JPH0774364B2 - 銅微粉末の製造方法 - Google Patents

銅微粉末の製造方法

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JPH0774364B2 JP63182607A JP18260788A JPH0774364B2 JP H0774364 B2 JPH0774364 B2 JP H0774364B2 JP 63182607 A JP63182607 A JP 63182607A JP 18260788 A JP18260788 A JP 18260788A JP H0774364 B2 JPH0774364 B2 JP H0774364B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子回路の厚膜導体を成形するための銅塗料
として、特に有用な粒子が単分散した球状の銅微粉末の
製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
銅塗料は、電子回路の厚膜導体を形成するのに現在使用
されている銀あるいはパラジウム塗料の代替品として、
最近注目され始めている。この銅塗料には通常0.2μm
〜10μmの銅微粉末が用いられているが、塗料を焼付け
たときの緻密な銅の導体膜を得るためには粒子が単分散
した凝集のない、不純物の少ない球状銅微粉末が望まれ
ている。また、緻密な銅の導体膜を得るため、最密充て
んとなるように、2種〜3種の粒度分布巾の狭い粉末を
混合して用いることも行われ、これに用いる銅粉は、球
状であるとともに粒径の揃った単分散した粉末であるこ
とが要求される。
従来、銅微粉末の製造方法としては種々提案されている
が、0.2μm〜10μmの粒径の銅粉末を製造できる方法
としては、 炭酸銅を含む銅含有溶液とヒドラジンあるいはヒドラ
ジン化合物と混合し、これを加熱することにより銅粉末
を還元析出せしめる方法。(特開昭57−155302号) 酸化銅を保護コロイドを含む水性媒体中でヒドラジン
及び/又はヒドラジン化合物で還元する方法。(特公昭
61−55562号) 還元剤としてヒドラジンを用いて硫酸銅水溶液を還元
して銅微粒子を製造する方法において、反応溶液中に界
面活性剤を添加することによって単分散した銅微粒子を
得る方法。(特開昭62−27508号,特開昭62−40302号,
特開昭62−77407号,特開昭62−77408号) 等がある。しかしながら、これら従来の方法では(a)
粒径が揃っている、(b)単分散している、(c)不純
物が少ない、(d)球状である、の条件を全て満足する
銅粉末は得られない。
即ち、前記の炭酸銅をヒドラジンで還元する方法で
は、析出中に銅粉が凝集するため形状が不規則となる。
また、の酸化銅を保護コロイドを含む水性媒体中で還
元する方法では、保護コロイドにより銅粉の凝集につい
てある程度防止されるものの満足できるものではない。
本発明者等の実験では、平均粒径1.5μmの粉末をこの
方法で製造した場合、0.7μm〜8μmの範囲を粒径を
有する粉末が得られる。さらにこの方法で問題となるの
は保護コロイド、即ちアラビアゴム等の有機化合物が銅
粉中に残留すると、厚膜導体の焼成時に焼成雰囲気を悪
くし厚膜形成上好ましくない。またの硫酸銅水溶液を
界面活性剤の存在下にヒドラジンで還元する方法では水
溶性銅化合物から銅を析出させるために、析出時の粒径
にばらつきを生じ、例えば平均粒径が2.5μmのもので
0.5μm〜8μmまでの粒径の粉末が混入している。
〔本発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、まず製造コストの有利性から水溶液中で銅化
合物を還元する製造方法であって、反応時間によって粒
形が影響されることなく短時間でも単分散した球状銅微
粉末が得られ、さらに粒度分布巾が狭く、かつ粒度もあ
る程度自由に変えられる銅微粉末の製造方法を種々研究
した結果、酸化銅をあらかじめシランカップリング剤で
表面処理してヒドラジンを含む水溶液で還元すれば解決
することを見出し本発明を完成したものである。
〔問題点を解決するための手段〕
即ち、本発明は、酸化銅粉末の表面をシランカップリン
グ剤で被覆した後、該酸化銅粉末をヒドラジンにより還
元することを特徴とする銅微粉末の製造方法である。
〔作用〕
本発明の出発原料の銅化合物は酸化銅であることが必要
であり、酸化銅としては酸化第一銅、酸化第二銅のいず
れも使用でき、ほとんど同じ結果を与える。
酸化銅以外の硫酸銅、硝酸銅、酢酸銅などの銅塩を出発
原料とすると、球状でない銅微粉末が多く析出しよくな
い。また、水酸化銅、炭化銅を出発原料とすると銅塩を
用いたものより球状化するが、酸化銅を用いた場合より
も不規則状粉を多く含み粒度分布巾も広いものとなりよ
くない。
粒度分布巾の狭い球状銅微粉末を製造するためには出発
原料として酸化銅を用いる必要があるが、さらに酸化銅
を用いると銅微粉末の粒度(平均粒径とも言う)もある
程度自由に変えることができる。すなわち酸化銅の粉末
の粒度と析出する銅微粉末の粒度はある程度相関性があ
り、酸化銅の粉末粒度が大きいと銅微粉末も大きくな
り、酸化銅の粉末粒度を小さくすると銅微粉末も小さく
なる。
さらに、酸化銅は他の銅化合物に比べ化合物中の銅含有
量が大であり、銅粉を析出する原料としては安価である
特徴も有する。
本発明では、酸化銅粉末の表面をシランカップリング剤
で被覆する工程を経るが、この工程を経ることにより、
酸化銅の粉末粒度を大きくしても粗大凝集物がなく、ま
た小さい酸化銅の粉末を用いても微細なコロイド状とな
らず、粒度の揃った銅微粉末が得られる。
本発明でのシランカップリング剤とは、有機ケイ素化合
物で化学構造式は一般式YRSiX3で表わされるものであ
る。ここでYは有機官能聞でビニル基、アミノ基などで
ある。RはアルキルグループでXで加水分解基でメトキ
シ基、エトキシ基などである。電子回路の厚膜導体を形
成する銅微粉末を製造するために用いるシランカップリ
ング剤としては化学構造上S,Clを含まないもので、水と
の反応が激しくないものが好ましい。
加水分解基でクロル基を有するものは水と激しく反応し
良くない。
シランカップリング剤としては、 Vinyl−tris(β−methovyethexy)silane. γ−Glycidoxypropyltrimethoxysilane. γ−Aminopropyltriethoxysilane. N−β−(Aminoethyl)−γ−aminopropyl trimethoxy
silane. γ−Ureidopropyltriethoxysilane.などが適する。シラ
ンカップリング剤の量は酸化銅に対して重量で0.5wt%
から効果があり、20wt%までが適量であり、これ以上の
添加は効果も少なく経済的でない。
酸化銅をシランカップリング剤で被覆する方法は、酸化
銅にシランカップリング剤を直接又はシランカップリン
グ剤の水溶液あるいはアルコール溶液を加え、攪拌混合
あるいは粉砕すればよい。
シランカップリング剤を水溶液あるいはアルコール溶液
にして使用すると、酸化銅粉末の表面を早く均一に被覆
することができる。しかし水あるいはアルコール溶液中
のシランカップリング剤の濃度が少ないとシランカップ
リング剤の効果が少なくなるため、水あるいはアルコー
ル溶液にする場合、20wt%以上シランカップリング剤を
加えるのが好ましい。
攪拌混合の場合の混合機としては、通常のミキサー、ニ
ーダなどが使用できる。粉砕しながら行う場合は、ボー
ルミル、アトライター、振動ミルなどボールを粉砕媒体
とする、粉砕機を用いると効率よく粉砕、被覆処理をす
ることができる。
本発明において粉砕しながら酸化銅表面にシランカップ
リング剤の被覆を形成することは、粒度の小さい銅微粉
末を製造する場合に重要である。酸化銅の粉末が小さく
なると均一にシランカップリング剤の被覆を形成するこ
とが難しくなり、本発明の効果が十分得られない場合が
ある。特に、小さい酸化銅の粉末を用いて小さく銅微粉
末を得ようとする場合は、大きい酸化銅にシランカップ
リング剤を加え、粉砕しながら均一に被覆処理した小さ
い酸化銅の粉末にしたものを用いる方が粒度の揃った均
一な球状銅微粉末が容易に得られるよい方法である。
本発明に用いる還元剤はヒドラジン及びヒドラジン水化
物が適し、塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジンなどのヒド
ラジン化合物も使用できるが、洗浄に問題があり、好ま
しくない。
ヒドラジン以外のの還元剤としてホルムアルデヒド、ブ
ドウ糖、次亜リン酸、水素化ホウ素ナトリウムなどがあ
るが、還元力が弱く酸化銅を金属銅に還元出来なかった
り、例え還元析出しても粒度分布の広い不規則形状の銅
粉しか得られない。還元剤としてのヒドラジンの量は水
溶液の量とも関係するが、基本的には酸化銅の量によっ
て決定される。酸化銅に対するヒドラジン量は重量で10
wt%から還元反応が認められるが50wt%以上加えた方が
早く反応が進み短時間に反応が終了する。なお、ヒドラ
ジン量は多く加えるほど早く反応が進むが200wt%以上
加えても同じとなり経済的でない。
シランカップリング剤で被覆処理した酸化銅を分散、懸
濁させる水溶液の量は酸化銅がうまく攪拌できる量であ
ればよく、酸化銅容積の約50倍程度が好ましいが、攪拌
操作を行わなかった場合には、特に限定されるものでは
ない。
還元反応は常温でも認められるが反応速度が遅く反応が
終了するまで長時間必要なため60℃以上に加温した方が
よい。
短時間に銅微粉末を得るためにはヒドラジン量を多く
し、60℃以上に加温する方法がよく、これによって得ら
れる銅微粉末は不規則形状になることはない。
なお、本発明を実施するために使用する反応槽は、攪拌
装置のついたものが好ましく、反応容器は不純物溶出防
止のためガラス製が好ましいが、ステンレス製あるいは
テフロンなどでコーティングした容器でもよい。
本発明の方法における銅微粉末の還元過程を説明すれ
ば、シランカップリング剤で被覆処理した酸化銅を水溶
液に分散、懸濁し、攪拌しながらヒドラジンを添加し、
還元反応温度まで徐々に加温すると黒色あるいは赤褐色
の懸濁液がしだいに赤色となり、銅色に変化する。これ
を放置すると下部に銅微粉末が沈降し、上部は無色透明
の液となる。沈降した銅微粉末を取り出し、アルコール
あるいはアセトンなどの有機溶剤で洗浄し、通常の方法
で乾燥すると粒度の揃った10μm以下の単分散した球状
銅微粉末が得られる。
シランカップリング剤で被覆処理した酸化銅を用いると
反応速度を早くしても単分散した球状銅微粉末が得られ
ることについては十分解明されていないが、次のように
考えられる。
酸化銅粉末の表面に被覆したシランカップリング剤は加
水分解を受けてシラノールとなり、酸化銅表面にシロキ
サン結合を形成する。
いままで単分散した球状銅微粉末を得るためには銅イオ
ン濃度を低くして、しかもゆっくり反応を行えば良いと
言われていた。つまり銅イオン濃度を高くしたり、反応
速度を速くすると一度に多くの銅の核が生成し、核同士
が成長段階で凝集し、結果的に不規則形状の銅微粉末と
なる。
酸化銅表面に形成したシロキサン結合は水溶液の接近を
ある程度防止し、還元剤の存在下においても水溶液中の
銅イオン濃度を一定以上にならないように制御している
と考えられる。
つまり反応初期から反応終了近くまで水溶液中の銅イオ
濃度を制御し、一度に多くの核が生成し凝集することを
防止していると考えられる。
核の成長は小さいものほど速く大きくなり、大きいもの
ほど成長はゆっくりであることから、核の生成が反応初
期から反応終了近くまで連続して続いても得られる銅微
粉末の直径は非常に均一で揃ったものとなる。
シランカップリング剤は還元析出した銅の微粒子同士が
くっつきあうことを防止するのではなく、反応溶液中の
銅イオン濃度を制御して単分散した球状銅微粉末を得る
効果が有ると考えられる。
〔実施例〕
以下に、本発明の実施例を示す。
実施例(1) 平均粒径10μmの酸化第二銅50gにシランカップリング
剤Vinyl−tris(β−methoxyethoxy)silaneを5g加え、
ミキサーで10分間攪拌混合し、しかる後に全量を500cc
の水溶液に分散、懸濁し、次いで攪拌しながらヒドラジ
ン1水和物を50g添加し、15分後に70℃になるように徐
々に加温した。懸濁液を70℃,15分間保持すると反応が
終了し、銅微粉末が析出した。
アスピレータでろ過後、アセトンで洗浄し、その後20℃
で自然乾燥した。
39gの銅微粉末が得られ、電子顕微鏡にて粉末の粒度、
粒形を見ると1μm〜1.5μmの揃った凝集のない単分
散した球状粉末であった。不純物として酸素量を測定し
た結果、0.12%と非常に少なくSi量も0.003%と極微量
であった。
実施例(2) 実施例(1)と同じ酸化第二銅を用い、酸化第二銅を表
面処理するシランカップリング剤のみγ−Glycidoxypro
pyltrimethoxysilaneに変えた以外は実施例(1)と同
様にして銅微粉末を得た。
39gの銅微粉末が得られ、電子顕微鏡にて粉末の粒度、
粒形を見ると1μm〜1.5μmの揃った凝集のない単分
散した球状粉末であり、酸素量も0.13%と非常に少ない
ものであった。
実施例(3) 実施例(1)と同じ酸化第二銅を用い、酸化第二銅を表
面処理するシランカップリング剤のみγ−Aminopropylt
riethoxysilaneに変えた以外は実施例(1)と同様にし
て銅微粉末を得た。
39gの銅微粉末が得られ、電子顕微鏡にて粉末の粒度、
粒形を見ると1μm〜1.5μmの揃った凝集のない単分
散した球状粉末であり、酸素量も0.14%と非常に少ない
ものであった。
実施例(4) 実施例(1)と同じ酸化第二銅を用い、酸化第二銅を表
面処理するシランカップリング剤のみN−β−(Aminoe
thyl)−γ−aminopropyltrimethoyxsilaneに変えた以
外は実施例(1)と同様にして銅微粉末を得た。
39gの銅微粉末が得られ、電子顕微鏡にて粉末の粒度、
粒形を見ると1μm〜1.5μmの揃った凝集のない単分
散した球状粉末であり、酸素量も0.13%と非常に少ない
ものであった。
実施例(5) 実施例(1)と同じ酸化第二銅を用い、酸化第二銅を表
面処理するシランカップリング剤のみγ−Ureidopropyl
triethoxysilaneに変えた以外は実施例(1)と同様に
して銅微粉末を得た。
39gの銅微粉末が得られ、電子顕微鏡にて粉末の粒度、
粒形を見ると1μm〜1.5μmの揃った凝集のない単分
散した球状粉末であり、酸素量も0.14%と非常に少ない
ものであった。
実施例(6) 実施例(1)と同じ平均粒径10μmの酸化第二銅100gを
用い、シランカップリング剤γ−Aminopropyltriethoxy
silaneを0.5g加え、5mmφのステンレスボールを粉砕媒
体としたアトライダーで30分間粉砕した、粉砕後の酸化
第二銅の平均粒径は5μmであった。
このように粉砕しながら表面処理した平均粒径5μmの
酸化第二銅50gを500ccの水溶液に分散、懸濁し、次いで
攪拌しながらヒドラジン1水和物を50g添加し、15分後
に70℃になるように徐々に加温した。懸濁液を70℃,15
分間保持すると反応が終了し、銅微粉末が析出した。ア
スピレータでろ過後、アセトンで洗浄し、その後20℃で
自然乾燥した。
39gの銅微粉末が得られ、電子顕微鏡にて粉末の粒度、
粒形を見ると0.5μm〜0.8μmの揃った凝集のない単分
散した球状粉末であった。不純物として酸素量を測定し
た結果0.19%と非常に少ないものであった。
実施例(7) 実施例(1)と同じ平均粒径10μmの酸化第二銅100gを
用い、シランカップリング剤γ−Aminopropyltriethoxy
silaneを5g加え、5mmφのステンレスボールを粉砕媒体
としたアトライターで180分間粉砕した。粉砕後の酸化
第二銅の平均粒径は0.5μmであった。
このように粉砕しながら表面処理した平均粒径0.5μm
の酸化第二銅50gを500ccの水溶液に分散、懸濁し、次い
で攪拌しながらビドラジン1水和物を50g添加し、20分
後に60℃になるように徐々に加温した。懸濁液を60℃,2
0分間保持すると反応が終了し、銅微粉末が析出した。
アスピレータでろ過後、アセトンで洗浄し、その後20℃
で自然乾燥した。
37gの銅微粉末が得られ、電子顕微鏡にて粉末の粒度、
粒形を見ると0.3μm〜0.5μmの揃った凝集のない単分
散した球状粉末であった。不純物として酸素量を測定し
た結果0.19%と非常に少ないものであった。
実施例(8) 平均粒径10μmの酸化第一銅50gに、シランカップリン
グ剤Vinyl−tris(β−methoxyethoxy)silaneを5g加
え、ミキサーで10分間攪拌混合し、しかる後に全量500c
cの水溶液に分散、懸濁し、次いで攪拌しながらビドラ
ジン1水和物を50g添加し、15分後に60℃になるように
徐々に加温した。懸濁液を60℃,15分間保持すると反応
が終了し、銅微粉末が析出した。アスピレータでろ過
後、アセトンで洗浄し、その後20℃で自然乾燥した。
44gの銅微粉末が得られ、電子顕微鏡にて粉末の粒度、
粒形を見ると2μm〜2.5μmの揃った凝集のない単分
散した球状粉末であった。不純物として酸素量を測定し
た結果0.11%と非常に少ないものであった。
実施例(9) 平均粒径10μmの酸化第一銅50gに、シランカップリン
グ剤γ−Aminopropyltriethoxysilaneを5g加え、ミキサ
ーで10分間攪拌混合し、しかる後に全量500ccの水溶液
に分散、懸濁し、次いで攪拌しながらビドラジン1水和
物を25g添加し、15分後に60℃になるように徐々に加温
した。懸濁液が40℃以上になると徐々に反応が開始し、
60℃になると明らかに銅の析出が認められ、30分後に反
応が終了し、銅微粉末が析出した。アスピレータでろ過
後、アセトンで洗浄し、その後20℃で自然乾燥した。
44gの銅微粉末が得られ、電子顕微鏡にて粉末の粒度、
粒形を見ると4μm〜5μmの揃った凝集のない単分散
した球状粉末であった。不純物として酸素量を測定した
結果0.10%と非常に少ないものであった。
実施例(10) 平均粒径10μmの酸化第二銅50gにシランカップリング
剤Vinyl−tris(β−methoxyethoxy)silane2gと水3gの
混合溶液を加え、ミキサーで10分間攪拌混合し、しかる
後に全量を500ccの水溶液に分散、懸濁し、次いで攪拌
しながらヒドラジン1水和物を50g添加し、15分後に70
℃になるように徐々に加温した。懸濁液を70℃,15分間
保持すると反応が終了し、銅微粉末が析出した。
アスピレータでろ過後、アセトンで洗浄し、その後20℃
で自然乾燥した。
39gの銅微粉末が得られ、電子顕微鏡にて粉末の粒度、
粒形を見ると1μm〜1.5μmの揃った凝集のない単分
散した球状粉末であった。不純物として酸素量を測定し
た結果、0.13%と非常に少ないものであった。
実施例(10) 実施例(10)と同じ酸化第二銅を用い、酸化第二銅を表
面処理するシランカップリング剤のみγ−Glycidoxypro
pyltrimethoxysilane 2gとエタノール3gの混合溶液に変
えた以外は実施例(10)と同様にして銅微粉末を得た。
39gの銅微粉末が得られ、電子顕微鏡にて粉末の粒度、
粒形を見ると1μm〜1.5μmの揃った凝集のない単分
散した球状粉末であり、酸素量も0.14%と非常に少ない
ものであった。
実施例(12) 実施例(10)と同じ酸化第二銅を用い、酸化第二銅を表
面処理するシランカップリング剤のみγ−Aminopropylt
riethoxysilane 2gとエチレングリコール3gの混合溶液
に変えた以外は実施例(10)と同様にして銅微粉末を得
た。
39gの銅微粉末が得られ、電子顕微鏡にて粉末の粒度、
粒形を見ると1μm〜1.5μmの揃った凝集のない単分
散した球状粉末であり、酸素量も0.15%と非常に少ない
ものであった。
〔発明の効果〕
このように本発明によれば、粒度分布巾の狭い、単分散
した球状銅微粉末を短時間にしかも安価に製造すること
ができる。
本発明によって得られる球状銅微粉末は、より緻密な厚
膜導体を形成する銅塗料に特に適し、また高純度である
ことから、各種触媒用としても有用なものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化銅粉末の表面をシランカップリング剤
    で被覆した後、該酸化銅粉末をヒドラジンにより還元す
    ることを特徴とする銅微粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】酸化銅粉末とシランカップリング剤又はシ
    ランカップリング剤の水溶液あるいはアルコール溶液を
    混合機又は粉砕機に装入し、混合又は粉砕操作を行うこ
    とにより酸化銅粉末の表面をシランカップリング剤で被
    覆することを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の
    銅微粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】シランカップリング剤で被覆された酸化銅
    粉末を水中に分散した状態で、攪拌しながらヒドラジン
    又はヒドラジン水溶液を添加することにより該酸化銅粉
    末を還元することを特徴とする特許請求の範囲第1項も
    しくは第2項に記載の銅微粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】シランカップリング剤で被覆された酸化銅
    粉末を水中に分散した状態で、攪拌しながらヒドラジン
    又はヒドラジン水溶液を添加し、次いでこの混合懸濁液
    を加熱することにより該酸化銅粉末を還元することを特
    徴とする特許請求の範囲第3項に記載の銅微粉末の製造
    方法。
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