JPH0769680A - 無機質基材の撥水処理方法 - Google Patents

無機質基材の撥水処理方法

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JPH0769680A
JPH0769680A JP24598393A JP24598393A JPH0769680A JP H0769680 A JPH0769680 A JP H0769680A JP 24598393 A JP24598393 A JP 24598393A JP 24598393 A JP24598393 A JP 24598393A JP H0769680 A JPH0769680 A JP H0769680A
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acid
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JP24598393A
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Kohei Hasegawa
光平 長谷川
Satoshi Kuwata
敏 桑田
Ai Kobayashi
愛 小林
Kazuo Toshima
和夫 戸島
Yasushi Yamazawa
靖 山沢
Takashi Ito
隆 伊東
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ガラス等の無機質基材を、フッ酸を除くpHが
3.0以下の酸性水溶液に浸漬して表面処理を行った後、
該処理面にオルガノシラザン重合体溶液を塗布・硬化し
て撥水性皮膜を形成することにより、無機質基材に撥水
性を付与する。 【効果】酸性水溶液を用いての前処理により、ガラス等
の基材に形成される撥水性皮膜の耐久性が向上し、持続
して撥水性効果が発現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特にガラス等の無機質
非多孔性基材の撥水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス、セラミックス、各種金属等の表
面に撥水性を付与する方法として、無機酸や有機酸を触
媒として、これらの存在下にオルガノポリシロキサン溶
液で該表面を処理する方法(特公昭50−15473 号、特開
昭63−67828 号及び特開平1−67393 号等参照)が知ら
れている。またオルガノシラザンポリマーを主剤とした
離型剤組成物が知られており(特開昭60−145815号、特
開昭60−221470号)、これらを用いれば、比較的容易に
表面に撥水性を付与することができる。また本出願人
は、先にフッ素含有シラザン化合物を用いて基材の表面
処理を行う方法を提案した(特開平3−290437号、特開
平4−258669号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した種々の方法に
よれば、優れた撥水性を基材表面に付与することが可能
であるが、その撥水性皮膜の耐摩耗性、耐久性が充分で
ないため、その効果の持続性が充分でなかった。特にガ
ラス等の鏡面(非多孔性面)を有する基材ではその傾向
は顕著であり、このような基材では、例えば、いずれの
方法で撥水性の皮膜を形成した場合にも、約3か月の屋
外暴露により撥水性が半減してしまうことが指摘されて
いる。
【0004】また、このような問題を解決するための方
法として、特開平2−311332号公報には、硝子表面に金
属酸化物層を被覆してから該表面をシリル化合物でシリ
ル化する方法が提案されている。然しながら、この方法
では、屋内用途での撥水性被膜の耐久性は向上するもの
の、屋外用途での耐久性を十分に改善することができ
ず、また金属酸化物層の形成のために高温加熱を必要と
するために、この方法を強化ガラスには適用できず且つ
コストが非常に高いという問題があった。
【0005】さらに特開平5−97478 号公報には、珪弗
化水素酸のシリカ過飽和水溶液に珪酸塩ガラスを所定時
間浸漬して基材表面を多孔質層に変性させ、その表面に
有機シリコン化合物及び/または有機フッ素化合物を被
覆することによる撥水性ガラスの製造方法が提案されて
いる。この方法は、基材であるガラス表面に100〜3
000Åの厚みの多孔質層を形成させることにより、撥
水性の被覆層を形成する有機シリコン化合物或いは有機
フッ素化合物との接着性を高め、該被覆層の耐久性を高
めようとしたものである。然しながら、この方法では、
ガラス表面に多孔質層を形成するための処理剤として珪
弗化水素酸が使用されるため、該処理時の工程管理を厳
密に行なわないと、ガラス表面の浸食が著しくなり、こ
の結果として干渉色が発現したりして外観が損なわれる
という問題がある。
【0006】従って本発明の目的は、ガラス等の鏡面
(非多孔性面)を有する基材に対しても長期間にわたっ
て優れた撥水性が保持される撥水性皮膜を、その外観を
損なわずに且つ容易な手段で形成することが可能な処理
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、無機質
基材を、フッ酸を除くpHが3.0以下の酸性水溶液に浸
漬して表面処理を行った後、該処理面に、下記一般式
(1):
【化2】 式中、R1 及びR2 は、同一でも異なっていてもよく、
水素原子または炭素原子数1〜20より成る非置換もし
くは置換の一価炭化水素基であり、R3 は、水素原子ま
たはアルキル基であり、Rf は、炭素原子数1〜20の
パーフルオロアルキル基または炭素原子数2〜35のパ
ーフルオロアルキルエーテル基であり、Qは、炭素原子
数2〜5の二価の有機基であり、aは、1〜3の整数で
あり、bは、0〜2の整数であり、且つa+bが1〜3
であるとともに、cは、0〜2の整数であり、dは、1
〜3の整数であり、且つc+dが1〜3であるととも
に、mおよびnは、それぞれ1以上の整数である、で表
されるオルガノシラザン重合体の溶液を塗布し、硬化す
ることにより撥水性皮膜を形成することを特徴とする無
機質基材の撥水処理方法が提供される。
【0008】
【作用】本発明においては、上記一般式(1)で表され
る特定のオルガノシラザン重合体溶液を塗布して撥水性
の皮膜を形成するに先立って、フッ酸を除くpHが3.0
以下の酸性水溶液に浸漬して基材の表面処理を行うこと
が顕著な特徴である。このような表面処理を行うことに
よって、撥水性が長期にわたって持続する皮膜が形成さ
れるのである。より好ましくはpHが2.0以下である。
【0009】即ち、従来の方法によって形成された撥水
性の皮膜では、該皮膜の基材表面からの脱落、磨耗によ
る皮膜表面の劣化、基材からのアルカリ成分の溶出によ
る皮膜の浸食等のために、その撥水性が持続して発現し
ないと考えられる。これに対して、本発明の処理方法に
よれば、前記酸水溶液による基材表面の処理によって、
基材表面のアルカリ成分が除去され、アルカリ成分の溶
出による皮膜の浸食が有効に回避される。また、同処理
によって、基材表面に水酸基が形成された場合には、特
定のオルガノシラザン重合体とこの水酸基との反応によ
り形成皮膜の基材との密着性が向上する。さらに酸水溶
液により基材表面が荒らされることにより、基材表面に
程度の差はあるが微視的にみて細かな凹凸が形成され、
この結果として、後から形成される皮膜と基材表面との
密着性が向上し、該皮膜の脱落や磨耗による劣化が有効
に防止され、かくして優れた撥水性が長期間にわたって
維持されるものと推定される。この場合、フッ酸類を使
用すると、ガラス等の基材に対する浸食性が激しいた
め、基材表面の特性、外観等が著しく損なわれてしま
う。
【0010】本発明において、上記一般式(1)で表さ
れるオルガノシラザン重合体は、下記一般式(2):
【0011】 (Rf Q)a Si(R1 b 4-a-b (2) 式中、R1 ,Rf ,Q,a,bは、前記の通りであり、
Xはハロゲン原子である、で表されるオルガノシラン
と、下記一般組成式(3):
【0012】 (Rf Q)c Si(R2d e (4-c-d-e)/2 (3) 式中、R2 ,Rf ,Q,c,dおよびXは前記の通りで
あり、eは0.001〜1である、で表されるオルガノ
ポリシロキサンとを、下記一般式(4): R3 NH2 (4) 式中、R3 は、前記の通りである、で表されるアンモニ
ア及び第1アミンから選択される少なくとも1種と反応
させることによって得られる。
【0013】前記一般式(2)で表されるオルガノシラ
ンの具体例としては、以下のものを例示することができ
る。
【0014】
【化3】
【0015】一般組成式(3)で表されるオルガノポリ
シロキサンとしては、得られる含フッ素シラザンの表面
特性の点からいって、式(3)中のc+dが1.8〜2.2
の範囲にあるものが好ましく、さらに硬化速度の点から
いってeが0.01〜0.5の範囲にあるものが好ましい。ま
たハロゲン原子Xは、塩化、臭素等が好適である。この
ような一般組成式(3)で表されるオルガノポリシロキ
サンの具体例としては、下記の一般式(5)で表される
ものが好ましい。
【0016】
【化4】
【0017】上記式中、R2 ,Rf およびQは前記の通
りであり、k+lは8以上、好ましくは8〜200の整
数である。
【0018】前記一般式(2)で表されるオルガノシラ
ンと一般組成式(3)で表されるオルガノポリシロキサ
ンとの反応は、これらを適当な有機溶剤に溶解させ、こ
れに前記一般式(4)で表されるアンモニアないし第1
アミンの少なくとも1種と接触反応させればよい。この
場合、特にアンモニアが好適であるが、メチルアミン、
エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシ
ルアミン等の第1アミンも好適に使用することができ
る。反応に際して使用される前記の有機溶剤としては、
アンモニアガスや第1アミンに対して不活性であり、生
成する含フッ素シラザンポリマーをよく溶かすものがよ
い。このような有機溶剤としては、トリクロロトリフロ
ロエタン、メタ(パラ)キシレンヘキサフロリド、ベン
ゾトリフロライドなどが例示される。尚、この反応は発
熱反応であるが、通常は0〜50℃で反応温度を制御し
ながら行なえばよい。
【0019】反応に供される一般式(2)で表されるオ
ルガノシランと一般組成式(3)で表されるオルガノポ
リシロキサンとの量割合は、反応により得られる含フッ
素シラザン重合体中のシロキサン単位が5〜50モル%
の範囲となるようにすることが、得られる化合物の硬化
速度、硬化により得られる硬化皮膜の基材に対する接着
性、表面特性などの点から好ましい。
【0020】
【好適態様の説明】無機質基材 本発明において、表面処理を行うべき無機質基材として
は、ガラス、セラミックス、及び各種金属等から成る基
材を使用することができるが、特に好適には、ガラス等
の鏡面を有する基材が使用される。
【0021】表面処理 浸漬による表面処理に使用する酸水溶液としては、フッ
酸を除くpHが3.0以下のものが使用される。pHが3.
0よりも高いものを使用した場合には、基材表面に存在
するアルカリ成分の除去効果が不満足なものとなり、皮
膜の撥水性を充分に維持することができない。特に酸水
溶液の酸濃度は0.01〜50重量%の範囲であることが
好ましい。
【0022】また酸成分としては、各種の無機酸、有機
酸を単独または2種以上の組み合わせで使用することが
できる。例えば無機酸としては、硫酸、亜硫酸、塩酸、
硝酸、亜硝酸、リン酸、亜リン酸、塩素酸、亜塩素酸、
次亜塩素酸、過塩素酸、クロム酸、重クロム酸、炭酸、
ホウ酸、硫化水素、水素化ケイ素等を例示することがで
き、特に硫酸が良好な効果の発現及び入手の容易さから
好適に使用される。また有機酸としては、メタンスルホ
ン酸、パラトルエンスルホン酸、アルキルベンゼンスル
ホン酸等のスルホン酸類、ギ酸、酢酸、酪酸等のカルボ
ン酸類、その他アミノ酸類、フェノール類等を例示する
ことができ、これらの中でもスルホン酸類、カルボン酸
類が好適に使用される。
【0023】上記酸水溶液中への基材の浸漬による表面
処理は、0〜100℃の範囲の任意の温度でよく、浸漬
時間は、前述した基材表面に存在するアルカリ成分の除
去や基材表面の清浄化が十分に行われる程度であり、通
常、処理温度が高い程短時間でよく、室温程度では、3
時間以上が好適である。
【0024】撥水性皮膜の形成 上記の表面処理終了後、前述した一般式(1)で表され
るオルガノシラザン重合体を適当な有機溶剤に溶解さ
せ、これを基材に塗布し、加熱等により硬化することに
より、撥水性皮膜が形成される。この塗布は、ディップ
塗布、スプレー塗布、ローラ塗布等の任意の手段で行う
ことができる。
【0025】
【実施例】合成例1 式:C8 17CH2 CH2 SiCl3 、 で示される含フッ素クロロシランを92.4重量%と、下
記式:
【0026】
【化5】
【0027】で示されるジメチルポリシロキサン7.6重
量%との混合物60g、及びトリクロロトリフロロエタ
ン200mlを反応容器に仕込んだ。これを5℃に冷却
した後、液温を20℃以下に保ちながらアンモニアガス
を吹き込み、4時間反応させた。その後30分間加熱還
流させて液中に溶解していた過剰のアンモニアを除去
し、冷却後、副生した塩化アンモニウムをろ別したとこ
ろ、無色透明の含フッ素ポリシラザン溶液を得た。これ
をトリクロロトリフロロエタンで1重量%濃度となるよ
うに希釈し、撥水剤液とした。
【0028】合成例2 メチルトリクロロシラン89重量%と、合成例1で用い
たジメチルポリシロキサン11重量%との混合物60
g、及びトリクロロトリフロロエタン200mlを使用
して、合成例1と同様の方法でポリシラザン溶液を合成
し、これをトリクロロトリフロロエタンで1重量%濃度
となるように希釈し、撥水剤液とした。
【0029】合成例3 合成例1で用いた含フッ素クロロシラン60gと、トリ
クロロトリフロロエタン200mlを使用して、合成例
1と同様の方法で含フッ素ポリシラザン溶液を合成し、
これをトリクロロトリフロロエタンで1重量%濃度とな
るように希釈し、撥水剤液とした。
【0030】実施例1 10%硫酸水溶液(pH:0.01以下)中に、スライド
ガラス板(76×26×厚さ1.3mm)を約20時間浸漬後、脱
イオン水にて水洗し、100℃で1時間乾燥を行った。
この時のスライドガラス板表面のナトリウム濃度を、E
SCA分析により表面ナトリウムの光電子強度を測定
し、原子%を算出することによって求めた。結果を表1
に示す。次いで、前記合成例1の撥水剤液(含フッ素ポ
リシラザン濃度1.0重量%)を、ディッピング法により
塗布し、100℃で2時間加熱処理を行い、降温後、表
面の未硬化部分を拭き取り、撥水性皮膜を形成した。こ
の皮膜形成スライドガラス板の水に対する接触角(初期
接触角)及び初期転落角を測定し、さらに以下の耐久性
試験を行い、試験後の水に対する接触角を測定し、接触
角の保持率(%)を算出した。結果を表1に示す。
【0031】尚、初期転落角は、静摩擦係数測定器(新
東科学(株)製)を使用し、25℃の条件下において、
ガラス板に50mlのイオン交換水を滴下し、約2°/
秒の速度でガラス板試料を上昇させたとき、水滴が落下
する角度を測定することにより求めた。この転落角が小
さな値を示すほど、皮膜の撥水製が良好であるといえ
る。耐久性試験は、濡れ綿布により、スライドガラス板
の皮膜形成面を一定の力で20回拭き取ることにより行
った。
【0032】実施例2 0.1%硫酸水溶液(pH:2.0)を用いてスライドガラ
ス板の浸漬処理を行った以外は実施例1と同様にして撥
水性皮膜を形成し、同様の測定を行った。結果を表1に
示す。
【0033】実施例3 10%メタンスルホン酸水溶液(pH:0.1)を用いて
スライドガラス板の浸漬処理を行った以外は実施例1と
同様にして撥水性皮膜を形成し、同様の測定を行った。
結果を表1に示す。
【0034】実施例4 10%酢酸水溶液(pH:約2.0)を用いてスライドガ
ラス板の浸漬処理を行った以外は実施例1と同様にして
撥水性皮膜を形成し、同様の測定を行った。結果を表1
に示す。尚、上記の実施例1〜4において、酸水溶液で
の処理後にスライドガラスの表面粗さを、三次元表面粗
さ測定器(株式会社小坂研究所製、SE−30k)を用
いて測定したところ、処理前の表面粗さと殆ど変化がな
く、表面浸食は殆ど発生していないことが確認された。
【0035】比較例1 水道水(pH:約7.0)を用いてスライドガラス板の浸
漬処理を行った以外は実施例1と同様にして撥水性皮膜
を形成し、同様の測定を行った。結果を表1に示す。
【0036】比較例2 実施例1で用いたものと同様のスライドガラス板を、ト
ルエンを浸み込ませた紙ガーゼで拭き、乾燥させた後、
実施例1と同様に撥水剤をディッピングして撥水皮膜を
形成し、実施例1と同様の測定を行った。結果を表1に
示す。
【0037】比較例3 0.1%酢酸水溶液(pH:4.0)を用いてスライドガラ
ス板の浸漬処理を行った以外は実施例1と同様にして撥
水性皮膜を形成し、同様の測定を行った。結果を表1に
示す。
【0038】比較例4 10%フッ酸水溶液(pH:0.01以下)中に、スライド
ガラス板を10秒間浸漬し、脱イオン水にて水洗後、1
00℃で1時間乾燥を行なった。得られたスライドガラ
ス板表面の最大浸食深さは約2000Åであり、透明性
が損なわれたものであった。またこのガラス板に、実施
例1と同様にして撥水性被膜を形成し、実施例1と同様
の測定を行なった。結果を表1に示す。
【0039】比較例5 合成例2で得られた撥水剤液(含フッ素ポリシラザン濃
度1.0重量%)を、実施例1と同様に10%硫酸水溶液
で処理したスライドガラス板にディッピング塗布し、1
00℃で2時間加熱処理を行い、降温後、表面の未硬化
部分を拭き取り、撥水性皮膜を形成し、実施例1と同様
の測定を行なった。結果を表1に示す。
【0040】比較例6 合成例3で得られた撥水剤液(含フッ素ポリシラザン濃
度1.0重量%)を、実施例1と同様に10%硫酸水溶液
で処理したスライドガラス板にディッピング塗布し、1
00℃で2時間加熱処理を行い、降温後、表面の未硬化
部分を拭き取り、撥水性皮膜を形成し、実施例1と同様
の測定を行なった。結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】上記の表1の結果から明らかな通り、フッ
酸以外のpHが3.0以下の酸性水溶液で浸漬処理するこ
とにより、耐久試験後の接触角保持率は90%以上を示
し、皮膜の耐久性が向上していることが認められる。ま
たフッ酸水溶液を用いて処理を行なった場合には(比較
例4)、実施例1〜4と同様、良好な撥水性被膜が形成
されるが、この場合には、表面に大きな凹凸が形成され
るため、透明性が損なわれ実用に耐えるものではなかっ
た。比較例5のガラス板は、実施例1と同様に良好な接
触角保持率を示すが、皮膜中にパーフロロアルキル基を
含有していないため、初期接触角が十分な値となり得
ず、また水滴転落角も劣るため、十分な撥水性が発現し
ていない。比較例6のガラス板は、良好な初期接触角を
示すものの、水滴転落角が劣っており、十分な撥水性が
発現していない。即ち、一般組成式(3)で示されるオ
ルガノシロキサン単位が皮膜中に必要であると考えられ
える。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、ガラス等の基材に形成
される撥水性皮膜の耐久性が向上し、持続して撥水性効
果が発現するため、撥水性付与のための再処理に要する
労力が削減され、また撥水剤消費量を節約することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑田 敏 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 小林 愛 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 戸島 和夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 山沢 靖 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 伊東 隆 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機質基材を、フッ酸を除くpHが3.0
    以下の酸性水溶液に浸漬して表面処理を行った後、該処
    理面に、下記一般式(1): 【化1】 式中、R1 及びR2 は、同一でも異なっていてもよく、
    水素原子または炭素原子数1〜20より成る非置換もし
    くは置換の一価炭化水素基であり、 R3 は、水素原子またはアルキル基であり、 Rf は、炭素原子数1〜20のパーフルオロアルキル基
    または炭素原子数2〜35のパーフルオロアルキルエー
    テル基であり、 Qは、炭素原子数2〜5の二価の有機基であり、 aは、1〜3の整数であり、bは、0〜2の整数であ
    り、且つa+bが1〜3であるとともに、 cは、0〜2の整数であり、dは、1〜3の整数であ
    り、且つc+dが1〜3であるとともに、 mおよびnは、それぞれ1以上の整数である、で表され
    るオルガノシラザン重合体の溶液を塗布し、硬化するこ
    とにより撥水性皮膜を形成することを特徴とする無機質
    基材の撥水処理方法。
JP24598393A 1993-09-06 1993-09-06 無機質基材の撥水処理方法 Pending JPH0769680A (ja)

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