JPH0766671B2 - 多値置数電子装置 - Google Patents

多値置数電子装置

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JPH0766671B2
JPH0766671B2 JP4329398A JP32939892A JPH0766671B2 JP H0766671 B2 JPH0766671 B2 JP H0766671B2 JP 4329398 A JP4329398 A JP 4329398A JP 32939892 A JP32939892 A JP 32939892A JP H0766671 B2 JPH0766671 B2 JP H0766671B2
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flip
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flop
voltage
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    • H03K3/29Generators characterised by the type of circuit or by the means used for producing pulses by the use, as active elements, of bipolar transistors with internal or external positive feedback using means other than a transformer for feedback using at least two transistors so coupled that the input of one is derived from the output of another, e.g. multivibrator multistable

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は従来の2値置数電子回路
であるフリップフロップ回路の結合回路に階段形の電圧
電流特性をもつ素子を挿入することにより、1桁が0か
1という2値ディジタル信号のかわりに{0,1/2,1}
の3値、{0,1/3, 2/3, 1}の4値、又は{0,1/4,
2/4, 3/4,1}の5値といった多値ディジタル信号を電
気的に保持するよう構成した多値置数電子装置に関する
ものであって、本発明が応用できる産業上の利用分野と
して、多進数コンピュータを始めとする各種の情報処理
装置があるが、特に音声認識などの実時間アナログ・デ
ジタル混合の並列分散処理装置を構成するのに適してい
る。具体的な用途として階段特性を利用した量子化回
路、多進数メモリ、多進数レジスタ、多進数ループメモ
リ、多進数パターンマッチング回路、音声認識装置、図
形認識装置、連想メモリなどがあげられる。
【0002】
【従来の技術】従来の2値置数回路であるフリップフロ
ップ回路による2値デジタルシステムは集積回路技術に
よって飛躍的に発展したが最近のVLSI,ULSIで
はチップ内部の配線量が増大してその70%以上を占め
るともいわれる状況になってきた。そこで、多進数を使
ったコンピュータに対する期待が高まり、多進数の算術
演算など多値情報処理の研究が盛んに行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の多値論理の研究
はアルゴリズムを中心としたもので、ハードウエアは2
値デジタルシステムの回路を基本にしていた。その為に
2値と多値の変換などあるいは多値演算回路が複雑とな
り多値によるメリットを相殺していた。
【0004】多数の安定値を持つ多値フリップフロップ
回路についてはArango et al. (IEEE Trans., E
C−15,p.661,1966)あるいは三根等(電子
通信学会論文誌Vol.52−C,No. 11,p.667,
1969)の3つの安定値を持つフリップフロップ回路
がある。これ等の回路は複数の電源電圧を使って3つの
安定値を実現しており、このような回路では多進数の値
を4個、5個と拡張するにつれ困難が増大する。従来は
フリップフロップ回路は前の状態に依存するので順序論
理回路としてそのアルゴリズムを考え構成されていた。
フリップフロップ回路の取り得る値を3個、4個と拡張
することは順序論理を意識すると理解が困難であった。
すなわち、多値論理は2値論理とほぼ平行して研究され
たが、実用的な研究が進められるようになったのは、L
SIの集積度が高くなり、内部配線がチップ内の多くの
部分を占め、微細化も限界に近づいてきた最近のことで
ある。また将来のデジタル情報処理では人間の頭脳と同
じ働きをするニューラルネットワーク又は音声のように
形態の曖昧な情報を取り扱うことが望まれており、そこ
では不確実な情報でも、その情報と最も関連の深い記憶
情報を呼び出すという作業を行うことが必要である。多
値レジスタや多値メモリがあればアナログ的な感覚で情
報を並列分散処理できる。これらの回路は置数機能を持
つ多値フリップフロップ回路で構成することができコン
パクトな多値フリップフロップ回路が重要性をもってい
る。これまでにも3値や4値のフリップフロップの回路
や論理回路について多くの研究がなされた。しかし、従
来の2進数のフリップフロップには順序論理回路素子と
しての機能があるが、4値以上の場合にはそのアルゴリ
ズムは状態設定が非常に複雑になってそのメリットが相
殺されてしまう。単に多進数を保持記憶するだけという
情報処理の機能をもつ多値フリップフロップ素子の改善
については画期的なものがなかった。ニューラルネット
・ファジイ論理・多値論理などポストバイナリコンピュ
ータの開発時代を迎えて、コンパクトな多値置数回路は
非常に重要な意義をもっている。
【0005】
【課題を解決するための手段】多進数の値を単に置くだ
けの回路を実現するだけで、加算など算術演算は簡単な
アナログ回路でも可能である。多値置数電子装置として
単に多進数の値をセットし保持する回路を実現するだけ
で、多進数コンピュータの実用化に多大な貢献ができ
る。
【0006】本発明は2値置数電子回路であるフリップ
フロップにおいて対となる反転増幅器の出力から入力に
互いに結合する回路に階段形の電圧電流特性を持つ素子
を挿入して少なくとも3値又は4値の多値ディジタル信
号を電気的に保持する回路を構成したことを特徴とする
多値置数電子装置である。
【0007】本発明の多値置数電子装置においては、階
段形の電圧電流特性を相補の関係{同じ電圧領域でステ
ップして、一方の定電流状態(QA ) が他方の定電流状
態(QB ) を互いに設定する関係;QA +QB =1,V
rn(QA ) +Vrn(QB )=VCC }を保つように構成す
る必要がある。
【0008】
【作用】本発明の回路は次のように多値のフリップフロ
ップ回路の動作をする。電流一定状態では電圧が少し変
化しても電流状態は変わらないでその状態を保持する。
他方、電流が急変する領域では少しの電圧増加で結合回
路の電流が大きく増加し正帰還ループを形成する。
【0009】具体的にはフリップフロップ回路の一方の
トランジスタQA MOS FET−1の出力端子の電圧
増加で他方のトランジスタQB MOS FET−2の入
力電流が増加すると電流状態がステップアップしたトラ
ンジスタQB のコレクタ出力電圧は負荷抵抗によって電
圧がステップダウンする。前記一方のステップダウンし
た前記他方のトランジスタQB の出力電圧は前記一方の
トランジスタQA の電流状態をステップダウンさせ、ト
ランジスタQA のコレクタ電圧は負荷抵抗によってステ
ップアップして正帰還ループを形成する。こうして、限
られた範囲で局部的なフリップフロップの動作をする。
実際回路では結合回路に寄生する並列静電容量によって
電流一定状態でも変化成分の伝達ループが形成されて発
振を起こすが寄生容量が小さな場合には両コレクタ間の
静電容量によって防止できる。
【0010】本発明はこのような、多値置数回路によっ
て1桁が0か1というかわりに{0,1/4, 2/4, 3/4,
1}の5値といった多値ディジタル信号を電気的に保持
する回路ができる。言い換えれば1桁が1ケの珠を持つ
ソロバンのような従来の2値ディジタル信号のレジスタ
を1桁が4個の珠を持つ通常の4つ珠のソロバンのよう
なレジスタとすることができる。本発明はこのような多
値置数器によって多進数情報が2進数デジタル情報のよ
うに処理できて多くの情報を一本の配線で伝えたり、加
えあわせるなどの加算又は乗算演算が途中の回路をアナ
ログ回路にすることも可能となって回路構成が簡単にな
る。
【0011】本発明は階段的な電圧電流特性の素子(階
段関数素子)を従来のフリップフロップの結合回路に用
いることによって階段の段数の安定値を保持する多値置
数回路が構成できるというものである。階段関数素子は
電流がステップアップする定電圧低抵抗部と低電流を保
持する高抵抗部があって結合回路では低抵抗部分で状態
遷移をおこし、高抵抗部分では状態保持をする。
【0012】階段関数素子は電圧入力に対して電流を出
力するので直列接続される電流増幅器としては入力にお
よぼす影響をできるだけ少なくしたい。バイポーラトラ
ンジスタのベース・エミッタ接合は低い立ち上がり電圧
であり、インピーダンスも低いので階段関数素子の電流
を取り出す素子として適している。すなわち、階段関数
素子を入力電圧とトランジスタのベースに接続してコレ
クタの負荷抵抗から電圧を出力する回路である。階段関
数素子とバイポーラトランジスタと負荷抵抗の3つの部
品で量子化反転増幅回路となる。この回路の対を相互に
接続すれば従来のフリップフロップと同じ簡単な回路構
成で多値の置数回路ができる。この回路によって多値レ
ジスタおよび多値メモリが構成できる。この多値フリッ
プフロップのシステムはAD変換を必要とせず入力がア
ナログでもタイミングパルスによってゲートを制御して
入力すればサンプリングされてはいるがアナログ感覚の
情報をデジタル技術で行う様に転送出力することも可能
となる。こうして、実時間で並列分散処理を行うシステ
ムが実現する。
【0013】例えば、音声は周波数成分ごとに強弱に時
間変化するスペクトルパタンによって認識できる。これ
は、多値のフリップフロップを並べたメモリと入力デー
タの情報転送ラインとを対にして識別種類の対数を並列
にならべて、それぞれの記憶音声とパタンマッチングを
調べて最も一致した音声の番地を出力する回路で実現で
きる。
【0014】並列分散処理は識別種類の音声数に周波数
帯数を乗じた対数を配列し、各対には最大時間分割数に
相当する多数のセルを並べることになるので、情報を多
値としてアナログ感覚で一致度の検討をすることが望ま
しい。本発明においては、もともと完全でない入力情報
を取り込む並列分散処理回路には融通のきかない複雑な
デジタル回路を必要としていない。本発明ではアナログ
信号の回路処理で充分である。このような並列分散処理
システムには階段型多値フリップフロップを使用すれば
アナログ信号の回路で処理することができ、従来の素子
で構成する並列分散処理と比較して著しく簡単化でき
る。
【0015】以下図について、本発明の回路構成とその
条件について述べる。図1は階段的I−V特性の結合回
路素子を用いた階段形多値フリップフロップの回路図で
ある。図1において、QA は一方の定電流状態の出力、
B は他方の定電流状態の出力を示す。RC 8,9は抵
抗である。図1に示すように反転増幅回路1,2の対を
設け、その出力を他方の入力に相互に階段関数素子によ
って接続して多値フリップフロップ回路が構成できる。
ここでCdは発振を抑える目的の安定化コンデンサーで
あり、階段関数素子3,4の記号としてMOSFETゲ
ートを階段状にしたものを用いた。この回路は従来のフ
リップフロップの結合回路に階段関数素子SFMOSF
ETを用いることによって階段の段数の安定値を保持す
るのでその特徴を表現したい時、階段型多値フリップフ
ロップと呼ぶ。Vg はゲートのバイアス電圧である。
【0016】階段関数素子3,4の定電流領域では動抵
抗の値は大きく遮断領域となり、電流が階段的に急増す
る領域では動抵抗の値は小さく飛躍領域となり安定状態
が複数個存在する。すなわち、このフリップフロップの
安定値の種類数は階段関数MOSFETゲートの段数で
決まる。本発明装置の構成条件としては一方の安定状態
と他方の安定状態が互いに相補的な関係を安定に保つこ
とである。
【0017】4値の階段形フリップフロップでは定電流
状態の条件として(1) 式の関係が成り立つように階段関
数素子を設定する。
【数1】
【0018】図2にこれらの関係を示す。なお、出力Q
A とQB は表1のように補数の関係になる。
【0019】
【表1】
【0020】高周波特性の設計条件として次の様なもの
がある。結合回路の定電流状態の直流抵抗は非常に大き
いが、寄生するキャパシタンスによって高周波数インピ
ーダンスは減少し、変化分の電圧がバイパスされ非安定
マルチバイブレータと同様に発振を起こす。そこで、本
発明のフリップフロップ回路の結合回路では図1に示す
ように二つの出力(QA とQB )の間に安定化コンデン
サーCdを挿入し、ループの高周波利得を抑圧した。こ
の安定化コンデンサー(Cd)は通常のフリップフロッ
プ回路のスピードアップコンデンサーと逆位相の端子に
接続してあり、スピードアップコンデンサーとは逆に高
速応答のループ利得を減少させている。寄生容量が小さ
い場合にはこの安定化コンデンサーによって中間レベル
の安定状態を安定化することができる。
【0021】コンデンサCdの値を見積もる際に、理想
階段特性の結合回路を仮定すると、正帰還ループが遮断
されている定常状態の出力電圧とトリガ入力の電位差を
【数2】△V=(Vn −Vn-1) として遷移が階段ステップ電圧の半分の値のところで起
こる。この遷移に要する時間は半値幅Th=0.7 R・C
dである。ここで、Rはトリガ回路の抵抗であり、この
時間遅れThはあまり大きなものとはならない。なお、
この間にコンデンサーCdに蓄積される電荷△Qは△Q
=0.5 △V・Cdとなる。
【0022】本発明者が試作した多値フリップフロップ
は入力がなければ幾つかの安定状態の内の1つの値を保
ち続ける。この状態は外部電圧によって別の安定状態に
移すことが可能であり、その時に他方の出力端子は相補
的な安定状態に移行し、その後はその状態を保ち続け
る。
【0023】本発明はおけるフリップフロップ回路の結
合回路の対となる反転増幅器I−B1,I−B2に階段
形の電圧電流特性をもつ素子を挿入し、階段形電圧電流
特性の入力が水平のときは安定状態となり、垂直状態で
は瞬時にステップアップするので、出力は瞬時的に切断
されたとびとびに安定な出力が発生する。図2は階段形
多値フリップフロップの結合条件を示す図である。
【0024】
【実施例】
〔実施例1〕個別部品で構成した多値フリップフロップ
定電流ダイオード(E−101L)ツェナーダイオード
を用いて階段形の電圧電流特性を持つフリップフロップ
回路を作製し、個別部品で多値フリップフロップを作製
した。図3に今回試作した階段形3値フリップフロップ
回路の回路図を示し、図4にはこの結合回路の測定され
た電圧電流特性を示す。図3中の各素子等には、これと
同等の役割を果たす図1中の各素子等と同じ引用番号又
は記号が付してある。階段形多値フリップフロップの一
方の出力端子QA に直接信号を入力すれば、他方の出力
端子QB は量子化出力が観測される。
【0025】図5に一方の出力端子QA を三角波とした
場合の他方の出力端子QB の波形を示す。図5におい
て、VINは一方の出力端子QA の入力電圧、VOUT は他
方の出力端子QB の入力電圧を示す。結合コンデンサの
容量はCd=0.01μFである。
【0026】図6には安定化コンデンサー値が小さい場
合に発生する中間の安定状態付近の発振波形を示す。安
定化コンデンサー値が過度に大きい場合には量子化波形
は変形して、階段特性はソフトになり、中間の安定レベ
ルの値は減少する。入力の繰り返し周波数を上げると、
応答波形は図7に示すようになる。この回路の繰り返し
周波数の上限は5kHz程度であり、静電容量の削減な
どによって改善の余地がある。
【0027】結合コンデンサーを用いることによって多
値フリップフロップの動的応答特性が調べられる。結合
コンデンサーCdに矩形波を加えると微分回路特性によ
ってプラスとマイナスのトリガとなって多値フリップフ
ロップに電圧パルスが加えられることになり、図8に示
す様に入力に同期して二つの状態を交互にとる波形が得
られる。図9はトリガ入力が小さい場合には観測された
入力側と出力側の波形で、相補的な関係で3つの安定状
態があることを示している。
【0028】図10はチョッピングパルスでダイオード
ブリッジを導通させてサンプリングする回路である。ス
イッチング電流が発振器および多値フリップフロップに
流れ込まないようにカレントミラー回路の対を用いてい
る。カレントミラー回路は左右のトランジスタの特性が
同一で左右同一の電流が流れる。pnpトランジスタ1
1A,11Bのカレントミラー回路と直列のnpnトラ
ンジスタ12A,12Bのカレントミラー回路にも同一
の電流が流れる。チョッピングパルス電圧を加えると左
側の回路11A,12Aで電流を決定し、対となる右側
のトランジスタには同一の電流が流れる。右側の回路1
1B,12Bのコレクタ間の電圧はダイオードに挟まれ
た中間点で発振器の電圧で設定されサンプリングの出力
となる。
【0029】図11は図10のサンプリング回路に三角
波を入力し、出力端子に3値のフリップフロップを接続
した場合のダイオードブリッジの入力端子と出力端子の
波形である。出力側の端子には多値フリップフロップの
出力波形も現われている。多値フリップフロップの状態
はサンプリングの入力によって3つの安定状態のどれか
の値に定まる。
【0030】図12は3値のフリップフロップの一方の
出力端子QA と他方の出力端子QBとの波形で、入力が
接続されている端子QA では高レベル時にトリガ波形が
観測されるが、トランジスタが導通している低レベル時
にはトリガのレベルは小さい。入力が接続されていない
出力端子QB にはトリガの波形は殆ど現われない。この
階段形多値フリップフロップの特徴は構造が簡単で多値
のステップを増加することが簡単にできることにある。
【0031】次に定電流ダイオードとツェナーダイオー
ドによってI−V特性を6段の階段とした回路の測定値
を図13に示す。図13に示す回路を結合回路素子とし
てhFE=300のバイポーラトランジスタとRL =25
0Ωの負荷抵抗を用いて6値のフリップフロップを作製
した。図14は図10のサンプリング回路に三角波を入
力し、出力端子に6値のフリップフロップを接続した場
合のダイオードブリッジの両端子の波形である。この段
では入力トリガがフリップフロップの中間安定値を越え
ても遷移しない場合があるがフリップフロップの端子で
はトリガが中間安定値に達すると状態は必ず遷移する。
【0032】図15は6値のフリップフロップの出力端
子QA と出力端子QB の波形で6つの安定状態がサンプ
リング入力によって設定され保持されることが示されて
いる。図16は入力の繰り返しを遅くして多値フリップ
フロップの中間の値の安定性を確認する目的で採取した
特性である。
【0033】〔実施例2〕半導体集積回路で構成する階
段形多値フリップフロップを使用するには半導体集積回
路のなかに組込む技術を考えなければならない。半導体
集積回路で階段関数素子を実現するには定電流ダイオー
ドとツェナーダイオードで構成するよりは、ゲートとド
レインの間に間隙を挿入するMOSFETの方が適して
いる。本発明においては、図17に示すように、従来の
MOSFETのゲート22とドレイン23の間に矩形状
の間隙24を挿入して並列に接続する。つまりゲートと
ドレインの間に階段状の間隙を挿入して、各間隙ごとに
独立するようにゲート電極の段差の境にスリットを入れ
ると階段状の電圧電流特性が得られる。
【0034】図17に階段関数MOSFETの構造を示
し、図18にその測定値を示す。
【0035】この階段関数MOSFETはドレイン空乏
層25がゲートの反転層26に達するとドレイン電流が
流れ始める素子で、従来のMOSFETと比較してその
パンチスルー電圧だけピンチオフ飽和電流領域を大きく
した電圧電流特性を示す。この電圧電流特性をシャープ
な階段にする動作条件としてはゲート電圧をしきい値電
圧より僅かに大きい程度として、飽和電流領域を小さく
して動作させる。ゲート電圧を大きくするとドレイン空
乏層がゲートの反転層に達して電流が流れ始める電圧が
小さくなる傾向がある。これには間隙部分の汚染など表
面効果が関係するので間隙部分を凸形にしてパンチスル
ーが半導体内部で生ずるにする工夫が有効である。
【0036】この階段関数MOSFETはその電圧電流
特性を利用するので、入力電圧とトランジスタのベース
間に挿入するいわば2端子素子として用いられる。そこ
で、ゲート電圧をしきい値電圧より僅かに大きい程度に
して使用するという条件とソースに電圧が印加されるこ
とから階段関数MOSFETの基板効果が問題になる。
測定の結果、階段関数MOSFETの基板効果は従来の
MOSFETの基板効果よりやや大きいが第一近似では
従来のMOSFETと同様に扱えることが明らかになっ
た。すなわち、ソース電圧を基準にしてゲート電圧をし
きい値電圧より僅かに大きい程度にして使用し、ドレイ
ンの立ち上がり電圧もソース電圧を基準にして考えてソ
ース電圧の増加分より余分に大きくなる。
【0037】実用化の際に応答速度は重要な検討項目で
ある。階段関数MOSFETの間隙領域はピンチオフ領
域として作用するだけであるが、階段関数MOSFET
はゲート電圧がしきい値電圧より僅かに大きい程度とい
う条件で動作させるので動作電流が比較的少なく、また
ON,OFF的な動作をさせることが通常のMOSFE
Tと相違している。この動作条件がこの素子の高速応答
の限界を下げている。
【0038】図19はエミッタ接地増幅器を接続した量
子化反転動作をする回路図を示す。この回路はバイポー
ラトランジスタのベース・エミッタ間の立ち上がり電圧
が小さくインピーダンスが低いのでほぼ階段関数MOS
FETによって入力電圧(v in) とベース電流(IB )
の関係が決まる。ベース・エミッタ間の特性は0.55Vの
定電圧として近似できる。図式解法でベース電流とコレ
クタの電圧出力の関係はVCEを横軸にIC を縦軸として
バイポーラトランジスタの特性と負荷抵抗R1による負荷
線の交点として与えられる。図20の階段関数MOSF
ETの特性はソース電圧を−0.5 Vから−0.6 Vまで印
加したものである。この素子を図19の回路に用いて測
定したのが図21の特性である。図21の特性は図20
を正確に再現しており1ミリ秒程度の繰り返し変化には
忠実に応答できることを示している。
【0039】図22に示す2kHzの三角波を入力した
場合には出力波形がヒステリシスを持つかのように変形
している。しかし、この波形歪はトランジスタのベース
側のキャパシタンスにより積分回路が構成され、三角波
の積分つまり二乗特性によって波形が変形していると考
えられる。ところで、図17から図22の測定に用いた
階段関数MOSFETのゲート部分の静電容量はTOX
0.037,L=200,W=400(μm )であり、計算す
るとC=77pFに達する。このキャパシタンスはソー
ス側に接続されており接合トランジスタのベース側のキ
ャパシタンスとして作用する。
【0040】図23に示す階段形電圧電流特性は縮小構
造の階段関数MOSFETによるものであり、ゲート長
は10分の1のL=20μm 、ゲート幅はW=30×4
μmである。この素子の高周波応答は微分波形で重ね合
わされた特性が測定されてあまり改善されなかった。こ
の素子は最初のウエハー酸化で形成した間隙部の酸化膜
とn形半導体の界面を最後まで残し、再分布現象でリン
の界面における濃度を濃くしてパンチスルーを内部で起
こすようにしたが、このリンの濃度が濃いn+となった
導通界面がドレインと反転層付近で接合容量を介してバ
イパスしていると考えられる。
【0041】こうして、階段関数MOSFETの動的応
答特性を向上させるには、素子構造をゲート酸化膜を薄
くして流れる電流を多くするとともに、サイズを小さく
してキャパシタンスを小さくするなどの、素子構造の設
計あるいは電気分極やトラップなどを起こさないように
汚染を防ぐ製造プロセスの工夫など種々の改善を重ねる
必要がある。
【0042】多値フリップフロップ半導体集積回路を製
造プロセスの視点から検討すると、Bi−MOS構造で
あってもpnpトランジスタのp領域の形成の際にp−
チャンネルMOSFETのソース並びにドレインおよび
拡散抵抗を形成することも可能で、製造工程はあまり複
雑にはならない。バイポーラトランジスタをラテラル型
とすればp形のエミッタおよびコレクタが同時に形成で
きるがラテラル型は電流増幅率(hFE) はやや小さな値
である。
【0043】このようにして階段関数MOSFETを組
み込むことによって半導体集積回路で構成する多値フリ
ップフロップは非常にコンパクトになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】階段的I−V特性の結合回路素子を用いた階段
型多値フリップフロップ回路図である。
【図2】階段型多値フリップフロップの結合条件を示す
特性図である。
【図3】本発明で試作した階段形3値フリップフロップ
回路の回路図である。
【図4】個別ダイオードによる3値フリップフロップ回
路の結合回路の特性図である。
【図5】直接入力による階段型3値フリップフロップの
量子化特性図である。
【図6】中間安定状態の発振(安定化コンデンサーの容
量が不足した場合)を示す特性図である。
【図7】繰り返し2kHzにおける量子化された出力波
形図である。
【図8】結合コンデンサーに矩形波を加えた場合の特性
図である。
【図9】結合コンデンサーに小振幅の矩形波を加えた場
合の3つの安定状態を示す特性図である。
【図10】カレントミラー電流制御のダイオードブリッ
ジサンプリング回路図である。
【図11】3値フリップフロップに接続したサンプリン
グダイオードブリッジの入出力波形図である。
【図12】3値フリップフロップ回路の出力波形図であ
る。
【図13】定電流ダイオードとツェナーダイオードによ
る6階段のI−V特性図である。
【図14】6値フリップフロップに接続したサンプリン
グダイオードブリッジの入出力波形図である。
【図15】6値フリップフロップ回路の出力波形図であ
る。
【図16】6値フリップフロップ回路の中間安定状態の
確認のための試験特性図である。
【図17】階段関数MOSFETの構造を示す平面図及
び断面図である。
【図18】階段関数MOSFETの電圧電流特性図であ
る。
【図19】階段関数MOSFETを用いた量子化反転増
幅回路図である。
【図20】組み込み条件の階段関数MOSFETの電圧
電流特性図である。
【図21】量子化反転増幅回路の動的応答(500H
z)特性図である。
【図22】量子化反転増幅回路の動的応答(2kHz)
特性図である。
【図23】ゲート長20μm の階段関数MOSFETの
電圧電流特性図である。
【符号の説明】
1,2 反転増幅回路 3,4 階段関数素子 8,9 抵抗 11A, 11B pnp トランジスタ 12A, 12B npn トランジスタ 21 ソース 22 ゲート 23 ドレイン 24 間隙 25 空乏層 26 反転層 QA , QB 出力端子

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2値置数電子回路であるフリップフロッ
    プ回路において、対となる反転増幅器の出力から入力に
    互に結合する回路に階段形の電圧電流特性を持つ素子を
    挿入し、多値デジタル信号を保持する回路を構成したこ
    とを特徴とする多値置数電子装置。
  2. 【請求項2】 前記フリップフロップ回路において、両
    コレクタ間に静電容量を接続し、フリップフロップ回路
    の結合回路に寄生する並列静電容量によって電流一定状
    態でも変化成分の伝達ループが形成されて発振を起こす
    ことを防止し、安定な動作を実現させるよう構成した請
    求項1記載の多値置数電子装置。
  3. 【請求項3】 前記回路を駆動するゲート回路として、
    ゲートパルスが信号回路に影響を及ぼさない回路とし
    て、npnトランジスタのカレントミラー回路と、pn
    pトランジスタのカレントミラー回路との対でダイオー
    ドブリッジをスイッチングする回路を具備する請求項1
    記載の多値置数電子装置。
  4. 【請求項4】 前記回路の結合回路に定電流ダイオード
    と、ツェナーダイオードとを用いて階段形電圧電流特性
    を持たせた回路を使用する請求項1記載の多値置数電子
    装置。
  5. 【請求項5】 2値置数電子回路であるフリップフロッ
    プ回路において、対となる反転増幅器の出力から入力に
    互に結合する結合回路に、ゲートとドレーン間に階段形
    ギャップを挿入し、階段形電圧電流特性を持たせたMO
    S FET素子(SFMOSFET)を挿入し、とびと
    びに発生する出力を安定状態に保持することにより、多
    値デジタル信号を保持する半導体集積回路を構成したこ
    とを特徴とする多値置数電子装置。
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