法である。これについてはJ.Phot.Sci.23、249(197
5)日本写真学会誌、47巻、P.255(1984)の図3を参考
にすることができる。
AgX粒子に吸着剤(増感色素、かぶり防止剤、安定
剤等の添加剤)を吸着させておいてから、化学増感剤を
加えて化学増感する方法がある。この方法では、化学増
感核は吸着剤の吸着していない場所にのみ形成される
為、化学増感核の数は制御されるが、位置は制御されな
い。この方法については、例えば特開昭58-113926号、
同58-113927号、同58-113928号、米国特許4,439,520
号、同4,435,501号、Research Disclosure,Item.17643.
Section III、特開昭62-6251、特開昭58-126526、特開
昭62-56949、特開昭62-43644に記載されている。
1つのAgX粒子表面上に二種以上の結晶面を有するA
gX粒子を用い、それらの結晶面に対する吸着に選択性を
もつ吸着剤(面選択性吸着剤)を加え、吸着剤が高密度
に吸着した結晶面と、吸着剤が疎に吸着した結晶面を形
成した後、化学増感剤を加えて化学増感し、吸着剤が疎
に吸着した結晶面上に化学増感核を形成する方法。
これについては、特開昭58-113928号に、「分光増感色
素が平板状粒子の主要表面を形成する結晶表面に優先的
に吸着されることによって、化学増感が平板状粒子の互
いに異なる結晶表面で起り得る」という短かい記述があ
る。
この方法は化学増感核の数と位置を制御しようとする方
法である。
本発明はこれらの方法の内、およびの方法の改良に
関するものである。
しかし、の方法には、次のような問題点が残つてい
る。
(1) この場合、用いることのできる吸着剤は、AgX
への吸着能に晶癖依存性の大きい化合物にのみ限定さ
れ、用いる吸着剤の選択範囲が大きく制約される。
(2) 化学増感核の形成サイトを限定する為には、吸
着剤の吸着は強固であることが好ましいが、これは、吸
着能が晶癖依存性をもつことと相反する。
即ち、一般に強く吸着する添加剤はどのような面にも強
く吸着する為、晶癖依存性は少ない為である。
一般に、吸着能の晶癖依存性の大きい色素や添加剤の吸
着力は弱いという問題がある。従って、増感色素や添加
剤が吸着した結晶面上にも、化学増感核が形成され、化
学増感核形成位置の制御が不十分である。
(3) 一方、の方法にも、次のような問題点があ
る。硫黄増感剤の反応にも晶癖依存性のあることが知ら
れているが、その反応性の差が十分でない。例えば、ハ
イポを用いて、50℃、pH6.4、pAg8.5の乳剤条件で熟成
を行なった場合、ハイポの低濃度域では、{100}面上
に比べて{111}面上で選択的に反応が起こるが、金増
感剤を一緒に加えると、その差が小さくなってしまう。
また、その逆の場合、例えば、トリエチルチオ尿素を用
いて{100}面上にのみ化学増感核を形成しようとする
と、その{100}と{111}面上での反応性の差が十分で
なく、また、金増感剤を併用して熟成すると、やはり、
その反応の面選択性が殆んどなくなるという情況にあ
る。
(発明の目的) 本発明の目的は、化学増感核の位置と数/cm2が十分に
制御されたハロゲン化銀乳剤を与えることにより、感
度、階調、相反則特性、現像進行性、経時安定性、粒状
性、シャープネス、解像力を改良することが可能なハロ
ゲン化銀乳剤を提供することにある。
4.発明の開示 本発明の目的は以下の1)又は2)により達成された。
1) 分散媒とハロゲン化銀粒子とからなるハロゲン化
銀乳剤であって、全ハロゲン化銀粒子の投影面積の70%
以上が1つのハロゲン化銀粒子表面上に少なくとも{10
0}と{111}の結晶表面を有し、該結晶表面の表面層の
ハロゲン組成が互いに異なり、かつ、次記a)〜c)の
特徴を有する14面体粒子であることを特徴とするハロゲ
ン化銀乳剤。
a) 〔{111}面の面積/{100}面の面積〕が20〜1/
20である。
b) {100}と{111}の結晶表面の一方の結晶表面上
にのみ基質のハロゲン化銀粒子と異なるハロゲン組成の
ハロゲン化銀を、非エピタキシャル状(基礎と同一結晶
系層を基質上に単なる延長層として)に積層して形成さ
れており、該ハロゲン組成が沃度含率で互いに2〜40モ
ル%異なるか、またはCl-含率で互いに7〜100モル%異
なる。
c) 化学増感核が一方の結晶面上に優先的に形成され
ており、〔(優先的に化学増感核が形成される結晶面上
の化学増感度核の数/cm2)/(優先的に化学増感核が
形成されない結晶面上の化学増感核の数/cm2)〕が2.5
以上である。
2) 分散媒とハロゲン化銀粒子とからなるハロゲン化
銀乳剤であって、全ハロゲン化銀粒子の投影面積の70%
以上が1つのハロゲン化銀粒子表面上に少くとも{10
0}と{111}の結晶表面を有し、該結晶表面の表面層の
ハロゲン組成が互いに異なり、かつ、次記a)〜c)の
特徴を有するアスペクト比が1.5以上の平行双晶面を有
する平板状粒子であることを特徴とするハロゲン化銀乳
剤。
a) 〔該{111}結晶表面の面積/該{100}結晶表面
の面積〕が20〜1.0である。
b) {100}と{111}の結晶表面の一方の結晶表面上
にのみ基質のハロゲン化銀粒子と異なるハロゲン組成の
ハロゲン化銀を、非エピタキシャル状(基質と同一結晶
系層を基質上に単なる延長層として)に積層して形成さ
れており、該ハロゲン組成が沃度含率で互いに2〜40モ
ル%異なるか、またはCl-含率で互いに7〜100モル%異
なる。
c) 該平板状粒子の主表面が{111}結晶表面であ
り、該{100}結晶表面が該平板状粒子のエッジ部に存
在する。
従来、例えば14面体粒子の{100}面もしくは{111}面
の一方の結晶面上に化学増感核を形成する場合、単に、
イ硫黄増感剤の{100}面と{111}面に対する反応性の
違いもしくはロ(吸着剤の{100}面と{111}面に対す
る吸着性の違い)+(硫黄増感剤の{100}面と{111}
面に対する反応性の違い)を利用して行なう方法に対
し、本発明の方法は、{100}面と{111}面の表面層の
ハロゲン組成を違えることにより、上記イ、ロの他に ハ有効な電子トラップとなる化学増感核形成能の違い、
もしくはニ(吸着剤の基質のハロゲン組成による吸着性
の違い)+(有効な電子トラップとなる化学増感核形成
能の違い)を利用するものであり、そのdiscrimination
因子が増すことにより、化学増感核の位置の制御をより
十分に行なうものである。
まず、本発明のAgX粒子の構造について詳述し、次に該A
gX粒子の製法について詳述する。
本発明のAgX粒子は、1つのAgX粒子表面上に少なくとも
{100}と{111}の結晶表面を有する粒子であるが、よ
り具体的には、14面体粒子と、平行双晶面を有する平板
状粒子である。
14面体粒子の外表面が{100}面と{111}面を有するこ
とはよく知られているが、平板状AgX粒子の場合、T.F.H
amilton and L.E.Brady(Journal of Applied Physics,
35巻、P414〜421、1964年)によると、平行な主外表面
も、エッジ部の外表面もともに{111}面である。即
ち、全表面が{111}面であるsingle twin粒子が単に積
み重なった構造と考えればよい。
しかし、本発明者らによる特願昭62-203635号記載の平
板状粒子ではエッジ部に{100}面を有する。本発明で
いう平板状粒子の形態の1つはこのような形態の粒子で
ある。
本発明のAgX粒子は、1つのAgX粒子上に少なくとも{10
0}面と{111}面を有するが、その{111}面の面積/
{100}面の面積の値が14面体粒子の場合は20〜1/20、
好ましくは10〜1/10であり、平板粒子の場合は20〜1.
0、好ましくは15〜2.0である。なお、この{111}面と
{100}面の面積比率は増感色素の吸着の{111}面と
{100}面依存性を利用した測定法〔T.Tani Journal of
Imaging Science,29,165(1985)〕を用いて測定する
ことができる。
但し、この方法では求めた{100}面積%から約7%を
差し引いた値が実際の{100}面積%になる。それは該
色素の吸着被覆率の低い所では、{111}面であつても
J一会合体形成が起り難い為である。
但し、14面体粒子の如く、その電子顕微鏡写真像から、
該面積比率が明らかな場合は、電子顕微鏡写真より該面
積比率を求めることができる。
本発明のAgX粒子の{100}と{111}結晶表面の表面層
のハロゲン組成は互いに異なることを特徴とするが、こ
の場合の結晶表面の表面層とは、表面から5格子分、好
ましくは20格子分の結晶層を指す。
本発明のAgX粒子の{100}と{111}結晶表面の表面層
のハロゲン組成は互いに異なることを特徴とするが、そ
れは沃度含量および/またはCl含量で異なることが好ま
しい。ClとI含量が決まれば、Br含量は自動的に決ま
る。沃度含量を異ならせる場合には、互いに2〜40モル
%、好ましくは3〜30モル%異ならせることが好まし
い。この場合、化学増感核は該低沃度含量表面層を有す
る結晶表面上に優先的に形成されていることが好まし
い。また、化学増感核が優先的に形成される結晶表面
(以後、A面と呼ぶ)の表面層の沃度含量は5モル%以
下が好ましい。
化学増感核が優先的に形成されない結晶表面(以後B面
と呼ぶ)の表面層の沃度含量は2モル%〜固溶限界が好
ましく、3〜35モル%がより好ましい。その理由は 一般に、シアニン色素の如き吸着剤は、高沃度含量
表面層を有する結晶表面上に優先的に強く吸着する為、
該高沃度含量表面層を有する結晶表面上に化学増感核が
より形成され難い為である。
高沃度含量層を有する結晶表面上に化学増感を行な
うと、Ag2S核やAg-Au−S核は形成されるが、それらが
有効な電子トラップとなりにくい為、結果的には有効な
化学増感核が形成され難いという傾斜がある為である。
これは、E.Moisar(I.C.P.S.Tokyo,1967年)やH.Hirsch
〔I.Phot.Sci.,20,187(1972年)〕の方法に従って、同
一粒子サイズで表面層の沃度含量を変化させた単分散正
常晶乳剤をイオウ増感、金−イオン−増感し、その反射
スペクトルを測定した結果である。
通常、高沃度含量層上の潜像の現像速度は、低沃度
含量層上の潜像の現像速度より遅い為、現像処理時間が
長くなり、好ましくない為である。
また、Cl含量を異ならせる場合には、互いに7〜100モ
ル%、好ましくは10〜80モル%異ならせることが好まし
い。
一般にシアニン色素の吸着強度はAgCl<AgBr<AgBrIで
あることが知られている。従つて、その場合には、AgBr
I→AgBr→AgClの優先度で、その上に化学増感核を形成
することが好ましい。
一方、かぶり防止剤や安定剤や、Ag+と親和性を有する
メロシアニン色素は、一般に酸の形(HL)で表され、そ
の溶解度積pksp=−log〔Ag+〕〔L-〕AgXのpkspを比較
した場合、AgXのpksp値より大きく、かつ、その差の大
きい方のAgX粒子上に優先的に吸着する為、その吸着量
はAgBrI<AgBr<AgClの順に多くなる。従つて、その場
合には、吸着量はAgBrI<AgBr<AgClの順となる。この
場合には、AgCl→AgBr-AgBrIの優先度でその上に化学増
感核を形成することが好ましい。
本発明のAgX粒子においてはB面上には一種以上の吸着
剤を吸着させておくことが更に好ましい。この場合の吸
着剤としては、 (a) 基質のハロゲン組成により吸着力が異なる吸着
剤。
(b) {111}と{100}結晶面に対する吸着力が異な
る吸着剤が好ましい。
具体的には、3,3′−bis(4−sulfobutyl)−9−meth
ylthiacarbo cyanineは{100}面に優先的に吸着し、3
−3′−dimethyl thiazolino dicarbo cyanine bromid
eやBr-は{111}面に優先的に吸着し、1,1′−diethyl
−2,2′−cyanine chloride,1,1′,3,3′−tetramethy
−2,2′−cyanine,アニオン性9−methylthia carbocya
nine等は基質の沃度含量の増加とともに、吸着強度が増
加する。
かぶり防止剤の具体的化合物例として 1−phenyl−5−mercaprotetrazole(pksp=16.2),5
−Methlben zotriazole(pksp13.6),5−Bromobenzotri
azole(pksp12.7),4−Nitro−6− chlorobenzotriazo
le(pksp11.2),4−Hydroxy−6−methyl−1,3,3a,7−t
etraazaindene(pksp10.5)等を挙げることができる。
これらの基質のハロゲン組成や結晶面の違いによる吸着
特性についてはT.H.James,The Theory of the Photogra
phic Process,Fourth Edition,Macmillan,New York,197
7,Chap.1,Chap.9,Chap.13。
A.Herz and J.Helling,J.Colloid Interface Sci.,22,3
91(1966)。S.L.Scrutton,J,Phot.Sci.,22,69(197
4)。
J.Nys,Dye Sensitization,Bressanone Symposium,Focal
Press,London,1970,P.26〜43、57〜65。T.Tani,Journa
l of Imaging Science,29,165(1985)。特願昭62-1977
41、同62-219983、同62-219984、同62-231373、同62−2
5137号、同63-269779号の記載を参考にすることができ
る。
実質的には、立方体粒子や八面体粒子、ハロゲン組成の
異なる粒子に対する種々の吸着剤のLangmuir吸着等温曲
線を測定することにより調べることができ、これについ
ては上記のT.H.James編の本の第9章の記載を参考にす
ることができる。
本発明のAgX粒子の{100}と{111}結晶表面の表面層
のハロゲン組成は互いに異なるが、それはAgX粒子のEle
ctron Probe Microanalyser(EPMA)法等により調べる
ことができる。これにつては日本写真学会春季講演集P.
46(1987年)の記載等を参考にすることができる。
A面として平板粒子の場合は、{111}面より{100}面
の方が好ましい。それは平板粒子においては、結晶表面
の面積割合が{100}面の方が小さく、従つて、化学増
感核の生成数/cm2と生成位置をより制御できる為であ
る。
一方、14面体粒子の場合、A面としては{111}面と{1
00}面のどちらでもよいが、一般に{100}面上の化学
増感核は{111}面上の化学増感核に比べてドット状で
あり、より化学増感核の生成位置と数を制御するという
見地からは{100}面上が好ましい。かぶりlevelを低く
するという見地からは{111}面上が好ましい。
この{111}面上と{100}面上に形成される化学増感核
の特性の違いについては、例えば、E.Moisar,S.P.S.E.T
okyo(1967),E.Moisar,Ber,Bunsenges.Phys.Chem.,72,
P.467〜474(1968)やG.C.Farnell,J,Phot.Sci.,23.249
(1975)の記載を参考にすることができる。
また、1粒子あたりのA面の数という観点からは、第1
図に示す如く、八面体晶に近い14面体晶では、A面の数
は6つであり、一方、立方晶に地階14面体晶では、A面
の数は8つであり、1粒子あたりのA面の数を少なくす
るという観点からは八面体晶に近い14面体晶の方が好ま
しい。
但し、第1図はA面の数を説明する為に用いた図であ
り、本発明の粒子を表すものではない 本発明のAgX粒子は1つのAgX粒子表面に少くとも{10
0}と{111}の結晶表面を有し、かつ、そのハロゲン組
成が異なることを特徴とするが、特に化学増感核が一方
の結晶面上に優先的に形成されていることが好ましい。
この場合の優先的とは(優先的に化学増感核が形成され
る結晶面上の化学増感核の数/cm2)/(優先的に化学
増感核が形成されない結晶面上の化学増感核の数/c
m2)が、2.5以上、好ましくは5以上を指す。
この比率を直接に観測することは難しい。しかし、ハロ
ゲン化銀乳化剤塗布物に露光(1秒露光、露光量は最大
濃度を与えはじめる露光量〜その10倍量の露光量)し、
その化学増感核(感光核)に潜像を形成し、抑制現像
し、その抑制現像核を電子顕微鏡観察で見えるようにし
てから、その抑制現像核の数を数えるという方法で、化
学増感核の上記比率を求めることができる。この手段に
関してはD.C.Birchら、Journal of Photographic Scien
ce,23巻,P.249〜256(1975年)に記載されている。
ここで化学増感核とはイオウ、セレン、テルル、金およ
び第8族貴金属化合物の単独およびその組み合わせから
なる化学増感核で、最も好ましくは金−イオン増感核で
ある。通常、イオウ増感核、金増感核、貴金属増感核お
よびその組み合わせで呼ばれ、詳細は後述の文献を参考
にすることができる。
また、これらの粒子の内部は還元増感されていることが
好ましい。この還元増感銀核を有しているかどうかは、
ウェッジ露光し、常法により内部現像し、H−D曲線を
書くせた時、存在する内部かぶりの反転像が観察される
ことから、容易に判断することができる。
粒子内部の結晶構造は一様なものでも、内部と外部が異
質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造をな
していてもよい。その層間のハロゲン組成変化は漸増
型、漸減型、急峻型のいずれでもよく、使用目的に応じ
て使いわけることができるし、特開昭63-92942号記載の
結晶構造も参考にすることができる。
また、該結晶表面層とその内部との間のハロゲン組成変
化も、漸増型、漸減型、急峻型のいずれでもよいが、該
界面における電子トラップ性を少くするという観点から
は漸増感、漸減型が好ましい。
本発明でいうAgX粒子としては、沃臭化銀、塩臭化銀、
塩沃臭化銀であり、前記の表面層のハロゲン組成の制限
以外に特に制限はない。
本発明のAgX粒子において、14面体粒子の粒子サイズ分
布は狭いことが好ましく、変動係数は20%以下が好まし
く、10%以下がより好ましい。
本発明のAgX粒子において、平板状粒子の粒子サイズ分
布は狭いことが好ましく、変動係数は30%以下が好まし
く、15%以下がより好ましい。形状は三角形状でも六角
形状でもよいが、特願昭62-319740号、同63-153722号、
特開昭63-151618号記載の六角形状平板粒子や特願昭62-
203635号記載の円形平板粒子がより好ましい。
本発明の平板状粒子の好ましいアスペクト比は1.0以上
であり、より好ましくは1.5〜16である。
本発明のAgX乳剤は1つのAgX粒子表面上に少くとも{10
0}と{111}の結晶表面を有し、該結晶表面の表面層の
ハロゲン組成が互いに異なるAgX粒子からなるが、それ
らの粒子が占める投影面積割合は、全粒子の投影面積の
70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以
上が更に好ましい。
特に14面体粒子で超硬調の階調のAgX乳剤が好ましい場
合には、本発明の該14面体粒子が全粒子の投影面積の98
%以上、より好ましくは99%以上であることが好まし
く、粒子サイズ分布の変動係数は5%以下であることが
特に好ましい。
次に本発明のAgX粒子の製法について述べる。まず14面
体粒子の製法について述べ、次に平板状粒子の製法につ
いて述べる。
1.14面体粒子 ゼラチン水溶液中でAgNO3水溶液とハロゲン化アルカリ
水溶液のC.D.J.添加により作ることができるが、14面体
晶が生成するC.D.J.のpBr(もしくはpAg)領域は、成長
するハロゲン組成、共存するAgX溶剤の量、成長時の過
飽和度に依存する。これらについてはK.Murofushiら、I
nternational Congress of Photographic Science,Toky
o(1967)J.Rodgers,Symposium Paper on Growth of Ph
otosensitive crystals,Cambridge(1978)T.G.Bogg
ら、J.Phot.Sci.,24,81(1976)笹井明、日写誌、47
巻、P.255(1984)の記載および特願昭62-219982号(以
下、出願(A))の参考例2を参考にすることができ
る。例えばAgBrで臨界成長速度の50〜80%の過飽和レベ
ルでpAg7.85〜7.4領域である。
この14面体粒子の{111}面積と{100}面積比率は、結
晶成長期のC.D.J.のpBr値によりかえることができる。
例えば、より立方体晶が生成するpBr値に近い電位でC.
D.J.添加すると、{111}面積比率の少ない14面体晶が
生成する。
特に本発明の14面体粒子が投影面積で98%以上、好まし
くは99%以上であるAgX乳剤の作り方については、同
「出願(A)」、特願昭63-223739号の記載を参考する
ことができる。簡単に記すと、その重要ポイント該形成
条件にある。
即ち、核形成は双晶面が形成されない条件で核形成する
ことが好ましい。双晶面の形成頻度は、種々の過飽和因
子〔核形成時の温度、ゼラチン濃度、銀塩水溶液とハロ
ゲン化アルカリ水溶液の添加速度、Br-濃度、攪拌回転
数、添加するハロゲン化アルカリ水溶液中のI-含量、ハ
ロゲン化銀溶剤量、pH、塩濃度(KNO3、NaNO3など)ゼ
ラチンの分子量、かぶり防止剤の共存などに依存し、そ
の依存性は本発明者らによる特願昭61-238808号の図に
示されている。従って、これらの依存性を見ながら、双
晶面が形成されない方向にこれらの条件因子を動かせば
よい。
より具体的には最終的に生成したハロゲン化銀粒子のレ
プリカ像を透過型電子顕微鏡により観察しながら、核形
成時の前記過飽和因子の条件を双晶面が形成されにくい
方向に調節すればよい。
粒子形成中の反応溶液のpHは2〜10を用いることができ
るが、還元増感銀核を導入する場合は、8.0〜9.5が好ま
しい。
反応溶液中のAgX溶剤の濃度としては、0〜1.5×10-1mo
l/lが好ましい。AgX溶剤としては後述のものを用いるこ
とができる。
このようにして14面体粒子を形成した後、次に、該AgX
粒子の{100}結晶表面の表面層と{111}結晶表面の表
面層のハロゲン組成を異ならせるには、次の方法を用い
る。
一般に14面体結晶を立方体晶生成領域のpBr下で、低過
飽和度下で成長させると、{111}面のみが成長する。
一方、14面体晶を八面体晶生成領域のpAg下で低過飽和
で成長させると、{100}面のみが成長する。従って、
この特性を利用する。
この場合の立方晶生成領域および八面体晶生成領域のpB
r領域については、同じく、前記のK.Murofushiら等の文
献の記載を参考にすることができる。
より具体的には、例えばハロゲン組成として表面層の沃
度含量を異ならせた沃臭化銀粒子の場合、次のように行
う。
全表面層が高沃度含量の14面体AgBrI粒子を形成
し、次いで、八面体晶領域のpAgもしくは立方晶領域のp
Ag領域で、低過飽和度下で低沃度含量のAgBrI層を結晶
成長させる。
全表面層が低沃度含量の14面体AgBrI粒子を形成
し、次いで、八面体晶領域のpAgもしくは立方晶領域のp
Ag領域で、低過飽和度下で高沃度含量のAgBrI層を結晶
成長させる。
このようにして高沃度含量結晶面と低沃度含量結晶面か
らなる14面体粒子が形成される。
また、上記において、低沃度含量層と高沃度含量層間の
沃度含量は漸増型でもよい。その場合結晶成長とともに
添加するハロゲン化物塩の沃度含量を時間とともに変化
させればよい。
この場合の全表面層とは、50格子分、好ましくは200格
子分の厚さを示す。また、これらの場合の低過飽和の程
度は、その条件における臨界成長速度の3〜50%、好ま
しくは5〜40%の添加速度で銀塩とハロゲン化物塩を添
加する程度を指す。
より一般的に説明すると、例えば14面体粒子を立方体領
域のpAgの溶液中におくと、該{100}面と{111}面上
のそれぞれのAg+のchemical potentialの関係は第2図
の如く、{111}面上のAg+の方が低くなる。この場合該
{100}面と該{111}面上のAg+のchemical potential
をそれぞれE100、E111とする。この系に銀塩とハロゲン
化物塩を添加しているときの溶液中のAg+のchemical po
tentialをEAg +とする。銀塩とハロゲン化物塩の添加速
度を上げると溶液の過飽和比(S)が上昇し、EAg +はΔ
EAg +=kTlnS(但しk=Boltzmann定数、T=絶対温度)
に従って、上昇する。結晶成長のdriving forceはこのc
hemical potential差であり、このdriving forceのみに
注目すると、E100>EAg +>E111を満たす過飽和比で銀塩
とハロゲン化物塩を添加することが好ましく、これが、
具体的には、前述の添加速度に相当する。
また、このハロゲン組成の異なる表面層を形成する時
に、互いの層間でオストワルド熟成が生じると好ましく
ない為その時の温度は低温であることが好ましい。この
場合の好ましい温度範囲は15〜65℃、より好ましくは20
〜60℃である。
また、結晶成長後、ただちに、前述の吸着剤を吸着さ
せ、互いの層感でのオストワルド熟成を防止することも
好ましい。
なお、1つのAgX粒子で異なるハロゲン組成のAgX表面を
有する粒子として特開昭55-124139号記載のAgX粒子があ
る。このAgX粒子は14面体のコーナー部に、本体部分と
異なるハロゲン組成のAgXを沈澱させ、この結果、立方
晶を形成した粒子であり、{100}の外表面のみを有す
る粒子であり、本発明のAgX粒子とは異なる。
本発明のAgX粒子の製法として、その他、一方の結晶面
に優先的に吸着する吸着剤を吸着させた後、銀塩とハロ
ゲン化銀を添加し、他方の結晶面上に、本体部分と異な
るハロゲン組成のAgXを沈澱させる方法も有効である。
2.平板状粒子 従来の平板状粒子形成法については、特開昭58-113926
号、同58-113927号、および同58-113928号の記載を参考
にすることができる。
一法、単分散性のよい平板状粒子形成法については特開
昭55-142329号、特願昭61-48950号、同61-299155号、同
61-238808号、同62-319740号の記載を参考にすることが
できる。
通常、このようにして作った平板状粒子は、前述の如
く、主平面も殆んどのエッジ面も{111}面であり、主
表面の形状は六角形であり(以後、六角平板粒子と呼
ぶ)、粒子サイズ分布は狭い。
しかし、六角平板粒子を作った後、ひき続いて立方晶
もしくは14面体晶領域(より具体的には、AgBrの場合は
pAg8.0以下)で結晶成長させると、粒子は厚味を増しな
がら成長し、主表面は{111}面であるが、エッジ部に
{100}面があらわれてくる。これについては参考例1
を参考にすることができる。この時、AgX溶剤を共存さ
せると、この変化はより促進される。
また、別の方法として、溶液中に存在する過剰ハロゲン
をCl-にし(乳剤の水洗、もしくはAgNO3の添加により過
剰Br-を減少させ、NaClを添加すればよい)、銀塩のハ
ロゲン化物塩の水溶液をダブルジェット添加することに
よっても、エッジ部に{100}面を形成することができ
る。この場合の過剰Cl-濃度としては、pCl=0.7〜2.5領
域が好ましい。
六角平板粒子を作った後、次に立方晶もしくは14面
体晶領域のpAg下で熟成すると、エッジ部{100}面があ
らわれてくる。この時の熟成進行は、平板状粒子の粒子
サイズ、溶液のpBr、AgX溶剤の濃度に依存し、その依存
性は特願昭62-203635号の第7図を参考にすることがで
きる。図のカーブの斜線部側で{100}面を有する平板
状粒子が生成する。
このようにして作った平板粒子のエッジ部の鈍角は、エ
ッジ部が完全に{100}面化した場合、従来の平板粒子
のそれが109.5°であるのに対し、125°の角度を有す
る。
このようにして、エッジ部に{100}面を有する平板状
粒子を形成した後、立方体晶領域のpBr下で、低過飽和
度下で、これらの粒子の{111}面上に基質と異なるハ
ロゲン組成のAgXを積層させると、本発明の平板状粒子
ができる。
この場合の低過飽和の程度は、前述の14面体粒子の場合
と同じで、その条件におけるAgX粒子の臨界成長速度の
3〜50%、好ましくは5〜40%の添加速度で銀塩とハロ
ゲン化物塩を添加する程度を指す。
上記14面体粒子および平板状粒子において、一方の結晶
面上にのみ、基質と異なるハロゲン組成のAgXを積層さ
せる時に該選択成長性が完全でなく、他方の結晶面上に
も積層させた場合は、続いて該立方晶領域もしくは該八
面体晶領域で熟成を行うことにより、誤って積層したAg
X層は溶解し、一方の結晶面上に積出し、本発明のAgX粒
子を得ることができる。この時、AgX溶剤が存在する
と、より上記熟成は促進される。
本発明では一方の結晶面上にのみ、基質と異なるハロゲ
ン組成のAgXを積層させるが、これは基質と同一結晶系
層を基質上に単なる延長層として積層させるのであり、
従って、エピタキシャル成長とは異なる。
結晶成長期に添加する銀イオンとハロゲンイオンの添加
方法としては銀塩水溶液を添加する方法、あらかじめ0.
1μmφ以下のサイズの超微粒子乳剤(AgCl、AgBr、AgI
および/またはそれらの混晶)を添加する方法、それら
の重ね合わせの方法を用いることができる。また、結晶
成長中に銀イオン、ハロゲンイオンの添加速度を増加さ
せる方法を用いることができる。これらに関しては特願
昭63-223739号の記載を参考にすることができる。
このようにして1つのAgX粒子表面上に少くとも{100}
と{111}の結晶表面を有し、かつ、該結晶表面の表面
層のハロゲン組成が互いに異なるAgX粒子を形成した
後、化学増感を行ない、一方の結晶面上に優先的に化学
増感核を形成することが好ましい。その化学増感の代表
的なプロセスは次の2つである。
粒子形成→吸着剤の特定結晶面上への吸着→(硫黄
+金)増感 粒子形成→(硫黄+金)増感 但し、上記工程において乳剤の水洗過程を粒子形成後の
どこへ入れてもよい。即ち、粒子形成後でもよいし、吸
着剤を吸着させた後でもよいし、硫黄増感と金増感の間
でもよい、金増感後でもよい。水洗工程は1回でも、2
回でもよい。
まず、の過程について説明する。
粒子形成後、直ちに、もしくは乳剤を水洗した後、吸着
剤を添加し、該AgX粒子に吸着剤を吸着させることが好
ましい。それは、異なるハロゲン組成の結晶面間でオス
トワルド熟成が生じることを防ぐ意味からも好ましい。
吸着剤としては前述の如く、 (a) 基質のハロゲン組成により吸着力が異なる吸着
剤 (b) {111}と{100}結晶面に対する吸着力が異な
る吸着剤 が好ましい。
具体的には、そのような吸着剤は、同一粒子表面積でハ
ロゲン組成または晶癖の異なる種々のAgX乳剤粒子に対
する種々の吸着剤の吸着等温曲線を調べることにより、
選択することができる。
このようにして上記(a)もしくは(a)+(b)の吸
着剤の選択吸着特性を利用して、化学増感核が優先的に
形成されない結晶面上に選択的に吸着剤を吸着させる。
また、一般的に、吸着力が強くなる程、増感色素は、J
凝集体を形成しやすくなり、J凝集体はより十分に化学
増感核の形成を阻止する為、好ましい。
これらの基質のハロゲン組成や結晶面の違いによる吸着
剤の吸着特性についてはT.H.James,The Theory of the
Photographic Process,Fourth Edition,Macmillan,New
York,1977,Chap.9,Chap.1,Chap.13。
A.Herz and J.Helling,J.Colloid Interface Sci.,22,3
91(1966)。
S.L.Scrutton,J.Phot.Sci.,22.69(1974)。
J.Nys,Dye Sensitization,Bressanone Symposium,Focal
Press,London,1970,P.26〜43、57〜65。
T.Tani,Journal of Imaging Science,29、165(198
5)。
および前記、「出願(A)」、特願昭63-223739号の記
載を参考にすることができる。
また、増感色素や添加剤のハロゲン化銀への吸着力は、
substrateの晶癖やハロゲン組成以外に乳剤の種々の雰
囲気(乳剤のpH、pAg、吸着促進剤の共存等)に依存す
ることが知られている。従って、その知見を利用して、
増感色素や添加剤の吸着強度を調節することができる。
これらについては、例えばT.H.James,The Theory of th
e Photographic Process,Fourth Edition,Macmillan,Ne
w York,1977,Chap.9,Chap.1,Chap.13の記載を参考にす
ることができる。
吸着剤としては増感色素、かぶり防止剤、安定剤の他、
前記「出願(A)」に記載したペンダント色素(増感色
素とかぶり防止剤もしくは安定剤と化学的に結合させた
化合物)も有効である。
これらの吸着剤の添加方法としては、増感色素、かぶり
防止剤、安定剤、ペンダント色素の一種のみを添加して
もよく、二種以上の添加剤を混合して添加してもよく、
別々に添加してもよい。
また、化学増感剤を添加する前に全量を添加してもよい
し、1部を加えて、残りを後で加えてもよい。1部とは
全量の1/10〜1である。
吸着剤の添加量は特に制限はないが、通常はAgX粒子の
飽和吸着量の0〜120%、好ましくは0〜100%である。
このようにして、一方の結晶面上に選択的に吸着剤を吸
着させた後、化学増感剤を加えて熟成し他方の結晶面上
に優先的に化学増感核を形成する。
この場合の化学増感法としては、次の2つの化学増感法
を用いることができる。
〔1〕 通常用いられている化学増感法(乳剤の温度を
40°〜75℃にし、硫黄増感剤を加えた後、2〜5分後に
金増感剤を加えて、20〜80分間、熟成する方法)で化学
増感を行なっても、一方の結晶面上には吸着剤が優先的
に吸着している為、該結晶面上には化学増感核は殆んど
形成されず、他方の結晶面上に化学増感核が優先的に形
成される。
〔2〕 化学増感剤として、特定の結晶面上で選択的に
反応する面選択性化学増感剤を用いる。具体的には、硫
黄増感剤として、特定の結晶面上で選択的に反応する面
選択性硫黄増感剤を用いる。上記の場合には、吸着剤が
優先的に吸着していない結晶面上で選択的に反応する硫
黄増感剤を用いることが好ましい。この硫黄増感剤の面
選択反応性については、前記「出願(A)」の記載およ
びその参考例1を参考にすることができる。
例えば、乳剤の条件が、pH6.5、pAg8.5、50℃、60分熟
成の時、ハイポは{100}面に比べて{111}面上で大変
よく選択的に反応し、イオウ増感核を形成する。
Triethyl thioureaは{111}面に比べて{100}面上で
大変よく選択的に反応し、{100}面上にイオウ増感核
を選択的に形成する。
しかし、他の条件、例えば(pH6.5、pAg8.5℃、65℃、6
0分)熟成や(pH6.5、pAg7.7、50℃、60分)熟成の条件
では、その選択性は小さい為、好ましくない。他のイオ
ウ増感剤も含めて、一般に低温および高pAg条件下で
は、その面選択性は大きくなる。
また、この場合、金増感剤を同時に加えて化学増感する
と、その面選択反応性は小さくなる為、前記「出願
(A)」の方法(硫黄増感を行なった後、水洗し、残留
硫黄増感剤を除去した後、金増感剤を加える方法、また
は添加した硫黄増感剤の80%以上が反応した後、金増感
剤を加える方法)を用いることが好ましい。
このようにして一方の結晶面上に優先的に有効な化学増
感核が形成され、本発明のAgX粒子が形成される。
また、本発明においてB面の表面層のハロゲン組成とし
て高沃度含量のAgBrIを用いた場合、該結晶面上に形成
される化学増感核は前述の如く、有効な電子トラップと
なり難い為、この場合、化学増感程度におけるdiscrimi
nation factorとして、(結晶面の違い+ハロゲン組成
の違い)を利用することができ、より有効にdiscrimina
tionを行えるというメリットを有する為、特に好まし
い。
次にの過程について述べる。この場合、一方の結晶面
上に優先的に吸着する吸着剤が存在しない為、有効な化
学増感核の生成位置の制御は、化学増感剤の反応性の
(結晶面の違い+表面層のハロゲン組成の違い)のみに
よってなされる。従ってそのdiscriminationはの過程
より劣る。
しかし、従来のの方法(結晶面の違い)に比べ、表面
層のハロゲン組成の違いもdiscrimination factorとし
て入ってくる為、従来法よりも有効に化学増感核の生成
位置を制御できるというメリットをもつ。また、特願昭
63-26979号に記載の如く、該吸着剤を機能分離型で用い
ることはより好ましい。
本発明のAgX粒子の化学増感法としては、その他特願昭6
1-299155の補正書の記載を参考にすることができる。
本発明のハロゲン化銀粒子は、上記のハロゲン化銀粒子
それ自体で乳剤として使用できるが、その粒子をコアと
してコア/シェル型直接反転乳剤を形成し、それを用い
てもよい。これについては特願昭61-299155の実施例1
3、および米国特許第3,761,276号、同4,269,927号、同
3,367,778号を参考にすることができる。
また、該粒子をコアとして、浅内潜型乳剤を形成して用
いてもよい。これについては、特開昭59-133542号、米
国特許第3,206,313号、同3,317,322号を参考にすること
ができる。
また該粒子をホスト粒子とし、エピタキシャル粒子を形
成して用いてもよい。これについては特開昭58-108526
号、同59-133540号、特願昭60-172966号を参考にするこ
とができる。
また、該粒子をサブストレート粒子とし、ラッフルド粒
子を形成して用いてもよい。これについては、米国特許
4643966号を参考にすることができる。
該平板粒子を高硬膜系で用いることもできる。これにつ
いては特開昭58-11392Research Disclosure,184巻、197
9年8月、アイテム18431、K項を参考にすることができ
る。
また、該粒子の金増感熟成が終了するまでにH2O2、ペル
オキシ酸等の酸化剤を添加その後、還元性物質を添加す
る方法や、金増感熟成後、感材中のフリーな金イオンを
少なくする方法を用いることができる。これについては
特願昭59-122981号、同59-122984号、同60-96237号、同
60-61429号、同60−61430号、同61-184890号、同61-183
949号を参考にすることができる。該平板粒子をアンテ
ナ色素で分光増感してもよい。これについては特願61-5
1396号、同61-284271号、同61-284272号の記載を参考に
することができる。
該平板粒子の光干渉性を利用することに関して、および
上記事項の詳細やその他の事項については、特願昭61-2
99155号を参考にすることができる。
本発明の熟成過程においては、熟成を促進するために、
また、この熟成後の結晶成長期間において、結晶成長を
促進するためにハロゲン化銀溶剤を用いてもよい。
しばしば用いられるハロゲン化銀溶剤としては、チオシ
アン酸塩、アンモニア、チオエーテル、チオ尿素類など
を挙げることが出来る。
例えばチオシアン酸塩(米国特許第2,222,264号、同第
2,448,534号、同第3,320,069号など)、アンモニア、チ
オエーテル化合物(例えば米国特許第3,271,157号、同
第3,574,628号、同第3,704,130号、同第4,297,439号、
同第4,276,347号など)、チオン化合物(例えば特開昭5
3-144319号、同53-82408号、同55-77737号など)、アミ
ン化合物(例えば特開昭54-100717号など)などを用い
ることができる。
本発明の吸着剤および分光増感色素として用いられる増
感色素としては、シアニン色素、メロシアニン色素、複
合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラー
シアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素、ヘミ
オキソノール色素、オキソノールメロスチリルおよびス
トレプトシアニンを含むポリメチン染料を挙げることが
できる。
具体的には、1,1′−diethyl−2,2′−cyanine chlorid
e,1,1′,3,3′−tetramethyl−2,2′−cyanine,アニオ
ン性9−メチルチアカルボシアニン3,3′−dimethylthi
azolinodicar-bocyanine bromideなどであり、詳細は、
特願昭62-197741号、同62-219983号、同62-231373号お
よび後述の文献を参考にすることができる。
その他、前記「出願(A)」に記載のペンダント色素
(増感色素とかぶり防止剤または安定剤を、その置換期
間で化学結合した化合物)も用いることができる。
また、吸着剤およびかぶり防止剤、安定剤として用いら
れるかぶり防止剤、安定剤としては、例えばテトラザイ
ンデン類、アゾール類、例えばベンゾチアゾリウム塩、
ニトロインダゾール類、ニトロベンズイミダゾール類、
クロロベンズイミダゾール類、プロモベンズイミダゾー
ル類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベンズイミ
ダゾール類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリアゾー
ル類、ニトロベンゾトリアゾール類、メルカプトテトラ
ゾール類(特に1−フェニル−5−メルカプトテトラゾ
ール)など、またメルカプトピリミジン類、メルカプト
トリアジン類、例えばオキサゾリチオンのようなチオケ
ト化合物、更にはベンゼンチオスルフィン酸、ベンゼン
スルフィン酸、ベンゼンスルフォン酸アミド、ハイドロ
キノン誘導体、アミノフェノール誘導体、没食子酸誘導
体、アスコルビン酸誘導体等を挙げることができる。
本発明に用いられるイオウ増感剤としては、参考例1の
イオウ増感剤の他、米国特許第1,574,944号、同第2,27
8,947号、同第2,410,689号、同第3,189,458号、同第3,5
01,313号、フランス特許第2,059,245号等に記載されて
いる化合物など、または活性ゼラチンを用いることがで
きる。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料の乳剤層のその他の
構成については特に制限はなく、必要に応じて種々の添
加剤を用いることができる。
添加することのできる化学増感剤、分光増感色素、かぶ
り防止剤、金属イオンドープ、ハロゲン化銀溶剤、安定
剤、染料、カラーカプラー、DIRカプラー、バインダ
ー、硬膜剤、塗布助剤、増粘剤、乳剤沈降剤、可塑剤、
寸度安定改良剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、滑剤、艶消
剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、散乱または吸収材料、
硬化剤、接着防止、写真特性改良剤(例えば現像促進
剤、硬調化剤など)、現像剤等写真的に有用なフラグメ
ント(現像抑制剤または促進剤、漂白促進剤、現像剤、
ハロゲン化銀溶剤、トナー、硬膜剤、かぶり防止剤、競
争カプラー、化学または分光増感剤および減感剤等)を
放出するカプラー、像色素安定剤、自己抑制現像剤、お
よびその使用法、また、分光増感における超増感、分光
増感色素のハロゲン受容体効果や電子受容体効果、かぶ
り防止剤、安定剤、現像促進剤または抑制剤の作用、そ
の他、本発明の乳剤の製造に用いる製造装置、反応装
置、攪拌装置、塗布、乾燥法、露光法(光源、露光雰囲
気、露光方法)、そして写真支持体、微孔性支持体、下
塗り層、表面保護層、マット剤、中間層、ハレーション
防止層および写真処理剤、写真処理方法についてはリサ
ーチ・ディスクロージャー誌、176巻、1978年、12月号
(アイテム17643)、同184巻1979年8月号(アイテム18
431号)、同134巻1975年6月(アイテム13452)プロダ
クト・ライセンシング インデックス誌92巻107〜110
(1971年12月)、特開昭58-113926号、同58-113927号、
同58-113928号、同61-3134号、同62-6251号日化協月報1
984年、12月号、P.118〜27T.H.James,The Theory of th
e Photographic Process,Fourth Edition,Macmillan,Ne
w York,1977年、V.L.Eelikman et al.著Making and Coa
ting Photographic Emulsion(The Focal Press刊、196
4年)の記載を参考にすることができる。
本発明のハロゲン化銀乳剤は必要により他の乳剤や保護
層、中間層、フィルター層と共に支持体上に一層もしく
はそれ以上(例えば2層、3層)設けることができる。
また、支持体の片側に限らず両面に設けることもでき
る。また、異なる感色性の乳剤として重層することもで
きる。
この層構成については、その他、特開昭61-3134号、特
願昭61-299155の記載を参考にすることができる。
その他、本発明のAgX乳剤は、従来の既知技術とのあら
ゆる組み合わせ構成を用いることができる。
この従来の既知技術に関して、および本発明のAgX乳剤
のその他の構成に関しては特願昭63-153722号およびそ
の補正書の記載を参考にすることができる。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、黒白ハロゲン化銀写真感
光材料〔例えば、Xレイ感材、印刷用感剤、印画紙、ネ
ガフイルム、マイクロフイルム、直接ポジ感材〕、カラ
ー写真感光材料(例えばネガフイルム、印画紙、反転フ
イルム、直接ポジカラー感材、銀色素漂白法写真など)
に用いることができる。更に拡散転写用感光材料(例え
ば、カラー拡散転写要素、銀塩拡散転写要素)、熱現像
感光材料(黒白、カラー)、高密度digital記録感材、
ホログラフイー用感材などにも用いることができる。
本発明の乳剤は特開昭62-269958号の実施例1、同62-14
1112号、同63-151618号の実施例13、14、同60-95533
号、同59-142539、同62-253159、特願昭62-203635号の
実施例9、同61-109773号、同62-54640号、同62-208241
号、同62-263319号の実施例の構成乳剤として好ましく
用いることができる。
(本発明の効果) このようにして得られる、1つのAgX粒子上の化学増感
核の位置と数が制御された本発明のAgX粒子は次のよう
な特徴をもつ。
1.化学増感核の形成が、一方の結晶面上により十分に限
定される。この為より潜像分散の少ない、高感度は現像
進行性のよいハロゲン化銀乳剤が得られる。この効果は
特に、潜像分散を生じやすい粒径1.0μm以上のAgX粒子
で特に大きい効果をもつ。
2.吸着剤の吸着力の結晶面依存性のみで化学増感核の形
成位置を制御する方法に比べ、次のような利点をもつ。
(i) 用いることのできる吸着剤(特に増感色素)が
面選択性吸着剤のみに限られていたものが、表面層のハ
ロゲン組成の違いによる吸着力の差を利用する為、用い
ることのできる吸着剤の選択範囲が広くなる。
(ii) 化学増感核形成を抑制するには、強く吸着する
吸着剤がより好ましいが、一般に、面選択性吸着剤は、
吸着力が弱く、両者は相反する要求であった。本発明で
は、表面層のハロゲン組成の違いによる吸着力の差も利
用する為、意図する結晶面には吸着剤を強く吸着させる
ことができ、上記問題が解決された。例えば該結晶表面
層に高沃度含量のAgBrI層を用い、他の結晶表面層にAgB
rもしくはAgBrCl層を用いた場合、該AgBrI結晶表面に吸
着剤は強く吸着する。
(iii) 吸着剤が強く吸着した状態で化学熟成する
為、化学熟成中の粒子変形は少ない。
3.潜像形成サイトと色増感サイトの分離 一般に吸着剤(増感色素)を多量に多く吸着させると現
像抑制作用が強くなるが、本発明のAgX粒子では、現像
開始点となる潜像核は、増感色素が疎に吸着した結晶面
に形成される為、その現像抑制作用は小さい。
一方、これまで、現像抑制の観点から増感色素を多量に
吸着させることができなかったが、増感色素を多量に吸
着させる結晶面上には潜像核が殆んどない為、現像抑制
の心配がなく、この結晶面へは多量の増感色素を吸着さ
せることができ、マイナスブルー感度を高くすることが
できる。
即ち、AgX粒子表面における増感色素の吸着分布は、必
要な所へ必要な量の増感色素が吸着され、吸着して有害
な場所には少量の増感色素しか吸着しない形になってお
り、従って、高感度で現像進行性のよい写真性が得られ
る。
4.感光過程、現像過程に対する効果 また、本発明の好ましい形態として、一方の結晶面が高
沃度含量AgBrIを表面層として有し、他方の結晶面が低
沃度含量AgBrIもしくはAgBr、AgBrClを表面層として有
する場合には、次のような特徴をもつ。
(i) 色素正孔による増感効果 マイナスブルー露光した場合、色素の励起電子はAgXの
伝導帯に注入され、低沃度含量結晶面上の化学増感核に
トラップされ、潜像を形成し、色素正孔と位置的に電荷
分離される。
一方、色素正孔は高沃度含量層に注入され、高沃度含量
層中の還元増感核と次のように反応し、電子を放出す
る。
Ag2+正孔→Ag++Ag→2Ag++e この電子は潜像核にトラップされ、写真感度を高める働
らきをする。
高沃度含量層の価電子帯はより高い位置にある為、この
色素正孔注入はより効率よくAgXに注入され、上記反応
がより促進され、高感となる。
即ち、潜像核と色素正孔の分離による再結合防止効果
と、色素正孔→伝導電子への変換効率が高いことによる
高感度化の効果が得られる。これをAgXと色素のエネル
ギー準位図で表わすと、第3図のようになる。
(ii) 1つのAgX粒子上に低沃度含量結晶面と高沃度
含量結晶面を有する効果 これまでAgX粒子表面の沃度含量については初期現像速
度をはやくするという観点からは、低沃度含量AgXが好
まれ、一方、増感色素の吸着性、色増感効率(強く吸着
しているとAgXの伝導帯と色素の励起準位間の波動関数
の重なりがより大きくなり、色素からAgXへの電子注入
効率が高くなること)、正孔のAgXへの注入効率の点か
らは高沃度含量層が好まれ、両者は相反する要求であっ
た。
本発明のAgX粒子では、初期現像速度をはやくする為
に、現像開始点(潜像核形成位置)は低沃度含量結晶面
上にあり、色素を多量に強く吸着させ、色増感効率をよ
くする為に、色素吸着結晶面は高沃度含量AgXになって
おり、この相反する要求を、共に満足して実現した形に
なっている。
5.ブルー光吸収性と現像活性 一般にAgX乳剤粒子のブルー光吸収の大きさはAgCl<AgB
r<AgIであり、一方、現像進行性は、AgCl<AgBr<AgI
であり、両者を満足させることは、相反する要求であ
る。しかし、本発明のAgX粒子では現像開始点となる潜
像核は低沃度含量結晶面上にあり、現像速度の点で問題
なく、他方、光吸収の点に関しては、粒子内部、および
他の結晶面を高沃度含量のAgBrIにすることができる
為、問題がなく、両者の要求を満足することができる。
かくして得られた本発明のAgX粒子からなる感光材料
は、感度、現像進行性、粒状性、相反則特性、シャープ
ネス、解像力、階調、画質に優れたハロゲン化銀乳剤を
提供する。
本発明の好ましい実施態様は次の通りである。
1) 全AgX粒子の投影面積の70%以上、好ましくは80
%以上、より好ましくは90%以上が特許請求範囲第1項
もしくは2項記載のAgX粒子からなることを特徴とするA
gX乳剤。
2) (優先的に化学増感核が形成される結晶面上の化
学増感核の数/cm2)/(優先的に化学増感核が形成さ
れない結晶面上の化学増感核の数/cm2)が2.5以上であ
る特許請求範囲第2〜3項記載のハロゲン化銀乳剤 3) {111}面の面積/{100}面の面積の平均値が20
〜1/20、好ましくは10〜1/10である14面体粒子からなる
ことを特徴とする特許請求の範囲第1、2項記載のAgX
乳剤。
4) {111}面の面積/{100}面の面積の平均値が20
〜1.0、好ましくは15〜2.0である平行双晶面を有する平
板状粒子からなることを特徴とする特許請求範囲第1、
2項記載のAgX乳剤。
5) {100}と{111}結晶表面の表面層のハロゲン組
成が、沃度含量で互いに2〜40モル%、好ましくは3〜
30モル%異なり、かつ、化学増感核が該低沃度含量表面
層を有する結晶表面上に優先的に形成されていることを
特徴とする特許請求の範囲第2項記載のAgX乳剤。
6) 化学増感核が優先的に形成される結晶表面の表面
層の沃度含量が5モル%以下、であることを特徴とする
特許請求範囲第2項記載のAgX乳剤。
7) {100}と{111}結晶表面の表面層のハロゲン組
成が、Cl含量で互いに7〜100モル%、好ましくは10〜8
0モル%異なり、かつ、化学増感核が該高Cl含量層を有
する結晶表面上、もしくは該低Cl含量層を有する結晶表
面上に優先的に形成されていることを特徴とする特許請
求範囲第2項記載のAgX乳剤。
8) 特許請求の範囲第4項の方法で製造したAgX乳剤
粒子に、(結晶面の違い+表面層のハロゲン組成の違
い)による有効な化学増感核形成能の違いを利用して一
方の結晶面上に優先的に有効な化学増感核を形成するこ
とを特徴とするAgX乳剤の製造方法。
9) 特許請求の範囲4項の方法で製造したAgX乳剤
に、優先的に化学増感核を形成しない方の結晶面上に、
(結晶面の違い+表面層のハロゲン組成の違い)を利用
して優先的に吸着する吸着剤を吸着させた後、化学増感
することを特徴とするAgX乳剤の製造方法。
以下に参考例及び実施例を挙げて本発明をさらに説明す
るが、本発明の実施態様はこれに限定されるものではな
い。
参考例1 4lの容積を有する反応容器中にゼラチン水溶液〔水1000
ml、ゼラチン7g、KBr4.5g、pH8.0)を入れ、溶液温度を
30℃に保ちつつ、AgNO3水溶液25ml(AgNO38.0gを含む)
と、KBr水溶液25ml(KBr5.8gを含む)を同時に1分間か
けて(流速25ml/分)添加し、1分間攪拌した後、その
内の350mlを種晶とし、そこへゼラチン水溶液(水650m
l、ゼラチン20g、KBr0.5g、pH8.0)を加え、温度を75℃
に上げる。昇温後、45分間熟成した後、AgNO3水溶液(1
00ml中に30gのAgNO3を含む)とKBr水溶液を用いて、は
じめの10分間は7ml/分で、次の20分間は13ml/分でpBr1.
8(但し、これはAgX粒子に吸着したBr-も含めて、AgX乳
剤中に存在する過剰量のKBrが1.6g/lであることを示
す。銀電位は−15mVを示した。) 次の20分間は20ml/分で、C.D.J.添加した。Aは(−4m
V)、Bは+10mV、Cは+40mV、Dは+70mV、Eは+100
mVのC.D.J.添加を行なった。得られたAgBr平板状粒子の
{100}面の面積割合を前述のT.Taniの方法で求める
と、A(2%),B(2.6%),C(8.5%),D(18%),E
(51%)であり、C.D.J.電位が高くなるにつれ、平板状
粒子の{100}面積割合が増加した。
実施例1 4lの容積を有する反応容器中にゼラチン水溶液〔水1000
ml、脱イオン化アルカリ処理ゼラチン30g、KBr0.5g、NH
4NO31g、NH3(25重量%)2ml〕を入れ、溶液温度を60℃
に保ちつつ、AgNO3水溶液とハロゲン化物水溶液を添加
した。AgNO3の添加速度ははじめの10分間は3.3×10-4M/
min.で、AgNO3水溶液とKBr水溶液のダブルジェット添加
をした。添加中のpBr値は2.53であった。次に添加速度
6.0×10-4M/min.で7分間AgNO3水溶液とKBr水溶液を添
加した後、続けて初期添加速度6.0×10-4M/min.、終期
添加速度8×10-3M/min.85分間の直線加速添加法でpAg
7.7のC.D.J.添加をした。この時点で得られた14面体粒
子(以後E1と呼ぶ)の{111}面対間距離は0.90μm、
{111}面積が17%であった。
次にKBrを加えてpAg8.6にした後、初期添加速度1.5×10
-3M/min.、終期添加加速度2×10-3M/min、添加時間20
分でAgNO3水溶液とKI含量6モル%の(KBr+KI)水溶液
pAg8.6のC.D.J.添加した。この時得られた14面体粒子の
{111}面対間距離は0.90μmで上記とかわりがなく、
添加したAgBrI(6モル%)は14面体の{100}面上の
み、積層したことを示している。
この乳剤の温度を30℃に下げ、水洗をし、再分散させ、
pAg8.6、pH6.5、温度40℃にし、3,3′−bis(4−sulfo
butyl)−9−methtylthiacarbocyanine dyeを飽和吸着
量の75%を吸着させた後、乳剤条件をpAg8.6、pH6.5、
温度50℃にし、Na2S2O3・5H2Oを0.9×10-5モル/モルAgB
rだけ加え、3分遅れて金増感剤(金チオシアン酸錯
体)を0.3×10-5モル/モルAgBrだけ加えて、70分間熟
成した。
温度を40℃にし、かぶり防止剤{TAI(4−hydroxy−6
−methyl−1,3,3a,7−tetraazaindene)を3g/モルAg〕
塗布助剤を加えて、銀1.5g/m2で透明ベース上に塗布し
た。
実施例2 実施例1で14面体粒子に色素を吸着させ、乳剤条件をpA
g8.6、pH6.5、温度50℃にする所までは同じである。次
にNa2S2O3・5H2Oを0.9×10-5モル/モルAgBrだけ加え、4
0分間熟成した後、前述の金増感剤を0.3×10-5モル/モ
ルAgBrだけ加えて、更に40分間熟成した。次に温度を40
℃に下げ、かぶり防止剤、塗布助剤を加えて、透明ベー
ス上に銀1.5g/m2で塗布した。
比較例1 実施例1でE1のAgX粒子を作る所までは同じにする。次
にKBrを加えてpAg8.6にした後、初期添加速度1.5×10-3
M/min.終期添加速度2×10-3M/min、添加時間20分でAgN
O3水溶液とKBr水溶液をpAg8.6のC.D.J.添加した。この
時得られた14面体粒子の{111}面対間距離は0.9μm
で、添加したAgBrは14面体の{100}面上にのみ積層し
たことを示している。この後、実施例1と同じ工程を通
した。
実施例1,2、および比較例1、の乳剤塗布物を青光で1
秒露光(露光量は最大濃度を与える露光量の10倍量)
し、前述のBirchらの抑制現像液で20℃、6分間現像し
た後、ゼラチンを除去し、レプリカ法で粒子のTEM像を
観察した。粒子の現像開始点が14面体粒子の{111}面
に存在する割合は表1に示す通りであった。
また、実施例1,2と比較例1の乳剤塗布物をブルーフィ
ルターを通して10-3秒間、ウェッジ露光し、MAA−1現
像液で20℃、10分間現像した。得られた特性曲線とAgX
粒子の光吸収率より求めた相対量子感度は表1の通りで
あり、比較例1に対する本発明の効果が確認された。
実施例3 4lの容積を有する反応容器中にゼラチン水溶液(水1000
ml、ゼラチン7g、KBr4.5g、pH8.0)を入れ、溶液温度を
30℃に保ちつつ、AgNO3水溶液25ml(AgNO38.0gを含む)
と、KBr水溶液25ml(KBr5.8gを含む)を同時に1分間か
けて(流速25ml/分)添加し、1分間攪拌した後、その
内の300mlを種晶とし、そこへゼラチン水溶液(水650m
l、ゼラチン20g、KBr0.6g、pH8.0)を加え、温度を75℃
に上げる。昇温後、45分間熟成した後、AgNO3水溶液(1
00ml中に40gのAgNO3を含む)とKBr水溶液を用いて、は
じめの10分間は6ml/分で、次の20分間は12ml/分で、pBr
1.7のC.D.J.添加した。次に6ml/分で7分間pAg6.8でC.
D.J.添加した。この時点で得られた平板状粒子を前述の
T.Taniの方法で{100}面積比率を求めると、13%であ
った。平均粒径は1.1μmであった。
次に6ml/分で7分間、pAg6.5でAgNO3水溶液と沃度含量
6モル%の(KBr+KI)水溶液を添加した。最終的に得
られた平板状粒子の平均粒径は1.1μmであり、上記と
かわらなかった。従って、AgBrI(6モル%)は{111}
主平面上にのみ積層したことがわかる。この平板状粒子
は平均アスペクト比6、平板状粒子の投影粒径の変動係
数は15%であった。
このようにして得られたAgX乳剤を水洗し、再分散し、
乳剤をpH6.5、pAg8.0、温度40℃にし、3,3′−dimethyl
thiazolinodicarbocyanine bromide色素を飽和吸着量の
80%の添加量を加え、pAg8.0に調節した。20分間経時さ
せた後、pAg8.5温度50℃にし、Triethyl-thioureaのメ
タノール溶液(0.005重量%)を1.0×10-5モル/モルAg
Brだけ添加し、3分遅れて、次に前述の金増感剤を0.4
×10-5モル/モルAgBrだけ添加し、更に40分間熟成し
た。温度を40℃に下げ、かぶり防止剤、塗布助剤を加え
て、透明ベース上に塗布した。
比較例2 実施例3において、あとで積層させるAgBrI層をAgBrに
置きかえるだけで化学増感も含め他の条件はすべて同一
条件にしたAgX乳剤を調製し、かぶり防止剤、塗布助剤
を加えて透明ベース上に塗布した。
次に実施例3と比較例2の乳剤塗布物を、表1と同じ比
較をし、結果を表2に示した。比較例2に対する本発明
の効果が確認された。
実施例4 参考例1のAの乳剤(平均投影粒径1.35μm)を0.22モ
ル含むゼラチン水溶液(水1、ゼラチン20g、KBr0.3g
を含む、pH6.0)を4lの反応容器中に入れ、温度を75℃
にし、NH4NO3を3g、NH3水(25重量%)を6ml添加し、2
分後にAgNO3水溶液(100ml中に10gのAgNO3を含む)とKB
r水溶液を銀電位+40mV、40分間のC.D.J.添加した。初
期流量は3.9ml/分で終期流量は13ml/分の直線加速添加
である。添加終了後、1分後にHNO3(3N)液を28ml添加
した。この時点における平板状粒子の平均投影粒径は1.
45μmであった。
次にAgNO3水溶液(100ml中に10gのAgNO3を含む)とKI含
量が6モル%の(KBr+KI)水溶液を2.5ml/分で30分
間、銀電位120mVで添加した。温度を30℃に下げ、乳剤
を水洗し、再分散させた。この時点における平板状粒子
の平均投影粒径は、1.45μmであった。従って、最終に
添加したAgBrIは、平均状粒子のエッジ上には沈積せ
ず、{111}主表面上に積層したことを示す。この粒子
のエッジ形状を第4図に示した。(倍率21,000倍)。
(111)主表面に対し、125°の鈍角を有する{100}エ
ッジ面を有する平板状粒子であることを示している。平
均{100}面積比率は23%であつた。該AgX乳剤に1,1′
−diethyl−2,2′−cyanine chloride色素を飽和吸着量
の65%で吸着させ、次にtriethyl-thioureaを0.6×10-5
モル/モルAgだけ添加し、20分後に金−チオシアン酸錯
体を0。2×10-5モル/モルAgだけ加え、50°で40分間
熟成した。温度を40℃に下げ、かぶり防止剤、塗布助剤
を加えて、透明ベース上に塗布した。露光し、現像した
所、相反則特性の優れた写真性を示した。
実施例5 参考例1のAの乳剤を0.26モル含むゼラチン水溶液(水
1、NaCl5g、ゼラチン20gを含む)4lの反応容器中に
入れ、温度を75℃にし、AgNO3水溶液(100ml中にAgNO31
0gを含む)とNaCl含量25モル%の(KBr+NaCl)水溶液
を用いて、初期流量4.0ml/分、終期流量20ml/分の直線
加速添加で、pCl=1.07に保ちながら添加した。温度を3
0℃に下げ、乳剤を水洗し、再分散させた。この時点に
おける平板状粒子の平均投影粒径は1.30μmであり、添
加したAgBrClは平板状粒子の{111}主表面上にのみ積
層したことを示す。この粒子の形状を第5図に示す。
(倍率19,000倍)。{111}主表面に対し125℃の鈍角を
有する{100}エッジ面を有する平板状粒子であること
を示している。平均{100}面積比率は43%であつた。
該AgX乳剤に5−Bromobenzotriazoleを飽和吸着量の65
%で吸着させ、次にtriethyl-thioureaを0.6×10-5モル
/モルAgだけ添加し、20分後に金−チオシアン酸錯体を
0.2×10-5モル/モルAgだけ加え、50℃で40分間熟成し
た。温度を40℃に下げ、かぶり防止剤、塗布助剤を加え
て、透明ベース上に塗布した。露光し、現像した所、優
れた相反則特性の写真性を示した。
実施例6 4lの容積を有する反応容器中にゼラチン水溶液〔水1000
ml、ゼラチン30g、KBr0.5g、NH3(25重量%)を2ml、NH
4NO3(50重量%)2ml〕を入れ、溶液温度を60℃に保ち
つつ、AgNO3水溶液(1000ml中にAgNO3を0.93g含む)と
ハロゲン化塩水溶液を添加した。
AgNO3の添加速度は、はじめの10分間は3.3×10-4M/分
で、次の9分間は8.9×10-4M/分でAgNO3液と(KBr+K
I)水溶液(KI含量は6モル%)をダブルジェット添加
した。添加中のpBr値は2.4であった。
次に初期添加速度9.0×10-4M/分、終期添加速度7.8×10
-3M/分、60分間の直線加速添加法で銀電位125mVのC.D.
J.添加をした。この時点で得られた14面体粒子は第6a図
に示す如くの14面体粒子であった。
次に、銀電位を+170mVにし、AgNO3液(100ml中にAgNO3
10gを含む)とKBr液を用い、初期添加速度1.8×10-3M/
分、終期3.25×10-3M/分、20分間の直線加速添加法で、
銀電位180mVのC.D.J.添加をした。この時点で得られた1
4面体粒子は第6b図に示す如くの14面体粒子であった。
両14面体粒子のエッジ長はともに0.63μmであり、最後
に添加したAgBrは14面体のコーナー部のみに沈澱したこ
とを示している。TEM像より求めたこの粒子の{100}面
積:{111}面積=15:85であった。
この乳剤に3,3′−bis(4−sulfobutyl)−9−methyt
hiacarbocyanine dyeを飽和吸着量の75%吸着させた
後,乳剤条件をpAg8.6、pH6.5、温度50℃にし、Na2S2O3
・5H2Oを0.9×10-5モル/モルAgBrだけ加え、3分後れて
金増感剤〔金−チオシアン酸錯体〕を0.3×10-5モル/
モルAgBrだけ加えて、70分間熟成した。温度を35℃に下
げ、乳剤を水洗し、再分散させ、乳剤をpH6.5、pAg8.5
に調節した。
温度を40℃にし、かぶり防止剤、塗布助剤を加えて、銀
1.5g/m2透明ベース上に塗布した。
比較例3 実施例6で第6a図のAgX粒子を作る所までは同じにす
る。次に銀電位を+90mVにし、AgNO3液(100ml中にAgNO
310gを含む)とKBr液を用い、初期添加速度1.8×10-3M/
分、終期添加速度3.25×10-3M/分、20分間の直線加速添
加法で、銀電位90mVのC.D.J.添加をした。この時点で得
られた14面体粒子の形状は、第6a図の14面体粒子とほぼ
相似形で、最後に添加したAgBrは、該14面体粒子のほぼ
全表面上に均一に積層し、いわゆる内部高沃度型の2重
構造粒子であることを示している。
この乳剤を水洗し、再分散させ、3,3′−bis(4−sulf
obutyl)−9−methylthiacarbocyanine dyeを飽和吸着
量の75%吸着させた後、乳剤条件をpAg8.6、pH6.5、濃
度50℃にし、Na2S2O3・5H2Oを1.5×10-5モル/モルAgBr
だけ加え、3分遅れて前述の金増感剤を0.5×10-5モル
/モルAgBrだけ加え、60分間熟成した。
次に温度を40℃に下げ、かぶり防止剤、塗布助剤を加え
て、銀1.5g/m2で透明ベース上に塗布した。
次に、実施例6と比較例3の乳剤を、表1と同じ比較を
し、結果を表3に示した。比較例3に対する本発明の効
果が確認された。
【図面の簡単な説明】
第1図は化学増感核の生成する位置を模式的に示すもの
であり、(a)は立方体に近い十四面体粒子の場合を、
(b)は八面体に近い十四面体粒子の場合を示す。 第2図は本発明のAgX粒子の製法に於て立方晶雰囲気下
における(100)面と(111)面のケミカルポテンシャル
に対する溶液中の銀イオンのケミカルポテンシャルの関
係を示す模式図である。 第3図は本発明の特に好ましいAgX粒子のバンド構造を
示すものである。 たて軸はポテンシャルを示し横軸は幾何学的座標を示
す。黒丸は電子を、白丸は正孔を示す。 第4図及び第5図は実施例−4及び5で調製されたハロ
ゲン化銀粒子の結晶の構造を表わす電子顕微鏡写真であ
る。倍率はそれぞれ21,000倍及び19,000倍である。 第6図は実施例−6のAgXの構造を模式的に表わしたも
のであり(a)はホスト粒子の十四面体粒子を、(b)
はホスト粒子の上に異なったハロゲン組成のAgXを成長
させた十四面体粒子を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分散媒とハロゲン化銀粒子とからなるハロ
    ゲン化銀乳剤であって、全ハロゲン化銀粒子の投影面積
    の70%以上が1つのハロゲン化銀粒子表面上に少なくと
    も{100}と{111}の結晶表面を有し、該結晶表面の表
    面層のハロゲン組成が互いに異なり、かつ、次記a)〜
    c)の特徴を有する14面体粒子であることを特徴とする
    ハロゲン化銀乳剤。 a) 〔{111}面の面積/{100}面の面積〕が20〜1/
    20である。 b) {100}と{111}の結晶表面の一方の結晶表面上
    にのみ基質のハロゲン化銀粒子と異なるハロゲン組成の
    ハロゲン化銀を、非エピタキシャル状(基質と同一結晶
    系層を基質上に単なる延長層として)に積層して形成さ
    れており、該ハロゲン組成が沃度含率で互いに2〜40モ
    ル%異なるか、またはCl-含率で互いに7〜100モル%異
    なる。 c) 化学増感核が一方の結晶面上に優先的に形成され
    ており、〔(優先的に化学増感核が形成される結晶面上
    の化学増感核の数/cm2)/(優先的に化学増感核が形
    成されない結晶面上の化学増感核の数/cm2)〕が2.5以
    上である。
  2. 【請求項2】該〔{111}面の面積/{100}面の面積〕
    の値が10〜1/10であることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載のハロゲン化銀乳剤。
  3. 【請求項3】分散媒とハロゲン化銀粒子とからなるハロ
    ゲン化銀乳剤であって、全ハロゲン化銀粒子の投影面積
    の70%以上が1つのハロゲン化銀粒子表面上に少くとも
    {100}と{111}の結晶表面を有し、該結晶表面の表面
    層のハロゲン組成が互いに異なり、かつ、次記a)〜
    c)の特徴を有するアスペクト比が1.5以上の平行双晶
    面を有する平板状粒子であることを特徴とするハロゲン
    化銀乳剤。 a) 〔該{111}結晶表面の面積/該{100}結晶表面
    の面積〕が20〜1.0である。 b) {100}と{111}の結晶表面の一方の結晶表面上
    にのみ基質のハロゲン化銀粒子と異なるハロゲン組成の
    ハロゲン化銀を、非エピタキシャル状(基質と同一結晶
    系層を基質上に単なる延長層として)に積層して形成さ
    れており、該ハロゲン組成が沃度含率で互いに2〜40モ
    ル%異なるか、またはCl-含率で互いに7〜100モル%異
    なる。 c) 該平板状粒子の主表面が{111}結晶表面であ
    り、該{100}結晶表面が該平板状粒子のエッジ部に存
    在する。
  4. 【請求項4】化学増感核が一方の結晶面上に優先的に形
    成されており、〔(優先的に化学増感核が形成される結
    晶面上の化学増感核の数/cm2)/(優先的に化学増感
    核が形成されない結晶面上の化学増感核の数/cm2)〕
    が2.5以上であることを特徴とする特許請求の範囲第3
    項記載のハロゲン化銀乳剤。
  5. 【請求項5】該平板状粒子の主平面の形状が六角形であ
    り、かつ、該粒子の粒子サイズ分布の変動係数が30%以
    下であることを特徴とする特許請求の範囲第3項記載の
    ハロゲン化銀乳剤。
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