JPH0779519B2 - 全面駆動型スピ−カの振動板及びその製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は全面駆動型スピーカの振動板及びその製造方法
に関するものである。

（従来技術およびその問題点） 全面駆動型スピーカは高音再生用として優れた性質を有
するが、その振動板の製造には困難さを伴つている。現
在薄いプラスチツクに導体を蒸着し、エツチングによつ
て導体パターンを形成している。この従来の振動板は剛
性が小さいこと、耐蝕性が弱いなどの欠点がある。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上記問題点に鑑み提案されたもので、その目的
とするところは、高剛性で、耐蝕性に優れた全面駆動型
スピーカの振動板及びその製造方法を提供することを目
的とする。

すなわち、本発明は上記目的を達成するために、 全面駆動型スピーカの振動板において、フイルム状振動
板の導体がアルミニウムで形成され、この導体表面にセ
ラミツクス層が形成してなる振動板を要旨とし、 また、高分子フイルムの片面にアルミニウム層を形成
し、ホトレジスト剤で導体パターンをマスクし、導体パ
ターン以外のアルミニウム層を溶解除去した後、電解析
出法により導体パターンの表面にセラミツクス層を形成
することを特徴とする全面駆動型スピーカの振動板の製
造方法を要旨とするものである。

（実施例） 高分子フイルムの片面に蒸着法によりアルミニウム層を
形成し、このアルミニウム層を導体パターンに従つてレ
ジスト剤でマスクする。マスク処理を行つた後、酸又は
アルカリの溶解液にアルミニウム層を形成した高分子フ
イルムを浸漬し、マクス部以外のアルミニウム層を溶解
除去して高分子フイルムの片面に導体パターンを形成す
る。しかる後、電解析出法を用いてセラミツクス層を形
成する。電解溶液としてアルミン酸ナトリウム30g/の
水溶液に導体パターンを陽極とし、鉄板を陰極として前
記電解溶液に浸漬し、陽極電流密度を1A/dm²に保持しな
がら直流電流を連続して通電する。20分間の通電処理を
施すことにより、アルミニウムの導体パターン表面上に
４〜５μｍの酸化アルミニウムのセラミツクス層が形成
される。

次いで、本発明の振動板について述べる。

図は本発明の製造方法によつて得られた振動板を適用し
た全面駆動型スピーカの断面図である。図において、１
は高分子フイルム状の振動板、２は振動板１の表面に形
成されたアルミニウムの導体、３はアルミニウムの導体
２の表面に電解析出法で形成したセラミツクス層、４は
磁石、５は磁性プレートで、振動板１に平行で導体と交
差する磁気回路を形成する。これらの振動板１、磁石４
及び磁性プレート５は固定部材６により一体的に保持さ
れ、振動板１は図示上上下に振動して、導体２に加えら
れた音声信号をスピーカとして再生する。

（発明の効果） 以上、説明したように、本発明によれば高分子フイルム
の片面にアルミニウム層を蒸着し、ホトレジスト剤で導
体パターンをマスクし、導体パターン以外のアルミニウ
ム層を溶解除去した後、電解析出法により導体パターン
の表面にセラミツクス層を形成することにより、高剛性
で、耐蝕性に優れた全面駆動型スピーカの振動板が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の振動板を適用した全面駆動型スピーカの断
面図である。 １……振動板、２……導体、３……セラミツクス層、４
……磁石、５……磁性プレート、６……固定部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】片面に導体パターンを形成したフイルム状
   振動板と、該振動板と平行でかつ導体と交差する磁界を
   発生する磁気回路とからなる全面駆動型スピーカの振動
   板において、該振動板の導体がアルミニウムで形成さ
   れ、該導体表面に電解析出法によりセラミツクス層が形
   成されたことを特徴とする全面駆動型スピーカの振動
   板。
2. 【請求項２】高分子フイルムの片面にアルミニウム層を
   形成し、ホトレジスト剤で導体パターンをマスクし、導
   体パターン以外のアルミニウム層を溶解除去した後、電
   解析出法により導体パターンの表面にセラミツクス層を
   形成することを特徴とする全面駆動型スピーカの振動板
   の製造方法。