JPH077182Y2

JPH077182Y2 - インクシートカセット

Info

Publication number: JPH077182Y2
Application number: JP18002387U
Authority: JP
Inventors: 一美府川
Original assignee: Ricoh Co Ltd
Current assignee: Ricoh Co Ltd
Priority date: 1987-11-25
Filing date: 1987-11-25
Publication date: 1995-02-22
Anticipated expiration: 2002-11-25
Also published as: JPH0183566U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案はインクシートカセットに関し、詳細には熱転写
方式の記録装置やファクシミリ装置等に使用されるイン
クシートカセットに関する。

（従来の技術）近時、熱転写方式の記録装置はその機構や構造が簡単で
あることから普及しているが、その中でも、ロール状の
インクシートをロール状の記録紙とともに搬送し、サー
マルヘッドの熱によりインクシートのインクを記録紙に
転写して記録する熱転写記録装置がファクシミリ装置等
においてよく利用されている。

ところが、このような従来の熱転写記録装置にあって
は、インクシートがスプール等を介して直接熱転写記録
装置に取り付けられていたため、インクシートが極めて
薄い材質で形成されているので、緩みやシワが発生しや
すく、交換作業が面当であった。

そこで、本出願人はインクシートと、使用済のインクシ
ートを巻き取るスプールと、を１つのケース内に収納し
たインクシートカセットを発明し、先に出願している。
このインクシートカセットは、カセットケース内に、ロ
ール状のインクシートおよび巻取用スプールが収納され
ている。インクシートはスプール（ロール軸）に巻かれ
ており、スプールにはその両端に支持部材が装着されて
いる。支持部材はカセットケースに回転自在に支持され
ており、インクシートは支持部材およびスプールを介し
てカセットケースに回転自在に支持されている。また、
一方の支持部材にはノブとギアが形成されており、ノブ
により手動でインクシートを巻き戻すことができ、ギア
を介して装置からの巻戻しが行われる。この支持部材と
スプールとはバネ用ステンレス線を複雑に曲げ加工した
クリップにより固定されている。

巻取用スプールの両端には支持部材が装着されており、
一方の支持部材にはノブと巻取ギアが形成されている。
巻取ギアは熱転写記録装置からの回転力を巻取用スプー
ルに伝達し、インクシートを巻き取る。この支持部材は
前記クリップと同様のクリップにより巻取用スプールに
固定されている。

したがって、インクシートの交換時、インクシートカセ
ットごと交換することにより、インクシートの交換を簡
単かつ容易に行うことができ、インクシートにシワや緩
みを発生させることもない。

（考案が解決しようとする問題点）しかしながら、このような従来のインクシートカセット
は、支持部材をバネ用ステンレス線と複雑に曲げ加工し
たクリップでスプールに固定していたため、部品のコス
トが効果なものとなるとともに、クリップによる止め作
業が困難で、インクシートカセットの組立作業の作業能
率が悪いという問題点があった。また、一旦組み立てて
しまうと、クリップの取り外しが面当で、作業性が悪い
という問題点があった。

（考案の目的）そこで、本考案は、インクシートのロール軸の一方の支
持部材および（巻取用）スプールの一方の支持部材をケ
ースに形成された孔をケース外より進入してロール軸お
よびスプールに連結する支持軸と、該支持軸に着脱可能
に嵌着される係止部材と、により形成することにより、
ロール軸およびスプールへの支持部材の取り付け作業を
簡単、容易なものとするとともに、その取り外し作業を
も簡単、容易なものとして、インクシートカセットのコ
ストを低減するとともに、その組立作業を簡単、容易な
ものとすることを目的としている。

（考案の構成）本考案は、上記目的を達成するため、インクシートが巻
回されたロール軸と、インクシートの先端が固着され使
用済のインクシートを巻き取るインクシートスプール
と、がケース内に収納され、該ロール軸とインクシート
スプールとがそれらの両端部に設けられた支持部材を介
して該ケースに回転可能に支持されたインクシートカセ
ットにおいて、前記ロール軸用の支持部材の一方と、前
記インクシートスプール用の支持部材の一方と、が、前
記ケースに形成された孔をケース外方より貫通して該ロ
ール軸およびインクシートスプールに連結する支持軸
と、該支持軸にケース内で着脱可能に嵌着され該支持軸
の抜けを防止する係止部材と、で形成され、該係止部材
が、該支持軸の外周面に形成された孔内に進入する足部
と、該足部の付け根から支持軸の周方向に延在して支持
軸の外周面に嵌着する２本の腕部と、を備えたことを特
徴とするものである。

以下、本考案の実施例に基づいて具体的に説明する。

第１図〜第９図は本考案の一実施例を示す図である。

第１〜４図はインクシートカセット１を示す図であり、
インクシートカセット１はカセットケース２内にインク
シート３およびスプール４を備えている。カセットケー
ス（ケース）２は例えばABS等の樹脂で形成されてお
り、カセットケース２内の内部にはインクシート３を収
納する収納部５と、スプール４を収納する収納部６とが
形成されている。収納部５と収納部６とは所定の間隔で
配設されており、この間隔はインクシートカセット１の
セットされる記録装置のサーマルヘッドおよびプラテン
ローラがカセットケース２内に進入可能な寸法に設定さ
れる。すなわち、カセットケース２の上面部には開口部
７が形成されており、開口部７は前記収納部５と収納部
６との間に設けられ、サーマルヘッドがカセットケース
２の内部に進入可能な大きさを有する。一方、カセット
ケース２の底面部には開口部８が形成されており、開口
部８は前記開口部７に略相対した位置に設けられ、プラ
テンローラがカセットケース２の内部に進入することが
可能な大きさを有する。また、カセットケース２の両側
面部にはそれぞれ一対のピン受部9a、9b、10a、10b（第
３、４図参照）が形成されており、ピン受部9a、9b、10
a、10bはインクシートカセット１を記録装置に装着する
際、記録装置に設けられたガイドピンに係合してインク
シートカセット１全体の位置決めを行う。

インクシート３としては例えば、ポリエステル製のベー
スシート上に熱転写用のインク層が塗布されたものが使
用されており、インクシート３はスプール（ロール軸）
11に巻かれている。インクシート３の先端部はスプール
に固着されており、使用済のインクシート３はスプール
４に巻き取られる。インクシート３が巻かれているスプ
ール11の両端には、第５図に示すように、支持部材12、
13が装着されており、支持部材12、13はカセットケース
２に回転自在に支持されている。

一方の支持部材12は、第６、７図に拡大して示すよう
に、その軸部が大径部と小径部の２段に分かれており、
小径部が嵌合部12aとしてスプール11内に嵌入される。
大径部は支持軸12bとしてカセットケース２に形成され
た孔2aを貫通しており、この支持軸12bのカセットケー
ス２外方端部には巻戻ギア12cが形成されている。支持
軸12bにはその軸方向に長く孔12dが形成されており、嵌
合部12aの外周面には孔12dの略延長線上に外方に突出し
たストッパ部12eが形成されている。支持部材12はイン
クシートカセット１の組み立て時、カセットケース２外
方から嵌合部12aを先端として孔2a内に挿入され、嵌合
部12aと支持軸12bの段部がスプール11の先端に当接する
まで進入される。スプール11にはその先端部に上記スト
ッパ部12eと嵌合するストッパ溝11aが形成されており、
このストッパ部12eとストッパ溝11aとの嵌合によりスプ
ール11は支持部材12とともに回転する。

前記、孔12dには係止部材12fの足部12gが挿入され、係
止部材12fには足部12gの付け根から支持軸12bの外周形
状に対応して略円形に延びる２本の腕部12h、12iが形成
されている。すなわち、係止部材12fは足部12gと腕部12
h、12iを有し、丸みを帯びた略Ｅ字形に形成されてい
る。腕部12hおよび腕部12iの先端にはそれぞれその外周
から突出する突部12j、12kが形成されている。また、係
止部材12fはプラスチック等の弾性部材で形成されてい
る。したがって、係止部材12fはその足部12gの先端を支
持軸12bの孔12dに挿入され、支持軸12bに軸心方向に押
されると、腕部12h、12iの先端部が支持軸12bの外周面
に沿って押し広げられ支持軸12bの外周面に嵌着する。
係止部材12fは支持軸12bに嵌着されたとき、その側面が
カセットケース２の内面に当接し、支持部材12の軸方向
の移動を規制している。上記嵌合部12aから12kは全体と
して支持部材12を構成している。

一方、スプール11の他方の端部に取り付けられる支持部
材13は、第５図に示すように鍔部13aと小径部13bを有し
ており、鍔部13aがスプール11の先端部に当接してスプ
ール11の軸方向の移動を規制している。また、小径部13
bがカセットケース２に形成された孔2b内に挿入され、
孔2b内で回転する。

したがって、インクシート３はスプール11および支持部
材12,支持部材13を介してカセットケース２に回転自在
に支持される。

また、前記スプール４は支持部材14、15により同様にカ
セットケース２に回転自在に支持されている。すなわ
ち、支持部材14は支持部材12と同一の構成をしており、
支持部材15は支持部材13と同一の構成をしている。同一
構成部分には同一の添字を付してその説明を省略する。
ただ、支持部材14に形成されているギアは巻取ギア14c
である。また、支持部材14はカセットケース２の孔2cに
挿入され、支持部材15はカセットケース２の孔2dに挿入
される。

次に、作用を説明する。

インクシートカセット１を組み立てるには、まず、イン
クシート３の巻回されたスプール11の先端に支持部材13
を鍔部13aが当接するまで嵌入し、支持部材13の小径部1
3bをカセットケース２の孔2bに挿入する。次いで、スプ
ール11を収納部５内に収納し、カセットケース２の外方
より係止部材12fを取り外した支持部材12を嵌合部12aを
先端として孔2a内に挿入する。嵌合部12aをその支持軸1
2bの先端がスプール11の先端に当接するまで挿入し、係
止部材12fを支持軸12bに嵌着させる。この係止部材12f
の取り付けは、第８図に示すように、まず、足部12gの
先端を孔12dに挿入し、係止部材12fを矢印で示す支持軸
12bの軸心方向に押し込む。このとき、係止部材12fはそ
の腕部12h、12iが支持軸12bの外周を周方向に半分以上
覆う長さで、かつ、嵌着時、支持軸12bの外周面に定着
する形状に形成されているため、腕部12hと12iの先端部
の間隔は支持軸12bの外周面の長径よりも短く形成され
ている。しかし、係止部材12fは弾性部材で形成されて
いるため、係止部材12fを矢印方向に押すと、腕部12h、
12iが支持軸12bの外周面に沿って開きつつ矢印方向に進
む。したがって、係止部材12fはその足部12gを支持軸12
bの孔12dに挿入して矢印方向に押すことにより、第９図
に示すように、支持軸12bに簡単、かつ容易に嵌着させ
ることができる。その結果、支持部材13およびスプール
11のカセットケース２への取り付けを簡単、かつ、容易
に行うことができる。

次いで、インクシート３の先端の固着されたスプール４
の一方の先端に同様に支持部材15を取り付け、カセット
ケース２の孔2dに挿入する。このスプール４を収納部６
内に収納し、カセットケース２の外方より、同様に支持
部材14を孔2cに挿入して係止部材14fを取り付ける。

このように、本考案のインクシートカセット１において
は、スプール（ロール軸）11およびスプール４の支持部
材12、13、14、15を簡単な構成として支持部材13、15お
よび、支持部材12、14を簡単、かつ、容易にスプール1
1、スプール４およびカセットケース２に取り付けるこ
とができ、インクシートカセット１を短時間に簡単、か
つ、容易に組み立てることができる。したがって、イン
クシートカセット１の組立作業の効率を向上させること
ができ、インクシートカセット１のコストを低減するこ
とができる。

また、スプール（ロール軸）11およびスプール４を取り
外すときには、係止部材12fおよび係止部材14fの突部12
j、12k、14j、14kを第８図中矢印方向と逆方向に押すこ
とにより、係止部材12f、係止部材14fを容易に取り外す
ことができるので、スプール11およびスピール４を簡単
かつ容易に取り外すことができる。

（効果）本考案によれば、ロール軸およびスプールへの支持部材
の取り付け作業を簡単、容易なものとするとともに、そ
の取り外し作業をも簡単、容易なものとすることがで
き、その組立作業を簡単、容易なものとすることができ
る。その結果、インクシートカセットのコストを低減す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第９図は本考案のインクシートカセットの一実
施例を示す図であり、第１図はそのインクシートカセッ
トの上面図、第２図はそのインクシートカセットの裏面
断面図、第３図は第１図の左側面図、第４図は第１図の
右側面図、第５図はそのインクシートの支持部の拡大断
面図、第６図はそのインクシートの支持部の取付状態の
拡大断面図、第７図はその支持部材の分解斜視図、第
８、９図はそのインクシートカセットの組立操作の説明
図である。１……インクシートカセット、２……カセットケース
（ケース）、2a、2b、2c、2d……孔、３……インクシー
ト、４……スプール（インクシートスプール）、11……
スプール（ロール軸）、11a……ストッパ溝、12、14…
…支持部材（一方の支持部材）、13、15……支持部材、
12b……支持軸、12c……巻戻ギア、12d……孔、12f……
係止部材、12g……足部、12h、12i……腕部、12j、12k
……突部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】インクシートが巻回されたロール軸と、イ
ンクシートの先端が固着され使用済のインクシートを巻
き取るインクシートスプールと、がケース内に収納さ
れ、該ロール軸とインクシートスプールとがそれらの両
端部に設けられた支持部材を介して該ケースに回転可能
に支持されたインクシートカセットにおいて、前記ロー
ル軸用の支持部材の一方と、前記インクシートスプール
用の支持部材の一方と、が、前記ケースに形成された孔
をケース外方より貫通して該ロール軸およびインクシー
トスプールに連結する支持軸と、該支持軸にケース内で
着脱可能に嵌着され該支持軸の抜けを防止する係止部材
と、で形成され、該係止部材が、該支持軸の外周面に形
成された孔内に進入する足部と、該足部の付け根から支
持軸の周方向に延在して支持軸の外周面に嵌着する２本
の腕部と、を備えたことを特徴とするインクシートカセ
ット。
【請求項２】前記係止部材の腕部が、前記足部の付け根
から前記支持軸の周方向に該外周面の半分以上を覆うこ
とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載のイ
ンクシートカセット。
【請求項３】前記係止部が、その腕部の両先端部に外方
に突出する突部を有したことを特徴とする実用新案登録
請求の範囲第１項又は第２項記載のインクシートカセッ
ト。
【請求項４】前記支持軸と係止部材を備えた支持部材
の、前記ケース外方側端部に、前記ロール軸およびイン
クシートスプールに回転力を伝達する歯車が形成された
ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項から第
３項のいずれかに記載されたインクシートカセット。
【請求項５】前記係止部材が弾性部材で形成されたこと
を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項から第４項
のいずれかに記載されたインクシートカセット。