JPH0770010B2 - Ｖｔｒのダビング装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ビデオテープの再生信号を光伝送して他のビ
デオテープに記録するVTRのダビング装置に関するもの
である。

〔従来の技術〕

VTRにおけるビデオテープのダビングは、従来から主と
して次のような２つの方法によって行われていた。

第１のダビング方法は、マスタテープとコピーテープと
を互いに密着走行させ、マスタテープからの漏洩磁束に
より磁気パターンをコピーテープに転写する方法であ
る。

第２のダビング方法は、VTRの再生回路によりマスタテ
ープを通常の再生と同じ要領でビデオ信号に変換し、こ
のビデオ信号を他のVTRの記録回路によりコピーテープ
に記録する方法である。

ところが、第１のダビング方法では、２本のテープを密
着走行させながら加熱等の処理を施す特殊なメカニズム
を使用するので、高価なダビング専用の装置が必要とな
り、特定の業務用の分野でなければあまり実用的な方法
ではない。

これに反して、第２のダビング方法は、２台のVTR装置
があれば家庭でも容易に実施が可能となる。しかしなが
ら、このように一旦ビデオ信号に変換する方法では、ダ
ビングされたコピーテープの画像品質が著しい低下する
という問題点を有していた。

即ち、この方法は、一方のVTR装置において、FM変調さ
れてマスタテープに記録された映像信号をFM復調し、VT
R装置の再生回路と記録回路とによって各種の信号処理
を施した上で、上記映像信号を、他のVTR装置に伝送し
た後、再びFM変調して、コピーテープに記録することに
なるので、FM復変調や信号処理の際に信号の劣化を生じ
るのである。また、音声信号の場合も、FM変調を施し記
録した場合には、同様に品質が低下するという問題点が
生じる。

そこで、上記FM復変調や信号処理の際の信号の劣化を回
避するために、実開昭60-127626号公報では、ビデオテ
ープからの再生変換信号（FMビデオ信号＋低域変換色信
号＋FM音声信号）を、コンポジット信号に変換すること
なく、そのままの形でビデオテープから他のビデオテー
プに記録することが開示されている。

つまり、上記公報では、信号のFM復変調を省くことがで
き、また、上記信号の信号処理を軽減できるから、ビデ
オテープから他のビデオテープに映像信号および音声信
号を記録しても、記録した信号の劣化を抑制できること
が開示されている。

しかしながら、上記公報の構成では、例えば、VHS方式
のように、映像信号が回転磁気ヘッドにてビデオテープ
から再生され、音声信号が固定磁気ヘッドにて上記ビデ
オテープから再生される場合、音声信号と映像信号とを
他のビデオテープに同時に記録、つまり同時にダビング
することはできないことから、ダビングできるビデオの
各記録方式の範囲が狭くなるという問題点を生じてい
る。

そこで、上記問題点を回避するために、特開昭61-26793
5号公報では回転磁気ヘッドによって映像信号をビデオ
テープから再生すると共に固定磁気ヘッドによって音声
信号をビデオテープから再生し、この映像信号および音
声信号を伝送し、伝送された映像信号および音声信号を
他のビデオテープに同時に記録するようにしたVTRのダ
ビング装置が開示されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記従来の公報の構成では、映像信号お
よび音声信号の伝送に別々の各ケーブルを用いる必要が
あることから、上記各ケーブルを用いることによる機構
の複雑化や、各ケーブルの各ダビング装置への結線に手
間取ることによる煩雑化という問題を生じている。

〔問題点を解決するための手段〕 本発明に係るVTRのダビング装置は、上記問題を解決す
るために、回転磁気ヘッドによって映像FM信号をビデオ
テープから再生すると共に固定磁気ヘッドによって音声
信号を上記ビデオテープから再生する再生手段と、上記
音声信号をFM変調して音声FM信号を出力するFM変調回路
と、映像FM信号および音声FM信号を多重化する混合手段
と、混合手段からの多重化信号を光変調多重化して光伝
送する光伝送手段と、光伝送手段によって伝送された多
重化信号を前記映像FM信号および音声FM信号に分離する
分離手段と、上記映像FM音声および上記音声FM信号から
の音声信号を他のビデオテープに記録する記録手段とを
有することを特徴としている。

〔作用〕

上記構成では、まず、ビデオテープに記録された映像FM
信号が回転磁気ヘッドによって再生手段により再生され
ると共に上記ビデオテープに記録された音声信号が固定
磁気ヘッドによって再生手段により再生される。

上記音声信号はFM変調回路によって音声FM信号に変調さ
れて出力されることにより、上記音声FM信号と映像FM信
号とを混合手段によって多重化することが容易に可能と
なる。

混合手段により多重化された映像FM信号および音声FM信
号からなる多重化信号は、光伝送手段により他のダビン
グ装置に伝送される。光伝送手段により伝送された多重
化信号は、分離手段にて映像FM信号と音声FM信号とに分
離され、上記映像FM信号と音声FM信号からの音声信号と
を記録手段によって他のビデオテープに記録、つまりダ
ビングできる。

つまり、上記構成では、音声信号をFM変調回路によって
FM変調することにより、混合手段により映像FM信号と、
音声信号からの音声FM信号とを容易に多重化できて、そ
の多重化信号を単一の光伝送手段によって伝送できる。

〔実施例〕

本発明の一実施例を第１図に基づいて説明すれば、以下
の通りである。

VTRの再生回路は、第１図（ａ）に示すように、まず映
像信号側において、回転磁気ヘッド（再生手段）１から
の出力が初段増幅器２を介して位相等価回路３の入力に
接続している。位相等価回路３の出力は、切換スイッチ
４を介してそれぞれ再生信号処理回路５及び光変調回路
６に接続している。再生信号処理回路５は、再生した映
像信号をFM復調し再生信号処理を施して、ビデオ信号出
力端子14からビデオ信号として出力する回路である。

光変調回路６は、再生した映像信号を光変調し光信号を
発する回路である。この光変調回路６は、切換スイッチ
４の切換出力に接続する第２の位相等価回路７とこの位
相等価回路７に順次接続する混合回路（混合手段）８、
発光素子駆動回路９及び発光素子（光伝送手段）10とで
構成されている。また、発光素子10は、半導体レーザ又
はLED等で構成されている。

音声信号側は、固定磁気ヘッド（再生手段）11からの出
力が音声増幅器12に接続している。音声増幅器12は、再
生した音声信号を増幅して音声信号出力端子13から出力
する回路である。この音声増幅器12の出力は、また、FM
変調回路15を介して光変調回路６における混合回路８に
接続している。

VTRの記録回路は、第１図（ｂ）に示すように、ビデオ
信号入力端子16が記録信号処理回路17に接続している。
記録信号処理回路17は、ビデオ信号入力端子16に入力し
たビデオ信号を記録信号処理を施しFM変調する回路であ
り、その出力は切換スイッチ18の一方の切換入力に接続
している。切換スイッチ18は、記録増幅器19を介して回
転磁気ヘッド20に接続している。

VTRの再生回路における光変調回路６から発した光信号
は、復調回路21の受光素子（光伝送手段）22に送られ
る。復調回路21は、受光素子22で受光した光信号を復調
し、映像信号と音声信号とを含むFM信号を出力する回路
である。この復調回路21は、前記受光素子22とこの受光
素子22に順次接続する検波回路23、増幅回路24、周波数
特性補正回路25及び周波数分離回路（分離手段）26とで
構成されている。

また、受光素子22は、フォトトランジスタ等で構成され
ている。音声信号入力端子27は、ALC回路28を介して切
換スイッチ31の一方の切換入力に接続している。切換ス
イッチ31は、増幅回路29の入力に接続している。この増
幅回路29には、バイアス発振器30が接続され、高周波バ
イアスを同時に入力するようになっている。増幅回路20
の出力は、記録増幅器32を介して固定磁気ヘッド33に接
続している。復調回路21における周波数分離回路26の映
像出力は、切換スイッチ18の他方の切換入力に接続して
いる。また、この周波数分離回路26の音声出力は、FM復
調回路36を介して切換スイッチ31の他方の切換入力に接
続している。

次に、上記の構成をなすVTRのダビング装置の動作を説
明する。

まず、従来と同様に、再生回路のビデオ信号出力端子14
と音声信号出力端子13とを記録回路のビデオ信号入力端
子16と音声信号入力端子27とにそれぞれ接続した場合の
動作を簡単に説明する。

第１図（ａ）において、マスタテープ34のビデオトラッ
クに記録された映像信号は、回転磁気ヘッド１によって
読み出され、FM信号のまま初段増幅器２及び位相等価回
路３から切換スイッチ４を介して再生信号処理回路５に
送られる。再生信号処理回路５では、この映像信号をフ
ィルタによって輝度信号と色信号とに分離し、それぞれ
FM復調及び各種信号処理を施して再び混合し、ビデオ信
号出力端子14からビデオ信号として出力する。また、マ
スタテープ34の音声トラックに記録された音声信号は、
固定磁気ヘッド11によって読み出され、音声増幅器12を
介して音声信号出力端子13から出力される。

第１図（ｂ）において、ビデオ信号入力端子16から入力
されたビデオ信号は、記録信号処理回路17に送られる。
記録信号処理回路17では、このビデオ信号をフィルタに
よって輝度信号と色信号とに分離し、それぞれFM変調及
び各種信号処理を施して再び混合し、切換スイッチ18を
介してFM信号として記録増幅器19に送る。

記録増幅器19に送られた映像信号は、回転磁気ヘッド20
によってコピーテープ35のビデオトラックに記録され
る。また、音声信号入力端子27から入力された音声信号
は、ALC回路28でレベル調整され、切換スイッチ31を介
して増幅回路29で高周波バイアスを重畳されて記録増幅
器32に送られる。記録増幅器32に送られた音声信号は、
固定磁気ヘッド33によってコピーテープ35の音声トラッ
クに記録される。

次に、第１図（ａ）に示すように切換スイッチ４を光変
調回路６側に切り換え、第１図（ｂ）に示すように切換
スイッチ18及び切換スイッチ31を復調回路21側にそれぞ
れ切り換えて、光伝送によりダビングを行う場合を説明
する。

第１図（ａ）において、回転磁気ヘッド１によって読み
出された映像信号は、FM信号のまま初段増幅器２及び位
相等価回路３から切換スイッチ４を介して光変調回路６
に送られる。光変調回路６に送られた映像信号は、位相
等価回路７によって周波数特性の一部を補正され、混合
回路８に送られる。また、固定磁気ヘッド11によって読
み出された音声信号は、音声増幅器12を介してFM変調回
路15でFM変調され、混合回路８に送られる。

混合回路８では、FM信号のままの映像信号とFM変調を受
けた音声信号とを多重化して、発光素子駆動回路９に送
る。発光素子駆動回路９では、多重化したFM信号を発光
素子10に送り光変調を行う。発光素子10は、FM信号を光
信号に変換することにより強度変調を行う。

発光素子10から発せられた光信号は、空間または光ファ
イバ等の光伝送系を伝って、第１図（ｂ）における復調
回路21に送られる。復調回路21では、この光信号を受光
素子22で受光し、FM信号に復調する。そして、このFM信
号を検波回路23で検波し、増幅回路24で増幅し、周波数
特性補正回路25で周波数特性の補正を行った後に周波数
分離回路26に送る。

周波数分離回路26では、送られて来たFM信号を映像信号
と音声信号とに分離し、映像信号は切換スイッチ18を介
して記録増幅器19に送る。また、音声信号は、FM復調回
路36でFM復調を行い、切換スイッチ31を介して増幅回路
29に送られる。記録増幅器19に送られた映像信号は、回
転磁気ヘッド20によってコピーテープ35のビデオトラッ
クに記録される。また、増幅回路29に送られた音声信号
は、高周波バイアスを重畳されて記録増幅器32に送ら
れ、固定磁気ヘッド33によってコピーテープ35の音声ト
ラックに記録される。

上記のように本実施例のVTRのダビング装置は、光変調
回路６と復調回路21を用いることにより、再生信号処理
回路５と記録信号処理回路17とでFM復変調及び各種の信
号処理を行うことなく、回転磁気ヘッド１によって再生
された映像信号をFM信号のままマスタテープ34からコピ
ーテープ35にダビングすることができ、固定磁気ヘッド
11によって再生された音声信号も同時にダビングされ
る。

〔発明の効果〕

本発明に係るVTRのダビング装置は、以上のように、固
定磁気ヘッドによって上記ビデオテープから再生された
音声信号を音声FM信号に変調するFM変調回路と、回転磁
気ヘッドによってビデオテープから再生された映像FM信
号と、上記音声FM信号とを多重化した多重化信号を多重
化信号を出力する混合手段と、上記多重化信号を光伝送
する光伝送手段と、光伝送された多重化信号を前記映像
FM信号および音声FM信号に分離する分離手段と、上記映
像FM信号および音声FM信号からの音声信号を他のビデオ
テープに記録する記録手段とを有する構成である。

それゆえ、上記構成では、FM変調回路によって音声信号
を音声FM信号に変調することにより、上記音声FM信号と
映像FM信号とを混合手段により容易に多重化することが
できるから、上記映像FM信号および音声FM信号からの多
重化信号を単一の光伝送手段により伝送でき、分離手段
を設けたことにより、上記多重化信号から映像FM信号お
よび音声FM信号を分離して他のビデオテープに記録手段
によって記録、つまりダビングすることができる。

したがって、上記構成では、ビデオテープに記録された
映像FM信号を、ビデオ信号に変換されることなくそのま
ま他のビデオテープに記録することができるため、従来
のようにFM復変調回路や信号処理回路を通すことなく上
記映像FM信号を、そのまま他のビデオテープにダビング
できて、ダビングの際の信号の劣化を軽減することがで
きる。

その上、上記構成では、回転磁気ヘッドにより再生され
る映像FM信号と、固定磁気ヘッドにより再生される音声
信号とを単一の光伝送手段を用いて他のビデオテープに
記録することができる。このことから、上記伝送を、例
えば光ファイバー等の光伝送系を用いた場合、１本の光
伝送系にて伝送できて、従来よりケーブルの数を低減で
き、かつ、それらの結線の手間を軽減できるという効果
を奏し、特に、上記伝送に空間を用いた場合、再生と記
録のVTR装置間を繋ぐケーブルやそれらの結線の手間を
省くことができるという効果を奏する。

しかも、上記構成では、多重化信号を光伝送することに
より、映像FM信号と音声FMと、または映像FM信号と２チ
ャンネルの音声FM信号とを多重化によって同時に１系統
の光伝送手段により伝送することが可能となるので、さ
らに再生と記録のVTR装置間を繋ぐケーブルによる複雑
化やそれらの結線に手間取るという煩雑化を抑制するこ
とができるという効果も奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すものであって、第１図
（ａ）はVTRの再生回路のブロック図、第１図（ｂ）はV
TRの記録回路のブロック図である。 １は回転磁気ヘッド（再生手段）、８は混合回避（混合
手段）、10は発光素子（光伝送手段）、11は固定磁気ヘ
ッド（再生手段）、15はFM変調回路、22は受光素子（光
伝送手段）、26は周波数分離回路（分離手段）、34はマ
スタテープ（ビデオテープ）、35はコピーテープ（他の
ビデオテープ）である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転磁気ヘッドによって映像FM信号をビデ
   オテープから再生すると共に固定磁気ヘッドによって音
   声信号を上記ビデオテープから再生する再生手段と、上
   記音声信号をFM変調して音声FM信号を出力するFM変調回
   路と、映像FM信号および音声FM信号を多重化する混合手
   段と、混合手段からの多重化信号を光変調多重化して光
   伝送する光伝送手段と、光伝送手段によって伝送された
   多重化信号を前記映像FM信号および音声FM信号に分離す
   る分離手段と、上記映像FM信号および上記音声FM信号か
   らの音声信号を他のビデオテープに記録する記録手段と
   を有することを特徴とするVTRのダビング装置。