JPH0772567A - 光情報記録媒体および光情報記録再生装置 - Google Patents

光情報記録媒体および光情報記録再生装置

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JPH0772567A
JPH0772567A JP5220060A JP22006093A JPH0772567A JP H0772567 A JPH0772567 A JP H0772567A JP 5220060 A JP5220060 A JP 5220060A JP 22006093 A JP22006093 A JP 22006093A JP H0772567 A JPH0772567 A JP H0772567A
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Application number
JP5220060A
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English (en)
Inventor
Hisataka Sugiyama
久貴 杉山
Minoru Chokai
実 鳥海
Shigeru Nakamura
滋 中村
Koichiro Wakabayashi
康一郎 若林
Akira Arimoto
昭 有本
Shuji Imazeki
周治 今関
Setsuo Kobayashi
節郎 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光スポットを実効的に微小化し、高密度化を
行う。 【構成】 入射パワーまたは入射エネルギー密度の増加
と共に透過率が増加し飽和する光透過特性を有するフォ
トクロミック材料を用いたフォトクロ層を、記録再生層
よりも光照射側に配置した光情報記録媒体。 【効果】 光スポットを実効的に微小化できるので、高
密度記録再生を行うことが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光情報記録媒体および
光情報記録再生装置に関し、さらに詳しくは、光学的分
解能以下の記録密度で情報を記録再生可能な光情報記録
媒体および光情報記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】第1の従来例としては、「テクニカルダ
イジェスト・オブ・オプティカル・データ・ストレッジ
・トピカル・ミーティング 1991 ボリュウーム5(Te
chnical Digest of Optical Data Storage 1991 Volume
5 pp.112〜115およびpp.116〜119 」に開示の光情報
記録媒体が知られている。これは、複数層の光磁気記録
膜を用い、情報記録再生層の外に「周囲の情報をマスク
する層」を設けている。情報記録されている情報(ビッ
ト)が、再生光照射により温度が上昇した部分に現われ
るので、記録密度が高くなった場合においても隣接する
ビットとの干渉が抑制され、分解能が向上することにな
る。
【0003】第2の従来例としては、特開平5−114
06号公報に開示の光情報記録媒体が知られている。こ
れは、熱に対し光学定数の変化する材料,ブリーチング
材料,光双安定材料および高次の非線形材料を用い、前
記第1の従来例と同様の効果を得るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記第1の従来例で
は、光情報記録媒体が光磁気ディスクに限定されてしま
う問題点があった。また、上記第2の従来例では、光照
射に対して光学定数が変化する時間すなわち緩和時間が
データ読出時間に対して無視できない値を示す材料を用
いた場合は、実効的スポットが非対称になり、再生信号
が歪む問題点があった。そこで、本発明の第1の目的
は、光磁気ディスクに限定されずに記録再生分解能を実
効的に向上させた光情報記録媒体および光情報記録再生
装置を提供することにある。また、本発明の第2の目的
は、実効的スポットを対称にすることが出来る光情報記
録媒体および光情報記録再生装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の光情報記録媒体
は、強い光照射によって局所的光学特性変化を生じさせ
情報を記録し,弱い光照射によって上記局所的光学特性
変化の有無を検出し情報を再生する記録再生層を有する
光情報記録媒体において、入射パワーまたは入射エネル
ギー密度の増加と共に透過率が増加し飽和する光透過特
性を有するフォトクロミック材料を用いたフォトクロ層
を前記記録再生層よりも光照射側に配置したことを構成
上の特徴とするものである。また、本発明の光情報記録
媒体は、記録再生層を、フォトクロミック材料と比較的
強い相互作用をもつバインダとの混合物により構成し且
つ多層に積層し、それら各記録再生層の間に、フォトク
ロミック材料と比較的弱い相互作用をもつバインダとの
混合物により構成したフォトクロ層を介在させたことを
構成上の特徴とするものである。
【0006】本発明の光情報記録再生装置は、再生光ス
ポットまたは記録光スポットの少なくとも後半部分にオ
ーバラップさせて初期化光スポットを同時照射すること
を構成上の特徴とするものである。また、本発明の光情
報記録再生装置は、再生光または記録光を短パルス照射
することを構成上の特徴とするものである。
【0007】
【作用】フォトクロミック材料は、複素屈折率(特に吸
収項)が入射パワーまたは入射エネルギー密度に支配さ
れ、光異性化反応を生じ、波長の異なる光の照射によっ
て構造が可逆的に変化する。そして、この構造変化によ
って、光透過特性も変化する。例えば、ある波長λ1の
光を照射することで波長λ2に対する透過率を低くして
置き、この状態で波長λ2の光を照射すると、波長λ2
の光の入射エネルギー密度が小さい場合は光異性化が生
じないので透過率は低いままであるが、入射エネルギー
密度が大きくなると光異性化を生じて波長λ2の光自身
に対する透過率が高くなる。すなわち、入射エネルギー
密度の小さい部分と大きい部分とで透過率の違いを引き
起こし、非線形光透過特性を持たせることが出来る。そ
こで、このフォトクロミック材料によるフォトクロ層を
記録再生層の近傍に配置し、入射パワー密度が中心部で
大きく,周辺部で小さい入射パワー密度分布をもつ光ス
ポットをフォトクロ層を通して記録再生層に照射する。
すると、光スポットが実効的に微小化されるため、光学
的分解能以下の記録密度で情報を記録再生可能となる。
そして、これは、光磁気ディスクに限定されない。
【0008】光スポットで光情報記録媒体を走査する
時、光スポットの前半部分より後半部分での入射エネル
ギー密度が高くなり、入射エネルギー密度が走査方向に
非対称になる。このため、実効的な光スポットも非対称
になってしまう。しかし、本発明の光情報記録媒体で
は、フォトクロミック材料と比較的強い相互作用をもつ
バインダとの混合物により記録再生層を構成し且つ多層
に積層し、それら各記録再生層の間にフォトクロミック
材料と比較的弱い相互作用をもつバインダとの混合物に
より構成したフォトクロ層を介在させたので、温度特性
により透過率が高くなることが抑制され、実効的な光ス
ポットを対称化できる。また、本発明の光情報記録再生
装置では、再生光スポットまたは記録光スポットの少な
くとも後半部分にオーバラップさせて初期化光スポット
を同時照射するので、光スポットの後半部分で透過率が
高くなることが抑制され、実効的な光スポットを対称化
できる。また、本発明の光情報記録再生装置では、再生
光または記録光を短パルス照射するので、光スポットの
後半部分で入射エネルギー密度が高くなることが抑制さ
れ、実効的な光スポットを対称化できる。
【0009】
【実施例】以下、図に示す実施例により本発明をさらに
説明する。なお、これにより本発明が限定されるもので
はない。
【0010】−第1実施例− 図1に、ジアリールエテン誘導体Aの光異性化(この場
合は、閉環反応および開環反応と呼ばれる。)の前後の
構造変化と透過スペクトルを示す。開環状態では、透過
スペクトル曲線1に示すように、550nm以上の波長
では吸収がない。そして、開環状態で、420〜480
nmの波長帯の光を照射すると、閉環状態に変化する。
閉環状態では、透過スペクトル曲線2に示すように、6
00nm付近に吸収のピークを持つ。そして、閉環状態
で、550nm〜700nmの光を照射することによ
り、前記開環状態に変化する。
【0011】図2に、閉環状態のジアリールエテン誘導
体Aの膜に波長630nmの光を照射した場合の透過率
特性を示す。閉環状態(入射エネルギー密度0の状態)
での透過率は、26%である。入射エネルギー密度の小
さい場合は、開環化をあまり生じないので、透過率は小
さい。入射エネルギー密度の増加と共に、開環化が進む
ので、透過率は略直線的に増加し飽和する。
【0012】図3に、閉環状態のジアリールエテン誘導
体Aの膜に波長630nmの光を照射した場合の透過パ
ワー特性を示す。図2の透過率特性のため、透過パワー
特性曲線は、非線形になる。なお、破線で示す直線は、
飽和した透過パワー特性を示す。そこで、入射パワー密
度が2次元上で例えばガウス分布になる入射光スポット
を閉環状態のジアリールエテン誘導体Aの膜に照射した
場合、透過光スポットは、中心部分ほど透過パワー密度
が高くなり、周辺部分ほど透過パワー密度が低くなり、
分布が急峻になる。
【0013】図4に、入射光スポットと透過光スポット
の光強度の分布を規格化して重ねて示す。半値幅および
スポット径は入射光スポットより透過光スポットの方が
小さくなっており、スポット微小化の効果が得られてい
る。このスポット微小化を効率よく行うためには、入射
光スポットのピークパワー密度値を、図3における透過
パワー特性曲線と直線(飽和した透過パワー特性)の交
点での入射パワー密度値に合せるように、設定すればよ
い。
【0014】図5に、本発明の光情報記録媒体および光
情報記録再生装置の第1実施例のディスク6および光学
系を示す。ディスク6は、レプリカ基板6aと,フォト
クロ層6bと,記録再生層6cと,反射層6dと,保護
層6eとから構成されている。このディスク6は、次の
ようにして製造される。 スタンパディスクを作製する。 2P法やインジェクション法によって、ポリカーボネ
ートのレプリカ基板6aを作製する。レプリカ基板6a
の厚さは、1.2mmである。 フォトクロミック材料であるジアリールエテン誘導体
Aの粉末を、バインダであるポリビニルブチラール樹脂
に10wt%で混合し、アノン溶媒に溶解して、前記レ
プリカ基板6a上にスピン塗布し、膜厚100nmのフ
ォトクロ層6bを形成する。なお、バインダは、PMM
A,二酢酸セルロース,ポリメタクリル酸,ポリスチレ
ン等を使用してもよい。 前記フォトクロ層6b上にInSe相変化膜をスパッ
タリングし、膜厚75nmの記録再生層6cを形成す
る。 前記記録再生層6c上にAl膜をスパッタリングし、
膜厚75nmの反射層6dを形成する。 前記反射層6d上に例えば紫外線硬化樹脂を回転塗布
し、硬化させて、膜厚200nmの保護層6eを形成す
る。
【0015】光学系は、再生光学系および初期化光学系
からなる。再生光学系は、半導体レーザ(図示省略)か
らの波長630nmの再生光を、絞り込みレンズ14を
通して絞り込み、再生光スポット9として、前記ディス
ク6上に照射する。初期化光学系は、ハロゲンランプ1
5からの光を、投影レンズ17および波長選択フィルタ
16を通して、波長420nm〜480nmの初期化光
として前記ディスク6上に照射する。初期化光は、その
照射領域を前記再生光スポット9を含む領域に位置づ
け、再生光と同時に照射する。再生光の入射エネルギー
密度が初期化光の入射エネルギー密度よりも大きいから
同時に照射しても支障ない。
【0016】なお、再生光でデータを読み取る時もしく
はその前にフォトクロ層6bが初期化(閉環化)されて
いればよいので、初期化光の照射領域は図1の位置に限
定されない。また、光情報記録再生装置にディスク6を
挿入した時点で初期化光でディスク6の全面を走査して
初期化してもよい。また、あるトラックを再生する前に
当該トラックを1回転分だけ初期化光で走査して初期化
してもよい。
【0017】初期化光学系は、再生光学系の記録再生光
ヘッド(図示省略)と一体化してもよい。また、ディス
ク6に対して再生光学系の記録再生光ヘッド(図示省
略)と反対側に初期化光学系を設置し、ディスク6の裏
側から初期化光を照射するようにしてもよい。
【0018】図6に、再生光スポット9の入射パワー密
度分布18と,再生光スポット9がディスク6上を走査
した場合のフォトクロ層6bへの入射エネルギー密度分
布20と,再生光スポット9がディスク6上を走査した
場合のフォトクロ層6bからの透過パワー密度分布21
と,再生光スポット径断面および実効スポット径断面と
を示す。フォトクロ層6bからの透過パワー密度分布2
1は、入射エネルギー密度20に支配されるため、再生
光スポット9がディスク6を走査する場合は、非対称分
布となる。従って、実効スポット径断面も非対称とな
る。
【0019】図7に、マークのあるディスク6上を再生
光スポット9で走査した場合の再生信号10を示す。再
生信号10は、いくぶん非対称になるが、十分な読出特
性が得られる変調度になっていた。この変調度は、理想
の再生信号45の変調度よりは小さいが、従来(フォト
クロ層6bのないディスク)の再生信号12の変調度よ
りは大きくなっており、光学的分解能が向上したことが
分かる。なお、再生信号10は、反射光量の変化を検出
して得た。トラッキングは、案内溝を利用し、プッシュ
プル方式によって行う。あるいは、特開昭63−231
738号公報や特開平1−019535号公報にあるサ
ンプルサーボ方式を用いてもよい。焦点ずれ検出は、例
えば特開昭63−231738号公報や特開平1−01
9535号公報に記載の前後差動検出方式を用いる。
【0020】ディスク6の構造を、特願平4−3936
3号公報に示すような多重干渉構造もしくはエタロン構
造にすることにより、透過率特性のガンマ特性が強調さ
れ、さらに光学的分解能を向上できる。
【0021】−第2実施例− 第1実施例では、閉環状態に初期化した後、再生を行っ
ていた。これに対し、第2実施例では、開環状態に初期
化した後、再生を行う。第2実施例のディスクおよび光
学系は、図5と同様であるが、再生光はAr+レーザの
波長458nmを用い、初期化光は波長選択フィルタ1
6により波長550nm〜700nmを用いる。記録光
は、Ar+レーザの波長458nmを用い、AO変調器
やEO変調器によりデータの有無に対応して強度変調を
行う。記録光と再生光が同じ波長であるが、記録時の光
強度が再生時の光強度の5倍程度であるため、フォトク
ロ層6bの透過率は100%近い値となり、記録時の実
効スポットは入射光スポットと略同じになる。この第2
実施例でも、前記第1実施例と同様に、光学的分解能を
向上することが出来た。
【0022】−第3実施例− 図8に、本発明の光情報記録媒体の第3実施例であるデ
ィスク3を示す。このディスク3は、レプリカ基板3a
と,フォトクロ層3bと,エンハンス層3cと,記録再
生層3dと,保護層3eとから構成されている。レプリ
カ基板3aは、厚さ1.2mmのガラスである。フォト
クロ層3bは、ジアリールエテン誘導体Aとバインダの
混合物を膜厚100nmに塗布したものである。エンハ
ンス層3cは、膜厚200nmのSiNである。記録再
生層3dは、膜厚100nmのTbFeCoの光磁気膜
である。保護層3eは、膜厚100nmのSiNであ
る。例えば特開昭57−88540号公報に記載の偏光
差動検出法によって再生信号を得たところ、このディス
ク3でも、前記ディスク6と同様に、光学的分解能を向
上することが出来た。
【0023】第1実施例〜第3実施例では、記録再生層
3d,6cとして相変化膜,光磁気膜の例を示したが、
コンパクトディスクやレーザディスク等のプリピットで
データが記録されている媒体にも本発明を適用できた。
この場合の光情報記録媒体の構造を図8の(b)に示
す。
【0024】−第4実施例− 第1実施例〜第3実施例では再生光スポット9のみの実
効的微小化を行ったが、第4実施例では、記録光スポッ
トも実効的微小化を行い、微小マークを形成する。
【0025】図9に、ジアリールエテン誘導体Bの光異
性化(閉環反応および開環反応と呼ばれる。)の前後の
構造変化と透過スペクトルを示す。また、ジアリールエ
テン誘導体Aの透過スペクトルを示す(図1の曲線1,
2と同じ)。ジアリールエテン誘導体Bは、開環状態で
は、透過スペクトル曲線3に示すように、550nm以
上の波長では吸収がない。そして、開環状態で、400
〜460nmの波長帯の光を照射すると、閉環状態に変
化する。ジアリールエテン誘導体Bは、閉環状態では、
透過スペクトル曲線4に示すように、532nm付近に
吸収のピークを持つ。そして、閉環状態で、465nm
〜620nmの光を照射することにより、前記開環状態
に変化する。ジアリールエテン誘導体Aの開環状態での
透過スペクトル曲線1および閉環状態での透過スペクト
ル曲線2は、図1を参照して先に説明したものである。
【0026】図10に、本発明の光情報記録媒体および
光情報記録再生装置の第4実施例のディスク4および光
学系を示す。このディスク4は、レプリカ基板4aと,
第1フォトクロ層4bと,第2フォトクロ層4cと,記
録再生層4dと,反射層4eと,保護層4fとから構成
されている。レプリカ基板4aは、厚さ1.2mmのガ
ラスである。第1フォトクロ層4bは、ジアリールエテ
ン誘導体Aとバインダの混合物を膜厚100nmに塗布
したものである。第2フォトクロ層4cは、ジアリール
エテン誘導体Bとバインダの混合物を膜厚100nmに
塗布したものである。記録再生層4dは、膜厚75nm
のInSe相変化膜である。反射層4eは、膜厚75n
mのAl反射膜である。保護層4fは、膜厚200nm
の紫外線硬化樹脂膜である。
【0027】光学系は、記録再生光学系および初期化光
学系からなる。記録再生光学系は、半導体レーザからの
波長630nmの記録光または2次高調波光源(SH
G:Second Harmonics Generator)からの波長532n
mの再生光を、絞り込みレンズを通して絞り込み、記録
光スポットまたは再生光スポット19として、前記ディ
スク4上に照射する。初期化光学系は、ハロゲンランプ
15からの光を、投影レンズ17および波長選択フィル
タ16を通して、波長450nm〜460nmの初期化
光として前記ディスク6上に照射する。波長450nm
〜460nmの初期化光は、ジアリールエテン誘導体A
とジアリールエテン誘導体Bの両方を閉環化させる。
【0028】波長630nmの記録光に対して、第1フ
ォトクロ層4bは、ジアリールエテン誘導体Aの開環化
による非線形光透過膜として作用する。また、第2フォ
トクロ層4bは、ジアリールエテン誘導体Bが閉環状態
または開環状態のいずれにあっても吸収がなく、無視で
きる。従って、第1フォトクロ層4bにより、記録光ス
ポットの実効的微小化が行われる。一方、波長532n
mの再生光に対して、第2フォトクロ層4cは、ジアリ
ールエテン誘導体Bの開環化による非線形光透過膜とし
て作用する。また、第1フォトクロ層4bは、ジアリー
ルエテン誘導体Aが閉環状態なら50%が吸収される。
再生光パワーは記録光パワーに対して小さいので、閉環
状態のジアリールエテン誘導体Aは、単なる減衰フィル
タとして作用する。ここで、ジアリールエテン誘導体A
を、波長532nmでの吸収が可及的に小さくなるよう
に,また,波長630nmに対する感度よりも波長53
2nmに対しての感度の方が大きくなるように最適化し
て合成すると、波長630nmの記録光の高いパワーに
対して第1フォトクロ層4bの非線形透過特性を最適化
しても、波長532nmの再生光の微弱なパワーに対し
てジアリールエテン誘導体Aが十分に開環化し、第1フ
ォトクロ層4bの透過率が増加し、再生光が第1フォト
クロ層4bを十分に透過するようになる。従って、第2
フォトクロ層4cにより、再生光スポットの実効的微小
化が行われる。なお、上記感度とは、入射エネルギー密
度の変化に対して透過率が変化する変化率であり、図2
の透過率特性曲線の勾配に相当する。
【0029】ジアリールエテン誘導体Aを、波長630
nmに対する感度よりも波長532nmに対しての感度
の方が大きくなるように合成すると、再生光スポットに
対して第1フォトクロ層4bでも非線形透過特性を得ら
れるようになる。そこで、再生光スポットの微小化をエ
ンハンスすることが出来る。また、第1フォトクロ層4
bだけで記録光スポットと再生光スポットを微小化可能
となるので、第2フォトクロ層4cを省略して、ディス
ク4の構造を簡略化することも可能になる。
【0030】ジアリールエテン誘導体A,Bの入射エネ
ルギー密度の大小に対する複素屈折率の変化およびIn
Se相変化膜の記録前後の複素屈折率の変化を考慮し
て、多重干渉構造の最適化を行った結果、図11に示す
ようなディスク4の反射率スペクトルと記録再生層4d
での吸収率スペクトルが得られた。記録時において、入
射エネルギー密度が小さい領域では、図11の記録時吸
収率(P low)25により、波長630nmの記録光の
記録再生層4dでの吸収率が低い。一方、入射エネルギ
ー密度が大きい領域では、記録時吸収率(Phigh)26
により、波長630nmの記録光の記録再生層4dでの
吸収率が高い。そこで、実効的記録光スポットは入射光
スポットより小さくなり、微小マークを記録することが
出来た。再生時においては、記録再生層4dの未記録部
分からの反射光は、未記録部反射率(Phigh)27およ
び未記録部反射率(P low)28により、入射エネルギ
ー密度の大小にかかわらず高い反射を示す。一方、記録
再生層4dの記録部分からの反射光は、記録部反射率
(Phigh)29により,入射エネルギー密度が大きいと
きに低い反射を示し、記録部反射率(P low)30によ
り,入射エネルギー密度が小さいときに高い反射を示
す。さらに、フォトクロ層4b,4cでのスポット微小
化が多重干渉効果により強調される。この結果、微小化
された実効スポットのピーク強度部分がマーク部分に照
射した領域だけ反射光が変化し、未記録部分からの反射
光と実効スポットの裾の部分についての反射光とは同程
度に出来た。これにより、マーク列を再生したときに得
られる反射光量の変化すなわち信号度変調度を、より大
きくすることが出来た。
【0031】なお、図10ではフォトクロ層4b,4c
の2層構造としたが、ジアリールエテン誘導体A,Bを
同一バインダに混合し、1層構造にしても同等の効果が
得られた。
【0032】−第5実施例− 第5実施例は、上記第4実施例での記録波長と再生波長
を入れ替える。すなわち、記録光の波長を532nmと
し,再生光の波長を630nmとする。この場合でも、
波長532nmの記録光は、波長630nmの再生光よ
りも高パワーで照射されるので、ジアリールエテン誘導
体Aは完全に開環化され、透過率が増加する。そして、
光学的分解能を向上することが出来た。
【0033】−第6実施例− 第1実施例〜第5実施例では、記録光源や再生光源とは
別の初期化光源を設けていたが、第6実施例では、記録
光源を再生時の初期化光源に利用し,再生光源を記録時
の初期化光源に利用する。
【0034】閉環化波長の光の照射に対して透過率が増
加すると共に開環化波長の光の照射に対しても透過率が
増加する特性を持ったフォトクロミック材料を用い、閉
環化波長または開環化波長の一方を記録光の波長とし,
他方を再生光の波長とする。これにより、記録光源や再
生光源とは別の初期化光源を設けずに、記録光スポット
および再生光スポットを実効的に微小化できる。例え
ば、媒体として図12に示すジアリールエテン誘導体A
を用い、開環化波長である630nmを記録光の波長と
し黄色半導体レーザを記録光源として用い、閉環波長で
ある458nmを再生光の波長としArレーザを再生光
源として用いる。また、例えば、媒体として図13に示
すジアリールエテン誘導体Cを用い、開環化波長である
680nmを記録光の波長とし赤色半導体レーザを記録
光源として用い、閉環波長である490nmを再生光の
波長としII−VI属青色半導体レーザを再生光源として用
いる。
【0035】図14に、光学系を示す。公知の2波長光
ヘッドを用い、記録光スポット31が再生光スポット3
2より同一トラック33で先行するように配置した。ト
ラッキングは、記録光の波長について公知のプッシュプ
ル方式を用いた。焦点ずれ検出方式は、公知の非点収差
法を用いた。
【0036】記録時には、事前に再生光スポット32に
よって記録光に対する初期化を行う。この時、記録光パ
ワーは、サーボ信号を検出できる程度の微弱光に設定す
る。記録光スポット31の後に初期化のための再生光ス
ポット32が走査されるので、記録光スポット31によ
る退色は生じない。ここで、再生光スポット32は、記
録光スポット31に対して、波長比0.84だけスポッ
ト径が小さい。よって、記録光スポット31の照射領域
の中で、再生光スポット32で走査されない半径方向に
ついては、十分初期化されない。このため、記録するト
ラックの前後のトラックも走査して完全な初期化を行
う。この場合、3回転待ちの後、記録パルスに対応した
記録光の強度変調を行い、記録を行うことになる。これ
により、記録時においても、記録光スポット31を実効
的に小さくできるので微小マークを安定に記録できる。
【0037】初期化のための回転待ちを1回転にするた
めには、図15に示すように、再生光スポット32を隣
接する3トラックで3スポットにし、記録するトラック
の前後のトラックも走査させる。再生光スポット32の
径は狭トラック化のためにトラックピッチ35より大き
いから、3スポットの半径方向の照射位置が重なり、記
録光スポット31の領域を完全に初期化できる。3スポ
ットの形成方法は、回折格子を用いるか,3ビームアレ
イ半導体レーザを用いる。なお、3スポットの各信号に
ついて演算を行い、目標トラックの信号を得る狭トラッ
ク化技術であるクロストークキャンセラ(特開平4−6
9820号)と組み合わせてもよい。
【0038】記録光スポット31はガウス分布であり、
その裾の部分が記録膜まで透過しても、エネルギーが十
分小さいので、光情報記録のように記録マーク形成に温
度の閾値を持つ場合、記録光スポット31の裾の部分の
影響は無視できる。従って、記録するトラックの前後の
トラックを必ずしも走査しなくてもよい。そこで、図1
6に示すように、再生光スポット32を同一トラック3
3で3スポットにし、記録光スポット31に先行してい
る再生光スポット34で記録光に対する初期化を行え
ば、初期化のための回転待ちなしに記録することが出来
る。
【0039】再生時は、読み出す部分は先に記録された
部分なので、記録光によって既に再生光に対する初期化
が行われている。再生光スポット32の径は、記録光ス
ポット31より小さいので、再生光スポット32の照射
領域は全て初期化される。従って、通常は、再生時の回
転待ちは不要である。但し、ディスク面が日光などに長
時間さらされていた場合、退色している可能性がある。
そこで、再記録されないような微弱なパワーの記録光ス
ポット31を再生前に照射し、初期化するのが好まし
い。この場合でも、記録光スポット31は再生光スポッ
ト32に先行してディスク面を走査しているので、回転
待ちは不要である。しかしながら、微弱なパワーの記録
光スポット31による1回の照射では、初期化が十分で
ない可能性がある。そこで、回転待ちは必要なるが、微
弱なパワーの記録光スポット31による数回の照射で完
全に初期化するのが好ましい。
【0040】−第7実施例− フォトクロミック材料の開環状態での透過スペクトルお
よび閉環状態での透過スペクトルは、閉環化波長の光と
開環化波長の光とをを同時に照射した場合、その強度比
によって変化する。そこで、記録光や再生光と同時に初
期化光を照射できる場合、それによってフォトクロ層の
透過特性をコントロールできる。すなわち、感度を最適
化することが出来る。例えば、図3における透過パワー
特性曲線は、再生光と同時に初期化光を適当なパワーで
照射することにより、横軸方向にシフトする。これによ
り、初期化光を適当なパワーで同時に照射することによ
り、再生光のパワーがフォトクロミック材料の非線形特
性からずれるような場合や,半導体レーザのように光源
の波長が温度変動などによりドリフトしてしまう場合で
も、スポット微小化を最適化することが出来る。
【0041】−第8実施例− 図17は、再生波長532nm,絞り込みレンズ開口数
0.55の再生光スポットを、線速度10m/s,再生
パワー設定1.65mWで、定常照射している場合にお
いて、再生光スポットがx=2μmの位置にある瞬間で
の走査方向の再生光入射パワー密度分布38および再生
光スポットによる定常エネルギー密度分布41を示す。
初期化光による定常エネルギー密度分布42については
後述する。図18は、同じく、半径方向の定常エネルギ
ー密度分布41−1,41−2を示す。定常エネルギー
密度分布41−1はx=1μmの位置での半径方向断面
であり、定常エネルギー密度分布41−2はx=2μm
の位置での半径方向断面である。図19は、定常照射時
における入射スポットのパワー密度分布38sと,ジア
リールエテン誘導体Bを透過した出射光スポットのパワ
ー密度分布37sとを示す。但し、比較のため、両者を
規格化してある。また、入射スポットのパワー密度分布
38sに座標を合せた出射光スポットのパワー密度分布
82を示す。初期化光を同時に照射した場合の出射光ス
ポットによるエネルギー密度分布44については後述す
る。
【0042】走査方向については、図17のエネルギー
密度分布41から分かるように、スポットの後方では、
エネルギー密度が高くなる。このため、図19の出射光
スポットのパワー密度分布37s,82から分るよう
に、スポットの後方では、スポットの微小化は小さくな
り、形状は非対称になる。半径方向については、図18
のエネルギー密度分布から分るように、対称な分布とな
る。
【0043】第8実施例では、走査方向について、スポ
ットの後方でも実効スポットの微小化を図り、スポット
形状を対称化する。
【0044】図20に、第8実施例のスポット配置図を
示す。波長532nmの再生光スポット39の後半部分
にオーバーラップさせて、波長458nmの初期化光ス
ポット40を配置する。そして、再生光スポット39の
後方での再生波長の高いエネルギー密度による開環化が
進行しないように、初期化光の照射パワーを設定する。
図17の42は、前記初期化光スポット40によるエネ
ルギー密度分布を示している。
【0045】図21に、再生光スポット39の照射によ
る透過率分布83と,初期化光スポット40の照射によ
る透過率分布84と,両者の同時照射による透過率分布
43とを示す。再生光スポット39の後方では、再生光
スポット39と初期化光スポット40の同時照射になる
ので、透過率分布43となり、再生光スポット39の後
方でもスポットの微小化が可能となった。また、スポッ
ト形状の対称化も可能となった。図19の44は、再生
光スポット39と初期化光スポット40の同時照射の場
合の出射スポットのエネルギー密度分布を示しており、
スポット形状が対称化されていることが分る。以上の結
果、再生信号は、図7に示す理想の再生信号波形45に
近いものが得られた。
【0046】なお、初期化光で、焦点位置ずれ信号およ
びトラック位置ずれ信号を検出してもよい。
【0047】−第9実施例− 第9実施例は、光学的超解像スポットを用いて、さらに
スポットの微小化を行う。図22において、再生光スポ
ット47の裾の部分を初期化光双峰スポット46でマス
クすることで、再生光スポット47の裾部分での透過率
の増加を抑え、中心部分だけ再生光が透過するように
し、スポットを微小化する。初期化光双峰スポット46
は、特公平3−65012号公報に記載のように、初期
化光の光路中に、図に示すようなマトリックス状の双峰
スポット用空間フィルタ(位相フィルタ)48を挿入す
ることで得られる。第9実施例では、第8実施例よりも
実効スポットを20%微小化できた。
【0048】−第10実施例− 第10実施例は、図23に示すように、再生光の光束の
中心を遮蔽する超解像スポット用空間フィルタ49を挿
入し、再生光スポット50を超解像スポットに形成す
る。再生光スポット50を超解像スポットに形成する
と、メインローブ51についてはスポット径が小さくな
るが、サイドローブ52の増加が再生時に問題となる。
そこで、このサイドローブ52の照射部分の透過率が増
加しないように、初期化光双峰スポット46でサイドロ
ーブ52の影響を打ち消す。第10実施例では、第9実
施例よりも実効スポットをさらに20%微小化できた。
【0049】−第11実施例− 第11実施例は、記録再生光を複数個設け,複数のトラ
ックに各々の光スポットを位置づけることにより,複数
の情報を同時に記録再生する並列記録再生方式(特開昭
63−231738号)に、本発明を適用したものであ
る。
【0050】図24に、2ビーム並列記録再生方式を示
す。ディスクは、図5に示したディスク6を用いる。初
期化光スポット40が2つの記録再生光スポット53を
含むようにするために、波長458nmの初期化光束径
を、波長630nmの再生光束径よりも小さくすること
で、実効的開口を小さくしている。すなわち、再生光の
開口数0.55に対し、初期化光の実効開口数を0.4
としている。これにより、2つの記録再生光スポット5
3が走査する領域を、同時に初期化することが出来る。
【0051】また、初期化光を記録再生時に同時に照射
することにより、スポット微小化のエンハンスが可能と
なる。すなわち、再生光を低パワーで照射する再生時に
おいては、初期化光を弱いパワーに設定して、スポット
が微小化される条件を成立させ、記録光を高パワーで照
射する記録時においては、初期化光は強いパワーに設定
して、スポットが微小化される条件を成立させ、記録
時,再生時ともにスポットを微小化する。
【0052】−第12実施例− 第12実施例は、図25に示す遮光板54を、図24に
示す初期化光束中に挿入し、図26に示すような超解像
スポットの初期化光スポット40’をディスク上に半径
方向に形成するものである。初期化光スポット40’の
2つの谷55を、それぞれ2つの記録再生光スポット5
3に位置づけることによって、半径方向の実効スポット
を更に微小化でき、狭トラック化を実現できる。
【0053】なお、図15に示した3再生光スポット方
式に対しても、上記超解像スポットの初期化光スポット
を用いて、再生光スポットの微小化を行うことが出来
る。また、記録光スポットについても、超解像スポット
の初期化光スポットを用いることで、微小マークを形成
できる。
【0054】−第13実施例− 記録時または再生時において、スポット走査速度すなわ
ち線速度に対して、照射スポットの大きさを時間換算し
た時間よりも十分小さい時間で、変調データの検出点に
おいて、照射パワーの変調を行う。このように短パルス
照射することで、形成される照射エネルギー密度分布
は、入射パワー密度分布とほぼ同じになり、図3,図4
に示したような静止時における微小化スポットと同様な
微小化スポットを走査時にも得られる。
【0055】図27に、第13実施例を示す。記録光,
再生光および初期化光の波長,媒体構成は、第8実施例
と同じである。ディスクフォーマットは、公知のサンプ
ルサーボフォマットを用いた。データの記録再生は、あ
らかじめサンプル領域56で検出された記録再生タイミ
ングすなわち格子点57の位置において離散的に行われ
る。図27では、公知のNRZ(Non-Return-to Zero)
変調符号を用いた場合について示してある。
【0056】記録時には、変調データの“1”に対応す
る格子点に、マーク58を記録する。再生時には、格子
点において、駆動パルス59でパルス照射を行う。パル
ス照射条件は、照射パワー1.65mW,パルス幅20
nsである。このパルス照射条件では、記録膜に与えら
れるエネルギーは記録条件より十分小さく、マークは破
壊されず、マークも形成されない。一方、フォトクロミ
ック材料上での照射エネルギー密度分布60は、入射ス
ポット分布61,61’とほぼ相似であり、対称な形状
を示す。ここで、再生時のデータ検出を格子点パルスの
後エッジ位置で行うとする。この時、照射パルスの立ち
下がりエッジ部62での、フォトクロミック材料膜透過
後の実効微小化スポット分布63は、マークの有無を検
出するのに十分に微小化(×0.7)され且つ対称な分
布となった。
【0057】得られた再生信号64の離散値65は、十
分に振幅判別できるレベルとなった。そこで、スライス
レベル66によってレベル判別され、検出データ67が
高い信頼性をもって得られた。
【0058】なお、本方式は、フォトクロミック材料に
限定されず、通常の3次の非線形光学効果を示す媒体
(すなわち、屈折率が光強度に比例して変化する非線形
屈折率項を持つ媒体、例えば、色素CuPc(銅−フタ
ロシアニン)、微粒子CdSe等の吸収飽和媒体)にも
有効である。これは、通常の3次の非線形光学効果を示
す媒体において吸収飽和の現象が生じるには緩和時間を
要することから、その緩和時間内では、フォトクロミッ
ク材料と同様に、光照射エネルギー密度に非線形光透過
現象が支配されるからである。
【0059】さらに、高密度化を行うために、前記第8
実施例,第9実施例および第10実施例を併用してもよ
い。例えば図23に示すように初期化光双峰スポット4
6を超解像スポットの再生光スポット50にオーバーラ
ップさせると共に、図27に示すように初期化光駆動パ
ルス68で初期化光双峰スポット46を照射すること
で、再生光スポット50の周辺部分を透過率が低い状態
(閉環状態)とし,中心部分だけを透過率の著しく高い
状態にできるので、さらに実効スポットは微小化され、
高分解能の再生信号が得られた。
【0060】なお、サンプル領域56は、トラック位置
ずれ検出信号のためのサンプルピット69,データ記録
再生タイミング抽出のためのクロックピット,アドレス
情報のためのアドレスピットなどが予め作り付けられた
プリピットで構成されている。プリピットの間隔は、デ
ータ領域の密度で決まるマーク間隔よりも広めに設定し
ておく。このように設定することで、実効スポットが微
小化されていない場合でも、確実に上記3つの信号を検
出できるようにするのが好ましい。
【0061】−第14実施例− 第14実施例は、フォトクロミック材料の光異性化反応
の温度依存性を利用して、スポット微小化の最適化,実
効的光スポットの微小化のエンハンス,スポット形状の
対称化を行うものである。
【0062】公知の「光メモリシンポジウム’92 入
江、フォトクロミック光情報記録媒体―非破壊読み出し
の試み」にあるように、図28に示すジアリールエテン
誘導体Dは、バインダとの相互作用によって、その閉環
反応が温度の影響を受ける。例えばバインダとしてポリ
メタクリル酸を用いた場合、図29に示すように、閉環
化反応が温度の上昇と共に促進される。特に温度が12
0℃以上になると、ポリメタクリル酸の相転移温度Tg
を越えて相互作用が小さくなり、閉環反応が促進され
る。これは、非線形光透過特性に、温度の閾値が存在す
ることを示す。
【0063】第14実施例の構成は、図5と同様である
が、バインダとしてポリメタクリル酸を用いる。また、
記録再生光はAr+レーザの波長458nmを用い、初
期化光は波長選択フィルタ16により波長500nm〜
630nmを用いる。
【0064】記録再生光スポットが照射された部分での
温度分布は、ほぼエネルギー密度分布を反映している。
よって、非線形光透過特性は、図2に示した温度依存性
を示さない場合に比べて、図30に示すように、エネル
ギー密度の閾値70を持つことになり、エネルギー密度
に対する透磁率の変化(図30中の勾配)を大きくする
ことが出来る。その結果、実効的スポットを更に微小化
することが出来る。
【0065】−第15実施例− 第15実施例は、第8実施例に温度依存性を組み合わせ
たものである。第15実施例の構成は、図20と同様で
あるが、バインダとしてポリメタクリル酸を用いる。ま
た、再生光は波長532nmを用い、初期化光は波長選
択フィルタ16により波長458nmを用いる。これに
より、図31に示すように、温度による閉環化の閾値が
存在するので、再生光スポットの後縁部での透過率の変
化の勾配71が大きくなり、スポットの微小化がエンハ
ンスされる。
【0066】−第16実施例− 第16実施例は、光を用いないで初期化を行うものであ
る。公知の「Darcy,P.J et al,J.Cmemical.Societ
y.Perkin Ι,1981,202」に示されるように、フォトク
ロミック材料には、閉環反応が熱によって生じ、開環反
応が光によって生じるものがある。例えば図32に示す
フルギド誘導体は、閉環反応が120℃以上の熱によっ
て生じ、開環反応が光によって生じる。
【0067】そこで、第16実施例では、初期状態を着
色状態である閉環状態とし、開環反応すなわち退色化に
必要な波長532nmの再生光を用いる。定常スポット
照射時のエネルギー密度分布は、図17,図18,図1
9と同様になる。ただし、図17中の初期化光によるエ
ネルギー密度分布42の代わりに、図33に示すよう
に、再生光自体の温度分布72を考慮する。再生光スポ
ットによるエネルギー密度分布41はフォトクロミック
材料の退色を支配し、再生光自体の温度分布72は着色
を支配する。すなわち、再生光入射スポット分布73の
中央の退色領域74では退色化されるが、再生光スポッ
トの後方の着色領域75では温度が温度しきい値83を
越えるので、再び着色される。このため、実効スポット
が微小化される。また、再生光スポットの走査後の領域
は、着色状態すなわち初期化状態になるので、2回目以
降の初期化は必要なくなり、ディスク出荷時に初期化し
ておけば、目標トラック再生時における初期化のための
回転待ちが必要なくなる。
【0068】なお、図34に示すように、記録再生層に
再生光に対する吸収を持たせると共に記録再生層で発生
した熱のフォトクロ層への熱伝導を利用して、温度分布
を制御してもよい。このようにすることで、ディスク出
荷時に初期化を行わなくても、再生光スポットの走査に
よる初期化が可能となる。
【0069】−第17実施例− フォトクロミック材料を記録生成層に用いることが出来
る。例えばフォトクロミック材料の閉環状態を記録部と
し,開環状態を未記録部とする。再生時には、開環波長
の再生光を用い、記録部と未記録部の透過率または反射
率の変化を検出する。この場合、再生光によって記録部
が開環化され、データが破壊されてしまう。そこで、閉
環化を行う記録光も弱いパワーで同時に照射し、強いパ
ワーの再生光照射によって記録部だけで光吸収が行われ
ることを利用し、それによって生じた熱によって記録光
による閉環化が同時に生じるようにし、データの破壊を
防止する(すなわち、光定常状態でデータを再生す
る)。記録時には、記録光だけを強く照射する。消去時
には、再生光だけを強く照射する。非線形光透過層とし
てのフォトクロ層には、記録光照射によって閉環化が行
われないか又は温度が上昇しても閉環化の量子収率が記
録再生層よりも小さいフォトクロミック材料を用いる。
以上により、フォトクロミック材料を記録再生層に用
い、データを破壊せずに読み出しでき、さらに、実効的
スポットを微小化でき、高分解能の記録再生が可能とな
る。
【0070】−第18実施例− 第18実施例は、2波長多重記録再生方式に前記第17
実施例を適用したものである。図35に、第18実施例
の構成を示す。ディスク350は、基板351と,第1
のフォトクロ層771と,第1の記録生成層761と,
中間層352と,第2のフォトクロ層772と,第2の
記録生成層762と,反射層353とから構成されてい
る。記録生成層761,762には、データ破壊されな
い程度の高い温度しきい値を持たせるために、ジアリー
ルエテン誘導体と相互作用が大きく,相転移温度Tgが
高いポリメタクリル酸をバインダとして、ジアリールエ
テン誘導体C,ジアリールエテン誘導体Aを各々用い
た。非線形光透過層としてのフォトクロ層771,77
2には、記録再生層761,762におけるよりもジア
リールエテン誘導体との相互作用が小さい(温度依存性
が小さい)ポリスチレンをバインダとして、ジアリール
エテン誘導体C,Aを各々用いた。
【0071】図36に、吸収スペクトルを示す。ジアリ
ールエテン誘導体C,Aの開環状態の吸収スペクトル
は、略同一形状であり、吸収スペクトル76となる。こ
のため、波長458nmで、記録再生層761,762
における記録およびフォトクロ層771,772の初期
化を行うことが出来る。また、波長680nmを第1の
記録再生層761の再生波長とし、波長630nmを第
2の記録再生層762の再生波長とした。そこで、上記
光定常状態を用いた再生時における記録再生層761の
記録部の吸収スペクトルは、吸収スペクトル80とな
る。また、上記光定常状態を用いた再生時における記録
再生層762の記録部の吸収スペクトルは、吸収スペク
トル81となる。
【0072】記録時は、記録光を焦点合わせにより目標
の記録再生層761または762に絞り込み、強いパワ
ーで照射し、記録を行う。図35は、第1の記録再生層
761に記録を行っている状態である。第1の記録再生
層761と第2の記録再生層762は、絞り込みレンズ
354の焦点深度より十分離れているため、第2の記録
再生層762には、拡散した光が照射され、誤って記録
されることはない。さらに、第2のフォトクロ層772
によって、照射強度の弱い光は透過率が低く遮断される
ので、第1の記録再生層761と第2の記録再生層76
2の間における記録光の遮断が行われ、これによっても
データ破壊を防ぐことが出来る。
【0073】再生時は、再生する目標の記録再生層76
1または762に焦点を位置づけ、再生光と記録光の同
時照射による光定常照射再生を行う。この場合、フォト
クロ層771,772では、再生光による高温部におい
ても、閉環化の温度依存性が小さいので、開環化が閉環
化より勝り、スポットの微小化が行われる。図37に、
再生光スポットが微小化されている状態を示す。なお、
ここでは、第13実施例で示した短パルス照射をも用い
た。
【0074】再生時には再生光と記録光の同時照射が行
われるため、フォトクロ層771,772を初期化しな
くてもよい。但し、ここでは、初期化も行った。初期化
は、記録光を各フォトクロ層771,772に位置づけ
た状態で、記録時より十分に弱いパワーで照射する。フ
ォトクロ層771,772は、膜の温度が低い領域で、
記録再生層761,762より閉環化の量子収率が大き
いので、記録再生層761,762に記録を行うことな
く、初期化することが出来る。なお、フォトクロ層77
1,772は、各記録再生層761,762と焦点深度
内にあるので、焦点位置は記録再生層761,762ま
たはフォトクロ層771,772のいずれかに合わせれ
ばよい。
【0075】2つの記録再生層761,762は、図3
6に示すように、互いの再生波長に対し吸収をもってい
るので、目標の記録再生層を再生しているときに、他の
記録再生層のマークからの反射光または透過光の漏れ込
み(すなわち、層間クロストーク)によって、データの
読み出しエラーを生じる可能性がある。しかし、記録再
生層761,762の間が焦点深度より十分離れている
ので、図35に示すように、フォトクロ層が光の漏れ込
みを防止する。このため、層間クロストークを低減する
ことが出来た。
【0076】消去時は、再生光だけを強く照射すればよ
い。
【0077】以上のように、2波長多重記録再生方式に
おいて、スポットの微小化が可能となり、高密度記録再
生が可能となった。また、記録時に問題となる他の記録
再生層のデータ破壊を防止できた。さらに、再生時に問
題となる層間クロストークを低減することが出来た。
【0078】−第19実施例− 第19実施例は、記録再生時に最適な微小スポットが得
られるように学習する機能を有するものである。図38
に、第19実施例の記録再生系の概略構成図を示す。こ
の記録再生系の構成は、前記第16実施例に相当するも
のである。ただし、参考のために、外部初期化光源を備
えた構成も図に加えてある。各光源381,382から
出た光束は、超解像形成のための空間フィルタ383,
383を通り、ビームスプリッタ384で1光束にな
り、ガルバノミラーおよび絞り込みレンズを通して、デ
ィスク上に照射される。ここで、光源が半導体レーザの
場合は、光束を、カップリングレンズによって平行光に
し、ビーム整形プリズムによって円形光束にする。ま
た、光源がArレーザ,SHGレーザの場合は、AO変
調器等の強度変調器を用いて外部信号により強度変調を
加える。
【0079】ディスクからの反射光は、偏光ビームスプ
リッタ385によって受光系へ導かれ、記録光,再生光
は、それぞれ記録光AF,TR検出386,再生光AF,
TR検出387および学習信号差動検出系388,デー
タ信号差動検出系389に導かれる。干渉フィルタは、
記録光と再生光とが互いに他の系に漏れ込まないように
透過波長を制限する。
【0080】信号差動検出系388,389は、光磁気
信号も検出できるように差動検出系からなり、差信号と
和信号とを電気信号として出力する。
【0081】図39に、第19実施例の記録再生時の動
作の概略フロー図を示す。ユーザがディスクを挿入する
と、焦点サーボおよびトラッキングサーボが起動され
る。この時点で、第1の学習として、特定領域での記録
再生学習を行う(391)。特定領域としては、例えば
ディスクの最内周または最外周のユーザ領域外の領域を
用いることが出来る。ここで、これらの領域では、アド
レスを検出できなくても,外部スケール等により位置づ
け出来るので、確実に学習を行うことが出来る。次に、
アドレス検出した後、記録または再生を行うトラックに
位置づけ、第2の学習として、当該トラックでの学習を
行う(392)。学習領域の例としては、図40に示す
ように、5インチ光ディスクISOフォーマットである
連続サーボ方式のセクタフォーマットにおいて、例えば
DATA部の先頭領域,VFO領域の一部または前に設
ける。なお、前記第1の学習および第2の学習は、両方
を行ってもよいし,一方のみを行ってもよい。
【0082】そして、学習の結果として得られた記録再
生時の最適スポット微小化条件を基に、記録(393)
または再生(394)を行う。なお、記録(393)で
は、公知の「記録試し書き」により記録再生層に実際に
書き込みを行い、最終的な記録条件を設定する。また、
記録後にリード・アフター・ライトを行い、ベリファイ
を行う。
【0083】上位からの指令で次のデータを他のトラッ
クに記録する場合は、当該トラックで再び学習を行う
(392)。一方、線速度によって変化する記録再生条
件を予め求めておき、トラックアドレスから線速度を求
め、それに応じて記録再生条件の設定を変更してもよい
(396)。
【0084】図41に、学習内容および記録再生条件の
概要を示す。また、図42に、学習動作のフロー図を示
す。上記第1の学習および第2の学習の内容は、学習1
および学習2からなっている。学習1は、反射率測定
(411)によるフォトクロ層(非線形光透過膜)の透
過率変化の測定である。学習2は、再生信号の変調度測
定(412)である。スポット間隔測定(421)が含
まれる場合もある。学習によって得られる記録または再
生条件は、初期化パワー(413),記録または再生パ
ワー(414)である。また、第4実施例〜第10実施
例のように初期化光を記録再生光と同じように絞り込み
レンズを通してディスク上に絞り込む場合は、スポット
間隔測定(421)を行い、公知の複数スポット位置合
せ方法(特開昭63−231738)を用いることによ
り、最適なスポット間隔を設定する(415)。また、
第13実施例に示したように、記録または再生時に短パ
ルス照射を行う場合は、スポット間隔測定(421)を
行い、2つの光スポットのパルス照射タイミングすなわ
ちパルス位置,幅を設定する(416)。学習の結果、
高分解能再生を行う条件を設定する。また、実効的記録
光スポットの最適微小化条件を設定する。
【0085】次に、上記特定領域または学習領域におい
て、フォトクロ層についてスポット微小化に十分な非線
形透過特性を有しているかをチェックすると共に、初期
化光,記録光,再生光の最適パワーを学習する原理を説
明する。図43に、学習1の原理を示す。初期化後の未
記録部反射信号振幅レベル431と,再生光の照射によ
って退色した再生後の未記録部反射信号振幅レベル43
2とが、予め設定した上限レベル433と,下限レベル
434とを越えていることをチェックするか、あるい
は、再生光パワーで規格化した振幅レベルの変調度が、
変調度の下限435を越えていることをチェックする。
【0086】図47に、再生時でのスポット微小化を行
う場合の学習のタイムチャートを示す。ディスク回転の
1周目において、再生パワーを階段関数で増加させ、再
生光の再生信号が下限値に達したところの再生パワーを
保持し、上記学習領域を開環状態にする。2周目では、
初期化パルス470を階段関数で増加させ、初期化(閉
環化)を行い、その初期化した部分に再生光を照射し、
再生光に対する反射強度を検出し、初期化状態をモニタ
する。モニタパルス471の位置は、初期化光スポット
と再生光スポットの間隔を考慮して、時間差τをずら
す。初期化パワーの増加と共に、閉環化が進む。そし
て、上限値を越えた場合、このディスクがスポット微小
化に必要な非線形透過特性を有する、と判断する。
【0087】図46に、学習回路の例を示す。オートゲ
インコントロールアンプ461は、検出信号を再生光パ
ワーに対し規格化する。サンプルホールド回路462
は、閉環化が飽和した状態での反射検出信号Cをホール
ドする。サンプルホールド回路462のホールド値を基
準値とし、再生光を階段状に増加させ、開環状態をチェ
ックする。除算器463は、閉環状態の反射光量に対し
ての変化率を出力する。この変化率が、変化率リミット
472よりも大きければ、目標とするスポット微小化が
可能となるので、この時の再生パワーを設定するように
する。学習1により、再生するディスクのフォトクロ層
が再生回数の増加と共に劣化し、図2に示した非線形光
透過特性が変化しても、最適の初期化パワー,再生パワ
ーを設定でき、高分解能再生が可能となった。
【0088】また、記録時において記録スポットを微小
化させる場合についても、上記と同様に学習を行う。た
だし、図8の(b)に示すようなROMディスクを除
き、記録再生を行う媒体では、記録パワーを学習する場
合にマークが記録されてしまうから、光磁気膜のように
外部磁場を印加しないとマークが記録されない性質を用
いる。また、学習領域は、記録膜を付けないで、アルミ
反射膜のみを作り付けておいてもよい。
【0089】図44,図45に、学習2における変調度
測定の原理を示す。図44は、再生信号の原波形の変調
度を測定することによりスポットの微小化の度合いを調
べる場合である。学習領域には、予め凹凸ピットによっ
て、マークピッチの変化するマーク列440が形成され
ている。初期化パワー,再生(記録)パワーを交互に変
化させ、最疎マーク列の変調度Aを図46に示すように
ホールドし、このホールド値に対する最密マーク列の変
調度B/Aを除算器464で求め、その値が、許容マー
ク変調度のリミット465より大きいか又は最大となる
上記設定値を求める。これにより、実効スポットを最小
にすることが出来る。
【0090】図45は、孤立マークの再生信号の立ち上
がり又は立ち下がりの勾配の測定からスポット微小化の
度合いを調べるべく、微分信号の変調度を測定する場合
である。実効スポット微小化を調べるためのもう一つの
手段として、スポットがマークを走査した時の再生信号
の傾き(すなわち、一階微分信号の振幅がスライスレベ
ル451を越えた場合に、最適の設定パワーが求まる。
【0091】学習に必要な検出信号は、図38における
光磁気用光学系では、反射率測定では和信号を用い、変
調信号による学習では差信号を用いる。但し、光磁気以
外の位相ピットを用いたリードオンリメモリ(RO
M),相変化ディスク,穴あけ型ディスク等では和信号
を用いる。
【0092】
【発明の効果】本発明の光情報記録媒体および光情報記
録再生装置によれば、光スポットが実効的に微小化され
るため、光学的分解能以下の記録密度で情報を記録再生
可能となる。また、光磁気ディスクに限定されなくな
る。さらに、実効的な光スポットを対称化することが出
来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ジアリールエテン誘導体Aの光異性化の前後の
構造変化と透過スペクトルの説明図である。
【図2】閉環状態のジアリールエテン誘導体Aの膜に波
長630nmの光を照射した場合の透過率特性図であ
る。
【図3】閉環状態のジアリールエテン誘導体Aの膜に波
長630nmの光を照射した場合の透過パワー特性図で
ある。
【図4】入射光スポットと透過光スポットの光強度の分
布を規格化して重ねて示した説明図である。
【図5】本発明の光情報記録媒体および光情報記録再生
装置の第1実施例のディスクおよび光学系の構成図であ
る。
【図6】再生光スポットの入射パワー密度分布とフォト
クロ層への入射エネルギー密度分布とフォトクロ層から
の透過パワー密度分布と再生光スポット径断面および実
効スポット径断面とを示す説明図である。
【図7】マークのあるディスクを再生光スポットで走査
した場合の再生信号の例示図である。
【図8】本発明の光情報記録媒体の第3実施例であるデ
ィスクおよびROM構造ディスクの構成図である。
【図9】ジアリールエテン誘導体Bの光異性化の前後の
構造変化と透過スペクトルの説明図である。
【図10】本発明の光情報記録媒体および光情報記録再
生装置の第4実施例のディスクおよび光学系の構成図で
ある。
【図11】第4実施例のディスクの反射率スペクトルと
記録再生層での吸収率スペクトルの説明図である。
【図12】ジアリールエテン誘導体Aの光異性化の前後
の透過スペクトルの説明図である。
【図13】ジアリールエテン誘導体Cの光異性化の前後
の構造変化と透過スペクトルの説明図である。
【図14】第6実施例の光学系の第1の構成図である。
【図15】第6実施例の光学系の第2の構成図である。
【図16】第6実施例の光学系の第3の構成図である。
【図17】第8実施例での走査方向の再生光入射パワー
密度分布および再生光スポットによる定常エネルギー密
度分布の説明図である。
【図18】第8実施例での半径方向の再生光スポットに
よる定常エネルギー密度分布の説明図である。
【図19】第8実施例での定常照射時における入射スポ
ットのパワー密度分布と出射光スポットのパワー密度分
布の説明図である。
【図20】第8実施例のスポット配置図である。
【図21】第8実施例での再生光スポットの照射による
透過率分布と初期化光スポットの照射による透過率分布
と両者の同時照射による透過率分布とを示す説明図であ
る。
【図22】第9実施例の原理説明図である。
【図23】第10実施例の原理説明図である。
【図24】2ビーム並列記録再生方式の説明図である。
【図25】遮光板の説明図である。
【図26】遮光板による超解像スポットの説明図であ
る。
【図27】第13実施例の原理図である。
【図28】ジアリールエテン誘導体Dの光異性化の前後
の構造変化と透過スペクトルの説明図である。
【図29】ジアリールエテン誘導体Dの閉環化反応の温
度特性図である。
【図30】エネルギー密度の温度による閾値の説明図で
ある。
【図31】温度による閉環化の閾値の説明図である。
【図32】フルギド誘導体の光異性化の前後の構造変化
と透過スペクトルの説明図である。
【図33】再生光自体の温度分布の説明図である。
【図34】記録再生層で発生した熱のフォトクロ層への
熱伝導の説明図である。
【図35】第18実施例の構成図である。
【図36】第18実施例にかかる吸収スペクトルの説明
図である。
【図37】再生光スポットが微小化されている状態を示
す説明図である。
【図38】第19実施例の記録再生系の概略構成図であ
る。
【図39】第19実施例の記録再生時の動作の概略フロ
ー図である。
【図40】連続サーボ方式のセクタフォーマット図であ
る。
【図41】学習内容および記録再生条件の概要説明図で
ある。
【図42】学習動作のフロー図である。
【図43】学習1の原理図である。
【図44】学習2における変調度測定の原理図である。
【図45】学習2における変調度測定の別の原理図であ
る。
【図46】信号検出後の学習回路の構成図である。
【図47】学習1についての各回路要素の信号のタイム
チャート図である。
【符号の説明】
3 ディスク 3a レプリカ基板 3b フォトクロ層 3c エンハンス層 3d 記録再生層 3e 保護層 4 ディスク 4a レプリカ基板 4b,4c フォトクロ層 4d 記録再生層 4e 反射層 4f 保護層 6 ディスク 6a レプリカ基板 6b フォトクロ層 6c 記録再生層 6d 反射層 6e 保護層 9 再生光スポット 10 再生信号 12 従来の再生信号 14 絞り込みレンズ 15 ハロゲンランプ 16 波長選択フィルタ 17 投影レンズ 19 記録光スポットまたは再生光スポット 20 入射エネルギー密度分布 31 記録光スポット 32 再生光スポット 33 トラック 34 先行再生光スポット 39 記録再生光スポット 40 初期化光スポット 45 理想の再生信号 46 双峰スポット 47 再生光スポット 48 双峰スポット用空間フィルタ 49 超解像スポット用空間フィルタ 53 記録再生光スポット 54 遮光板 350 ディスク 352 中間層 353 反射層 354 絞り込みレンズ 761 第1の記録再生層 762 第2の記録再生層 771 第1のフォトクロ層 772 第2のフォトクロ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若林 康一郎 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 有本 昭 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 今関 周治 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 小林 節郎 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強い光照射によって局所的光学特性変化
    を生じさせ情報を記録し,弱い光照射によって上記局所
    的光学特性変化の有無を検出し情報を再生する記録再生
    層を有する光情報記録媒体において、 入射パワーまたは入射エネルギー密度の増加と共に透過
    率が増加し飽和する光透過特性を有するフォトクロミッ
    ク材料を用いたフォトクロ層を、前記記録再生層よりも
    光照射側に配置したことを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光情報記録媒体におい
    て、前記フォトクロミック材料は、波長λ1の光の入射
    パワーまたは入射エネルギー密度の増加に伴って波長λ
    1の光に対する透過率が増加すると同時に波長λ2の光
    に対する透過率が低下する第1の光透過特性と、波長λ
    2の光の入射パワーまたは入射エネルギー密度の増加に
    伴って波長λ2の光に対する透過率が増加すると同時に
    波長λ1の光に対する透過率が低下する第2の光透過特
    性とを有することを特徴とする光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の光情報
    記録媒体において、前記フォトクロミック材料は、ジア
    リールエテン誘導体またはフルギド誘導体であることを
    特徴とする光情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の光情報記録媒体におい
    て、前記フォトクロミック材料と混合して前記フォトク
    ロ層を構成するバインダが、ポリビニルブチラール樹
    脂,PMMA,二酢酸セルロース,ポリメタクリル酸,
    ポリスチレンのうちのいずれかであることを特徴とする
    光情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の光情報記録媒体において、前記記録再生層が相変化膜
    であることを特徴とする光情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の光情報記録媒体において、前記記録再生層が光磁気膜
    であることを特徴とする光情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の光情報記録媒体において、前記記録再生層が、フォト
    クロミック材料とポリメタクリル酸の混合材料から構成
    されることを特徴とする光情報記録媒体。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の光情報記録媒体において、前記記録再生層を、フォト
    クロミック材料と比較的強い相互作用をもつバインダと
    の混合物により構成し且つ多層に積層し、それら各記録
    再生層の間に、フォトクロミック材料と比較的弱い相互
    作用をもつバインダとの混合物により構成したフォトク
    ロ層を介在させたことを特徴とする光情報記録媒体。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項8のいずれかに記載
    の光情報記録媒体において、記録または再生の最適条件
    を設定するために前記フォトクロ層または前記記録再生
    層の少なくとも一方の光透過特性を学習する学習領域を
    設けたことを特徴とする光情報記録媒体。
  10. 【請求項10】 請求項1から請求項9のいずれかに記
    載の光情報記録媒体に情報を記録・再生する光情報記録
    再生装置であって、前記光情報記録媒体上での再生時の
    再生光または記録時の記録光の入射パワー密度分布のピ
    ーク値を、前記フォトクロ層の光透過特性の飽和点近傍
    に設定したことを特徴とする光情報記録再生装置。
  11. 【請求項11】 請求項1から請求項9のいずれかに記
    載の光情報記録媒体に情報を記録・再生する光情報記録
    再生装置もしくは請求項10に記載の光情報記録再生装
    置であって、再生光または記録光に対する透過率を低下
    させる初期化光を前記フォトクロ層に照射する初期化光
    学系を具備したことを特徴とする光情報記録再生装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の光情報記録再生装
    置において、記録光に対する初期化光が再生光であり、
    再生光に対する初期化光が記録光であることを特徴とす
    る光情報記録再生装置。
  13. 【請求項13】 請求項11または請求項12に記載の
    光情報記録再生装置において、再生光スポットまたは記
    録光スポットに先行させて初期化光スポットを照射する
    ことを特徴とする光情報記録再生装置。
  14. 【請求項14】 請求項11または請求項12に記載の
    光情報記録再生装置において、再生光スポットまたは記
    録光スポットの少なくとも後半部分にオーバラップさせ
    て初期化光スポットを同時照射することを特徴とする光
    情報記録再生装置。
  15. 【請求項15】 請求項1から請求項9のいずれかに記
    載の光情報記録媒体に情報を記録・再生する光情報記録
    再生装置もしくは請求項10から請求項14のいずれか
    に記載の光情報記録再生装置であって、初期化光の光路
    中に、双峰スポット用空間フィルタを挿入したことを特
    徴とする光情報記録再生装置。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の光情報記録再生装
    置において、再生光または記録光の光路中に、超解像ス
    ポット用空間フィルタを挿入したことを特徴とする光情
    報記録再生装置。
  17. 【請求項17】 請求項1から請求項9のいずれかに記
    載の光情報記録媒体に情報を記録・再生する光情報記録
    再生装置もしくは請求項10から請求項16のいずれか
    に記載の光情報記録再生装置であって、再生光または記
    録光を短パルス照射することを特徴とする光情報記録再
    生装置。
  18. 【請求項18】 請求項1から請求項9のいずれかに記
    載の光情報記録媒体に情報を記録・再生する光情報記録
    再生装置もしくは請求項10から請求項17のいずれか
    に記載の光情報記録再生装置であって、記録または再生
    の最適条件を設定するために前記フォトクロ層または前
    記記録再生層の少なくとも一方の光透過特性を学習する
    学習手段を具備したことを特徴とする光情報記録再生装
    置。
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