JPH0772787A - 制御手順自動生成装置 - Google Patents

制御手順自動生成装置

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JPH0772787A
JPH0772787A JP21734993A JP21734993A JPH0772787A JP H0772787 A JPH0772787 A JP H0772787A JP 21734993 A JP21734993 A JP 21734993A JP 21734993 A JP21734993 A JP 21734993A JP H0772787 A JPH0772787 A JP H0772787A
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JP
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graph
control
control procedure
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JP21734993A
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English (en)
Inventor
Naoshi Uchihira
直志 内平
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全性のみならず目的到達可能性をも実現す
る制御手順自動生成装置を提供する。 【構成】 状態遷移グラフ入力手段1から制御対象の状
態遷移グラフを入力する。制御仕様入力手段2から制御
仕様を入力する。変換手段3が、状態遷移グラフ及び制
御仕様に基づいて、AND/ORグラフを生成する。枝
刈り手段4が、AND/ORグラフのうち、禁止状態へ
の遷移を生じさせる可能性を有する部分及び目的状態を
含まないループを構成する可能性を有する部分を枝刈り
する。制御手順抽出手段5が、枝刈りされたAND/O
Rグラフから制御手順を抽出する。制御手順出力手段6
が制御手順を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シーケンス制御などの
制御手順を自動的に生成する制御手順自動生成装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】化学プラント、電力プラント、鉄鋼プラ
ントなどのプラントや、その機器(以下「制御対象」と
いう)に適用される制御としては、フィードバック(P
ID)制御の他にシーケンス制御が知られている。ここ
で、シーケンス制御とは、制御対象に対して制御命令を
送る所定の手順の実現を行うもので、シーケンス制御シ
ステムによって実行される。このシーケンス制御システ
ムがコンピュータ上に実現される場合、その動作は制御
プログラム(制御手順)によって決定される。
【0003】そして、シーケンス制御用の制御手順は、
一般に、シーケンス制御用プログラミング言語であるラ
ダーやSFCで記述される。ここで、シーケンス制御シ
ステムは、通信制御システムと同様、有限状態機械(Fin
ite State Machine)に基づいた状態遷移グラフでその特
徴が表せる離散事象システムである。このため、これに
対応して、ラダーやSFCも、等価な状態遷移グラフで
表すことができる。なお、有限状態機械とは、論理回路
のようなシステムのモデル化手法の1つで、システムを
有限の状態とその状態間の遷移で表現するものである。
【0004】従来から、シーケンス制御システムのこの
ような特徴を利用し、シーケンス制御の内容を状態遷移
グラフで定式化することにより、制御手順を自動生成す
る制御手順自動生成装置が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
制御手順自動生成装置は、安全性を実現するようには構
成されていたが、目的到達可能性を実現するようには構
成されていなかった。ここで、「安全性」(safety prop
erty) とは、システムが、危険な(禁止されている)状
態に陥らないように制御されていることである。また、
目的到達可能性(non-blocking property) とは、システ
ムが目的とする状態(目的状態)に定常的に到達できる
ことを意味し、換言すれば、システムが、目的に到達で
きない状態に陥らないように制御されていることを意味
する。
【0006】目的に到達できない状態には、デッドロッ
ク状態やライブロック状態があり、デッドロック状態と
は目的状態に到達せずにシステムが完全に停止(ハング
アップ)してしまうことである。また、ライブロック状
態とは、システムが目的状態に到達できない無限ループ
に陥ることである。このように、従来の制御手順自動生
成装置による制御手順では、安全性のみが実現されてい
たので、禁止状態へは遷移しないが目的状態へも遷移で
きない袋小路的状態に陥る可能性があった。
【0007】また、従来の制御手順自動生成装置では、
センサなどの計測機器が不十分で制御対象の状態が完全
に特定できない場合には、手順を生成できなかった。
【0008】本発明は、上記のような従来技術の問題点
を解決するために提案されたもので、その目的は、安全
性のみならず目的到達可能性をも実現する制御手順自動
生成装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、請求項1の制御手順自動生成装置は、制御対象の状
態遷移を表す状態遷移グラフを入力するための状態遷移
グラフ入力手段と、前記制御対象が到達を禁じられる禁
止状態及び前記制御対象が到達すべき目的状態を表す制
御仕様を入力するための制御仕様入力手段と、前記状態
遷移グラフ及び前記制御仕様に基づいて、前記制御対象
に対する制御手順における制御不可能な状態であるAN
D状態、制御可能な状態であるOR状態、及びこれら各
状態間の遷移を表し、かつ、前記禁止状態及び前記目的
状態が指定されたAND/ORグラフを生成する変換手
段と、前記AND/ORグラフのうち前記禁止状態への
遷移を生じさせる可能性を有する部分及び前記目的状態
を含まないループを構成する可能性を有する部分を枝刈
りする枝刈り手段と、枝刈りされた前記AND/ORグ
ラフから前記制御対象に対する制御手順を抽出する制御
手順抽出手段と、前記制御手順を出力するための制御手
順出力手段と、を有することを特徴とする。
【0010】また、請求項2の発明は、請求項1記載の
制御手順自動生成装置において、前記状態遷移グラフ入
力手段は、前記状態遷移グラフを、前記制御手順におい
て識別し得ない複数の前記OR状態ごとに集合を形成し
ているものとして入力するように構成され、前記変換手
段は、前記AND/ORグラフとして、前記OR状態が
前記集合ごとに分割されたAND/ORグラフを生成す
るように構成され、前記枝刈り手段は、前記禁止状態へ
の前記遷移を生じさせる可能性を有する前記部分及び前
記目的状態を含まない前記ループを構成する可能性があ
る前記部分と同一の前記集合に属する他の部分をも枝刈
りするように構成されたことを特徴とする。
【0011】
【作用】上記のような構成を有する本発明では、状態遷
移グラフ入力手段から制御対象の状態遷移グラフが入力
され、制御仕様入力手段から制御対象の禁止状態及び目
的状態を表す制御仕様が入力される。そして、変換手段
が、状態遷移グラフ及び制御仕様に基づいて、AND/
ORグラフを生成する。また、枝刈り手段が、AND/
ORグラフのうち、禁止状態への遷移を生じさせる可能
性を有する部分及び目的状態を含まないループを構成す
る可能性を有する部分を枝刈りする。また、制御手順抽
出手段が、枝刈りされたAND/ORグラフから制御手
順を抽出し、制御手順出力手段が制御手順を出力する。
【0012】本発明の制御手順自動生成装置によって以
上のように生成される制御手順は、禁止状態への遷移を
含まないので、安全性を満足する。また、以上のように
生成される制御手順は、目的状態に到達できない無限ル
ープにも陥らないので、目的到達可能性をも満足する。
【0013】また、請求項2の発明では、状態遷移グラ
フ入力手段は、状態遷移グラフを、制御手順において識
別し得ない複数の前記OR状態ごとに集合を形成してい
るものとして入力し、変換手段は、AND/ORグラフ
として、OR状態が前記集合ごとに分割されたAND/
ORグラフを生成し、枝刈り手段は、禁止状態への前記
遷移を生じさせる可能性を有する部分及び目的状態を含
まないループを構成する可能性がある部分と同一の前記
集合に属する他の部分をも枝刈りする。このため、請求
項2の発明によれば、制御対象が計測機器によって識別
し得ない複数の状態を含む場合も、安全性及び目的到達
可能性が満足される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例である制御手順自動
生成装置(以下「本装置」という)について、図面に従
って具体的に説明する。なお、本装置はコンピュータ上
に実現されるもので、本装置の各機能は、プログラムの
形式で表現された所定の手順でコンピュータを動作させ
ることによって実現されている。したがって、以下、本
装置の各機能を有する仮想的回路ブロックを想定して本
装置を説明する。
【0015】(1)実施例の構成 まず、図1は、本装置の構成を示すブロック図である。
すなわち、本装置は、この図に示すように、制御対象の
状態遷移を表す状態遷移グラフを入力するための状態遷
移グラフ入力手段1と、制御対象が到達を禁じられる禁
止状態及び前記制御対象が到達すべき目的状態を表す制
御仕様を入力するための制御仕様入力手段2と、状態遷
移グラフ及び制御仕様に基づいて、制御対象に対する制
御手順における制御不可能な状態であるAND状態、制
御可能な状態であるOR状態、及びこれら各状態間の遷
移を表し、かつ、禁止状態及び目的状態が指定されたA
ND/ORグラフ(状態種別付きAND/ORグラフ)
を生成する変換手段3とを有する。
【0016】また、本装置は、AND/ORグラフのう
ち禁止状態への遷移を生じさせる可能性を有する部分及
び目的状態を含まないループを構成する可能性を有する
部分を枝刈りする枝刈り手段4と、枝刈りされたAND
/ORグラフから制御対象に対する制御手順を抽出する
制御手順抽出手段5と、制御手順を出力するための制御
手順出力手段6と、を有している。
【0017】このうち、状態遷移グラフ入力手段1は、
状態遷移グラフを、制御手順において識別し得ない複数
の前記OR状態ごとに集合を形成しているものとして入
力するように構成されている。また、変換手段3は、前
記AND/ORグラフとして、前記OR状態が前記集合
ごとに分割されたAND/ORグラフ(状態種別付き分
割AND/ORグラフ)を生成するように構成されてい
る。また、枝刈り手段4は、禁止状態への遷移を生じさ
せる可能性を有する前記部分及び前記目的状態を含まな
い前記ループを構成する可能性がある前記部分と同一の
前記集合に属する他の部分をも枝刈りするように構成さ
れている。
【0018】また、本実施例にいう各入力手段1,2及
び制御手順出力手段6は、キーボードなどの入力機構及
び画面表示装置などの出力機構を、所定のインタフェー
ス用プログラムによって制御することによって実現する
ことができる。
【0019】(2)実施例の作用 上記のような構成を有する本装置における制御手順の生
成は、次のような手順で行われる。
【0020】[1.状態遷移グラフの入力]まず、ユーザ
が、状態遷移グラフ入力手段1から、制御対象の挙動
(状態遷移)を示す状態遷移グラフを入力する。ここ
で、制御対象は化学プラント、鉄鋼プラントなどのプラ
ント機器及び制御機器から構成される。例えば、産業用
ロボットは制御対象であり、ロボットを動かす(制御す
る)には制御手順(命令の列)を与えねばならないが、
産業用ロボットの可能な動作は状態遷移グラフで表すこ
とができる。
【0021】ここで、状態遷移グラフは、
【数1】 と表すことができる。
【0022】例えば、非決定性遷移関数δ(s1 ,a)
={s2 ,s3 }の意味は、状態s1において、動作a
が生じると、状態がs2 かs3 のどちらかに遷移するこ
とである。このとき、s2 又はs3 のうちいずれに遷移
するかが非決定的であることから、非決定性遷移関数と
呼ばれる。
【0023】ここで、状態遷移グラフの各遷移に付く動
作には次の種類がある。まず、ctl(A) は、制御器自身
にとって、遷移抑止などの制御が可能で(controlable)
、この結果、必然的に観測可能でもある動作の集合を
意味する。また、obs(A) は、遷移は観測可能(observa
ble)であるが、制御器の外界によって制御されているた
め制御器自身による制御は不可能な動作の集合を意味す
る。また、uno(A) は、制御器の外界によって制御さ
れ、その遷移も観測不可能(unobservable)であり、この
結果、必然的に制御不可能でもある動作の集合を意味す
る。なお、ctl(A)とobs(A) とuno(A) は、排反集合
(互いに交わりのない集合)である。
【0024】図2に、状態遷移グラフで表された簡単な
制御システム(通信システム)の例を示す。この図にお
いて、start,send,end,recoverはctl(A) である。ま
た、receive は、メッセージの受理であり、メッセージ
が到着すると自動的に行なわれる動作であるため制御不
可能obs(A)である。また、error(エラー)は観測できな
いためuno(A) である。なお、以下の説明では、図3に
示す状態遷移グラフが入力されたものとする。
【0025】[2.制御仕様の入力]また、ユーザは、制
御仕様入力手段2から、前記制御対象に対する制御仕様
を入力する。この制御仕様は、制御対象の制御手順に対
する要求を形式的に表現したものである。この制御仕様
は、状態遷移グラフの状態集合Sの部分集合として、目
的状態集合
【数2】 及び、禁止状態集合
【数3】 を指定することによって与えられる。ここで、「目的状
態」とは、制御器が無限回ときどき訪れなければならな
い状態であり、一つの状態集合から少なくとも1つ指定
されなければならない。また、「禁止状態」とは、シス
テムが陥ってはならない状態であり、制御器は、システ
ムがいかなる禁止状態にも陥らないように制御しなけれ
ばならない。
【0026】この目的状態と禁止状態の指定により、安
全性および目的到達可能性に関する仕様を表現すること
が可能である。さらに、時相論理で記述した制御仕様
を、目的状態と禁止状態による仕様に自動変換すること
も可能である(参考文献:松本他、時相論理とその応
用、情報処理Vol.30,No.6 )。
【0027】ここでは、図3の制御対象に対する制御仕
様F=(Fg ,Fp )として、Fg={s0 },Fp =
{s3 }が入力されたものとする。
【0028】[3.状態種別付き分割AND/ORグラフ
の生成]状態遷移グラフ及び制御仕様の入力が終了する
と、変換手段3が、状態遷移グラフ及び制御仕様に基づ
いて、図4に例示するような状態種別付き分割AND/
ORグラフを生成する。この生成は、次の3段階に別け
て行われる。
【0029】[3-1.AND/ORグラフの生成]まず、
変換手段3は、制御システム(制御手順)の遷移状態を
AND/ORグラフで表す。ここで、AND/ORグラ
フは、各状態を表すノードと、ノード(状態)間の状態
遷移を表すエッジから構成される。ノードには、制御可
能な状態(OR状態)と制御不可能な状態(AND状
態)をそれぞれ表す2種類のノードがあり、これによっ
て、制御不可能な遷移を定式化できる。
【0030】このAND/ORグラフの生成は、具体的
には、次のような手順で行われる。すなわち、まず、制
御可能な遷移start を初期状態の前に付加する。次に、
各状態をAND状態及びOR状態で表示する。ここで、
OR状態とは、当該状態から遷移可能な全ての動作が制
御可能動作ctl(A) である状態をいい、ここでは、図形
「○」で表示する。また、AND状態とは、OR状態以
外の状態をいい、図形「□」で表示する。なお、AND
/ORグラフの形式を確保するため、同種の状態が隣接
している場合は、OR状態とAND状態が交互に並ぶよ
うに、異なる種類のダミーの状態を追加する。シーケン
ス制御は、制御対象に対する制御動作と、この制御動作
に対する制御対象の挙動が交互に順列した事象として把
握することができるので、このようなAND/ORグラ
フによる定式化が可能である。
【0031】なお、AND状態からOR状態への遷移
は、遷移可能な制御不可能動作の極大列として表現され
る。すなわち、AND状態から制御不可能な動作が連続
して起こり得る場合は、それら一連の動作が全て起きた
後の状態をOR状態とし、途中の各状態はAND/OR
グラフ上には残さない。しかし、表示は観測可能な動作
だけを<>で囲ったものとする。全てが観測不可能な場
合は空列を表すεを用いて<ε>と記す。
【0032】[3-2.状態種別の付加]次に、変換手段3
は、AND/ORグラフに基づいて状態種別付きAND
/ORグラフを生成する。この状態種別付きAND/O
Rグラフは、AND/ORグラフのORノードに3種類
(禁止状態、目的状態、これら以外の状態)の状態種別
を付加したものである。すなわち、OR状態のうち、目
的状態及び禁止状態に所定のマークを付す。ここでは、
目的状態には「◎」を、禁止状態には円の内側に×を記
した記号を付すものとする。なお、マークされた状態と
マークなしの状態は同じ状態番号でも別の状態として区
別する。
【0033】状態種別付きAND/ORグラフは、
【数4】 のように定義することができる。このとき、OR遷移と
は、制御器が制御可能な制御対象の遷移であり、AND
遷移とは、制御器が制御不可能な制御対象の遷移であ
る。
【0034】[3-3.分割]さらに、変換手段3は、制御
対象の各状態のうち、制御器が、計測手段により異なる
状態のものとして認識できない1又は2以上の状態を1
つにまとめた集合(以下、認識集合という)ごとに、O
Rノードの集合をいくつかに分割することによって、状
態種別付き分割AND/ORグラフ(以下「分割グラ
フ」という)を生成し、観測不可能な遷移を定式化す
る。なお、認識集合の具体的内容は、状態遷移グラフと
共に入力しておく。
【0035】すなわち、制御器は、制御対象の状態を、
認識集合のレベルでしか認識できず、同一の認識集合に
含まれる状態同士を識別することはできない。このた
め、制御器が現在の状態を判断すると、認識集合ui の
中のいずれかの状態にある、という(不完全な)情報の
みが得られる。このような判断の制約は、例えば、セン
サなどの計測機器の構成上の制約や、センサの一部の不
調などの事情によって生じ得る。
【0036】分割は、具体的には、次のような手順で行
われる。すなわち、制御器にとって、状態遷移グラフ上
の観測可能な動作の遷移系列のみによって識別できない
1又は2以上の状態は、同じ認識集合に属するとして破
線で囲む。遷移が発火不可能な場合は、失敗の観測によ
る遷移「<−>」を導入し、同じ認識集合の全ての状態
から、同じ観測可能遷移による遷移を定義する。これ
は、グラフの形式を統一するためである。なお、失敗の
観測により、ORノードの現在の状態に関する情報が増
えるため、実際の遷移は起こらないにもかかわらず、属
する認識集合が変わることもありうる。
【0037】図4は、図3の状態遷移グラフとこれに対
応する制御仕様に基づいて生成された分割グラフであ
る。このグラフにおいて、各認識集合は、属するOR状
態を破線で囲むことによって表現している。
【0038】このような分割グラフは、
【数5】 のように定義することができる。このとき、情報構造U
は、OR状態集合N1 を互いに交わらない部分集合の集
合{u1 ,u2 ,…,un }に分割することを内容と
し、各ui が認識集合に対応する。
【0039】[4.枝刈り]続いて、枝刈り手段4が、分
割グラフのうち制御仕様を充足しない部分を枝刈り(除
去)する。制御手順を充足しない部分は、分割グラフの
うち禁止状態への遷移を生じさせる可能性を有する部分
及び目的状態を含まないループを構成する可能性を有す
る部分である。具体的には、例えば、目的状態を含まな
い無限ループを構成することとなる遷移、禁止状態に遷
移する可能性があるOR状態及び当該遷移などであり、
これらの遷移が発火する状態と同一の認識集合に属する
他の状態や遷移も含まれる。
【0040】ここで、図5は、
【数6】 が与えられた場合における枝刈りの手順を示すフローチ
ャートである。すなわち、この手順は、制御仕様を充足
しない状態(以下「充足不可能状態」という)を検出
し、これを除去する処理の繰り返しから構成される。具
体的には、まず、充足不可能なOR状態の集合(Unsati
sfiable States/以下「USS」という)が初期化さ
れ、空集合とされる(ステップ51)。次に、禁止状態
に関して充足不可能なOR状態が求められ、USSに追
加される(ステップ52)。すなわち、禁止状態集合F
p に属するOR状態は充足不可能状態である。また、目
的状態に関して充足不可能なOR状態が求められ、US
Sに追加される(ステップ53)。
【0041】ここで、目的状態に関して充足不可能なO
R状態は、次のようにして検出することができる。すな
わち、分割グラフにおける強連結成分(強連結成分にお
いては、成分内の任意の状態は相互に遷移可能である。
また、強連結成分を求めるアルゴリズムとしては、一般
に知られたいずれのアルゴリズムを用いてもよい。)を
求め、各強連結成分内に目的状態集合Fg に属するOR
状態が1つもないならば、その強連結成分の全てのOR
状態は充足不可能状態と判定できる。
【0042】ステップ53に続いて、USSが空か否か
が判断され(ステップ54)、空(充足不可能なOR状
態が1つもない)ならば枝刈りを終了する。一方、ステ
ップ53においてUSSが空でない場合は、充足不可能
な状態の枝刈りが行われる(ステップ55)。ここで
は、USSから充足不可能な各状態sが取り出され、以
下の処理が行われる。なお、図6は、Sが充足不可能の
ときにグラフの各ノードからUSSに追加すべき状態が
選択される様子を示す概念図である。
【0043】すなわち、OR状態s及び状態sに接続す
るエッジ(遷移)を分割グラフから削除する。次に、状
態sに遷移するAND状態を求め、そこから分岐して遷
移している全てのOR状態(sと兄弟関係にあるOR状
態)を検出し、USSに追加する(図2a)。これは、
AND状態からの遷移が制御不可能であることに基づい
ている。また、状態sと同じ認識集合に属する全てのO
R状態を検出し、USSに追加する(図2b)。これ
は、そのようなOR状態は、制御器にとって状態sと区
別できないことに基づいている。
【0044】そして、USSが空になった場合は(ステ
ップ56)ステップ53に戻るが、空でなければステッ
プ55に戻る。
【0045】ここで、図4のAND/ORグラフから充
足不可能な認識集合(u2 ,u3 ,u6 )と遷移を枝刈
りしてできたAND/ORグラフを図7に示す。
【0046】[5.制御手順の抽出]続いて、制御手順抽
出手段5が、枝刈りされたAND/ORグラフから、前
記制御対象に対する制御手順を抽出する。すなわち、枝
刈りの結果残ったAND/ORグラフ上で、各OR状態
において遷移可能な遷移をランダムに生起させると与え
られた仕様が満たされる。制御手順は、枝が利されたA
ND/ORグラフの情報構造上に関数πとして定義され
る:
【数7】 :制御手順、すなわち、
【数8】 に対して、π(u)={a1 ,a2 ,…an }の意味
は、認識集合uに属するOR状態においては、動作a1
,…,an のうち1つを公平に選ぶ、である。実際に
は、制御器(コントローラ)は乱数などを用いて動作
(制御命令)を決定することになる。
【0047】ここで、π(u)は枝刈りされたAND/
ORグラフ上のuにおいて、残っている遷移可能な動作
の集合である。図7の例において生成される制御手順
は、
【数9】 である。この制御手順の意味は、「u0 においては、動
作start 、u1 においては動作b、u4 においては、動
作a、u5 においては、動作cを実行しなさい」であ
る。
【0048】[6.制御手順の出力]最後に、制御手順出
力手段6が、このように得られた制御手順を出力する。
なお、制御手順の出力形式は自由であり、ラダーやSF
Cに自動変換して出力してもよい。
【0049】(3)実施例の効果 以上のように、本実施例の制御手順自動生成装置によっ
て生成される制御手順は、禁止状態への遷移を含まない
ので、安全性を満足する。また、以上のように生成され
る制御手順は、目的状態に到達できない無限ループにも
陥らないので、目的到達可能性をも満足する。すなわ
ち、本実施例の制御手順自動生成装置による制御手順を
用いれば、デッドロック状態やライブロック状態に陥ら
ないので、実際のシーケンス制御システムのソフトウェ
ア開発が大幅に効率化され、また、ソフトウェアの品質
が飛躍的に向上する。
【0050】特に、本実施例では、状態遷移グラフ入力
手段1、変換手段3、枝刈り手段4が、制御において識
別し得ない複数の状態の存在を前提に構成されている。
このため、本実施例は、このような識別し得ない複数の
状態を含む場合にも、安全性及び目的到達可能性を満足
することができ、多様な制御対象に適用することができ
る。
【0051】(4)他の実施例 なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
次のような他の実施例をも包含するものである。例え
ば、本発明において各種グラフを用いているのは、ユー
ザが処理の過程を確認するためではなく、グラフとして
表せるデータ形式によって情報処理の便宜を図るためで
ある。このため、本明細書において「〜グラフ」という
ときは、本来の線図や線図を表すグラフィックデータの
ような狭い概念を意味するものではなく、内容上、線図
表現も可能な構成のデータを広く意味する。したがっ
て、上記実施例における各グラフはそのまま画面表示や
プリンタ印字が可能である必要はない。
【0052】また、本発明における状態遷移グラフ入力
手段、変換手段、枝刈り手段は、必ずしも、制御におい
て識別し得ない複数の状態の存在を前提に構成されてい
なくともよい。また、上記実施例の制御手順自動生成装
置はコンピュータ上に実現されているが、その機能の全
部又は一部は専用の電子回路上に実現してもよい。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明の制御手順自動生
成装置によって生成される制御手順は、禁止状態への遷
移を含まないので、安全性を満足し、目的状態に到達で
きない無限ループにも陥らないので、目的到達可能性を
も満足する。このため、本発明によれば、シーケンス制
御システムのソフトウェア開発が大幅に効率化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例における状態遷移グラフの一
例。
【図3】本発明の実施例における状態遷移グラフの他の
一例。
【図4】本発明の実施例におけるAND/ORグラフ。
【図5】本発明の実施例における枝刈りの手順を示すフ
ローチャート。
【図6】本発明の実施例において、グラフの各ノードか
らUSSに追加すべき状態が選択される様子を示す概念
図。
【図7】本発明の実施例における枝刈り後のAND/O
Rグラフ。
【符号の説明】
1:状態遷移グラフ入力手段 2:制御仕様入力手段 3:変換手段 4:枝刈り手段 5:制御手順抽出手段 6:制御手順出力手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象の状態遷移を表す状態遷移グラ
    フを入力するための状態遷移グラフ入力手段と、 前記制御対象が到達を禁じられる禁止状態及び前記制御
    対象が到達すべき目的状態を表す制御仕様を入力するた
    めの制御仕様入力手段と、 前記状態遷移グラフ及び前記制御仕様に基づいて、前記
    制御対象に対する制御手順における制御不可能な状態で
    あるAND状態、制御可能な状態であるOR状態、及び
    これら各状態間の遷移を表し、かつ、前記禁止状態及び
    前記目的状態が指定されたAND/ORグラフを生成す
    る変換手段と、 前記AND/ORグラフのうち前記禁止状態への遷移を
    生じさせる可能性を有する部分及び前記目的状態を含ま
    ないループを構成する可能性を有する部分を枝刈りする
    枝刈り手段と、 枝刈りされた前記AND/ORグラフから前記制御対象
    に対する制御手順を抽出する制御手順抽出手段と、 前記制御手順を出力するための制御手順出力手段と、 を有することを特徴とする制御手順自動生成装置。
  2. 【請求項2】 前記状態遷移グラフ入力手段は、前記状
    態遷移グラフを、前記制御手順において識別し得ない複
    数の前記OR状態ごとに集合を形成しているものとして
    入力するように構成され、 前記変換手段は、前記AND/ORグラフとして、前記
    OR状態が前記集合ごとに分割されたAND/ORグラ
    フを生成するように構成され、 前記枝刈り手段は、前記禁止状態への前記遷移を生じさ
    せる可能性を有する前記部分及び前記目的状態を含まな
    い前記ループを構成する可能性がある前記部分と同一の
    前記集合に属する他の部分をも枝刈りするように構成さ
    れたことを特徴とする請求項1記載の制御手順自動生成
    装置。
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