JPH0768502A - 木工用回転刃 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 仕上げ研磨に手間がかからず、切削効率も高
い木工用回転刃を提供することである。 【構成】 円盤状本体の外周に設けた突起２の先端に超
硬チップ１０を固着した回転刃において、前記超硬チッ
プ１０は、胴部がほぼ四角柱形であって先端が前面から
後面に下降する斜面をなし、この斜面の全長及び全巾に
わたって溝１５が設けられ、チップ１０の前面の先端に
一対の刃先１６、１６ａが形成されていることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、主として合板、集積
材などの木材を切断するのに用いる回転刃に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の回転刃は、図６に示すように、
円盤状本体１の外周に多数の鋸歯状突起２が設けられ、
この突起２の先端に超硬チップ３が固着されている。

【０００３】前記超硬チップ３は、通常セラミックスの
成形品であって、前記突起２の先端にロウ付けした後、
研磨を施して形状を整えている。即ち、図７及び図８に
示すように、チップ３の先鋭な刃先３ａ、３ｂが交互に
配置されるように研磨するのである。そして、刃先３
ａ、３ｂに続く逃げ面３ｃ、３ｄは、鎖線部分が除去さ
れて円盤状本体１の周方向及び軸方向共に下降する斜面
になっている。

【０００４】

【発明の課題】ところが、上記のような刃先３ａ、３ｂ
及び逃げ面３ｃ、３ｄを超硬チップ３の先端に交互に形
成するのは非常に手間のかかる工程であって作業効率が
悪い。

【０００５】また、回転刃の切削効率も、超硬チップを
設けただけでは必ずしも良好とは言えない。

【０００６】そこで、この発明の課題は、仕上研磨に手
間がかからず、切削効率も高い回転刃を提供することで
ある。

【０００７】

【課題の解決手段】上記の課題を解決するため、この発
明は、円盤状本体の外周に設けた突起の先端に超硬チッ
プを固着した回転刃において、前記超硬チップは胴部が
ほぼ四角柱形であって先端が前面から後面に下降する斜
面をなし、この斜面に、その巾と同一巾の溝がチップ前
面から後面方向に設けられて、チップ前面の先端に一対
の刃先が形成されていることを特徴とする。

【０００８】

【作用】円盤状本体の突起の先端部に固着したチップの
先端は溝によって窪みになっているため、チップの形状
を整えて刃先を鋭くしかつ揃えるためには、チップの両
側面を研磨するだけでよい。

【０００９】また、一つのチップに一対の切刃があるた
め、切削効率がよい。

【００１０】さらに、補修時にも、チップの側面の研磨
だけでよいから手間がかからない。

【００１１】

【実施例】以下、この発明の実施例を図１乃至図５に基
づいて説明する。

【００１２】図示のように、この発明に係る超硬チップ
１０は、例えばＷＣ超硬合金のような金属の酸化物、炭
化物、窒化物などの焼結体、所謂セラミックスより成
り、両側面１１、１１ａは下方にややテーパになってい
るが全体としてほぼ四角柱になっており、上端は前面１
２から後面１３の方向に下向する斜面１４になってい
る。この斜面の全長かつ全巾にわたって溝１５が形成さ
れ、この溝１５の上端両側は、尖鋭な刃先１６、１６ａ
になっている。溝１５の断面形状は、図２のような欠円
状のほか、図３のような三角状、図４のような台形状な
ど、種々選択可能である。

【００１３】上記チップ１０の後面には、縦溝１７が形
成されている。この縦溝１７は、回転刃の円盤状本体１
の突起２の前面４に嵌め合せ、そして強固にロウ付けす
るために設けられたものである。

【００１４】チップ１０をロウ付けした後に、円盤状本
体１の中心に対してチップ１０の配置を揃え、切刃１
６、１６ａを尖鋭にするために、チップ１０の両側面１
１、１１ａを研磨し、必要に応じてチップ１０の前面１
２をわずかに研磨する。

【００１５】なお、この発明に係るチップ１０を円盤状
本体１の全周に取り付けてもよいが、例えば数個毎に先
端が平坦な、即ち溝１５の無いチップを配置してもよ
い。これによって、刃先１６、１６ａで切断した残余の
畝状になった部分を浚うことができる。

【００１６】

【効果】この発明によれば、以上のように、超硬チップ
の上端に一対の刃先を設けたので、切削効率が向上する
効果がある。

【００１７】また、超硬チップを円盤状本体にロウ付け
した後は、その側面を研磨するだけで整形することがで
きるので仕上げの手間がかからず、また刃先の鈍化後の
再研磨も容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の回転刃の分解斜視図

【図２】回転刃の超硬チップの後面図

【図３】同上の他の例を示す後面図

【図４】同上のさらに他の例を示す後面図

【図５】回転刃の一部正面図

【図６】従来の回転刃を示す正面図

【図７】従来の回転刃の一部拡大斜視図

【図８】従来の回転刃の側面図

【符号の説明】

１ 回転刃 ２ 突起 ３ 超硬チップ ３ａ、３ｂ 刃先 ３ｃ、３ｄ 逃げ面 ４ 突起の前面 １０ 超硬チップ １１、１１ａ 側面 １２ 前面 １３ 後面 １４ 斜面 １５ 溝 １６、１６ａ 刃先 １７ 縦溝

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 洋利 兵庫県尼崎市北竹谷町１丁目９番地 (72)発明者 石井 義通 兵庫県西宮市小松南町１丁目７番２号

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円盤状本体の外周に設けた突起の先端に
   超硬チップを固着した回転刃において、前記超硬チップ
   は胴部がほぼ四角柱形であって先端が前面から後面に下
   降する斜面をなし、この斜面に、その巾と同一巾の溝が
   チップ前面から後面方向に設けられて、チップ前面の先
   端に一対の刃先が形成されていることを特徴とする木工
   用回転刃。