JPH0781066A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
- Ink Jet (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 記録された画像や文字に段差の発生等による
記録品位の低下を招くことがなく、高速記録が可能で、
かつ小型，低価格のインクジェット記録装置を提供す
る。 【構成】 このため、特に被記録材２０５の記録幅と同
等の連続ノズル１０６を有するインクジェット記録ヘッ
ド２０１Ａ〜２０１Ｄの駆動方式に、一方向から隣接す
るこれらの各ノズルを時分割駆動を行わず、連続的に駆
動するよう構成した。
記録品位の低下を招くことがなく、高速記録が可能で、
かつ小型，低価格のインクジェット記録装置を提供す
る。 【構成】 このため、特に被記録材２０５の記録幅と同
等の連続ノズル１０６を有するインクジェット記録ヘッ
ド２０１Ａ〜２０１Ｄの駆動方式に、一方向から隣接す
るこれらの各ノズルを時分割駆動を行わず、連続的に駆
動するよう構成した。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、紙などの被記録媒体に
向かって、微小インク液滴を噴射させ、文字や画像を記
録するインクジェット記録装置、特に、被記録媒体の記
録幅だけ複数のノズルを有した記録ヘッドを使用して構
成される記録装置に関する。
向かって、微小インク液滴を噴射させ、文字や画像を記
録するインクジェット記録装置、特に、被記録媒体の記
録幅だけ複数のノズルを有した記録ヘッドを使用して構
成される記録装置に関する。
【０００２】
【背景の技術】従来より、微小インク液滴を噴射させて
記録を行なうインクジェット記録装置が知られている。
この装置は他の記録装置に比べ、 （１） 高速記録が可能 （２） カラー化が容易 （３） 普通紙に記録が可能 （４） 騒音が小さい （５） 記録品位が良い といった多くの利点を持っている。
記録を行なうインクジェット記録装置が知られている。
この装置は他の記録装置に比べ、 （１） 高速記録が可能 （２） カラー化が容易 （３） 普通紙に記録が可能 （４） 騒音が小さい （５） 記録品位が良い といった多くの利点を持っている。
【０００３】このようなインクジェット記録装置に於て
は、少なくとも、インクを噴射する噴射口と、その噴射
口に連通するノズル、及び、そのノズルの一部に設けら
れ、ノズル内のインクを噴射させるエネルギーを発生す
るエネルギー発生手段とを有した記録ヘッドを備えてい
る。記録ヘッドは入力された記録情報に応じて選択的に
噴射口からインク液滴を噴射させ、被記録媒体に文字や
画像を形成する。
は、少なくとも、インクを噴射する噴射口と、その噴射
口に連通するノズル、及び、そのノズルの一部に設けら
れ、ノズル内のインクを噴射させるエネルギーを発生す
るエネルギー発生手段とを有した記録ヘッドを備えてい
る。記録ヘッドは入力された記録情報に応じて選択的に
噴射口からインク液滴を噴射させ、被記録媒体に文字や
画像を形成する。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のインクジェット記録ヘッドは、複数のノズル
が、一個の共通液室に連通している構造のため、各ノズ
ル間の相互干渉が発生し、インク液滴の吐出特性が悪化
してしまうという問題があった。
うな従来のインクジェット記録ヘッドは、複数のノズル
が、一個の共通液室に連通している構造のため、各ノズ
ル間の相互干渉が発生し、インク液滴の吐出特性が悪化
してしまうという問題があった。
【０００５】ここで、相互干渉とは、記録ヘッドから、 第１の吐出で、ある特定のノズルからインクを吐出さ
せる， 第２の吐出で、に隣接するノズルからインクを吐出
させる場合に、の動作の直後にの動作を行った場合
と、の動作は無く、または、の動作後十分長い時間
の後にの動作を行った場合とで、第２の吐出によるイ
ンクの吐出量やインクの吐出速度が変化する現象のこと
を言う。
せる， 第２の吐出で、に隣接するノズルからインクを吐出
させる場合に、の動作の直後にの動作を行った場合
と、の動作は無く、または、の動作後十分長い時間
の後にの動作を行った場合とで、第２の吐出によるイ
ンクの吐出量やインクの吐出速度が変化する現象のこと
を言う。
【０００６】また、吐出特性の悪化とは、インクの吐出
量や吐出速度の変化が大きいことを言い、この時、記録
される文字や画像の品位が劣化する。特にインクの吐出
量の変化は、品位に対する影響力が大きい。なお、この
現象の発生は、前記やの動作で、同時にインクを吐
出させるノズル数が多いほど、また、記録ヘッドの構造
で、複数のノズルの分離隔壁後端と共通液室の後面との
距離が短いほど著しい。
量や吐出速度の変化が大きいことを言い、この時、記録
される文字や画像の品位が劣化する。特にインクの吐出
量の変化は、品位に対する影響力が大きい。なお、この
現象の発生は、前記やの動作で、同時にインクを吐
出させるノズル数が多いほど、また、記録ヘッドの構造
で、複数のノズルの分離隔壁後端と共通液室の後面との
距離が短いほど著しい。
【０００７】この相互干渉の発生原因を記録ヘッドの構
造を示す図３及び各ノズル間の相互干渉を示す図４を用
いて説明する。図３はインクジェット（バブルジェッ
ト）記録ヘッドの各エネルギー発生体３００である抵抗
体に、図４（Ａ）に示す第１のパルスＰ１によりの第
１の吐出を行うタイミングｔ＝０と、第２のパルスＰ２
によりの第２の吐出を行うタイミングｔ＝ｔｓを示
す。Ｐ１とＰ２のパルス幅は、それぞれ１０μｓｅｃ
で、抵抗体に印加する電圧は３０Ｖである。図４（Ｂ）
は、図３（Ｂ）の一部を描いたもので、第１のパルスＰ
１により、ノズルＮｏ．５〜８の発熱体を駆動しようと
する直前の時刻におけるインク圧力の伝わり方を示す図
である。
造を示す図３及び各ノズル間の相互干渉を示す図４を用
いて説明する。図３はインクジェット（バブルジェッ
ト）記録ヘッドの各エネルギー発生体３００である抵抗
体に、図４（Ａ）に示す第１のパルスＰ１によりの第
１の吐出を行うタイミングｔ＝０と、第２のパルスＰ２
によりの第２の吐出を行うタイミングｔ＝ｔｓを示
す。Ｐ１とＰ２のパルス幅は、それぞれ１０μｓｅｃ
で、抵抗体に印加する電圧は３０Ｖである。図４（Ｂ）
は、図３（Ｂ）の一部を描いたもので、第１のパルスＰ
１により、ノズルＮｏ．５〜８の発熱体を駆動しようと
する直前の時刻におけるインク圧力の伝わり方を示す図
である。
【０００８】ノズルＮｏ．１〜４の発熱体の発熱によ
り、気泡３２１が発生し、矢印Ｃで示す方向に、インク
が吐出し始める。これと同時に、共通液室３０３側に、
矢印Ｄで示すようにインクが少量逆流する。この現象に
より、ノズルＮｏ．５以降の吐出口３０２からは、矢印
Ｅで示す方向に、インクは完全に吐出しないものの、若
干量だけ吐出方向に出張る。すなわち、図４（Ｃ）に示
すように、インクと外気との界面であるメニスカス３２
２がやや凸状になる。この後、ノズルＮｏ．１〜４の吐
出は、正常に行われる。
り、気泡３２１が発生し、矢印Ｃで示す方向に、インク
が吐出し始める。これと同時に、共通液室３０３側に、
矢印Ｄで示すようにインクが少量逆流する。この現象に
より、ノズルＮｏ．５以降の吐出口３０２からは、矢印
Ｅで示す方向に、インクは完全に吐出しないものの、若
干量だけ吐出方向に出張る。すなわち、図４（Ｃ）に示
すように、インクと外気との界面であるメニスカス３２
２がやや凸状になる。この後、ノズルＮｏ．１〜４の吐
出は、正常に行われる。
【０００９】ところが、もし、ｔ＝ｔｓ＝１３μｓｅｃ
でパルスＰ２を印加しノズルＮｏ．５〜８からインクを
吐出させると、メニスカス３２２が凸状の状態からの吐
出となり、パルスＰ１が無くパルスＰ２のみを印加させ
た場合に比べ、ノズルＮｏ．５〜８からのインク吐出の
体積は、ΔＶだけ多くなる。すなわち、より大きなイン
ク液滴が吐出される。
でパルスＰ２を印加しノズルＮｏ．５〜８からインクを
吐出させると、メニスカス３２２が凸状の状態からの吐
出となり、パルスＰ１が無くパルスＰ２のみを印加させ
た場合に比べ、ノズルＮｏ．５〜８からのインク吐出の
体積は、ΔＶだけ多くなる。すなわち、より大きなイン
ク液滴が吐出される。
【００１０】一般に、隣接記録点のインク吐出量の変化
が、約１０％あると、目視で記録品位の劣化が確認され
ることが知られている。
が、約１０％あると、目視で記録品位の劣化が確認され
ることが知られている。
【００１１】ノズルＮｏ．５からのインク吐出量の増加
分に正確に測定することは難しいが、近似的な計算によ
り次のようであることが予想される。図４（Ｂ）の状態
で、ノズルＮｏ．５からのメニスカス３２２の出張り量
は、１０μｍであった。現実のノズルの断面は２０μｍ
×２５μｍであるが、直径２５μｍの円筒形であると近
似した。さらに顕微鏡観察により、メニスカス３２２の
出張りが、図４（Ｃ）のように球の一部であると近似さ
れることから、メニスカス３２２の出張りによる増加分
は、 ΔＶ１＝２．９８（ｐｉｃｏ ｌｉｔｅｒ） である。次に、インクを吐出しない定常状態では、メニ
スカス３２２は、やや凸状で、２μｍ凹んでいるように
セットされている。これがノズル先端面と一致するまで
の差分は、 ΔＶ２＝０．１６（ｐｉｃｏ ｌｉｔｅｒ） である。これから、インク吐出量の増加分は ΔＶ＝ΔＶ１＋ΔＶ２＝３．１４（ｐｉｃｏ ｌｉｔｅ
ｒ） となる。通常のインク液滴の吐出量は、Ｖ＝２８（ｐｉ
ｃｏ ｌｉｔｅｒ）程度であるため、インク液滴の変化
量は、 ΔＶ／Ｖ＝１１．２（％） となり、記録品位が劣化してしまう。
分に正確に測定することは難しいが、近似的な計算によ
り次のようであることが予想される。図４（Ｂ）の状態
で、ノズルＮｏ．５からのメニスカス３２２の出張り量
は、１０μｍであった。現実のノズルの断面は２０μｍ
×２５μｍであるが、直径２５μｍの円筒形であると近
似した。さらに顕微鏡観察により、メニスカス３２２の
出張りが、図４（Ｃ）のように球の一部であると近似さ
れることから、メニスカス３２２の出張りによる増加分
は、 ΔＶ１＝２．９８（ｐｉｃｏ ｌｉｔｅｒ） である。次に、インクを吐出しない定常状態では、メニ
スカス３２２は、やや凸状で、２μｍ凹んでいるように
セットされている。これがノズル先端面と一致するまで
の差分は、 ΔＶ２＝０．１６（ｐｉｃｏ ｌｉｔｅｒ） である。これから、インク吐出量の増加分は ΔＶ＝ΔＶ１＋ΔＶ２＝３．１４（ｐｉｃｏ ｌｉｔｅ
ｒ） となる。通常のインク液滴の吐出量は、Ｖ＝２８（ｐｉ
ｃｏ ｌｉｔｅｒ）程度であるため、インク液滴の変化
量は、 ΔＶ／Ｖ＝１１．２（％） となり、記録品位が劣化してしまう。
【００１２】また、これまでの説明では、ノズルＮｏ．
５のメニスカス３２２の位置は時間で変化しており、最
も出張るタイミングでパルスＰ２を印加するとしたが、
これより若干早いタイミングでパルスＰ２を印加する方
が、インク液滴の変化量がより大きくなることが確認さ
れた。これは、発熱体に電圧を印加してから発熱体上に
気泡が発生するまでに時間遅れがあること及び、メニス
カス３２２が最も出張る時間よりも、この直前で、メニ
スカス３２２が出張る方向に移動している時の方が、イ
ンクが吐出する方向に受けている力が大きいからである
と考えられる。
５のメニスカス３２２の位置は時間で変化しており、最
も出張るタイミングでパルスＰ２を印加するとしたが、
これより若干早いタイミングでパルスＰ２を印加する方
が、インク液滴の変化量がより大きくなることが確認さ
れた。これは、発熱体に電圧を印加してから発熱体上に
気泡が発生するまでに時間遅れがあること及び、メニス
カス３２２が最も出張る時間よりも、この直前で、メニ
スカス３２２が出張る方向に移動している時の方が、イ
ンクが吐出する方向に受けている力が大きいからである
と考えられる。
【００１３】さらに、ｔ＝４０μｓｅｃ付近でパルスＰ
２を印加すると、これまでとは逆に、インク液滴の変化
量が負の値となった。この現象は、一度凸状になったメ
ニスカス３２２が、インクの表面張力により回復し、そ
の運動エネルギーにより、定常状態より、さらに凹状に
なったこと及び、ノズルＮｏ．１〜４に発生していた気
泡が消えるタイミングで図４（Ｂ）の矢印ＤとＥとが逆
の方向に向いているからであると考えられる。
２を印加すると、これまでとは逆に、インク液滴の変化
量が負の値となった。この現象は、一度凸状になったメ
ニスカス３２２が、インクの表面張力により回復し、そ
の運動エネルギーにより、定常状態より、さらに凹状に
なったこと及び、ノズルＮｏ．１〜４に発生していた気
泡が消えるタイミングで図４（Ｂ）の矢印ＤとＥとが逆
の方向に向いているからであると考えられる。
【００１４】これらの問題を解決する一方法として、米
国特許第４５７８６８７号明細書に開示されたものがあ
る。これは、記録ヘッドの一部にインクの大気開放部を
設け、特定ノズルのインク吐出時に、共通液室内の圧力
変動を大気に発散させ、他のノズルに干渉させないよう
にしたものである。しかし、この方法は、大気開放部か
らの微小ごみの侵入や、インクの蒸発による物性値の変
化によるインク吐出不良の誘発、さらには、インク固着
による吐出不能の発生が起こり易い欠点がある。また、
この欠点を防止するためには装置が著しく複雑化してし
まう。
国特許第４５７８６８７号明細書に開示されたものがあ
る。これは、記録ヘッドの一部にインクの大気開放部を
設け、特定ノズルのインク吐出時に、共通液室内の圧力
変動を大気に発散させ、他のノズルに干渉させないよう
にしたものである。しかし、この方法は、大気開放部か
らの微小ごみの侵入や、インクの蒸発による物性値の変
化によるインク吐出不良の誘発、さらには、インク固着
による吐出不能の発生が起こり易い欠点がある。また、
この欠点を防止するためには装置が著しく複雑化してし
まう。
【００１５】また、共通液室の一部の圧力の干渉のため
に気泡を留める手段が特開昭６３−１１３５６２号公報
及び特開平１−２８５３５６号公報に開示されている
が、常に一定量の気泡を留めることが困難である欠点が
ある。
に気泡を留める手段が特開昭６３−１１３５６２号公報
及び特開平１−２８５３５６号公報に開示されている
が、常に一定量の気泡を留めることが困難である欠点が
ある。
【００１６】また、相互干渉による問題の発生を最小限
にする対策の一つとして、図３（Ｂ）に示すエネルギー
発生体３００の後部から共通液室３０３の後部までの長
さｄを十分長くする方法がある。実験ではｄ寸法を６．
０mmより長くすることにより、相互干渉を最小限にする
ことができた。しかし、この方法は、記録ヘッドの大き
さをより小さくし、記録装置自体を小形にしたい要求に
反している。また、特にＳｉ基板は、高価な部品であ
り、記録ヘッドを大形化することは装置のコスト上昇に
つながる欠点となっている。
にする対策の一つとして、図３（Ｂ）に示すエネルギー
発生体３００の後部から共通液室３０３の後部までの長
さｄを十分長くする方法がある。実験ではｄ寸法を６．
０mmより長くすることにより、相互干渉を最小限にする
ことができた。しかし、この方法は、記録ヘッドの大き
さをより小さくし、記録装置自体を小形にしたい要求に
反している。また、特にＳｉ基板は、高価な部品であ
り、記録ヘッドを大形化することは装置のコスト上昇に
つながる欠点となっている。
【００１７】さらに、非吐出ノズルのメニスカスの振動
による相互干渉を防ぐ方法として、全ノズルを同時に駆
動する方法もある。しかし、この方法は、全ノズル数が
増えれば増えるほど、例えば、エネルギー発生体が抵抗
体である場合の駆動電源容量が増加する。このため、装
置が大形化し、かつ、装置コストが増大する。
による相互干渉を防ぐ方法として、全ノズルを同時に駆
動する方法もある。しかし、この方法は、全ノズル数が
増えれば増えるほど、例えば、エネルギー発生体が抵抗
体である場合の駆動電源容量が増加する。このため、装
置が大形化し、かつ、装置コストが増大する。
【００１８】また、あるノズルを吐出させた後、隣接す
るブロックからの吐出タイミングを、メニスカスが凸状
でも凹状でもなく定常状態となるまで十分な時間経過後
とすることにより相互干渉を防止できる。しかしなが
ら、この方法は、高速記録の要求に相反するものであ
り、また、吐出タイミングの遅れにより、記録された文
字や画像に段差が目立ち、記録品位を劣化させてしま
う。
るブロックからの吐出タイミングを、メニスカスが凸状
でも凹状でもなく定常状態となるまで十分な時間経過後
とすることにより相互干渉を防止できる。しかしなが
ら、この方法は、高速記録の要求に相反するものであ
り、また、吐出タイミングの遅れにより、記録された文
字や画像に段差が目立ち、記録品位を劣化させてしま
う。
【００１９】本発明は、以上のような従来技術にかんが
みてなされたもので、高品位で高速記録が可能なこの種
の記録ヘッドを提供することを目的としている。さら
に、本発明の他の目的は、小形かつ低価格のインクジェ
ット記録装置を提供することを目的としている。
みてなされたもので、高品位で高速記録が可能なこの種
の記録ヘッドを提供することを目的としている。さら
に、本発明の他の目的は、小形かつ低価格のインクジェ
ット記録装置を提供することを目的としている。
【００２０】
【課題を解決するための手段】このため、本発明のイン
クジェット記録装置は、インクを吐出する複数のノズル
と、これら複数のノズルのすべてにノズル後部で連通し
た共通液室とを有するインクジェット記録ヘッド、特に
被記録媒体の記録幅と同等の連続ノズル数を有するイン
クジェット記録ヘッドの駆動において、一方向から隣接
する前記ノズルを時分割駆動を行わず、連続的に駆動す
るよう構成することにより、前記目的を達成しようとす
るものである。
クジェット記録装置は、インクを吐出する複数のノズル
と、これら複数のノズルのすべてにノズル後部で連通し
た共通液室とを有するインクジェット記録ヘッド、特に
被記録媒体の記録幅と同等の連続ノズル数を有するイン
クジェット記録ヘッドの駆動において、一方向から隣接
する前記ノズルを時分割駆動を行わず、連続的に駆動す
るよう構成することにより、前記目的を達成しようとす
るものである。
【００２１】なお、本発明の記録装置の記録ヘッドは、
吐出ノズルからインクを吐出させるエネルギー発生源が
電気熱変換素子であっても、電気機械変換素子であって
もよい。また、本発明の記録装置の記録ヘッドは、被記
録媒体の記録領域の全幅にわたってノズルが設けられて
いるフルラインタイプであるときに特に有効である。
吐出ノズルからインクを吐出させるエネルギー発生源が
電気熱変換素子であっても、電気機械変換素子であって
もよい。また、本発明の記録装置の記録ヘッドは、被記
録媒体の記録領域の全幅にわたってノズルが設けられて
いるフルラインタイプであるときに特に有効である。
【００２２】
【作用】以上のような本発明構成により、複数のノズル
を有する記録ヘッドを時分割駆動させ、各ノズルからイ
ンクを順次吐出させる記録ヘッドにおいて、記録ヘッド
の一方向から連続的に駆動することにより、ノズルから
のインク吐出時にそのノズルの後方に戻るインクとノズ
ル後方に伝わる圧力波によって発生する記録画像の光学
的濃度むらが防止され、この種の光学的濃度むらを目立
たないような高品位かつ高速記録が可能となる。
を有する記録ヘッドを時分割駆動させ、各ノズルからイ
ンクを順次吐出させる記録ヘッドにおいて、記録ヘッド
の一方向から連続的に駆動することにより、ノズルから
のインク吐出時にそのノズルの後方に戻るインクとノズ
ル後方に伝わる圧力波によって発生する記録画像の光学
的濃度むらが防止され、この種の光学的濃度むらを目立
たないような高品位かつ高速記録が可能となる。
【００２３】
【実施例】以下、図面を参照して本発明に係るインクジ
ェット記録装置の実施例について詳細に説明する。
ェット記録装置の実施例について詳細に説明する。
【００２４】（実施例１）図１に、本実施例に使用した
インクジェット記録ヘッド、特にバブルジェット記録ヘ
ッドの構造を説明するための模式図を、また図２にその
バブルジェット記録装置の要部斜視図を示す。
インクジェット記録ヘッド、特にバブルジェット記録ヘ
ッドの構造を説明するための模式図を、また図２にその
バブルジェット記録装置の要部斜視図を示す。
【００２５】まず、図２において、２０１Ａ〜２０１Ｄ
は複数の連続する各記録ヘッドで、２０１Ａはブラック
（Ｂｋ）、２０１Ｂはシアン（Ｃ）、２０１Ｃはマゼン
タ（Ｍ）、２０１Ｄはイエロー（Ｙ）の各記録ヘッドを
表わす。また、２０２はそれぞれの記録ヘッドノズル、
２０３／２０４は紙（連続シートとしての被記録材２０
５）送りローラＡ／Ｂを示す。
は複数の連続する各記録ヘッドで、２０１Ａはブラック
（Ｂｋ）、２０１Ｂはシアン（Ｃ）、２０１Ｃはマゼン
タ（Ｍ）、２０１Ｄはイエロー（Ｙ）の各記録ヘッドを
表わす。また、２０２はそれぞれの記録ヘッドノズル、
２０３／２０４は紙（連続シートとしての被記録材２０
５）送りローラＡ／Ｂを示す。
【００２６】つぎに、図１において、各ノズル１０６に
は、それぞれに対応した発熱体（ヒータ）１０４が配設
されており、ヘッド駆動回路によりヒータ１０４に所定
のエネルギーを印加することにより、吐出口１０２から
インク液滴を吐出する。
は、それぞれに対応した発熱体（ヒータ）１０４が配設
されており、ヘッド駆動回路によりヒータ１０４に所定
のエネルギーを印加することにより、吐出口１０２から
インク液滴を吐出する。
【００２７】なお、ヒータ１０４は、シリコン基板１０
１の上に半導体製造プロセスと同様の手法で形成され
る。１０３は、各ノズル１０６を構成するノズル隔壁で
あり、１０５は、各ノズル１０６にインクを供給するた
めの共通液室であり、１０７は天板である。
１の上に半導体製造プロセスと同様の手法で形成され
る。１０３は、各ノズル１０６を構成するノズル隔壁で
あり、１０５は、各ノズル１０６にインクを供給するた
めの共通液室であり、１０７は天板である。
【００２８】図７に従来のインクジェット記録装置の一
例の電気的構成ブロック図を示す。５０は記録装置本体
の記録ヘッド制御部、５１ａは記録ヘッドの電気的回路
のブロック図、５１０はヒータ、５１４は論理積回路を
示す。また、図８に従来のインクジェット記録装置の一
例の駆動方法を示すタイミングチャートを示し、本図を
用いて駆動パルスの詳細を説明する。ヘッド駆動回路に
記録タイミング信号（ａ）と、記録濃度に対応した記録
データが入力される。記録タイミング信号（Ａ）によ
り、（Ｂ）でまず電圧Ｖ１で幅Ｔ１の矩形波のパルスが
図１相当のヒータ１０４に印加される。このパルスは、
印加した電気エネルギーがノズル１０６内で発泡を起こ
させ、インクが吐出口１０２から噴射するのに十分であ
る電圧と幅である。
例の電気的構成ブロック図を示す。５０は記録装置本体
の記録ヘッド制御部、５１ａは記録ヘッドの電気的回路
のブロック図、５１０はヒータ、５１４は論理積回路を
示す。また、図８に従来のインクジェット記録装置の一
例の駆動方法を示すタイミングチャートを示し、本図を
用いて駆動パルスの詳細を説明する。ヘッド駆動回路に
記録タイミング信号（ａ）と、記録濃度に対応した記録
データが入力される。記録タイミング信号（Ａ）によ
り、（Ｂ）でまず電圧Ｖ１で幅Ｔ１の矩形波のパルスが
図１相当のヒータ１０４に印加される。このパルスは、
印加した電気エネルギーがノズル１０６内で発泡を起こ
させ、インクが吐出口１０２から噴射するのに十分であ
る電圧と幅である。
【００２９】従来、時分割駆動を行うと前述したメカニ
ズムにより、図６（Ａ）にグラフで示すように、記録画
像に光学的濃度むらが発生する。図６（Ａ）の横軸は図
６（Ｂ）に示すバブルジェット記録ヘッドのノズル配列
のノズル位置番号を示し、図６（Ｂ）に示すＢ１，Ｂ
２，Ｂ３……は、時分割駆動のブロックを示す。また、
図６に示した例では、図の左から右に順次、Ｂ１，Ｂ
２，Ｂ３，……の順番に駆動する。
ズムにより、図６（Ａ）にグラフで示すように、記録画
像に光学的濃度むらが発生する。図６（Ａ）の横軸は図
６（Ｂ）に示すバブルジェット記録ヘッドのノズル配列
のノズル位置番号を示し、図６（Ｂ）に示すＢ１，Ｂ
２，Ｂ３……は、時分割駆動のブロックを示す。また、
図６に示した例では、図の左から右に順次、Ｂ１，Ｂ
２，Ｂ３，……の順番に駆動する。
【００３０】図９は、本実施例における、インクジェッ
ト記録装置の電気的な構成を示すブロック図（前記図７
相当図）である。図９において、５０は記録装置本体の
記録ヘッド制御部、５１は本発明におけるバブルジェッ
ト記録ヘッドの電気的回路ブロック図である。記録デー
タ・駆動タイミング生成回路５０３によって、生成され
た記録データＳＩ及び記録データ転送クロックＣＬＫは
バブルジェット記録ヘッド５１に実装されたヘッド駆動
ＩＣ５２に集積された記録データ転送用シフトレジスタ
５１１に転送され、記録装置本体ヘッド制御部のタイミ
ング生成回路５０２で生成されたＬＡＴ信号によって、
ヘッド駆動ＩＣ５２のラッチ回路５１２にラッチされ
る。
ト記録装置の電気的な構成を示すブロック図（前記図７
相当図）である。図９において、５０は記録装置本体の
記録ヘッド制御部、５１は本発明におけるバブルジェッ
ト記録ヘッドの電気的回路ブロック図である。記録デー
タ・駆動タイミング生成回路５０３によって、生成され
た記録データＳＩ及び記録データ転送クロックＣＬＫは
バブルジェット記録ヘッド５１に実装されたヘッド駆動
ＩＣ５２に集積された記録データ転送用シフトレジスタ
５１１に転送され、記録装置本体ヘッド制御部のタイミ
ング生成回路５０２で生成されたＬＡＴ信号によって、
ヘッド駆動ＩＣ５２のラッチ回路５１２にラッチされ
る。
【００３１】また、記録装置本体の記録ヘッド制御部５
０のタイミング生成回路５０２でヘッド駆動信号ＳＥＮ
Ｂ，ＳＥＩ，ＳＥＣＫが作成される。ＳＥＮＢは、バブ
ルジェット記録ヘッドのヒータ５１０の通電を許可する
信号、ＳＥＩは各ヒータの通電時間を規定する信号、Ｓ
ＥＣＫはＳＥＩと共にヒータ５１０の通電時間を規定す
ると共に、隣接する次のヒータの通電制御信号として、
記録ヘッド５１の駆動ＩＣ５２に集積された駆動シフト
レジスタ５１３によって転送される。ＳＥＣＫ及びＳＥ
Ｉによって駆動されたシフトレジスタ５１３の出力信
号、ＳＥＮＢ信号及び記録データ信号（ラッチ回路５１
２の出力）の論理積によって、ヒータ５１０が駆動され
る。
０のタイミング生成回路５０２でヘッド駆動信号ＳＥＮ
Ｂ，ＳＥＩ，ＳＥＣＫが作成される。ＳＥＮＢは、バブ
ルジェット記録ヘッドのヒータ５１０の通電を許可する
信号、ＳＥＩは各ヒータの通電時間を規定する信号、Ｓ
ＥＣＫはＳＥＩと共にヒータ５１０の通電時間を規定す
ると共に、隣接する次のヒータの通電制御信号として、
記録ヘッド５１の駆動ＩＣ５２に集積された駆動シフト
レジスタ５１３によって転送される。ＳＥＣＫ及びＳＥ
Ｉによって駆動されたシフトレジスタ５１３の出力信
号、ＳＥＮＢ信号及び記録データ信号（ラッチ回路５１
２の出力）の論理積によって、ヒータ５１０が駆動され
る。
【００３２】図１０は本実施例の駆動信号及びヒータの
通電の関係を示すタイミングチャートである。図１０で
分かるように、隣接するヒータの駆動はＳＥＣＫの１ク
ロックパルス幅の時間だけ遅れ、かつ連続して駆動され
る。
通電の関係を示すタイミングチャートである。図１０で
分かるように、隣接するヒータの駆動はＳＥＣＫの１ク
ロックパルス幅の時間だけ遅れ、かつ連続して駆動され
る。
【００３３】以上のように、本実施例では、隣接するノ
ズルを大きなブロックに分割せず、連続的に駆動するこ
とにより、ブロックの区切りを無くし、従来例における
光学的濃度むらを記録画像に発生させないようにしてい
る。
ズルを大きなブロックに分割せず、連続的に駆動するこ
とにより、ブロックの区切りを無くし、従来例における
光学的濃度むらを記録画像に発生させないようにしてい
る。
【００３４】（実施例２）図１１に、本実施例２の前記
実施例１の図９相当図を示す。図９と同様に、５０は記
録装置本体の記録ヘッド制御部、５１は本発明における
バブルジェット記録ヘッドの電気的回路ブロック図であ
る。記録データ・駆動タイミング生成回路５０３によっ
て、生成された記録データＳＩ及び記録データ転送クロ
ックＣＬＫはバブルジェット記録ヘッド５１に実装され
たヘッド駆動ＩＣ５２に集積された記録データ転送用シ
フトレジスタ５１１に転送され、記録装置本体ヘッド制
御部のタイミング生成回路５０２で生成されたＬＡＴ信
号によって、ヘッド駆動ＩＣ５２のラッチ回路５１２に
ラッチされる。
実施例１の図９相当図を示す。図９と同様に、５０は記
録装置本体の記録ヘッド制御部、５１は本発明における
バブルジェット記録ヘッドの電気的回路ブロック図であ
る。記録データ・駆動タイミング生成回路５０３によっ
て、生成された記録データＳＩ及び記録データ転送クロ
ックＣＬＫはバブルジェット記録ヘッド５１に実装され
たヘッド駆動ＩＣ５２に集積された記録データ転送用シ
フトレジスタ５１１に転送され、記録装置本体ヘッド制
御部のタイミング生成回路５０２で生成されたＬＡＴ信
号によって、ヘッド駆動ＩＣ５２のラッチ回路５１２に
ラッチされる。
【００３５】また、記録装置本体の記録ヘッド制御部５
０のタイミング生成回路５０２でヘッド駆動信号ＳＥＮ
Ｂ，ＳＥＩ，ＳＥＣＫが作成される。ＳＥＮＢはバブル
ジェット記録ヘッドのヒータ５１０の通電を許可する信
号、ＳＥＩは各ヒータの通電時間を規定する信号、ＳＥ
ＣＫはＳＥＩと共にヒータ５１０の通電時間を規定する
と共に、隣接する次のヒータの通電制御信号として、記
録ヘッド５１の駆動ＩＣ５２に集積された駆動シフトレ
ジスタ５１３によって転送される。ＳＥＣＫ及びＳＥＩ
によって駆動された駆動シフトレジスタ５１３の出力信
号、ＳＥＮＢ信号及び記録データ信号（ラッチ回路５１
２の出力）の論理積によって、ヒータ５１０が駆動され
る。本実施例では、駆動シフトレジスタ５１３の出力信
号は隣接する２つのヒータに対して接続され、２ヒータ
づつ駆動される。記録ヘッドのノズル密度によって異な
るが、２〜８個のヒータを駆動しても良い。
０のタイミング生成回路５０２でヘッド駆動信号ＳＥＮ
Ｂ，ＳＥＩ，ＳＥＣＫが作成される。ＳＥＮＢはバブル
ジェット記録ヘッドのヒータ５１０の通電を許可する信
号、ＳＥＩは各ヒータの通電時間を規定する信号、ＳＥ
ＣＫはＳＥＩと共にヒータ５１０の通電時間を規定する
と共に、隣接する次のヒータの通電制御信号として、記
録ヘッド５１の駆動ＩＣ５２に集積された駆動シフトレ
ジスタ５１３によって転送される。ＳＥＣＫ及びＳＥＩ
によって駆動された駆動シフトレジスタ５１３の出力信
号、ＳＥＮＢ信号及び記録データ信号（ラッチ回路５１
２の出力）の論理積によって、ヒータ５１０が駆動され
る。本実施例では、駆動シフトレジスタ５１３の出力信
号は隣接する２つのヒータに対して接続され、２ヒータ
づつ駆動される。記録ヘッドのノズル密度によって異な
るが、２〜８個のヒータを駆動しても良い。
【００３６】図１２は本実施例２の駆動信号及びヒータ
の通電の関係を示すタイミングチャート（図１０相当
図）である。図１２に示すように、２ヒータづつ隣接す
るヒータの駆動はＳＥＣＫの１クロックパルス幅の時間
だけ遅れ、かつ連続して駆動される。
の通電の関係を示すタイミングチャート（図１０相当
図）である。図１２に示すように、２ヒータづつ隣接す
るヒータの駆動はＳＥＣＫの１クロックパルス幅の時間
だけ遅れ、かつ連続して駆動される。
【００３７】以上のように、本実施例では、隣接する２
ノズルを同時に駆動し、隣接するノズルを大きなブロッ
クに分割せず、連続的に駆動することにより、ブロック
の区切りを無くし、従来例における光学的濃度むらを記
録画像に発生させないようにしている。
ノズルを同時に駆動し、隣接するノズルを大きなブロッ
クに分割せず、連続的に駆動することにより、ブロック
の区切りを無くし、従来例における光学的濃度むらを記
録画像に発生させないようにしている。
【００３８】（実施例３）図１３（Ａ）に、本実施例３
における、インクジェット記録装置の電気的な構成を示
すブロック図（前記図９相当図）を示す。図１３（Ｂ）
は駆動カウンタアレー６３の構成を示す回路ブロック図
である。
における、インクジェット記録装置の電気的な構成を示
すブロック図（前記図９相当図）を示す。図１３（Ｂ）
は駆動カウンタアレー６３の構成を示す回路ブロック図
である。
【００３９】図１３（Ａ）において、６０は記録装置本
体の記録ヘッド制御部、６１は、本発明におけるバブル
ジェット記録ヘッドの電気的回路ブロック図である。記
録データ・駆動タイミング生成回路６０３によって、生
成された記録データＳＩ及び記録データ転送クロックＣ
ＬＫはバブルジェット記録ヘッド６１に実装されたヘッ
ド駆動ＩＣ６２に集積された記録データ転送用シフトレ
ジスタ６１１に転送され、記録装置本体ヘッド制御部６
０のタイミング生成回路６０２で生成されたＬＡＴ信号
によって、ヘッド駆動ＩＣ６２のラッチ回路６１２にラ
ッチされる。
体の記録ヘッド制御部、６１は、本発明におけるバブル
ジェット記録ヘッドの電気的回路ブロック図である。記
録データ・駆動タイミング生成回路６０３によって、生
成された記録データＳＩ及び記録データ転送クロックＣ
ＬＫはバブルジェット記録ヘッド６１に実装されたヘッ
ド駆動ＩＣ６２に集積された記録データ転送用シフトレ
ジスタ６１１に転送され、記録装置本体ヘッド制御部６
０のタイミング生成回路６０２で生成されたＬＡＴ信号
によって、ヘッド駆動ＩＣ６２のラッチ回路６１２にラ
ッチされる。
【００４０】また、記録装置本体の記録ヘッド制御部６
０のタイミング生成回路６０２でヘッド駆動信号ＣＥＮ
Ｂ，ＣＤＡＴＡ，ＣＣＬＫ，ＣＳＴ，ＣＬＡＴ，ＣＤＣ
ＬＫが生成される。ＣＥＮＢはバブルジェット記録ヘッ
ドのヒータ６１０の通電を許可する信号、ＣＤＡＴＡは
各ヒータの通電時間を規定するデータでカウンタアレー
６３にＣＤＣＬＫ信号に同期して転送され、プリセッタ
ブルカウンタ６３にＣＬＡＴ信号によってプリセットさ
れる。各プリセッタブルカウンタ６３は、ＣＣＬＫ信号
に同期して転送されるカウントスタート信号ＣＳＴをト
リガーにして、プリセットされたＣＤＡＴＡ値の数だけ
ＣＣＬＫ信号をカウントし、出力信号をカウント中に
“１”にセットする。カウントスタート信号ＣＳＴはＣ
ＣＬＫ信号に同期してシフトし、隣接するプリセッタブ
ルカウンタ６３に順次カウントスタートのトリガーをか
ける。
０のタイミング生成回路６０２でヘッド駆動信号ＣＥＮ
Ｂ，ＣＤＡＴＡ，ＣＣＬＫ，ＣＳＴ，ＣＬＡＴ，ＣＤＣ
ＬＫが生成される。ＣＥＮＢはバブルジェット記録ヘッ
ドのヒータ６１０の通電を許可する信号、ＣＤＡＴＡは
各ヒータの通電時間を規定するデータでカウンタアレー
６３にＣＤＣＬＫ信号に同期して転送され、プリセッタ
ブルカウンタ６３にＣＬＡＴ信号によってプリセットさ
れる。各プリセッタブルカウンタ６３は、ＣＣＬＫ信号
に同期して転送されるカウントスタート信号ＣＳＴをト
リガーにして、プリセットされたＣＤＡＴＡ値の数だけ
ＣＣＬＫ信号をカウントし、出力信号をカウント中に
“１”にセットする。カウントスタート信号ＣＳＴはＣ
ＣＬＫ信号に同期してシフトし、隣接するプリセッタブ
ルカウンタ６３に順次カウントスタートのトリガーをか
ける。
【００４１】また、図１４は本実施例３の駆動信号及び
ヒータの通電の関係を示すタイミングチャート（図１０
相当図）である。図１４に示すように、隣接するヒータ
の駆動はＣＣＬＫの１クロックパルス幅の時間だけ遅
れ、かつ連続して駆動される。
ヒータの通電の関係を示すタイミングチャート（図１０
相当図）である。図１４に示すように、隣接するヒータ
の駆動はＣＣＬＫの１クロックパルス幅の時間だけ遅
れ、かつ連続して駆動される。
【００４２】以上のように、本実施例３では、隣接する
ノズルを大きなブロックに分割せず、連続的に駆動する
ことにより、ブロックの区切りを無くし、従来例におけ
る光学的濃度むらを記録画像に発生させないようにして
いる。
ノズルを大きなブロックに分割せず、連続的に駆動する
ことにより、ブロックの区切りを無くし、従来例におけ
る光学的濃度むらを記録画像に発生させないようにして
いる。
【００４３】（他の実施例）前記実施例２では、隣接す
る２ヒータを同時に駆動したが、記録ヘッドのノズル密
度によるが、目視したときに人間の目で認識できない幅
に収めれば、３〜８個のヒータを同時に駆動しても差支
えない。また、それぞれ排他的に実施されるだけでな
く、例えば、実施例２と実施例３とを組み合わせて実施
することもできる。さらにまた、前記各実施例において
は、バブルジェット記録技術の事例について説明した
が、ピエゾ方式等、インクジェット記録技術であれば、
バブルジェット記録技術のみに限定されるものではない
ことはもちろんである。
る２ヒータを同時に駆動したが、記録ヘッドのノズル密
度によるが、目視したときに人間の目で認識できない幅
に収めれば、３〜８個のヒータを同時に駆動しても差支
えない。また、それぞれ排他的に実施されるだけでな
く、例えば、実施例２と実施例３とを組み合わせて実施
することもできる。さらにまた、前記各実施例において
は、バブルジェット記録技術の事例について説明した
が、ピエゾ方式等、インクジェット記録技術であれば、
バブルジェット記録技術のみに限定されるものではない
ことはもちろんである。
【００４４】なお、この発明は、特にインクジェット記
録装置の中でも、インクの吐出を行わせるために利用さ
れるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段を備
え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起さ
せる方式の記録ヘッド、記録装置において、優れた効果
をもたらすものである。かかる方式によれば、記録の高
密度化、高精細化が達成できるからである。
録装置の中でも、インクの吐出を行わせるために利用さ
れるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段を備
え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起さ
せる方式の記録ヘッド、記録装置において、優れた効果
をもたらすものである。かかる方式によれば、記録の高
密度化、高精細化が達成できるからである。
【００４５】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第４７２３１２９号明細書、同第４７４０
７９６号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体（インク）が保持
されているシートや流路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくもひとつの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生
せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結果的
にこの駆動信号に一対一対応し液体（インク）内の気泡
を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮に
より吐出用開口を介して液体（インク）を吐出させて、
少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス
形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるの
で、特に応答性に優れた液体（インク）の吐出が達成で
き、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第４４６３３５９号明細書、同第４３４５
２６２号明細書に記載されているようなものが適してい
る。なお、前述熱作用面の温度上昇率に関する発明の米
国特許第４３１３２４４号明細書に記載されている条件
を採用すると、更に優れた記録を行うことができる。
ば、米国特許第４７２３１２９号明細書、同第４７４０
７９６号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体（インク）が保持
されているシートや流路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくもひとつの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生
せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結果的
にこの駆動信号に一対一対応し液体（インク）内の気泡
を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮に
より吐出用開口を介して液体（インク）を吐出させて、
少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス
形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるの
で、特に応答性に優れた液体（インク）の吐出が達成で
き、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第４４６３３５９号明細書、同第４３４５
２６２号明細書に記載されているようなものが適してい
る。なお、前述熱作用面の温度上昇率に関する発明の米
国特許第４３１３２４４号明細書に記載されている条件
を採用すると、更に優れた記録を行うことができる。
【００４６】記録ヘッドの構成としては、前述の各明細
書に開示されているような吐出口、流路、電気熱変換体
の組み合わせ構成（直線状液流路または直角液流路）の
ほかに熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を
開示する米国特許第４５５８３３３号明細書、米国特許
第４４５９６００号明細書を用いた構成も本発明に有効
である。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通す
るスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示す
る特開昭５９−１２３６７０号公報や熱エネルギーの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭５９−１３８４６１号公報に基づいた構成とし
ても本発明は有効である。
書に開示されているような吐出口、流路、電気熱変換体
の組み合わせ構成（直線状液流路または直角液流路）の
ほかに熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を
開示する米国特許第４５５８３３３号明細書、米国特許
第４４５９６００号明細書を用いた構成も本発明に有効
である。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通す
るスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示す
る特開昭５９−１２３６７０号公報や熱エネルギーの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭５９−１３８４６１号公報に基づいた構成とし
ても本発明は有効である。
【００４７】さらに、実施例ではシリアルタイプのイン
クジェット記録装置を示したが、記録可能な最大幅に対
応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対
しても本発明は有効に適用できる。フルラインタイプの
記録ヘッドとしては、前述した明細書に開示されている
ような複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さ
を満たす構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドと
しての構成のいずれでもよいが、本発明は、前述した効
果を一層有効に発揮することができる。
クジェット記録装置を示したが、記録可能な最大幅に対
応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対
しても本発明は有効に適用できる。フルラインタイプの
記録ヘッドとしては、前述した明細書に開示されている
ような複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さ
を満たす構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドと
しての構成のいずれでもよいが、本発明は、前述した効
果を一層有効に発揮することができる。
【００４８】また、本発明のインクジェット記録装置の
構成として設けられる、記録ヘッドに対しての回復手
段、予備的な補助手段を付加することは本発明の効果を
一層安定できるので好ましいものである。これらを具体
的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、キャッピング手
段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱
変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの
組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行
う予備吐出モードを行うことも安定した記録を行うため
に有効である。
構成として設けられる、記録ヘッドに対しての回復手
段、予備的な補助手段を付加することは本発明の効果を
一層安定できるので好ましいものである。これらを具体
的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、キャッピング手
段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱
変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの
組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行
う予備吐出モードを行うことも安定した記録を行うため
に有効である。
【００４９】また、搭載される記録ヘッド、インクの種
類ないし個数についても、例えば単色のインクおよび１
個の記録ヘッドが設けられたもののほか、記録色や濃度
を異にする複数のインクに対応して複数のヘッドが設け
られるものであってもよく、任意の組み合わせにおいて
も有効である。記録装置の記録モードとしては黒色等の
記録モードだけでなく、異なる色の複色カラー、または
混色によるフルカラーの各記録モードにおいても本発明
は有効である。
類ないし個数についても、例えば単色のインクおよび１
個の記録ヘッドが設けられたもののほか、記録色や濃度
を異にする複数のインクに対応して複数のヘッドが設け
られるものであってもよく、任意の組み合わせにおいて
も有効である。記録装置の記録モードとしては黒色等の
記録モードだけでなく、異なる色の複色カラー、または
混色によるフルカラーの各記録モードにおいても本発明
は有効である。
【００５０】以上、説明した本発明の実施例において
は、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以
下で凝固するインクであって、室温で軟化もしくは融解
するものや、あるいは、前述のインクジェットではイン
ク自体を３０℃以上７０℃以下の範囲で温度調整を行っ
てインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御す
るものが一般的であるから、使用記録信号付与時にイン
クが液状をなすものであればよい。加えて、熱エネルギ
ーによる昇温を防止するため、積極的にインクの固体状
態から液体状態への相変化のエネルギーとして使用せし
めるか、または、インクの蒸発防止を目的として放置状
態で固化するインクを用いるかして、いずれにしても熱
エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液
化してインク液状として吐出するものや記録媒体に到達
する時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エ
ネルギーによって初めて液化する性質のインク使用も本
発明には適用可能である。本発明においては、前述した
各インクに対して最も有効なものは、前述した膜沸騰方
式を実行するものである。
は、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以
下で凝固するインクであって、室温で軟化もしくは融解
するものや、あるいは、前述のインクジェットではイン
ク自体を３０℃以上７０℃以下の範囲で温度調整を行っ
てインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御す
るものが一般的であるから、使用記録信号付与時にイン
クが液状をなすものであればよい。加えて、熱エネルギ
ーによる昇温を防止するため、積極的にインクの固体状
態から液体状態への相変化のエネルギーとして使用せし
めるか、または、インクの蒸発防止を目的として放置状
態で固化するインクを用いるかして、いずれにしても熱
エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液
化してインク液状として吐出するものや記録媒体に到達
する時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エ
ネルギーによって初めて液化する性質のインク使用も本
発明には適用可能である。本発明においては、前述した
各インクに対して最も有効なものは、前述した膜沸騰方
式を実行するものである。
【００５１】また、本発明は電気を力に変換させてイン
クを吐出させるピエゾジェット方式等、記録媒体と非接
触に記録ヘッドを配設させ、インクを噴射させて記録す
る記録方式等のインクジェット方式において有効であ
る。
クを吐出させるピエゾジェット方式等、記録媒体と非接
触に記録ヘッドを配設させ、インクを噴射させて記録す
る記録方式等のインクジェット方式において有効であ
る。
【００５２】更に加えて、本発明の記録装置の形態とし
ては、前述のようなワードプロセッサやコンピュータ等
の情報処理機器の出力端末として一体あるいは別体に設
けられるもののほかスキャナー等と組み合わせた複写装
置、さらには送信受信機能を有するファクシミリ装置の
形態をとるものであってもよい。
ては、前述のようなワードプロセッサやコンピュータ等
の情報処理機器の出力端末として一体あるいは別体に設
けられるもののほかスキャナー等と組み合わせた複写装
置、さらには送信受信機能を有するファクシミリ装置の
形態をとるものであってもよい。
【００５３】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インクジェット記録装置において、隣接するノズルを大
きな同時駆動ブロックに分割せず、連続的に駆動するこ
とにより、各ノズル間の相互干渉による記録画像の光学
的濃度むらをなくすことができた。
インクジェット記録装置において、隣接するノズルを大
きな同時駆動ブロックに分割せず、連続的に駆動するこ
とにより、各ノズル間の相互干渉による記録画像の光学
的濃度むらをなくすことができた。
【００５４】また、図１５に示すように、本発明におい
て連続的に駆動することにより、従来の時分割駆動にお
いて発生したブロック間の駆動間隔によって生ずる記録
画像上のレジストレーションずれ（段差）が発生しな
い。
て連続的に駆動することにより、従来の時分割駆動にお
いて発生したブロック間の駆動間隔によって生ずる記録
画像上のレジストレーションずれ（段差）が発生しな
い。
【００５５】なお、図１５（Ａ）は、フルライン型バブ
ルジェット記録ヘッドをノズルオリフィス面側から見た
図であり、（Ｂ）は従来の時分割駆動による記録画像の
段差を示す模式図、（Ｃ）は従来の分散型時分割駆動に
よる記録画像の段差を示す模式図、（Ｄ）は本発明によ
る記録画像の示す模式図である。
ルジェット記録ヘッドをノズルオリフィス面側から見た
図であり、（Ｂ）は従来の時分割駆動による記録画像の
段差を示す模式図、（Ｃ）は従来の分散型時分割駆動に
よる記録画像の段差を示す模式図、（Ｄ）は本発明によ
る記録画像の示す模式図である。
【図１】 実施例の記録ヘッド構造の模式図
【図２】 実施例のバブルジェット記録装置の主要部の
斜視図
斜視図
【図３】 記録ヘッドの構造図
【図４】 各ノズル間の相互干渉説明図
【図５】 記録ヘッドのヒータの通電−インク吐出関係
図
図
【図６】 記録ヘッドと時分割駆動により発生する記録
画像の濃度むら説明図
画像の濃度むら説明図
【図７】 従来のインクジェット記録装置の一例の電気
的構成ブロック図
的構成ブロック図
【図８】 従来のインクジェット記録装置の一例の駆動
タイミングチャート
タイミングチャート
【図９】 実施例１の電気的構成ブロック図
【図１０】 実施例１の駆動タイミングチャート
【図１１】 実施例２の電気的構成ブロック図
【図１２】 実施例２の動作タイミングチャート
【図１３】 実施例３の電気的構成ブロック図
【図１４】 実施例３の駆動タイミングチャート
【図１５】 従来例及び本発明実施例の記録時のレジス
トレーションずれの比較図例
トレーションずれの比較図例
１０１ シリコン基板 １０２ インク吐出口 １０３ ノズル隔壁 １０４ 発熱体（ヒータ） １０５ 共通液室 １０６ ノズル １０７ 天板 ２０１Ａ ブラック記録ヘッド ２０１Ｂ シアン記録ヘッド ２０１Ｃ マゼンタ記録ヘッド ２０１Ｄ イエロー記録ヘッド ２０２ 記録ヘッドノズル ２０３ 紙送りローラＡ ２０４ 紙送りローラＢ ２０５ 被記録材 ２０１ インクジェット記録ヘッド ３００ エネルギー発生体（ヒータ） ３０１ ノズル ３０２ 吐出口 ３０３ 共通液室 ３０４ フィルタ ３０５ Ｓｉ基板 ３０６ Ａｌ基板 ３０７ インク供給チューブ ３０８ フレキケーブル ３０９ ノズル分離隔壁 ３２１ 発泡 ３２２ メニスカス ５０ 記録ヘッド制御部 ５１ 記録ヘッド ５２ 記録ヘッド駆動ＩＣ ５０１ ヘッド駆動用電源 ５０２ タイミング生成回路 ５０３ 記録データ駆動タイミング生成回路 ５１０ エネルギー発生体（ヒータ） ５１１ 記録データ用シフトレジスタ ５１２ 記録データラッチ回路 ５１３ 駆動シフトレジスタ ５１４ 論理積回路 ６０ 記録ヘッド制御部 ６１ 記録ヘッド ６２ 記録ヘッド駆動ＩＣ ６３ カウンタアレー ６０１ ヘッド駆動用電源 ６０２ タイミング生成回路 ６０３ 記録データ駆動タイミング生成回路 ６１０ エネルギー発生体（ヒータ） ６１１ 記録データ用シフトレジスタ ６１２ 記録データラッチ回路 ６１４ 論理積回路 ６３０ プリセッタブルカウンタ
Claims (2)
- 【請求項１】 紙などの被記録媒体に向かって、微小イ
ンク液滴を噴射させ、文字や画像を記録するインクジェ
ット記録ヘッド、特に被記録媒体の記録幅のノズルを備
えたインクジェット記録ヘッドを使用して記録を行うイ
ンクジェット記録装置において、隣接する前記ノズルを
連続的に駆動する手段を有することを特徴とするインク
ジェット記録装置。 - 【請求項２】 前記記録ヘッドは、インクを吐出する複
数の吐出部と、対応する吐出部毎に設けられ、インクに
熱による状態変化を生起させこの状態変化に基づいてイ
ンクを前記吐出部から吐出させて飛翔的液滴を形成する
熱エネルギー発生手段とを有したことを特徴とする請求
項１記載のインクジェット記録装置。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23321793A JP3165299B2 (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | インクジェット記録装置 |
| US08/306,977 US5988785A (en) | 1993-09-20 | 1994-09-16 | Recording apparatus and method for driving recording head element groups in a partially overlapped manner |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23321793A JP3165299B2 (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | インクジェット記録装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0781066A true JPH0781066A (ja) | 1995-03-28 |
| JP3165299B2 JP3165299B2 (ja) | 2001-05-14 |
Family
ID=16951599
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23321793A Expired - Fee Related JP3165299B2 (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | インクジェット記録装置 |
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| JP (1) | JP3165299B2 (ja) |
Cited By (1)
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| US8393702B2 (en) | 2009-12-10 | 2013-03-12 | Fujifilm Corporation | Separation of drive pulses for fluid ejector |
| JP1621250S (ja) | 2017-05-22 | 2018-12-25 | ||
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| EP4119100A4 (en) * | 2021-06-01 | 2023-11-22 | Medmetalex Co., Ltd | BALL REMOVAL DEVICE |
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| US4463359A (en) * | 1979-04-02 | 1984-07-31 | Canon Kabushiki Kaisha | Droplet generating method and apparatus thereof |
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-
1993
- 1993-09-20 JP JP23321793A patent/JP3165299B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1994
- 1994-09-16 US US08/306,977 patent/US5988785A/en not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3165299B2 (ja) | 2001-05-14 |
| US5988785A (en) | 1999-11-23 |
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