JPH078549Y2 - クレーンのジブ等取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、クレーンにおけるジブ等の取付構造、特に
大型クレーンのラフィングジブの取付構造に関するもの
である。

［従来の技術］ クレーン、特に大型クレーンにおいては、重量物の低速
巻上，巻下と、軽量物の高速巻上，巻下を区別して作業
が行われる場合が多く、その手段として、前者は、ブー
ムのヘッドシーブとフックシーブとの間のワイヤリング
を多数本掛けとし、後者では、ブームの先端にジブを装
着しジブのヘッドシーブから１本掛けでフックを吊り下
げている。

そして、このジブをブームに装着する場合、ジブの取付
角度がブームガイラインロープおよびジブガイラインロ
ープにより予め所定の角度に設定されており、ジブ角度
を変えるには、このブームガイラインロープまたはジブ
ガイラインロープの長さを調節する必要があった。

これを解決するために、ジブの取付角度を任意に調節で
きるラフィングジブが開発されたが、このラフィングジ
ブはジブ系全体をロープ乃至ブライドル等を介してロー
プ巻取装置により行うようになっている。

［考案が解決しようとする課題］ しかし、このロープ巻取装置のロープ巻取，繰出しによ
りジブ角度を調節するラッフィングジブにおいては、ジ
ブの分解・組立時に、ロープ巻取装置からロープを必要
以上に繰り出した場合、ジブとブームが干渉して損傷・
破損を生ずることがあるという問題点があった。

この考案は、上記上記問題点を解決することを課題と
し、ロープ巻取装置からロープを繰出してジブ系を回動
した時に、ジブがブームに当接する前にジブ系の回動を
停止させることができるようなジブ等の取付構造を提供
しようとするもののである。

［課題を解決するための手段］ この考案は上記課題を解決するための手段を提供するも
のであって、伸縮ブーム３の最内側ブーム3a頂部にブー
ムアダプタ７を固設し、該ブームダプタ７の頂部にジブ
10の基端を回動可能に枢着すると共に、該ジブ10の枢着
点近傍にフロントポスト12の基端を枢着し、該フロント
ポスト12の枢着点近傍にリヤポスト14の基端を枢着し、
ジブ10,フロントポスト12及びリヤポスト14の先端を互
いに連結部材21,19により連結すると共に、ジブ10の起
伏を前記リヤポスト14の先端に連結されたロープ乃至ブ
ライドル5,16,17を介して行うクレーンのジブ取付装置
において、前記ブームアダプタ７の基端側背面に多段伸
縮可能で且つストッパを有するテレスコピックバー24の
基端を、先端側背面にマスト26の一端を、夫々枢着する
と共に、該マスト26の他端に前記ブライドル16と係合す
る切欠部を有するラグ26aを固着し、該ラグ26aと前記テ
レスコピックバー24の先端とを互いに回動自在に連結し
たことを特徴とするクレーンにおけるジブ等の取付構造
を考案要旨とするものである。

［実施例］ 以下本考案の実施例を図を用いて説明する。

図中１は上部旋回体で下部走行体２上に旋回可能に装架
されている。上部旋回体１の前部には伸縮可能なブーム
３がブーム俯仰シリンダ４により俯仰動可能に枢着され
ており、上部旋回体１の略中央部にはジブ俯仰ロープ５
の巻取・繰出しを行うロープ巻取装置６が載置されてい
る。

伸縮ブーム３の最内側ブーム3aの頂部には、ブームアダ
プタ７がピン8,9により固設され、該ブームアダプタ７
の頂部にはジブ10の基端がピン11により回動可能に枢着
されると共に、該ジブ10の枢着点近傍にはフロントポス
ト12の基端がピン13により枢着され、該フロントポスト
12の枢着点近傍にはリヤポスト14の基端がピン15により
枢着されている。

前記ロープ巻取装置６から繰り出されたジブ俯仰ロープ
５は、ベイル（図示してない）およびブライドル16の間
に掛け回され、ブライドル16はペンダントロープ17の一
端とピン18により連結され、ペンダントロープ17の他端
はリヤポスト14の先端に所定の長さの連結部材19の一端
と共にピン20によって連結されている。連結部材19の他
端はフロントポスト12の先端に所定の長さの連結部材21
の一端と共にピン22により枢着され、連結部材21の他端
はジブ10の先端にピン23により枢着されている。

ブームアダプタ７の基端側背面には、多段伸縮可能で且
つ最伸長状態で停止させるためのストッパを有するテレ
スコピックバー24の基端がピン25により枢着され、ブー
ムアダプタ７の先端側背面にはマスト26の一端がピン27
により回動可能に枢着されると共に、該マスト26の他端
にはブライドル16と係合する切欠部を有するラグ26aが
固着され、該ラグ26aは前記テレスコピックバー24の先
端にピン28により枢着されている。

［作用］ 上記実施例を参照しつつ本考案の作用について説明す
る。

作業を終了してジブ10をブーム３側へ折畳み格納する場
合、ロープ巻取装置６からジブ俯仰ロープ５を繰り出す
と、ジブ系は前側に回動し所定の位置に達するとブライ
ドル16はマスト26の一端に固着されたラグ26aの切欠部
と係合し、マスト26を押し上げ、同時にテレスコピック
バー24を伸長させる。そしてテレスコピックバー24が最
伸長状態となりジブ系が所定の位置まで回動したところ
でストッパが働き、ロープ巻取装置６からジブ俯仰ロー
プ５を更に繰り出しても、それ以上ジブ系は回動しな
い。

次に格納状態から作業状態にする場合は、ジブ俯仰ロー
プ５をロープ巻取装置６により巻き取ると、ジブ系は後
側に回動し、テレスコピックバー24は縮長し、所定の位
置に達するとブライドル16はマスト26のラグ26aとの係
合を解かれる。

［効果］ 本考案によれば、ラッフィングジブにおいて、伸縮ブー
ム３の最内側ブーム3a頂部に固設されたブームアダプタ
７の基端側背面に多段伸縮可能で且つストッパを有する
テレスコピックバー24の基端を、先端側背面にマスト26
の一端を夫々枢着すると共に、該マスト26の他端に前記
ブライドル16と係合する切欠部を有するラグ26aを固着
し、該ラグ26aと前記テレスコピックバー24の先端を互
いに回動自在に連結したことにより、ロープ巻取装置か
らロープを繰出してジブ系を回動した時に、ジブ10がブ
ーム３に当接する前にジブ系の回動を停止させることが
できるから、ジブ10をブーム３側に折り畳んで格納する
場合、ジブ俯仰ロープ５をロープ巻取装置６から必要以
上に繰り出したときでも、ジブ10とブーム３とが干渉し
てジブ乃至ブームを損傷，破損させる恐れなく、安全面
において顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を採用したトラッククレーンの全体側面
図、第２図は本考案に係るジブ装着部の拡大側面図、第
３図及び第４図は同詳細側面図である。 3:ブーム、3a:最内側ブーム 5:ジブ俯仰ロープ 7:ブームアダプタ 12:フロントポスト 14:リヤポスト 16:ブライドル 17:ペンダントロープ 19,21:連結部材 24:テレスコピックバー 26:マスト、26a:ラグ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】多段伸縮ブーム（３）の最内側ブーム（3
   a）頂部にブームアダプタ（７）を固設し、該ブームダ
   プタ頂部にジブ（10）の基端を回動可能に枢着すると共
   に、該ジブ（10）の枢着点近傍にフロントポスト（12）
   の基端を枢着し、該フロントポスト（12）の枢着点近傍
   にリヤポスト（14）の基端を枢着し、ジブ（10），フロ
   ントポスト（12）及びリヤポスト（14）の先端を互いに
   連結部材（21），（19）により連結すると共に、ジブ
   （10）の起伏を前記リヤポスト（14）の先端に連結され
   たロープ乃至ブライドル（5,16,17）を介して行うクレ
   ーンのジブ取付装置において、前記ブームアダプタ
   （７）の基端側背面に多段伸縮可能で且つストッパを有
   するテレスコピックバー（24）の基端を、先端側背面に
   マスト（26）の一端を夫々枢着すると共に、該マスト
   （26）の他端に前記ブライドル（16）と係合する切欠部
   を有するラグ（26a）を固着し該ラグ（26a）と前記テレ
   スコピックバー（24）の先端とを互いに回動自在に連結
   したことを特徴とするクレーンにおけるジブ等の取付構
   造。