JPH0780943B2 - 高剛性ポリプロピレンを製造する方法 - Google Patents

高剛性ポリプロピレンを製造する方法

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JPH0780943B2
JPH0780943B2 JP32292488A JP32292488A JPH0780943B2 JP H0780943 B2 JPH0780943 B2 JP H0780943B2 JP 32292488 A JP32292488 A JP 32292488A JP 32292488 A JP32292488 A JP 32292488A JP H0780943 B2 JPH0780943 B2 JP H0780943B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高剛性ポリプロピレンを製造する方法に関す
る。更に詳しくは、著しく透明性の優れた高剛性ポリプ
ロピレンを製造する方法に関する。
[従来の技術とその問題点] 本出願人は、先に特定の方法によって得られた三塩化チ
タン組成物と有機アルミニウム化合物および芳香族カル
ボン酸エステルを特定の使用割合で組み合せてなる触媒
を用いて高剛性ポリプロピレンを製造する方法(特開昭
58-104907号公報、以下先願発明という。)を提案して
おり、該先願発明の方法によれば、なんら特別な添加剤
を添加しなくても、従来公知の方法により得られたポリ
プロピレンに比べ著しく高い剛性を有する成形品が得ら
れるポリプロピレンを製造することが可能となった。
しかしながら、先願発明の方法により得られたポリプロ
ピレンは上記の様な高剛性を有してはいるものの、半透
明な為、用途分野においては商品価値を損なう場合があ
り、透明性の向上が望まれていた。
本発明者等は、透明性の改良された高剛性ポリプロピレ
ンを製造する方法について鋭意研究した。その結果、先
願発明に用いたものと同様な三塩化チタン組成物と有機
アルミニウム化合物を組み合せ、このものに特定の芳香
族系単量体を少量重合させて予備活性化し、更に芳香族
カルボン酸エステルの特定量を組み合せてなる触媒を使
用してプロピレンを重合させて得られたポリプロピレン
が先願発明の方法により得られたポリプロピレンに比べ
て、著しく優れた透明性を有するばかりでなく、剛性に
おいても更に向上することを見いだし、本発明に至っ
た。
以上の説明から明らかなように本発明の目的は、透明性
の著しく優れた、高剛性ポリプロピレンを製造する方法
を提供するにある。他の目的は透明性の著しく優れた高
剛性ポリプロピレンを提供するにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明は以下の構成を有する。
(1)三塩化チタン組成物(III)と、有機アルミ
ニウム化合物(A1)、および芳香族カルボン酸エステ
ル(E)からなる触媒を用いてプロピレンを重合し、ポ
リプロピレンを製造する方法において、 三塩化チタン組成物(III)として、有機アルミニウム
化合物(A2)若しくは有機アルミニウム化合物(A2)と
エーテル類(B1)との反応生成物(I)に四塩化チタン
を反応させて得られた固体生成物(II)を、α−オレフ
ィンで重合処理し、若しくは重合処理せずに、更にエー
テル類(B2)と周期律表第III〜VI族の元素のハロゲン
化物とを反応させて得られた三塩化チタン組成物(II
I)を用い、該三塩化チタン組成物(III)と有機アルミ
ニウム化合物(A1)とを組み合わせ、このものに、次
式、 (式中、nは0,1,2、mは1,2のいづれかであり、R1はケ
イ素を含んでいてもよい炭素数1から12までの炭化水素
基、水素、またはハロゲンを表わし、mが2の時、各R1
は同一でも異なっていてもよい。)で示される芳香族系
単量体を該三塩化チタン組成物(III)1g当り、0.001g
〜100g重合反応させてなる予備活性化触媒成分と、必要
に応じて追加の有機アルミニウム化合物(A1)、および
芳香族カルボン酸エステル(E)とを組み合わせ、該芳
香族カルボン酸エステル(E)と該三塩化チタン組成物
(III)(Ti原子数基準以下同様)のモル比(E)/(I
II)=0.1〜10.0とし、該有機アルミニウム化合物
(A1)と該三塩化チタン組成物(III)のモル比(A1
/(III)=0.1〜200とした触媒を用いてプロピレンを
重合させることを特徴とする高剛性ポリプロピレンを製
造する方法。
(2)有機アルミニウム化合物(A1)として、ジアルキ
ルアルミニウムモノハライドを用いる前記第1項に記載
の方法。
(3)有機アルミニウム化合物(A2)として一般式がA1
R p′3−(p+p′) (式中、R2,R3はアルキル基、シクロアルキル基、アリ
ール基等の炭化水素基またはアルコキシ基を、Xはハロ
ゲンを表わし、またp,p′は0<p+p′≦3の任意の
数を表わす。)で表わされる有機アルミニウム化合物を
用いる前記第1項に記載の方法。
(4)重合させて得られたポリプロピレンのアイソタク
チックペンタッド分率(P)と(MFR)の関係が、 1.00≧P≧0.015 1og MFR+0.955 の範囲内にある特許請求の範囲第1項に記載の方法。
本発明の構成について以下に詳述する。
本発明に用いる三塩化チタン組成物(III)としては、
先願発明に使用したものと同様な三塩化チタン組成物を
用いる。その製造方法の詳細は先願発明の明細書等に詳
しいが以下の通りである。
有機アルミニウム化合物(A2)、若しくは有機アルミニ
ウム化合物(A2)と電子供与体(B1)との反応生成物
(I)に、四塩化チタンを反応させて得られた固体生成
物(II)をα−オレフィンで重合処理し、若しくは重合
処理せずに、更に電子供与体(B2)と電子受容体とを反
応させて、本発明に用いる三塩化チタン組成物(III)
が得られる。各工程の詳細は次の通りである。
先づ反応生成物(I)を得るための有機アルミニウム化
合物(A2)と電子供与体(B1)との反応は、溶媒(D)
中で−20℃〜200℃、好ましくは−10〜100℃で30秒〜5
時間行う。(A2)、(B1)、(D)の添加順序に制限は
なく、使用する量比は有機アルミニウム1モルに対し、
エーテル類0.1〜8モル、好ましくは1〜4モル、溶媒
0.5〜5l、好ましくは0.5〜2lが適当である。溶媒として
は脂肪族炭化水素が好ましい。かくして反応生成物
(I)が得られる。反応生成物(I)は分離をしないで
反応終了したままの液状態(反応生成液(I)と言うこ
とがある)でつぎの反応に供することができる。
次に反応生成物(I)、若しくは有機アルミニウム化合
物(A2)と四塩化チタン(C)との反応は、0〜200
℃、好ましくは10〜90℃で5分〜8時間行う。溶媒は用
いない方が好ましいが、脂肪族又は芳香族炭化水素を用
いることは出来る。(A2)若しくは(I)、(C)及び
溶媒の混合は任意の順で行えばよく、全量の混合は5時
間以内に終了するのが好ましい。反応に用いるそれぞれ
の使用量は四塩化チタン1モルに対し、溶媒は0〜3,00
0ml,有機アルミニウム化合物(A2)若しくは反応生成物
(I)は、該(A2)若しくは該(I)中のAl原子数と四
塩化チタン中のTi原子数の比(Al/Ti)で0.05〜10、好
ましくは0.06〜0.3である。
反応終了後は濾別又はデカンテーションにより液状部分
を分離除去した後、更に溶媒で洗浄を繰り返した後、得
られた固体生成物(II)を、溶媒に懸濁状態のまゝ次の
工程に使用しても良く、更に乾燥して固形物として取り
出して使用しても良い。
又、この有機アルミニウム化合物(A2)若しくは反応生
成物(I)と四塩化チタンとを反応させて得られる固体
生成物(II)をα−オレフィンで重合処理して、次の反
応に用いることも可能である。
なお、本発明で「重合処理する」とは、少量のα−オレ
フィンを重合可能な条件下に固体生成物(II)に接触せ
しめてα−オレフィンを重合せしめることを言う。この
重合処理で固体生成物(II)は重合体で被覆された状態
となる。α−オレフィンで重合処理する方法としては、 (1)有機アルミニウム化合物(A2)若しくは反応生成
物(I)と四塩化チタンとの反応の任意の過程でα−オ
レフィンを添加して固体生成物(II)を重合処理する方
法、 (2)有機アルミニウム化合物(A2)若しくは反応生成
物(I)と四塩化チタンとの反応終了後、α−オレフィ
ンを添加して固体生成物(II)を重合処理する方法、 (3)有機アルミニウム化合物(A2)若しくは反応生成
物(I)と四塩化チタンとの反応終了後、濾別又はデカ
ンテーションにより液状部分を分離除去した後、得られ
た固体生成物(II)を溶媒に懸濁させ、更に有機アルミ
ニウム化合物、α−オレフィンを添加し、重合処理する
方法がある。
有機アルミニウム化合物(A2)若しくは反応生成物
(I)と四塩化チタンとの反応の任意の過程でα−オレ
フィンを添加する場合及び有機アルミニウム化合物
(A2)若しくは反応生成物(I)と四塩化チタンとの反
応終了後、α−オレフィンを添加する場合は、反応温度
30〜90℃で5分〜10時間、α−オレフィンを大気圧で通
すか10kg/cm2G以下の圧力になるように添加する。添加
するα−オレフィンの量は、固体生成物(II)100gに対
し、10〜5,000gのα−オレフィンを用い、0.05g〜1,000
g重合させることが望ましい。
α−オレフィンによる重合処理を、有機アルミニウム化
合物(A2)若しくは反応生成物(I)と四塩化チタンと
の反応終了後、濾別又は、デカンテーションにより液状
部分を分離除去した後、得られた固体生成物(II)を溶
媒に懸濁させてから行う場合には、固体生成物(II)10
0gを溶媒100ml〜2,000ml,有機アルミニウム化合物0.5g
〜5,000gを加え、反応温度30〜90℃で5分〜10時間、α
−オレフィンを0〜10kg/cm2Gで10〜5,000gを加え、0.0
5〜1,000g重合させることが望ましい。
溶媒は脂肪族炭化水素が好ましく、有機アルミニウム化
合物は(A2)に用いたものと同じであっても、異なった
ものでも良い。反応終了後は、濾別又はデカンテーショ
ンにより液状部分を分離除去した後、更に溶媒で洗浄を
繰り返した後、得られた重合処理を施した固体生成物
(以下固体生成物(II-A)と呼ぶことがある)を、溶媒
に懸濁状態のまま次の工程に使用しても良く、更に乾燥
して固形物として取り出して使用しても良い。
固体生成物(II)又は固体生成物(II-A)は、ついでこ
れにエーテル類(B2)と周期律表III〜VI族の元素のハ
ロゲン化物(F)とを反応させる。この反応は溶媒を用
いないでも行うことができるが、脂肪族炭化水素を用い
る方が好ましい結果が得られる。使用する量は固体生成
物(II)又は(II-A)100gに対して、(B2)0.1g〜1,00
0g、好ましくは0.5g〜200g、(F)0.1g〜1,000g、好ま
しくは0.2g〜500g、溶媒0〜3,000ml、好ましくは100〜
1,000mlである。反応方法としては固体生成物(II)
または(II-A)にエーテル類(B2)および周期律表III
〜VI族の元素のハロゲン化物(F)を同時に反応させる
方法、(II)または(II-A)に(F)を反応させた
後、(B2)を反応させる方法、(II)または(II-A)
に(B2)を反応させた後、(F)を反応させる方法、
(B2)と(F)を反応させた後、(II)または(II-A)
を反応させる方法があるがいずれの方法でも良い。反応
条件は、上述の、の方法においては、40℃〜200
℃、好ましくは50℃〜100g℃で30秒〜5時間反応させる
ことが望ましく、の方法においては(II)または(II
-A)と(B2)の反応を0℃〜50℃で1分〜3時間反応さ
せた後、(F)とは前記、と同様な条件下で反応さ
せる。またの方法においては(B2)と(F)を10℃〜
100℃で30分〜2時間反応させた後、40℃以下に冷却
し、(II)または(II-A)を添加した後、前記、と
同様な条件下で反応させる。固体生成物(II)または、
(II-A)、(B2)、および(F)の反応終了後は濾別ま
たはデカンテーションにより液状部分を分離除去した
後、更に溶媒で洗浄を繰り返し、本発明に用いる三塩化
チタン組成物(III)が得られる。
以上の様にして得られた三塩化チタン組成物(III)と
有機アルミニウム化合物(A1)とを組み合わせ、このも
のに、次式、 (式中、nは0,1,2、mは1,2のいづれかであり、R1はケ
イ素を含んでいてもよい炭素数1から12までの炭化水素
基、水素、またはハロゲンを表わし、mが2の時、各R1
は同一でも異なっていてもよい。)で示される芳香族系
単量体(以後、特定の芳香族系単量体と省略していうこ
とがある。)を該三塩化チタン組成物(III)1g当り、
0.001g〜100g重合反応させた予備活性化触媒成分と、必
要に応じて追加の有機アルミニウム化合物(A1)、およ
び芳香族カルボン酸エステル(E)とを組み合せ、本発
明に使用する触媒とする。
予備活性化は、三塩化チタン組成物(III)1gに対し、
有機アルミニウム化合物(A1)0.005g〜500g、溶媒0〜
50l、水素0〜1,000ml、および特定の芳香族系単量体0.
01g〜1,000gを用いる。
重合反応温度は0℃〜100℃で1分〜20時間、特定の芳
香族系単量体を反応させ、三塩化チタン組成物(III)1
g当り0.001g〜100g、好ましくは0.01g〜100gの特定の芳
香族系単量体を重合させる事が望ましい。重合反応量が
0.001g未満では透明性と剛性の向上効果が不十分であ
り、100gを超えると効果の向上が顕著でなくなり、経済
的に不利となる。
予備活性化はn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、トルエン等の炭化水素溶媒中で行うこともでき、予
備活性化の際に水素を共存させても良い。また予備活性
化において予め芳香族カルボン酸エステル(E)を添加
することも可能である。
予備活性化反応が終了した後は、該予備活性化触媒成分
スラリーに所要量の芳香族カルボン酸エステル(E)を
添加した触媒をそのままプロピレンの重合に用いること
もできるし、また、共存する溶媒、未反応の特定の芳香
族系単量体、および有機アルミニウム化合物(A1)を濾
別して除き、乾燥した粉粒体若しくは該粉粒体に溶媒を
加えて懸濁した状態とし、このものに追加の有機アルミ
ニウム化合物(A1)、および芳香族カルボン酸エステル
(E)とを組み合わせて触媒とし、プロピレンの重合に
供する方法や、共存する溶媒、および未反応の特定の芳
香族系単量体を減圧蒸留、または不活性ガス流等によ
り、蒸発させて除き、粉粒体若しくは該粉粒体に溶媒を
加えて懸濁した状態とし、このものに必要に応じて有機
アルミニウム化合物(A1)を追加し、更に芳香族カルボ
ン酸エステル(E)とを組み合わせて触媒とし、プロピ
レンの重合に用いることも可能である。
プロピレンの重合時においては、以上の三塩化チタン組
成物(III)、追加の有機アルミニウム化合物(A1)も
含めた有機アルミニウム化合物(A1)の総量、および芳
香族カルボン酸エステル(E)の使用量については、該
芳香族カルボン酸エステル(E)と該三塩化チタン組成
物(III)のモル比(E)/(III)が1.0〜10.0また該
有機アルミニウム化合物(A1)と該三塩化チタン組成物
(III)のモル比(A1)/(III)が1.0〜200となる範囲
で使用する。
芳香族カルボン酸エステル(E)の添加が少ないとアイ
ソタクティシティの向上が不十分な為、高剛性となら
ず、また多すぎと重合活性が低下し、実用的でない。な
お、三塩化チタン組成物(III)のモル数とは、実質的
に(III)に含まれているTiグラム原子数をいう。
本発明に用いる三塩化チタン組成物(III)の製造に使
用する有機アルミニウム化合物(A2)としては、一般式
がA1R p′3−(p+p′)(式中、(式
中、R2,R3はアルキル基、シクロアルキル基、アリール
基で示される炭化水素基またはアルコキシ基を、Xはハ
ロゲンを表わし、またp,p′は0<p+p′≦3の任意
の数を表わす。)で表わされる有機アルミニウム化合物
が使用される。
その具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエ
チルアルミニウム、トリn−プロピルアルミニウム、ト
リn−ブチルアルミニウム、トリi−ブチルアルミニウ
ム、トリn−ヘキシルアルミニウム、トリi−ヘキシル
アルミニウム、トリ2−メチルペンチルアルミニウム、
トリn−オクチルアルミニウム、トリn−デシルアルミ
ニウム等のトリアルキルアルミニウム類、ジエチルアル
ミニウムモノクロライド、ジn−プロピルアルミニウム
モノクロライド、ジi−ブチルアルミニウムモノクロラ
イド、ジエチルアルミニウムモノフルオライド、ジエチ
ルアルミニウムモノブロマイド、ジエチルアルミニウム
モノアイオダイド等のジアルキルアルミニウムモノハラ
イド類、ジエチルアルミニウムハイドライド等のジアル
キルアルミニウムハイドライド類、メチルアルミニウム
セスキクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライ
ド等のアルキルアルミニウムセスキハライド類、エチル
アルミニウムジクロライド、i−ブチルアルミニウムジ
クロライド等のモノアルキルアルミニウムジハライド類
などがあげられ、他にモノエトキシジエチルアルミニウ
ム、ジエトキシモノエチルアルミニウム等のアルコキシ
アルキルアルミニウム類を用いることもできる。これら
の有機アルミニウム化合物は2種類以上を混合して用い
ることもできる。
本発明に用いる前記(B1)、(B2)としてはエーテル類
である。また、下記の他の電子供与体はエーテル類と共
用することができる。電子供与体として用いられるもの
は、酸素、窒素、硫黄、燐のいずれかの原子を有する有
機化合物、すなわち、アルコール類、エステル類、アル
デヒド類、脂肪酸類、ケトン類、ニトリル類、アミン
類、アミド類、尿素又はチオ尿素類、イソシアネート
類、アゾ化合物、ホスフィン類、ホスファイト類、ホス
フィナイト類、硫化水素又はチオエーテル類、チオアル
コール類などである。前記(B1)、(B2)の具体例とし
ては、ジエチルエーテル、ジn−プロピルエーテル、ジ
n−ブチルエーテル、ジイソシアミルエーテル、ジn−
ペンチルエーテル、ジn−ヘキシルエーテル、ジi−ヘ
キシルエーテル、ジn−オクチルエーテル、ジi−オク
チルエーテル、ジn−ドデシルエーテル、ジフェニルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン等のエーテル類であり、他の電子供与体
としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノー
ル、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフ
ェノール、ナフトール等のアルコール類、若しくはフェ
ノール類、メタクリル酸メチル、酢酸エチル、ギ酸ブチ
ル、酢酸アミル、酪酸ビニル、酢酸ビニル、安息香酸エ
チル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オ
クチル、安息香酸2−エチルヘキシル、トルイル酸メチ
ル、トルイル酸エチル、トルイル酸2−エチルヘキシ
ル、アニス酸メチル、アニル酸エチル、アニス酸プロピ
ル、ケイ皮酸エチル、ナフトエ酸メチル、ナフトエ酸エ
チル、ナフトエ酸プロピル、ナフトエ酸ブチル、ナフト
エ酸2−エチルヘキシル、フェニル酢酸エチルなどのエ
ステル類、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒドなどの
アルデヒド類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、修
酸、こはく酸、アクリル酸、マレイン酸などの脂肪酸、
安息香酸などの芳香族酸、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、ベンゾフェノンなどのケトン類、ア
セトニトリル等のニトリル類、メチルアミン、ジエチル
アミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、β
(N,N−ジメチルアミノ)エタノール、ピリジン、キノ
リン、α−ピコリン、2,4,6−トリメチルピリジン、N,
N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、アニリ
ン、ジメチルアニリンなどのアミン類、ホルムアミド、
ヘキサメチルリン酸トリアミド、N,N,N′,N′,N″−ペ
ンタメチル−N′−β−ジメチルアミノメチルリン酸ト
リアミド、オクタメチルピロホスホルアミドなどのアミ
ド類、N,N,N′,N′−テトラメチル尿素などの尿素類、
フェニルイソシアネート、トルイルイソシアネートなど
のイソシアネート類、アゾベンゼンなどのアゾ化合物、
エチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリn−ブ
チルホスフィン、トリn−オクチルホスフィン、トリフ
ェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンオキシドな
どのホスフィン類、ジメチルホスファイト、ジn−オク
チルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリn−
ブチルホスファイト、トリフェニルホスファイトなどの
ホスファイト類、エチルジエチルホスフィナイト、エチ
ルブチルホスフィナイト、フェニルジフェニルホスフィ
ナイトなどのホスフィナイト類、ジエチルチオエーテ
ル、ジフェニルチオエーテル、メチルフェニルチオエー
テル、エチレンサルファイド、プロピレンサルファイド
などのチオエーテル類、エチルチオアルコール、n−プ
ロピルチオアルコール、チオフェノールなどのチオアル
コール類などをあげることもできる。これらの電子供与
体は混合して使用することもできる。反応生成物(I)
を得るためのエーテル類(B1)、固体生成物(II)また
は(II-A)に反応させる(B2)のそれぞれは同じであっ
ても異なっていてもよい。
本発明で使用する前記(F)は、周期律表III〜VI族の
元素のハロゲン化物である。具体例としては、無水塩化
アルミニウム、四塩化ケイ素、塩化第一スズ、塩化第二
スズ、四塩化チタン、四塩化ジルコニウム、三塩化リ
ン、五塩化リン、四塩化バナジウム、五塩化アンチモン
などがあげられ、これらは混合して用いることもでき
る。最も好ましいのは四塩化チタンである。
溶媒としてはつぎのものが用いられる。脂肪族炭化水素
としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタン、i−オクタン等が示され、また、脂
肪族炭化水素の代りに、またはそれと共に、四塩化炭
素、クロロホルム、ジクロルエタン、トリクロルエチレ
ン、テトラクロルエチレン等のハロゲン化炭化水素も用
いることができる。芳香族化合物として、ナフタリン等
の芳香族炭化水素、及びその誘導体であるメシチレン、
デュレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、2
−エチルナフタリン、1−フェニルナフタリン等のアル
キル置換体、モノクロルベンゼン、クロルトルエン、ク
ロルキシレン、クロルエチルベンゼン、ジクロルベンゼ
ン、ブロムベンゼン等のハロゲン化物等が示される。
重合処理に用いられるα−オレフィンとしては、エチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン
−1等の直鎖モノオレフィン類、4−メチル−ペンテン
−1、2−メチル−ペンテン−1等の枝鎖モノオレフィ
ン類等が使用される。これらのα−オレフィンは、2以
上のα−オレフィンを混合して用いることもできる。
予備活性化に用いる特定の芳香族系単量体は次式、 (式中、nは0、1、2、mは1、2のいづれかであ
り、R1はケイ素を含んでいてもよい炭素数1から12まで
の炭化水素基、水素、またはハロゲンを表わし、mが2
の時、各R1は同一でも異なっていてもよい。)で示され
る芳香族系単量体である。その具体例としては、スチレ
ン、およびその誘導体であるo−メチルスチレン、p−
t−ブチルスチレン等のアルキルスチレン類、2,4−ジ
メチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチ
ルスチレン、3,5−ジメチルスチレン等のジアルキルス
チレン類、2−メチル−4−フルオロスチレン、2−エ
チル−4−クロロスチレン等のハロゲン置換アルキルス
チレン類、o−フルオロスチレン、p−フルオロスチレ
ン等のハロゲン置換スチレン類、p−トリメチルシリル
スチレン、m−トリメチルシリルスチレン、p−トリエ
チルシリルスチレン、m−トリエチルシリルスチレン、
p−エチルジメチルシリルスチレン等のトリアルキルシ
リルスチレン類、o−アリルトルエン、p−アリルトル
エン等のアリルトルエン類、2−アリル−p−キシレ
ン、4−アリル−o−キシレン、5−アリル−m−キシ
レン等のアリルキシレン類、また、4−(o−トリル)
−1−ブテンや1−ビニルナフタレン等があげられ、こ
れらの特定の芳香族系単量体は1種以上が用いられる。
三塩化チタン組成物(III)と組み合わせる有機アルミ
ニウム化合物(A1)、および必要に応じて用いる有機ア
ルミニウム化合物(A1)としては一般式がAlR4R5Xで示
されるジアルキルアルミニウムモノハライドが好まし
い。なお、式中、R4、R5はアルキル基、アリール基、ア
ルカリール基、シクロアルキル基等の炭化水素基または
アルコキシ基を示し、Xはハロゲンを表わし、具体例と
しては、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジn−
プロピルアルミニウムモノクロライド、ジi−ブチルア
ルミニウムモノクロライド、ジn−ブチルアルミニウム
モノクロライド、ジエチルアルミニウムモノアイオダイ
ド、ジエチルアルミニウムモノブロマイド等があげられ
る。
触媒を構成するもう一つの成分である芳香族カルボン酸
エステル(E)として用いることのできる具体例として
は、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチ
ル、安息香酸オクチル、安息香酸2−エチルヘキシル、
トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸2−
エチルヘキシル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、ア
ニス酸プロピル、ケイ皮酸エチル、ナフトエ酸メチル、
ナフトエ酸プロピル、ナフトエ酸ブチル、ナフトエ酸2
−エチルヘキシル、フェニル酢酸エチル等である。
かくして得られた本発明に使用する触媒は、プロピレン
の重合に用いられる。プロピレンを重合させる重合形式
としては、プロピレンをn−ヘキサン、n−ヘプタン、
n−オクタン、ベンゼン若しくはトルエン等の炭化水素
溶媒中で行うスラリー重合、または液化プロピレン中で
行うバルク重合および気相重合で行うことができる。
上述の種々の重合形式によって得られたポリプロピレン
についての本発明の効果を発揮できるポリマーの結晶性
としては、アイソタクチックペンタッド分率(P)がMF
Rとの関連で、1≧P≧0.015 log MFR+0.955の範囲で
ある。MFRが高い程Pは高くなり易い傾向にあり、MFRは
通常0.05〜200、好ましくは0.1〜100程度が実用的であ
る。
重合温度は通常20〜100℃、好ましくは40〜85℃であ
る。温度が低すぎる場合は、重合活性が低くなり実用的
でなく、温度が高い場合は、アイソタクティシティを上
げるのが困難になってくる。重合圧力は常圧〜50kg/cm2
Gで通常30分〜15時間程度実施される。重合の際、分子
量調節のための適量の水素を添加するなどは従来の重合
方法と同じである。
かくして本発明の方法によって得られたポリプロピレン
は、著しく高い透明性を有する高剛性ポリプロピレンで
あり、公知の射出成形、真空成形、押し出し成形、ブロ
ー成形等の技術により、各種成形品の用に供される。
[作用] 本発明の方法で得られた高剛性ポリプロピレンは、高立
体規則性の特定の芳香族系重合体を分散して含んでいる
ことにより、溶融成形時には該特定の芳香族系重合体が
造核作用を示すことによって、ポリプロピレンの結晶化
を促進する結果、ポリプロピレン全体の透明性および結
晶性を高めるものである。
また、本発明の方法によって導入された特定の芳香族系
重合体は上述のように、立体規則性高分子量重合体であ
ることにより、表面にブリードすることがない。
[実施例] 以下、実施例によって本発明を説明する。実施例、比較
例において用いられている用語の定義、および測定方法
は次の通りである。
(1)CY:重合活性を示し、三塩化チタン組成物(III)
1g当りの重合体収量(g)を表わす。 (単位:g/g) (2)MFR:(メルトフローレート JIS K 7210 表1の
条件14による。 (単位:g/10分) (3)アイソタクチックペンタッド分率(P): に基づいて測定される。10C-NMRを使用し、ポリプロピ
レン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック分
率である。
(4)内部ヘーズ:表面の影響を除いたフィルム内部の
ヘーズであり、プレス機を用いて温度200℃、圧力200kg
/cm2Gの条件下でポリプロピレンを厚さ150μのフィルム
とし、フィルムの両面に流動パラフィンを塗った後、JI
S K 7105に準拠してヘーズを測定した。
(単位:%) (5)結晶化温度:示差走査熱量計を用いて、10℃/分
の降下速度で測定した。 (単位:℃) (6)剛性:ポリプロピレン100重量部に対して、テト
ラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−
4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.
1重量部、およびステアリン酸カルシウム0.1重量部を混
合し、該混合物をスクリュー口径40mmの押出造粒機を用
いて造粒した。ついで該造粒物を射出成形機で溶融樹脂
温度230℃、金型温度50℃でJIS形のテストピースを作成
し、該テストピースについて湿度50%、室温23℃の室内
で72時間放置した後、下記の方法で測定した。
(イ)曲げ弾性率:JIS K 7203に準拠(単位:kgf/cm2) (ロ)引張強度:JIS K 7113に準拠 (単位:kgf/cm2) (ハ)ロックウェル硬度(Rスケール):JIS K 7202に
準拠 (ニ)熱変形温度(HDT):JIS K 7207に準拠 (単位:
℃) 実施例1 (1)三塩化チタン組成物(III)の調製 n−ヘキサン6l、ジエチルアルミニウムモノクロライド
(DEAC)5.0モル、ジイソアミルエーテル12.0モルを25
℃で1分間で混合し、5分間同温度で反応させて反応生
成液(I)(ジイソアミルエーテル/DEACのモル比(2.
4)を得た。窒素置換された反応器に四塩化チタン40モ
ルを入れ、35℃に加熱し、これに上記反応生成液(I)
の全量を30分間で滴下した後、同温度に30分間保ち、75
℃に昇温して更に1時間反応させ、室温まで冷却し上澄
液を除き、n−ヘキサン20lを加えてデカンテーション
で上澄液を除く操作を4回繰り返して固体生成物(II)
を得た。
この(II)の全量をn−ヘキサン30l中に懸濁させ、ジ
エチルアルミニウムモノクロライド200gを加え、30℃で
プロピレン1.0kgを加え1時間反応させ、重合処理を施
した固体生成物(II-A)を得た。(プロピレン反応量60
0g)。反応後、上澄液を除いた後、n−ヘキサン300ml
を加えてデカンテーションで除く操作を2回繰り返し、
上記の重合処理を施した固体生成物(II-A)2.5kgをn
−ヘキサン6l中に懸濁させて、四塩化チタン3.5kgを室
温にて約10分間で加え、80℃にて30分間反応させた後、
更にジイソアミルエーテル1.6kgを加え、80℃で1時間
反応させた。反応終了後、上澄液をデカンテーションで
除いた後、40lのn−ヘキサンを加え、10分間攪拌し、
静置して上澄液を除く操作を5回繰り返した後、減圧で
乾燥させ三塩化チタン組成物(III)を得た。三塩化チ
タン組成物(III)1g中のチタン含量は192mgであった。
(2)予備活性化触媒成分の調製 内容積80lの傾斜羽根付きステンレス製反応器を窒素ガ
スで置換した後、n−ヘキサン40l、ジエチルアルミニ
ウムモノクロイド220g、(1)で得た三塩化チタン組成
物(III)450gを室温で加えた後、反応器内の温度を40
℃にし、2.4−ジメチルスチレン4.5kgを加え40℃で2時
間反応させた(三塩化チタン組成物(III)1g当り、2,4
−ジメチルスチレン1.0g反応)。
反応終了後は、未反応2,4−ジメチルスチレンや溶媒等
を濾別して除いた後、n−ヘキサンで洗浄し、乾燥して
予備活性化触媒成分を粉粒体で得た。
(3)プロピレンの重合 内容積500lの攪拌機付きステンレス製反応器を窒素ガス
で置換した後、室温下にn−ヘキサン200l、ジエチルア
ルミニウムモノクロライド70g、(2)で得た予備活性
化触媒成分を三塩化チタン組成物(III)として20g、p
−トルイル酸メチルを12g、および水素を200Nlを加え
た。続いて重合温度70℃、プロピレン分圧10kg/cm2Gで
3時間プロピレンの重合を行った。反応終了後、メタノ
ール10lを供給し、70℃にて30分間処理してから未反応
プロピレンおよび未反応水素を排出した。更に20重量%
の水酸化ナトリウム水溶液100gを加え、20分間70℃にて
処理した。引き続いて、純水100lを加え、10分間攪拌し
た後に水層を抜き出す操作を2回行った後、重合体スラ
リーを抜き出し、濾過、乾燥して重合体を得た。得られ
た重合体中には塊状のものが含まれていたので粉砕機に
かけて、重合体全量を粉末化し、MFR1.5のポリプロピレ
ン59.2kgを得た。
比較例1 実施例1の(3)において、予備活性化触媒成分の代わ
りに実施例1の(1)で得た三塩化チタン組成物(II
I)を10g用いること、およびジエチルアルミニウムモノ
クロライドとp−トルイル酸メチルの使用量をそれぞれ
1/2とすること以外は同様にしてポリプロピレンを得
た。
実施例2,3 実施例1の(3)において、水素仕込量を300l(実施例
2)、600l(実施例3)と変化させること以外は比較例
1と同様にしてポリプロピレンを得た。
比較例2,3 実施例1の(3)において、水素仕込量を270l(比較例
2)、540l(比較例3)と変化させること以外は実施例
1と同様にしてポリプロピレンを得た。
比較例4 実施例1の(2)において、2,4−ジメチルスチレンの
代わりに、プロピレン560gを使用すること以外は同様に
して、予備活性化触媒成分を得、後は実施例1の(3)
と同様にしてプロピレンの重合を行い、ポリプロピレン
を得た。
比較例5 比較例1の(3)において、触媒成分のp−トルイル酸
メチルを使用しないこと以外は比較例1と同様にしてポ
リプロピレンを得た。
比較例6および実施例4,5 実施例1の(2)において、2,4−ジメチルスチレンの
代わりに、4−アリル−o−キシレンを用い、その使用
量をそれぞれ1g、400g、12kgと変化させて予備活性化反
応を行った他は、実施例1と同様にしてポリプロピレン
を得た。
比較例7〜9及び実施例6,7 実施例1の(2)において、2,4−ジメチルスチレンの
代わりに、p−トリメチルシリルスチレン1.5kgを用い
ること、および(3)においてp−トルイル酸メチルの
三塩化チタン組成物(III)に対するモル比をそれぞれ
後述の表のように変化させること以外は、実施例1と同
様にしてポリプロピレンを得た。但し、比較例7,8およ
び実施例6においては(3)のプロピレン重合時に予備
活性化触媒成分を三塩化チタン組成物(III)として10
g、およびジエチルアルミニウムモノクロライドを35gを
使用した。
実施例8 (1)三塩化チタン組成物(III)の調製 n−ヘプタン8l、ジn−ブチルアルミニウムモノクロラ
イド16モル、ジn−ブチルエーテル10モルを30℃で10分
間で混合し、20分間反応させて反応生成液(I)を得
た。この反応生成液(I)の全量を、45℃に保たれたト
ルエン5l、四塩化チタン64モルからなる溶液に60分間で
滴下した後、85℃に昇温して更に2時間反応させた後、
室温迄冷却し上澄液を除き、n−ヘプタン30lを加えて
デカンテーションで上澄液を除く操作を2回繰り返して
得られた固体生成物(II)4.9kgを得た。この(II)の
全量をn−ヘプタン30l中に懸濁させ、ジn−ブチルエ
ーテル2.0kgと四塩化チタン15kgを室温にて約20分間で
加え、90℃で2時間反応させ、冷却後、デカンテーショ
ンn−ヘプタン洗浄及び乾燥を行い、三塩化チタン組成
物(III)を得た。三塩化チタン組成物(III)1g中のチ
タン原子の含有量は255mgであった。
(2)予備活性化触媒成分の調製 実施例1の(2)において、三塩化チタン組成物(II
I)として上記(1)で得た三塩化チタン組成物(III)
450gを用い、また2,4−ジメチルスチレンの代わりに、
2−メチル−4−フルオロスチレン6.5kgを用いること
以外は実施例1の(2)と同様にして、予備活性化触媒
成分を得た。
(3)プロピレンの重合 実施例1の(3)において、予備活性化触媒成分として
上記(2)で得た、予備活性化触媒成分を36g(三塩化
チタン組成物(III)として20g)用い、また、p−トル
イル酸メチルの添加量を16gとすること以外は実施例1
の(3)と同様にしてポリプロピレンを得た。
比較例10 実施例8の(3)において、予備活性化触媒成分の代わ
りに、実施例8の(1)で得た三塩化チタン組成物(II
I)20gを用いること以外は同様にしてポリプロピレンを
得た。
実施例9 (1)三塩化チタン組成物(III)の調製 n−ヘキサン12lに四塩化チタン27.0モルを加え、1℃
に冷却した後、更にジエチルアルミニウムモノクロライ
ド27.0モルを含むn−ヘキサン12.5lを1℃にて4時間
かけて滴下した。滴下終了後、15分間同温度に保ち反応
させた後、1時間かけて65℃に昇温し、更に同温度にて
1時間反応させた。次に上澄液を除き、n−ヘキサン10
lを加え、デカンテーションで除く操作を5回繰り返
し、得られた固体生成物(II)5.7kgのうち、1.8kgをn
−ヘキサン11中に懸濁し、これにジイソアミルエーテ
ル1.8lを添加した。この懸濁液を35℃で1時間攪拌後、
n−ヘキサン3lで5回洗浄し処理固体を得た。得られた
処理固体を四塩化チタン40容積%のn−ヘキサン溶液6l
中に懸濁した。
この懸濁液を65℃に昇温し、同温度で2時間反応させ
た。反応終了後、1回にn−ヘキサン20lを使用し、3
回得られた固体を洗浄した後、減圧で乾燥させて三塩化
チタン組成物(III)を得た。
(2)予備活性化触媒成分の調製 実施例1の(2)において、三塩化チタン組成物(II
I)として上記(1)で得た三塩化チタン組成物(III)
450gを用い、また、2,4−ジメチルスチレンの代わり
に、スチレン1.5kgを用いること以外は実施例1の
(2)と同様にして予備活性化触媒成分を得た。
(3)プロピレンの重合 実施例1の(3)において、予備活性化触媒成分として
上記(2)で得た予備活性化触媒成分を60g(三塩化チ
タン組成物(III)として20g)用い、また、p−トルイ
ル酸メチルの添加量を17gとすること以外は実施例1の
(3)と同様にして、ポリプロピレンを得た。
比較例11 実施例9の(3)において、予備活性化触媒成分の代わ
りに実施例9の(1)で得た三塩化チタン組成物(II
I)を20g用いること以外は同様にしてポリプロピレンを
得た。
実施例10 (1)三塩化チタン組成物(III)の調製 n−ヘプタン4l、ジエチルアルミニウムモノクロライド
5.0モル、ジイソアミルエーテル9.0モル、ジn−ブチル
エーテル5.0モルを18℃で30分間反応させて得た反応液
を四塩化チタン27.5モル中に40℃で300分間かかって滴
下した後、同温度に1.5時間保ち反応させた後、85℃に
昇温し、1時間反応させ、上澄液を除き、n−ヘキサン
20lを加えデカンテーションで除く操作を6回繰り返
し、得られた固体生成物(II)1.8kgをn−ヘキサン50l
中に懸濁させ、ジエチルアルミニウムモノクリド200gを
加え、60℃でプロピレン1.0kgを加え1時間反応させ、
重合処理を施した固体生成物(II-A)を得た(プロピレ
ン反応量0.5kg)。反応後、上澄液を除いた後、n−ヘ
キサン30lを加えデカンテーションで除く操作を2回繰
り返し、上記の重合処理を施した固体生成物(II-A)
(2.3kg)をn−ヘキサン4l中に懸濁させ、四塩化チタ
ン1.8kg、n−ブチルエーテル1.8kgを加え、60℃で3時
間反応させた。反応終了後、上澄液をデカンテーション
除いた後、20lのn−ヘキサンを加えて5分間攪拌し静
置して上澄液を除く操作を3回繰り返し後、減圧で乾燥
させ三塩化チタン組成物(III)を得た。三塩化チタン
組成物(III)1gのチタン原子の含有量は200mgであっ
た。
(2)予備活性化触媒成分の調製 実施例1の(2)において三塩化チタン組成物(III)
として上記(1)で得た三塩化チタン組成物(III)450
gを用い、また、2,4−ジメチルスチレンの代わりに、P
−t−ブチルスチレン1.3gを用いること以外は実施例1
の(2)と同様にして、予備活性化触媒成分を得た。
(3)プロピレンの重合 実施例1の(3)において、予備活性化触媒成分として
上記(2)で得た予備活性化触媒成分を50g(三塩化チ
タン組成物(III)として20g)、芳香族カルボン酸エス
テルとしてp−アニス酸エチルを15g、また有機アルミ
ニウム化合物としてジエチルアルミニウムモノアイオダ
イド53gおよびジn−プロピルアルミニウムモノクロラ
イド37gからなる触媒を使用すること以外は同様にし
て、ポリプロピレンを得た。
比較例12 実施例10の(3)において、予備活性化触媒成分の代わ
りに実施例10の(1)で得た三塩化チタン組成物(II
I)を20g用いること以外は同様にしてポリプロピレンの
を得た。
以上の実施各例および比較各例の主な重合条件と重合結
果および得られたポリプロピレンの評価結果を後述の表
に示す。
[発明の効果] 本発明の主要な効果は、透明性と剛性の著しく高いポリ
プロピレンを得られることである。
前述した実施例で明らかなように、本発明の方法により
得られたポリプロピレンを用いて製造したフィルムの内
部ヘーズは、特定の芳香族系単量体による予備活性化を
しない場合に比べて2/5〜3/5となっており、著しく高い
透明性を有する。また、結晶化温度は、先願発明の方法
により得られたポリプロピレンに比べて2℃〜4℃上昇
しており、著しく結晶性が向上した結果、曲げ弾性率も
更に向上している。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法を説明するための製造工程図
(フローチャート)である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三塩化チタン組成物(III)と、有機
    アルミニウム化合物(A1)、および芳香族カルボン酸
    エステル(E)からなる触媒を用いてプロピレンを重合
    し、ポリプロピレンを製造する方法において、 三塩化チタン組成物(III)として、有機アルミニウム
    化合物(A2)若しくは有機アルミニウム化合物(A2)と
    エーテル類(B1)との反応生成物(I)に四塩化チタン
    を反応させて得られた固体生成物(II)を、α−オレフ
    ィンで重合処理し、若しくは重合処理せずに、更にエー
    テル類(B2)と周期律表III〜VI族の元素のハロゲン化
    物とを反応させて得られた三塩化チタン組成物(III)
    を用い、該三塩化チタン組成物(III)と有機アルミニ
    ウム化合物(A1)とを組み合わせ、このものに、次式、 (式中、nは0,1,2、mは1,2のいづれかであり、R1はケ
    イ素を含んでいてもよい炭素数1から12までの炭化水素
    基、水素、またはハロゲンを表わし、mが2の時、各R1
    は同一でも異なっていてもよい。)で示される芳香族系
    単量体を該三塩化チタン組成物(III)1g当り、0.001g
    〜100g重合反応させてなる予備活性化触媒成分と、必要
    に応じて追加の有機アルミニウム化合物(A1)、および
    芳香族カルボン酸エステル(E)とを組み合わせ、該芳
    香族カルボン酸エステル(E)と該三塩化チタン組成物
    (III)(Ti原子数基準以下同様)のモル比(E)/(I
    II)=0.1〜10.0とし、該有機アルミニウム化合物
    (A1)と該三塩化チタン組成物(III)のモル比(A1
    /(III)=0.1〜200とした触媒を用いてプロピレンを
    重合させることを特徴とする高剛性ポリプロピレンを製
    造する方法。
  2. 【請求項2】有機アルミニウム化合物(A1)として、ジ
    アルキルアルミニウムモノハライドを用いる特許請求の
    範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】有機アルミニウム化合物(A2)として一般
    式がA1R p′3−(p+p′) (式中、R2,R3はアルキル基、シクロアルキル基、アリ
    ール基等の炭化水素基またはアルコキシ基を、Xはハロ
    ゲンを表わし、またp,p′は0<p+p′≦3の任意の
    数を表わす。)で表わされる有機アルミニウム化合物を
    用いる特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  4. 【請求項4】重合させて得られたポリプロピレンのアイ
    ソタクチックペンタッド分率(P)と(MFR)の関係
    が、 1.00≧P≧0.015 1og MFR+0.955 の範囲内にある特許請求の範囲第1項に記載の方法。
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