JPH0765204B2 - 鉄酸化物の溶解除去法 - Google Patents

鉄酸化物の溶解除去法

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JPH0765204B2 JP30738986A JP30738986A JPH0765204B2 JP H0765204 B2 JPH0765204 B2 JP H0765204B2 JP 30738986 A JP30738986 A JP 30738986A JP 30738986 A JP30738986 A JP 30738986A JP H0765204 B2 JPH0765204 B2 JP H0765204B2
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    • C23G1/00Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は金属表面の鉄酸化物を化学的に溶解除去する方
法に関するもので、熱間圧延処理により製造される鋼板
表面に生成する酸化物、水と接する配管機器の内側表面
に形成した鉄酸化物スケール、例えばジャケット付グラ
スライニング製容器および配管のジャケット内部に形成
した鉄酸化物スケール、高圧ボイラーの循環水ラインに
形成した酸化物スケール、および水冷形原子炉の金属構
造部に形成する鉄酸化物等を除去する方法に関する。
〈従来の技術〉 高温の状態で金属表面に生成した鉄酸化物、例えば熱間
圧延処理によって製造される鋼板表面に形成する酸化
物、高圧ボイラーの循環水ラインまたはドラム内表面に
形成する酸化物の除去には従来から酸洗処理が行なわれ
てきている。
酸洗は通常インヒビターを加えた硫酸、塩酸またはフッ
酸などの溶液中に試料を浸漬するか、またはこれらの溶
液を被処理対象物である配管、装置へ循環させるなどの
方法で行なわれている。
グラスライニング製機器のジャケット内の鉄酸化物スケ
ールの除去方法については、特に確立された技術はな
く、ジャケットを切り破り、物理的に除去したのち溶接
復旧するとか、水ジェット洗浄により部分的に水ジェッ
トの届く範囲について洗浄したり、母材の腐食を抑制し
ながら酸洗浄する方法がとられている。
また原子力発電プラントの一次冷却水系統の配管及び機
器等の表面に形成された酸化物は運転経過とともに強度
の放射能をおび、これらの設備の定期点検に際しては事
前にこれら酸化物の除染を行ない、人体に対する被曝を
低減せしめる必要がある。この除染方法としては、例え
ば「原子力施設における除染技術」〔昭和59年12月20日
(株)テクノプロジェクト発行〕に紹介されているよう
な物理的方法、電気化学的方法あるいは化学的方法など
が知られている。物理的方法としては、高圧水を噴射す
るウォータージェット法、ブラスト材を超高速で噴射さ
せ、その衝撃力で表面を研磨するブラスト法などが知ら
れている。また電気化学的方法としては、電解研磨法、
電解還元溶解法等が知られている。化学的方法は酸化物
被膜を考慮して選定した酸、酸化剤、還元剤、キレート
化剤等を混合した処理液を使用する方法であり、これら
の処理液を循環させることにより、複雑な経路を有する
配管や機器の内面の酸化物を溶解除去できる点で優れて
いる。汚染された金属表面を無機酸または有機酸の水溶
液で汚染除去する方法は既に試みられている。また2段
式のAPAC方法(アルカリ性過マンガン酸塩−アンモニウ
ム−クエン酸塩を使用する方法)あるいは還元剤として
電解還元して調整されたV(II)イオンまたはCr(II)
イオンのような低酸化状態における遷移金沿イオン(Lo
w Oxidation state Metal Ion)を使用するLOMI方法
(特開昭57−54898号公報等)が知られている。キレー
ト化剤と有機酸を含む処理液を用いる方法としては、ダ
ウ・ケミカル社の開発したNS−1法が代表的である。
〈発明が解決しようとする問題点〉 酸洗では酸化物スケールを溶解するのではなく、酸が酸
化物スケールの弱点から中にはいり、FeとFe3O4との間
に局部電池が生じてこの作用によってFeとFe3O4とは界
面の部分が腐食されてスケールが脱落すると考えられて
いる。したがって酸洗は母材の腐食を防止するためにイ
ンヒビターを用いるものの、酸による母材の腐食は避け
がたいし、インヒビターの選択をはじめ、酸洗条件の設
定及び実施時の管理に多大な労力を必要とする。また通
常の酸洗方法では水素が発生し、これが鉄材を透過す
る。グラスライニング精製器のジャケット内部の鉄酸化
物スケールを酸洗除去する場合には、この発生水素が機
器の鋼材を透過し、グラスライニング側に達して滞留
し、一定の量と圧力を蓄えた後にグラス側へ強い力とな
ってライニンググラスを剥離、破損するいわゆる酸衝撃
を起こし好ましくない。従って、インヒビターを加えて
母材の腐食を抑制しながら行なう方法も試みられている
が、条件設定あるいは実施時の管理が難しく往々にして
酸衝撃を起こしている。グラスライニング製機器のジャ
ケット内部の鉄酸化物スケールをジェット洗浄法等の物
理的に除去する方法も、構造上制約されて全面にわたる
充分な除去は出来ない。
NS−1法はキレート化剤、有機酸等を約7wt%含む濃度
の除染液を使用しており、多量の汚染廃棄物を生じ、こ
の貯蔵ならびに処理に問題点を有している。
またLOMI方法によれば還元剤として使われるV(II)ま
たはCr(II)イオンは、いずれも電解還元によって得ら
れるもので、その製造及び貯蔵には特別の配慮が必要と
される。
さらに除去剤に用いられるこれらの金属イオンの濃度は
10-3〜2Mと比較的高濃度で使用されることが示されてい
る。
かかる事情に鑑み、本発明者は金属表面の鉄酸化物の溶
解除去法について鋭意検討した結果、キレート化剤を含
む処理液に還元性二価金属の有機酸塩を共存させること
により、母材の腐食とそれにともなって発生する水素の
母材への透過を極力おさえ、かつ低濃度の処理液で容易
に金属表面の鉄酸化物を迅速に溶解除去できることを見
い出し本発明を完成させるに至った。
〈問題点を解決するための手段〉 本発明は金属表面の鉄酸化物を迅速かつ効率的に溶解除
去する方法に関するものである。さらに詳しくは金属表
面の鉄酸化物をキレート化剤を含む処理液で溶解除去す
る方法において、処理液に還元性二価金属の有機酸塩を
0.05×10-3〜1.0×10-3mol/共存させ、かつ溶解除去
操作の間の処理液のpHを4.0〜5.0の範囲に保持すること
を特徴とする鉄酸化物の溶解除去法に関する。
金属表面とは鉄酸化物が形成される可能性のある金属表
面であって、例えば一般に水と接する配管機器の内側表
面、熱間圧延処理によって製造された粗材としての鋼板
表面または原子力発電プラントにおける一次冷却水が接
する配管、機器等の内側表面及び放射能により汚染され
た金属構造物、工具等の表面等である。
また鉄酸化物はこれら金属表面において酸化性雰囲気に
より生成したものであり、一般にはFe3O4(マグネタイ
ト)を主成分とする物質であって、高温の状態で金属表
面に生成した鉄酸化物、例えば熱間圧延処理によって製
造される鋼板表面に形成する酸化物スケール、水と接す
る配管機器の内側表面に形成した鉄酸化物スケール、例
えばジャケット付グラスライニング製容器および配管の
ジャケット内部に形成した鉄酸化物スケール、高圧ボイ
ラーの循環水ラインまたはドラム内表面に形成する酸化
物スケール、および原子炉一次冷却系においては構造材
からの腐食酸化物が機器の内面に付着堆積し、皮膜等に
なっているもの等である。ジャケット付グラスライニン
グ製機器のジャケット内の鉄酸化物スケールにFe3O4が9
7%程度含まれていた例があった。
特に本発明の方法は水素の発生を極力おさえて酸衝撃を
起こすことがほとんどないので、グラスライニング製機
器のジャケット内の鉄酸化物スケールを溶解除去するの
に好ましく用いられる。
通常、本発明の方法は還元二価金属の有機酸塩を共存さ
せたキレート化剤を含む処理液を酸化物の形成した配
管、機器内を循環させながらあるいは鉄酸化物の形成し
た工具等の入った容器内の処理液を撹拌しながら、処理
液のpHを調整することによって行なわれる。
本発明で使用するキレート化剤は通常のキレート化剤と
同様に金属イオンをキレート化しその溶解度を増大して
析出を防止する役割を有している。
この様なキレート化剤としてはアミノポリカルボン酸類
であるエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢
酸(NTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン四酢
酸、ポリカルボン酸類であるシュウ酸、マロン酸等が挙
げられるが、特にアミノポリカルボン酸類であるエチレ
ンアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ヒ
ドロキシエチルエチレンジアミン四酢酸(HEDTA)が酸
化鉄の溶解速度及び溶解量が大きい点で好ましい。これ
らのキレート化剤は通常ナトリウム塩として使用され
る。
処理液中のキレート化剤の濃度は特に限定されるもので
はないが、遊離のキレート化剤として約1×10-3〜1×
10-1mol/で十分な効果が得られる。キレート化剤が金
属イオンとキレート化して少なくなると鉄は溶解しなく
なるので、鉄酸化物が多い時には補給または再生して前
記の濃度を維持するのが望ましい。
本発明で使用する還元性二価金属の有機酸塩としては、
例えば、シュウ酸鉄(II)、フマル酸鉄(II)、酒石酸
鉄(II)、シュウ酸ニッケル(II)、シュウ酸マンガン
(II)等を挙げることができ、特にシュウ酸鉄(II)が
好ましい。
これらの還元性二価金属の有機酸塩はいずれも水に対し
て溶解度が小さいが、溶解度の範囲内の量の使用で十分
な効果がある。しかし約0.05×10-3mol/以下では効果
が小さく、また約1×10-2mol/以上使用した場合に
は、金属表面へこれらの金属塩を付着させる危険が生
じ、またこれ以上の使用によって鉄酸化物の溶解反応が
一層早められる可能性もない。従って還元性二価金属の
有機酸塩の使用量は約0.05×10-3〜1×10-3mol/の範
囲が好ましい。これら還元性二価金属の有機酸塩を処理
液に共存させることにより鉄酸化物の溶解開始時間を短
縮し、かつ溶解速度を大きくすることができる。
処理液で鉄酸化物を溶解する場合、鉄酸化物の溶解に伴
い、溶液のpHアルカリ側にシフトしこれにより溶解反応
が急激に低下し、やがてほとんど停止してしまう。
この際アルカリ側にシフトする溶液pHを調整して常に約
4.0〜5.0の範囲に保持することにより鉄酸化物の溶解を
連続して急速に進行させることができる。pHの調整は金
属母材の腐食等を考えると有機酸を添加して行なうのが
好ましい。使用する有機酸としては、シュウ酸、ギ酸、
クエン酸、酒石酸、グルコン酸、グリコール酸、ラク
酸、コハク酸等が挙げられる。
有機酸の代わりにイオン交換樹脂を用いて、処理液のpH
を保持することができる。イオン交換樹脂としては一般
に使用されている強酸性陽イオン交換樹脂が用いられ
る。
溶解操作中に鉄酸化物の溶液に伴い、処理液のpHがアル
カリ側にシフトし、これにより溶解速度の低下が起る
が、この際処理液の一部を陽イオン交換樹脂を通して循
環させることにより溶液中のNaイオンを陽イオン交換樹
脂に補足させ、これにより処理液のpHを約4.0〜5.0の範
囲に調整保持することができる。このことにより鉄酸化
物の溶解を連続して急速に進行させることが可能であ
る。
本発明の処理液のpHと金属母材の腐食との関係は溶液pH
が4.0付近以下で腐食が大きくなる傾向がみられ、またp
Hが5.0付近以上では鉄酸化物の溶解速度が極端に低下す
る。したがって処理液のpHは約4.0〜5.0の範囲に保持す
るのが良い。
本発明における処理液の温度は溶解速度と腐食抑制の観
点から判断して、約40〜90℃、好ましくは約60〜90℃の
範囲が適当である。約40℃以下では溶解速度が遅くな
り、約90℃以上になると溶解速度が早すぎて腐食が多く
なることと温度を上げるためためのエネルギーも多くな
り好ましくない。
処理時間は鉄酸化物スケールの量や温度を勘案して適宜
選択される。
〈発明の効果〉 本発明の方法によれば、還元剤として使用する還元性二
価金属の有機酸塩を低い濃度で共存させることにより、
母材の腐食を最少限度にとどめて、金属表面上の鉄酸化
物をすみやかに溶解除去することができる。さらに本発
明の方法は水素の発生を極力抑制するので、酸衝撃を起
こすことなしにグラスライニング製機器のジャケット内
に形成した鉄酸化物を除去するのに効果的である。
〈実施例〉 以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
なお、溶液のpHは堀場製作所製の卓上pH計を用いて測定
した。また溶液中の鉄濃度は原子吸光法(JIS K−012
1−82)により測定した。
実施例1 水250mlを入れた撹拌機付きフラスコを80℃の恒温バス
に浸け、水温が80℃になった時点で撹拌しながらエチレ
ンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA−2Na)を0.84g
(9×10-3mol/)とシュウ酸鉄(II)を0.0225g(0.5
×10-3mol/)を加え溶解した。次にシュウ酸を加え溶
液のpHを4.0に調整し、これに熱間圧延して製造され、
表面に鉄酸化物皮膜の生成している鉄片(40mm×30mm
×2mmt)を入れて鉄酸化物の溶解実験を行なった。な
お鉄片の表面の皮膜はX線回析により大部分がマグネタ
イト(Fe3O4)であることを確認したものである。実験
中温度は80℃に、溶液pHはシュウ酸を加えて4.0〜4.5の
範囲に保持した。溶解実験の結果15分後に表面に鉄酸化
物皮膜は完全に溶解除去されていた。
比較例1 実施例1と同様装置及び方法によりシュウ酸鉄(II)を
加えない実験を行なった。60分後においても表面の酸化
鉄皮膜は除去されていなかった。
実施例2 この実験においては鉄酸化物として通常知られているマ
グネタイト(Fe3O4)を使用した。
水250mlを入れた撹拌機付き三つ口フラスコを80℃の恒
温バスに浸け、水温が80℃になった時点で撹拌しながら
エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム(EDTA−2Na)を
0.84g(9×10-3mol/)と表1に示す所定量のシュウ
酸鉄(II)を加え溶解した。
液温が80℃になった時点でシュウ酸を加え溶液のpHを4.
0に調整した後、マグネタイト粉末を0.52g(9×10-3mo
l/)投入した。マグネタイトの溶解に伴いアルカリ側
にシフトし始める溶液のpHをシュウ酸の逐次添加により
常時pH4.0〜4.5の範囲に保持した。マグネタイト投入後
10分、30分、50分後に溶液をサンプリングしてG4ガラス
フィルターで濾過し、濾液について原子吸光法により溶
液中の鉄濃度を分析した。
添加したシュウ酸鉄(II)に含まれる鉄の量を差し引い
てマグネタイトの溶解量を算出した。
シュウ酸鉄(II)の使用量とマグネタイトの溶解量との
関係を第1表に示す。
実施例3 実施例2と同様装置及び方法により、シュウ酸鉄(II)
の代わりにフマル酸鉄(II)、酒石鉄(II)、シュウ酸
ニッケル(II)、シュウ酸マンガン(II)を0.5×10-3m
ol/用いて溶解実験を行なった。結果を第2表に示
す。
比較例2 シュウ酸鉄(II)を加えなかった以外は実施例2と同様
に行なった。結果を第3表に示す。
比較例3 シュウ酸鉄(II)の添加量を0.0225g(0.5×10-3mol/
)とし、シュウ酸を加えてpHを調整保持しなかった以
外は実施例2と同様に行なった。結果を第3表に示す。
実施例4 第4表に記載した条件で表面に鉄酸化物皮膜の生成した
炭素鋼(軟鋼)薄板について鉄酸化物の溶解を行ない、
同時に水素の透過量を測定した。薄板は接液面積7.0c
m2、板厚1.0mmのものを使用した。水素の透過量の測定
はDECHEMA方式腐食防食実験工学(日本材料学会腐食防
食部門委員会編)の課題3.30にある方法に準じた電気化
学的方法により行なった。結果を第4表に示す。
比較例4 10%塩酸水溶液を用いて溶解を行なった以外は実施例4
と同様に行なった。結果を第5表に示す。
実施例5 マグネタイトの代わりにグラスライニング製反応釜のジ
ャケット内に形成していた鉄酸化物スケール(Fe2O3
量:97%)を5.0g投入し、実施例2と同様に鉄酸化物の
溶解実験を行った。実験条件と結果を第6表に示す。
実施例6 直径1.9cm長さ80cmのガラス製カラムにH+型に再生した
強酸性陽イオン交換樹脂(IR−120Bオルガノ(社)製)
100mlを入れた。イオン交換樹脂筒と、循環ポンプ、循
環配管を有する撹拌機付三つ口フラスコを用いて実験を
行なった。この実験においては鉄酸化物として通常知ら
れているマグネタイトを使用した。
水1を入れた撹拌機付三つ口フラスコを80℃の恒温バ
スに浸け、水温が80℃になった時点で攪拌しながらエチ
レンジアミン四酢酸・2ナトリウム(EDTA−2Na)を3.3
5g(9×10-3mol/)とシュウ酸鉄(II)を0.09g(0.5
×10-3mol/)を加え溶解した。液温が80℃になった時
点でマグネタイト粉末を2.08g(9×10-3mol/)投入
した。マグネタイトの溶解に伴い溶液のpHがアルカリ側
にシフトし始めた時、循環ポンプにより溶液の一部をイ
オン交換樹脂筒を通し循環させた。循環流量の調整によ
り三つ口フラスコ内の溶液のpHを4.0〜4.5の範囲に保持
した。
1時間後の溶液pHは4.0〜4.5の範囲に保持されており、
この時のマグネタイトの溶解量は1.33g/で溶解率は6
3.9%であった。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属表面の鉄酸化物をキレート化剤を含む
    処理液で溶解除去する方法において、処理液に還元性二
    価金属の有機酸塩を0.05×10-3〜1.0×10-3mol/共存
    させ、かつ溶解操作の間の処理液のpHを4.0〜5.0の範囲
    に保持すること特徴とする鉄酸化物の溶解除去方法。
  2. 【請求項2】キレート化剤がエチレンジアミン四酢酸、
    ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン四
    酢酸、シュウ酸、マロン酸およびこれらのアルカリ金属
    塩からなる群より選ばれた少なくとも1種のキレート化
    剤である特許請求の範囲第1項記載の鉄酸化物の溶解除
    去法。
  3. 【請求項3】還元性二価金属の有機酸塩がシュウ酸鉄
    (II)、フマル酸鉄(II)、酒石酸鉄(II)、シュウ酸
    ニッケル(II)、シュウ酸マンガン(II)からなる群よ
    り選ばれた少なくとも1種の有機酸塩である特許請求の
    範囲第1項記載の鉄酸化物の溶解除去法。
  4. 【請求項4】処理液の温度が40〜90℃である特許請求の
    範囲第1項記載の鉄酸化物の溶解除去法。
  5. 【請求項5】処理液のpHを保持する方法として、有機酸
    を使用することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の鉄酸化物の溶解除去法。
  6. 【請求項6】有機酸がシュウ酸、ギ酸、クエン酸、酒石
    酸、グルコン酸、グリコール酸、ラク酸、コハク酸から
    なる群より選ばれた少なくとも1種の有機酸である特許
    請求の範囲第5項記載の鉄酸化物の溶解除去方法。
  7. 【請求項7】処理液のpHを保持する方法として、処理液
    の一部を陽イオン交換樹脂を通し循環させることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の鉄酸化物の溶解除去
    法。
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