JPH078444B2

JPH078444B2 - 穿孔機

Info

Publication number: JPH078444B2
Application number: JP61281644A
Authority: JP
Inventors: 通弘東海林; 俊雄御器谷
Original assignee: Nitto Kohki Co Ltd
Current assignee: Nitto Kohki Co Ltd
Priority date: 1986-11-28
Filing date: 1986-11-28
Publication date: 1995-02-01
Anticipated expiration: 2010-02-01
Also published as: JPS63139605A; KR880005989A; KR910001813B1; US4789274A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、電気ドリルを備え鉄板などの被加工物に貫通
孔を穿ける穿孔機に係り、特に穿孔機本体に往復動可能
に支持されている電気ドリルを穿孔作業終了後自動的に
高速で戻し得るようにした穿孔機に関する。

〔従来技術とその問題点〕

鉄板などの板体にボルト孔などの貫通孔を穿設する場
合、従来、電気ドリルを支持する支持ロッドを２人の作
業員が保持し、電気ドリルの上部に接続された押圧ロッ
ドをこれらの作業員が下方に押圧して貫通孔を穿設して
いたが、このような従来の穿孔作業は、作業員が２人掛
りで行なわなければならず作業能率が悪かったし、ま
た、各作業員が押圧ロッドを介して電気ドリルに力を加
えるようにして穿孔するため作業員の疲労が大きかっ
た。

このような従来の穿孔作業における問題点を克服し、１
人の作業員が簡単な操作を行なうだけで効率よく穿孔で
きるようにした穿孔機が既に知られている。

この穿孔機は、刃物をスピンドル先端部に装着した電気
ドリルを穿孔機本体の正面部にスピンドルの軸心方向に
往復動可能に支持し、穿孔機本体に設けた電気ドリルの
送りモータの駆動軸と、手動回転ハンドルを備えた伝動
軸との間に、減速装置と伝動軸の軸方向移動により接離
されるクラッチを設けて、モータ駆動を手動ハンドル軸
を介して伝達し、この伝動軸の回転駆動を歯車列を介し
て前記電気ドリルを支持するスライド板をスピンドルの
軸心方向に移動せしめるようにし、また、穿孔機本体の
下部にに鉄材等の上面に同本体を固定するために電磁石
を配設してなるもので、穿孔機を鉄板などの帯磁性材料
の所定の位置に載置した上で穿孔機本体下部の電磁石を
励磁して穿孔機本体を固定し、この状態において電気ド
リルを回転駆動し、かつ、穿孔機本体の送りモータを駆
動して電気ドリルを穿孔機本体に対して前進せしめて電
気ドリルの刃物により鉄板等を穿孔するようになってい
る。

ところで、このような従来の穿孔機においては、穿孔作
業自体は自動的に行なわれるものであったが、刃先が鉄
板の下面に達している刃物は穿孔作業終了後引抜かなけ
ればならず、この引抜きという戻し作業は、クラッチを
外した上で作業員が回転ハンドルを回転操作して伝動軸
を回転し、電気ドリルを上昇せしめるという手動操作に
より行なわれていた。

しかしながら、このように作業員が戻し作業を手動で行
なうのでは、回転ハンドルの手動操作には限界があるた
め作業時間の短縮に限界が生じ、また作業員が次の穿孔
作業に移る迄の時間に無駄が生じるという問題点があっ
た。

〔発明の目的〕

本発明は、前述した問題点を克服し、穿孔作業ばかりで
なく、刃物の戻し作業も自動的にしかも高速で行ない、
作業の効率化をはかることを目的とする穿孔機を提供す
ることにある。

〔発明の概要〕

本発明は、刃物をスピンドル先端部に装着した電気ドリ
ルを穿孔機本体の正面部にスピンドルの軸心方向に往復
動可能に支持し、穿孔機本体に設けたモータの駆動軸と
手動回転ハンドルの選択的な操作で、前記電気ドリルを
往復動させる穿孔機において、手動ハンドルの操作によ
って摺動する伝動軸の外周に、減速装置と伝動軸の軸方
向移動により接離されるクラッチと、前記モータから減
速装置に駆動力を伝達する中間歯車とを単独回転可能に
嵌合して設けるとともに、前記伝動軸の内部には軸方向
に間隔を隔てて１対の小径部が形成された作動軸をばね
により弾発させるようにして収納し、前記各小径部内に
は、作動軸の軸方向移動によりそれぞれの小径部から伝
動軸のスリットを介して伝動軸の外側に突出する駆動伝
達体を嵌合し、前記伝動軸がばねによって前記中間歯車
方向に位置しているときに一方の小径部の駆動伝達体が
外側に突出して前記クラッチ歯に係合し、かつ、前記穿
孔機本体に設けられ、前記電気ドリルの下降を規制する
下限リミットスイッチによって移動装置を作動させて前
記作動軸をクラッチ歯側に移動させたときに前記中間歯
車に前記駆動伝達体が係合して中間歯車の回転を直接伝
動軸に伝達するように構成したことを特徴としている。

〔作用〕

本発明によれば、穿孔作業時には減速装置を介してモー
タの駆動を減速した上で電気ドリルを前進（下降）せし
め、戻し作業時には、移動装置を付勢してモータの駆動
を減速装置を介することなく伝動軸に伝達するようにし
て高速で電気ドリルを復帰方向に移動せしめる。

〔実施例〕

以下、本発明を図面に示す実施例により説明する。

第２図は本発明に係る穿孔機の全体を示すものであり、
穿孔機本体１の下端には、内部に図示しない電磁石を備
えたマグネットベース２が形成されている。また、この
マグネットベース２の側方には、下端を尖端４に形成さ
れコイルばね５により下方に付勢された横ずれ防止ロッ
ド３が配設されており、この横ずれ防止ロッド３の尖端
４は非作動時には、回動可能なストッパ６によりマグネ
ットベース２の下端より上位に位置するようになってい
る。

前記穿孔機本体１の上部の側面７には、この側面７に沿
って上下方向に移動可能なスライド板８が配設されてお
り、このスライド板８には電気ドリル９が支持されてい
る。この電気ドリル９は内蔵した図示しないドリル駆動
モータにより高速回転される刃物10を有しており、この
刃物10は電気ドリル９の下端のスピンドル9aに下向きに
固定されている。また、前記電気ドリル９の下端部は、
前記穿孔機本体１の下端部から側方に突設されたブラケ
ット11により上下動可能に支持されている。

前記穿孔機本体１内には、第３図に示すように前記スラ
イド板８（第２図）を上下動するための送りモータ12が
配設されており、この送りモータ12により回転駆動され
る伝動軸13が、後述するクラッチ14を接離するために軸
方向に可動に支持されている。この伝動軸13の端部に
は、伝動軸13を軸方向に移動させるとともに、伝動軸13
を回転させるための回動可能な３本のハンドル15,15…
が穿孔機本体１の外部に露出するように接続されてい
る。

前記送りモータ12のほぼ直上位置の前記伝動軸13の外周
には、中間歯車を構成するウォームホイール16が伝動軸
13に対し自由回転し得るように嵌合されており、このウ
ォームホイール16には、前記送りモータ12の回転が図示
しない斜歯歯車およびウォームを介して伝達されるよう
になっている。一方、前記ウォームホイール16の近傍の
伝動軸13には前記クラッチ14が装着されている。このク
ラッチ14は、それぞれ伝動軸13の外周に位置し、相互に
噛合し得る１対の爪部材17A,17Bを有しており、このう
ち爪部材17Aは、前記伝動軸13に対し自由回転可能で、
かつ伝動軸13の軸方向には移動し得ないように穿孔機本
体１に支持され、また爪部材17Bは、前記伝動軸13とと
もに伝動軸13の軸方向に移動可能とされている。そし
て、前記ウォームホイール16の回転がハーモニックドラ
イブのような減速装置18を介して爪部材17Aに伝達され
るようになっている。すなわち、ウォームホイール16と
一体回転する回転体16aは１対のボールベアリング51A,5
1Bにより後述するケーシング41に回転自在に支持されて
おり、一方のボールベアリング51Bの外周には、前記爪
部材17Aと一体回転するスリーブ52が支持され、このボ
ールベアリング51Bの外周部位のスリーブ52の外周には
側部ケーシング41に複数本のボルト53により取付けられ
ている内歯歯車54が臨んでいる。そして、これらのスリ
ーブ52の外周および内歯歯車54の内周には、きわめて小
ピッチの歯が特殊な態様で相互に噛合っており、これら
のボールベアリング51B、スリーブ52および内歯歯車54
により減速比のきわめて大きに特殊な変速機構が構成さ
れている。なお、この減速装置18を介するとウォームホ
イール16の回転と逆方向に爪部材17Aが回転されること
になる。

前記伝動軸13の軸方向中央部の下方には、伝動軸13と平
行な回転軸19,20がそれぞれ回転自在に配設されてお
り、前記伝動軸13に嵌着された歯車21が、回転軸19に嵌
着され歯車21より歯数の多い歯車22に噛合し、また、こ
の回転軸19に嵌着された他の歯車23が、回転軸20に嵌着
され歯車23より歯数の多い歯車24に噛合している。さら
に、この回転軸20には、前記スライド板８に突設された
図示しないラックに噛合する歯車25が嵌着されており、
したがって、前記伝動軸13の回転は減速されて歯車25に
伝達され、スライド板８を介して電気ドリル９を上下動
し得るようになっている。なお、前記スライド板８の内
側にはポインタ26（第２図）が取付けられており、この
ポインタ26は、前記刃物10により図示しない複加工物た
る板体に貫通孔が完全に形成されるまでスライド板８が
下降したときに穿孔機本体１内に配設された下限リミッ
トスイッチ27の可動子28に当接し得るようになってい
る。この下限リミットスイッチ27の作用については後述
する。

前記クラッチ14およびウォームホイール16が位置する側
の前記伝動軸13の端部には、第１図A,Bに示すように、
前記ウォームホイール16を越えてクラッチ14の内側にま
で到達する円筒状の中心穴29が形成されており、この中
心穴29内には、この中心穴29の内径より若干小径の外径
を有し中心穴29の軸方向に移動可能な作動軸30が収納さ
れている。この作動軸30の外周には、軸方向に間隔を隔
てて１対の小径部31A,31Bが形成されており、各小径部3
1A,31Bの両端には、後述する駆動伝達体を構成するボー
ル32A,32Bが嵌合、離脱を行ないやすくするための傾斜
面33A,33Bが形成されている。一方、前記伝動軸13に
は、それぞれ直径方向に間隔を隔てた各１対のスリット
34A,34A,34B,34Bが形成されており、軸方向に離間して
いるスリット34A,34Bの間隔は、前記作動軸30の両小径
部31A,31B間の間隔より若干大きくされている。各スリ
ット34A,34B内には、それぞれスリット34A,34Bが形成さ
れている部位の伝動軸13の厚さより寸法の大きな直径の
前記ボール32A,32Bが嵌合しており、各ボール32A,32B
は、作動軸30の小径部31A,31B内に嵌合しない状態にお
いては、伝動軸13の外周に一部突出するようになってい
る。なお、前述したように両小径部31A,31B間の間隔よ
り両スリット34A,34B間の間隔が大きいことにより、一
方の小径部31Aまたは31Bにのみ一方のボール32Aまたは3
2Bが選択的に嵌合することになる。また、前記中心穴29
の最奥部にはコイルばね35が配設されており、このコイ
ルばね35により前記作動軸30は第１図Ａにおいて左方向
に付勢されている。さらに、このコイルばね35による作
動軸30の左方向への移動を所定範囲内において拘束する
環状のストッパ36が伝動軸13の中心穴29内に装着されて
おり、コイルばね35の作用により作動軸30の一端面がこ
のストッパ36に圧接している状態においては、各スリッ
ト34A内のボール32Aが作動軸30の小径部31A内に嵌合す
る位置を取るようになっている。

前記ウォームホイール16および爪部材17Bの内周面に
は、それぞれ前記ボール32A,32Bが嵌合し得る複数の凹
部37,37,38,38…がそれぞれ円周方向に間隔を隔てて形
成されており、ウォームホイール16の凹部37,37内に各
ボール32Aが嵌合したときには各ボール32Aを介してウォ
ームホイール16の回転が直接伝動軸13に伝達され、また
爪部材17Bの凹部38,38内に各ボール32Bが嵌合したとき
には各ボール32Bを介して爪部材17Bの回転が伝動軸13に
伝達されるようになっている。これらの凹部37と38は位
相が45゜ずれている。

前記中心穴29側の伝動軸13の端部の外周部位の前記穿孔
機本体１の側面に突設した前記側部ケーシング41には、
円筒形の鉄芯40が設置され、この鉄芯40にはコイル42が
巻回されており、これらの鉄芯40およびコイル42により
移動装置としての電磁石39が構成され、この電磁石39は
前記マイクロスイッチ27により付勢されるようになって
いる。また、前記コイル42の外周部位の前記穿孔機本体
１の前記側部ケーシング41には円筒形のガイド筒43が突
設されており、このガイド筒43の内周面に沿って前記作
動軸30の軸方向に移動し得る円板44が前記電磁石39に対
向するように配設されている。この円板44は帯磁性材料
により形成されており、前記電磁石39が付勢されると円
板44は電磁石39に吸引されるようになっている。なお、
この円板44は、内周側の非磁性体からなる円板44aの外
周に磁性体からなる環状板44bを電磁石39に対向するよ
うに一体に連設して構成されている。さらに、前記鉄芯
40および円板44間には、鉄芯40から円板44を常時離間せ
しめるためのコイルばね45が介装されており、コイルば
ね45により付勢された円板44は、ガイド筒43の内周に装
着されている環状のストッパ46に当接して電磁石39と所
定間隔を隔てて停止している。さらにまた、円板44の中
心部には前記作動軸30と同軸的に押圧ロッド47が突設さ
れており、この押圧ロッド47は、円板44が電磁石39に吸
引されることにより作動軸30を第１図Ａにおいて右方向
に押動せしめ、クラッチ14の爪部材17Bに対向している
各ボール32Bを作動軸30の小径部31B内に嵌入せしめると
ともに、ウォームホイール16に対向している各ボール32
Aを作動軸30の小径部31Aから離脱せしめてウォームホイ
ール16の各凹部37内に嵌入せしめるようになっている。
なお、前記電磁石39は、前記ポインタ26が下限リミット
スイッチ27の可動子28に当接すると付勢されるようにな
っている。また、この電磁石39に代えてソレノイドを設
けてもよい。

前記穿孔機の操作は、穿孔機本体１に突設されているハ
ンドル48を回動してスイッチ49を切換えて行なうように
なっている。

なお、前記爪部材17Bは、伝動軸13の外周に巻装された
コイルばね50により他の爪部材17A方向に付勢されてお
り、また、爪部材17Aと一体のスリーブ17aの外周は側部
ケーシング41の図示しない部位上にボールベアリング51
Cにより支持されている。

つぎに、前述した実施例の作用について説明する。

穿孔機本体１中に配設されている送りモータ12により電
気ドリル９の下降ならびに上昇を行なうためには、ハン
ドル15を操作して伝動軸13を第１図Ａの状態から右方向
に移動し、クラッチ14の爪部材17Bを爪部材17Aに噛合せ
しめておく、このような状態において穿孔機を図示しな
い帯磁性材料からなる鉄板等の所定の位置上に載置し、
スイッチ49の第１段の投入を行なう。すると、マグネッ
トベース２内の電磁石（図示せず）が励磁されてマグネ
ットベース２を板体上に固定する。

さらにスイッチ49の第２段の投入を行なうと、ストッパ
６の回動によりコイルばね５が作用して横ずれ防止ロッ
ド３が下降し、その尖端４が板体に圧入され、穿孔時の
トルクの上昇に伴なう穿孔機の横ずれがあらかじめ防止
されるとともに、電気ドリル９内に配設されているドリ
ル駆動モータ（図示せず）が駆動されて刃物10が回転駆
動を開始し、これと同時に穿孔機本体１内に配設されて
いる送りモータ12が駆動され、この送りモータ12の駆動
が伝動軸13の外周に位置するウォームホイール16に伝達
され、このウォームホイール16は回転駆動される。とこ
ろが、この状態において、各ボール32Aは、作動軸30の
小径部31A内に嵌合しており、ウォームホイール16の凹
部37内には位置していないので、ウォームホイール16の
回転は直接伝動軸13には伝達されず、ウォームホイール
16の回転は、減速装置18および相互に噛合しているクラ
ッチ14の爪部材17A,17Bを介して減速された上で伝動軸1
3に伝達され、伝動軸13は減速された回転数で回転駆動
される。さらに、この伝動軸13の回転は各歯車21〜25を
介してさらに減速された上でスライド板８と一体のラッ
ク（図示せず）に伝達され、スライド板８を電気ドリル
９とともに低速で下降せしめ、電気ドリル９の先端の刃
物10が前進して刃物10により板体に貫通孔を形成する。
そして、板体に貫通孔が形成されるのに十分な距離だけ
電気ドリル９が下降すると、スライド板８と一体のポイ
ンタ26が下限リミットスイッチ27の可動子28に接触して
下限リミットスイッチ27が閉成され、電磁石39が付勢さ
れる。すると、この電磁石39に円板44が吸引されて、円
板44はコイルばね45に抗して、第１図Ａにおいて右方向
に移動し、押圧ロッド47が作動軸30をコイルばね35に抗
して右方向に移動せしめる。この結果、今まで爪部材17
Bの凹部38内に嵌入して爪部材17Bの回転を伝動軸13に伝
達していた各ボール32Bが、爪部材17Bの回転にに伴なっ
て作動軸30の小径部31B内に嵌入することにより爪部材1
7Bおよび伝動軸13間の回転の伝達が断たれるとともに、
今まで作動軸30の小径部31A内に嵌入していた各ボール3
2Aが作動軸30の傾斜面33Aに沿って押出されるようにし
てウォームホイール16の各凹部37内に嵌入し、ウォーム
ホイール16の回転を直接伝動軸13に伝達する。よって、
送りモータ12の回転は、減速装置18を介して減速される
ことなくウォームホイール16から直接伝動軸13に伝達さ
れ、しかも、減速装置18を介する場合と逆方向に伝動軸
13が回転されるので、この伝動軸13から各歯車21〜25を
介してスライド板８のラックに伝達される駆動力によ
り、スライド板８は電気ドリル９ととももに急速に上昇
されることになり、従来の手動に頼った戻し作業より迅
速かつ確実に戻し作業を行なうことができる。

なお、前述したスライド板８と一体の電気ドリル９の上
昇により刃物10が板体から上方に離間した所定位置まで
復帰したら、図示しないリミットスイッチにより電磁石
39は消磁され、コイルばね45の作用により円板44は電磁
石39から離間するとともに、コイルばね35の作用により
作動軸30は第１図Ａにおいて左方向に移動し、再度、こ
の図に示すような状態に復してクラッチ14の爪部材17B
の回転が伝動軸13に伝達されることになる。また、手動
により電気ドリル９を昇降させたい場合には、ハンドル
15を操作して伝動軸13を第１図Ａにおいて左方向に移動
し、クラッチ14の爪部材17Bを爪部材17Aから離間せしめ
た上でハンドル15により伝動軸13を回転せしめればよ
い。従って、以上の実施例によれば、ばねの弾力と電磁
石を励磁し押動ロッドで押動することにより作動軸を軸
方向に移動させるだけで容易に伝達機構の切換ができ、
極めて簡単な構成のまま自動化が可能となる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、電気ドリルを移動させるモータの駆動
を伝動軸に伝達するに際し、減速装置を介する経路と減
速装置を介さない経路とを選択できるので、減速装置を
介さない経路を選択することにより戻し作業を高速で、
しかも自動的に行なうことができ、作業の効率化をはか
れるという優れた効果を有する。また、ばねの弾力と移
動装置の作動によって作動軸を横に移動させるだけで容
易かつ確実に伝達機構の切換ができる。従って、歯車等
の部品を減らすことができ、極めて簡単な構成のまま自
動化が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本発明に係る穿孔機の一実施例を
示すものであり、第１図Ａは伝動軸の近傍の要部の縦断
面側面図、第１図Ｂは第１図ＡのＩ−Ｉ線による断面
図、第２図は本発明の全体の一部縦断面正面図、第３図
は第２図の一部縦断面側面図である。１……穿孔機本体、８……スライド板、９……電気ドリ
ル、10……刃物、12……送りモータ、13……伝動軸、14
……クラッチ、16……ウォームホイール、18……減速装
置、30……作動軸、31A,31B……小径部、32A,32B……ボ
ール、37,38……凹部、39……電磁石、44……円板、47
……押動ロッド。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】刃物をスピンドル先端部に装着した電気ド
リルを穿孔機本体の正面部にスピンドルの軸方向に往復
動可能に支持し、穿孔機本体に設けたモータの駆動ある
いは回転および揺動可能な手動回転ハンドルの回転操作
により前記電気ドリルを往復動させる穿孔機であって、
前記モータあるいは前記手動回転ハンドルの回転力を前
記電気ドリルを往復動させるように構成するとともに前
記手動回転ハンドルの揺動操作によってその軸方向に移
動し得る伝動軸を設け、この伝動軸の外周に、前記モー
タの駆動力を減速して前記電気ドリルに伝達し電気ドリ
ルを往復動させる減速装置に連結されている固定爪部材
および前記伝動軸の軸方向移動により前記固定爪部材と
接離する移動爪部材により構成されているクラッチと、
このクラッチと前記伝動軸の軸方向に離間して配設され
前記モータから前記減速装置に駆動力を伝達する中間歯
車とを相互に単独回転可能に嵌合して設けるとともに、
前記伝動軸の内部には軸方向に間隔を隔てて第１小径部
および第２小径部が形成された作動軸をばねにより軸方
向に弾発させるようにして収納し、前記各小径部内に
は、前記作動軸の軸方向移動によりそれぞれの小径部か
ら前記伝動軸のスリットを介して伝動軸の外側に突出す
る駆動伝達体を嵌合し、前記作動軸が前記ばねによって
前記中間歯車方向に位置しているときに前記第１小径部
の駆動伝達体が外側に突出して前記移動爪部材に係合
し、このとき前記第２小径部の駆動伝達体は内側に位置
して前記中間歯車と非係合状態とされており、かつ、前
記穿孔機本体に設けられ前記電気ドリルの下降を規制す
る下限リミットスイッチによって前記作動軸の移動装置
を作動させて作動軸を前記ばねに抗して前記クラッチ側
に移動させたときに前記中間歯車に前記第２小径部の駆
動伝達体が係合し、このとき前記第１小径部の駆動伝達
体は内側に位置して前記移動爪部材と非係合状態とされ
ており、前記中間歯車への前記第２小径部の駆動伝達体
の係合により中間歯車の回転を直接伝動軸に伝達するよ
うに構成したことを特徴とする穿孔機。