JPH0780678A - ガスシールドアーク溶接ワイヤ - Google Patents
ガスシールドアーク溶接ワイヤInfo
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- JPH0780678A JPH0780678A JP24851493A JP24851493A JPH0780678A JP H0780678 A JPH0780678 A JP H0780678A JP 24851493 A JP24851493 A JP 24851493A JP 24851493 A JP24851493 A JP 24851493A JP H0780678 A JPH0780678 A JP H0780678A
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- Japan
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- pits
- gas shielded
- shielded arc
- welding
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 亜鉛めっき鋼板などの防錆処理を施した鋼板
をガスシールドアーク溶接したとき、ピットやブローホ
ールなどの溶接欠陥が少なくビード外観の優れた溶接金
属が得られ、またスラグ生成量が少なく、しかもスパッ
タ発生量の少ないガスシールドアーク溶接ワイヤを提供
する。 【構成】 重量％で、Ｃ；０．０３〜０．１５％、Ｓ
ｉ；１．００〜２．５０％、Ｍｎ；０．１０〜１．００
％、ただし、Ｍｎ／Ｓｉが０．６５％以下の範囲にあ
り、Ｐ；０．０１３％以下、Ａｌ，Ｔｉのうち一種また
は二種の合計で０．００５〜０．２００％、Ｓ，Ｏのう
ち一種または二種の合計で０．００５０〜０．０５００
％を含有し、残部がＦｅおよび不可避不純物からなるガ
スシールドアーク溶接ワイヤ。
をガスシールドアーク溶接したとき、ピットやブローホ
ールなどの溶接欠陥が少なくビード外観の優れた溶接金
属が得られ、またスラグ生成量が少なく、しかもスパッ
タ発生量の少ないガスシールドアーク溶接ワイヤを提供
する。 【構成】 重量％で、Ｃ；０．０３〜０．１５％、Ｓ
ｉ；１．００〜２．５０％、Ｍｎ；０．１０〜１．００
％、ただし、Ｍｎ／Ｓｉが０．６５％以下の範囲にあ
り、Ｐ；０．０１３％以下、Ａｌ，Ｔｉのうち一種また
は二種の合計で０．００５〜０．２００％、Ｓ，Ｏのう
ち一種または二種の合計で０．００５０〜０．０５００
％を含有し、残部がＦｅおよび不可避不純物からなるガ
スシールドアーク溶接ワイヤ。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は亜鉛めっき鋼板などの防
錆処理を施した鋼板をガスシールドアーク溶接した時、
ピットやブローホールなどの溶接欠陥が少なく、ビード
外観の優れた溶接金属が得られ、またスラグ生成量が少
なく、しかもスパッタ発生量の少ないガスシールドアー
ク溶接ワイヤに関する。
錆処理を施した鋼板をガスシールドアーク溶接した時、
ピットやブローホールなどの溶接欠陥が少なく、ビード
外観の優れた溶接金属が得られ、またスラグ生成量が少
なく、しかもスパッタ発生量の少ないガスシールドアー
ク溶接ワイヤに関する。
【０００２】
【従来の技術】亜鉛めっき鋼板などの防錆処理を施した
鋼板の主な用途は薄板鋼板の分野が多く、自動車車体の
足廻り部材や建築・建材など多くの分野に使用される傾
向にある。また耐食性向上を目的にめっき付着量の多い
厚目付け材の使用や、各種のめっき組成による表面処理
鋼板の開発が進められている。
鋼板の主な用途は薄板鋼板の分野が多く、自動車車体の
足廻り部材や建築・建材など多くの分野に使用される傾
向にある。また耐食性向上を目的にめっき付着量の多い
厚目付け材の使用や、各種のめっき組成による表面処理
鋼板の開発が進められている。
【０００３】しかしながら、上記表面処理鋼板をガスシ
ールドアーク溶接をした場合、鉄の融点より低い沸点
（９０６℃）のめっき層の亜鉛が溶接熱により、亜鉛蒸
気となって溶融池や溶滴に侵入して溶接金属の凝固過程
で浮上できずに気泡として残留し、ピットやブローホー
ル等の溶接欠陥となる。また溶融池状態は突沸し乱れる
ためアーク状態は不安定となりスパッタの発生を著しく
多くさせる。さらには溶接ビード表面の平滑性も劣り良
好なビード外観を得ることが困難であった。
ールドアーク溶接をした場合、鉄の融点より低い沸点
（９０６℃）のめっき層の亜鉛が溶接熱により、亜鉛蒸
気となって溶融池や溶滴に侵入して溶接金属の凝固過程
で浮上できずに気泡として残留し、ピットやブローホー
ル等の溶接欠陥となる。また溶融池状態は突沸し乱れる
ためアーク状態は不安定となりスパッタの発生を著しく
多くさせる。さらには溶接ビード表面の平滑性も劣り良
好なビード外観を得ることが困難であった。
【０００４】このような亜鉛めっき鋼板のガスシールド
アーク溶接による弊害を軽減する手段としては、あらか
じめ溶接部のめっき層を機械的に除去することが有効で
あるが、非能率的でコスト高となる。また亜鉛めっき鋼
板に対するピット、ブローホールの溶接欠陥防止技術と
して特開昭６４−５７９７９号公報にはソリッドワイヤ
中にＣ，Ｓｉ，ＭｎおよびＭｏを基本成分としてＭｏを
０．１０〜１．００％含有させる溶接材料が提案されて
いる。しかしながら、かかる組成のソリッドワイヤはＭ
ｏを多く含むため原材料価格が高くなり経済的効果が期
待できない。
アーク溶接による弊害を軽減する手段としては、あらか
じめ溶接部のめっき層を機械的に除去することが有効で
あるが、非能率的でコスト高となる。また亜鉛めっき鋼
板に対するピット、ブローホールの溶接欠陥防止技術と
して特開昭６４−５７９７９号公報にはソリッドワイヤ
中にＣ，Ｓｉ，ＭｎおよびＭｏを基本成分としてＭｏを
０．１０〜１．００％含有させる溶接材料が提案されて
いる。しかしながら、かかる組成のソリッドワイヤはＭ
ｏを多く含むため原材料価格が高くなり経済的効果が期
待できない。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決するためになされたもので、亜鉛めっき鋼板などの
ガスシールドアーク溶接において問題となるピット、ブ
ローホール等の溶接欠陥発生が少なく、スパッタ発生量
およびスラグ生成量が少ない、ビード外観に優れた溶接
金属が得られるガスシールドアーク溶接用ワイヤを提供
するものである。
解決するためになされたもので、亜鉛めっき鋼板などの
ガスシールドアーク溶接において問題となるピット、ブ
ローホール等の溶接欠陥発生が少なく、スパッタ発生量
およびスラグ生成量が少ない、ビード外観に優れた溶接
金属が得られるガスシールドアーク溶接用ワイヤを提供
するものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、重量％
でＣ；０．０３〜０．１５％、Ｓｉ；１．００〜２．５
０％、Ｍｎ；０．１０〜１．００％、ただしＭｎ／Ｓｉ
が０．６５％以下の範囲にあり、Ｐ；０．０１３％以
下、Ａｌ，Ｔｉのうち一種または二種の合計で０．００
５〜０．２００％、Ｓ，Ｏのうち一種または二種の合計
で０．００５０〜０．０５００％を含有し、残部がＦｅ
および不可避不純物からなることを特徴とするガスシー
ルドアーク溶接用ワイヤにある。
でＣ；０．０３〜０．１５％、Ｓｉ；１．００〜２．５
０％、Ｍｎ；０．１０〜１．００％、ただしＭｎ／Ｓｉ
が０．６５％以下の範囲にあり、Ｐ；０．０１３％以
下、Ａｌ，Ｔｉのうち一種または二種の合計で０．００
５〜０．２００％、Ｓ，Ｏのうち一種または二種の合計
で０．００５０〜０．０５００％を含有し、残部がＦｅ
および不可避不純物からなることを特徴とするガスシー
ルドアーク溶接用ワイヤにある。
【０００７】
【作用】ガスシールドアーク溶接では既述のごとく、亜
鉛めっき鋼板でのピットやブローホールが発生し易い理
由として、以下の事項に整理される。 （イ）溶接時、溶融金属に入った亜鉛は鉄に溶解しにく
く、かつ低沸点であるため溶融金属が凝固過程において
も蒸気状態であり、これが残存し気泡となる。 （ロ）亜鉛めっき鋼板のアーク溶接ではガス化した亜鉛
蒸気の突沸によりアークが不安定になり易いこと、また
表面処理鋼板等の薄板鋼板では、溶接電流を低めにする
とか、溶接速度を速めた溶接条件を選定するため凝固速
度が速くなり、従って溶融金属中でガス化した亜鉛蒸気
が凝固過程で浮上しきれず溶接金属中に残留し易くな
る。 （ハ）ガスシールドアーク溶接では清浄な溶接金属を得
るため、Ｓｉ，Ｍｎなどの脱酸力の強い元素を適宜添加
し脱酸作用効果を得るようにしている。そのため、Ｓ
ｉ，Ｍｎなど脱酸性元素不足でガスシールドアーク溶接
を行った場合、脱酸不足となりアーク状態が不安定にな
りスパッタが多発したり、健全な溶接ビードを形成する
ことが困難となりビード外観も不揃いとなる。
鉛めっき鋼板でのピットやブローホールが発生し易い理
由として、以下の事項に整理される。 （イ）溶接時、溶融金属に入った亜鉛は鉄に溶解しにく
く、かつ低沸点であるため溶融金属が凝固過程において
も蒸気状態であり、これが残存し気泡となる。 （ロ）亜鉛めっき鋼板のアーク溶接ではガス化した亜鉛
蒸気の突沸によりアークが不安定になり易いこと、また
表面処理鋼板等の薄板鋼板では、溶接電流を低めにする
とか、溶接速度を速めた溶接条件を選定するため凝固速
度が速くなり、従って溶融金属中でガス化した亜鉛蒸気
が凝固過程で浮上しきれず溶接金属中に残留し易くな
る。 （ハ）ガスシールドアーク溶接では清浄な溶接金属を得
るため、Ｓｉ，Ｍｎなどの脱酸力の強い元素を適宜添加
し脱酸作用効果を得るようにしている。そのため、Ｓ
ｉ，Ｍｎなど脱酸性元素不足でガスシールドアーク溶接
を行った場合、脱酸不足となりアーク状態が不安定にな
りスパッタが多発したり、健全な溶接ビードを形成する
ことが困難となりビード外観も不揃いとなる。
【０００８】これらの影響を軽減しピット、ブローホー
ルを防止するには以下の対策が有効と考えた。 （ａ）ガスシールドアーク溶接では清浄な溶接金属を得
るために、脱酸力の強いＳｉ，Ｍｎ，Ａｌなどを適宜添
加し脱酸効果を調整すること。また溶滴の短絡回数の適
正化をすることにより、溶滴の移行性が向上しアーク安
定性が改善される。さらに溶融池の攪拌作用も安定化さ
れ溶融池からのガス放出を容易にする。 （ｂ）溶融池の酸素ポテンシャルを適正化し、また溶融
池の亜鉛蒸気を高融点の酸化亜鉛と化してスラグオフさ
せる。
ルを防止するには以下の対策が有効と考えた。 （ａ）ガスシールドアーク溶接では清浄な溶接金属を得
るために、脱酸力の強いＳｉ，Ｍｎ，Ａｌなどを適宜添
加し脱酸効果を調整すること。また溶滴の短絡回数の適
正化をすることにより、溶滴の移行性が向上しアーク安
定性が改善される。さらに溶融池の攪拌作用も安定化さ
れ溶融池からのガス放出を容易にする。 （ｂ）溶融池の酸素ポテンシャルを適正化し、また溶融
池の亜鉛蒸気を高融点の酸化亜鉛と化してスラグオフさ
せる。
【０００９】本発明者らは上記の観点からワイヤ組成に
ついて検討を行い本発明を構成するに至った。すなわ
ち、表面処理を施した鋼板は薄板が多く、ガスシールド
アーク溶接においては溶融池の溶け落ち等を考慮し、高
速溶接あるいは小入熱での溶接施工になるため、凝固速
度が早く溶融池が急冷されるため脱酸反応が起こり難く
なる。そこで適度の脱酸作用効果が得られるように、溶
接用ワイヤにはＳｉ，Ｍｎ，Ａｌなどの脱酸力の強い元
素を適量添加し、脱酸力を適正化すること、また溶滴移
行性を安定化にすることにより溶融池からのガス放出を
容易にし清浄な溶接金属を得るようにしている。
ついて検討を行い本発明を構成するに至った。すなわ
ち、表面処理を施した鋼板は薄板が多く、ガスシールド
アーク溶接においては溶融池の溶け落ち等を考慮し、高
速溶接あるいは小入熱での溶接施工になるため、凝固速
度が早く溶融池が急冷されるため脱酸反応が起こり難く
なる。そこで適度の脱酸作用効果が得られるように、溶
接用ワイヤにはＳｉ，Ｍｎ，Ａｌなどの脱酸力の強い元
素を適量添加し、脱酸力を適正化すること、また溶滴移
行性を安定化にすることにより溶融池からのガス放出を
容易にし清浄な溶接金属を得るようにしている。
【００１０】以下に本発明のワイヤの成分限定理由につ
いて述べる。Ｃは溶滴移行段階で溶滴周辺のＣＯ分圧を
高めＣＯの吹き出しを活発にして周辺から溶滴へ侵入し
ようとする亜鉛および窒素を抑制しピット、ブローホー
ルの発生を抑制する。ＣはＳｉ，Ｍｎ，Ａｌ，Ｔｉ等の
添加量の兼合いで決まり、本発明のＳｉ，Ｍｎ，Ａｌ，
Ｔｉ等の添加量では０．１５％を超えてもピット、ブロ
ーホールの発生は少ないがワイヤに加工する場合、伸線
性が劣化すること、さらに溶接金属の強度が高まるため
上限を０．１５％とした。また０．０３％未満ではピッ
トが多発するので下限は０．０３％とした。
いて述べる。Ｃは溶滴移行段階で溶滴周辺のＣＯ分圧を
高めＣＯの吹き出しを活発にして周辺から溶滴へ侵入し
ようとする亜鉛および窒素を抑制しピット、ブローホー
ルの発生を抑制する。ＣはＳｉ，Ｍｎ，Ａｌ，Ｔｉ等の
添加量の兼合いで決まり、本発明のＳｉ，Ｍｎ，Ａｌ，
Ｔｉ等の添加量では０．１５％を超えてもピット、ブロ
ーホールの発生は少ないがワイヤに加工する場合、伸線
性が劣化すること、さらに溶接金属の強度が高まるため
上限を０．１５％とした。また０．０３％未満ではピッ
トが多発するので下限は０．０３％とした。
【００１１】Ｓｉ及びＭｎは脱酸剤として添加するが、
ガスシールドアーク溶接ではＳｉ及びＭｎの脱酸力の強
い元素を適宜添加し脱酸力を調整することにより、溶融
金属の酸素ポテンシャルを適正化し亜鉛の酸化を促進
し、かつ溶融金属の粘性を低めてガスを浮上し易くす
る。さらには溶滴の短絡移行特性改善により移行性を安
定化すること、また溶融池の攪拌作用を安定化すること
によりガス放出を容易にするため、ガス化した亜鉛蒸気
によるピット、ブローホールの発生を抑制する。しか
し、Ｓｉは１．００％、Ｍｎは０．１０％以下では脱酸
不足となり健全な溶接ビードを形成することができない
ので、Ｓｉ，Ｍｎの下限値はそれぞれ１．００％および
０．１０％にした。
ガスシールドアーク溶接ではＳｉ及びＭｎの脱酸力の強
い元素を適宜添加し脱酸力を調整することにより、溶融
金属の酸素ポテンシャルを適正化し亜鉛の酸化を促進
し、かつ溶融金属の粘性を低めてガスを浮上し易くす
る。さらには溶滴の短絡移行特性改善により移行性を安
定化すること、また溶融池の攪拌作用を安定化すること
によりガス放出を容易にするため、ガス化した亜鉛蒸気
によるピット、ブローホールの発生を抑制する。しか
し、Ｓｉは１．００％、Ｍｎは０．１０％以下では脱酸
不足となり健全な溶接ビードを形成することができない
ので、Ｓｉ，Ｍｎの下限値はそれぞれ１．００％および
０．１０％にした。
【００１２】Ｓｉの上限は溶接金属の強度が高まるため
２．５０％とし、Ｍｎの上限は１．００％以上ではピッ
ト、ブローホールが多発するので１．００％にした。ま
た上記Ｓｉ，Ｍｎの範囲においてＭｎ／Ｓｉが０．６５
％を超えるとピット、ブローホールの発生が増加するの
で、Ｍｎ／Ｓｉを０．６５％以下とした。
２．５０％とし、Ｍｎの上限は１．００％以上ではピッ
ト、ブローホールが多発するので１．００％にした。ま
た上記Ｓｉ，Ｍｎの範囲においてＭｎ／Ｓｉが０．６５
％を超えるとピット、ブローホールの発生が増加するの
で、Ｍｎ／Ｓｉを０．６５％以下とした。
【００１３】Ａｌ，Ｔｉは強脱酸成分であり、少量の添
加でピット、ブローホールの発生を防止できる。しかし
Ａｌ，Ｔｉの一種または二種の合計で０．００５％以下
ではその効果は少なく、０．２００％以上では溶着金属
は著しく硬化し耐割れ性を低下させるので０．００５〜
０．２００％とした。
加でピット、ブローホールの発生を防止できる。しかし
Ａｌ，Ｔｉの一種または二種の合計で０．００５％以下
ではその効果は少なく、０．２００％以上では溶着金属
は著しく硬化し耐割れ性を低下させるので０．００５〜
０．２００％とした。
【００１４】Ｐは耐割れ性を阻害する元素であり、特に
本発明のＳｉ，Ｍｎ，Ａｌ，Ｔｉの範囲においてはでき
る限り抑制することが好ましく、０．０１３％以下にし
なければならない。
本発明のＳｉ，Ｍｎ，Ａｌ，Ｔｉの範囲においてはでき
る限り抑制することが好ましく、０．０１３％以下にし
なければならない。
【００１５】Ｓは一般的には溶接金属の割れ性等の点か
ら、その添加量を抑制する元素である。しかしながらＳ
は適量添加によってビード形状、ビード表面に付着する
スラグ被包面積を減少する等の効果がある。この効果は
Ｓを単独で添加した場合よりもＯと共存させた方が大き
く、耐割れ性も考慮しこれら一種または二種の合計で
０．００５０〜０．０５００％で効果が顕著に発揮され
る。
ら、その添加量を抑制する元素である。しかしながらＳ
は適量添加によってビード形状、ビード表面に付着する
スラグ被包面積を減少する等の効果がある。この効果は
Ｓを単独で添加した場合よりもＯと共存させた方が大き
く、耐割れ性も考慮しこれら一種または二種の合計で
０．００５０〜０．０５００％で効果が顕著に発揮され
る。
【００１６】本発明は脱酸力の強い元素を適量添加し
て、溶滴の移行性を容易にし、また安定化するようなワ
イヤ成分構成としている。このように構成された成分の
ワイヤを用いて、ガスシールドアーク溶接により亜鉛め
っき鋼板を溶接してもピット、ブローホールの発生が非
常に少なく、ビード外観・ビード形状の優れた溶接金属
が得られるので、溶接部は構造物用として十分満足する
ものである。またスパッタ発生量の少ない溶接が行える
ため、ガスノズルや給電チップに付着するスパッタ除去
作業頻度も軽減できるため、大幅なコスト低減が計られ
る。
て、溶滴の移行性を容易にし、また安定化するようなワ
イヤ成分構成としている。このように構成された成分の
ワイヤを用いて、ガスシールドアーク溶接により亜鉛め
っき鋼板を溶接してもピット、ブローホールの発生が非
常に少なく、ビード外観・ビード形状の優れた溶接金属
が得られるので、溶接部は構造物用として十分満足する
ものである。またスパッタ発生量の少ない溶接が行える
ため、ガスノズルや給電チップに付着するスパッタ除去
作業頻度も軽減できるため、大幅なコスト低減が計られ
る。
【００１７】
【実施例】以下に、本発明の効果を実施例により具体的
に説明する。表１にはＣＯ2 溶接の場合のワイヤ化学成
分と継手溶接におけるピット発生個数、ブローホール発
生率およびビード外観性能等を評価した結果を示した。
また表２にはＡｒ−２０％ＣＯ2 溶接の場合のワイヤ化
学成分と継手溶接におけるピット発生個数、ブローホー
ル発生率およびビード外観性能等を評価した結果を示し
た。溶接性能評価には表３に示す鋼板を用いて表４に示
す溶接条件で行った。またビード外観およびビード形状
の評価項目は表５に示している。
に説明する。表１にはＣＯ2 溶接の場合のワイヤ化学成
分と継手溶接におけるピット発生個数、ブローホール発
生率およびビード外観性能等を評価した結果を示した。
また表２にはＡｒ−２０％ＣＯ2 溶接の場合のワイヤ化
学成分と継手溶接におけるピット発生個数、ブローホー
ル発生率およびビード外観性能等を評価した結果を示し
た。溶接性能評価には表３に示す鋼板を用いて表４に示
す溶接条件で行った。またビード外観およびビード形状
の評価項目は表５に示している。
【００１８】
【表１】
【００１９】
【表２】
【００２０】
【表３】
【００２１】
【表４】
【００２２】
【表５】
【００２３】溶接終了後、ビード表面のピット個数を計
測し、ビード外観を評価した。ビード外観の評価におい
て○は良好、×は劣ることを示している。その後溶接ビ
ードを放射線透過試験にてビードに内在するブローホー
ル発生状況を調査した。ピットは、ビード１ｍに換算し
て発生個数（個／ｍ）として評価した。またブローホー
ルは放射線透過試験のフィルムからビード長手方向のブ
ローホール幅を測定し、ビード長に対してのブローホー
ル幅総和からブローホール発生率（％）を計算した。
測し、ビード外観を評価した。ビード外観の評価におい
て○は良好、×は劣ることを示している。その後溶接ビ
ードを放射線透過試験にてビードに内在するブローホー
ル発生状況を調査した。ピットは、ビード１ｍに換算し
て発生個数（個／ｍ）として評価した。またブローホー
ルは放射線透過試験のフィルムからビード長手方向のブ
ローホール幅を測定し、ビード長に対してのブローホー
ル幅総和からブローホール発生率（％）を計算した。
【００２４】表１はＣＯ2 溶接の場合でありワイヤＮ
ｏ．１〜７は本発明ワイヤを示しＣが０．０３〜０．１
５％、Ｓｉが１．００〜２．５０％、Ｍｎが０．１０〜
１．００％にあり、Ｍｎ／Ｓｉが０．６５％以下、Ｐは
０．０１３％以下、Ａｌ，Ｔｉは一種または二種の合計
で０．００５〜０．２００％、Ｓ，Ｏのうち一種または
二種の合計で０．００５０〜０．０５００％の範囲にあ
る。
ｏ．１〜７は本発明ワイヤを示しＣが０．０３〜０．１
５％、Ｓｉが１．００〜２．５０％、Ｍｎが０．１０〜
１．００％にあり、Ｍｎ／Ｓｉが０．６５％以下、Ｐは
０．０１３％以下、Ａｌ，Ｔｉは一種または二種の合計
で０．００５〜０．２００％、Ｓ，Ｏのうち一種または
二種の合計で０．００５０〜０．０５００％の範囲にあ
る。
【００２５】またＮｏ．８〜１３は比較ワイヤを示す。
Ｎｏ．１〜７の本発明ワイヤではピットの発生は無く、
ビード外観は良好であり、さらにブローホール発生率も
非常に低い健全な溶接金属が得られている。
Ｎｏ．１〜７の本発明ワイヤではピットの発生は無く、
ビード外観は良好であり、さらにブローホール発生率も
非常に低い健全な溶接金属が得られている。
【００２６】一方、Ｓｉ，Ｍｎ量が本発明の範囲以下で
あるＮｏ．８、Ｎｏ．１２はシールド不足が起因すると
考えられるピット、ブローホールが多発し、ビード外観
も劣っている。また、Ｍｎ量が本発明の範囲を超えるＮ
ｏ．９、Ｓｉ量が本発明の範囲を超えるＮｏ．１０はピ
ット、ブローホールは少ないが、ビードに割れが生じビ
ード外観が劣った。さらにＣ，Ｓｉ，Ｓ＋Ｏ共に本発明
範囲を超えるＮｏ．１１はピット、ブローホールは少な
いが合金元素過剰によるビード割れが発生しビード外観
が不良である。Ｃ量が本発明の範囲以下であり、Ａｌ，
Ｔｉ添加の無いＮｏ．１３は、亜鉛の影響を受け易く、
ピット発生個数、ブローホールの発生率が高くなってい
る。
あるＮｏ．８、Ｎｏ．１２はシールド不足が起因すると
考えられるピット、ブローホールが多発し、ビード外観
も劣っている。また、Ｍｎ量が本発明の範囲を超えるＮ
ｏ．９、Ｓｉ量が本発明の範囲を超えるＮｏ．１０はピ
ット、ブローホールは少ないが、ビードに割れが生じビ
ード外観が劣った。さらにＣ，Ｓｉ，Ｓ＋Ｏ共に本発明
範囲を超えるＮｏ．１１はピット、ブローホールは少な
いが合金元素過剰によるビード割れが発生しビード外観
が不良である。Ｃ量が本発明の範囲以下であり、Ａｌ，
Ｔｉ添加の無いＮｏ．１３は、亜鉛の影響を受け易く、
ピット発生個数、ブローホールの発生率が高くなってい
る。
【００２７】表２はＡｒ−２０％ＣＯ2 溶接の場合であ
り、ワイヤＮｏ．１〜７は本発明ワイヤを示しＣが０．
０３〜０．１５％、Ｓｉが１．００〜２．５０％、Ｍｎ
が０．１０〜１．００％にありＭｎ／Ｓｉが０．６５％
以下、Ｐは０．０１３％以下、Ａｌ，Ｔｉは一種または
二種の合計で０．００５〜０．２００％、Ｓ，Ｏのうち
一種または二種の合計で０．００５０〜０．０５００％
の範囲にある。
り、ワイヤＮｏ．１〜７は本発明ワイヤを示しＣが０．
０３〜０．１５％、Ｓｉが１．００〜２．５０％、Ｍｎ
が０．１０〜１．００％にありＭｎ／Ｓｉが０．６５％
以下、Ｐは０．０１３％以下、Ａｌ，Ｔｉは一種または
二種の合計で０．００５〜０．２００％、Ｓ，Ｏのうち
一種または二種の合計で０．００５０〜０．０５００％
の範囲にある。
【００２８】またＮｏ．８〜１２は比較ワイヤを示す。
Ｎｏ．１〜７の本発明ワイヤではピットの発生は無く、
ビード外観は良好であり、さらにブローホール発生率も
非常に低い健全な溶接金属が得られている。
Ｎｏ．１〜７の本発明ワイヤではピットの発生は無く、
ビード外観は良好であり、さらにブローホール発生率も
非常に低い健全な溶接金属が得られている。
【００２９】比較ワイヤにおいてはＳｉ、Ｍｎ量が本発
明の範囲以下であるＮｏ．１１、Ｎｏ．１２はシールド
不足が起因すると考えられるピット、ブローホールが多
発し、ビード外観も劣っている。またＭｎ量が本発明の
範囲を超えるＮｏ．１０、Ｓｉ量が本発明の範囲を超え
るＮｏ．９はピット、ブローホールは少ないが、ビード
に割れが生じビード外観が劣った。またＣ、Ｓｉ、Ｍ
ｎ、Ｓ＋Ｏ共に本発明範囲を超えるＮｏ．８は合金元素
過剰によるビード割れが発生しビード外観が不良であ
る。
明の範囲以下であるＮｏ．１１、Ｎｏ．１２はシールド
不足が起因すると考えられるピット、ブローホールが多
発し、ビード外観も劣っている。またＭｎ量が本発明の
範囲を超えるＮｏ．１０、Ｓｉ量が本発明の範囲を超え
るＮｏ．９はピット、ブローホールは少ないが、ビード
に割れが生じビード外観が劣った。またＣ、Ｓｉ、Ｍ
ｎ、Ｓ＋Ｏ共に本発明範囲を超えるＮｏ．８は合金元素
過剰によるビード割れが発生しビード外観が不良であ
る。
【００３０】このように、本発明により始めて、亜鉛め
っき鋼板など防錆処理を施した鋼材を炭酸ガスアーク溶
接してもピットが無く、ビード外観の良好なしかもブロ
ーホールの発生が非常に少ない健全な溶接金属部が得ら
れることが明らかである。
っき鋼板など防錆処理を施した鋼材を炭酸ガスアーク溶
接してもピットが無く、ビード外観の良好なしかもブロ
ーホールの発生が非常に少ない健全な溶接金属部が得ら
れることが明らかである。
【００３１】
【発明の効果】以上のように本発明ワイヤにおいては、
亜鉛めっき鋼板など防錆処理を施した鋼材をガスシール
ドアーク溶接をしてもピットが無くブローホールが非常
に少ない、ビード外観の良好な溶接金属が得られるた
め、溶接金属部の断面欠損にならず構造物の強度を低下
させない溶接部が得られる。
亜鉛めっき鋼板など防錆処理を施した鋼材をガスシール
ドアーク溶接をしてもピットが無くブローホールが非常
に少ない、ビード外観の良好な溶接金属が得られるた
め、溶接金属部の断面欠損にならず構造物の強度を低下
させない溶接部が得られる。
Claims (1)
- 【請求項１】 重量％で、Ｃ；０．０３〜０．１５％、
Ｓｉ；１．００〜２．５０％、Ｍｎ；０．１０〜１．０
０％、ただし、Ｍｎ／Ｓｉが０．６５％以下の範囲にあ
り、Ｐ；０．０１３％以下、Ａｌ，Ｔｉのうち一種また
は二種の合計で０．００５〜０．２００％、Ｓ，Ｏのう
ち一種または二種の合計で０．００５０〜０．０５００
％を含有し、残部がＦｅおよび不可避不純物からなるこ
とを特徴とするガスシールドアーク溶接ワイヤ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24851493A JPH0780678A (ja) | 1993-09-10 | 1993-09-10 | ガスシールドアーク溶接ワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24851493A JPH0780678A (ja) | 1993-09-10 | 1993-09-10 | ガスシールドアーク溶接ワイヤ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0780678A true JPH0780678A (ja) | 1995-03-28 |
Family
ID=17179321
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24851493A Withdrawn JPH0780678A (ja) | 1993-09-10 | 1993-09-10 | ガスシールドアーク溶接ワイヤ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0780678A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006021224A (ja) * | 2004-07-07 | 2006-01-26 | Kobe Steel Ltd | レーザ・アーク複合溶接用ソリッドワイヤ及びレーザ・アーク複合溶接方法 |
| WO2013133140A1 (ja) | 2012-03-09 | 2013-09-12 | 株式会社神戸製鋼所 | ソリッドワイヤおよびこれを用いたガスシールドアーク溶接方法 |
-
1993
- 1993-09-10 JP JP24851493A patent/JPH0780678A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006021224A (ja) * | 2004-07-07 | 2006-01-26 | Kobe Steel Ltd | レーザ・アーク複合溶接用ソリッドワイヤ及びレーザ・アーク複合溶接方法 |
| JP4498039B2 (ja) * | 2004-07-07 | 2010-07-07 | 株式会社神戸製鋼所 | レーザ・アーク複合溶接用ソリッドワイヤ及びレーザ・アーク複合溶接方法 |
| WO2013133140A1 (ja) | 2012-03-09 | 2013-09-12 | 株式会社神戸製鋼所 | ソリッドワイヤおよびこれを用いたガスシールドアーク溶接方法 |
| US9616528B2 (en) | 2012-03-09 | 2017-04-11 | Kobe Steel, Ltd. | Solid wire, and gas-shielded arc welding method using same |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20001128 |