JPH0782084A - 単結晶成長方法及び単結晶成長装置 - Google Patents

単結晶成長方法及び単結晶成長装置

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JPH0782084A
JPH0782084A JP23320993A JP23320993A JPH0782084A JP H0782084 A JPH0782084 A JP H0782084A JP 23320993 A JP23320993 A JP 23320993A JP 23320993 A JP23320993 A JP 23320993A JP H0782084 A JPH0782084 A JP H0782084A
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正彦 奥井
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俊幸 藤原
Takayuki Kubo
高行 久保
Hideki Fujiwara
秀樹 藤原
Shuichi Inami
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 融液から結晶を引き上げながら成長させるS
i単結晶14の成長方法において、成長させたSi単結
晶14を1200℃から700℃の温度範囲において急
冷する単結晶成長方法。 【効果】 Si単結晶引き上げ時の酸素析出物の成長を
抑制することができ、高品質のSi単結晶14を製造す
ることができる。また前記方法により得られたSi単結
晶14より作製されたSiウエハではその後の熱処理等
においてもOSFの発生を少なくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は単結晶成長方法及び単結
晶成長装置に関し、より詳細には半導体材料として使用
される高品質のSi単結晶を成長させることができる単
結晶成長方法及び単結晶成長装置に関する。
【0002】
【従来の技術】単結晶を成長させるには種々の方法があ
るが、その一つにチョクラルスキー法(以下、CZ法と
記す)がある。図6は従来のCZ法に用いられる単結晶
成長装置を模式的に示した断面図であり、図中31は坩
堝を示している。
【0003】この坩堝31は、有底円筒形状の石英製の
内層保持容器31aと、この内層保持容器31aの外側
に嵌合された同じく有底円筒形状の黒鉛製の外層保持容
器31bとから構成されており、坩堝31は図中の矢印
方向に所定の速度で回転する支持軸38に支持されてい
る。この坩堝31の外側には抵抗加熱式のヒータ32
が、ヒータ32の外側には保温筒37が、それぞれ同心
円状に配置されており、坩堝31内にはこのヒータ32
により溶融させた結晶用原料の溶融液33が充填されて
いる。また、坩堝31の中心軸上には引き上げ棒あるい
はワイヤー等からなる引き上げ軸34が吊設されてお
り、この引き上げ軸34の先にシードチャック34aを
介して取り付けられた種結晶35を溶融液33の表面に
接触させ、支持軸38と同一軸心で同方向または逆方向
に所定の速度で回転させながら引き上げ軸34を引き上
げることにより、溶融液33を凝固させて単結晶36を
成長させている。
【0004】ところで、半導体の単結晶36をこの引き
上げ方法で引き上げる場合、単結晶36の電気抵抗率や
電気伝導型を調整するために、引き上げ前に溶融液33
中に不純物を添加することが多い。しかし通常のCZ法
においては、単結晶36と溶融液33との間に生じるい
わゆる偏析現象に起因して、単結晶36の成長軸方向に
均一な電気抵抗率を有する単結晶36が得られないとい
う問題があった。
【0005】前記偏析現象とは、単結晶36の凝固の際
に、単結晶36と溶融液33との界面において単結晶3
6中に取り込まれる不純物濃度と溶融液33中の不純物
濃度とが一致しないことをいうが、実効偏析係数Ke
(単結晶中36の不純物濃度/溶融液33中の不純物濃
度)は1より小さくなる場合が多い。この場合、単結晶
36が成長するとともに前記偏析現象のために溶融液3
3中の不純物濃度が次第に高くなるので、単結晶36中
の不純物濃度も次第に高くなり、電気抵抗が小さくなっ
てくる。従って前記の方法で成長した単結晶36には、
一部電気抵抗率に関し基準を満たさないものが製造され
てしまい、歩留まりが低くなる。
【0006】そこで、上記した偏析現象の発生に起因し
た歩留りの低下を防止し、電気抵抗率に関する歩留まり
を上げる単結晶引き上げ方法として溶融層法が開発され
ている。
【0007】図7は、前記溶融層法に用いられる単結晶
成長装置を模式的に示した断面図である。この溶融層法
の基本的な特徴は、図6に示したものと同様に構成され
た坩堝31内の結晶用原料をヒータ32で溶融させて、
上層には溶融層43を、下層には固体層49を形成し、
単結晶の成長とともに、固体層49を次第に溶出させる
ことによって、溶融層43中の不純物濃度を一定に保つ
ことにある。装置のその他の部分の構成は前記CZ法に
用いられる装置と同様であり、上記した部分を除いて単
結晶46の引き上げ方法もCZ法による引き上げ方法と
ほぼ同様である。
【0008】そして、前記溶融層法には、溶融層43中
の不純物濃度を一定に保つ方法として異なる二つの方
法、すなわち溶融層厚一定法及び溶融層厚変化法が提案
されている。
【0009】この溶融層厚一定法として、不純物を含有
しない固体層49を単結晶46の引き上げに伴って溶融
させつつ、溶融層43の体積を一定に保ち、溶融層43
には不純物を連続的に添加して溶融層43中の不純物濃
度を一定に保つ方法があり、特公昭34−8242号公
報、特公昭62−880号公報及び実公平3−7405
号公報等に前記した方法が開示されており、また固体層
49中に先に不純物を含有させておき、不純物を溶融層
43には添加せず、単結晶46の引き上げ中における溶
融層43の体積を一定に保ち、溶融層43の不純物濃度
をほぼ一定に保つ方法が、特公昭62−880号公報及
び特開昭63−252989号公報に開示されている。
【0010】溶融層厚変化法は、意図的に溶融層43の
体積を変化させることにより、単結晶46の引き上げ中
に不純物を添加することなく溶融層43中の不純物濃度
を一定に保つ方法であり、特開昭61−205691号
公報、特開昭61−205692号公報及び特開昭61
−215285号公報に開示されている。
【0011】なお、上記した二つの溶融層法において、
溶融層43の厚さの制御は、発熱体としてのヒータ32
の長さやパワー、坩堝31の位置や深さ及びヒータ32
の外側に周設され、坩堝31下部の熱移動を促進する保
温筒37の形状及び材質を、適切に選択することにより
行われる。
【0012】上記したように、溶融層法では溶融層43
中の不純物濃度をほぼ一定に保つことができるので、電
気抵抗率に関する歩留まりを改善することができる。
【0013】また、特開平5−24972号公報に示さ
れているように、2段のヒーターを用いて固体層49の
溶出量を制御しつつ単結晶46の引き上げを行い、単結
晶引き上げ時の溶融層43中の不純物濃度を一定に保つ
方法によっても単結晶46の軸方向に関する電気抵抗率
が略一定である単結晶46を得ることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】単結晶の特性を左右す
る他の大きな因子として、単結晶中の酸素濃度がある。
LSI基板として用いられるSi単結晶の殆どは、CZ
法により得られたものであり、このCZ法により得られ
たSi単結晶中には、引き上げ中に石英坩堝より混入し
た酸素原子が約15×1017atoms/cm3 と多量
に存在し、そのために格子間に存在する酸素原子は通常
過飽和の状態になっている。
【0015】この過飽和に含まれる酸素原子はSi単結
晶中に固溶せず、冷却されるに従って酸素析出物を形成
する。この酸素析出物の成長過程において、歪を緩和す
るために、格子間Si原子の放出、空孔の吸収、パンチ
アウトと呼ばれる転位ループの発生等の現象を引き起こ
す。また、格子間に存在するSi原子は、高温熱処理時
に酸素析出物の周囲に凝集し、積層欠陥を伴った転位ル
ープを形成する。
【0016】このような過飽和の酸素により発生する結
晶の欠陥は、ウエハ表面から深いところ、すなわちデバ
イスの活性領域よりも深いところに存在する場合には、
ウエハ中に発生した転位を固着し、ウエハの強度を増大
させるとともに、ウエハの熱処理過程において酸素析出
物を成長させてその周りに歪を発生させ、デバイス作製
工程でウエハの表面領域に侵入する不純物を捕獲し、デ
バイスの活性領域の汚染を防止するという利点を有す
る。
【0017】ところが、酸素析出物や転位ループがウエ
ハ表面のデバイス活性領域に侵入すると、リーク電流を
増大させる原因となり、デバイス特性を劣化させるとい
う問題が生じる。特に、ウエハを熱酸化する場合、熱酸
化中にウエハ表面より成長する酸化膜から放出される格
子間Si原子の凝集によって成長する積層欠陥を伴った
転位ループ(酸素誘起積層欠陥(OSF))がウエハ表
面に発生するという課題があった。
【0018】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、Si単結晶中の酸素析出物の発生及び成長を抑制
し、引き上げ後にSi単結晶の熱処理等を行ってもOS
Fの発生が抑制され、高品質のSi単結晶の製造が可能
な結晶成長方法及び単結晶成長装置を提供することを目
的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために検討を行った結果、酸素析出物の発生
及び成長は、引き上げられたSi単結晶が通過する中温
度領域、すなわち単結晶の引き上げ軸方向に形成される
1200〜700℃の温度領域において促進され、この
温度領域におけるSi単結晶を急速に冷却することによ
り酸素析出物の成長を抑制することができ、引き上げ後
にSi単結晶の熱処理等を行ってもOSFの発生が低減
され、高品質のSi単結晶が得られることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0020】すなわち本発明に係る単結晶成長方法は、
融液から結晶を引き上げながら成長させるSi単結晶の
成長方法であって、成長させたSiの単結晶を1200
℃から700℃の温度範囲において急冷することを特徴
としている。
【0021】また、本発明に係る単結晶成長装置は、坩
堝内の融液を引き上げて単結晶を成長させる単結晶成長
装置であって、坩堝の上方に熱遮蔽体と、該熱遮蔽体を
冷却する冷却装置とを備えることを特徴としている。
【0022】本発明に係る単結晶成長方法は、前述のC
Z法、溶融層法等のいずれの方法にも適用することがで
きる。引き上げられる単結晶は、引き上げ方法、単結晶
成長装置の大きさ、引き上げられる単結晶の直径等によ
りその熱履歴が異なるため、一概には言えないが、従来
は引き上げた単結晶を1200℃から700℃に冷却す
るのに、7時間程度の時間を要していた。しかし、本発
明では、5時間程度で、1200℃から700℃に冷却
するため、酸素の析出が抑えられ、得られたSi単結晶
より作製されたウエハにおいては、その後の熱処理等の
際にもOSFの発生が抑制される。
【0023】通常、CZ法や溶融層法による引き上げ装
置において使用されている熱遮蔽体は、逆円錐形状で坩
堝の上方に配設されているが、この熱遮蔽体の中間部か
ら上部辺りが単結晶の中温域(1200〜700℃)と
なっており、本発明の方法ではその部位を冷却し、その
温度領域にある時間を短縮するようにSi単結晶の熱履
歴を制御する。従って、前記熱遮蔽体の上部にヒートシ
ンクとなる冷却装置を接触させれば、前記熱遮蔽体の上
部及び中間部分を冷却することができ、前記Si単結晶
の熱履歴の制御が可能になる。
【0024】前記冷却装置や前記熱遮蔽体は上下方向に
移動可能なものであってもよく、前記冷却装置と前記熱
遮蔽体とが結合されてこれらが一体として移動できる構
成であってもよい。また、前記冷却装置や前記熱遮蔽体
の内部に冷媒を流すことができるような構造になってい
てもよい。前記冷却装置や前記熱遮蔽体に、例えば水等
の冷媒を流す場合には、その流量を変化させることによ
り、前記熱遮蔽体の冷却能力を変化させることができ
る。また、前記熱遮蔽体の上部や前記冷却装置は、例え
ばMo等の高融点金属やAlNやSiC等のセラミック
ス等からなる熱伝導性の良い材料により形成されている
のが好ましい。
【0025】前記冷却装置や前記熱遮蔽体を上下方向に
移動させる機構としては、高温に耐えられ、このような
密閉構造を有する装置に用いられて、チャンバ内部の前
記冷却装置や前記熱遮蔽体を移動させてもチャンバ内部
の気密性が確保できるものであれば特に限定されない。
前記移動機構の具体例としては、例えばナット状にネジ
孔が切られた部材がチャンバの一部に固定され、ボルト
状にネジが切られた金属棒と前記部材とが螺合され、ネ
ジの切られた前記金属棒を回転させることにより、該金
属棒の先端に固定された冷却装置等を移動させる機構
や、油圧によりピストンを上下動させることができる油
圧シリンダがチャンバの外部に配設され、前記ピストン
の先端がチャンバ内部の冷却装置に接続、固定され、こ
のピストンを上下動させることにより冷却装置を移動さ
せる機構等が挙げられる。
【0026】
【作用】本発明に係る結晶成長方法によれば、融液から
結晶を引き上げながら成長させるSi単結晶の成長方法
であって、成長させたSiの単結晶を1200℃から7
00℃の温度範囲において積極的に冷却するので、Si
単結晶引き上げ時の酸素析出物の発生及び成長が抑制さ
れ、高品質のSi単結晶が製造される。この方法により
得られたSi単結晶より作製されたウエハではその後の
熱処理等においてもOSFの発生が抑制される。
【0027】また、本発明に係る結晶成長装置によれ
ば、坩堝内の融液を引き上げて単結晶を成長させる単結
晶成長装置であって、坩堝の上方に熱遮蔽体と、該熱遮
蔽体を冷却する冷却装置とを備えており、成長させたS
iの単結晶が1200℃から700℃の温度範囲におい
て容易に確実に急冷され、Si単結晶引き上げ時の酸素
析出物の発生及び成長が抑制され、高品質のSi単結晶
が製造される。
【0028】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係る単結晶成長装
置の実施例及び該単結晶成長装置を用いて本発明に係る
単結晶成長方法により単結晶を引き上げた実施例を図面
に基づいて説明する。
【0029】本実施例では、溶融層法を用いて単結晶の
引き上げを行った。図1は実施例に係る単結晶成長装置
を模式的に示した断面図であり、図中19はメインチャ
ンバーを示している。また、図2は図1に示した単結晶
成長装置の切断面を引き上げ軸17を中心としてを90
°回転させた場合の断面図である。
【0030】メインチャンバー19は、円筒形状の真空
容器であり、メインチャンバー19の中央位置には坩堝
11が配設されている。また坩堝11は有底円筒形状の
石英製の内層保持容器11aとこの内層保持容器11a
の外側に嵌合された同じく有底円筒形状の黒鉛製の外層
保持容器11bとから構成されている。本実施例では、
例えば直径が16インチ、高さが14インチの内層保持
容器11aが用いられている。さらに、この坩堝11の
外層保持容器11bの底部には坩堝11を回転、並びに
昇降させる支持軸16が配設されており、坩堝11の外
周には、例えば90mm程度の発熱長を有するメインヒ
ータ15aが、そしてメインヒータ15aの下方にはメ
インヒーター15aと同径で、例えば90mm程度の発
熱長を有するサブヒータ15bが、それぞれ同心円筒状
に配設されており、メインヒータ15a及びサブヒータ
15bの外側には保温筒22が周設されている。
【0031】一方、坩堝11の上方にはメインチャンバ
ー19の上部に連設形成された小型の円筒形状のプルチ
ャンバー20を通して、引き上げ軸17が回転、並びに
昇降可能に吊設されており、引き上げ軸12の下端には
シードチャック12aを介して種結晶18が装着されて
いる。そして、この種結晶18の下端を溶融層12中に
浸漬した後、種結晶18及び坩堝11を回転させつつ種
結晶18を上昇させることにより、種結晶18の下端か
らSi単結晶14を成長させるようになっている。
【0032】次に、実施例に係る単結晶成長装置の主要
部分である熱遮蔽体21及び冷却装置23について、以
下に説明する。
【0033】坩堝11の上方には、引き上げられるSi
単結晶14の周囲を取り囲むように逆円錐形状をした熱
遮蔽体21が配設されており、この熱遮蔽体21は保温
筒22を構成する部材に設置されている。このような位
置に熱遮蔽体21が配設されることにより、坩堝11や
坩堝11の中で溶融された溶融層12やメインヒータ1
5b等からの輻射熱を断熱し、Si単結晶14が過度に
加熱され、結果的に徐冷されるのを防止している。
【0034】この熱遮蔽体21の上部21aには、冷却
装置23が接触しており、このように熱遮蔽体21に冷
却装置23が接触することにより、熱遮蔽体21の上部
21aが冷却され、これにより引き上げられるSi単結
晶14がさらに急速に冷却されるようになっている。
【0035】図3(a)は冷却装置23の構成を模式的
に示した縦断面図であり、(b)は(a)に示した冷却
装置のC−C線断面図である。また、図4(a)は図3
に示した冷却装置23の切断面を点Sを中心軸として9
0°回転させた場合を示した部分断面図であり、(b)
は(a)に示した冷却装置23の移動機構部分26のA
−A線断面図であり、(c)は同じく(b)に示した冷
却装置の移動機構部分26のB−B線断面図である。
【0036】図3及び図4に示したように、冷却装置2
3は中空円板形状の冷却板24、冷却板に冷媒を流通さ
せるために冷却板24に接続された2本の冷媒流通管2
5及び冷却板を移動させるための移動機構部分26から
構成されている。冷却板24は冷媒を流通させることが
できるようにその内部が空洞24aとなっており、冷却
板24に接続されている2本の冷媒流通管25を通して
空洞24aに冷媒が供給されるようになっている。移動
機構部分26は、冷却板24の上部に回転可能に接続さ
れ、ボルト状にネジが切られたネジ付き棒26a、ネジ
付き棒26aが螺合している固定用部材26b、及びネ
ジ付き棒26aの先端が固定されているモータ26cよ
り構成されている。支持用部材26bは、実際は図2に
示したように二つの部分に分割され、メインチャンバー
19に固定されている。また固定部材26bには図4
(b)に示したようにモータ26cの上下移動が可能な
ように案内用の溝部26dが形成されており、このネジ
付き棒26aが時計回りに回転すると冷却板24は上方
に移動し、このネジ付き棒26aが反時計回りに回転す
ると冷却板24は下方に移動するようになっている。図
には示していないが、メインチャンバー19に冷却装置
23が配設されてもメインチャンバー19内の気密が保
持できるように、ネジ付き棒26aや冷媒流通管25と
メインチャンバー19との間はO−リング等により密封
されている。また、熱遮蔽体21の上部21aは熱伝導
性が良好なMoにより形成されている。
【0037】この様に構成された単結晶引き上げ装置を
用いて単結晶14を成長させる場合、坩堝11内に結晶
用原料として例えばシリコンの多結晶65kgを充填
し、その中にn型ドーパントのリン−シリコン合金を
0.6g添加する。そしてメインチャンバー19内を1
0TorrのAr雰囲気にした後、メインヒータ15a
及びサブヒータ15bのパワーを各々50kW程度、計
100kW程度にして全ての結晶用原料を溶融させる。
次にサブヒータ15bのパワーを0kW、メインヒータ
15aのパワーを70kW程度にし、溶融液下部に固体
層13を形成する。この後、種結晶18の下端を溶融層
12に浸漬し、坩堝11及び引き上げ軸17を(坩堝1
1の回転/引き上げ軸17の回転)=1rpm/10r
pmの比になるように回転させつつ、単結晶18を引き
上げる。単結晶18の引き上げがネック、ショルダーと
移行し、ボディーへ移るとヒーターパワーを調整し、固
体層13の溶出量を制御して、溶融層12の不純物濃度
を一定に保ち、引き上げ速度1mm/min、引き上げ
る単結晶14の直径が154mmに維持されるようにメ
インヒータ15aのパワーを調節する。
【0038】Si単結晶14を引き上げる際、冷媒とし
て、水を使用して冷却装置23内に流通させ、引き上げ
られるSi単結晶14の中温域(1200〜700℃)
となる部分を冷却した。また、この際に引き上げられる
Si単結晶14の温度は熱電対を用いて測定し、これに
よりSi単結晶14の所定の部分が1200℃から70
0℃に冷却されるまで、どの程度の時間を要したかを計
算した。
【0039】なお、比較例として、冷却装置23を単結
晶成長装置内に配設しなかった他は前記実施例と同様の
単結晶成長装置を用い、実施例の場合と同様にしてSi
単結晶14を引き上げた。
【0040】図5は実施例に係る単結晶成長装置を用い
て製造したSi単結晶14を使用して作製したSiウエ
ハと、比較例に係る従来の装置を用いて製造したSi単
結晶を使用して作製したSiウエハとに、酸素雰囲気中
で1000℃、16時間の熱処理を施し、Siウエハに
おけるOSFの発生個数を比較したグラフである。
【0041】なお、Si単結晶14が1200℃から7
00℃に冷却されるまでに要した時間は、実施例では5
時間、比較例では7時間である。
【0042】図5より明らかなように、比較例に係るS
i単結晶より作製したSiウエハのOSF発生率が10
〜20(個/cm2 )であったのに対し、実施例に係る
Si単結晶14より作製したSiウエハのOSF発生率
は0〜10(個/cm2 )と顕著に減少している。
【0043】実施例に係る単結晶成長方法によれば、融
液から結晶を引き上げながら成長させるSi単結晶14
の成長方法において、成長させたSi単結晶14を12
00℃から700℃の温度範囲において急冷するので、
Si単結晶引き上げ時の酸素析出物の発生及び成長を抑
制することができ、高品質のSi単結晶14を製造する
ことができる。また前記方法で得られたSi単結晶14
より作製されたSiウエハではその後の熱処理等におい
てもOSFの発生を少なくすることができる。また、実
施例に係る結晶成長装置によれば、坩堝11内の融液を
引き上げて単結晶14を成長させる単結晶成長装置にお
いて、坩堝11の上方に熱遮蔽体21を備え、熱遮蔽体
21が冷却装置23と接触しているので、成長させたS
i単結晶14を1200℃から700℃の温度範囲にお
いて容易に確実に急冷することができ、Si単結晶引き
上げ時の酸素析出物の発生及び成長を抑制することがで
き、従って高品質のSi単結晶14を製造することがで
きる。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る単結晶
成長方法にあっては、融液から結晶を引き上げながら成
長させるSi単結晶の成長方法であって、成長させたS
i単結晶を1200℃から700℃の温度範囲において
急冷するので、Si単結晶引き上げ時の酸素析出物の成
長を抑制することができ、高品質のSi単結晶を製造す
ることができる。また前記方法により得られたSi単結
晶より作製されたSiウエハではその後の熱処理等にお
いても、OSFの発生を少なくすることができる。
【0045】また、本発明に係る単結晶成長装置にあっ
ては、坩堝内の融液を引き上げて単結晶を成長させる単
結晶成長装置であって、坩堝の上方に熱遮蔽体と、該熱
遮蔽体を冷却する冷却装置とを備えるので、成長させた
Si単結晶を1200℃から700℃の温度範囲におい
て容易に確実に急冷することができ、Si単結晶引き上
げ時の酸素析出物の成長を抑制することができ、従って
高品質のSi単結晶を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る単結晶成長装置を模式的
に示した断面図である。
【図2】図1に示した単結晶成長装置の切断面を引き上
げ軸を中心としてを90°回転させた場合の断面図であ
る。
【図3】(a)は冷却装置の構成を模式的に示した縦断
面図であり、(b)は(a)に示した冷却装置のC−C
線断面図である。
【図4】(a)は図3に示した冷却装置の切断面を点S
を中心軸として90°回転させた場合を示した部分断面
図であり、(b)は(a)に示した冷却装置の移動機構
部分のA−A線断面図であり、(c)は同じく(b)に
示した冷却装置の移動機構部分のB−B線断面図であ
る。
【図5】実施例に係る単結晶成長装置、及び比較例に係
る従来の装置を用いて製造したSi単結晶を使用してそ
れぞれ作製したSiウエハに熱処理を施し、Siウエハ
におけるOSFの発生個数を比較したグラフである。
【図6】従来のCZ法に用いられる単結晶成長装置を模
式的に示した断面図である。
【図7】従来の溶融層法に用いられる単結晶成長装置を
模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
11 坩堝 12 溶融層 14 Si単結晶 21 熱遮蔽体 23 冷却装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 秀樹 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 稲見 修一 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融液から結晶を引き上げながら成長させ
    るSi単結晶の成長方法であって、成長させたSiの単
    結晶を1200℃から700℃の温度範囲において急冷
    することを特徴とする単結晶成長方法。
  2. 【請求項2】 坩堝内の融液を引き上げて単結晶を成長
    させる単結晶成長装置であって、坩堝の上方に熱遮蔽体
    と、該熱遮蔽体を冷却する冷却装置とを備えることを特
    徴とする単結晶成長装置。
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