JPH076543U - 周波数感応型緩衝器 - Google Patents

周波数感応型緩衝器

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JPH076543U
JPH076543U JP3524693U JP3524693U JPH076543U JP H076543 U JPH076543 U JP H076543U JP 3524693 U JP3524693 U JP 3524693U JP 3524693 U JP3524693 U JP 3524693U JP H076543 U JPH076543 U JP H076543U
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spool
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JP3524693U
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Inventor
秀明 折原
健久 石橋
Original Assignee
株式会社ユニシアジェックス
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高減衰力側への特性変更時における異音の発
生や乗り心地の悪化を防止することができる周波数感応
型緩衝器の提供。 【構成】 バイパス流路Gの断面積を絞る方向へのスプ
ール31の摺動を抑制する方向に弾発力が作用するセン
タリングスプリング32,33と、バイパス流路Gの断
面積を絞る摺動方向側のスプール31の端面と、スプー
ル31の摺動を規制するシート部材16,18の端面と
にそれぞれ設けられていて互いに同一極性同士を対向さ
せた環状の永久磁石40,41、42,43と、を設け
た。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、緩衝器のストローク周波数に感応して減衰力特性を自動的に変化さ せる周波数感応型緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、周波数感応型緩衝器として、例えば、実公昭63−27157号公報に 記載されているようなものが知られている。 この従来の緩衝器は、ピストンで画成された2室を連通する連通路と、この連 通路に設けられた減衰バルブと、この減衰バルブの撓み特性を変更させるべく摺 動穴内に摺動自在に設けられたディスクバルブと、このディスクバルブの上端面 に形成されたチェックバルブ及び絞りを介して連通路と連通した伸側受圧室とが 設けられており、低周波ストローク時と高周波ストローク時とで減衰力特性を異 ならせている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来の緩衝器にあっては、伸・圧両行程の減衰力 特性を周波数に感応させて自動的に変化させるためには、伸側と圧側の減衰力可 変構造を、ピストン側とベース側とにそれぞれ独立して組み込む必要があり、構 造が複雑になると共に、コスト高となる。加えて減衰力特性が減衰バルブの特性 のみにより決定されるので、速度2/3乗特性となり、低速域の減衰力が高く成 り過ぎる。
【0004】 そこで、このような問題を解決するために本願出願人は、ピストンにより画成 された2室を連通する連通路にストローク量に応じて連通路の流路断面積を変更 するスプールを設け、かつ、このスプールが2室の流体圧差及び周波数に対応し てストロークしたりしなかったりする構成の周波数感応型の緩衝器を、先願の特 願平1−322898号において提案している。
【0005】 この先願の周波数感応型緩衝器は、緩衝器内を上部室と下部室に画成したピス トンと、該ピストンに設けられ、2室間の流体の流通を制限することで減衰力を 発生する減衰バルブと、該減衰バルブを迂回して2室間を連通するバイパス流路 と、前記画成され各室に連通された伸側受圧室または圧側受圧室の液圧を受圧し て摺動し、この摺動に対応してバイパス流路の断面積を絞るスプールと、画成さ れた各室と各両受圧室との間にそれぞれ設けられたカット用絞りと、前記バイパ ス流路の断面積を絞る方向へのスプールの摺動を抑制する方向(中立位置方向) に弾発力が作用するセンタリングスプリングとを備えたものであった。
【0006】 即ち、緩衝器が所定の周波数未満の低周波数でストロークする時は、画成され た各室の流体圧力がカット用絞りを通過して受圧室に伝達されることから、受圧 室の流体圧力が上昇してスプールを摺動させ、この摺動で、バイパス流路の断面 積が絞られて減衰力特性を高減衰力側に変更すると共に、緩衝器が所定の周波数 以上の高周波でストロークする時は、カット用絞りによる高周波カット作用で受 圧室への流体圧力の伝達を阻止し、これにより、減衰力特性を低減衰力状態に維 持させるようにしたものであった。
【0007】 しかしながら、このような先願の周波数感応型緩衝器にあっては、センタリン グスプリングのばね定数が線形であって、スプールの摺動速度が一定であること から、特に閉じ切り側での絞りの断面積変化が急激となり、このため、バイパス 流路が急激に閉じられることで緩衝器内の流体圧が急激に変動して異音を発生さ せたり、高減衰力側への急激な特性変化により、乗り心地を悪化させるという問 題があった。
【0008】 尚、センタリングスプリングとしてばね定数の高いものを用いることで上述の 問題を解消することができるが、圧縮初期のばね定数も高くなることからスプー ルの摺動開始時期にばらつきを生じさせるという別の問題が生じる。
【0009】 本考案は、上述のような従来の問題に着目して成されたもので、高減衰力側へ の特性変更時における異音の発生や乗り心地の悪化を防止することができる周波 数感応型緩衝器を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述のような目的を達成するために、本考案の周波数感応型緩衝器では、緩衝 器内を2室に画成したバルブボディと、該画成された2室間の流体の流通を制限 することで減衰力を発生する減衰力発生手段と、該減衰力発生手段を迂回して2 室間を連通するバイパス流路と、前記画成された室に連通された受圧室の液圧を 受圧して摺動し、この摺動に対応してバイパス流路の断面積を絞る可動部材と、 前記画成された室と受圧室との間に設けられたカット用絞りと、前記バイパス流 路の断面積を絞る方向への可動部材の摺動を抑制する方向に弾発力が作用するス プリングと、前記バイパス流路の断面積を絞る摺動方向側の可動部材端面と、該 可動部材の摺動を規制するストッパ部材の端面とにそれぞれ設けられていて互い に同一極性同士を対向させた永久磁石とを備えた手段とした。
【0011】
【作用】
ピストンの行程時には、液圧差に基づきバルブボディにより画成された一方の 室から他方の室へ流体が流通し、これにより減衰力発生手段において減衰力が発 生する。そして、減衰力発生手段に設けられた可動部材が受圧室の液圧を受圧し て摺動し、この摺動に対応して自動的に減衰力特性の変更が成される。この場合 、例えば、画成された両室の液圧差が大きいと摺動量が大きくなって両液室間の 流路断面積を絞り高減衰力特性とするような変更を行うことができる。
【0012】 また、このように可動部材の摺動により減衰力特性を変更することができるが 、この減衰力特性の変更は、緩衝器のストローク周波数に応じてキャンセルされ る。即ち、緩衝器が所定の周波数未満の低周波数でストロークする時は、画成さ れた室の流体圧力がカット用可変絞りを通過して受圧室に伝達され、可動部材で 受圧される。従って、可動部材の摺動が成されて減衰力特性の変更が成される。 一方、緩衝器が所定の周波数以上の高周波数でストロークした時は、カット用 可変絞りによる高周波カット作用により受圧室への液圧の伝達が規制され、可動 部材では画成された室の流体圧力の受圧が成されなくなる。従って、可動部材の 摺動が成されず、減衰力特性の変更は成されない。
【0013】 また、可動部材は、スプリングにより弾性支持されていてその摺動が抑制され るもので、その摺動初期の段階ではスプリングの低いばね定数により、摺動開始 時期を安定させることができ、また、絞りの閉じ切り側では、同一極性同士が対 向する両永久磁石相互間で発生する反発磁力が加わって、可動部材の摺動が大き く減速されることから、高減衰力側への特性変更が緩やかに行なわれ、これによ り、異音の発生や乗り心地の悪化を防止することができる。
【0014】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面により詳述する。 まず、実施例の構成について説明する。 図1は、本考案実施例の周波数感応型緩衝器を示す断面図である。図中1は円 筒状のシリンダであって、ピストンロッド2の下端小径部にナット8で締結され たピストン3によって内部が上部室Aと下部室Bとに画成されている。また、こ のシリンダ1の下端にはベース4が設けられている。
【0015】 前記シリンダ1の外周には外筒5が設けられ、シリンダ1の外周に下部室Bと ベース4で画成されたリザーバ室Cを形成している。尚前記外筒5の上部にはス プリングシート6が固着され、また、下端部にはナックルスピンドル7が固着さ れている。
【0016】 次に、図2は図1のE部拡大図であって、前記ピストン3の上面には圧行程時 に開弁して減衰力を発生する圧側減衰バルブ3aが設けられ、一方、下面には伸 行程時に開弁して減衰力を発生する伸側減衰バルブ3bが設けられている。尚、 この伸側減衰バルブ3bは、スプリング3cにより付勢されている。また、前記 ピストンロッド2には、両減衰バルブ3a,3bを迂回して両室A,Bを連通す るバイパス孔2aが形成されている。
【0017】 次に、図3は図1のF部拡大図であって、この図に示すように、ナット8の下 端には、後述する減衰力特性を変更するための機構を収容する円筒状のケース1 1が固定されている。そして、このケース11の内部に前記バイパス孔2aと連 通した大径穴11aが形成されていて、この大径穴11aの内部には上方から順 に、リテーナ12,ワッシャ13,伸側チェックプレート14,伸側オリフィス プレート15,伸側シートプレート16,スプールハウジング17,圧側シート プレート18,圧側オリフィスプレート19,圧側チェックプレート20,ワッ シャ30,リテーナ21,スタッド22,ワッシャ23a,圧側低減衰バルブ2 4,サブバルブボディ25,伸側低減衰バルブ26,ワッシャ23b,カラー2 7,リテーナ28が装着され、ケース11の下端をかしめてこれらを固定してい る。
【0018】 さらに詳述すると、前記スプールハウジング17は、その軸心部にスプール穴 17aが形成された円筒状に形成され、その外周面中途部には、大径穴11aの 内周面との間をシールするシールリング29を装着した環状突出部17bが形成 されている。
【0019】 前記リテーナ12は、薄手の板素材の中央部に中央孔12aが形成されると共 に、その外周部には、周方向等間隔のもとに形成された切欠き部12bによって その中途部からそれぞれ下向きに折曲された複数本の脚片部12cが形成されて いる。
【0020】 前記伸側チェックプレート14は、図4に示すように、可撓性を有する薄手の 板素材にその一部を残した切欠環状孔14aを形成することによって、環状の外 周固定部14bと、中央の円形弁部14cと、両者間を連通する連結部14dと が形成されている。
【0021】 前記伸側オリフィスプレート15は、図5に示すように、薄手の板素材の中央 部に、前記圧側チェックプレート14の弁部14cより小径の中央孔15aが形 成され、該中央孔15aの外周で前記圧側チェックプレート14の切欠環状孔1 4aと対向する位置にはその周方向に沿って円弧状の長穴15bが形成され、さ らに、該長穴15bの中間部と中央孔15a間が細幅の切欠き部15cで連結さ れている。
【0022】 図3に戻り前記伸側シートプレート16は、厚手の板素材の中央部に、前記圧 側オリフィスプレート15の中央孔15aよりは小径の中央孔16aが形成され ている。また、前記ワッシャ13と伸側チェックプレート14と伸側オリフィス プレート15と伸側シートプレート16は、スプールハウジング17と同径に形 成されると共に、リテーナ12とスプールハウジング17の上部開口端面との間 でその外周部を挟持固定した状態で設けられている。そして、リテーナ12は、 その脚片部12cの先端部がケース11とスプールハウジング17との間に形成 された上部環状空間17c内に挿入した状態で設けられている。
【0023】 即ち、図6に示すように、伸側オリフィスプレート15における中央孔15a の開口縁上面で弁部14cが当接するシート面a1 を形成すると共に、切欠き部 15cの開口幅w(図5参照)と伸側オリフィスプレート15の厚みh1 とで形 成される開口部で伸側カット用絞りb1 を形成している。
【0024】 次に、図3に戻り、前記リテーナ21、圧側シートプレート18、圧側オリフ ィスプレート19、圧側チェックプレート20は、上述のリテーナ12、伸側シ ートプレート16、伸側オリフィスプレート15、伸側チェックプレート14と それぞれ同一形状であって、向かい合わせに組み付けられているもので、前記の 場合と同様に圧側カット用絞りb2 を形成している。
【0025】 前記スタッド22は、大径部22aの下端中央部に、その軸心部に貫通孔22 bを穿設した小径部22cが形成されている。そして、上述の圧側シートプレー ト18、圧側オリフィスプレート19、及び、圧側チェックプレート20が、前 記スプールハウジング17の下部開口端面とリテーナ21との間でその外周部を 挟持した状態で設けられている。
【0026】 前記スタッド22の小径部22cには、上部から順に前記ワッシャ23a,圧 側低減衰バルブ24,サブバルブボディ25,伸側低減衰バルブ26,ワッシャ 23b,カラー27,リテーナ28が装着されている。
【0027】 さらに詳述すると、前記サブバルブボディ25の上面には一部切欠環状溝25 aが形成され、さらにその外周には、シート面25bが形成され、このシート面 25bには、前記圧側低減衰バルブ24が当接されている。そして、前記環状溝 25aは、サブバルブボディ25に穿設された圧側流路25c及びリテーナ28 に穿設された連通孔28aによって下部室Bと連通されている。
【0028】 一方、サブバルブボディ25の下面には一部切欠環状溝25dが形成され、さ らにその外周には、シート面25eが形成され、このシート面25eには、前記 伸側低減衰バルブ26が当接されている。そして、前記環状溝25dは、サブバ ルブボディ25に穿設された伸側流路25fによって大径穴11aと連通されて いる。
【0029】 尚、前記リテーナ21は、その脚片部12cの先端部をケース11とスプール ハウジング17との間に形成された下部環状空間17d内に挿入した状態で設け られている。
【0030】 前記スプールハウジング17には、環状突出部17bを挟んで上下に上部環状 空間17cとスプール穴17a間を連通する複数の伸側ポート17e及び下部環 状空間17dとスプール穴17a間を連通する複数の圧側ポート17fが形成さ れている。そして、前記スプール穴17a内には、その上下両面側に伸側受圧室 D1 及び圧側受圧室D2 を画成して可動部材としてのスプール31が上下方向摺 動可能に設けられている。
【0031】 従って、伸側受圧室D1 には、伸側カット用絞りb1 を巡る伸側伝達路Mを経 由して上部室A側の流体圧が伝達可能となっている。一方、圧側受圧室D2 には 、同様に圧側カット用絞りb2 を巡る圧側伝達路Nを経由して下部室B側の流体 圧が伝達可能となっている。
【0032】 前記スプール31の外周面には、上下両端部に両ポート17e,17fを開閉 するための端部ランド31a,31bが形成されると共に、中間部には前記端部 ランド31a,31bよりは僅かに小径の絞りランド31cが形成されていて、 両端部ランド31a,31bと絞りランド31cの間には両ポート17e,17 fとそれぞれ連通する環状溝31d,31eが形成されている。そして、前記端 部ランド31a,31bと絞りランド31cの直径差により、絞りランド31c とスプール穴17aの内周面との間に形成される環状のコンスタントオリフィス cの断面積が、各伸側ポート17e(または各圧側ポート17f)の合計開口断 面積よりは小さくなるように設定されている(図8参照)。
【0033】 一方、スプール穴17aの内周面側には前記絞りランド31cよりは幅広で、 両環状溝31d,31e間を連通する環状溝17gが形成されている。
【0034】 即ち、図8に示すように、前記各端部ランド31a,31bの内周縁部と各ポ ート17a,17bとの間で伸側第1可変絞りHと圧側第1可変絞りJがそれぞ れ形成され、また、絞りランド31cの上下両端縁部と環状溝17gの上下開口 縁部との間で伸側第2可変絞りKと圧側第2可変絞りLがそれぞれ形成されてい る。そして、前記各ポート17e,17fの開口径dよりも、絞りランド31c の上下両端縁部と環状溝17aの上下両開口縁部との間の軸方向幅hの方が幅狭 (約1/2)になるように設定されている。
【0035】 図3に戻り、前記ケース11の内部には、伸側第1可変絞りHと、圧側第1可 変絞りJと、伸側第2可変絞りKと、圧側第2可変絞りLと、伸側低減衰力バル ブ26または圧側低減衰バルブ24を巡って前記バイパス孔2a(上部室A側) と下部室Bとを連通するバイパス流路Gが形成されている。従って、このバイパ ス流路Gは、スプール31の摺動により伸側第1可変絞りHと伸側第2可変絞り K、または、圧側第1可変絞りJと圧側第2可変絞りLのいずれかが絞られて流 路断面積が狭められる構成となっている。尚、前記スプール31は、上下のセン タリングスプリング32,33により全可変絞りH,J,K,Lがいずれも全開 状態となる中立位置に弾性的に保持されている。さらに、スプール31の両端面 に形成された環状溝内には、環状の永久磁石40,41が装着される一方で、こ の各永久磁石40,41と対向する圧側シートプレート(ストッパ部材)16と 伸側シートプレート(ストッパ部材)18の内面側にそれぞれ形成された環状溝 内には、それぞれ対向する永久磁石40,41と同一の極性を有する永久磁石4 2,43が装着されている。
【0036】 次に、実施例の作用について説明する。 ピストン3がストロークすると、両室A,B間で流体が流通し、その際に、両 減衰バルブ3a,3bを経由することや、バイパス流路Gを流体が流通する際に 各可変絞りH,J,K,L及び両低減衰バルブ24,26のいずれかを経由する ことでその流通が制限され、これにより減衰力が発生する。
【0037】 そして、この減衰力特性は、バイパス流路Gの流体流通量により、即ち、スプ ール31の位置により変化する。即ち、上部室A及び下部室Bの流体圧は、伸側 伝達路M及び圧側伝達路Nを介して、伸側受圧室D1 及び圧側受圧室D2 に伝達 することができる。
【0038】 従って、スプール31は両室の流体圧差によりストロークし、それにより、バ イパス流路Gの途中に形成される可変絞りH,J,K,Lの断面積が変化して減 衰力特性が変化する。即ち、図8の(イ)に示すように、スプール31が中立位 置である時には、全可変絞りH,J,K,Lがいずれも全開状態となっていて最 も低い減衰力特性となる。そして、上下いずれかの方向にストロークすると、ま ず、図8の(ロ)に示すように、伸側第1可変絞りH(または圧側第1可変絞り J)が略半分閉じられた時点で、伸側第2可変絞りK(または圧側第2可変絞り L)が全閉状態となり、従って、この時点では、環状のコンスタントオリフィス cの断面積までバイパス流路Gの断面積が絞られることで、高い減衰力特性とな る。次に、図8の(ハ)に示すように、伸側第1可変絞りH(または圧側第1可 変絞りJ)が完全に閉じられた時点では、バイパス流路Gの流体流通が完全に停 止され、これにより最も高い減衰力特性となる。
【0039】 即ち、図7はスプール31のストローク量に対するバイパス流路断面積特性を 示す図であって、同図の実線で示すように、ストロークの中途部から終盤付近ま での間では、伸側第2可変絞りK(または圧側第2可変絞りL)が絞られること からその断面積変化が線形特性となり、これにより、バイパス流路Gの断面積変 化率が閉じ切り側で小さくなり、この断面積の変化率に対応して、減衰力特性の 変化率も小さくなる。尚、図7の点線は従来例の特性図を示している。
【0040】 また、スプール31の摺動は両センタリングスプリング32,33により抑制 されるもので、その摺動初期の段階では低いばね定数により速く摺動するが、絞 りの閉じ切り側では、同一極性同士が対向する可動側の各永久磁石40,41と 、固定側の各永久磁石42,43との相互間で発生する反発磁力が加わることか ら、その摺動が大きく減速され、従って、バイパス流路Gの断面積変化率が閉じ 切り側で小さくなり、この断面積の変化率に対応して、減衰力特性の変化率も小 さくなる。
【0041】 尚、両伝達路M,Nの途中にはカット用絞りb1 ,b2 が形成されているため 、低周波振動時には上述の流体圧の伝達が成されて高減衰力特性への変更が成さ れるが、高周波振動時には、このカット用絞りb1 ,b2 で流体圧の伝達がカッ トされ、低減衰力特性に維持される。
【0042】 以上説明してきたように、実施例の周波数感応型緩衝器では、スプール31の 摺動初期の段階ではセンタリングスプリング32,33の低く設定されたばね定 数により摺動開始時期を安定させることができると共に、絞りの閉じ切り側では 、可動側の各永久磁石40,41と、固定側の各永久磁石42,43との反発磁 力でその摺動が大きく減速されることから、高減衰力側への特性変更が緩やかに 行なわれ、これにより、異音の発生や乗り心地の悪化を防止することができると いう特徴を有している。
【0043】 また、実施例では、スプール31のストローク量に対する断面積変化が線形特 性となる第2可変絞りK,Lを第1可変絞りH,Jと直列に配設することで、バ イパス流路Gの断面積変化率を閉じ切り側で小さくすることができ、この断面積 の変化率に対応して、減衰力特性の変化率も小さくすることができるため、異音 の発生や乗り心地の悪化防止効果をさらに高めることができるという特徴を有し ている。
【0044】 以上、本考案の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成は、この実 施例に限られるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲における設計変更 等があっても本考案に含まれる。
【0045】 例えば、実施例では、バルブボディとしてピストンに適用した場合を示したが 、その他にベース等にも適用することができる。
【0046】
【考案の効果】
以上説明してきたように、本考案の周波数感応型緩衝器にあっては、バイパス 流路の断面積を絞る方向への可動部材の摺動を抑制する方向に弾発力が作用する スプリングの他に、バイパス流路の断面積を絞る摺動方向側の可動部材端面と、 該可動部材の摺動を規制するストッパ部材の端面とにそれぞれ設けられていて互 いに同一極性同士を対向させた永久磁石を備えた構成としたことで、絞りの閉じ 切り側では永久磁石同士の反発磁力によって可動部材の摺動が大きく減速される ことから、特性変更が緩やかに行なわれ、これにより、高減衰力側への特性変更 時における異音の発生や乗り心地の悪化を防止することができるようになるとい う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案実施例の周波数感応型緩衝器を示す全体
図である。
【図2】図1のE部拡大図である。
【図3】図1のF部拡大図である。
【図4】伸側チェックプレートを示す平面図である。
【図5】伸側オリフィスプレートを示す平面図である。
【図6】図3のP部拡大図である。
【図7】ストローク量に対するバイパス流路断面積特性
図である。
【図8】(イ),(ロ),(ハ) は実施例の作用説明図である。
【符号の説明】
A 上部室 B 下部室 b1 伸側カット用絞り b2 圧側カット用絞り D1 伸側受圧室 D2 圧側受圧室 G バイパス流路 3 ピストン(バルブボディ) 3a 圧側減衰バルブ(減衰力発生手段) 3b 伸側減衰バルブ(減衰力発生手段) 31 スプール(可部材動) 32 センタリングスプリング 33 センタリングスプリング 40 永久磁石 41 永久磁石 42 永久磁石 43 永久磁石

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緩衝器内を2室に画成したバルブボディ
    と、 該画成された2室間の流体の流通を制限することで減衰
    力を発生する減衰力発生手段と、 該減衰力発生手段を迂回して2室間を連通するバイパス
    流路と、 前記画成された室に連通された受圧室の液圧を受圧して
    摺動し、この摺動に対応してバイパス流路の断面積を絞
    る可動部材と、 前記画成された室と受圧室との間に設けられたカット用
    絞りと、 前記バイパス流路の断面積を絞る方向への可動部材の摺
    動を抑制する方向に弾発力が作用するスプリングと、 前記バイパス流路の断面積を絞る摺動方向側の可動部材
    端面と、該可動部材の摺動を規制するストッパ部材の端
    面とにそれぞれ設けられていて互いに同一極性同士を対
    向させた永久磁石と、 を備えたことを特徴とする周波数感応型緩衝器。
JP3524693U 1993-06-29 1993-06-29 周波数感応型緩衝器 Pending JPH076543U (ja)

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JP3524693U JPH076543U (ja) 1993-06-29 1993-06-29 周波数感応型緩衝器

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