JPH0752342A - 成形用積層シート - Google Patents

成形用積層シート

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JPH0752342A
JPH0752342A JP20083593A JP20083593A JPH0752342A JP H0752342 A JPH0752342 A JP H0752342A JP 20083593 A JP20083593 A JP 20083593A JP 20083593 A JP20083593 A JP 20083593A JP H0752342 A JPH0752342 A JP H0752342A
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resin
laminated sheet
sheet
molding
thickness
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JP20083593A
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Teiichi Sato
禎一 佐藤
Tsutomu Matsuoka
勉 松岡
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 sagによる成形品の皺や厚みの偏肉の発生
が無く、熱成形性に優れる効果があり、その結果として
ガスバリヤー性を大幅に改善したポリプロピレン系樹脂
を主体とした成形用積層シートを供給する。 【構成】 ガスバリヤー性樹脂層の少なくとも片面に、
接着層を介してポリプロピレン系樹脂層を積層した成形
用積層シートにおいて、この成形用積層シートのAST
M−D−1504で測定した熱収縮応力がポリプロピレ
ン系樹脂の融点〜融点+20℃の温度領域で最大値の1
00g/cm2 〜300g/cm2 の値を示し、上記成
形用積層シートの全厚みに占めるポリプロピレン系樹脂
層の厚み割合が70%以上であることを特徴とする成形
用積層シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空成形や圧空成形と
いった熱成形により容器等に成形して、食品等の包装に
利用される、ポリプロピレン系樹脂を主体としたガスバ
リヤー性成形用積層シートに関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニリデン系共重合体やエチレンー
ビニルアルコール共重合体等のガスバリヤー性樹脂層の
少なくとも片面に、接着層を介してポリプロピレン系樹
脂層を積層した成形用積層シートは、真空成形や圧空成
形といった熱成形により容器等に成形し、ガスバリヤー
性の必要な食品等の包装に広く用いられている。
【0003】このような積層シートは、一般的に共押出
法もしくは熱ラミネート法により製造される。共押出法
とは、複数の押出機より樹脂を同時に押出し、積層用T
ダイにより積層しシート状として、キャストローラーで
固化させる方法である。熱ラミネート法とは、予め成形
しておいたガスバリヤー性フィルムに接着剤を塗布し、
その上にTダイより押出した溶融したポリプロピレン系
樹脂層を重ね合わせる方法である。
【0004】この積層シートは実質的に無配向状態で、
熱成形加工時の熱による寸法変化がなく、型に添った大
きな伸び変形が得られる点で、延伸配向された積層シー
トとは異なる性質を有している。反面、この成形用積層
シートの熱成形における課題は、成形のための加熱時に
シートが自重により垂れ下がってしまう不良現象で、こ
の不良現象は一般にsagと呼ばれている。このsag
が発生すると、成形品に皺が寄ったり、成形品の厚みが
偏肉する不良品の原因となる。この現象はポリプロピレ
ン系の成形用シートに総じて見られるが、特にガスバリ
ヤー性樹脂との積層シートにおいては、ガスバリヤー性
樹脂の溶融張力が低いため顕著となる。しかも、昨今で
は食品の長期保存化等により、より一層のガスバリヤー
性向上が要求されており、このためガスバリヤー性樹脂
層の厚みを増そうとするが、これによりsagは大きく
なってしまうので、sagに対する有効な対策が切望さ
れている。このsagを未然に防ぐための方策として、
高い溶融粘度を持つポリプロピレン系樹脂を用いる方法
が特開昭61−79650号公報に提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高い溶
融粘度例えばメルトフローレート(MFR)が0.2g
/10分(ASTM−D−1238,230℃)の値を
持つポリプロピレン樹脂を用いた積層シートを実際に熱
成形してみると、必ずしもsagを充分防ぎ切れず、そ
のため成形品に皺が寄ったり、成形品の厚みが偏肉して
良品が取れないことになる。このように、上記特開昭6
1−79650号公報の提案は、高溶融粘度樹脂の持つ
低い熱流動性をsag防止対策に利用しようとしたもの
と考えられるが、低い熱流動性はsagの大きさの抑制
にはなり得てもsag発生防止の根本対策にはならず、
熱成形時にあっては型に添って伸びる伸び変形を悪化さ
せる原因になるものと推察される。また、高い溶融粘度
を持つポリプロピレン系樹脂は高い押出加工温度を必要
とするので、これに隣接するガスバリヤー性樹脂の熱変
色・劣化を伴わせる問題点もある。
【0006】本発明者らは、上記従来技術のもつ課題を
解決するため鋭意検討した結果、ガスバリヤー性樹脂を
劣化・変色させることなく、熱成形において、sagに
よる成形不良が無く、且つ型再現性に優れ、ガスバリヤ
ー性を改善した成形用積層シートを提供することを見出
したのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するためのものである。すなわち、本発明は、ガスバ
リヤー性樹脂層の少なくとも片面に、接着層を介してポ
リプロピレン系樹脂層を積層した成形用積層シートにお
いて、該成形用積層シートのASTM−D−1504で
測定した熱収縮応力がポリプロピレン系樹脂の融点〜融
点+20℃の温度領域で最大値の100g/cm2 〜3
00g/cm2 の値を示し、上記成形用積層シートの全
厚みに占めるポリプロピレン系樹脂層の厚み割合が70
%以上であることを特徴とする成形用積層シートであ
る。
【0008】以下、本発明の内容を図面等を用いて詳述
する。本発明の積層シートが従来品と相違する所は、 積層シートのASTM−D−1504で測定した熱収
縮応力がポリプロピレン系樹脂の融点〜融点+20℃の
温度領域で最大値の100g/cm2 〜300g/cm
2 の値を示すこと。
【0009】積層シートの全厚みに占めるポリプロピ
レン系樹脂層の厚み割合が70%以上であることの2つ
である。 の必要性は、熱成形時に樹脂が流動状態に達しても、
緊張状態を維持してシートの自重による垂れ下がりを防
ぐためである。熱収縮応力が100g/cm2〜300
g/cm2 の値を示す必要性は、100g/cm2 より
小さいと緊張状態を維持できずシートの自重により垂れ
下がってしまい、300g/cm2 より大きいと型に添
って伸びる伸び変形が悪化する不良が発生するからであ
る。また、熱収縮応力がポリプロピレン系樹脂の融点〜
融点+20℃の温度領域で最大値を示す必要性は、最大
値がポリプロピレン系樹脂の融点より低いと成形時の熱
による寸法変化が大きく実質上成形が不可能になり、融
点+20℃より高いと成形時に緊張状態を維持できない
からである。
【0010】そして、の条件を満たし且つの条件を
満足すれば、sagの無い良好な成形が可能となる。す
なわち、ポリプロピレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂、例
えばガスバリヤー性樹脂等の熱成形性が悪い樹脂でも、
その厚みの合計がシートの全厚みの30%未満であれば
良い。従来の積層シートでは、ガスバリヤー性樹脂層を
増すとsagが増大するので、その厚み割合はせいぜい
3%を越えることはできなかったが、本発明のシートで
は、ガスバリヤー性樹脂層の厚み割合は接着層の介在を
考慮して最大25%にすることが可能となる。これによ
り積層シートのガスバリヤー性を大幅に向上できる。
【0011】図1は本発明の積層シートを得るに有益な
製造工程の概念図である。図1において本発明の積層シ
ートを製造方法(共押出法)は、押出機1からはポリプ
ロピレン系樹脂を、押出機2からは接着剤樹脂を、押出
機3からはガスバリヤー性樹脂をそれぞれ溶融供給し、
多層用Tダイ4で合流させ、層構成がポリプロピレン系
樹脂/接着剤樹脂/ガスバリヤー性樹脂/接着剤樹脂/
ポリプロピレン系樹脂となるよう積層シートにする。T
ダイ4によりシート状となった積層溶融樹脂はキャスト
ローラー5により冷却固化され、積層シート9となる。
積層シート9は引取ローラー6を通り、トリムカッター
7によりトリム部をカットされ、巻取機8により円筒状
に巻き取られる。
【0012】この際に重要な条件は、第1に、Tダイ4
のリップ部分を通過する樹脂流の流動速度とキャストロ
ーラー5の樹脂流と最初に接触するローラーの表面速度
との比を1.5〜3、さらに好適には2〜2.5とする
ことである。これにより、樹脂分子を伸長配向させ、無
延伸シートでも熱収縮応力を発現するようになる。速度
比が1.5より小さいと樹脂分子が充分に伸長配向され
ずシートの熱収縮応力が100g/cm2 以上とならな
い。速度比が3より大きくしてももはや熱収縮応力は大
きくならず、反面、ネックインによるシートの幅方向の
厚み斑および層を構成する各樹脂の幅方向の厚み斑を生
ずることになる。
【0013】第2に、Tダイ4のダイ出口からキャスト
ローラー5における溶融樹脂の伸長速度を5以上とす
る。伸長速度が5より小さいと樹脂分子が充分に伸長配
向されずシートの熱収縮応力が100g/cm2 以上に
はなり難い。尚、ここで言う伸長速度とは、Tダイ4の
ダイリップ部分を通過する樹脂流の流動速度と最初に接
触するローラーの表面速度との比をTダイ4の出口から
キャストローラー5までの距離(m)で除した値であ
る。
【0014】第3に、樹脂流がキャストローラー5と最
初に接触する点より10mmTダイ4寄りの位置する樹
脂流の表面温度と、その位置より10秒下流側に移動し
た位置における冷却固化されたシートの表面温度との差
を100℃以上とする。100℃より小さいと冷却速度
が不十分なので応力緩和が起こり、シートの熱収縮応力
が100g/cm2 以上にはなり難い。尚、樹脂流なら
びにシートの表面温度は赤外線を利用した非接触型の温
度計により測定する。
【0015】本発明のガスバリヤー性樹脂には公知の樹
脂を使用できるが、好適には塩化ビニリデン系共重合
体、乃至エチレン−ビニルアルコール共重合体である。
本発明で言う塩化ビニリデン系共重合体とは、塩化ビニ
リデンを主成分とし、これと共重合しうる単量体との共
重合体であり、好適には塩化ビニリデン/塩化ビニル共
重合体乃至塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合
体が使用される。また、本発明で言うエチレン−ビニル
アルコール共重合体とは、エチレン或いはエチレンを主
体とし、他にプロピレン等のオレフィンを少量含む単位
と酢酸ビニル等のビニルエステル単位の鹸化で得られた
ビニルアルコール単位を有する共重合体である。
【0016】本発明に使用するポリプロピレン系樹脂
(ブレンド品を含む)のMFR(ASTM−D−123
8、230℃)は0.3g/10分〜3g/10分、好
ましくは0.5g/10分〜2g/10分が適してい
る。0.3g/10分より小さいと押出成形が困難とな
り、3g/10分を越えると、シートの持つ熱収縮応力
の値を100g/cm2 以上にすることが難しくなるか
らである。
【0017】本発明において接着層には、ポリプロピレ
ン系樹脂とガスバリヤー性樹脂に接着性のある公知の樹
脂を使用すれば良く、好適にはエチレン酢酸ビニル共重
合体、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィンなどがあ
る。本発明のシートは、ガスバリヤー性樹脂層の少なく
とも片面に、接着層を介してポリプロピレン系樹脂層を
積層したものを最小構成とする。必要に応じて、他の樹
脂層を設けても構わない。積層方法は必ずしも前述した
共押出法である必要は無く、熱ラミネート法でも構わな
い。その際には、ポリプロピレン系樹脂層をラミネート
するときの条件が共押出法で前述した条件に当てはまれ
ば良い。
【0018】本発明の積層シートの厚みは特に制限はな
いが、0.1mm〜2mmが好適である。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。ま
た、本発明で使用している評価方法、評価尺度を下記に
示す。 (A)シートの熱収縮応力測定:ASTM−D−150
4に準拠して測定した。測定条件を以下に記す。
【0020】○サンプル チャック間距離…100mm サンプル幅 …20mm シートの流れ方向をサンプルの長さ方向となるようにサ
ンプリングした。 ○加熱方法…シリコンオイルバス ○測定回数…10回行い平均をとった。
【0021】(B)シートの成形性評価: ○成形機…FLV341型成形機〔(株)浅野研究所
製〕 ○成形方法…プラグアシスト真空成形 ○成形容器の形状…口径70mmの円形容器,高さ:2
0、40、60mm ○一度に成形した容器数…7×7=49個 ○成形性評価法…7×7=49個のうち四隅の成形容器
の厚み分布を評価(容器のこの位置が最も厚み斑を生じ
やすいため) ○厚み分布の評価法…容器側壁の中間すなわち容器高さ
の半分の位置の厚みを、容器底面の円の中心の厚みで除
した値で評価(熱成形容器では側壁の中間が最も薄く、
底面の円の中心が最も厚くなるため) 1に近いほど厚み斑の小さい良好な成形性を表わす。
【0022】以下容器の厚み比と表1、2で表記 ○良好な範囲…容器の厚み比が0.5以上
【0023】
【実施例1】図1に示した押出成膜装置でポリプロピレ
ン/ポリ塩化ビニリデン積層シートを押出成膜した。す
なわち、押出機1〔径65mm,L/D32〕にはポリ
プロピレン樹脂〔C樹脂=融点:165℃,MFR:1
g/10分(230℃)〕を、押出機2〔径30mm,
L/D28〕にはエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
〔B樹脂=酢酸ビニル含有量:26%,MFR4g/1
0分(190℃)〕を、押出機3〔径30mm,L/D
24〕にはポリ塩化ビニリデン系樹脂〔A樹脂=塩化ビ
ニリデン成分/塩化ビニル成分:90/10〕をそれぞ
れ供給し押出して、多層用Tダイ4〔幅800mm〕で
合流させて、樹脂の構成並びに構成比がC/B/A/B
/C=45/2/6/2/45のシート状の溶融体を
得、キャストローラー5〔径300mm、幅1000m
m〕で冷却固化して、全厚み1.0mmの5層シートを
得た。
【0024】この際の押出成膜条件は、全押出量50K
g/時間、樹脂温度220℃、Tダイ4のリップ間隔を
2.0mm、Tダイ4の出口とキャストローラー5の第
1ピンチ部、すなわち樹脂流が最初に上記キャストロー
ラー5に接触する部分との間の距離は200mm、キャ
ストローラーの表面速度を1.13m/分、キャストロ
ーラーの表面温度を50℃とした。
【0025】基本条件は、Tダイ4のリップ部分を通過
する樹脂流の流動速度とこの樹脂流が最初に接触するキ
ャストローラー5での樹脂流の表面速度との比を2.0
とし、この表面速度との比をTダイ4の出口からキャス
トローラ5までの距離で除した値、すなわち樹脂流の伸
張速度が10になるように設定した。また、キャストロ
ーラー5の第1ピンチ部より10mmTダイ4寄りに位
置する樹脂流の表面温度は200℃、その位置より10
秒下流側に移動した位置におけるシートの表面温度は7
0℃であり、その差を130℃とした。
【0026】シート幅が650mmとなるようシートの
両側をトリムカッター6によりカットし、巻取機8によ
り円筒状に巻き取って目的とするシートを得た。AST
M−D−1504に準拠して測定したシートの熱収縮応
力は175℃で最大となり、その値は160g/cm2
であった。また積層シートの全厚みに占めるポリプロピ
レン系樹脂層の厚み割合は90%である。
【0027】
【実施例2】Tダイ4のリップ間隔を1.5mmとし、
Tダイ4のリップ部分を通過する樹脂流の流動速度とこ
の樹脂流が最初に接触するキャストローラー5での樹脂
流の表面速度との比を1.5とし、樹脂流の伸張速度を
7.5になるように設定した他は、実施例1と全く同様
の構成並びに製造方法で全厚み1.0mmの5層シート
を得た。
【0028】ASTM−D−1504に準拠して測定し
たシートの熱収縮応力は175℃で最大となり、その値
は110g/cm2 であった。
【0029】
【実施例3】MFR0.5g/10分(230℃)、融
点165℃のポリプロピレンを使用し、Tダイ4のリッ
プ間隔を3.0mmとし、Tダイ4のリップ部分を通過
する樹脂流の流動速度とこの樹脂流が最初に接触するキ
ャストローラー5での樹脂流の表面速度との比を3.0
とし、樹脂流の伸張速度を15になるように設定した他
は、実施例1と全く同様の構成並びに製造方法で全厚み
1.0mmの5層シートを得た。
【0030】ASTM−D−1504に準拠して測定し
たシートの熱収縮応力は170℃で最大となり、その値
は290g/cm2 であった。
【0031】
【比較例1】Tダイ4のリップ間隔を1.4mmとし、
Tダイ4のリップ部分を通過する樹脂流の流動速度とこ
の樹脂流が最初に接触するキャストローラー5での樹脂
流の表面速度との比を1.4とし、樹脂流の伸張速度を
7になるように設定した他は、実施例1と全く同様の構
成並びに製造方法で全厚み1.0mmの5層シートを得
た。
【0032】ASTM−D−1504に準拠して測定し
たシートの熱収縮応力は175℃で最大となり、その値
は90g/cm2 であった。
【0033】
【比較例2】MFR0.4g/10分(230℃)、融
点165℃のポリプロピレンを使用し、Tダイ4のリッ
プ間隔を3.0mmとし、Tダイ4のリップ部分を通過
する樹脂流のこの流動速度が樹脂流と最初に接触するキ
ャストローラー5での樹脂流の表面速度との比を3.0
とし、樹脂流の伸張速度を15になるように設定した他
は、実施例1と全く同様の構成並びに製造方法で全厚み
1.0mmの5層シートを得た。
【0034】ASTM−D−1504に準拠して測定し
たシートの熱収縮応力は175℃で最大となり、その値
は310g/cm2 であった。
【0035】
【比較例3】ポリ塩化ビニリデン系樹脂〔塩化ビニリデ
ン成分/塩化ビニル成分:90/10〕を、縦延伸倍率
3、横延伸倍率3.5、延伸温度35℃で延伸成膜した
フィルム(厚み60μm)の両面にウレタン系接着剤を
20μm塗布し、ポリプロピレン樹脂〔融点:165
℃、MFR:1g/10分(230℃)〕を縦延伸倍率
3、横延伸倍率4、延伸温度150℃で延伸成膜したフ
ィルム(厚み450μm)を両外側にラミネート(90
℃で圧着)して全厚み1.0mmの5層シートを得た。
ASTM−D−1504に準拠して測定したシートの
熱収縮応力は160℃で最大となり、その値は15kg
/cm2 であった。また積層シートの全厚みに占めるポ
リプロピレン系樹脂層の厚み割合は90%である。
【0036】(熱収縮応力が成形性に及ぼす影響の評
価):実施例1〜3、比較例1〜3の積層シートについ
て本文記載の評価方法で成形性を評価し、その結果を表
1にまとめて記載した。表1の結果によると、ASTM
−D−1504に準拠して測定したシートの熱収縮応力
がポリプロピレン樹脂の融点〜融点+20℃の温度領域
で最大値の100g/cm2 〜300g/cm 2 の値を
示す実施例1〜3の積層シートは、容器の厚み比(容器
側壁の中間すなわち容器高さの半分の位置の厚みを、容
器底面の円の中心の厚みで除した値)が0.7以上と良
好な成形性を示す。
【0037】これに対し熱収縮応力が100g/cm2
より小さい比較例1では、容器の高さが40、60mm
と高いすなわち絞り比の大きい容器において、容器の厚
み比が0.4以下となり、実用に耐えない成形容器しか
得られない。また、熱収縮応力が300g/cm2 より
大きい比較例2では、容器の高さが40、60mmと高
い。すなわち、絞り比の大きい容器において、型に添っ
て伸びる伸び変形性が低下し、型通りの形状の容器が得
られない。
【0038】また、熱収縮応力の最大となる温度がポリ
プロピレン樹脂の融点より5℃低い比較例3では、成形
温度まで加熱するとシートが収縮してしまい成形できな
くなってくる。以上の結果を総合すると、良好な成形性
を維持する上では、積層シートの熱収縮応力はポリプロ
ピレン樹脂の融点〜融点+20℃の温度領域で最大値の
100g/cm2 〜300g/cm2 の値であることが
必要であることが分かる。
【0039】
【表1】
【0040】
【実施例4】積層シートの樹脂の構成比をC/B/A/
B/C=40/2/16/2/40とした他は実施例1
と全く同様の構成並びに製造方法で全厚み1.0mmの
5層シートを得た。ASTM−D−1504に準拠して
測定したシートの熱収縮応力は175℃で最大となり、
その値は140g/cm2 であった。また積層シートの
全厚みに占めるポリプロピレン樹脂層の厚み割合は80
%である。
【0041】
【実施例5】積層シートの樹脂の構成比をC/B/A/
B/C=35/3/24/3/35とし、Tダイ4のリ
ップ間隔を2.2mmとし、Tダイ4のリップ部分を通
過する樹脂流の流動速度とこの樹脂流が最初に接触する
キャストローラー5での樹脂流の表面速度との比を2.
2とし、樹脂流の伸張速度を11になるよう設定した他
は実施例1と全く同様の構成並びに製造方法で全厚み
1.0mmの5層シートを得た。
【0042】ASTM−D−1504に準拠して測定し
たシートの熱収縮応力は175℃で最大となり、その値
は140g/cm2 であった。また積層シートの全厚み
に占めるポリプロピレン樹脂層の厚み割合は70%であ
る。
【0043】
【比較例4】積層シートの樹脂構成比をC/B/A/B
/C=33/4/26/4/33とし、Tダイ4のリッ
プ間隔を2.4mmとし、Tダイ4のリップ部分を通過
する樹脂流の流動速度とこの樹脂流が最初に接触するキ
ャストローラー5での樹脂流の表面速度との比を2.2
とし、樹脂流の伸張速度を11になるよう設定した他は
実施例1と全く同様の構成並びに製造方法で全厚み1.
0mmの5層シートを得た。
【0044】ASTM−D−1504に準拠して測定し
たシートの熱収縮応力は175℃で最大となり、その値
は140g/cm2 であった。また積層シートの全厚み
に占めるポリプロピレン樹脂層の厚み割合は66%であ
る。 (ポリプロピレン樹脂層の厚み割合が成形性に及ぼす影
響の評価):実施例4、5、比較例4の積層シートにつ
いて本文記載の評価方法で成形性を評価し、その結果を
表2にまとめて記載した。表2の結果によると、ポリプ
ロピレン樹脂層の厚み割合が70%以上である実施例
4、5の積層シートは、容器の厚み比が0.6以上と良
好な成形性を示す。
【0045】これに対し、ポリプロピレン樹脂層の厚み
割合が70%より小さい比較例4の積層シートは容器の
高さが60mmと高い。すなわち、絞り比の大きい容器
において、容器の厚み比が0.4となり実用に耐えない
成形容器しか得られない。以上の結果を総合すると、良
好な成形性を維持する上では、積層シートの全厚みに占
めるポリプロピレン樹脂層の厚み割合は70%以上であ
ることが必要であることが分かる。
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明は上記の構成を持つことにより、
sagによる成形品の皺や厚みの偏肉の発生が無く、熱
成形性に優れる効果がある。その結果としてガスバリヤ
ー性を大幅に改善した成形用積層シートを供給できる利
点があり産業上有益な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形用積層シートを得る製造工程の1
例を示す概念図である。
【符号の説明】
1 押出機1 2 押出機2 3 押出機3 4 多層用Tダイ 5 キャストローラー 6 引取ローラー 7 トリムカッター 8 巻取機 9 積層シート

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスバリヤー性樹脂層の少なくとも片面
    に接着層を介してポリプロピレン系樹脂層を積層した成
    形用積層シートにおいて、該成形用積層シートのAST
    M−D−1504で測定した熱収縮応力がポリプロピレ
    ン系樹脂の融点〜融点+20℃の温度領域で最大値の1
    00g/cm2 〜300g/cm2 の値を示し、上記成
    形用積層シートの全厚みに占めるポリプロピレン系樹脂
    層の厚み割合が70%以上であることを特徴とする成形
    用積層シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0995591A1 (en) * 1998-10-21 2000-04-26 Showa Denko Kabushiki Kaisha Adhesive resin-silicate composite and multi-layer product thereof
US6320111B1 (en) 1999-06-30 2001-11-20 Yamaha Corporation Musical playback apparatus and method which stores music and performance property data and utilizes the data to generate tones with timed pitches and defined properties

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US6320111B1 (en) 1999-06-30 2001-11-20 Yamaha Corporation Musical playback apparatus and method which stores music and performance property data and utilizes the data to generate tones with timed pitches and defined properties

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