JPH0755762A - イオン選択性電極 - Google Patents

イオン選択性電極

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JPH0755762A
JPH0755762A JP5207443A JP20744393A JPH0755762A JP H0755762 A JPH0755762 A JP H0755762A JP 5207443 A JP5207443 A JP 5207443A JP 20744393 A JP20744393 A JP 20744393A JP H0755762 A JPH0755762 A JP H0755762A
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ion
metal
solid electrode
electrode
salt
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JP5207443A
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Inventor
Kotaro Yamashita
浩太郎 山下
Osamu Ozawa
理 小沢
Yuji Miyahara
裕二 宮原
Mamoru Taki
守 滝
Yoshio Watanabe
吉雄 渡辺
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】イオン感応膜と内部固体電極とこれらを収容す
る容器から構成されるCWEにおいて、内部固体電極と
疎水性高分子物質を支持膜とするイオン感応膜との間に
中間層を導入し、ピリジン,ピリダジン,ピリミジン,
ピラジン,s-トリアジン,キノリン,イソキノリン,
シノリン,キノクサリン,アクリジン又はそれらの誘導
体を上記中間層材料に用いることを特徴とするイオンセ
ンサ。 【効果】本発明における中間層は、内部固体電極界面に
おけるイオン化を促進する作用を有するため、疎水的な
イオン感応膜との間で速やかにイオン分配平衡に達し、
長期安定性に優れたイオンセンサが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体液中のイオン分析
に使用する上で好適なイオンセンサに関するものであ
る。さらに詳しくは本発明は、カリウムイオン,ナトリ
ウムイオン,ハロゲンイオンあるいは炭酸イオンをポテ
ンショメトリックに測定する分析に使用するに適したイ
オンセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】イオンセンサは溶液中の特定のイオン濃
度を選択的に定量できるという特徴があり、特定イオン
の濃度モニタ,水質分析などの広い分野において使用さ
れてきた。特に、医療分野では血液中や尿などの生体液
に含まれるイオン、例えば塩素イオン,カリウムイオン
などの定量に応用されている。これは、生体液中の特定
のイオン濃度が生体の代謝反応と密接な関係にあること
に基づいており、該イオン濃度を測定することにより、
高血圧症状,腎疾患,神経障症害などの種々の診断を行
うものである。
【0003】イオンセンサは対象とするイオンの活量a
とイオンセンサが示す電位Eとの間に数1のような活量
の対数と電位の変化とが比例する関係が成立し、電位の
測定値から目的とするイオンの活量が簡単に計算でき
る。上式においてRは気体定数、Tは絶対温度、Zはイ
オン価、Fはファラデー定数、E0 は系の標準電極電位
である。このようにイオンセンサを用いれば、電位を測
定するだけで広い濃度範囲でのイオンの定量が可能とな
る。
【0004】
【数1】 E=E0+2.303(RT/ZF)loga …(1) 一般に、イオンセンサは内部固体電極,イオン感応膜,
内部溶液等で構成される。イオン感応膜と内部電極との
導電をつかさどる内部溶液として支持電解質を含む寒天
ゲルが用いられている。イオンセンサのうち、内部溶液
を用いず、内部固体電極に直接イオン感応膜を形成した
構造のイオンセンサはコーテド ワイヤエレクトロード
(Coated Wire Electrode;以下CWE)と呼ばれてい
る。
【0005】図1に示すように、電極容器1の中央には
試料液の流路4に沿ってイオン感応膜3を固定してあ
り、銀/塩化銀の内部固体電極2が直接イオン感応膜と
接する構造を有している。CWEは、電極の製造,取
扱,保守等が簡単なため、数多くの研究が行われてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、CWEは、イ
オン感応膜と内部固体電極とこれらを収容する容器から
構成される。内部固体電極には銀/塩化銀が多く用いら
れており、電極電位のドリフトが大きく、長期間にわた
る安定性が十分ではない。電極電位のドリフトとは、イ
オン含有溶液と接触しているイオンセンサが発生する電
位の経時変動である。
【0007】発明の目的は、実用的に使用する上で長期
的に電極性能が維持されるイオンセンサを提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、イオン感応
膜と内部固体電極とこれらを収容する容器から構成され
るCWEにおいて、内部固体電極と疎水性高分子物質を
支持膜とするイオン感応膜との間に中間層を導入し、ピ
リジン,ピリダジン,ピリミジン,ピラジン,s-トリ
アジン ,キノリン,イソキノリン,シノリン,キノク
サリン,アクリジン又はその誘導体等を上記中間層材料
に用いることにより達成される。
【0009】
【作用】疎水性高分子物質を支持膜とするイオン感応膜
と内部固体電極界面では平衡電位が生じるが、これは主
に内部固体電極からイオン化した金属イオンが疎水的な
イオン感応膜との間で分配平衡に達するためと考えられ
る。ところが、従来のCWEではこのイオン化が十分に
行われないため、分配平衡に達しにくい。本発明におけ
る中間層は、ピリジン,ピリダジン,ピリミジン,ピラ
ジン,s-トリアジン,キノリン,イソキノリン,シノ
リン,キノクサリン,アクリジン又はその誘導体等から
構成される。これらの中間層は、内部固体電極界面にお
けるイオン化を促進する作用を有するため、イオン感応
膜との間で速やかに分配平衡に達成し、安定な電位を得
ることができる。
【0010】
【実施例】イオン感応膜は、特定のイオンを選択するこ
とができる。つまり、測定対象外のイオンを含む物質か
ら、特定のイオンのみを選択的に透過、またはそれに感
応することができる。また、イオン感応膜は、試料溶液
が水性液体であるので水不溶性でなければならないが、
水不溶性であれば親水性,疎水性を問わない。
【0011】イオン感応膜は、従来公知の方法により設
けることができる。例えば、イオンキャリアと有機物バ
インダを溶媒に溶解させたものを水不溶性塩層または電
解質層あるいは導電体層の上に塗布,乾燥させる。イオ
ンキャリア濃度は、一般に0.05〜10g/m2、イオ
ン感応膜の厚さは10〜500μmが好ましい。
【0012】イオン感応膜に使用する有機物バインダに
は、イオンが十分な透過性をもってイオノフォア及びイ
オノフォア溶媒と共に横切ることができる薄膜を形成で
きる天然または合成の重合体を用いることができる。詳
細には、ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリア
クリロニトリル,ポリウレタン,ポリ塩化ビニル/ポリ
酢酸ビニルコポリマ,ポリ塩化ビニル/ポリ塩化ビニリ
デンコポリマー,ポリ酢酸ビニル,シリコンエラストマ
ー,ポリビニルアルコール,セルロースエステル,ポリ
カーボネイト等である。
【0013】イオン感応膜に使用するイオンキャリア
は、目的とする特定のアルカリ金属イオン,アルカリ土
類金属イオン等とペアーを形成することができる物質で
ある。カリウムイオンキャリアとして、バリノマイシ
ン,環状ポリエーテル,テトララクトン,マクロリドア
クチン,エンニナチン,カリウムテトラフェニルボレー
ト,及びそれらの誘導体等を挙げることが出来る。ナト
リウムイオンキャリアとしては、モネンシンナトリウ
ム,メチルモネンシン,環状ポリエーテル,テトララク
トン,マクロリドアクチン,エンニナチン,ナトリウム
テトラフェニルボレート,及びそれらの誘導体等を挙げ
ることが出来る。また、イオン感応膜の材料として、イ
オン交換物質を用いることができる。この場合には、イ
オン交換により生じる測定溶液中のイオン活量変化に起
因する電位差を測定することになる。イオン交換物質の
例としては、第4級ボレート及び第4級アンモニウム塩
を挙げることが出来る。
【0014】キャリア溶媒は十分に不水溶性,非揮発性
であることが望ましく、フタレート,セバケート,芳香
族又は脂肪族のエーテル及びアジペート等が挙げられ
る。有用なキャリア溶媒の例として、ブロモフェニルフ
ェニルエーテル,3−メトキシフェニルフェニルエーテ
ル,4−メトキシフェニルフェニルエーテル,ジメチル
フタレート,ジブチルフタレート,ジドデシルフタレー
ト,ジオクチルフェニルホスフェート,ビス(2−エチ
ルヘキシル)フタレート,オクチルジフェニルホスフェ
ート,ジオクチルアジペート,ジブチルセバケートを挙
げることが出来る。また、他の多数の有用な溶媒も公知
である。
【0015】本発明のイオンセンサの特徴的要件は、イ
オン感応膜と内部固体電極とこれらを収容する容器から
構成されるCWEにおいて、内部固体電極と疎水性高分
子物質を支持膜とするイオン感応膜との間に中間層を導
入し、ピリジン,ピリダジン,ピリミジン,ピラジン,
s-トリアジン ,キノリン,イソキノリン,シノリン,
キノクサリン,アクリジン又はそれらの誘導体等を上記
中間層材料に用いることにある。一般に内部固体電極
は、金属をその金属の不溶性塩と接触させる構造を有す
る。例えば、Ag/AgX(Xはハロゲン)で表すこと
ができ、銀の層をワイヤー又はプレートとしてハロゲン
塩の水溶液中に浸漬することにより調製できる。また、
不溶性塩にテトラフェニルほう酸又はテトラアルキルほ
う酸及びそれらの誘導体の金属塩を用いることができ
る。この場合、テトラ型の官能基は親油性であることが
望ましいが、その程度は、アニオンであるほう酸イオン
のイオン化傾向との兼ね合いによって決まる。アルキル
基の場合、炭素数が1〜10であることが好ましく、特
に有用なアルキル基の例として、メチル,エチル,プロ
ピル,ブチル基を挙げることができる。また、アルキル
基に結合している水素原子の一部をハロゲンに置換した
官能基を用いることもできる。フェニル基の場合、オル
ト,メタ又はパラ位にハロゲンもしくはアルキル基の水
素原子の一部をハロゲンに置換した官能基を導入した誘
導体が望ましい。
【0016】不溶性塩にテトラフェニルほう酸又はテト
ラアルキルほう酸及びそれらの誘導体の金属塩を用いた
内部固体電極を調製するためには、これらの塩の溶媒に
有機物を使用する。この有機溶媒は遊離イオンへの解離
の観点から、比誘電率が大きいものが望ましく、アルコ
ール、ニトリル,アミド,硫黄化合物等が適している。
有用な有機溶媒の例として、エタノール,メタノール,
アセトニトリル,プロピオニトリル,ホルムアミド,N
−メチルホルムアミド,ジメチルホルムアミド,ジメチ
ルスルホキシド,ニトロメタン,ニトロベンゼン,プロ
ピレンカーボネイトを挙げることができる。
【0017】金属塩層が厚すぎると中間層とのイオン平
衡達成に時間がかかる。このため、金属/金属塩におけ
る金属層と金属塩層の厚さを500μm以下、金属塩層
の厚みを金属層の10〜50%とするのが好ましい。ま
た金属塩層は、金属層上を完全に被覆する必要はなく、
金属層の50%以下とすることが好ましい。金属層はワ
イヤー,プレート以外に、絶縁性フィルム等の上に金属
を真空蒸着した薄膜であってもよい。絶縁性フィルムと
してはセルロースアセテート,ポリエチレンテレフタレ
ート,ポリカーボネイト,ポリスチレン等を挙げること
ができる。
【0018】以下、本発明を実施例及び比較例により説
明する。
【0019】(実施例1)濃硝酸を用いて前処理を行っ
た銀板(厚み:0.2mm 、寸法:10mm×10mm)を正
極,白金線(0.5φ×50mm)を負極とし、塩化ナトリ
ウム水溶液中(1mM)で約0.7V の電圧を約30分間印
加した。この処理が終了したのち、この電極を水洗,乾
燥して銀/塩化銀を得た。次に、2,4−ピリヂンジオ
ール(化1)水溶液(10mM)から約1μlを銀/塩
化銀から成る内部固体電極上に滴下し、約1日間乾燥さ
せることで中間層を電極上に形成させた。この電極を下
記の組成から成るカリウムイオン感応膜に貼り付けてカ
リウムイオン選択性電極を作製した。
【0020】
【化1】
【0021】カリウムイオン選択性感応膜組成 バリノマイシン 0.1g ポリ塩化ビニル 2.0g ジドデシルフタレート 0.01g 次に、イオン選択性電極の評価を行った。イオン選択性
電極について、異なる濃度のカリウム溶液を測定し、
同時再現性を求めた結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】(実施例2)中間層材料に4−ピリヂンメ
タノール(化2)を用いた以外は実施例1と同様な材料
を用いて同様な操作を行い、カリウムイオン選択性電極
を作製し、異なる濃度のカリウム溶液を測定すること
で同時再現性を求めたところ、実施例1とほぼ同様な結
果が得られた。
【0024】
【化2】
【0025】(実施例3)中間層材料にピリヂン−3−
カルボン酸(化3)を用いた以外は実施例1と同様な材
料を用いて、同様な操作を行い、カリウムイオン選択性
電極を作製し、異なる濃度のカリウム溶液を測定する
ことで同時再現性を求めたところ、実施例1とほぼ同様
な結果が得られた。
【0026】
【化3】
【0027】(実施例4)中間層材料にピリヂン−2,
5−カルボン酸ヂエチルエ−テル(化4)を用いた以外
は実施例1と同様な材料を用いて、同様な操作を行い、
カリウムイオン選択性電極を作製し、異なる濃度のカ
リウム溶液を測定することで同時再現性を求めたとこ
ろ、実施例1とほぼ同様な結果が得られた。
【0028】
【化4】
【0029】(実施例5)内部固体電極の金属塩電析用
の塩を臭化ナトリウムに変えた以外は実施例1と同様な
材料を用いて、同様な操作を行い、カリウム選択性電極
を作製した。この電極を用い、実施例1と同様にしてイ
オン選択性電極の評価を行った。その結果を表2に示
す。
【0030】
【表2】
【0031】(実施例6)内部固体電極の金属塩電析用
の塩を臭化ナトリウムに変えた以外は実施例2と同様な
材料を用いて、同様な操作を行い、カリウム選択性電極
を作製し、異なる濃度のカリウム溶液を測定することで
同時再現性を求めたところ、実施例5とほぼ同様な結果
が得られた。
【0032】(実施例7)内部固体電極の金属塩電析用
の塩を臭化ナトリウムに変えた以外は実施例3と同様な
材料を用いて、同様な操作を行い、カリウム選択性電極
を作製し、異なる濃度のカリウム溶液を測定することで
同時再現性を求めたところ、実施例5とほぼ同様な結果
が得られた。
【0033】(実施例8)内部固体電極の金属塩電析用
の塩を臭化ナトリウムに変えた以外は実施例4と同様な
材料を用いて、同様な操作を行い、カリウム選択性電極
を作製し、異なる濃度のカリウム溶液を測定することで
同時再現性を求めたところ、実施例5とほぼ同様な結果
が得られた。
【0034】(実施例9)実施例1と同様な材料を用い
て、同様な操作を行い、銀/塩化銀上に中間層を形成さ
せた電極を得た。この電極を下記の組成から成るナトリ
ウムイオン感応膜に貼り付けてナトリウムイオン選択性
電極を作製した。
【0035】ナトリウムイオン選択性感応膜組成 メチルモネンシン 0.1g ポリ塩化ビニル 2.0g フェニルジクレジルホスフェート 0.01g 次に、イオン選択性電極の評価を行った。イオン選択性
電極について、異なる濃度のナトリウム溶液を測定
し、同時再現性を求めた結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】(実施例10)中間層材料に4−ピリヂン
メタノール(化2)を用いた以外は実施例9と同様な材
料を用いて、同様な操作を行い、ナトリウムイオン選択
性電極を作製し、異なる濃度のナトリウム溶液を測定
することで同時再現性を求めたところ、実施例9とほぼ
同様な結果が得られた。
【0038】(実施例11)中間層材料にピリヂン−3
−カルボン酸(化3)を用いた以外は実施例9と同様な
材料を用いて、同様な操作を行い、ナトリウムイオン選
択性電極を作製し、異なる濃度のナトリウム溶液を測
定することで同時再現性を求めたところ、実施例9とほ
ぼ同様な結果が得られた。
【0039】(実施例12)中間層材料にピリヂン−
2,5−カルボン酸ヂエチルエーテル(化4)を用いた
以外は実施例9と同様な材料を用いて、同様な操作を行
い、ナトリウムイオン選択性電極を作製し、異なる濃
度のナトリウム溶液を測定することで同時再現性を求め
たところ、実施例9とほぼ同様な結果が得られた。
【0040】(実施例13)内部固体電極の金属塩電析
用の塩を臭化ナトリウムに変えた以外は実施例9と同様
な材料を用いて、同様な操作を行い、ナトリウム選択性
電極を作製した。この電極を用い、実施例9と同様にし
てイオン選択性電極の評価を行った。その結果を表4に
示す。
【0041】
【表4】
【0042】(実施例14)内部固体電極の金属塩電析
用の塩を臭化ナトリウムに変えた以外は実施例10と同
様な材料を用いて、同様な操作を行い、ナトリウム選択
性電極を作製した。この電極を用い、同様にしてイオン
選択性電極の評価を行ったところ、実施例13とほぼ同
様な結果が得られた。
【0043】(実施例15)内部固体電極の金属塩電析
用の塩を臭化ナトリウムに変えた以外は実施例11と同
様な材料を用いて、同様な操作を行い、ナトリウム選択
性電極を作製した。この電極を用い、同様にしてイオン
選択性電極の評価を行ったところ、実施例13とほぼ同
様な結果が得られた。
【0044】(実施例16)内部固体電極の金属塩電析
用の塩を臭化ナトリウムに変えた以外は実施例12と同
様な材料を用いて、同様な操作を行い、ナトリウム選択
性電極を作製した。この電極を用い、同様にしてイオン
選択性電極の評価を行ったところ、実施例13とほぼ同
様な結果が得られた。
【0045】(実施例17)n型のソ−ス5及びドレイ
ン6をシリコン基板7に形成し、その上をSiO2膜8
及びSi34絶縁膜9で被覆することで、電界効果型ト
ランジスタを作製した。図2にその模式図を示す。濃硝
酸を用いて前処理を行った銀板(厚み:0.2mm,寸法:
5mm×5mm)を正極、白金線(0.5φ×50mm)を負極
とし、塩化ナトリウム水溶液中(1mM)で約0.7V
の電圧を約30分間印加した。この処理が終了したの
ち、この電極を水洗,乾燥して銀/塩化銀を得た。次
に、この銀/塩化銀をSi34絶縁膜上に形成させた。
そして、2,4−ピリヂンジオール(化1)水溶液(1
0mM)から約1μlを銀/塩化銀上に滴下し、約1日
間乾燥させることで中間層を形成させた。さらにこの上
に実施例1と同様な組成から成るカリウムイオン感応膜
を貼り付けてカリウムイオン選択性電界効果型トランジ
スタを作製し、評価を行った。その結果を表5に示す。
【0046】
【表5】
【0047】(実施例18)イオン感応膜をナトリウム
イオン感応膜に変えた以外は実施例17と同様な材料を
用いて、同様な操作を行い、ナトリウム選択性電界効果
型トランジスタを作製した。これを用いてイオン選択性
電界効果型トランジスタの評価を行った。その結果を表
6に示す。
【0048】
【表6】
【0049】次に、本発明に基づく実施例の効果につい
て説明する。ここで、本発明との対応のために従来例を
示す。
【0050】(従来例1)濃硝酸を用いて前処理を行っ
た銀板(厚み:0.2mm,寸法:10mm×10mm)を正
極、白金線(0.5φ×50mm)を負極とし、塩化カリ
ウム溶液中(1mM)で約0.7V の電圧を印加した。
この処理が終了したのち、この電極を水洗,乾燥して銀
/塩化銀を得た。
【0051】上記銀/塩化銀から成る内部固体電極を実
施例1と同様な組成から成るカリウムイオン感応膜に貼
り付けてカリウムイオン選択性電極を作製した。
【0052】図3に本発明の電極(実施例1),電極
(実施例2)及び電極(実施例3),電極(実施例4)の
イオン選択性電極と上述の従来例1について、100m
molの塩化カリウム水溶液測定においての電極電位の経
時変化を調べた結果を示す。図3において(a),
(b),(c),(d)及び(e)はそれぞれ本発明に基
づく電極,電極,電極,電極及び従来例1の結
果を示している。
【0053】従来例1に基づくイオン選択性電極は電極
電位の低下が著しいが、本発明に基づく実施例によるイ
オン選択性電極では電極電位の低下がほとんど見られな
い。これは、イオン感応膜と内部固体電極間の平衡状態
が非常に安定に維持されていることを示している。
【0054】(従来例2)濃硝酸を用いて前処理を行っ
た銀板(厚み:0.2mm,寸法:10mm×10mm)を正
極,白金線(0.5φ×50mm)を負極とし、塩化カリウ
ム溶液中(1mM)で約0.7V の電圧を印加した。こ
の処理が終了したのち、この電極を水洗,乾燥して銀/
塩化銀を得た。
【0055】上記銀/塩化銀から成る内部固体電極を実
施例9と同様な組成から成るナトリウムイオン感応膜に
貼り付けてナトリウムイオン選択性電極を作製した。
【0056】図4は本発明の電極(実施例9),電極
(実施例10)及び電極(実施例11),電極(実施
例12)のイオン選択性電極と上述の従来例2につい
て、100mmol の塩化ナトリウム水溶液測定において
のスロープ感度の経時変化を調べた結果を示す。図4に
おいて(a),(b),(c),(d)及び(e)はそれ
ぞれ本発明に基づく電極,電極,電極,電極及
び従来例2の結果を示している。
【0057】従来例2に基づくイオン選択性電極はスロ
ープ感度が不安定で比較的短時間で感度が低下するのに
対し、本発明に基づく実施例によるイオン選択性電極の
スロープ感度は従来例に比べて安定で長期間にわたり高
い値を維持した。
【0058】図5は本発明の電極(実施例1),電極
(実施例2)及び電極(実施例3),電極(実施例4)の
イオン選択性電極と上述の従来例1について、100m
molの塩化カリウム水溶液測定においての電極電位のド
リフトの経時変化を調べた結果を示す。図5において
(a),(b),(c),(d)及び(e)はそれぞれ本
発明に基づく電極,電極,電極,電極及び従来
例1の結果を示している。従来例1に基づくイオン選択
性電極では電極電位がやや不安定でドリフトが大きいの
に対し、本発明に基づく実施例によるイオン選択性電極
のドリフトは従来例に比べて長期間にわたり高安定性を
示した。
【0059】このように、本発明に基づくイオンセンサ
は従来例に比較して電極性能が長期間持続するという特
徴を有するため、実用的なイオンセンサが得られる。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、イオンセンサとしての
特性である正確性が向上するため、長期間の使用が可能
となり、高い信頼性が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】イオン選択性電極の構成断面図。
【図2】イオン選択性電界効果型トランジスタの構成断
面図。
【図3】本発明による実施例のイオン選択性電極と従来
例について、100mmol の塩化カリウム水溶液測定に
おいての電極電位の経時変化の測定図。
【図4】本発明による実施例のイオン選択性電極と従来
例について、100mmol の塩化ナトリウム水溶液測定
においてのスロープ感度の経時変化の測定図。
【図5】本発明による実施例のイオン選択性電極と従来
例について、100mmol の塩化カリウム水溶液測定に
おいての電極電位のドリフトの経時変化の測定図。
【符号の説明】
1…電極収容容器、2…内部固体電極、3…感応膜、4
…試料流路、5…n型ソ−ス、6…n型ドレイン、7…
シリコン基板、8…SiO2膜 、9…Si34絶縁膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 7363−2J 331 F 7363−2J 331 M (72)発明者 滝 守 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 渡辺 吉雄 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1種類の金属から成る導電性層
    をその金属の不溶性塩の層と接触させた金属/金属塩で
    ある内部固体電極と疎水性高分子物質を支持膜とするイ
    オン感応膜から構成されるイオンセンサにおいて、上記
    内部固体電極とイオン感応膜との間に、ピリジン,ピリ
    ダジン,ピリミジン,ピラジン,s-トリアジン ,キノ
    リン,イソキノリン,シノリン,キノクサリン,アクリ
    ジン又はその誘導体を材料とする中間層が存在すること
    を特徴とするイオン選択性電極。
  2. 【請求項2】少なくとも1種類の金属から成る導電性層
    をその金属の不溶性塩の層と接触させた金属/金属塩で
    ある内部固体電極と疎水性高分子物質を支持膜とするイ
    オン感応膜から構成されるイオンセンサにおいて、上記
    内部固体電極とイオン感応膜との間にピリヂン,ピリダ
    ジン,ピリミヂン,ピラジン,s-トリアジン ,キノリ
    ン,イソキノリン,シノリン,キノクサリン,アクリヂ
    ン又はその誘導体を材料とする中間層が存在し、内部固
    体電極の不溶性塩のアニオンがハロゲンイオンから成る
    ことを特徴とするイオン選択性電極。
  3. 【請求項3】少なくとも1種類の金属から成る導電性層
    をその金属の不溶性塩の層と接触させた金属/金属塩で
    ある内部固体電極と疎水性高分子物質を支持膜とするイ
    オン感応膜から構成されるイオンセンサにおいて、上記
    内部固体電極とイオン感応膜との間にピリジン,ピリダ
    ジン,ピリミジン,ピラジン,s-トリアジン ,キノリ
    ン,イソキノリン,シノリン,キノクサリン,アクリジ
    ン又はその誘導体を材料とする中間層が存在し、内部固
    体電極の不溶性塩のアニオンがテトラフェニルほう酸イ
    オン又はテトラアルキルほう酸イオン又はそれらの誘導
    体から成ることを特徴とするイオン選択性電極。
  4. 【請求項4】少なくとも1種類の金属から成る導電性層
    をその金属の不溶性塩の層と接触させた金属/金属塩で
    ある内部固体電極と疎水性高分子物質を支持膜とするイ
    オン感応膜から構成されるイオンセンサにおいて、上記
    内部固体電極とイオン感応膜との間に二重結合を有する
    窒素原子を少なくとも一つ含む鎖状又は環状化合物を材
    料とする中間層が存在することを特徴とするイオン選択
    性電極。
  5. 【請求項5】少なくとも1種類の金属から成る導電性層
    をその金属の不溶性塩の層と接触させた金属/金属塩で
    ある内部固体電極と疎水性高分子物質を支持膜とするイ
    オン感応膜から構成されるイオンセンサにおいて、上記
    内部固体電極とイオン感応膜との間に二重結合を有する
    窒素原子を少なくとも一つ含む鎖状又は環状化合物を材
    料とする中間層が存在し、内部固体電極の不溶性塩のア
    ニオンがハロゲンイオンから成ることを特徴とするイオ
    ン選択性電極。
  6. 【請求項6】少なくとも1種類の金属から成る導電性層
    をその金属の不溶性塩の層と接触させた金属/金属塩で
    ある内部固体電極と疎水性高分子物質を支持膜とするイ
    オン感応膜から構成されるイオンセンサにおいて、上記
    内部固体電極とイオン感応膜との間に二重結合を有する
    窒素原子を少なくとも一つ含む鎖状又は環状化合物を材
    料とする中間層が存在し、内部固体電極の不溶性塩のア
    ニオンがテトラフェニルほう酸イオン又はテトラアルキ
    ルほう酸イオン又はそれらの誘導体から成ることを特徴
    とするイオン選択性電極。
  7. 【請求項7】少なくとも1種類の金属から成る導電性層
    をその金属の不溶性塩の層と接触させた金属/金属塩で
    ある内部固体電極と疎水性高分子物質を支持膜とするイ
    オン感応膜から構成されるイオンセンサにおいて、上記
    内部固体電極とイオン感応膜との間にピリジン,ピリダ
    ジン,ピリミジン,ピラジン,s-トリアジン ,キノリ
    ン,イソキノリン,シノリン,キノクサリン,アクリジ
    ン又はその誘導体を材料とする中間層が存在することを
    特徴とする電界効果型トランジスタ。
  8. 【請求項8】少なくとも1種類の金属から成る導電性層
    をその金属の不溶性塩の層と接触させた金属/金属塩で
    ある内部固体電極と疎水性高分子物質を支持膜とするイ
    オン感応膜から構成されるイオンセンサにおいて、上記
    内部固体電極とイオン感応膜との間にピリジン,ピリダ
    ジン,ピリミジン,ピラジン,s-トリアジン ,キノリ
    ン,イソキノリン,シノリン,キノクサリン,アクリジ
    ン又はその誘導体を材料とする中間層が存在し、内部固
    体電極の不溶性塩のアニオンがハロゲンイオンから成る
    ことを特徴とする電界効果型トランジスタ。
  9. 【請求項9】少なくとも1種類の金属から成る導電性層
    をその金属の不溶性塩の層と接触させた金属/金属塩で
    ある内部固体電極と疎水性高分子物質を支持膜とするイ
    オン感応膜から構成されるイオンセンサにおいて、上記
    内部固体電極とイオン感応膜との間にピリジン,ピリダ
    ジン,ピリミジン,ピラジン,s-トリアジン ,キノリ
    ン,イソキノリン,シノリン,キノクサリン,アクリジ
    ン又はその誘導体を材料とする中間層が存在し、内部固
    体電極の不溶性塩のアニオンがテトラフェニルほう酸イ
    オン又はテトラアルキルほう酸イオン又はそれらの誘導
    体から成ることを特徴とする電界効果型トランジスタ。
  10. 【請求項10】少なくとも1種類の金属から成る導電性
    層をその金属の不溶性塩の層と接触させた金属/金属塩
    である内部固体電極と疎水性高分子物質を支持膜とする
    イオン感応膜から構成されるイオンセンサにおいて、上
    記内部固体電極とイオン感応膜との間に二重結合を有す
    る窒素原子を少なくとも一つ含む鎖状又は環状化合物を
    材料とする中間層が存在することを特徴とする電界効果
    型トランジスタ。
  11. 【請求項11】少なくとも1種類の金属から成る導電性
    層をその金属の不溶性塩の層と接触させた金属/金属塩
    である内部固体電極と疎水性高分子物質を支持膜とする
    イオン感応膜から構成されるイオンセンサにおいて、上
    記内部固体電極とイオン感応膜との間に二重結合を有す
    る窒素原子を少なくとも一つ含む鎖状又は環状化合物を
    材料とする中間層が存在し、内部固体電極の不溶性塩の
    アニオンがハロゲンイオンから成ることを特徴とする電
    界効果型トランジスタ。
  12. 【請求項12】少なくとも1種類の金属から成る導電性
    層をその金属の不溶性塩の層と接触させた金属/金属塩
    である内部固体電極と疎水性高分子物質を支持膜とする
    イオン感応膜から構成されるイオンセンサにおいて、上
    記内部固体電極とイオン感応膜との間に二重結合を有す
    る窒素原子を少なくとも一つ含む鎖状又は環状化合物を
    材料とする中間層が存在し、内部固体電極の不溶性塩の
    アニオンがテトラフェニルほう酸イオン又はテトラアル
    キルほう酸イオン又はそれらの誘導体から成ることを特
    徴とする電界効果型トランジスタ。
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