JPH0782817A - 建物の壁構造及びその施工方法 - Google Patents

建物の壁構造及びその施工方法

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JPH0782817A
JPH0782817A JP23045993A JP23045993A JPH0782817A JP H0782817 A JPH0782817 A JP H0782817A JP 23045993 A JP23045993 A JP 23045993A JP 23045993 A JP23045993 A JP 23045993A JP H0782817 A JPH0782817 A JP H0782817A
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JP
Japan
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studs
plate
metal plate
wall structure
corner member
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JP23045993A
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Ikuo Hama
育雄 浜
Uhito Kishi
宇人 岸
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Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 建築現場における施工作業を大幅に簡略化
し、工期を短縮するとともに施工コストを削減すること
ができる建物の壁構造及びその施工方法を提供するこ
と。 【構成】 鋼板3の両面に、この面に対して略垂直に複
数のスタッド4を固着したスタッド付鋼板2と、鋼板3
とは別の鋼板を断面T字状あるいは十字状に交叉させか
つこれに複数のスタッドを固着してなり、スタッド付鋼
板2と繋ぎ合わせたコーナー部材Xと、これらスタッド
付鋼板2及びコーナー部材Xを挟んで両面側のプレキャ
ストコンクリート版12と、スタッド付鋼板2及びコー
ナー部材Xとプレキャストコンクリート版12との間の
現場打ちコンクリート11とからなる構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば原子力施設等の
厚さの大きい壁構造を備えた建物に適用して好適な建物
の壁構造及びその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来一般に、建物の壁構造は、 1)壁構造の筋材となる鉄筋を建築現場にて組み立てる 2)壁構造の型枠を組み立てる 3)前記型枠内にコンクリートを打設する 4)前記コンクリートが硬化した後、前記型枠を解体す
る といった工程を上記1)〜4)の手順に沿い繰り返し行
うことによって構築されている。
【0003】ここで、例えば原子力施設にあっては、大
地震に遭遇した場合にも付近の公衆又は環境等に放射線
の影響を与えないようにするといった重要な目的のた
め、一般の建物に比べて耐震性能及び遮蔽性能にかかる
設計及び安全評価が厳しく規定されており、このような
耐震性能及び遮蔽性能を満足した原子力施設を構築する
ため、その殆どは壁構造の厚さを大きくすることによっ
て対応している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した厚
さの大きい壁構造を施工するには、当然建物全体も大規
模なものとなるため、前記1)〜4)の各施工工程にお
いて設置する足場の組み立て,盛り替え及び解体作業と
いった仮設工事が必要不可欠になる。このような足場の
仮設工事に加えて、前記1)〜4)の各施工工程は、そ
の大半を建築現場において直接作業しなければならない
ため、各々の工程での作業が混雑し、これによって工期
が長期化するといった問題があった。また、施工工程の
大半を建築現場にて行うことから、多くの作業員を確保
しなければならず、施工コストを引き上げるといった問
題もあった。
【0005】本発明は、上記の問題を解決し得るもので
あって、その目的は、建築現場における施工作業を大幅
に簡略化し、工期を短縮するとともに施工コストを削減
することができる建物の壁構造及びその施工方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の建物の壁構造及
びその施工方法のうち、請求項1に記載のものは、金属
板の両面に、この面に対して略垂直に複数のスタッドを
固着してなるスタッド付金属板と、前記金属板とは別の
金属板を断面T字状あるいは十字状に交叉させ且つこれ
に複数のスタッドを固着してなり、前記スタッド付金属
板と繋ぎ合わせたコーナー部材と、これらスタッド付金
属板及びコーナー部材を挟んで両面側のプレキャストコ
ンクリート版と、前記スタッド付金属板及びコーナー部
材とプレキャストコンクリート版との間の現場打ちコン
クリートとからなることを特徴とする。
【0007】また、請求項2に記載のものは、金属板の
両面に、この面に対して略垂直に複数のスタッドを固着
してスタッド付金属板を形成する一方、前記金属板とは
別の金属板を断面T字状あるいは十字状に交叉させ且つ
これに複数のスタッドを固着してコーナー部材を形成し
た後、これらスタッド付金属板をコーナー部材を介して
繋ぎ合わせ、平断面矩形状に立ち上げて割り付けるとと
もに、前記スタッド付金属板及びコーナー部材の両側
に、これらスタッド付金属板及びコーナー部材から所定
距離隔ててプレキャストコンクリート版を立ち上げて配
設し、さらに前記プレキャストコンクリート版を型枠と
しつつ未硬化のコンクリートを打設し、前記スタッド付
金属板及びコーナー部材と前記プレキャストコンクリー
ト版とを一体化させることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明の建物の壁構造及びその施工方法のう
ち、請求項1に記載のものによれば、金属板の両面に、
この面に対して略垂直に複数のスタッドを固着してなる
スタッド付金属板と、前記金属板とは別の金属板をT状
あるいはクロス状に交叉させ且つこれに複数のスタッド
を固着してなり、前記スタッド付金属板と繋ぎ合わせた
コーナー部材と、これらスタッド付金属板及びコーナー
部材を挟んで両面側のプレキャストコンクリート版と、
前記スタッド付金属板及びコーナー部材とプレキャスト
コンクリート版との間の現場打ちコンクリートとから建
物の壁構造を構成したことで、壁構造の構造材としての
筋材が不要となり、建築現場における前記筋材の組み立
て作業を省略することができ、したがって壁構造の施工
作業を簡略化し、現地作業員を削減することが可能とな
る。また、前記スタッド付金属板及びコーナー部材を例
えば工場にて形成すれば、建築現場における施工作業を
大幅に短縮することが可能となる。さらに、前記スタッ
ド付金属板及びコーナー部材によって、壁構造の遮蔽効
果を確保することも可能となる。
【0009】請求項2に記載のものによれば、例えば工
場において、金属板の両面に、この面に対して略垂直に
複数のスタッドを固着してスタッド付金属板を形成する
一方、前記金属板とは別の金属板をT状あるいはクロス
状に交叉させ且つこれに複数のスタッドを固着してコー
ナー部材を形成する。これらスタッド付金属板及びコー
ナー部材を形成した後は、建築現場においてこれらスタ
ッド付金属板をコーナー部材を介して繋ぎ合わせ、平断
面矩形状に立ち上げて割り付けるとともに、これらスタ
ッド付金属板及びコーナー部材の両面側であってかつ前
記スタッド付金属板及びコーナー部材から所定距離隔て
た位置にプレキャストコンクリート版を立ち上げて配設
する。そして、このプレキャストコンクリート版を型枠
としつつ未硬化のコンクリートを打設し、前記プレキャ
ストコンクリート版は、壁構造の一部として一体化させ
る。このようにして壁構造を施工すれば、壁構造の構造
材となるスタッド付金属板及びコーナー部材と、コンク
リート打設時の型枠となるプレキャストコンクリート版
とを予め工場等で生産できるので、建築現場における施
工作業を簡略化することができ、したがって工期を短縮
させ、現地作業員を削減することが可能となる。また、
スタッド付金属板及びコーナー部材とプレキャストコン
クリート版との間を接近,離間させることによって、様
々な厚さの壁構造を簡単に施工することも可能となる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。図1ないし図11は、本発明に係る建物の
壁構造の一実施例を示すものであって、図1は建物の壁
構造1の水平断面,図2は壁構造1とその上下のスラブ
構造との鉛直断面を示している。
【0011】図1及び図2に示す壁構造1の構成は、以
下の通りである。すなわち、壁厚の略中心に位置するス
タッド付鋼板2は、図3にその詳細を示すように、鋼板
3の片面に、この面の周縁に沿って断面T型でかつ一対
の上下端部鋼材3a,3bと、断面L型でかつ一対の端
部補強鋼材3c,3dを溶着するとともに、端部補強鋼
材3c,3dと平行に断面L型の中央部補強鋼材を2m
間隔程度に3e,3fと溶着し、さらに鋼板3の両面
に、この面に対して垂直に複数のスタッド4を固着した
ものであって、所定の大きさに形成した複数のスタッド
付鋼板2…が、後述する鉛直及び水平方向の接合構造に
よって接合されて壁構造1全体の大きさに割り付けられ
ている。なお、図3に示したスタッド付鋼板2は、特に
建物の壁部に割り付けられる平板状のものであって、こ
の他に後述する建物のコーナー部に割り付けられるコー
ナー部材もある。
【0012】このスタッド付鋼板2の両面側は、現場打
ちコンクリート11によって覆われており、さらにこの
現場打ちコンクリート11の外側は、プレキャストコン
クリート版12(以下、PC版と略称する)によって覆
われている。この現場打ちコンクリート11の外側のP
C版12は、所定の大きさに形成した複数のPC版12
…が、適当なクリアランスを保ちつつ割り付けられてい
る。また、PC版12の内側の面には、複数のトラス筋
15が組み込まれおり、このトラス筋15が前記現場打
ちコンクリート11と一体化することによって、現場打
ちコンクリート11とPC版12とが堅固に固着してい
る。
【0013】一方、PC版12の外側の面には、建物完
成後の機器工事その他に使用する埋込板16が適宜組み
込まれており、この埋込板16に固着したスタッドアン
カ17が前記スタッド付鋼板2側に向けて延び、かつこ
のスタッドアンカ17の先端側が前記現場打ちコンクリ
ート11と一体化することにより、埋込板16が壁構造
1に堅固に固着している。これらPC版12は、壁構造
1の内外面をなし、したがって一方のPC版の外面から
他方のPC版の外面までの距離を以て壁構造1の壁厚を
なしている。なお、このようなPC版12のうち、壁構
造1を施工する際に最下端に位置するものの外面には、
図2に示すようにナットを組み込んだ建方用一次金物1
8が組み込まれ、また最上端に位置するものの上端縁に
は、断面T型の天端埋込板19が組み込まれている。
【0014】さらに、壁構造1には、水平方向に貫通す
る壁貫通孔21が設けられている。この壁貫通孔21
は、スタッド付鋼板2に工場で取り付けられている先付
けスリーブ22の両開口端に、一端側にフランジ23
a,24aが形成された後付けスリーブ23,24が外
嵌し、これらスリーブ22,23,24の中空部を以て
構成されており、建物の配管及び配線等に使用されるも
のである。
【0015】一方、図6及び図7には、上述した鉛直方
向の接合構造5及び水平方向の接合構造6と、スタッド
付鋼板の接合部の詳細例を示す。図6に示す鉛直方向の
接合構造5は、一方のスタッド付鋼板2aと、他方のス
タッド付鋼板2bのそれぞれの接合端部近くに設けた端
部補強鋼材3c,3dに、図示しない貫通孔を形成した
上で、これら端部補強鋼材3c,3dの長手方向と直交
する位置に建方兼位置調整用ボルト31が架設され、か
つこの建方兼位置調整用ボルト31の緊締力によって両
スタッド付鋼板2a,2bを仮接合しているものであ
り、さらにこれらスタッド付鋼板2a,2bの接合端縁
には、この端縁に沿って裏当材32を取り付け、現地溶
接によりスタッド付鋼板2a,2bを堅固に接合してい
る。また、図7に示す水平方向の接合構造6は、上方の
スタッド付鋼板2cと、下方のスタッド付鋼板2dのそ
れぞれの接合端縁に固着した上下端部鋼材3a,3bの
それぞれの端面を、シム33を介した上で対向させて高
力ボルト34によって緊締し、両スタッド付鋼板2c,
2dを接合しているものである。
【0016】上記図6及び図7に示す鉛直及び水平方向
の接合構造5,6は、例えば図8(a)〜(d)に示す
ようなものでもよい。すなわち、図8(a)は、各々の
スタッド付鋼板2a,2bの接合端縁を溶接し、この溶
接部に裏当材32を固着したものであり、(b)は、各
々のスタッド付鋼板2a,2bの接合端縁をスプライス
プレート10aで挟み、これらスタッド付鋼板2a,2
bとスプライスプレート10aとに貫通孔を形成した上
で高力ボルト34で緊締したものであり、さらに(c)
は、スタッド付鋼板2a,2bの接合端縁を折り曲げた
後、その折り曲げ面をシム33を介した上で対向させ、
これらを高力ボルト34で緊締し、リブ10bで補強し
たものであり、(d)は、スタッド付鋼板2a,2bの
スタッド4に異形鉄筋10cを固定し、これによって各
々のスタッド付鋼板2a,2bを接合したものである。
これら各接合構造は、鉛直及び水平方向のいずれにも適
用でき、設計ならびに施工条件により各部位ごとに選択
するとよい。
【0017】このような壁構造1は、建物の最下階では
以下のように固定されている。すなわち、図9は建物の
最下階における壁構造1の支持構造41の詳細を示すも
のであって、最下階用スタッド付鋼板2eの下部両面側
に、この面に対して垂直に複数の定着用スタッド42を
固着し、この定着用スタッド42を介して壁構造1の荷
重を壁差し筋43に伝達するようになっており、この壁
差し筋43は、コンクリートを打設してなる基礎盤40
まで延びて、その端部が前記基礎盤40内に先行埋設さ
れている。さらに、基礎盤40には、基礎用埋込板45
と、この基礎用埋込板45に固着したスタッドアンカ4
6等が埋設され、この基礎用埋込板45と、最下階用ス
タッド付鋼板2eに固着した下端部鋼材3bとを、レベ
ル調整用ボルト48を介した上で対向させてこれらを建
方用ボルト49によって緊締し、その後、基礎用埋込板
45と下端部鋼材3bとの間に、現場打ちコンクリート
11と同等の強度を有するグラウトモルタル47を充填
することにより接合している。
【0018】次に、上記の構成を有する壁構造1の施工
方法について説明する。図4及び図5は、壁構造1の施
工時におけるスタッド付鋼板2…及びPC版12…の割
り付け状態を示す図であり、図5において点線で示した
ものがスタッド付鋼板2…、実線で示したものがPC版
12…である。スタッド付鋼板は、上記図3に示したよ
うな平板状のものの他に、図4に符号Xで示すような断
面T字型あるいは断面十字型のコーナー部材もあり、以
下の説明において、平板状のスタッド付鋼板は、特に建
物の壁部に割り付ける壁用ユニット2A,断面T字型あ
るいは断面十字型のスタッド付鋼板は、特に建物のコー
ナー部に割り付ける柱用ユニット2Bと呼称する。
【0019】壁用ユニット2A及び柱用ユニット2B
は、工場において形成された後に、建築現場へ輸送され
る。つまり、壁用ユニット2Aは、鋼板3の片面に前記
各鋼材3a〜3fを固着した後、両面に複数のスタッド
4を固着させる。さらに壁構造1の前記壁貫通孔21の
形成位置に割り付けるものには、先付けスリーブ22を
固着させ、前記最下階用スタッド付鋼板2eとなるもの
には、定着用スタッド42を固着させる。また、柱用ユ
ニット2Bは、幅の小さい鋼板をT状あるいは十状に溶
着した後、壁用ユニット2Aと同様に各鋼材及び複数の
スタッドを固着させる。
【0020】単体の壁用ユニット2A及び柱用ユニット
2Bは、立ち上げた状態での高さが施工すべき建物の階
高と略等しく形成されているが、図9に示したような建
物の最下階における支持構造41により、壁構造1の上
に施工されるスラブ構造より高く割り付けられることに
なる。なお、複数の壁用ユニット2Aを工場において組
み立てる場合は、図10に示すように、各々の壁用ユニ
ットの接合端縁に断面L型の前記補強鋼材3e又は3f
を溶着し、これを裏当材として兼用できる。
【0021】上記ユニット2A,2Bの形成と同様に、
PC版12も工場にて形成する。つまり、PC版12
は、所定の大きさの型枠を製作し、この型枠内にコンク
リートを流し込んで形成する。さらに、前記埋込板1
6,天端埋込板19等も工場において同時に組み込んで
形成しておく。壁用ユニット2A,柱用ユニット2B及
びPC版12を工場において形成する一方、建築現場に
おいては、以下に示す施工手順により建物を構築する。
先ず建物の最下階に、図9に示したようなスタッドアン
カ46と、レベル調整用ボルト48及び建方用ボルト4
9を固着した基礎用埋込板45と、壁差し筋43ならび
に図2に示したレベル調整用ボルト52,建方用アンカ
ーボルト54とを配置し、基礎盤40となるコンクリー
トを打設する。
【0022】前記コンクリート打設後は、例えば図4に
示すような建物の区画にしたがって壁用ユニット2A及
び柱用ユニット2Bを順次割り付けていく。この割り付
けの際、先行して柱用ユニット2Bを配置してから、各
柱用ユニット2B間に壁用ユニット2Aを配置する。こ
れらユニット2A,2Bは、レベル調整用ボルト48を
所定のレベルに調整してから、図9に示す下端部鋼材3
bを前記建方用ボルト49で仮締めしてその脚部を仮固
定した後、図示しないワイヤロープ,サポート等の仮設
材によって修正する。この振れ止め完了後は、建方用ボ
ルト49を本締めして、各ユニット2A,2Bを堅固に
固定する。さらに、下端部鋼材3bと基礎用埋込板45
との間に、グラウトモルタル47を充填して、スタッド
付鋼板2の建方が完了する。この際、各ユニット2A,
2Bは、図6に示す端部補強鋼材3c,3dを介して建
方兼位置調整用ボルト31で固定する。
【0023】なお、図2に示す壁構造1の上にスラブ構
造を介して壁構造を連続して構築する場合は、スラブ構
造の天端より500mm程度各ユニット2A,2Bが立ち
上がる寸法で工場製作し、これによれば下階の壁構造の
各ユニット2A,2Bと、上階の壁構造の各ユニット2
A,2Bとの水平方向の現地接合が容易になる。各ユニ
ット2A,2Bの建方完了後、各々のユニット間の鉛直
方向の現地接合を、図6あるいは図8(a)〜(d)の
いずれかの方法により行う。この接合は、設計ならびに
施工条件にしたがい各部位ごとに適宜決定する。
【0024】そして、上記鉛直及び水平方向の接合が終
了した各ユニット2A,2Bから所定距離隔てて両側に
PC版12…を割り付ける。PC版12…の割り付け状
態は、例えば図4に示すようにし、トラス筋15を組み
込んだ側の面を内側に向けて配置する。PC版12の下
部の固定は、図2に示すように、PC版12に組み込ん
だ建方用一次金物18と基礎盤40(但し、上階はスラ
ブ構造)とを、建方用二次金物53を介してボルト55
及びアンカーボルト54で緊締し、基礎盤40とPC版
12下部の隙間にはグラウトモルタル51を充填する。
また、PC版12の頂部の固定は、天端埋込板19と各
ユニット2A,2Bとに図示しないPC版連結用鋼材を
介して、ボルトあるいは溶接で堅固に固定する。なお、
PC版12の工場製作における高さは、図2に示す壁構
造1の上に施工されるスラブ構造の下端までとする。
【0025】PC版12の建方完了後、図1に示す建物
の配管及び配線等に使用される壁貫通孔21とPC版1
2の鉛直方向の隙間処理をPC版ジョイント型枠14に
より行い、コンクリート打設時のコンクリート漏れ対策
をする。壁貫通孔21は、スタッド付鋼板2に予め組み
込まれている先付けスリーブ22の両開口端に、後付け
スリーブ23,24を溶接することにより固定し、これ
ら先付け及び後付けスリーブ22,23及び24の中空
部を以て構成される。さらに、図示しないが、構造設計
上必要な壁補強筋等があれば、コンクリート打設時に移
動しないようにPC版12又はスタッド付鋼板2等に堅
固に緊締して配設しておく。
【0026】この後、上記のようにして割り付けた壁用
ユニット2A及び柱用ユニット2Bと、PC版12との
間の空間に、コンクリート用バイブレータ等を使用し
て、未硬化の現場打ちコンクリート11をPC版12の
天端まで密実に打設する。この現場打ちコンクリート1
1が硬化した後は、図1に示す型枠14ならびに図2に
示す建方用二次金物53とアンカーボルト54等を撤去
し、壁と床に突起物がないようにする。
【0027】この後、図2に示すスラブ用型枠63及び
PC版上部固定用鋼材66を敷設し、さらに上下端筋6
4,65を配筋してスラブコンクリートを打設し、上側
のスラブ構造62を施工する。スラブコンクリートの打
設に先立ち、上階の壁構造1を構築するための建方用ア
ンカーボルト54,レベル調整用ボルト52と、図示し
ないが構造上必要な壁補強筋等を、各々スラブ構造の所
定位置に予め組み込んでおき、このスラブ構造62の上
の壁構造の施工準備をする。この作業を繰り返し行い、
建物一階の壁構造,二階のスラブ構造,二階の壁構造,
三階のスラブ構造…と順次施工していく。
【0028】このようにして建物を施工すれば、壁構造
の構造材となるスタッド付鋼板2と、コンクリート打設
時の型枠となるPC版12とは勿論、その他の構造材の
殆どを予め工場等で生産できるので、建築現場における
施工作業を簡略化することができ、したがって工期を短
縮させ、現地作業員を削減することができる。また、ス
タッド付鋼板2と、PC版12との間の距離を適宜接
近,離間させることによって、様々な厚さの壁構造を施
工することができ、特に原子力施設のような壁厚の大き
い建物を施工する際に非常に好適である。
【0029】なお、図11は、柱用ユニット2Bを構成
する鋼材の組み合わせパターンと、鉛直方向における壁
用ユニット2A及び柱用ユニット2Bの建築現場での接
合パターンとをまとめて示したもので、この図中のパタ
ーンにしたがい、設計ならびに施工条件を考慮して適宜
組み合わせることにより、合理的な施工を実現すること
ができる。
【0030】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の建物の壁構造及びその施工方法によれば、以下の効果
を得ることができる。請求項1に記載のものによれば、
金属板の両面に、この面に対して略垂直に複数のスタッ
ドを固着したスタッド付金属板と、前記金属板とは別の
金属板をT状あるいはクロス状に交叉させ且つこれに複
数のスタッドを固着してなり、前記スタッド付金属板と
繋ぎ合わせたコーナー部材と、これらスタッド付金属板
及びコーナー部材を挟んで両面側のPC版と、前記スタ
ッド付金属板及びコーナー部材とPC版との間の現場打
ちコンクリートとから建物の壁構造を構成したことで、
壁構造の構造材としての筋材が不要となり、建築現場に
おける前記筋材の組み立て作業を省略することができ、
したがって壁構造の施工作業を簡略化し、現地作業員を
削減することができる。また、前記スタッド付金属板を
例えば工場にて形成すれば、建築現場における施工作業
を大幅に短縮することができる。
【0031】また、請求項2に記載のものによれば、壁
構造の構造材となるスタッド付金属板及びコーナー部材
と、コンクリート打設時の型枠となるPC版とを予め工
場等で生産できるので、建築現場における施工作業を簡
略化し、現地作業員を削減することができ、したがって
工期を大幅に短縮することができる。また、スタッド付
金属板及びコーナー部材とPC版との間を接近,離間さ
せることによって、様々な厚さの壁構造を簡単に構築す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例として示した壁構造の水平断
面図である。
【図2】同壁構造とその上下のスラブ構造との鉛直断面
図である。
【図3】平板状のスタッド付鋼板の正面及び側面図であ
る。
【図4】スタッド付鋼板とPC版との作業現場における
割り付け状態を示す平面図である。
【図5】同展開図である。
【図6】スタッド付鋼板の鉛直方向の接合構造を示す詳
細図である。
【図7】同水平方向の接合構造を示す詳細図である。
【図8】鉛直及び水平方向の接合構造の他の例を示す図
である。
【図9】スタッド付鋼板の基礎盤への支持構造を示す詳
細図である。
【図10】スタッド付鋼板の工場における組み立て例を
示す説明図である。
【図11】柱用ユニットと壁用ユニットとの組み合わせ
と、鉛直方向の現地接合パターンとを表す図表である。
【符号の説明】
1 壁構造 2 スタッド付鋼板 3 鋼板 4 スタッド 11 現場打ちコンクリート 12 PC版 X コーナー部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板の両面に、この面に対して略垂直
    に複数のスタッドを固着してなるスタッド付金属板と、
    前記金属板とは別の金属板を断面T字状あるいは十字状
    に交叉させ且つこれに複数のスタッドを固着してなり、
    前記スタッド付金属板と繋ぎ合わせたコーナー部材と、
    これらスタッド付金属板及びコーナー部材を挟んで両面
    側のプレキャストコンクリート版と、前記スタッド付金
    属板及びコーナー部材とプレキャストコンクリート版と
    の間の現場打ちコンクリートとからなることを特徴とす
    る建物の壁構造。
  2. 【請求項2】 金属板の両面に、この面に対して略垂直
    に複数のスタッドを固着してスタッド付金属板を形成す
    る一方、前記金属板とは別の金属板を断面T字状あるい
    は十字状に交叉させ且つこれに複数のスタッドを固着し
    てコーナー部材を形成した後、これらスタッド付金属板
    をコーナー部材を介して繋ぎ合わせ、平断面矩形状に立
    ち上げて割り付けるとともに、前記スタッド付金属板及
    びコーナー部材の両側に、これらスタッド付金属板及び
    コーナー部材から所定距離隔ててプレキャストコンクリ
    ート版を立ち上げて配設し、さらに前記プレキャストコ
    ンクリート版を型枠としつつ未硬化のコンクリートを打
    設し、前記スタッド付金属板及びコーナー部材と前記プ
    レキャストコンクリート版とを一体化させることを特徴
    とする壁構造の施工方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100469124B1 (ko) * 2001-11-27 2005-02-02 주식회사 유 창 건축물용 벽구조물 및 그 제조방법
KR20200107209A (ko) * 2019-03-06 2020-09-16 (주)한울구조안전기술사사무소 강판 보강 전단벽

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