JPH0769216B2 - 物質の識別方法及び装置 - Google Patents

物質の識別方法及び装置

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JPH0769216B2
JPH0769216B2 JP4651187A JP4651187A JPH0769216B2 JP H0769216 B2 JPH0769216 B2 JP H0769216B2 JP 4651187 A JP4651187 A JP 4651187A JP 4651187 A JP4651187 A JP 4651187A JP H0769216 B2 JPH0769216 B2 JP H0769216B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、スペクトル情報を用いた物質の識別方法及び
装置に関する。
背景 気体,液体,固体の物質を分析し、これからその物質が
何でありどのような性質を有しているかを判定する物質
の同定,定性分析は産業の広い分野で重要である。分析
の手法には、発光または吸光分析、X線分析、放射化分
析、核磁気共鳴,質量分析、ポーラログラフ、ガスクロ
マトグラフなどの種々の方法がある。これらのうち、物
質固有の性質を示すスペクトル情報を解析する手法が多
く用いられている。特に、有機化合物の定性分析におい
ては、赤外吸収スペクトルの解析が威力を発揮する。
以下では、本発明に係る一例としての赤外吸収スペクト
ルを用いた物質の同定方法を説明する。
従来技術とその問題点 従来、赤外吸収スペクトルによって定性分析を行う手法
には、大別して2通りの方法が知られている。一つは、
特性吸収帯を手掛りに経験的知識に頼る方法である。即
ち、特性吸収帯の表などを参考として、ある特定の原子
団や骨格構造などを選び出し、さらには詳細な特性吸収
のデータ表を参照しながら全体として矛盾のないように
構造を推定してゆき、最終的に推定された物質の標準ス
ペクトルと比較して判定する方法である。もう一つは、
過去に集積された既知物質のスペクトルデータの集成に
頼る機械的方法である。即ち、未知物質の試料スペクト
ルと,標準スペクトルとを遂次比較して、類似度の大き
いものを探し出すという方法である。これには、膨大な
標準スペクトル資料の集積(数万〜十数万件)と、その
中から特定のスペクトルのみを迅速に選び出す手段とが
要求される。従来そして現在でも、前者の方法で定性分
析が行なわれているが、コンピュータの記憶要量の増大
および計算速度の向上によって、化学分野におけるコン
ピュータ利用は急速に進展し、現在では、後者の手法の
ほうが広く利用されるようになった。
このコンピュータ利用によるスペクトル解析において、
未知物質の同定には、膨大な既知物質のスペクトルデー
タをコード化したファイル(データベース、スペクトル
ライブラリという)と,未知資料のスペクトルデータと
を比較照合するファイル検索法が用いられる。コンピュ
ータを用いたファイル検索法による同定法には、相関
法,最尤推定法,線形判別関数法,最短距離法な
どが知られている。しかし、,,の方法では、
(イ)先験情報(雑音の分散など)が必要であり、
(ロ)計算量が多い(膨大なライブラリとの検索を行な
うには計算量が少なく高速で行なえることが望ましい)
などの点で問題があり、現在では、の相関法が主流と
なっている。
そして、さらに計算速度を上げるとともに記憶容量を減
らすため、i)インターフェログラムの一部を用いる方
法(L.V.Azarrge,R.R.Williams,and J.A.deHaseth,App
l.Spectrosc.35,466(1981)、P.M.Owens,and T.L.Isen
hour,Anal.Chem.55,1548(1983))や、ii)吸収ピーク
位置のデータをコード化して用いる方法(C.S.Rann,Ana
l.Chem.44,1669(1972))、精度を向上させる目的で、
iii)スペクトルのピーク位置と強度のデータを用いる
方法(K.Tanabe,etal.Anal.Chem.47,118(1975))など
が用いられ、また、最近の半導体メモリ(ROMやRAM)の
高密度化や、光メモリ(CD−ROM)など、記憶容量の急
速な拡大によりデータ圧縮によらず、iv)スペクトル全
データを用いる方法(例えば、G.Hangac,R.C.Wieboldt,
R.B.Lam,and T.L.Isenhour,Appl.Spectrosc.36,40(198
2))などが提案されている。
従来からの相関法は、2つのスペクトル波形h(ν)と
g(ν)の関係を知るために、これらの相合相関を計算
する。相互相関Υgh(ν)は、 Υgh(ν)=g(ν)★h(ν) =∫g(ν′+ν)・h(ν′)dν′ …(1) で与えられる。ただし、★は複素相関を表し、は複素
共役を示す。(1)式は、g(ν),h(ν)のフーエ変
換をそれぞれの大文字で表わし、t=1/ν、逆フーリエ
変換操作をF-1(・)で表すと、 Υgh(ν)=F-1[G(t)・H(t)] …(2) で与えられる。ただし上記g(ν)とh(ν)はそれぞ
れ予め2乗ノルムで規化されている。そして従来の相関
法では、第1図に示すように、(2)式の相関関数の原
点における値、 η=Υgh(0)=∫g(ν)・h(ν)dν =∫G(t)・H(t)dt …(3) を、g(ν)とh(ν)の類似度とし、未知物質である
被験資料のスペクトルデータh(ν)に対して、スペク
トルライブラリー中のリファレンススペクトルデータgi
=1,2,……,Nから最大のηを与える物質iを特定するも
のである。
しかしながら、上記のi),ii),iii),iv)の従来法で
は、類似したスペクトル波形に対して識別能力が劣る欠
点があり、またii),iii),iv)の方法では、使用する
分光光度計の精度やセル厚,スリット幅などの影響によ
ってピーク位置や変動やピーク強度の変動、あるいはし
きい値レベルによるピーク検出感度の変動によってピー
ク検出ミス等の影響により、ファイル検索ミスすなわち
検索に多くのノイズが含まれるといった問題があり、さ
らに最大ピーク位置のはっきりしないブロードなスペク
トル波形に対してはピークがほとんど存在しないため、
この手法を適用し難いという問題点があった。
発明の目的 本発明は、上記従来法の問題点を解消するものであり、
類似したスペクトル波形に対しても識別能力が優れると
ともに、未知物質の試料の測定条件に何ら影響されな
い、新規な物質の識別方法及び装置を提供することを目
的とする。
発明の概要 本発明は、スペクトル波形の特徴的な情報は位相部に多
く含まれるという知見に着目したもので、第2図の原理
図に示すように、既知物質のスペクトルデータg(ν)
をフーリエ変換してこのフーリエ変換情報G(t)から
位相成分Gφ(t)を抽出するとともに、未知物質のス
ペクトルデータh(ν)をフーリエ変換してこのフーリ
エ変換情報H(t)から位相成分Hφ(t)を抽出し、
これら位相成分Gφ(t),Hφ(t)のみの相関をとっ
たことを基本的な特徴とするものである。
定式化すれば、以下の式(4),(5),(6)により
与えられる。
Υφφ(ν)=gφ(ν)★h φ(ν) =F-1[Gφ(t)・Hφ (t)] =F-1[exp{jφ(t)・exp{−jφ(t)] =F-1[exp{jφ(t)−φ(t))}]…(5) のように、位相項のみの相関関数Υφφ(ν)を規定す
る。なお、gφ(ν),hφ(ν)はそれぞれexp{jφ
(t)},exp{jφ(t)}を逆フーリエ変換した
ものであり、一般に複素関数となる。Υφφ(ν)を以
下、位相相関関数という。
類似度ηφは、例えば、次式のように、位相相関関数の
原点における値でもって規定する。
ηφ=Υφφ(0)=∫exp{jφ(t)−φ
(t))} …(6) なお、上記のように相関の対象を共にその振幅を1にす
る(|Gφ(t)|=|Hφ(t)|=1)ため、2乗ノル
ムによる規格化を(7)式のように行う。
∫|Gφ(t)|2dt=n,∫|Hφ(t)|2dt=n …(7) ここにnは、測定点数である。なお、この規格化はコン
ピュータによる場合、自動的になされる。
作用 本発明に係る手法によれば、既知物質のスペクトルg
(ν)と未知物質のスペクトルh(ν)が異なれば、位
相相関関数Υφφ(ν)は白色化する一方、同じであれ
ば、ディラックのデルタ関数となり、物質の異同がきわ
めて容易に識別できる。
識別に際しては、人間の視察によっても、機械による判
別のいずれでもよい。前者の場合、位相相関関数Υφφ
(ν)をグラフ形式又は数値形式で表示装置にディスプ
レイさせる、もしくは印字装置で結果データをプリント
アウトさせればよい。後者の場合には、上記(6)式の
ように類似度ηφ=Υφφ(0)を求め、この値の大小
を判定して判別すればよい。後者によれば一連のプロセ
スを完全に自動化できる。
また、上記(6)式で、類似度ηφを位相相関関数の原
点における値としたが、観測スペクトルが観測系(電気
及び機械系)の応答遅れなどにより波長(または波数)
がずれたりして誤差をもつと、位相相関関数のピーク位
置が原点からズレる可能性があるが、このズレを考慮し
てΥφφ(ν)の最大値を類似度と規定してもよい。ま
た、原点近傍における位相相関関数とエネルギーの和を
類似度の尺度としてもよい。
実施例 以下、本発明を添付図面に示す実施例によって具体的に
説明する。
第3図は一実施例の工程説明図であり、赤外吸収スペス
トルを用いた物質の同定手法を示している。
(11)は赤外吸収スペクトルライブラリーで、異なるN
個のスペクトルデータが格納されている。(21)は未知
物質の試料(20)を測定する赤外分光光度計である。
赤外分光光度計(21)により未知試料(20)を測定して
スペクトルデータ(22)を得る。スペクトルデータ(2
2)は、フーリエ変換手段(23)によりフーリエ変換し
て、フーリエ変換データ(24)を得る。フーリエ変換デ
ータ(24)は、位相の抽出手段(25)により位相項のみ
を抽出され、位相成分データ(26)となる。このデータ
(26)は、次の複素共役をとる手段(29)により共役化
されて複素共役データ(30)となる。
他方、ライブラリー(11)からは、1つのスペクトルデ
ータ(12)が選択される。この選択されたスペクトルデ
ータ(12)は、フーリエ変換手段(13)によりフーリエ
変換され、フーリエ変換データ(14)を得る。次に、こ
のフーリエ変換データ(14)は、位相の抽出手段(15)
によりその位相項のみを抽出され、位相成分データ(1
6)となる。
この位相成分データ(16)は、乗算器(31)による上記
複素共役データ(30)と乗算される。乗算結果のデータ
は、逆フーリエ変換手段(32)により逆フーリエ変換さ
れ、位相相関関数Υφφ(ν)を得る。そして、処理手
段(33)により、この位相相関関数の原点における値を
演算し、類似度ηφを求める。類似度のデータは出力手
段(34)により出力される。又、式(6)を参照すれば
明らかなように、位相相関関数の原点における値Υφφ
(0)のみを得るためには、逆フーリエ変換手段(32)
を省略して、乗算器(31)による乗算結果をそのまま積
分してもよい。
ライブラリー(11)からまた別のスペクトルデータ(1
2)が読み出され、類似度ηφが1.0に近いものが検出さ
れるまで、同様のプロセスが反復される。出力手段(3
4)は、遂一、類似度のデータを出力する必要なく、検
索によりヒットしたスペクトルデータに対応する物質名
を出力するようにしてもよい。
第3図にこの実施例の一具体例を示す。
第4図(a1),(b1)に示すように、相互に類似したス
ペクトル波形をもつBenzene(ベンゼン)とToluene(ト
ルエン)で行った例である。ベンゼンを既知物質として
そのスペクトルデータをg(ν)、トルエンを未知物質
としてそのスペクトルデータをh(ν)としている。
第4図(a2),(b2)にそれぞれのフーリエ振幅分布|G
(t)|,|H(t)|を示す。両者とも低周波フィルタ構
造をもつことが分る。これにより、第4図(d1),(d
2)に示すように、従来の(1)式による相関法では、
自己相関(Υhh),相互相関(Υgh)ともに、似かよっ
た形となり、Υhh(0)=1.00に対し、Υgh(0)=0.
72となり、差が大きくないので識別能力は劣る。
これに対し、同図(c1),(c2)にそれぞれ示す位相情
報exp{jφ(t)},exp{jφ(t)}のみを用
いて相関をとると、同図(d1),(d2)に示すように、
自己相関ではほぼデルタ関数となるのに対し、相互相関
は白色化する。Υhφhφ(0)=1.00に対し、Υ
gφhφ(0)=0.12となるので、差はきわめて大きく
物質の識別が容易となる。
スリット幅、サンプリング間隔等の相違は、フーリエ振
幅情報(第4図(b1),(b2))にのみ影響を与え、位
相相関関数はこれによって変わらない。また、ピーク位
置のズレは、Υgφhφ(ν)の最大値を類似度ηφ
することにより何ら問題とはならない。また、ピーク位
置のはっきりしないブロードなスペクトルデータに関し
ても、ブロードさは振幅項のみに現れるので、位相相関
による識別感度が低下することはない。
上記の実施例では、雑音に対する考慮がなされていな
い。しかし、スペクトルに雑音が加わった場合、この位
相相関法では、リファレンススペクトル又は入力スペク
トルのフーリエ変換成分の振幅が小さい領域(一般に高
周波フーリエ領域)において、その振幅を1に置き変え
るため、雑音成分が強調され、それによって相関結果に
影響を与えることが考えられる。
そこで、振幅が小さいフーリエ領域における雑音を抑圧
する手段をもって、位相相関法の耐雑音性を向上させ
る。
この雑音抑圧手段の一例として、下式(8),(9)の
ように、あるしきし値Lthよりも振幅が小さいフーリエ
領域においては、その振幅を零とする操作を施すフィル
タを付加する。
その操作を付加した実施例を第5図に示す。第3図と参
照番号が同一のものは同一ないし相等のものも示してい
る。第5図において、(8)式に基づく雑音抑圧のフィ
ルタ(17)が加わるとともに、(9)式に基づく雑音抑
圧のフィルタ(27)が加わり、それぞれとフィルタ出力
に基づいて、位相データの相関がとられる。類似度η′
φは、例えば、位相相関関数Υ′φφ(ν)の原点にお
ける値で与えられる。
第6図に、(8),(9)式を用いた雑音除去フィルタ
処理の一例、ベンゼンによる場合を示す。同図(a)は
ベンゼンの赤外吸収スペクトル、(b)はそのフーリエ
変換の振幅分布、(c)は位相分布、そして(d)が
(9)式による処理後の振幅分布である。
なお、測定による雑音が無視できる場合でも、計算機の
丸め誤差が問題になるが、この操作はこの問題に対する
点においても有効である。また、この振幅情報による制
御を行うときには、第3図に示した位相相関法とは若干
異なり、規格化について考慮する必要がある。つまり、
相関をとる周波数帯式は、G′φ(t)が0でなくかつ
入力H′φ(t)が0でない領域のみあり、これをnと
すると、η′φはnで規格化する必要がある。
次に、第5図に示した手法で行った具体例を示す。
試料としては、下記番号1.〜8.の8種類の液体試料を用
いた。
1.o−xylene(オルト・キシレン) 2.m−xylene(メタ・キシレン) 3.p−xylene(パラ・キシレン) 4.Benzene(ベンゼン) 5.Toluene(トルエン) 6.Hexane(ヘキサン) 7.Cyclohexane(シクロヘキサン) 8.Methyl ethyl ether(メチルエチルエーテル) 赤外吸収スペクトルの測定には、Perkin−Elmer社製のM
ODEL983席外吸収分光光度計を用い、同社製MODEL 3600
DATA STAION及びRS−232Cインターフェースを介して、
日本電気製PC−9801Fに測定データを送信し、ディスク
媒体に格納し、各処理演算はPC−9801F上でプログラム
により行った。PC−9801Fには8087数値演算プロセッサ
(NDP)を実装し、極力このNDPを使用できるようにFFT
(高速フーリエ変換)などの機械語サブルーチンを作成
し、計算の処理速度を上げるようにした。この結果、1
つの未知試料のスペクトルと8種類のライブラリースペ
クトルデータとの間で相関計算を行うのに要した時間は
約25秒であった。
上記8種類のスペクトルを用い全ての組み合わせについ
て、(1)式に基づく従来の相関法と、本発明に係る位
相相関法との類似度η、η′φを計算した。表1.表2.に
この計算結果を示す。なお、数値は%で示されている。
そして、表1.,表2の数値データを立体的に視覚化し、
マトリクス状にまとめて示したのが第7図である。
第7図において、中央の対角線上、すなわちg(ν)と
h(ν)が同じ物質のスペクトルである場合、これを境
界として左半分がηを、右半分がη′φを示し、それぞ
れ手前の列から試料番号1,2,……,8の物質が対応してい
る。位相相関法η′φの出力は、自己相関(中央の対角
線)以外ではその値が非常に小さく、従来の相関法と比
べスペクトルによる物質の識別感度はきわめて高い。
また、異なるスリット幅で測定したスペクトルデータ間
での夫々の相関法による計算結果を表3.表4.に示す。ス
リット幅は0.43mmと1.20mmの2種、試料は、o−,m−,p
−キシレン異性体である。表中の数値は%で示されてい
る。
第8図は、表3.表4.の数値データを視覚化し、まとめて
立体のマトリクスとして示したものである。第8図にお
いて、位相相関法においても、スリット幅が異なる測定
条件のスペクトルデータ間において、ある程度の値の減
少は認めらめるが、これは第7図の結果を考慮すると
(差が大きいこと)、十分無視できる量であり、位相相
関法は、異なるスリット幅で測定されたスペクトルデー
タ間においても、十分な精度をもって物質の識別が可能
である。
上記第3図,第5図に示した実施例では、ライブラリー
をスペクトルデータのライブラリーとしたが、位相情報
のライブラリーを構築して、このデータベースによって
未知物質の同定検索を行うようにしてもよい。これによ
り検索速度が格段に向上する。また、このようにスペク
トルデータのフーリエ成分の位相部を量子化すると、大
幅にデータ圧縮が可能となる。従来のスペクトルデータ
のピーク情報には10〜12ビットを割当てる必要がある
が、位相情報のみなら(もちろん規格化して格納す
る)、1〜2ビットで済み、従来の1/5〜1/10程度に圧
縮できる。
上記の実施例では、スペクトル情報を赤外吸収スペクト
ルとしたが、何らこれに限定されるものではない。発光
スペクトルでも、質量スペクトル,ラマンスペクトル,N
MRスペクトル、その他どのようなスペクトルでも同様に
本発明の手法を適用できる。
また、本発明にいう物質には、単一の物質だけでなく、
単一物質を2種以上混合した物質も含まれる。ただし、
混合物質は混合の比率が一定であることを条件とする。
物質は固体,液体,気体のいずれでもよいことは言うま
でもない。
発明の効果 以上のように、本発明によれば、物質の識別をスペクト
ルの測定条件に関係なく行えるとともに、識別能力がき
わめて高いので、類似するスペクトルでも明確に弁別で
き、さらにはピーク情報,振幅情報を利用しないので、
ブロードなスペクトルに対してもそうでないスペクトル
と全く同等に取扱うことができ、とりわけ物質を同定し
ようとする検索においてノズルのない的確な結果が得ら
れるなどの優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来手法の説明図、第2図は本発明の手法の原
理説明図、第3図は本発明に係る一実施例の工程説明
図、第4図は前記実施例の具体例を説明するための波形
図、第5図は本発明に係る別の実施例の工程説明図、第
6図は雑音抑圧処理を説明するための波形図、第7図は
従来の相関法と対照して示した本発明に係る位相相関法
の効果の説明図、第8図は測定条件のうちスリット幅を
変えた場合の従来法と対照させて示した本発明による効
果の説明図である。 12……既知物質のスペクトルデータ、22……未知物質の
スペクトルデータ、13,23……フーリエ変換の手段、15,
25……位相情報の抽出手段、16,26……位相データ、31
……乗算手段または乗算器、17,27……雑音抑圧のフィ
ルタ手段、18′,28′……雑音を抑圧した位相データ、3
4……類似度の出力手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−98335(JP,A) 特開 昭62−38324(JP,A) 特開 昭61−148331(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】既知の物質のスペクトル情報をフーリエ変
    換してその位相情報を抽出する工程と、 未知の物質のスペクトル情報をフーリエ変換してその位
    相情報を抽出する工程と、 前記既知物質の位相情報と前記未知物質の位相情報との
    相関をとる工程とからなり、この相関をとる工程の結果
    によって前記未知物質が前記既知物質と同じか又は異な
    るかを識別する物質の識別方法。
  2. 【請求項2】既知の物質のスペクトル情報をフーリエ変
    換してその位相情報を抽出する工程と、 前記位相情報の雑音成分を抑圧する工程と、未知の物質
    のスペクトル情報をフーリエ変換してその位相情報を抽
    出する工程と、 この未知物質の位相情報の雑音成分を抑圧する工程と、 前記既知物質の雑音を抑圧された位相情報と前記未知物
    質の雑音を抑圧された位相情報との相関をとる工程とか
    らなり、この相関をとる工程の結果によって前記未知物
    質が前記既知物質と同じか又は異なるかを識別する物質
    の識別方法。
  3. 【請求項3】物質のスペクトル情報をフーリエ変換して
    その位相情報を抽出する手段と、 該手段により抽出された位相情報の相互相関をとる手段
    と、 該手段の作動結果の一部又は全部を出力する手段とを備
    える物質の識別装置。
  4. 【請求項4】物質のスペクトル情報をフーリエ変換して
    その位相情報を抽出する手段と、 該手段により抽出された位相情報の雑音成分を抑圧する
    手段と、 該手段により雑音成分を抑圧された位相情報の相互相関
    をとる手段と、 該手段の作動結果の一部又は全部を出力する手段とを備
    える物質の識別装置。
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