JPH0753969Y2 - ブランケット胴等の回転体の洗浄装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、印刷にあずかるブラン
ケット胴等の回転体の洗浄装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、印刷に使用されるブランケット胴
等の回転体の洗浄装置として、洗浄布を供給ロ−ルから
巻取りロ−ルに送り、その中間にて洗浄布を回転体に相
対的に接触移動させて洗浄させるものが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記従来の洗浄装置
は、洗浄布の供給ロ−ルと巻取りロ−ルの装置への取付
と装置からの取外しが面倒である。

【０００４】本考案は、それらのロ−ルの取付と取外し
がきわめて容易にできる洗浄装置を提供しようとするも
のである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は上記目的を達成
するために、洗浄布の供給ロールと巻取りロールの両端
が支持用の回転軸に第１継手部と第２継手部とで各々分
離可能に結合され、第１継手部は縦方向（回転軸の軸方
向）の差込式のものであり、第２継手部は横方向（回転
軸の軸方向と交差する方向）の差込式のものであってか
つクリック手段を有する連結ピンで着脱される。

【０００６】

【実施例】以下本考案の実施例につき図面を参照しなが
ら具体的に説明する。

【０００７】図１はオフセット印刷機を示し、インキつ
ぼ（１）からインキがインキ供給ロ−ラ−群（２）を介
して版胴（３）の版面に塗布し、該版面から画線のイン
キをゴム製のブランケット胴（４）の外周面に移し、該
ブランケット胴（４）からそれと圧胴（５）の間に送ら
れる印刷紙（６）に転写する。この印刷行程において、
ごみ，紙粉，インキ等の付着物がブランケット胴
（４），圧胴（５），インキ供給ロ−ラ−群（２）等に
付着されると印刷の質が悪化される。

【０００８】上記付着物を除去するため、洗浄布（７）
が２点の張設支点（８），（９）間に張設され、その洗
浄布（７）にその裏側から洗浄液を噴射する噴射孔(10)
を有する噴射管(11)が洗浄布（７）の裏側に設けられて
いる。

【０００9 】洗浄布（７）は不織布で形成され、巻物状
に巻芯(12)に巻きつけられていて、その巻芯を洗浄布供
給ロ−ル(13)に一体的に回転するように嵌合させ、この
洗浄布供給ロ−ルに一定のブレ−キを掛けている。

【００１０】洗浄布（７）の一端は張設支点（８），
（９）を経由して洗浄布巻取りロ−ル(14)に一体的に回
転状態に嵌合された巻芯(15)に巻きつけられて、その巻
取りロ−ルにて巻き取られる。その巻取りにて新しい洗
浄布（７）が順次洗浄位置に供給される。

【００１１】 洗浄布（７）を緊張状態に支持する２点
の張設支点の一方（８）は側枠（１６）の上辺と前辺と
の角部に設けられ、他方（９）は前辺と下辺との角部に
設けられ、これらの張設支点（８），（９）は両側枠
（１６），（１６）間に延びている。下方の張設支点
（９）は上方の張設支点（８）より斜め前方の位置を取
り、かつブランケット胴等の回転体（４）の回転方向
（Ａ）に対抗する方向に向いている。

【００１２】上記両張設支点（８），（９）は回転ロ−
ルで構成されていて、両側枠(16)，(16)間にわたって延
び、連結杆(17)，(17)で回転自在に支持されており、こ
れらの連結杆(17)，(17)が側枠(16)にボルト(18)で固着
されている（図４）。さらに他の連結杆(19)が側枠(16)
にボルト(18)で固着され、前記連結杆(17)，(17)とあい
まって両側枠(16)，(16)を所定の間隔を保つと共に強固
に結合している。

【００１３】噴射管(11)は両側枠(16)間に設けられ、噴
射孔(10)が噴射管(11)のほゞ全長にわたって等間隔に穿
設されている。洗浄液は噴射管(11)の両端から噴射管(1
1)内に送られて噴射孔(10)から洗浄布（７）の裏側に噴
射される。

【００１４】供給ロ−ル(13)と巻取りロ−ル(14)は互い
に同一長さで、両側枠(16)，(16)間の距離より若干短
い。

【００１５】供給ロ−ル(13)は、その両端が第１継手部
(20)と第２継手部(21)を介して回転軸(22)，(23)に一体
的に回転すると共に分離可能に連結され、回転軸(22)，
(23)が側枠(16)に固着された軸受(24)，(25)に支持され
ている（図５）。

【００１６】 巻取りロール（１４）もその両端が第１
継手部（２０）と第２継手部（２１）を介して回転軸
（２６），（２７）に一体的に回転すると共に分離可能
に連結され、回転軸（２６），（２７）も側枠（１６）
に固着された軸受（２８），（２９）に支持されている
（図５）。

【００１７】第１継手部(20)は、供給ロ−ル(13)と回転
軸(22)の結合と、巻取りロ−ル(14)と回転軸(26)の結合
に共通に使用されるように同一の構造に形成されてい
る。また第２継手部(21)も供給ロ−ル(13)と回転軸(23)
の結合と、巻取りロ−ル(14)と回転軸(27)の結合に共通
に使用されるように同一の構造に形成されている。

【００１８】第１継手部(20)は、供給用や巻取り用のロ
−ル(13)，(14)を回転軸(22)，(26)に対して縦方向に差
し込むことにより、両部材を一体的に回転できかつ分離
できるように連結する。その一例として、正方形の連結
孔(30)が回転軸(22)，(26)の端面に形成され、この連結
孔に差し込まれる正方形の連結軸(31)がフランジ(32)を
介してロ−ルの(13)，(14)の端面に分離可能に固着され
ている（図６）。

【００１９】 第２継手部（２１）は、供給用や巻取り
用のロール（１３），（１４）を回転軸（２３），（２
７）に対して横方向に差し込むことにより、両部材を一
体的に回転できかつ分離できるように連結する。その一
例として、連結溝（３３）が回転軸（２３），（２７）
に形成され、この連結溝に差し込まれる板状の連結片
（３４）がフランジ（３５）を介してロール（１３），
（１４）の端面に固着されている。さらに連結ピン（３
６）が回転軸（２３），（２７）の横方向の案内孔（３
７）に摺動可能に挿入されている。この連結ピン（３
６）は押し込まれると連結片（３４）の溝孔（３８）に
嵌合して、連結片（３４）を回転軸（２３），（２７）
に結合し（図８）、逆に引き出されるとその結合を解除
する（図９）。

【００２０】連結ピン(36)はストップピン(39)を有し、
このストップピン(39)が案内溝(40)に沿って移動し、そ
の一端に突き当ることにより、連結ピン(36)が回転軸(2
3)，(27)から分離するのを阻止する（図９）。ストップ
ピン(39)はクリック手段にて、押し込まれた結合位置と
引き出された解除位置に保持される。そのクリック手段
として、結合位置を定める環状溝(41)と解除位置を定め
る環状溝(42)が連結ピン(36)に形成され、これらの環状
溝に係合する球(43)と該球を連結ピン方向に常時付勢す
る圧縮コイルばね(44)と該ばねを押し込む止めねじ(45)
が回転軸(23)，(27)の横孔(46)内に組み込まれている
（図８，図９）。

【００２１】 連結軸（３１）はフランジ（３２）と一
体に形成され、このフランジに連結軸（３１）と反対側
に延びる連結軸（４７）が一体に形成されている（図１
０）。連結座（４８）は上記連結軸（４７）と嵌合する
ものであって、供給ロール（１３）と巻取りロール（１
４）の各端部に固着されている。連結軸（４７）と連結
座（４８）は、ボルト（４９）を連結軸（３１），（４
７）の中心孔（５０）に貫通させて、その先端のねじ部
（５１）を連結座（４８）のねじ孔（５２）に螺合させ
ることにより結合される。ボルト（４９）を締めつける
と、頭部（５３）が連結軸（３１）の肩部（５４）に係
合して両フランジ（３２），（３５）が互いに近寄る方
向に引き寄せられて、そのフランジで供給ロール（１
３）または巻取りロール（１４）上の洗浄布（７）用の
巻芯（１２），（１５）を締めつける。その結果巻芯
（１２）は供給ロール（１３）や巻取りロール（１４）
と一体的に回転する。ボルト（４９）をゆるめて連結軸
（４７）を連結座（４８）から分離させると、巻芯（１
２），（１５）を供給ロール（１３）や巻取りロール
（１４）から引き抜くことができる。尚連結軸（４７）
と連結座（４８）は、連結軸側のキーと連結座側のキー
溝との嵌合にて一体的に回転する関係にある（図示
略）。

【００２２】リング状の制動子(55)と圧縮コイルばね(5
6)が軸受(24)の外周に嵌合され（図５）、ばね(56)で制
動子(55)を回転軸(22)のフランジ(57)に押しつけて制動
力を回転軸に与える。制動子(55)はその孔(58)が軸受(2
4)の端面のピン(59)に嵌合されて、静止状態に保たれて
いて、フランジ(57)との間に相対的すべり摩擦が生じ
る。

【００２３】制動力の調節手段として、調節用ナット(6
0)が回転軸(22)に螺合されている。このナット(60)を締
めつけると、回転軸(22)のフランジ(57)が制動子(55)の
方向に引き寄せられて制動力が強化され、逆にナット(6
0)をゆるめるとフランジ(57)は制動子(55)から遠のく方
向に送られて制動力が弱められる。

【００２４】巻取りロ−ル(14)は駆動手段で間欠的に回
転される。その手段として、クランクア−ム(61)の環状
のボス(62)が一方向クラッチ(63)を介して軸(26)に嵌合
されている（図４，図５）。このクランクア−ム(61)の
先端は連結部材(64)にピン（65）で枢着され、該連結部
材(64)がピストンロッド(66)に連結され、該ピストンロ
ッド(66)はエア−シリンダ−(67)で往復動される（図
４）。このピストンロッド(66)は図４において突出位置
にあり、シリンダ−(67)で矢印方向（Ｂ）に引き込まれ
ると、クランクア−ム(61)が連結部材(64)を介して矢印
方向（Ｃ）に回転する。その回転の際一方向クラッチ(6
3)を介して軸(26)が同方向（Ｃ）に回転されて巻取りロ
−ル(14)を同方向に従動させ、洗浄布（７）を巻取る。
ピストンロッド(66)が引込位置から突出位置に復帰する
と、クランクア−ム(61)は矢印（Ｃ）と逆方向に回転す
るが、その間軸(26)は一方向クラッチ(63)により従動し
ない。このようにしてピストンロッド(66)の往復動に
て、巻取りロ−ル(14)が間欠的に回転され、洗浄布
（７）を間欠的に送る。尚一方向クラッチ(68)が軸受(2
8)と回転軸(26)との間にも設けられていて、回転軸(26)
の逆転を阻止する。エア−シリンダ−(67)はピン(69)で
ブラケット(70)に枢着されていて、ピストンロッド(66)
とクランクア−ム(61)の運動を円滑にしている。ブラケ
ット(70)は側枠（16）の上辺にボルト(71)で固着されて
いる（図３）。

【００２５】洗浄布（７）はピストンロッド(66)の１往
復につき、ほゞ５mm程度の長さで順次間欠的に送られ、
その送られた布に噴射孔(10)から洗浄液が噴射されて、
ブランケット胴等の回転体（４）を洗浄する。この洗浄
が１０回程繰り返えされたのち、洗浄液の噴射を停止し
て、洗浄布（７）をほゞ１０回程送って被洗浄面上の洗
浄液をふき取る。この間回転体（４）はほゞ１時間当り
６０００〜７０００回回転している。

【００２６】

【考案の効果】本考案は、洗浄布の供給ロ−ル(13)と巻
取りロ−ル(14)の両端が支持用の回転軸(22,23,26,27）
に第１継手部(20)と第２継手部(21)とで各々分離可能に
連結され、第１継手部(20)は縦方向の差込式であり、第
２継手部(21)は横方向の差込式であってかつクリック手
段を有する連結ピン(36)で着脱されるように構成されて
いるので、供給ロ−ルと巻取りロ−ルの装置への取付と
装置からの取外しがきわめて容易にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】オフセット印刷機の概略図である。

【図２】本考案の洗浄装置の左側面図である。

【図３】本考案の洗浄装置の平面図である。

【図４】図３のIV−IV線断面図である。

【図５】図４のＶ−Ｖ線断面図である。

【図６】本考案の第１継手部の斜視図である。

【図７】本考案の第２継手部の斜視図である。

【図８】結合状態を示す図５のVIII−VIII線断面図であ
る。

【図９】解除状態を示す図５のVIII−VIII線断面図であ
る。

【図10】図５のＸ−Ｘ線断面図である。

【符号の説明】

１ インキつぼ ２ インキ供給ロ−ラ−群 ３
版胴 ４ ブランケット胴 ５ 圧胴 ６ 印
刷紙 ７ 洗浄布 ８ 張設支点 ９張設支点
11 噴射管 13 洗浄布供給ロ−ル 14 洗浄布
巻取りロ−ル16 側枠 17 連結杆 19 連結杆
20 第１継手部 21 第２継手部 22 回転軸
23 回転軸 24 軸受 25 軸受 26 回転軸
27 回転軸 28 軸受 29 軸受 30 連結孔
31 連結軸 33連結溝 34 連結片 36 連結
ピン 41 環状溝 42 環状溝 43球 44 圧
縮コイルばね 55 制動子 56 圧縮コイルばね
57 フランジ 61 クランクア−ム 63 一方向
クラッチ 64 連結部材 66ピストンロッド 67
エア−シリンダ− 68 一方向クラッチ 70 ブ
ラケット

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷にあずかるブランケット胴，圧胴，
   インキ供給ローラ−等の回転体の外周面をその外周面と
   の相対的な接触移動にて洗浄する洗浄布と、該洗浄布を
   供給する供給ロールと、この供給された洗浄布を巻き取
   る巻取りロールと、上記各供給ロールと巻取りロールの
   両端を支持する回転軸を具備し、上記各供給ロールと巻
   取りロールの一端は一方の回転軸に第１継手部で分離可
   能に連結され、他端は他方の回転軸に第２継手部と連結
   ピンで分離可能に連結され、上記第１継手部は上記一方
   の回転軸の端面に形成された連結孔と供給ロールと巻取
   りロールの端面に設けられて上記連結孔に上記一方の回
   転軸の軸方向にて差し込まれる連結軸で構成され、これ
   らの連結孔と連結軸は一体的に回転する関係にあり、上
   記第２継手部は上記他方の回転軸の端面に形成された連
   結溝を有する二叉部と供給ロールと巻取りロールの端面
   に設けられて上記二叉部の連結溝内に上記他方の回転軸
   を交差する方向にて差し込まれる連結片で構成され、こ
   れらの二叉部と連結片も一体的に回転する関係にあり、
   上記連結ピンは第２継手部の二叉部の連結溝と連結片を
   貫通して互いに連結する位置と連結溝と連結片から抜け
   てその連結を解除する位置にクリック手段で保持される
   関係にあるブランケット胴等の回転体の洗浄装置。
2. 【請求項２】 上記クリック手段として、連結位置を定
   める環状溝と連結解除位置を定める環状溝が連結ピンに
   形成され、上記環状溝にかみ合う球と該球を環状溝に押
   しつけるばねが支持用の上記他方の回転軸に組み込まれ
   た請求項１記載のブランケット胴等の回転体の洗浄装
   置。
3. 【請求項３】 前記巻取りロ−ルを支持する一方の回転
   軸は駆動軸として使用される請求項１または２記載のブ
   ランケット胴等の回転体の洗浄装置。
4. 【請求項４】 前記供給ロ−ルを支持する一方の軸は巻
   取りロ−ルの巻取り力に対抗するように制動手段で制動
   力が与えられる請求項１から３までのいずれかに記載の
   ブランケット胴等の回転体の洗浄装置。