JPH0754909A - 液体封入ブッシュ及びその製造方法 - Google Patents

液体封入ブッシュ及びその製造方法

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JPH0754909A
JPH0754909A JP20415593A JP20415593A JPH0754909A JP H0754909 A JPH0754909 A JP H0754909A JP 20415593 A JP20415593 A JP 20415593A JP 20415593 A JP20415593 A JP 20415593A JP H0754909 A JPH0754909 A JP H0754909A
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liquid
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seal rubber
rubber
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Keiichi Funakoshi
恵一 船越
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Kurashiki Kako Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】液体封入ブッシュの製造にあたって、外筒1の
縮径加工を行なった際の液圧の上昇を防止し、シール性
向上を図る。 【構成】縮径加工前の外筒1と中間筒3の上部外周のシ
ールゴム4aとの間に微小隙間を形成しておき、外筒1
の外径を下側から上側へと次第に狭めていくことによ
り、液室6の容積の減少分に相当する液体を上記微小隙
間13から流出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体封入ブッシュ及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液体封入ブッシュは、自動車におけるサ
スペンションの車体への支持等に用いられている。その
一般的な構造は、互いに外側と内側とに配置された外筒
と内筒との間にゴムスリーブが介装されているととも
に、該ゴムスリーブと外筒との間に液体を収容する複数
の液室が周方向に間隔をおいて形成され、これら液室が
オリフィスによって結ばれたものになっている。さら
に、ゴムスリーブの外周面には中間筒が固着され、該中
間筒と外筒との間にシールゴムが設けられている液体封
入ブッシュも一般に知られている。
【0003】例えば、特開平3−144135号公報に
は、このような液体封入ブッシュの組立方法が記載され
ている。それは、内筒の上部にゴムスリーブが固着され
てなるインナ部材と、外筒の下部にゴムスリーブが固着
されてなるアウタ部材とを形成し、インナ部材をアウタ
部材に圧入していく途中の段階でこの両部材間の隙間か
ら液体を内部に注入し、圧入完了後に上記外筒に縮径加
工を施すことにより、当該インナ部材とアウタ部材とを
一体化する、というものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の如く外
筒に縮径加工を施してインナ部材とアウタ部材とを一体
化した場合、該縮径によって液室の容積が小さくなるた
め、その液圧が上昇してインナ部材とアウタ部材との間
から液体が洩れる、あるいはゴムスリーブが破れるとい
う問題がある。この問題はゴムスリーブのバネ定数が例
えば500kgf/mm以上というように高い場合に特に顕著
になる。すなわち、ゴムスリーブのバネ定数が低い場合
には、該ゴムスリーブの膨出変形によって上記液圧の上
昇が抑えられるが、そのバネ定数が高い場合にはかかる
変形が小さいことから上記液圧が上昇したままとなり、
上記液洩れ等を生ずるに至るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記中間筒の
外径及びシールゴムの肉厚に工夫を加えて、上記縮径加
工によって上記液圧の上昇を生じないようにした液体封
入ブッシュ及びその製造方法を請求するものである。
【0006】すなわち、上記課題を解決する第1の手段
(請求項1に記載の発明)は、互いに間隔をおいて外側
と内側とに配置された外筒及び内筒と、該内筒の外周面
に設けられたゴム部と、該ゴム部の外周面に開口し上記
外筒との間に液室を形成する凹部と、該凹部を挾んで軸
方向の一方側及び他方側の各ゴム部外周面に設けられた
第1及び第2の各中間筒部と、上記液室を密封するよう
上記外筒と第1及び第2の各中間筒部との間に介装され
た第1及び第2の各シールゴム部とを備え、上記液室に
減衰媒体としての液体が収容された液体封入ブッシュで
あって、上記第1中間筒部は上記第2中間筒部よりも外
径が大きく形成され、上記外筒は上記第1中間筒部に対
応する部位の内径と上記第2中間筒部に対応する部位の
内径とが実質的に同一に形成されていて、上記第1及び
第2の各シールゴム部は、上記第1中間筒部と第2中間
筒部との外径差よりも大きな肉厚差でもって第1シール
ゴム部の方が薄く第2シールゴム部の方が厚く設けられ
て、第1シールゴム部のバネ定数が第2シールゴム部の
バネ定数よりも高くなるよう上記外筒の縮径によって第
1及び第2の各中間筒部と外筒との間に加圧挟持されて
いることを特徴とするものである。
【0007】ここに、上記第1中間筒部と第2中間筒部
とは互いに連なったものであっても別体のものであって
もよい。前者の場合、中間筒における上記凹部に相当す
る部位に筒壁を貫通する窓を形成すればよく、該窓を挾
んで軸方向の一方側の部位が第1中間筒部となり、他方
側の部位が第2中間筒部となる。この点は以下に述べる
他の手段においても同様である。
【0008】上記課題を解決する第2の手段(請求項2
に記載の発明)は、互いに間隔をおいて外側と内側とに
配置された外筒及び内筒と、該内筒の外周面に設けられ
たゴム部と、該ゴム部の外周面に開口し上記外筒との間
に液室を形成する凹部と、該凹部を挾んで軸方向の一方
側及び他方側の各ゴム部外周面に設けられた第1及び第
2の各中間筒部と、上記液室を密封するよう上記外筒と
第1及び第2の各中間筒部との間に介装された第1及び
第2の各シールゴム部とを備え、上記液室に減衰媒体と
しての液体が収容された液体封入ブッシュの製造方法で
あって、上記第1中間筒部をその外径が第2中間筒部の
外径よりも大きくなるように形成し、上記内筒と上記第
1及び第2の中間筒部との間に上記ゴム部を設ける一
方、該第1及び第2の中間筒部の各外周面に第1及び第
2の各シールゴム部を第1シールゴム部の外径の方が第
2シールゴム部の外径よりも小径になるように設けてな
る中間品を製作し、上記中間品を内径が軸方向の全長に
わたって実質的に同一に形成された外筒に圧入すること
によって上記液室を形成するとともに、該液室に上記液
体を入れ、上記外筒の外径を上記第2中間筒部側の端部
から上記第1中間筒部側の端部へと次第に狭めていく縮
径加工を行なうことにより、上記液室の容積の減少分に
相当する液体を該液室から上記第1シールゴム部と当該
外筒との間を通して流出させて、上記中間品と外筒とを
一体化することを特徴とするものである。
【0009】上記課題を解決する第3の手段(請求項3
に記載の発明)は、上記第2の手段において、上記第1
シールゴム部の外径を、上記縮径加工前の外筒の内径よ
りも小径に形成するようにした点に特徴がある。
【0010】上記課題を解決する第4の手段(請求項4
に記載の発明)は、互いに間隔をおいて外側と内側とに
配置された外筒及び内筒と、該内筒の外周面に設けられ
たゴム部と、該ゴム部の外周面に開口し上記外筒との間
に液室を形成する凹部と、該凹部を挾んで軸方向の一方
側及び他方側の各ゴム部外周面に設けられた第1及び第
2の各中間筒部と、上記液室を密封するよう上記外筒と
第1及び第2の各中間筒部との間に介装された第1及び
第2の各シールゴム部とを備え、上記液室に減衰媒体と
しての液体が収容された液体封入ブッシュの製造方法で
あって、上記第1中間筒部をその外径が第2中間筒部の
外径よりも大きくなるように形成し、上記内筒と第1及
び第2の中間筒部との間に上記ゴム部を設けてなる内側
中間品を製作する一方、内径が軸方向の全長にわたって
実質的に同一に形成された外筒の内周面に、第1及び第
2の各シールゴム部を、第1シールゴム部の内径の方が
第2シールゴム部の内径よりも大径になるように、且つ
該両シールゴム部の内径差が上記第1中間筒部と第2中
間筒部との外径差よりも大きくなるように設けてなる外
側中間品を製作し、上記内側中間品を外側中間品に圧入
して上記液室を形成するとともに、該液室に上記液体を
入れ、上記外筒の外径を上記第2中間筒部側の端部から
上記第1中間筒部側の端部へと次第に狭めていく縮径加
工を行なうことにより、上記液室の容積の減少分に相当
する液体を該液室から上記第1シールゴム部と当該外筒
との間を通して流出させて、上記内側中間品と外側中間
品とを一体化することを特徴とする。
【0011】上記課題を解決する第5の手段(請求項5
に記載の発明)は、上記第4の手段において、上記縮径
加工前における外側中間品の第1シールゴム部の内径を
上記第1中間筒部の外径よりも大径に形成するようにし
た点に特徴がある。
【0012】上記課題を解決する第6の手段(請求項6
に記載の発明)は、上記第2乃至第5の各手段におい
て、上記縮径加工を上記液室用の液中で行なうようにし
た点に特徴がある。
【0013】
【作用】上記第1の手段においては、第1中間筒部と外
筒との隙間は第2中間筒部と外筒との隙間よりも狭くな
っているが、第1及び第2のシールゴム部は上記第1中
間筒部と第2中間筒部の外径差よりも大きな肉厚差でも
って第1シールゴム部の方が薄くなっている。よって、
外筒を縮径させる前に第1シールゴム部と外筒との間、
あるいは第1シールゴム部を先に外筒に固着しておく場
合には該シールゴム部と第1中間筒部との間に、外筒の
縮径時に液室の液体が洩れ出ることができる隙間を形成
することでき、以下に述べる第2乃至第6の各手段に係
る製造方法を採用して液圧の上昇を防止することが可能
になる。
【0014】そして、上記第1及び第2シールゴム部
は、第1シールゴム部のバネ定数が第2シールゴム部の
バネ定数よりも高くなるよう外筒の縮径によって第1及
び第2の各中間筒部と外筒との間に加圧挟持されている
から、第1シールゴム部が薄くとも上記液体の洩れは防
がれ、しかも、当該ブッシュに過大な荷重が入っても、
外筒内における第1中間筒部の実質的な変位をなくすこ
とができ、減衰特性の向上を図る上で有利になる。
【0015】上記第2の手段においては、第1中間筒部
の外径を第2中間筒部の外径よりも大きくしているが、
シールゴムの外径については第1シールゴム部側の方を
小径にしているから、中間品を外筒に圧入した段階では
第1シールゴム部と外筒との間に隙間を形成すること、
もしくは該第1中間筒部と外筒との間のシール性が低い
状態にすることができる。
【0016】そうして、かかる状態において、上記外筒
の外径を上記第2中間筒部側の端部から上記第1中間筒
部側の端部へと次第に狭めていく縮径加工を行なうよう
にしているから、該縮径加工によって液室の容積が減少
するものの、該液室容積の減少分に相当する液体を該液
室から上記第1シールゴム部と外筒との間を通して流出
させることができる。よって、上記液室の液圧の実質的
な増大を招くことなく上記縮径加工が完了して外筒と中
間品とを一体化することができる。
【0017】上記第3の手段においては、上記第1シー
ルゴム部の外径が縮径加工前の外筒の内径よりも小さい
から、上記中間品を外筒に圧入した段階では第1シール
ゴム部と外筒との間に確実に隙間を形成することがで
き、上記液圧上昇を防止しながら縮径加工を行なう上で
有利になる。
【0018】上記第4の手段においては、シールゴムを
中間筒部側ではなく外筒側に設けているが、該シールゴ
ムの内径は、上記第1シールゴム部の方が第2シールゴ
ム部よりも大径になるように、且つ両シールゴム部の内
径差が上記第1中間筒部と第2中間筒部との外径差より
も大きくなるようにしている。よって、内側中間品を外
側中間品に圧入した段階において、第1中間筒部と第1
シールゴム部との間に隙間を形成すること、もしくは該
第1中間筒部と外筒との間のシール性が低い状態にする
ことができ、上記第2の手段の場合と同様に液室から余
分な液体を流出させながら、外筒の縮径加工を行なうこ
とができる。
【0019】上記5の手段においては、縮径加工前の第
1シールゴム部の内径を上記第1中間筒部の外径よりも
大径に形成するようにしているから、上記内側中間品を
外側中間品に圧入した段階では第1中間筒部と第1シー
ルゴム部との間に確実に隙間を形成することができ、第
3の手段の場合と同様に上記液圧上昇を防止しながら縮
径加工を行なう上で有利になる。
【0020】上記第6の手段においては、上記縮径加工
を液室用の液中で行なうから、上記液室から余分な液体
が流出する際に該液室に空気が入ることを防止すること
ができる。
【0021】
【発明の効果】従って、上記第1乃至第6の各手段(請
求項1乃至請求項6の各発明)によれば、液室の液圧の
上昇を招くことなく、当該液体封入ブッシュを製作する
ことができ、液室のシール性の向上を図り、減衰特性の
向上を図る上で有利になる。
【0022】特に第3及び第5の各手段によれば、外筒
の縮径加工前の段階で第1シールゴム部と外筒との間、
または第1シールゴム部と第1中間筒部との間に隙間が
形成されるようにしたから、縮径加工時に液室から余分
な液体を円滑に流出させる上で有利になり、また、第6
の手段によれば、上記縮径加工を液中で行なうようにし
たから、上記液室への空気の侵入を確実に防ぐことがで
き、減衰特性の向上を図る上で有利になる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0024】<実施例1> −全体構造− 図1及び図2に示す液体封入ブッシュにおいて、1はサ
スペンション部材等の取付孔に嵌められる外筒、2は軸
部材が嵌挿される内筒、3は外筒1と内筒2との間に設
けられた中間筒である。これら筒1〜3は、剛性が高い
金属材料(プラスチック材料でもよい)によって形成さ
れていて、且つ互いに同心状に設けられている(なお、
外筒1と内筒2とは互いに偏心状態に配置してもよ
い)。上記外筒1と中間筒3との間にはシールゴム4が
設けられ、上記内筒2と中間筒3との間にはゴム部5が
設けられている。
【0025】上記外筒1の内径は軸方向の全長にわたっ
て同じである。上記中間筒3は、図3に示すように、そ
の筒軸方向の中間部位に筒壁を貫通する2つの窓部3
a,3aを直径方向に対向させて備え、窓部3a,3a
を挾んで筒軸方向の一方側(上側)が第1中間筒部3b
に形成され、他方側(下側)が第2中間筒部3cに形成
されている。すなわち、中間筒3の内径はその軸方向の
全長にわたって同じであるが、第1中間筒部3bは他の
部位よりも厚肉に形成されてその外径が大きくなってい
るものである。
【0026】上記シールゴム4は、上記中間筒3の外周
面に加硫接着されていて、該中間筒3の各窓部3aに対
応する窓部を有し、上記第1中間筒部3bの外周部位が
第1シールゴム部4aに形成され、上記第2中間筒部3
cの外周部位が第2シールゴム部4bに形成されてい
る。上記ゴム部5はその内周面が上記内筒2に、外周面
が上記中間筒3の内周面にそれぞれ加硫接着されてい
て、該中間筒3の各窓部3aに開口するポケット(凹
部)5aを備えており、上記中間筒3及びシールゴム4
の各窓部と共に、上記外筒1の内周面との間に液体(シ
リコーンオイルやグリコール等)を収容する液室6,6
を形成している。
【0027】上記内筒2の外周面には、上記液室6,6
に突出し外筒1と内筒との間に所定値以上の筒軸に直交
する方向の相対荷重が作用した際に外筒1の内周面に当
たるストッパ8が固定されている。このストッパ8は、
上記外側及び内側の両ゴム部4,5の過度の変形による
損傷を防止するためのものである。本例の場合、上記ゴ
ム部5が上記ストッパ8をくるんでいて、ストッパ8と
外筒1とが直接衝突することがないように構成されてい
る。また、上記シールゴム4とゴム部5とは上記中間筒
3の窓3aを介して連続している。
【0028】また、上記液室6,6は、図4に示すよう
に、上記ストッパ8の内周面に形成され上記内筒2を周
回するオリフィス通路9と、該オリフィス通路9より直
径方向に延設されて当該液室6,6に開口した連絡通路
10,10とによって連絡されている。当該液体封入ブ
ッシュの場合は、外筒1と内筒2との間に筒軸と直角方
向に相対変位があったときに、両液室6,6間で上記オ
リフィス通路9を介して液体の移動を生じそれによって
減衰作用を呈することになる。
【0029】−シール構造− 上記液室6に液体を封ずるシール構造は、外筒1、中間
筒3及びシールゴム4が担っている。すなわち、中間筒
3は、その第1中間筒部3bの外径が第2中間筒部3c
を含む他の部位よりも大径に形成されている。そして、
上記シールゴム4は、上記第1中間筒部3bと第2中間
筒部3cの外径差よりも大きな肉厚差でもって第1シー
ルゴム部4a側が薄く第2シールゴム部4b側が厚く設
けられ、上記外筒1の縮径によって第1及び第2の各中
間筒部と外筒との間に加圧挟持されている。これによ
り、第1シールゴム部4aのバネ定数が第2シールゴム
部4bのバネ定数よりも高くなっている。
【0030】次にこのようなシール構造を得るための液
体封入ブッシュの製造方法を説明する。
【0031】−液体封入ブッシュの製造方法− 中間品及び外筒の製作 図3に示すように、筒軸方向中間部位に窓部3a,3a
を有し且つ第1中間筒部3b側の外径が第2中間筒部3
c側の外径よりも大きい中間筒3を製作する。内筒2に
はストッパ8を固定しておく。そして、上記内筒2と上
記中間筒3との間に上記ゴム部5を設ける一方、該中間
筒3の外周面にシールゴム4を第1中間筒部3bの方の
外径が第2中間筒部3cよりも小径になるように設けて
なる図5に示す中間品11を製作する。一方、上記外筒
1を構成するための外筒部材12は、その内径を上記第
1シールゴム部4aの外径よりも大きく形成しておく。
【0032】 中間品の圧入及び液体の注入 上記中間品11を外筒部材に圧入する。この場合、図6
に示すように、中間品11における第1シールゴム部4
aと外筒部材12との間には微小隙間13が形成され
る。そして、上記外筒部材12とゴム部5の間に形成さ
れる液室部分に上記微小隙間13を利用して真空引きし
ながら液体を注入し、該液室部分を当該液体によって満
たす。
【0033】 外筒の縮径加工 縮径加工は、図7に示すように、上記液体と同じ液体1
4によって満たされ底部に縮径用治具15が載置された
容器内の当該液中で行なう。
【0034】すなわち、縮径用治具15は、下方へいく
に従って内径が漸次小さくなるよう内周面にテーパ15
aが付された縮径加工部15bを上部に備え、内径が上
記縮径加工部15bよりも大きく形成された大径部15
cを下部に備えてなる円筒状のものである。そして、上
記外筒部材12に中間品11を圧入してなる圧入品を、
上記液中に浸漬し第2中間筒部3c側が下になるように
して、上記縮径用治具15の縮径加工部15bに加圧治
具17によって上から圧入していく。
【0035】これにより、外筒部材12は第2中間筒部
3c側の端部から第1中間筒部3b側の端部へと次第に
径が狭まっていく。この縮径によって上記液室部分の容
積が小さくなっていくが、第1シールゴム部4aと外筒
部材12との間に微小隙間13が形成されているため、
上記容積の減少分に相当する液体が微小隙間13から上
方へ流出していく。よって、縮径完了時点においても液
室6の液圧が高くなることはなく、液体の洩れやゴム部
5の破損は生じない。
【0036】−微小隙間、シールゴムのバネ定数及びシ
ール性について− 液体封入ブッシュ各部の寸法設定を以下の通りとする。 外筒1の内径;46.8mm 外筒部材(縮径前の外筒)12の内径;47.6 第1中間筒部3bの外径;45.8mm 第1シールゴム部4aの自由状態での外径;47.2mm 第2中間筒部3cの外径;44.0mm 第2シールゴム部4bの自由状態での外径;48.0mm
【0037】中間品11を外筒部材12に圧入した段階
では、第2シールゴム部4bは外径が48.0mmから外
筒部材12の内径47.6mmに圧縮され、両者間に隙間
は生じないが、第1シールゴム部4aの自由状態での外
径47.2mmは外筒部材12の内径よりも小さいから、
両者間に(47.6−47.2)÷2=0.2mmの隙間
13を生ずることになる。よって、上述の液圧の上昇を
招かない縮径加工が可能になる。
【0038】そうして、上記外筒部材12の縮径後にお
いては、第2シールゴム部4bは当初の48.0mmから
外筒1の内径46.8mmに圧縮されるから、その圧縮代
は当該径差の2分の1で0.6mmである。この圧縮され
た第2シールゴム部4bのバネ定数を675kgf/mmとす
ると、この第2シールゴム4bは、675×0.6=4
05kgf までの荷重に対してシール性が得られることに
なる。
【0039】一方、第1シールゴム部4aの方は、当初
の47.2mmから46.8mmに圧縮され、その圧縮代は
0.2mmであり、当該圧縮によってバネ定数は9769
kgf/mmとなる。従って、405kgf の荷重が作用した場
合、405÷9769(約0.041)mmの変位を生ず
ることになるが、上記の如く0.2mmの圧縮代があるた
め、シール性には何の問題もない。
【0040】<実施例2>本例は図8〜図11に示され
ており、シールゴム21が外筒1に固着されている点が
実施例1と大きく相違する。なお、実施例1のものと実
質的に同じ要素には同じ符号を付し、実施例1との相違
点を中心にて本例の説明を行なう。
【0041】すなわち、外筒1自体、内筒2、中間筒
3、ゴム部5及びストッパ8の構成は実施例1のものと
同じであるが、シールゴム21は中間筒3には固着され
ておらず外筒1に加硫接着されていて、第1中間筒部3
bに対応する部位が第1シールゴム部21aを構成し、
第2中間筒部3cに対応する部位が第2シールゴム部2
1bを構成している。
【0042】当該ブッシュの製造にあたっては、図9及
び図10に示すように上記内筒2と中間筒3との間にゴ
ム部5を設けてなる内側中間品22を製作する。一方、
内径が全長にわたって同じに形成された外筒部材23
(図11参照)の内周面シールゴム21を設けて外側中
間品24を製作する。この場合、第1シールゴム部21
aは第2シールゴム部21bよりも薄肉に形成し、且つ
第1シールゴム部21aの内径は上記第1中間筒部3b
の外径よりも大きく形成する。
【0043】そして、上記内側中間品22を外側中間品
24に圧入し、実施例1の場合と同様にして液室部分に
液体を注入する。本例の場合は、図11に詳細に示すよ
うに第1中間筒部3bと第1シールゴム部21aとの間
に微小隙間25が形成されることになる。
【0044】そうして、実施例1の場合と同様に、液中
において同様の治具を用いて、上記外筒部材23の径を
第2中間筒部3c側の端部から第1中間筒部3bの端部
へと次第に狭めていく縮径加工を行なう。その際、上記
液室部分の容積の減少分に相当する液体が上記第1中間
筒部3bと第1シールゴム部21aとの間の微小隙間2
5から流出することになる。よって、実施例1の場合と
同様に縮径完了時点において液室の液圧が高くなること
はなく、液体の洩れやゴム部5の破損は生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の液体封入ブッシュの平面図
【図2】図1のA−A線における断面図
【図3】実施例1の中間筒の斜視図
【図4】中間品の横断面図
【図5】図4のB−B線における断面図
【図6】実施例1における外筒とシールゴムとの隙間を
示す縦断面図
【図7】外筒の縮径加工を行なっている状態を示す縦断
面図
【図8】実施例2の液体封入ブッシュを示す縦断面図
【図9】内側中間品の横断面図
【図10】図9のC−C線における断面図
【図11】実施例2におけるシールゴムと中間筒との隙
間を示す縦断面図
【符号の説明】
1 外筒 2 内筒 3 中間筒 3a 窓 3b 第1中間筒部 3c 第2中間筒部 4,21 シールゴム 4a,21a 第1シールゴム部 4b,21b 第2シールゴム部 5 ゴム部 5a ポケット(凹部) 6 液室 8 ストッパ 9 オリフィス通路 11 中間品 12,23 外筒部材 13 25 微小隙間 15 縮径用治具 17 加圧治具 22 内側中間品 24 外側中間品

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに間隔をおいて外側と内側とに配置
    された外筒及び内筒と、該内筒の外周面に設けられたゴ
    ム部と、該ゴム部の外周面に開口し上記外筒との間に液
    室を形成する凹部と、該凹部を挾んで軸方向の一方側及
    び他方側の各ゴム部外周面に設けられた第1及び第2の
    各中間筒部と、上記液室を密封するよう上記外筒と第1
    及び第2の各中間筒部との間に介装された第1及び第2
    の各シールゴム部とを備え、上記液室に減衰媒体として
    の液体が収容された液体封入ブッシュであって、 上記第1中間筒部は上記第2中間筒部よりも外径が大き
    く形成され、 上記外筒は上記第1中間筒部に対応する部位の内径と上
    記第2中間筒部に対応する部位の内径とが実質的に同一
    に形成されていて、 上記第1及び第2の各シールゴム部は、上記第1中間筒
    部と第2中間筒部との外径差よりも大きな肉厚差でもっ
    て第1シールゴム部の方が薄く第2シールゴム部の方が
    厚く設けられて、第1シールゴム部のバネ定数が第2シ
    ールゴム部のバネ定数よりも高くなるよう上記外筒の縮
    径によって第1及び第2の各中間筒部と外筒との間に加
    圧挟持されていることを特徴とする液体封入ブッシュ。
  2. 【請求項2】 互いに間隔をおいて外側と内側とに配置
    された外筒及び内筒と、該内筒の外周面に設けられたゴ
    ム部と、該ゴム部の外周面に開口し上記外筒との間に液
    室を形成する凹部と、該凹部を挾んで軸方向の一方側及
    び他方側の各ゴム部外周面に設けられた第1及び第2の
    各中間筒部と、上記液室を密封するよう上記外筒と第1
    及び第2の各中間筒部との間に介装された第1及び第2
    の各シールゴム部とを備え、上記液室に減衰媒体として
    の液体が収容された液体封入ブッシュの製造方法であっ
    て、 上記第1中間筒部をその外径が第2中間筒部の外径より
    も大きくなるように形成し、 上記内筒と上記第1及び第2の中間筒部との間に上記ゴ
    ム部を設ける一方、該第1及び第2の中間筒部の各外周
    面に第1及び第2の各シールゴム部を第1シールゴム部
    の外径の方が第2シールゴム部の外径よりも小径になる
    ように設けてなる中間品を製作し、 上記中間品を内径が軸方向の全長にわたって実質的に同
    一に形成された外筒に圧入することによって上記液室を
    形成するとともに、該液室に上記液体を入れ、 上記外筒の外径を上記第2中間筒部側の端部から上記第
    1中間筒部側の端部へと次第に狭めていく縮径加工を行
    なうことにより、上記液室の容積の減少分に相当する液
    体を該液室から上記第1シールゴム部と当該外筒との間
    を通して流出させて、上記中間品と外筒とを一体化する
    ことを特徴とする液体封入ブッシュの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記第1シールゴム部の外径を、上記縮
    径加工前の外筒の内径よりも小径に形成するようにした
    請求項2に記載の液体封入ブッシュの製造方法。
  4. 【請求項4】 互いに間隔をおいて外側と内側とに配置
    された外筒及び内筒と、該内筒の外周面に設けられたゴ
    ム部と、該ゴム部の外周面に開口し上記外筒との間に液
    室を形成する凹部と、該凹部を挾んで軸方向の一方側及
    び他方側の各ゴム部外周面に設けられた第1及び第2の
    各中間筒部と、上記液室を密封するよう上記外筒と第1
    及び第2の各中間筒部との間に介装された第1及び第2
    の各シールゴム部とを備え、上記液室に減衰媒体として
    の液体が収容された液体封入ブッシュの製造方法であっ
    て、 上記第1中間筒部をその外径が第2中間筒部の外径より
    も大きくなるように形成し、 上記内筒と第1及び第2の中間筒部との間に上記ゴム部
    を設けてなる内側中間品を製作する一方、 内径が軸方向の全長にわたって実質的に同一に形成され
    た外筒の内周面に、第1及び第2の各シールゴム部を、
    第1シールゴム部の内径の方が第2シールゴム部の内径
    よりも大径になるように、且つ該両シールゴム部の内径
    差が上記第1中間筒部と第2中間筒部との外径差よりも
    大きくなるように設けてなる外側中間品を製作し、 上記内側中間品を外側中間品に圧入して上記液室を形成
    するとともに、該液室に上記液体を入れ、 上記外筒の外径を上記第2中間筒部側の端部から上記第
    1中間筒部側の端部へと次第に狭めていく縮径加工を行
    なうことにより、上記液室の容積の減少分に相当する液
    体を該液室から上記第1シールゴム部と当該外筒との間
    を通して流出させて、上記内側中間品と外側中間品とを
    一体化することを特徴とする液体封入ブッシュの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 上記縮径加工前における第1シールゴム
    部の内径を上記第1中間筒部の外径よりも大径に形成す
    るようにした請求項4に記載の液体封入ブッシュの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 上記縮径加工を上記液室用の液中で行な
    う請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の液体封
    入ブッシュの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006027827A1 (ja) * 2004-09-07 2006-03-16 Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. 液封入式防振装置

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