JPH077833Y2 - 浴槽の蓋収納装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、浴槽に用いられる蛇腹式蓋の収納装置に関
する。

〔従来技術とその課題〕

周知のように、浴槽本体の開口部に着脱自在に載置され
る蓋は、入浴中には、折り畳まれて浴室の隅や浴槽の端
などに立て掛けて置くのが一般的である。

しかしながら、上記蓋を、従来のように、浴室の隅や浴
槽の端などに立て掛けて置いた場合には、入浴中に、こ
の立て掛けられた蓋が倒れて身体に当る場合があり危険
であると共に、浴室内の外観も悪い、という問題を有し
ていた。

この考案は、かかる現状に鑑み創案されたものであっ
て、その目的とするところは、蓋を使用しない場合に
は、この蓋を蓋収納ケース内に収納し、また、上記蓋を
使用するときには、蓋収納ケース内から上記蓋を引き出
して使用することができる安全で、しかも、浴室内の外
観も向上させることができる浴槽の蓋収納装置を提供し
ようとするものである。

〔課題を解決するための構成〕

上記目的を達成するため、この考案に係る浴槽の蓋収納
装置にあっては、浴槽本体に隣接して配設された蓋収納
ケースと、この蓋収納ケース内に配設された蓋巻き取り
装置と、から構成されてなり、上記蓋巻き取り装置を、
上下に配設された滑車と、この滑車に懸架されたベルト
と、上記滑車の一方を回転させる手段と、蛇腹状に形成
された蓋の一側端部を連結するワイヤーと、上記回転手
段側の滑車の軸に固着された歯車と、この歯車にチェー
ンを介して作動的に連結された小歯車と、該小歯車の軸
と上記回転手段の駆動軸とを作動的に連結するコイルス
プリングと、を有して構成したことを特徴とするもので
ある。

〔実施例〕

以下、添付図面に示す実施例に基きこの考案を詳細に説
明する。

第１図乃至第５図はこの考案の第１実施例に係る浴槽の
蓋収納装置を示しており、この実施例に係る浴槽の蓋収
納装置は、浴槽本体２に隣接して配設された蓋収納ケー
ス３と、この蓋収納ケース３内に配設された蓋巻き取り
装置４と、この蓋巻き取り装置４に一側端5aが連結され
た蛇腹式蓋５と、から構成されている。

浴槽本体２は、断面略凹状に形成された公知のものであ
れば、いずれのタイプのものでも使用することができ
る。

蓋収納ケース３は、この実施例では上記浴槽本体２の右
側に取り付けられており、内部が中空の箱状に形成され
ていると共に、その浴槽本体側上部には、前記蛇腹式蓋
５を出し入れするための開口６が開設されている。勿
論、この蓋収納ケース３及び開口６の奥行寸法は、蛇腹
式蓋５の奥行寸法よりも大きく形成されている そして、上記のように構成された蓋収納ケース３の内部
には、前記蓋巻き取り装置４が収納されている。

蓋巻き取り装置４は、第３図と第４図からも明らかなよ
うに、上下に所定間隔離間した状態で配設された回転自
在な滑車7,8と、これら各滑車7,8に巻装され、かつ、一
端がクラッチ機構24の小歯車23に連結され他端が蛇腹式
蓋５の一側端5aに連結されてなるワイヤー21と、上記蓋
収納ケース３の開口６付近に回転自在に配設された滑車
11と、から構成されている。

滑車7,8,11は、上記蓋収納ケース３に回転自在に架設さ
れてなる軸12,13,14の左右に軸着されており、また、滑
車11は、蛇腹式蓋５の下面部を支持し、かつ、この蛇腹
式蓋５が該滑車11に沿って円滑に折曲される外径を有し
て構成されている。

また、上記滑車7,8にはベルトＢが懸架されていると共
に、上記滑車８はモータ20によって回転可能に連結され
ている。

即ち、上記滑車８が固着された軸13には、減速手段であ
る歯車22が固着されており、この歯車22はまたチェーン
29を介して小歯車23と作動的に連結され、この小歯車23
は、さらに上記クラッチ機構24を介して前記モータ20の
駆動軸20aに作動的に連結されている。また、モータ20
は、第４図に示すように、蓋収納ケース３の外側に配設
されたスイッチ25によりオン・オフされ、かつ、第３図
に示すように、蓋収納ケース３の前記開口６の周縁部に
配設されたリミットスイッチ26のオンにより停止される
ように構成されている。

クラッチ機構24は、第５図に示すように、前記モータ駆
動軸20aの端部から離間して配設され、かつ、前記小歯
車23が固着された軸27と、この軸27およびモータ駆動軸
20aの外周面に巻装されたコイルスプリング28と、から
構成されている。

コイルスプリング28は、その巻き方向がモータ20の回転
方向に対し締め付けられる方向になるように構成されて
おり、また、そのモータ駆動軸側端部はモータ駆動軸20
aに係止されていると共に、その小歯車側端部は、モー
タ回転時には軸27に係止され、かつ、蛇腹式蓋５の引き
出し時には、上記係止状態が解除されるように構成され
ている。

蛇腹式蓋５は、短冊状に形成された複数本の蓋部材をそ
の下面で連結し、その連結辺より下方（第３図矢印ａ方
向）には折曲できるように構成されていると共に、その
一側端5aは、前記したように定荷重バネ10の他端に連結
されており、また、その他側端5bは、第１図に示すよう
に、他の蓋部材の上面より上方に突出して形成されてお
り、蛇腹式蓋５が蓋収納ケース３内に収納された場合、
該他側端5bが前記開口６の周縁部と衝合して、それ以上
蓋収納ケース３内に巻き込まれないように構成されてい
る。

次に、以上のように構成された蓋収納装置の作用につい
て説明する。

先ず、上記実施例に係る蓋収納装置によって蛇腹式蓋５
を収納する場合には、前記スイッチ25をオンさせ、モー
タ20を回転させる。これにより、軸27及びモータ駆動軸
20aの外周面に巻装されたコイルスプリング28は締付け
方向へ回動され、軸27の外周面に密着して小歯車23をモ
ータ駆動軸20aの回転方向と同じ方向に回動する。

この小歯車23の回動により歯車22が回動し、この結果、
滑車7,8が回動するため、この滑車7,8間に懸架されたベ
ルトＢを介して蛇腹式蓋５が蓋収納ケース３内に収納さ
れる。そして、蛇腹式蓋５の他側端5bが前記開口６の周
縁部に配設されたリミットスイッチ26を押圧してオンさ
せることにより、上記モータ20の作動は停止され、蛇腹
式蓋５の巻き取り作業が終了する。

また、上記の収納状態から蛇腹式蓋５を引き出して浴槽
本体２の開口部を閉じる場合には、先ず、上記蛇腹式蓋
５の他側端5bを把持し、この後、該蛇腹式蓋５を蓋収納
ケース３から離間する方向へ引くだけでよい。このと
き、上記蛇腹式蓋５の引き出し作動に対応して前記小歯
車23は、前記収納回動方向とは逆方向に回動されるた
め、前記コイルスプリング28と軸27との係止状態は解除
されるので、コイルスプリング28による締め付け状態は
解除され、この後、上記コイルスプリング28の他端部
は、軸27の外周面を滑るので、上記蛇腹式蓋５の引き出
し作動が阻止されることなく円滑に引き出すことができ
る。

第６図と第７図は、この考案の第２実施例に係る浴槽の
蓋収納装置を示しており、この実施例に係る浴槽の蓋収
納装置は、前記第２実施例におけるモータ20に代えて、
滑車7,8を手動により行なうように構成した他は、他の
構成・作用は前記第２実施例と同様であるため、図面に
は第２実施例と同様の符号を付してその詳細な説明をこ
こでは省略する。

即ち、この実施例に係る蓋収納装置にあっては、滑車7,
8を軸支する軸12,13に歯車30,31を固着し、この固着さ
れた歯車30,31にチェーン32を懸架すると共に、滑車７
を軸支する軸12の終端部にハンドル33を配設し、このハ
ンドル33を回転することで、上記滑車7,8が回動して蛇
腹式蓋５を蓋収納ケース３内に巻き込むことができるよ
うに構成されている。

〔考案の効果〕

この考案に係る浴槽の蓋収納装置は、以上説明したよう
に、蓋を使用しない場合には、この蓋を蓋収納ケース内
に収納し、また、上記蓋を使用するときには、蓋収納ケ
ース内から上記蓋を引き出して使用することができるよ
うに構成したので、身体などを不注意にぶつけたりする
虞れがなく安全であると共に、使用しない蓋が浴室内に
露出しないので外観が向上し、さらには、蛇腹式蓋を、
蓋収納ケース内の上下に配設した滑車によって巻き取る
ように構成したので、上記蓋収納ケースの幅（厚さ）寸
法を小さく（薄く）することができる、という効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第１実施例に係る蓋収納装置が取り
付けられた浴槽の斜視図、第２図は同蓋収納装置におけ
る蛇腹式蓋とワイヤーとの連結状態を示す平面図、第３
図は同蓋収納装置の要部の構成を示す断面図、第４図は
蓋収納装置を側部から見た状態を示す側面図、第５図は
同蓋収納装置のクラッチ機構を示す説明図、第６図はこ
の考案の第２実施例に係る蓋収納装置の要部の構成を示
す断面図、第７図は同蓋収納装置を側部から見た状態を
示す側面図である。 〔符号の説明〕 ２…浴槽本体、３…蓋収納ケース ４…蓋巻き取り装置、５…蛇腹式蓋 5a…蛇腹式蓋の一端部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】浴槽本体に隣接して配設された蓋収納ケー
   スと、この蓋収納ケース内に配設された蓋巻き取り装置
   と、から構成されてなり、上記蓋巻き取り装置を、上下
   に配設された滑車と、この滑車に懸架されたベルトと、
   上記滑車の一方を回転させる手段と、蛇腹状に形成され
   た蓋の一側端部を連結するワイヤーと、上記回転手段側
   の滑車の軸に固着された歯車と、この歯車に懸架された
   チェーンを介して回転される小歯車と、該小歯車と上記
   回転手段の駆動軸とを連結するコイルスプリングと、を
   有し、該コイルスプリングは、締め付け方向に回転させ
   られたときに上記回転手段の駆動軸と小歯車とを連結係
   止し、上記蓋の引き出し時には、上記回転手段の駆動軸
   と小歯車との上記係止状態を解除する方向に巻き戻され
   るように配設されていることを特徴とする浴槽の蓋収納
   装置。