JPH0771836A - 吸収式冷凍機の制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】室内負荷を先取りすることにより、冷温水機の
立ち上がり特性、及び停止時の残留能力をカバーするこ
とにより消費エネルギの低減をはかる。 【構成】室内負荷検出装置１により検出した室内負荷率
Ｑを、冷温水集合温度検出器４により検出した温度を利
用し、室内負荷変化があった場合は、室内負荷による台
数決定を実施し、一定時間経過後は、冷温水集合温度の
台数制御を実施する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、小形吸収式冷温水機の
運転台数の制御方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の小形吸収式冷温水機の運転台数制
御方法は、冷温水集合部の温度を検出し、この検出温度
と設定温度の差により、冷温水機の運転台数を決定して
いた。この種の制御方法は、特開昭60−133277号公報に
記載の技術が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、冷温
水集合部の温度検出装置により検出した冷温水温度によ
り、その温度の設定値との偏差、または、温度匂配によ
り運動台数を決定していた。しかし、吸収式冷温水機
は、吸収液の濃度差により冷凍能力を発揮するため、起
動に１０〜２０分の時間を要し、停止するためにも、吸
収液の濃度を均一にするため１０〜２０分の希釈時間が
必要となり、この希釈時間の期間も冷凍能力は発揮され
る。また冷温水集合部の温度しか検出していないため、
室内負荷の変化を知るには、冷温水温度が負荷により変
化するまで待たねばならず、室内負荷の急変に対しては
検出まで時間遅れが発生していた。そのため、室内負荷
が急増した場合には検出の時間遅れと、冷温水機の立ち
上がりの遅れとにより、室内負荷に追従できず、冷凍効
果を発揮できない、また負荷が激減した時にも同様に二
重の時間遅れのために追従できず、エネルギ消費低減の
面で問題となっていた。

【０００４】本発明の目的は、時間遅れによる不必要な
エネルギ消費を低減し、消費エネルギの低減を図ること
にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に、本発明は台数制御装置には、マイクロコントロール
ユニット（以下ＭＣＵと称す）を搭載し、また冷温水集
合部の温度検出手段を有する。また室内のファンコイル
ユニット（以下ＦＣＵと称す。）と接続され、ＦＣＵの
運転状態をＦＣＵの能力により、室内の負荷率を検出す
る装置をもち、この室内負荷検出装置から台数制御装置
は通信により室内負荷を知る。この室内負荷量により台
数制御装置では、冷温水機の運転台数を決定し、各冷温
水機に起動／停止指令を出す。また室内負荷量だけで台
数を決定していても、冷凍能力が発揮されないおそれも
あるため、冷温水集合部の温度も検出してフィードバッ
ク制御も加えるようにする。すなわち、室内負荷の変化
を先取りして運転台数を決定し、負荷量の変化に対する
時間遅れを最小にする。室内負荷が変化して冷温水機の
台数が変化してから一定時間は、その台数で運転し、一
定時間経過後には冷温水集合温度による台数制御を加味
する。

【０００６】この運転制御により、室内負荷の変化に早
急に追従し、室内負荷の検出遅れによる制御の追従遅れ
や、不要なエネルギ消費を削減することができる様にし
たものである。

【０００７】

【作用】台数制御装置は、室内機の負荷量を検出する室
内負荷検出装置と通信により接続されている。この検出
装置より得た室内負荷により室外機の冷温水機の運転台
数を決定し、各冷温水機に起動及び停止指令を出力す
る。室内負荷が変動し、冷温水機の運転台数に変化があ
った場合、一定時間は、室内負荷の運転台数により、冷
温水機を運転する。これにより室内負荷の変化にすばや
く追従することができる。その後室内負荷に変化がなけ
れば冷温水集合部の温度により運転台数を変化させる。
これにより、冷温水機が余剰であれば削除し、足りなけ
れば追加することになり、不要な冷温水機の運転をさけ
ることができる。したがって、室内負荷だけに頼ってい
るだけでないので、安定した冷温水を供給することがで
きる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１により説明す
る。

【０００９】室内負荷検出装置１は室内機ＦＣＵ２１〜
２４と通信線６１〜６４により接続され、室内機ＦＣＵ
の運転状態を把握している。また、室内負荷検出装置１
は室内機ＦＣＵ２１〜２４の運転能力も入力されてお
り、この能力と運転状態により室内負荷率Ｑ％を情報と
して持っている。台数制御装置３は通信線５を介し、室
内負荷制御装置１と接続され、室内負荷率Ｑ％を知るこ
とができる。台数制御装置３は冷温水機３１〜３４と通
信線７１〜７４により接続されており、冷温水機３１〜
３４に対し起動及び停止指令を出力する。冷温水機３１
〜３４により生成された冷温水は配管８により室内機へ
と送られる。室内機２１〜はこの冷温水と熱交換するこ
とにより、室内の冷房及び暖房をおこなう。すなわち、
冷房の場合を例にあげると、室内機の稼動状態が多けれ
ば、より多く冷水の供給が必要となり冷温水機３１〜３
４の運転台数が多く必要となってくる。また、室内負荷
の状態が集合冷温水温度検出器４に現れてくるのには時
間遅れがあるために、室内負荷と先取りする室内負荷検
出装置１が必要となる。

【００１０】台数制御装置３は、室内負荷検出装置１か
ら負荷率Ｑ％を受けとると、そのＱ％により冷温水機の
運転台数と図２により決定する。例えば、室内負荷率が
Ｑ₄＜Ｑ＜Ｑ₅ であった場合、冷温水機台数は、３台運
転となる。その後、室内負荷率Ｑに変化がないまま一定
時間経過すると、台数制御装置は、集合冷温水温度検出
装置４による検出温度での台数制御に切り替える。すな
わち、冷水集合温度がｔ₂＜ｔ＜ｔ₃となった場合には運
転台数を２台とする。これにより冷温水機の立ち上がり
の性能発揮までの時間遅れを室内負荷先取りによりカバ
ーし、立ち上がってからの不要な台数を、冷水集合温度
による制御によりカバーすることができる。その後、室
内負荷が激減し、Ｑ₁ ＞Ｑとなると再び室内負荷による
台数制御を実施し、運転台数を１台とする。これにより
停止時の残留能力による余剰冷力を、負荷の変化を先取
りすることにより低減することができる。

【００１１】この様に、本実施例によれば室内負荷率に
変化があったときには室内負荷率による台数制御を先取
りし、冷温水機を運転することにより、冷温水機の立ち
上がり特性の悪さ、または、停止時の残留冷力を、カバ
ーすることができる。また一定時間経過後に、冷温水集
合部の温度による台数制御に切り替えることにより、能
力が発揮された冷温水機に対して、余剰な運転を減少さ
せることができ、消費エネルギの低減がはかれる効果が
ある。

【００１２】また、室内負荷率だけに頼っていると、負
荷が低い時は立ち上げ時、冷温水温度が目標値から大き
く外れている時は、目標値に近づくまでに多大な時間が
かかることになるため、ある温度に達するまでは、接続
台数全てで運転することにする。これによれば、冷温水
集合温度の立ち上がりを早くすることができ、安定な冷
温水を供給することができる。

【００１３】

【発明の効果】本発明によれば、室内負荷の変化量を先
取りし、フィードフォワードすることにより冷温水機の
立ち上がり特性の悪さ、及び、停止時の残留能力をカバ
ーすることができ、能力が安定した後は、冷水集合温度
による台数制御に移行することにより、不要な冷温水機
の運転を削減できることにより、安定な冷温水の供給、
及び、消費エネルギの低減の面で効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すブロック図。

【図２】室内負荷率と運転台数の相関図。

【図３】冷温水集合温度と運転台数の相関図。

【符号の説明】

１…室内負荷検出装置、２１〜２４…室内機（ＦＣ
Ｕ）、３…台数制御装置、４…集合温度検出器、５…通
信線、６１〜６４，７１〜７４…通信線、８…冷温水配
管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】冷温水の集合部の温度を検出する温度検出
   装置と、マイクロコントローラを備え、かつ、室内の複
   数台のファンコイルユニットの負荷率を測定する機器と
   通信により接続され、室内負荷を知ることができる台数
   制御装置において、前記室内負荷の変動によるフィード
   フォワード制御と、冷温水集合部の温度によるフィード
   バック制御を組み合わせて小形吸収式冷凍機の運転台数
   を制御することを特徴とする吸収式冷凍機の制御装置。