JPH0768078B2 - ダイヤモンド膜の製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド膜の製造方法

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JPH0768078B2
JPH0768078B2 JP61163996A JP16399686A JPH0768078B2 JP H0768078 B2 JPH0768078 B2 JP H0768078B2 JP 61163996 A JP61163996 A JP 61163996A JP 16399686 A JP16399686 A JP 16399686A JP H0768078 B2 JPH0768078 B2 JP H0768078B2
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diamond film
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はダイヤモンド膜の製造方法に関し、より詳細に
は、ダイヤモンド膜の特性を向上せしめ且つその膜形成
速度を大きくしたダイヤモンド膜の製造方法に関するも
のである。
〔従来技術〕
近年、ダイヤモンドは高価な装置を利用して超高圧、超
高温下で合成されるようになったが、他方、高硬度並び
に耐摩耗性に優れた切削部材や耐摩耗部材など、更に広
範な用途に答えると共に、効率的にダイヤモンドを合成
するために化学気相成長法が研究されている。
この化学気相成長法は、炭素含有ガスと水素との混合ガ
スを反応槽内に導入し、電子線照射、高周波、マイクロ
波等によりプラズマを発生させて炭素含有ガスを、活性
状態にしてプラズマを発生させて加熱された基板上にダ
イヤモンド結晶を析出させる方法である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし乍ら、ダイヤモンド生成用ガスに炭化水素及び水
素から成る混合ガスを用いた場合、ダイヤモンドの生成
速度が小さく、約1μmの膜厚を得るのに3〜4時間も
の反応を要しているのが現状である。
更に、このプラズマCVD法により得られたダイヤモンド
膜は非晶質または、黒鉛炭素を含むことが多く、ダイヤ
モンド自体の優れた特性、例えば高硬度特性等が十分に
発揮されておらず、その特性の一層の向上が望まれてい
る。
〔発明の目的〕
従って、本発明は叙上した問題を解決することを主たる
目的とするものであって、具体的にはダイヤモンドの生
成速度を高めて製造コストを低減せしめるとともに、高
硬度など優れた特性を有するダイヤモンド膜の製造方法
を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
即ち、本発明によれば、ダイヤモンド生成用ガスとして
従来から用いられる水素、炭化水素に加え、少なくとも
炭素、水素および酸素の原子を含む酸素含有有機化合物
と、酸素の窒化物、炭化物、水素化物および酸素ガスの
群から選ばれる少なくとも1種の酸素含有ガスとを混合
することにより上記目的が達成される。
以下、本発明を詳述する。
本発明に係るプラズマCVD法によれば、プラズマ空間の
電子は、イオン、中性分子種に比べて著しく大きな運動
エネルギーをもっている。そのために、プラズマ空間で
水素や炭化水素がこの電子と衝突して励起し反応の活性
エネルギーの相対低下と共に反応が促進される。更に水
素および炭化水素が分解してそれぞれ水素原子、メチル
ラジカルとなり、所定の温度に加熱された基体の表面に
て炭素原子が規則的に配列することによりダイヤモンド
が析出するものである。
ダイヤモンド生成用ガスとしては従来から炭化水素に水
素を加えたものが使用されているが、この水素は水素原
子を発生させてラジカルを効率的に発生させたり、或い
はダイヤモンド膜が形成するのに伴って生じる黒鉛状炭
素と反応し、これを除去するように働くものである。
しかしながら、プラズマ空間中において活性化した炭化
水素は水素ガスや水素原子と衝突して再結合等を起こ
し、その活性が失われている。そのため多くの炭化水素
が基体に達してもダイヤモンドを生成するのはごく一部
の炭素にすぎず、大部分がプラズマ空間に再放出されて
いる。
本発明は、このような従来の挙動に対し、ダイヤモンド
生成用ガス中に酸素を含む化合物を混合することによっ
て、プラズマ空間中にO-、OH-のイオン種が生成され、
これらが炭化水素と反応して活性化が促進され、その結
果ダイヤモンド膜の生成速度を大幅に向上することがで
きるという知見に基づく。
更に本発明によれば、ダイヤモンド生成用ガスに水素が
多量に含有しているため、成膜に伴って水素が取り込ま
れて本来の高硬度特性及び高熱伝導性を劣化せしめてい
るが、酸素を導入することにより成膜に伴って取り込ま
れようとする水素が引き抜かれ、その結果、膜のダイヤ
モンド特性が顕著に向上することが判った。
本発明において、用いられる炭化水素としてはメタン、
エタン、プロパン、ブタン等の飽和鎖状炭化水素、エチ
レン、プロピレン、アセチレン、アレン等の不飽和鎖状
炭化水素、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペン
タン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
また、酸素含有有機化合物としては、少なくとも炭素、
水素および酸素の原子を構成元素とするメタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール
類、メチルエーテル、エチルエーテル、エチルメチルエ
ーテル、メチルプロピルエーテル、エチルプロピルエー
テル、フェノールエーテル、アセタール、環式エーテル
(エチレンオキシド、ジオキサンなど)のエーテル類、
アセトン、ピナコリン、メシチルオキシド、芳香族ケト
ン(アセトフェノン、ベンゾフェノンなど)、ジケト
ン、環式ケトン等のケトン類、ホルムアルデヒド、アセ
トアルデヒド、ブチルアルデヒド、芳香族アルデビド
(ベンズアルデビドなど)等のアルデヒト類、蟻酸、酢
酸、プロピオン酸、コハク酸、酪酸、しゅう酸、酒石
酸、ステアリン酸等の有機酸類、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等の酸エステル類、エチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレン
グリコール等の二価アルコール類等が挙げられ、これら
の中でも炭化水素と同様常温で気体であるメチルエーテ
ル、エチレンオキシドもしくは蒸気圧の高いメタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルア
ルコール、エチルエーテル、エチルメチルエーテル、メ
チルプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、アセ
トン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルア
ルデヒド、蟻酸、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
プロピル、酢酸ブチル等が望ましい。
また、水素はその一部をアルゴンやヘリウムなどの不活
性ガスで置換することも可能である。
これらのダイヤモンド生成用ガスは、ガス成分の比率お
よび流量を所定の範囲に設定することが望ましい。即
ち、単位時間当りにダイヤモンド生成用ガスとして系内
に導入される全水素原子数を(H)、全炭素原子数を
(C)、全酸素原子数を(O)としたとき、次式 0.0005≦(C)/(H)≦2、0.0005≦(O)/(C)
≦4 特に、 0.001≦(C)/(H)≦0.5、0.001≦(O)/(C)
≦1.2 を満足するようにガス成分およびその流量を設定するこ
とが望ましい。
更に、本発明によれば、ダイヤモンド膜が生成される基
体の温度及び成膜中のガス圧を所定の範囲に設定するの
がよい。
本発明者の実験によれば、基体温度を400〜1400℃の範
囲に、またガス圧を10-5〜100Torrの範囲に設定するこ
とにより本発明の目的が達成できることを確認した。
本発明によれば、ダイヤモンド生成用ガスの成分を前述
の関係を満足して設定する際、酸素を含有する有機化合
物の中には、一分子当たりのO/C比が小さいものがあ
り、ダイヤモンド生成用ガスとして水素、炭化水素、酸
素含有有機化合物では前述の関係を十分に満足するのが
困難な場合が生じる。そのため、上記ダイヤモンド生成
用ガスの成分に対し、さらに酸素源として一分子当たり
のO/C比の大きい酸素含有ガスを混合することによって
酸素量を増加させ、酸素添加による効果を十分に発揮さ
せることができる。用いられる酸素含有ガスは、酸素の
窒化物、炭化物、水素化物および酸素ガスの群から選ば
れる少なくとも1種からなり、具体的には、O2、CO、CO
2、H2O、H2O2、NO、N2O、NO2等の1〜4原子分子化合物
が挙げられる。
本発明に係るプラズマCVD法は、プラズマ発生手段によ
り種々の方法があり、例えば高周波プラズマCVD、マイ
クロ波プラズマCVD、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プ
ラズマCVDなどがある。本発明はこれらいずれの方法に
おいても同様な効果を得ることができるものである。
以下、本発明を次の例で説明する。
〔実施例〕
ダイヤモンド膜形成法として、マイクロ波プラズマCV
D、高周波プラズマCVD、ECRプラズマCVDを用いて下記の
方法に従ってダイヤモンド膜を生成した。
〔マイクロ波プラズマCVD〕
マイクロ波プラズマCVD法に基づいて、2.45GHzのマイク
ロ波を用いて成膜するに当たってダイヤモンド生成用ガ
スを第1表に示す通りに導入し、基体温度を900℃に設
定するとともにガス圧も第1表の値に設定しながらプラ
ズマを発生させ、ダイヤモンド膜を生成した。
〔高周波プラズマCVD〕
反応室としての石英管の外側に高周波電流用コイルを4
回巻きに形成し、その内部には850℃に設定してある基
体を設置した。高周波プラズマCVD法に基づいてコイル
に13.56MHzの高周波電流を流すと共に石英管内部にダイ
ヤモンド生成用ガスを第1表に示す通りに導入するとと
もにガス圧力を設定し、プラズマを発生させ、ダイヤモ
ンド膜を生成した。
〔ECRプラズマCVD〕
本出願人が特開昭58−208006号公報にて提案したような
ECRプラズマCVD法にイオンビームを組み合わせた方法に
基づいてダイヤモンド膜を形成した。そして、ダイヤモ
ンド生成用ガスおよびガス圧力を第1表に示し通りに導
入し、基体温度800℃に設定しながらプラズマを発生さ
せ、ダイヤモンド膜を生成した。
かくして得られた各々のダイヤモンド膜について走査型
電子顕微鏡による析出速度、マイクロビッカースによる
硬度を測定した。
測定結果は第1表に示す。
第1表から明らかなようにダイヤモンド膜生成用ガスと
して水素および炭化水素から成る従来の方法(No.10)
によれば、析出速度0.1μm/hr、ビッカース硬度4,100で
あるのに対し、本発明の試料はいずれも0.5μm/hr以
上、ビッカース硬度6000以上が達成された。その中で
も、(C)/(H)比が0.0005乃至2、および(O)/
(C)比が0.0005乃至4の試料(No.1〜9,11〜13)は析
出速度0.8μm/hr以上、ビッカース硬度8500以上が達成
された。また、酸素含有ガスの添加効果は例えば参考1
とNo11,参考2とNo.12,参考3とNo.13との比較において
〔(O)/(C)〕maxが参考1が0.33,参考2が0.5、
参考3が0.5であるのを各々の酸素含有ガスの添加によ
りそれ以上に高めることができ、それによって析出速
度、ビッカース硬度を高めることができた。
〔発明の効果〕
以上詳述したように本発明によれば、プラズマCVD法に
よってダイヤモンド膜を生成させるに当たり、従来から
用いられている水素および炭化水素の組み合わせに対
し、酸素含有有機化合物と酸素含有ガスの両者を添加す
ることによりダイヤモンドの析出速度および膜特性、特
に硬度を向上させることができる。それによって製造コ
ストを安価にすることができ、良質なダイヤモンド膜の
量産化を行うことができる。
なお、本発明の製造方法は切削工具、ヒートシンクの製
造に適用できる他、高硬度、耐摩耗性等が要求される機
械部品等あらゆる分野に適用され得るものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に基体が設置された反応室内に水素と
    炭化水素から成るダイヤモンド生成用ガスを導入すると
    ともにプラズマを発生させ、前記ガスの分解により前記
    基体上にダイヤモンド結晶を析出させるダイヤモンド膜
    の製造方法において、前記ダイヤモンド生成用ガスに、
    少なくとも炭素、水素および酸素の原子を含む酸素含有
    有機化合物と、酸素の窒化物、炭化物、水素化物および
    酸素ガスの群から選ばれる少なくとも1種の酸素含有ガ
    スとを混合したことを特徴とするダイヤモンド膜の製造
    方法。
JP61163996A 1986-07-11 1986-07-11 ダイヤモンド膜の製造方法 Expired - Lifetime JPH0768078B2 (ja)

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