JPH0788555A - 鋼帯コイル長手方向位置マーキング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コイル巻きのとき長手方向位置を鋼帯に直接
精度良くマークする事により、コイル巻戻し時の任意の
位置での自動減速を精度良く行ない位置合わせのための
低速通板を極力短くする。 【構成】 コイルの長手方向の位置を示す手段として、
コイル先端から設定間隔おきに鋼帯に、先端から何番目
であるかを表わすマーキングを行なう。設備構成として
は、マーキング装置と、巻き取り長さを測定する測長カ
ウンタと、マーク位置を制御する装置と、マークする内
容を制御する装置とからなっている。 【効果】 コイルを巻戻して鋼帯を加工するとき分割等
を行なっても位置データはそのまま使用可能である。鋼
帯加工の生産性の向上が図れる他、ルーパー等の設備容
量を小さくする事ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鋼帯をコイルとして取
り扱う設備に係わり、特に鋼帯コイルの長手方向位置を
示すマークを行う装置に関する。

【０００２】

【従来技術】従来、鋼帯コイルの長手方向の位置につい
ては、コイルの先端または尾端からの位置、もしくは作
業変更点の様なパンチ穴を開けた位置からの距離で示し
ていた。例えば、巻き取り設備の前にはコイルの長さを
測定するロールが有り、その回転数とロール径により、
先端または途中のパンチ穴等からの距離を測定してい
た。しかしながら、鋼帯コイルは一般に長く、コイルに
よっては全長10000メートルを越えるコイルも存在し、
ロール磨耗による径変化，スリップ等の非常に小さに誤
差でも積算されて大きな誤差距離となる。そのため、次
の工程でコイルを巻き戻す際にも、前工程から送られて
くる長さデータは参考値として利用するのみで、再度、
コイル長さを測長カウンターで測定していた。

【０００３】一方、コイルを巻戻して鋼帯に加工等を施
す場合、コイル巻戻しの尾端における自動減速について
も、従来は正確な残長を求めることが困難であったた
め、事前に（所要残長よりも長い残長で）減速して低速
で通板してライントラブルを防止していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の測長ロールを用
いてコイル長手方向位置を測定する場合、基準点からの
距離が長くなるほど位置検出精度が低下するため、後に
不良部として排除すべきパンチ穴を開けたり、事前に減
速し低速で通板してライントラブルを防止するなど歩
留，作業効率などを犠牲にする必要があった。

【０００５】そこで、本発明は、このような問題を解消
すべく案出されたものであり、次工程のコイル処理ライ
ンで長さデータを正確に把握し有効に使うことができる
ようにするための鋼帯コイル長手方向位置マーキング装
置を提供することを目的としてなされたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、（１） 鋼帯
を巻き取りコイルとする装置において、コイルの長手方
向位置を示すマークを行う装置群として、入力信号によ
りマークを行うマーキング装置(6,7)と鋼帯の巻き取り
長さを測定する測長カウンター(8,9,11)と、マークを行
う位置を制御するマーク位置制御装置(13)と、マークす
る内容を制御しマーキング装置に対してマーク信号を出
力するマーク情報制御装置(12)とからなる鋼帯コイル長
手方向位置マーキング装置；および、（２） マーキン
グ装置(7,6)として磁力による鋼帯への着磁マークを行
う装置を用いることを特徴とする上記（１）の鋼帯コイ
ル長手方向位置マーキング装置；を要旨とする。

【０００７】

【作用】上記（１）によれば、測長カウンター(8,9,11)
が鋼帯の巻き取り長さを測定し、この長さが所定長にな
る毎にマ−ク位置制御装置(13)がマ−クする内容を表わ
す情報をマーキング装置(6,7)に与え、マーキング装置
(6,7)が該情報を表わすマ−クを鋼帯に付す。これによ
りコイルの鋼帯は長手方向位置を示すマ−クを有するも
のとなる。このコイルを巻戻して鋼帯に加工等を施す場
合、コイル巻戻し中にマ−クを検出してそれが表わす情
報を再生することにより、コイル巻きのときの上記マ−
キキングの精度と同一の精度でコイル残長が分かる。し
たがって巻戻しコイルの尾端における自動減速について
も、正確な残長が分かるので、必要最少限の残長で減速
すればよく、鋼帯加工の歩留，作業効率が向上する。上
記（２）によれば、マ−クが着磁であるのでパンチ穴を
開ける場合のように切除の必要はなく、着磁が問題とな
る場合にはマ−ク検出後にその部位を消磁すればよいの
で、鋼帯の歩留りが向上する。

【０００８】

【実施例】図１に本発明の一実施例を示す。鋼帯１は、
コイル２としてテンションリール３に巻き取られる。リ
ール３の前には鋼帯１を分割するためのシャー４が設置
されており、その前にマーキング装置６のマーキングヘ
ッド７が設置されている。さらにその前には鋼帯１の長
さを測定するための、鋼帯に接してその速度と実質上同
一の周速度で回転する測長ロール８があり、この測長ロ
−ル８にパルスジェネレ−タ９が連結されている。な
お、測長ロール８はスリップによる誤差を防止するため
磨擦係数の高い表面材質，粗度とする必要があり、ブラ
イドルロールの様な鋼帯の巻き付け角度の大きなものを
用いている。

【０００９】パルスジェネレ−タ９は、測長ロ−ル８の
所定小角度の回転毎に１個の電気パルスを発生する。測
長カウンタ１１がこの電気パルスをカウントする。

【００１０】測長カウンタ１１は分割シャ−制御装置５
が与える切断信号（次コイル先端信号）によりリセット
されて、またシャー４とマーキングヘッド７間の長さ相
当の値（プリセット値）からカウントアップを行なう。
したがって、測長カウンタ１１のカウントデ−タは鋼帯
１の先端からの長さ（コイル巻き長）を表わす。このカ
ウントデ−タはマ−ク位置制御装置１３に与えられる。

【００１１】パルスジェネレ−タ９が発生する電気パル
スの周期は鋼帯１の移送速度に反比例する。これに基づ
いて速度計１０が鋼帯１の速度を表わす電気信号を発生
してマ−ク情報制御装置１２に与える。

【００１２】マーク位置制御装置１３は、測長カウンタ
１１のカウントデ−タ（巻き取り長）を監視して、それ
が設定値になる毎にマ−ク指令とマ−ク回数デ−タ（何
番目のマークであるかを示す情報）をマ−ク情報制御装
置１２に与え、しかも測長カウンタ１１にリセット指令
を与える。マ−ク位置制御装置１３はマ−ク指令回数を
カウントアップし、このカウントデ−タをマ−ク回数デ
−タとしてマ−ク情報制御装置１２に与える。このカウ
ントデ−タは分割シャ−制御装置５が与える切断信号
（次コイル先端信号）によりリセットされて、また０か
らマ−ク指令回数のカウントアップを行なう。したがっ
て、マーク位置制御装置１３がマ−ク情報制御装置１２
に与えるマ−ク回数デ−タは、コイル先端から何番目の
マ−ク指令であるかを表わす。このマ−ク回数デ−タが
表わす数×上記設定値分の長さが、マ−ク指令発生時
の、コイル先端からの鋼帯長さとなる。

【００１３】測長カウンタ１１は、マーク位置制御装置
１３からリセット指令によりリセットされ、この場合に
は、また０（プリセット値＝０）からカウントアップを
行なう。

【００１４】マ−ク指令（およびこれに付加したマ−ク
回数デ−タ）を受けたマーク情報制御装置１２は、マ−
ク回数デ−タに基づきマークを形成する各ポイントの
「着磁」，「非着磁」パターン（鋼帯１の移動方向の着
磁分布パタ−ン）を作成し、各ポイントの間隔が通板速
度によらず一定となるように、速度計１０が与える鋼帯
速度に比例した速度で着磁分布パタ−ンをマ−キング装
置６に出力する。マーキング装置６は、マ−ク情報制御
装置１２が「着磁」信号を与えている間マ−キングヘッ
ド７に着磁用電流を通電する。これにより鋼帯１には、
「着磁」，「非着磁」パターンの通りの、着磁，非着磁
分布（着磁マ−ク）が形成される。

【００１５】なお、以上においては、磁力によるマーキ
ング装置の場合について説明したが、本発明はこれに限
定する必要はなく、速乾性インクなどを使用した場合に
おいても、同様な作用を呈することができる。

【００１６】鋼帯のコイル長手方向の位置をマークする
場合、後工程において品質上問題の無いものとする必要
がある。本実施例では上記の観点から磁気マーク法を採
用した。なお、品質上問題がなければ速乾性のインクを
用いてマークを行っても良い。また、本装置の設置ライ
ンとしては熱延より後工程で出側にて鋼帯コイル状に巻
き取るラインであれば、いずれのラインでも良く幅広く
適用が可能である。

【００１７】図２にマークを簡易的に示す。実施例で
は、５０メートル（上述の「設定値」）おきにマークを
実施した。各マークは長手方向位置の情報を付与したも
のとするため、１０個のポイントからなり、初めと最後
の着磁ポイントを除く８つのポイントの着磁、無着磁に
より256種のマーキングパターンを準備して、全長12800
メートルのコイルまで対応できる様にした。マーク情報
制御装置１２では上位のマーク位置制御装置１３から伝
送されるマーク指令に付加されたマ−ク回数デ−タから
マーキングパターンを作成し、ポイントの間隔がマーク
時の通板速度によらず一定となるように着磁タイミング
を制御している。実施例の場合、最高通板速度が毎分20
00メートル、着磁マーキング装置の最短マーク周期が20
ヘルツである事から、各ポイントの間隔がいかなる通板
速度であっても等しくなるようにポイント間隔を2メー
トルとした。

【００１８】また、マーク位置は鋼帯が蛇行した場合で
も容易に検出可能なように鋼帯のエッジ位置としたた
め、マーキングヘッド７は鋼帯幅方向に移動可能でエッ
ジ追従機能を有しており板エッジから常に約10ミリメー
トルの所に位置している。

【００１９】なお、マークは必ずしもコイル全長にわた
って行う必要はなく、その用途に応じて必要な所にだけ
マークしても良く、例えば、コイル尾端の停止位置精度
を上げるために使用するのであれば、その前数百メート
ルだけを行えば良いため、マークを行うラインではコイ
ルの巻始めの部分数百メートルにマーキングを行えば良
い。

【００２０】

【発明の効果】本発明によれば、鋼帯コイルの長手方向
位置を鋼帯に正確なピッチでマークすることができ、な
おかつそのマークにより長手方向位置を絶対位置として
求めることが可能となるため、コイル内の作業変更点，
疵位置，尾端までの距離等のコイル上の長手方向位置に
関するデータを全てこの絶対位置で管理できるようにな
る。これにより従来、参考値程度にしか使用されていな
かった長さデータなどがライン制御、例えば作業変更点
の自動減速制御等で使用可能となる。また、疵位置のデ
ータに関してはコイル先端からの位置といった相対位置
でなく実質的に絶対位置表示となるためコイルの先端尾
端のカットを行ったり、分割を行っても記録されたデー
タはそのまま使用可能で位置精度に関しても従来に較べ
格段に向上しておりマークピッチ50メートル程度でも実
用上問題ない精度が得られている。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例の構成を示すブロック図で
ある。

【図２】 図１に示す鋼帯１の側面図であり、マ−キン
グヘッド７でマ−キングのために着磁，非着磁とするポ
イントの分布を示す。

【符号の説明】

１：鋼帯 ２：鋼帯コイル ３：テンションリール ４：分割シャー ５：分割シャー制御装置 ６：マーキング装置 ７：マーキングヘッド ８：測長ロール ９：パルスジェネレータ １０：測度計 １１：測長カウンタ １２：マーク情報制
御装置 １３：マーク位置制御装置 １４：マーク １５：ポイント

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白 神 睦 雄 富津市新富20−１ 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鋼帯を巻き取りコイルとする装置におい
   て、コイルの長手方向位置を示すマークを行う装置群と
   して、入力信号によりマークを行うマーキング装置と鋼
   帯の巻き取り長さを測定する測長カウンターと、マーク
   を行う位置を制御するマーク位置制御装置と、マークす
   る内容を制御しマーキング装置に対してマーク信号を出
   力するマーク情報制御装置とからなる鋼帯コイル長手方
   向位置マーキング装置。
2. 【請求項２】 マーキング装置として磁力による鋼帯へ
   の着磁マークを行う装置を用いることを特徴とする請求
   項１記載の鋼帯コイル長手方向位置マーキング装置。