JPH0781931A - 球状カルサイト型炭酸カルシウム凝集体及びその製造方法 - Google Patents

球状カルサイト型炭酸カルシウム凝集体及びその製造方法

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JPH0781931A
JPH0781931A JP24874593A JP24874593A JPH0781931A JP H0781931 A JPH0781931 A JP H0781931A JP 24874593 A JP24874593 A JP 24874593A JP 24874593 A JP24874593 A JP 24874593A JP H0781931 A JPH0781931 A JP H0781931A
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calcite
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spherical
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JP24874593A
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Akio Kato
昭夫 加藤
Kenichiro Matsuda
健一郎 松田
Ryuko Tomota
龍興 友田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 球状のカルサイト型炭酸カルシウム粒子凝集
体及びその製造方法を提供する。 【構成】 0.01〜1μmの数平均粒子径を有するカ
ルサイト型炭酸カルシウムの一次粒子の凝集体からな
り、5〜100μmの数平均粒子径を有する球状カルサ
イト型炭酸カルシウム凝集体。水酸化カルシウムの水懸
濁液を、炭酸ガスと共に300〜1000℃に加熱され
た反応容器内に噴霧し、水酸化カルシウムと炭酸ガスと
を反応させる、上記の球状カルサイト型炭酸カルシウム
凝集体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、球状のカルサイト型炭
酸カルシウム凝集体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭酸カルシウムには、菱面体のカルサイ
ト、棒状のアラゴナイト及び球状のバテライトの三種の
結晶型が知られている。
【0003】充填性、流動性、分散性等の物性を良くす
るために球状の炭酸カルシウムが注目され、球状のバテ
ライト型炭酸カルシウムの製造方法について種々の提案
がなされている。しかしながら、バテライト型炭酸カル
シウムは水に対して不安定であるという問題点を有して
いる。即ち、バテライト型炭酸カルシウムは、水が存在
しない雰囲気下では常温、常圧で安定であるが、水分を
含む雰囲気下では容易に菱面体晶のカルサイトに変わ
り、球状形態が崩れて球形の優れた特性が失われること
になる。従って、球状のカルサイト型炭酸カルシウムを
製造できれば、これは水に対して安定であるので、水分
を含む雰囲気下で長期間安定に球状を維持することがで
きると期待される。
【0004】特開昭57−92521号公報には、球状
のバテライト型構造をもった炭酸カルシウムを400〜
800℃の温度で0.5〜24時間熱処理することによ
り得られた球状カルサイト型炭酸カルシウムが開示され
ている。特開昭57−92521号公報には明記されて
いないが、その製造法及び実施例の記載から推察して、
この公報に記載されている球状カルサイト型炭酸カルシ
ウムは単一の粒子であると考えられる。
【0005】また、特開昭57−92521号公報に記
載された球状カルサイト型炭酸カルシウムの製造方法に
於ては、その原料として使用する球状のバテライト型炭
酸カルシウムを製造する必要があり、球状のバテライト
型炭酸カルシウムを製造することが面倒でありその製造
工程自体球状のカルサイト型炭酸カルシウムを製造する
ためには余分の工程である。更に、バテライト型炭酸カ
ルシウムが水に対して不安定であることから、球状のカ
ルサイト型炭酸カルシウムを製造する工程で使用するま
での間バテライト型炭酸カルシウムをその球形を保持し
たまま水分を含まない雰囲気下に貯蔵しなくてはならな
いという問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、球状
のカルサイト型炭酸カルシウム粒子凝集体を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、球状のカルサイト型炭
酸カルシウム粒子凝集体を、容易に入手できる原料を使
用して簡単な工程で製造することができる球状カルサイ
ト型炭酸カルシウム凝集体の製造方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、0.01〜1
μmの数平均粒子径を有するカルサイト型炭酸カルシウ
ムの一次粒子の凝集体からなり、5〜100μmの数平
均粒子径を有することを特徴とする球状カルサイト型炭
酸カルシウム凝集体である。
【0008】他の本発明は、水酸化カルシウムの水懸濁
液を、炭酸ガスと共に300〜1000℃に加熱された
反応容器内に噴霧し、該水酸化カルシウムと炭酸ガスと
を反応させて、0.01〜1μmの数平均粒子径を有す
るカルサイト型炭酸カルシウムの一次粒子の凝集体から
なり、5〜100μmの数平均粒子径を有する球状カル
サイト型炭酸カルシウム凝集体を製造することを特徴と
する球状カルサイト型炭酸カルシウム凝集体の製造方法
である。
【0009】本発明の好適な態様は下記の通りである。
【0010】(1)球状カルサイト型炭酸カルシウム凝
集体のBET法による比表面積が2〜30m2 /gであ
る上記の球状カルサイト型炭酸カルシウム凝集体又はそ
の製造方法。
【0011】(2)反応容器内の温度が500〜750
℃であることを特徴とする上記の球状カルサイト型炭酸
カルシウム凝集体の製造方法。
【0012】本発明の球状カルサイト型炭酸カルシウム
は、図1及び図2に示すような0.01〜1μmの数平
均粒子径を有するカルサイト型炭酸カルシウムの一次粒
子の凝集体からなり、5〜100μmの数平均粒子径を
有するカルサイト型炭酸カルシウム凝集体である。
【0013】図1は、実施例1で本発明の製造方法によ
り製造された球状カルサイト型炭酸カルシウム凝集体の
SEM(走査型電子顕微鏡)写真であり、図2は図1の
一部拡大写真である。
【0014】図1から明らかなように、本発明の球状カ
ルサイト型炭酸カルシウム凝集体は、粒子径が大きいも
のから小さいものまで何れもほぼ球状の外観を有してい
る。なお、本明細書に於て、「球」は、球、回転楕円
体、及びこれらの類似形状物の形状を含めて意味し、長
径/短径の比が1/1〜1/2である形状のものを含め
て意味する。
【0015】図2から明らかなように、本発明の球状カ
ルサイト型炭酸カルシウム凝集体は、0.01〜1μ
m、好ましくは0.01〜0.5μmの数平均粒子径を
有する一次粒子の凝集体であり、5〜100μm、好ま
しくは20〜50μmの数平均粒子径を有する球状物で
ある。
【0016】図3は、実施例1で製造された球状カルサ
イト型炭酸カルシウム凝集体のX線回折像を示す。図4
は、標準試料のカルサイト型炭酸カルシウムのX線回折
像(ASTM X-Ray Powder Data File 50586 )であ
り、図3と図4とを対比させることによって、本発明の
球状カルサイト型炭酸カルシウム凝集体が実質的にカル
サイト型であることが明らかである。また、図5は、標
準試料の水酸化カルシウムのX線回折像(ASTM X
-Ray Powder Data File 40733 )であり、図3と図5と
を対比させることによって、本発明の球状カルサイト型
炭酸カルシウム凝集体には、原料として使用した水酸化
カルシウムが実質的に残留していないことが明らかであ
る。
【0017】本発明の球状カルサイト型炭酸カルシウム
凝集体を構成する一次粒子は、0.01〜1μmの数平
均粒子径を有するものであるが、0.01〜0.5μm
の数平均粒子径を有するものが、二次粒子凝集体の気孔
率を上げ、表面積をより大きくするので特に好ましい。
この一次粒子の形状は特に限定されないが球状のもので
あることが好ましい。
【0018】本発明の球状カルサイト型炭酸カルシウム
凝集体は、5〜100μmの数平均粒子径を有するもの
である。本発明の球状カルサイト型炭酸カルシウム凝集
体の数平均粒子径は、他の本発明である球状カルサイト
型炭酸カルシウム凝集体の製造方法に於ける製造条件を
種々変更することによって、所望の値に調節することが
できる。また、他の本発明の製造方法により得られた球
状カルサイト型炭酸カルシウム凝集体を適当に篩分けす
ることによっても、所望の数平均粒子径及び粒子径分布
を有する球状カルサイト型炭酸カルシウム凝集体を得る
ことができる。
【0019】本発明の球状カルサイト型炭酸カルシウム
凝集体は、比表面積が2〜30m2/gであって、本発
明の球状カルサイト型炭酸カルシウム凝集体と同程度の
数平均粒子径を有する従来のカルサイト型炭酸カルシウ
ムに比べて比表面積が大きいという特徴を有する。球状
カルサイト型炭酸カルシウム凝集体の比表面積は、軽量
で、気孔率が高く、吸着性に優れているという点で、特
に10〜30m2 /gであることが好ましい。
【0020】本発明の球状カルサイト型炭酸カルシウム
凝集体は、球状であるために充填性、流動性、分散性等
の物性が優れており、実質的にカルサイト型であるため
に、特に水に対して極めて安定であって長期間貯蔵する
ことができ、しかも比表面積が大きいので、コンクリー
ト、セメント・コンクリート二次製品、合成樹脂成形品
等の充填材、農薬を分解する微生物の担体等として利用
することができ、建材、包装材、農業用資材、医薬品、
脱臭剤、芳香剤、トナー、液晶表示素子等々の分野に広
範囲に利用することができる。
【0021】本発明の球状カルサイト型炭酸カルシウム
凝集体の製造方法は、水酸化カルシウムの水懸濁液を、
炭酸ガスと共に300〜1000℃に加熱された反応容
器内に噴霧し、該水酸化カルシウムと炭酸ガスとを反応
させて、0.01〜1μmの数平均粒子径を有するカル
サイト型炭酸カルシウムの一次粒子の凝集体からなり、
5〜100μmの数平均粒子径を有する球状カルサイト
型炭酸カルシウム凝集体を製造することを特徴とする方
法である。
【0022】本発明の球状カルサイト型炭酸カルシウム
凝集体の製造方法を、図6を参照して説明する。
【0023】図6は、本発明の球状カルサイト型炭酸カ
ルシウム凝集体の製造方法を実験室的規模で実施するた
めに使用する製造装置の一例を示す概略図である。図6
に於いて、球状カルサイト型炭酸カルシウム凝集体の製
造装置1は、原料の水酸化カルシウムの水懸濁液を貯留
するための水酸化カルシウム水懸濁液槽2、水酸化カル
シウム水懸濁液を空気と一緒に噴出するための反応原料
噴出管3、炭酸ガスボンベ4、管状反応容器5、横型電
気炉6、生成物である球状カルサイト型炭酸カルシウム
凝集体を捕集するための第一捕集器7、第二捕集器8、
排気ポンプ9、反応容器5内の温度を測定するための温
度計10、水酸化カルシウム懸濁液の供給量を調節する
ための調節バルブ11、及びマグネチックスターラー1
2から構成されている。反応原料噴出管3はガラスで作
られた二重管構造を有しており、内管3aに水酸化カル
シウム水懸濁液を通し、内管3aと外管3bとの間に空
気を加圧下に通し噴出口3cから空気を噴出させること
によって、水酸化カルシウム水懸濁液を反応容器5内へ
噴霧するように構成されている。反応容器5はアルミナ
炉心管で作られている。
【0024】原料の水酸化カルシウムの水懸濁液は、一
般に酸化カルシウム粉末又は水酸化カルシウム粉末を水
中に懸濁させることにより容易に調製することができ
る。水酸化カルシウムの水懸濁液中の固形分の水酸化カ
ルシウムの純度はできるだけ高いことが望ましい。水酸
化カルシウムの水懸濁液中の水酸化カルシウムの濃度
は、一般に0.1〜5重量%、特に1〜3重量%である
ことが好ましい。水酸化カルシウムの水懸濁液中の水酸
化カルシウムの濃度が、上記範囲よりも低いと所要熱量
が増大し生産性が低下し、上記範囲よりも高いと反応帯
域への水酸化カルシウムの水懸濁液中の噴霧が困難にな
り、生成物中の未反応の水酸化カルシウムの残存量が増
大する。
【0025】本発明の球状カルサイト型炭酸カルシウム
凝集体の製造方法に於ては、調節バルブ11を経て空気
を水酸化カルシウム水懸濁液層2内に入れ、空気圧によ
り水酸化カルシウム水懸濁液を反応原料噴出管3の内管
3aに送る。水酸化カルシウム水懸濁液層2内の水酸化
カルシウム水懸濁液は、マグネチックスターラー12に
より攪拌して水懸濁液中の水酸化カルシウムを十分に分
散させておく。調節バルブ11を調節することによって
水酸化カルシウム水懸濁液の送液量を調節する。内管3
aと外管3bとの間に空気を加圧下に通し噴出口3cか
ら空気を噴出させることにより、水酸化カルシウム水懸
濁液を空気と共に反応容器5内へ噴出させる。同時に、
炭酸ガスボンベ4から炭酸ガスを反応容器5内へ供給
し、炭酸ガスと水酸化カルシウムとを反応させる。
【0026】反応容器5内へ直接供給する炭酸ガスは、
炭酸ガスのみであることが好ましいが、窒素のような不
活性ガス又は空気で希釈されていてもよい。使用する炭
酸ガス中に酸素が含まれる場合、一般に酸素濃度は炭酸
ガス濃度の50%以下であることが望ましい。
【0027】炭酸ガスの供給量は、供給される水溶性カ
ルシウム塩を炭酸カルシウムに転化するに十分な量であ
り、CO2 として一般に供給される水酸化カルシウムの
10〜5000モル倍であることが好ましい。炭酸ガス
の供給量が低過ぎると炭酸カルシウムの生成率が低下す
る傾向がある。従って、反応容器5内へ直接供給する炭
酸ガスが、窒素、空気等で希釈されている場合は、反応
原料噴出管3の噴出口3cから噴出させる空気の中に炭
酸ガスを混入させて、反応容器5内に供給する炭酸ガス
の合計の量が上記の範囲内になるようにしてもよい。噴
出口3cから噴出させる空気の中に炭酸ガスを混入させ
る場合、その混合ガス中の炭酸ガスの濃度が高過ぎると
噴出口3cで目づまりを起こす恐れがあるので、混合ガ
ス中の炭酸ガスの濃度を30%以下にすることが望まし
い。
【0028】また、噴出口3cでの空気(又は炭酸ガス
と空気との混合ガス)の流速は10〜100m/秒であ
ることが好ましい。水酸化カルシウム水懸濁液及び炭酸
ガスの単位時間当りの供給量は、使用する装置の大きさ
に応じて適宜変更される。
【0029】本発明の製造方法に於いて、水酸化カルシ
ウムと炭酸ガスとの反応は300〜1000℃、好まし
くは500〜750℃で行う。反応温度が上記の範囲よ
りも低いと一次粒子の凝集が進まず生成物中の微細な粒
子の割合が増加する。また、反応温度が上記の範囲より
も高いと、粒子の外面で焼結が起こり始め、粒子の中心
部での反応が進行し難くなる。そのために粒子内に未反
応の水酸化カルシウムが残留し、生成物中の水酸化カル
シウムの含有量が増加する。更に、生成物のカルサイト
型炭酸カルシウム凝集体の気孔率が小さくなる傾向があ
る。
【0030】水酸化カルシウムと炭酸ガスとの反応は、
加圧下でも減圧下でも行うことができるが、一般に常圧
又はその付近で行うことが好ましい。
【0031】生成した球状カルサイト型炭酸カルシウム
凝集体を第一捕集器7及び第二捕集器8に捕集し、反応
容器5からのガスは排気ポンプ9により系外に排気す
る。
【0032】得られた球状カルサイト型炭酸カルシウム
凝集体は、実質的に前記のような本発明の球状のカルサ
イト型炭酸カルシウム凝集体からなる物質であり、その
まま使用してもよく、必要に応じて適宜分級して使用す
ることもできる。また、得られた球状カルサイト型炭酸
カルシウム凝集体に未反応の水酸化カルシウムが含まれ
ている場合、その含有量が約1重量%以下であれば、そ
の使用に際して何ら問題は無い。
【0033】図6は実験室的な規模での製造装置を示し
たが、本発明の製造方法を工業的に大規模で行う場合に
は、規模に応じて適当な大きさ及び構造の装置を使用で
きることは勿論である。
【0034】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0035】[実施例1]水酸化カルシウム水懸濁液と
して、水酸化カルシウムを水中に懸濁させて調製した固
形分濃度2.0重量%の水懸濁液を使用し、炭酸ガスと
して炭酸ガスボンベからの炭酸ガスを使用し、図6に示
すような製造装置を使用して炭酸カルシウムを製造し
た。
【0036】反応原料噴出管3の内管3a(外径:1.
23mm、内径:0.60mm)から、水酸化カルシウ
ム水懸濁液を2.0ml/分の流量で供給し、反応原料
噴出管3の内管3aと外管3b(外径:3.21mm、
内径:2.04mm)との間から空気を8.0リットル
/分の速度で供給して水酸化カルシウム水懸濁液と一緒
に反応容器5内へ噴霧し、同時に炭酸ガス(純度:9
9.9%)を6.0リットル/分の速度で反応容器5内
へ供給した。
【0037】横型電気炉6により加熱して反応容器5内
の温度を700℃に維持し、上記の操作を240分間行
った。生成した炭酸カルシウムの大部分は第一捕集器7
内に捕集された。
【0038】得られた炭酸カルシウムのSEM(走査型
電子顕微鏡)写真を図1に示す。また、図1の一部拡大
写真を図2に示す。図1から明らかなように、実施例1
で得られた炭酸カルシウムは、粒子径が大きいものから
小さいものまで何れもほぼ球状の外観を有している。ま
た、図2から明らかなように、実施例1で得られた炭酸
カルシウムは、0.05〜0.5μmの数平均粒子径を
有する一次粒子の凝集体である。
【0039】また、得られた炭酸カルシウムの粒度分布
を、マイクロトラックSRA粒度分析計(日機装株式会
社製)を使用して超音波分散させないで測定した。その
結果を表1に示す。
【0040】
【表1】 表1 ────────────────────── CH 粒径 累積 頻度 ────────────────────── 1 2.40 0.16 0.16 2 3.30 1.03 0.87 3 4.70 2.76 1.73 4 6.60 4.15 1.39 5 9.40 8.88 4.73 6 13.00 16.49 7.61 7 19.00 33.16 16.67 8 27.00 62.96 29.80 9 38.00 86.37 23.41 10 53.00 96.29 9.92 11 75.00 100.00 3.71 12 106.00 100.00 0.00 13 150.00 100.00 0.00 14 212.00 100.00 0.00 15 300.00 100.00 0.00 ──────────────────────
【0041】また、得られた炭酸カルシウムのX線回折
像を示す図3と、標準試料のカルサイト型炭酸カルシウ
ムのX線回折像(ASTM X-Ray Powder Data File
50586)である図4とを対比させることによって、実施
例1で得られた炭酸カルシウムは実質的にカルサイト型
であることが明らかである。
【0042】得られた球状カルサイト型炭酸カルシウム
のBET法による比表面積を、BET比表面積計(MO
NOSOB MS−12、湯浅アイオニクス株式会社
製)を使用して測定したところ、11.6m2 /gであ
った。この比表面積は、数平均粒子径が0.2μm程度
のカルサイト型軽質炭酸カルシウムの比表面積と同程度
であることから、実施例1で得られた球状カルサイト型
炭酸カルシウムは、粒子径に対して比表面積が非常に大
きいものであり、多孔体の粒子であることが確認でき
た。
【0043】
【発明の効果】本発明の球状カルサイト型炭酸カルシウ
ム凝集体は、球状であるために充填性、流動性、分散性
等の物性が優れており、実質的にカルサイト型であるた
めに、特に水に対して極めて安定であって長期間貯蔵す
ることができ、しかも多孔体であって粒子径に対して比
表面積が大きいという特徴を有する。
【0044】従って、本発明の球状カルサイト型炭酸カ
ルシウム凝集体は、建材、包装材、医薬品、脱臭剤、芳
香剤、トナー、微生物の担体等々の分野に広範囲に利用
することができる。
【0045】また、本発明の球状カルサイト型炭酸カル
シウム凝集体の製造方法は、本発明の球状カルサイト型
炭酸カルシウム凝集体を、容易に入手できる原料を使用
して簡単な工程で製造することができるという顕著に優
れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造された球状カルサイト型炭酸カ
ルシウム凝集体のSEM(走査型電子顕微鏡)写真であ
る。
【図2】図1の一部拡大写真である。
【図3】実施例1で製造された球状カルサイト型炭酸カ
ルシウム凝集体のX線回折像を示す図である。
【図4】標準試料のカルサイト型炭酸カルシウムのX線
回折像(ASTM X-Ray Powder Data File 50586 )
を示す図である。
【図5】標準試料の水酸化カルシウムのX線回折像(A
STM X-Ray Powder Data File 40733 )である。
【図6】本発明の球状カルサイト型炭酸カルシウム凝集
体の製造方法を実験室的規模で実施するために使用する
製造装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 球状カルサイト型炭酸カルシウム凝集体の製造装置 2 水酸化カルシウム水懸濁液槽 3 反応原料噴出管 4 炭酸ガスボンベ 5 反応容器 6 横型電気炉 7 第一捕集器 8 第二捕集器 9 排気ポンプ 10 温度計 11 調節バルブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.01〜1μmの数平均粒子径を有す
    るカルサイト型炭酸カルシウムの一次粒子の凝集体から
    なり、5〜100μmの数平均粒子径を有することを特
    徴とする球状カルサイト型炭酸カルシウム凝集体。
  2. 【請求項2】 BET法による比表面積が2〜30m2
    /gである請求項1に記載の球状カルサイト型炭酸カル
    シウム凝集体。
  3. 【請求項3】 水酸化カルシウムの水懸濁液を、炭酸ガ
    スと共に300〜1000℃に加熱された反応容器内に
    噴霧し、該水酸化カルシウムと炭酸ガスとを反応させ
    て、0.01〜1μmの数平均粒子径を有するカルサイ
    ト型炭酸カルシウムの一次粒子の凝集体からなり、5〜
    100μmの数平均粒子径を有する球状カルサイト型炭
    酸カルシウムを製造することを特徴とする球状カルサイ
    ト型炭酸カルシウム凝集体の製造方法。
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