JPH0757821A

JPH0757821A - コネクタ用ノイズフィルタ

Info

Publication number: JPH0757821A
Application number: JP5205026A
Authority: JP
Inventors: Masami Kiyofuji; 正巳清藤
Original assignee: Witco of Jupiter Dentsu Co Ltd
Current assignee: Witco of Jupiter Dentsu Co Ltd
Priority date: 1993-08-19
Filing date: 1993-08-19
Publication date: 1995-03-03

Abstract

(57)【要約】【目的】ＬＣ型のノイズフイルタ付のコネクタを提供
する。【構成】複数の貫通コンデンサ１３の外部電極１４
を、導電体１５で共通接続するとともに、各貫通コンデ
ンサ１３の周辺を、磁性合成樹脂材１６でモールド成型
することにより、複数の貫通コンデンサ１３と磁性合成
樹脂材１６による環状磁性材が、コネクタのシールドケ
ース６中に一体的に構成されるので、収容容積を変えな
いで、高いノイズ除去特性のＬＣ型のノイズフイルタ付
コネクタを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、主として電子機器にお
ける接続ケーブルの端部に使用されるコネクタ用のノイ
ズフィルタに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、電子機器においては、電子機器同
士を接続するケーブルの接続ターミナルの部分では、ケ
ーブルのラインから混入する雑音を除去するために、誘
電型フィルタや容量型フィルタ、又はその混合型フィル
タが、各ライン毎に設けられている。

【０００３】この接続ターミナル部分で容量型フィルタ
に使用されるコンデンサを、電子機器の配線基板側に設
けると、ケーブルのライン数と同数のコンデンサが接続
ターミナルの周囲に集中するため、基板の実装密度が低
下する。そのため、ケーブルを電子機器に接続するコネ
クタの中に、貫通コンデンサを設けて、容量型のフィル
タを小型化することが計られている。

【０００４】図５は、貫通コンデンサをコネクタに組込
んで、フィルタとコネクタを一体構造にした従来例を示
すもので、コネクタは電子機器側の基板に固着されるソ
ケット型のものである。

【０００５】(01)は、貫通コンデンサ(02)を、雌型接触
子(03)の導体(04)の途中に嵌挿した、ソケット型の貫通
コンデンサ付コネクタである。

【０００６】雌型接触子(03)の導体(04)の下端は、電子
機器の配線基板(05)を貫通し、所要の配線ランド(06)に
半田付けされている。

【０００７】コネクタ(01)の外周面には、シールドケー
ス(07)が嵌合され、シールドケース(07)の下側からは、
配線基板(05)への固定を兼ねたアース接続端子(08)が突
出されている。アース接続端子(08)は、配線基板(05)を
貫通し、その裏面のアース配線(09)に半田付けされてい
る。

【０００８】雌型接触子(03)は、導体(04)の上方で直角
に折曲され、その先端の２股の接触部(012)は、雄型接
触子(010)の挿通孔(011)の内側に位置している。

【０００９】雄型接触子(010)は、プラグ型コネクタで
あり、図示を省略したケーブルの端部に設けられてい
る。

【００１０】貫通型コンデンサ(02)は、導電性のコンデ
ンサ保持板(013)に設けた多数の通孔(014)に予め挿通さ
れ、通孔(014)の周辺と貫通コンデンサ(02)の外周電極
(015)を半田付けして、電気的に接続されるとともに、
コンデンサ保持板(013)に固定されている。

【００１１】貫通コンデンサ付コネクタ(01)を組み立て
るには、先に組付けられている各雌型接触子(03)の導体
(04)に、各貫通コンデンサ(02)の貫通孔(016)をそれぞ
れ貫通してから、貫通孔(016)内の内部電極(017)と導体
(04)を半田付けしてある。

【００１２】その後、コンデンサ保持板(013)とシール
ドケース(07)が当接する部分を半田付けし、さらに、コ
ンデンサ保持板(013)を挟んで、貫通コンデンサ(02)の
下端と導体(04)が露出して突出している下面側の空間
と、貫通コンデンサ(02)の上端と雌型接触子(03)が露出
している上面側の空間とに、合成樹脂(018)を充填する
ことにより、貫通コンデンサ付コネクタ(01)を完成して
いる。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】複数の貫通コンデンサ
(02)の外周電極(015)を共通接続するとともに、各貫通
コンデンサ(02)を保持するためのコンデンサ保持板(01
3)へ各貫通コンデンサ(02)を組付ける作業は、貫通コン
デンサ(02)の外径が２mm以下と非常に小さいため、容易
ではなく、かつ組付けを手作業で行うと、組み立て精度
を高めることは困難である。

【００１４】組付け精度が悪いと、各貫通コンデンサ(0
2)の軸線の平行度が不揃いとなり、その後の作業の各導
体(04)への挿通が困難になる。

【００１５】一方、コネクタに接続されたケーブルか
ら、ノイズの進入もしくは放出を、さらに厳密に制限す
るには、貫通コンデンサの容量性（Ｃ型）だけでは困難
なので、回線に誘導性（Ｌ型）の特性を付与するため
に、フェライトビーズ等を各ケーブルラインに装着する
ことが行われる。この様なＬＣ型のノイズフィルタを形
成するには、上記貫通コンデンサ付コネクタ(011)の各
ライン１本毎に、フェライトビーズを設けなければなら
ない。

【００１６】本発明は、上述の課題に鑑みなされたもの
で、多数の貫通コンデンサの外周電極を共通接続すると
ともに、その貫通コンデンサの外周を磁性合成樹脂材で
強固に連結固定したＬＣ型のノイズフイルターを提供す
ることを目的としている。

【００１７】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、複数の
貫通コンデンサの外部電極を、導電体で共通接続すると
ともに、各貫通コンデンサの周辺を、磁性合成樹脂材で
モールド成型することにより、上述の課題は解決され
る。

【００１８】

【作用】複数の貫通コンデンサと環状磁性材が、一体成
形により同時にコネクタの中に連結成形されるので、同
一容積で高いノイズ除去特性が得られる。

【００１９】

【実施例】図１は、本発明の一実施例のノイズフィルタ
を取り付けたコネクタの縦断面図で、図２は、図１に示
すノイズフィルタの一部切欠斜視図である。

【００２０】コネクタ(１)は、複数の雌型接触子(２)の
下端の導体(３)を、電子機器の配線基板(４)に貫通させ
て、裏面の配線面に設けた所要の配線ランド(５)に半田
付けしてある。

【００２１】コネクタ(１)の外周面には、シールドケー
ス(６)が嵌合され、該シールドケース(６)の下側から
は、配線基板(４)への固定を兼ねたアース接続端子(７)
が突出されている。アース接続端子(７)は、配線基板
(４)を貫通し、その裏面のアース配線(８)に半田付けさ
れている。

【００２２】雌型接触子(２)は、導体(３)の上方で直角
に折曲され、その先端の２股接触部(3a)は、雄型接触子
(９)の挿通孔(10)の内側に位置している。

【００２３】雄型接触子(９)を備える雄型コネクタは、
プラグ型コネクタであり、図示を省略したケーブルの端
部に設けられている。

【００２４】雌型接触子(２)の導体(３)が配線基板(４)
を貫通する手前には、本発明に係るノイズフィルタ(12)
が設けられている。

【００２５】ノイズフィルタ(12)は、図２に示す如く、
雌型接触子(２)の数の対応した複数の貫通コンデンサ(1
3)を備え、各貫通コンデンサ(13)は、外部電極(14)が軸
線方向の途中で、共通の電極を構成する導電性の導体板
(15)により、共通接続されている。

【００２６】ノイズフィルタ(12)における導体板(15)よ
り下方は、導体板(15)より下方に突出する各貫通コンデ
ンサ(13)の周囲を取り巻くように、磁性合成樹脂材(16)
により、モールド成型されている。

【００２７】磁性合成樹脂材(16)は、フェライト粉末等
の高透磁率磁性粉末材料を合成樹脂材をバインダーとし
て、固化成型しうるようにした、高透磁率で絶縁性を兼
備えた合成樹脂材である。

【００２８】これにより、各貫通コンデンサ(13)を取り
巻く磁性合成樹脂材(16)は、貫通コンデンサ(13)に雌型
接触子(２)の導体(３)を貫通させることにより、その導
体(３)に対してフェライトビーズと同様の働きをする。
なお、導体(３)と貫通コンデンサ(13)の内部電極(11)
は、ハンダ付けされている。

【００２９】ノイズフィルタ(12)における磁性合成樹脂
材(16)の部分は、図３の従来貫通コンデンサ付コネクタ
においては、一般的な合成樹脂材を充填していた部分で
あり、そのため、本発明を適用したコネクタは、導体
(３)に誘導作用を増すためだけに、特別な空間を使用し
ていない。

【００３０】図４は、導体(３)に対するリアクタンス
を、さらに増すための、別な実施例を示すもので、各貫
通コンデンサ(13)を共通接続する導体板(15)より上方に
突出した各貫通コンデンサ(13)の周囲にも、磁性合成樹
脂材(16)をモールド成型してある。

【００３１】これにより、導体(３)を取り巻いて環状磁
性体として働く磁性合成樹脂材(16)の軸線回りの実効断
面積が増し、導体(３)に対する電磁作用を増す。

【００３２】上記図２及び図４の実施例における磁性合
成樹脂材(16)は、貫通コンデンサ(13)と導体板(15)を、
予め成型の型に入れて、下部モールド部(16a)や上部モ
ールド部(16b)を、インサートモールド成型して、ノイ
ズフィルタ(12)の部分を、単一部品となるように作られ
ている。

【００３３】しかし、本発明においては、貫通コンデン
サ(13)と導体板(15)を、予めハンダ付けしてから、それ
をシールドケース(６)に収納し、その後下部モールド部
(16a)及び上部モールド部(16b)に相当する空間に、磁性
合成樹脂材(16)を充填して、モールド成型してもよい。

【００３４】

【発明の効果】本発明は、以下のような効果を奏する。 (a) ケーブルの芯数（ライン数）の多いＬＣ型ノイズフ
ィルタ付コネクタが容易に得られる。

【００３５】(b) ＬＣ型フィルタ付コネクタの形状が、
従来貫通コンデンサのみのものと変らない。

【００３６】(c) ノイズフィルタを単体で別体に作った
り、コネクタの製造工程の中でノイズフィルタをコネク
タと一体構造に作ったり、いずれの製造工程でも容易に
コネクタに組込めるので、ＬＣ型フィルタ付コネクタを
従来よりもより小形化することができ、電子機器の実装
密度を高めるのに寄与するとともに、一層の小形化が望
まれるコネクタの小形化も容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す貫通コンデンサの一
部切欠斜視図である。

【図２】図１の貫通コンデンサを使用して構成した貫通
コンデンサ付コネクタの要部縦断面図である。

【図３】本発明の他の実施例を示す貫通コンデンサの一
部切欠斜視図である。

【図４】図３の貫通コンデンサを使用して構成した貫通
コンデンサ付コネクタの要部縦断面図である。

【図５】従来の貫通コンデンサ付コネクタの要部縦断面
図である。

【符号の説明】

(１)コネクタ (２)雌型接触子 (３)導体 (3a)２股接触部 (４)配線基板 (５)配線ランド (６)シールドケース (７)アース接続
端子 (８)アース配線 (９)雄型接触子 (10)挿通孔 (11)内部電極 (12)ノイズフィルタ (13)貫通コンデ
ンサ (14)外部電極 (15)導体板 (16)磁性合成樹脂材 (16a)下部モー
ルド部 (16b)上部モールド部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複数の貫通コンデンサの外部電極を、導
電体で共通接続するとともに、各貫通コンデンサの周辺
を、磁性合成樹脂材でモールド成型したことを特徴とす
るコネクタ用ノイズフィルタ。
【請求項２】磁性合成樹脂材が、複数の貫通コンデン
サの外部電極を共通接続する導電体よりも、貫通コンデ
ンサの一側方の端部周辺のみを、モールド成型してある
請求項１記載のコネクタ用ノイズフイルタ。
【請求項３】磁性合成樹脂材が、複数の貫通コンデン
サの外部電極を共通接続する導電体を中間にして、その
両端部をモールド成型してある請求項１記載のコネクタ
用ノイズフイルタ。