JPH078270A - 石油,廃油資化性新規微生物 - Google Patents

石油,廃油資化性新規微生物

Info

Publication number
JPH078270A
JPH078270A JP5159560A JP15956093A JPH078270A JP H078270 A JPH078270 A JP H078270A JP 5159560 A JP5159560 A JP 5159560A JP 15956093 A JP15956093 A JP 15956093A JP H078270 A JPH078270 A JP H078270A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
medium
petroleum
waste oil
test
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5159560A
Other languages
English (en)
Inventor
Ichiro Okura
一郎 大倉
Miki Kubo
幹 久保
Fumihiko Hasumi
文彦 蓮實
Etsuo Yamamoto
悦雄 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
General Sekiyu KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by General Sekiyu KK filed Critical General Sekiyu KK
Priority to JP5159560A priority Critical patent/JPH078270A/ja
Publication of JPH078270A publication Critical patent/JPH078270A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バイオサーファクタントを産生し、石油,
廃油を広く分解・資化する新規微生物を提供すること。 【構成】 シュウドモナス属に属し、バイオサーファ
クタントを産生し、石油,廃油を分解・資化する、シュ
ウドモナス・エルギノサ TY−29(FERM P−
13667)、及びシュウドモナス・エルギノサ TY
−30(FERM P−13668)の新規微生物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石油やエンジンオイル
等の廃油を分解・資化する新規微生物に関するものであ
る。
【0002】
【技術的背景】近年、タンカー事故に伴なう原油流出に
よる海洋汚染や、エンジンオイル等の廃油の焼却処理に
よる大気汚染並びに地中投棄による土壌汚染など、石
油,廃油に起因する環境汚染問題に対する関心が非常に
高まっている。本発明者等は、微生物を用いて石油,廃
油を生物学的に処理するための研究をする中で、石油,
廃油を広く分解・資化する新規微生物を見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、バイオサー
ファクタント(微生物由来の生分解性界面活性剤)を産
生し、石油,廃油を広く分解・資化して、石油,廃油を
生物学的に処理することが出来る新規微生物を提供せん
とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の石油,廃油資化
性新規微生物は、シュウドモナス属に属し、バイオサー
ファクタントを産生し、石油,廃油を分解・資化する微
生物であり、具体的には、シュウドモナス・エルギノサ
TY−29(FERM P−13667)、及びシュ
ウドモナス・エルギノサ TY−30(FERM P−
13668)である。
【0005】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、これら
の実施例は本発明を説明するための一例であって、本発
明の範囲を限定するものではない。
【0006】[新規微生物のスクリーニング] <スクリーニング用培地の調整>500ml振盪培養フラ
スコに、ペプトン1gと酵母エキス0.5g,塩化ナト
リウム0.5g,及び廃油(使用後のエンジンオイル)
1mlと水100mlを加え、オートクレーブ(121℃/
20min )にて滅菌を行ない、スクリーニング用培地と
した。
【0007】<前培養用LB液体培地及び単一菌株分離
用LB寒天培地の調整>ペプトン1gと酵母エキス0.
5g,塩化ナトリウム0.5gに蒸留水100mlを加
え、オートクレーブ(121℃/20min )にて滅菌し
た後、20ml用滅菌試験管に5mlずつ分注し、アルミキ
ャップしたものを前培養用LB液体培地とした。又、上
記のLB液体培地に寒天を2%加えたものを、単一菌株
分離用LB寒天培地として用いた。
【0008】而して、100ml三角フラスコに上記作成
したスクリーニング用培地100mlを入れ、そこに様々
な場所から採取してきた土壌サンプル0.5gを加え、
150rpmの振盪培養器で30℃,37℃及び50℃
にそれぞれ保持して48時間振盪培養した。振盪培養終
了後、各培養液100μlを10mlの希釈用滅菌水が入
った試験管に分注して希釈し、同様の希釈操作を繰り返
して培養液を106 まで希釈した。
【0009】これら各希釈培養液100μlを上記作成
した単一菌株分離用LB寒天培地(プレート)上に広げ
て植菌し、それぞれの温度で24時間静置培養し、LB
寒天培地上に成育したコロニーの数,色,形態などを観
察した。
【0010】そして、成育したコロニーを単一菌株(シ
ングルコロニー)として、それぞれ1株ずつ採取し、前
記前培養用液体培地に植菌し、シングルコロニーで石
油,廃油を分解・資化可能な菌株を選択した。
【0011】スクリーニングした結果、石油,廃油を分
解・資化可能な菌株約2000種類を単離することがで
き、この中から特に有効性が高い2つの菌株について同
定を行なった。
【0012】[菌株の同定]ここで分離選別した菌体の
菌学的性質を調べるために、Bergey’s Manual ofSyste
matic Bacteriology に基づき、グラム染色を始めとし
た種々の同定確認試験をそれぞれ下記の手法により行な
った。試験の結果を表1に示す。
【0013】1.グラム染色 Huckerの変法に従って、スライドガラス上に塗抹
し、乾燥後火炎固定した菌液について、Huckerの
液(1.5%クリスタルバイオレット−エタノール溶
液)で30秒間染色した。染色後ただちに水洗いし、L
ugol液で1分間媒染した。媒染終了後水洗し、さら
にアルコールで30秒間脱色し、ただちに水洗した。水
をよく切った後、サフラニンで30秒間染色を行なっ
た。染色した標本を顕微鏡で観察し、紫色に染色された
菌をグラム陽性とし、赤色に染色された菌をグラム陰性
とした。また、検鏡により被検菌の形態を観察した。
【0014】2.運動性 肉エキス10gとペプトン10g,塩化ナトリウム2
g,寒天5g及び蒸留水1000mlを加えてなる半流動
培地を試験管に分注し、121℃で15分間高圧蒸気滅
菌した後、高層に固めた。この培地に被検菌を白金線で
穿刺し、37℃で18〜24時間培養した。培養後、培
地全体が混濁した場合に運動性陽性とし、穿刺した白金
線の周りにだけ線状に発育した場合を陰性とした。
【0015】3.生育温度 下記組成の液状チオグリコレート培地を121℃で15
分間滅菌し、試験管に5mlずつ分注した。この培地に被
検菌を植え、25℃,37℃及び41℃の温度で静置培
養して、12時間または24時間後に培地が混濁したも
のを生育したと判断した。 <液状チオグリコレート培地の組成> L- シスチン 0.75g 0.1 %レザズリン 1.0ml 酵母エキス 5.0 g NaCl 2.5 g ブドウ糖 5.0 g カゼイン消化物 15.0 g 寒 天 0.75g チオグリコール酸ナトリウム 0.5 g 蒸留水 1000ml pH 7.2
【0016】4.発育:MacConkey 下記組成のMacConkey培地を121℃で15分
間高圧蒸気滅菌したのち、平板に固めた。この培地上に
白金線で画線培養(37℃,24時間)し、コロニーを
形成したものを陽性とした。 <MacConkey培地> 肉エキス 10g デオキシコール酸 2g ペプトン 10g ニュートラルレッド 30mg NaCl 2g クリスタルバイオレット 1mg 乳 糖 10g 蒸留水 1000ml
【0017】5.OF(Oxidation or Fermentation ) Hugh−Leifsonの方法に従って、下記組成の
OF培地を121℃で15分間高圧蒸気滅菌し、培地が
60℃程度に冷めたところで終濃度1%となるように濾
過滅菌したグルコースを加え、得られた培地を2本の試
験管にそれぞれ3mlずつ分注し、高層に固めた。この培
地に被検菌を穿刺し、1本の試験管には流動パラフィン
を1〜2cmの厚さに重層して嫌気的に培養し、他方の試
験管はそのまま好気的に培養した。各菌体の生育温度で
3〜4日間培養した後、酸化的糖分解を行なう菌で好気
的条件で培養した培地色調が黄変したものを(O)と表
記し、発酵的糖分解を行なう菌で好気的及び嫌気的両条
件で培地色調が黄変したものを(F)と表記した。 <OF培地の組成> トリプトン 2.0 g リン酸水素二カリウム 0.3 g NaCl 5.0 g B.T.B. 0.03g 寒 天 2.5 g 蒸留水 1000ml pH 7.1
【0018】6.SC培地 下記組成の培地を蒸留水に溶し約2mlずつ試験管に分注
し、121℃で15分間高圧蒸気滅菌した後、全斜面に
固めた。斜面部分に被検菌を植え、各菌の生育温度で1
8〜24時間培養した。この培地に含まれる唯一の炭素
源であるクエン酸を利用し生育した場合を陽性とした。
陽性の場合に、培地に含まれるブロム・チモールが緑色
から深青色に変色した。 <SC培地の組成> 塩化ナトリウム 5.0 g 硫酸マグネシウム 0.2 g リン酸二水素アンモニウム 1.0 g クエン酸ナトリウム 2.0 g リン酸水素二カリウム 1.0 g ブロム・チモール青 0.08g 寒天末 15.0 g 精製水 1000ml pH 6.8
【0019】7.NAC培地 下記組成のNAC培地を90℃で加熱溶解し、121℃
で1分間高圧蒸気滅菌した後、平板に固めた。この培地
上に白金線で画線培養(37℃,24時間)し、コロニ
ーを形成したものを成育陽性とし、さらにコロニーに着
色が観察されたものを色素産生陽性とした。 <NAC培地> ペプトン 20.0g リン酸水素二カリウム 0.3g 硫酸マグネシウム 0.3g セトリマイド 0.2g ナリジクス酸 15mg 寒 天 1000ml
【0020】8.TSI培地(H2 S産生能を含む) 下記組成のTSI培地を加熱溶解して、試験管に3mlず
つ分注し、121℃で15分間高圧蒸気滅菌した後、半
斜面に固めた。被検菌を白金線で斜面部に画線すると共
に、高層部に穿刺し、37℃で24時間培養した。斜面
部が黄変したものを斜面部陽性(乳糖および白糖のいず
れかを分解し酸を生産)とし、高層部が黄変したものを
高層部陽性(ブドウ糖を発酵的に分解し酸を生産)と
し、また高層部が黒変したものをH2 S陽性とした。 <TSI培地> ペプトン 20.0g 硫酸鉄アンモニウム 0.2g NaCl 5.0g チオ硫酸ナトリウム 0.2g 乳 糖 10.0g フェノールレッド 20 mg 白 糖 10.0g 寒 天 12.0g ブドウ糖 1.0g 蒸留水 1000ml
【0021】9.オキシダーゼ テルモ(株)製バクトラボ オキシダーゼ・テストを用
いて試験した。即ち、二塩化N,N,N’,N’−テト
ラメチル−p−フェニレンジアミンを含んだ綿棒に被検
菌を付け、オキシダーゼ活性により生成する青紫色を生
じた場合に、オキシダーゼ陽性と判断した。
【0022】10.カタラーゼ 毛細管の一端に被検菌を付けた後、被検菌を付けた毛細
管の一端から3%過酸化水素水を吸い上げて、被検菌と
過酸化水素水とを毛細管内で混合させた。毛細管内で過
酸化水素分解にともない酸素の気泡が発生した場合を、
カタラーゼ陽性とした。
【0023】11.ゼラチンの液化 普通ブイヨン1000mlに精製ゼラチン100gを加
え、121℃で12分間高圧蒸気滅菌した培地を滅菌試
験管に3mlずつ分注し、高層に固めた。被検菌を高層部
分に穿刺し、各菌体の生育温度で1週間培養した。穿刺
線に沿ったゼラチン液化の有無を観察し、液化が観察さ
れたものを陽性とした。
【0024】12.硝酸塩還元能 0.1%硝酸ナトリウム加ブイヨン培地に被検菌を接種
し、菌体の生育温度で5日間培養した。得られた培養液
に、α- ナフチルアミン液(α- ナフチルアミン0.1
gを30%酢酸水溶液200mlに溶解したもの)1.0
mlとスルファニル酸液(スルファニル酸0.5gを30
%酢酸水溶液150mlに溶解したもの)1.0mlを加え
てよく混和させた後、30分以内に硝酸還元により生成
した亜硝酸による桃赤色を呈した場合を陽性とした。
【0025】13.硝酸からのガス産生 被検菌を硝酸塩還元試験用培地を用いて37℃で5日間
培養した後、培養液に亜鉛粉末を少量加え、気泡が発生
した場合を陽性とした。
【0026】14.インドール 下記組成のSIM培地を加熱溶解して、3mlずつ試験管
に分注し、121℃で15分間高圧蒸気滅菌した後、高
層に固めた。穿刺培養(37℃,24時間)の後、培地
にKovac試薬を加え、赤色を呈した場合にインドー
ル陽性とした。 <SIM培地> 肉エキス 3.0g 塩酸システイン 0.2g ペプトン 30.0g 寒 天 5.0g チオ硫酸ナトリウム 0.05g 蒸留水 1000ml クエン酸鉄アンモニウム 0.5g
【0027】15.King A,B培地 下記組成の培地を加熱溶解し、8mlずつ試験管に分注し
て121℃で15分間高圧蒸気滅菌し、斜面に固めた。
斜面部に被検菌を植菌し、37℃で24時間培養した。
King A培地で緑変した場合をKing A陽性と
し、KingB培地で緑変した場合をKing B陽性
とした。 <King A培地> バクトペプトン 20.0g グリセリン 10.0ml 塩化マグネシウム(無水) 1.4g 硫酸カリウム(無水) 1.0g 寒 天 15.0g 蒸留水 1000ml <King B培地> プロテオーゼペプトンNo3 20.0g グリセリン 10.0ml リン酸水素二カリウム 1.5g 硫酸マグネシウム 1.5g 寒 天 15.0g 蒸留水 1000ml
【0028】16.クリグラー培地 下記組成のクリグラー培地を試験管に分注した後、12
1℃で15分間高圧蒸気滅菌して高層斜面に固めた。斜
面部分および高層部分に被検菌を植え、各菌の生育温度
で18〜24時間培養した。培養後、斜面部分が黄変色
した場合を斜面部陽性(乳糖を分解し酸を生成)とし、
高層部分で黄変色した場合を高層部陽性(ブドウ糖を分
解し酸を生成)とした。尚、表1に示した(NC)は斜
面部陰性を、(R)は高層部陰性を、それぞれ意味す
る。 <クリグラー培地の組成> 肉エキス 4.0g ペプトン 15.0g 乳糖 10.0g ブドウ糖 1.0g 塩化ナトリウム 5.0g チオ硫酸ナトリウム 0.08g 亜硫酸ナトリウム 0.4g 硫酸第一鉄 0.2g フェノール赤 0.02g 寒天末 15.0g 精製水 1000ml pH 7.2
【0029】 17.Or(オルニチンからの脱炭酸試験) Difco社製 Standard Dehydrated Culture Medium
10.5g及びL−オルニチン10.0gを蒸留水10
00mlに溶解させ、121℃で15分間高圧蒸気滅菌
し、滅菌試験管に3mlずつ分注した。この培地に被検菌
を植菌し、各菌体の生育温度で18〜24時間培養し、
培地色調が小豆色から黄変したものを陽性とした。
【0030】18.Ly(リジンからの脱炭酸試験) Difco社製 Standard Dehydrated Culture Medium
10.5g及びL−オルニチン10.0gを蒸留水10
00mlに溶解させ、121℃で15分間高圧蒸気滅菌
し、滅菌試験管に3mlずつ分注した。この培地に被検菌
を植菌し、各菌体の生育温度で18〜24時間培養し、
培地色調が赤紫色から黄変したものを陽性とした。
【0031】 19.Ar(アルギニンからの脱炭酸試験) Difco社製 Standard Dehydrated Culture Medium
10.5g及びL−オルニチン10.0gを蒸留水10
00mlに溶解させ、121℃で15分間高圧蒸気滅菌
し、滅菌試験管に3mlずつ分注した。この培地に被検菌
を植菌し、各菌体の生育温度で18〜24時間培養し、
培地色調が茶褐色から黄変したものを陽性とした。
【0032】20.酸産生(糖の資化能判定) 前記のOF培地を121℃で15分間高圧蒸気滅菌し、
培地温度が60℃程度に冷めたところで濾過滅菌した糖
を1%の割合で加え、よく混和させた後、試験管に3ml
ずつ分注し、高層に固めた。この培地に被検菌を穿刺
し、各菌体の生育温度で24時間培養し、培地色調が黄
変したものを陽性とした。
【0033】
【表1】
【0034】以上の同定確認試験の結果から、ここで分
離選別した2つの菌株はそれぞれ同一の性質を有し、シ
ュウドモナス(Pseudomonas)属に属する菌
株であることが判明し、種名はエルギノサ(aerug
inosa)と同定され、夫々シュウドモナス・エルギ
ノサ TY−29及びシュウドモナス・エルギノサTY
−30と命名した。以後、これら菌株をそれぞれTY−
29,TY−30と称する。
【0035】これらの新菌株は、1993年6月1日に
工業技術院生命工学工業技術研究所において、TY−2
9がFERM P−13667として、またTY−30
がFERM P−13668として、夫々寄託された。
【0036】次に、これら新菌株TY−29及びTY−
30の石油,廃油に対する分解・資化の挙動、並びにバ
イオサーファクタント産生について検証する。
【0037】[石油,廃油に対する分解・資化能の測定
方法]石油,廃油分解・資化能の測定は、昭和49年9
月30日環境庁告示第64号の水質汚濁防止法に基づく
排水基準の検定方法に従いこれを改良して行なった。即
ち、下水道法の油分測定法(n−ヘキサンによる油分抽
出法)に基づき、実験室レベルに適合するように改良し
た。
【0038】具体的な測定方法を示す。 1.前培養:5ml, L培地で一夜培養したものを用い
る。 2.本培養:100mlL培地に1.0gの原油を入れた
ものを培地として用い、150回転/min の振盪培養器
で24時間培養する。
【0039】3.資化判定方法 n−ヘキサン30mlを本培養終了液に加え、激しく撹
拌しして残存油分を有機層に抽出する。 遠心管(試験管)に一部を移し、2000gで3分間
遠心する。 有機層から正確に5ml採取し、予め重量を測定したア
ルミ皿の中に移す。 乾燥庫内で50℃に保持し、60分間、n−ヘキサン
を乾燥させる。 重量を測定し、残存油分の重量を測定する。
【0040】4.空試験 水100mlに原油1gを加えたものを空試験の試料と
する。 前記資化判定方法で示した同様の操作により、n−ヘ
キサンで抽出される油分の重量を測定する。
【0041】5.石油資化量の定義 石油資化量=(1−分解試料(g)/空試験(g))×
100(%)で示す。何%油分が除去されたかをもって
石油資化量とする。
【0042】[新菌株による石油,廃油の分解・資化能
の測定]石油としてイラニアンヘビー(原油)を用い、
また廃油として使用後のエンジンオイルを用いて、それ
ぞれ上記の測定方法に従って新菌株による石油,廃油の
分解・資化量を測定した。その結果を下記の表2に示
す。
【0043】
【表2】 菌株名 廃 油 イラニアンヘビー TY−29 63.7% 85.4% TY−30 70.5% 86.8%
【0044】この様に、新菌体TY−29及びTY−3
0によれば、3%廃油を24時間で60%以上も分解・
資化し、また1%原油(イラニアンヘビー)を24時間
で85%以上も分解・資化していることが明らかになっ
た。
【0045】[新菌株のバイオサーファクタント活性の
測定]新菌株TY−29及びTY−30によるバイオサ
ーファクタントの産生を検証するために、L培地でもっ
て37℃に保持し24時間,150回転/min で振盪培
養した新菌株TY−29及びTY−30を用いて、バイ
オサーファクタント活性、すなわち培養後における表面
張力を測定した。表面張力の測定は、株式会社相互理化
学硝子製作所製の滴数計を使用して行なった。測定結果
を下記の表3に示す。
【0046】
【表3】 *JM109は、バイオサーファクタントを産生しない
コントロール実験用のものである。
【0047】この測定結果から、新菌株TY−29及び
TY−30ともに、著しい表面張力の低下が認られ、界
面活性物質であるバイオサーファクタントを産生分泌し
ていることが確認された。
【0048】[新菌株の生育とバイオサーファクタント
生産]新菌株TY−29及びTY−30をそれぞれL培
地に植菌し、菌体の生育と、バイオサーファクタントの
生産の関係を調べた。菌体の生育の測定は、菌体の増殖
を660nmの吸光度を測定することにより行ない、バ
イオサーファクタント生産の測定は、イラニアンヘビー
1mlが乳化する面積を測定し、1cm2 を1ユニット(u
/ml)として表した。測定の結果を図1及び図2に示
す。図中、白丸は菌体の生育を示し、黒丸はバイオサー
ファクタント生産を示す。
【0049】図1及び図2から明らかなように、新菌株
TY−29及びTY−30は増殖に伴い高いバイオサー
ファクタントを産生し、生育が終了した後にバイオサー
ファクタントを生産していた。
【0050】
【発明の効果】以上の通り、本発明に係る新規微生物シ
ュウドモナス・エルギノサ TY−29及びシュウドモ
ナス・エルギノサ TY−30はバイオサーファクタン
トを有効的に産生し、石油やエンジンオイル等の廃油を
高度に分解・資化することが可能であり、本発明に係る
新規微生物を用いれば、石油やエンジンオイル等の廃油
を生物学的に処理することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る新菌株TY−29の生育とバイ
オサーファクタント生産の経時変化を示すグラフ図。
【図2】 本発明に係る新菌株TY−30の生育とバイ
オサーファクタント生産の経時変化を示すグラフ図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:385) (72)発明者 山本 悦雄 神奈川県川崎市川崎区浮島町6番1号 ゼ ネラル石油株式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シュウドモナス属に属し、バイオサーフ
    ァクタントを産生し、石油,廃油を分解・資化する新規
    微生物。
  2. 【請求項2】 石油,廃油を分解・資化する微生物がシ
    ュウドモナス・エルギノサ TY−29(FERM P
    −13667)である請求項1記載の新規微生物。
  3. 【請求項3】 石油,廃油を分解・資化する微生物がシ
    ュウドモナス・エルギノサ TY−30(FERM P
    −13668)である請求項1記載の新規微生物。
JP5159560A 1993-06-29 1993-06-29 石油,廃油資化性新規微生物 Pending JPH078270A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5159560A JPH078270A (ja) 1993-06-29 1993-06-29 石油,廃油資化性新規微生物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5159560A JPH078270A (ja) 1993-06-29 1993-06-29 石油,廃油資化性新規微生物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH078270A true JPH078270A (ja) 1995-01-13

Family

ID=15696407

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5159560A Pending JPH078270A (ja) 1993-06-29 1993-06-29 石油,廃油資化性新規微生物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH078270A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6649400B2 (en) 1999-03-29 2003-11-18 Technology Licensing Organization Inc. Bacteria mixture having heavy oil degrading ability and method of treating oil components
JP2019208460A (ja) * 2018-06-07 2019-12-12 シーシーアイホールディングス株式会社 油脂の新規分解微生物
CN111440742A (zh) * 2020-04-08 2020-07-24 天津科技大学 一种用于石油烃降解的铜绿假单胞菌突变株

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6649400B2 (en) 1999-03-29 2003-11-18 Technology Licensing Organization Inc. Bacteria mixture having heavy oil degrading ability and method of treating oil components
JP2019208460A (ja) * 2018-06-07 2019-12-12 シーシーアイホールディングス株式会社 油脂の新規分解微生物
CN111440742A (zh) * 2020-04-08 2020-07-24 天津科技大学 一种用于石油烃降解的铜绿假单胞菌突变株

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Balan et al. Decolorization of textile indigo dye by ligninolytic fungi
Stanier Studies on marine agar-digesting bacteria
Farquhar et al. Identification of filamentous microorganisms in activated sludge
Bakshi et al. Enhanced biodecolorization of synthetic textile dye effluent by Phanerochaete chrysosporium under improved culture conditions
EP4050094B1 (en) Efficient petroleum degradation bacteria tdyn1t and use thereof
Wood et al. Isolation and characterisation of Thiobacillus halophilus sp. nov., a sulphur-oxidising autotrophic eubacterium from a Western Australian hypersaline lake
DE2413963B2 (de) Verfahren zur Herstellung von 2-Keto-L-gulonsäure und deren Salzen auf mikrobiologischem Wege
US5882882A (en) Gel matrix with redox purple for testing and characterizing microorganisms
Chiu et al. Submerged production of Monascus pigments
DE3127979A1 (de) Verfahren zur erzeugung von cholesterase und deren anwendung
EP0082814A1 (de) Mikroorganismen des Genus Pseudomonas und Verfahren zum Abbau von Methylgruppen-haltigen Verbindungen in wässrigen Lösungen
CN103695332B (zh) 一种柴油污染型场地微生物降解菌
JPH078270A (ja) 石油,廃油資化性新規微生物
EP0082114A1 (de) Mikroorganismen des Genus Hyphomicrobium und Verfahren zum Abbau von Methylgruppen-haltigen Verbindungen in wässrigen Lösungen
Siddque et al. Isolation and identification of orange M2R and green GS dye decolourizing Bacteria from textile sludge (soil) samples and determination of their optimum decolourization conditions
CN114134066B (zh) 一株高产脂肪酶菌株及其在油脂降解中的应用
FR2766478A1 (fr) Procede de traitement bacterien d'effluents contenant de l'ethyl-tert-butyl ether
US5518726A (en) Hydrocarbon emulsifier or solubilizer composition produced by Flavobacterium FERM BP-4010
DE69632360T2 (de) Mikroorgamismemutanten die Oxygenase exprimieren, Verfahren zur biologischen Abbau von organischen Verbindungen und zur Sanierung der Umwelt damit
JPH078271A (ja) 石油,廃油資化性新規微生物
KR20020044733A (ko) 유류분해 미생물제제 및 그 제조방법
Cook The bacterial degradation of synthetic anionic detergents
Updegraff The production of phenol and para-cresol by marine bacteria
CN111235052A (zh) 一株嗜热地衣芽孢杆菌及其应用
KR0141065B1 (ko) 생물계면활성제를 생산하는 미생물