JPH0362733B2 - - Google Patents

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JPH0362733B2
JPH0362733B2 JP12917886A JP12917886A JPH0362733B2 JP H0362733 B2 JPH0362733 B2 JP H0362733B2 JP 12917886 A JP12917886 A JP 12917886A JP 12917886 A JP12917886 A JP 12917886A JP H0362733 B2 JPH0362733 B2 JP H0362733B2
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film
vinylidene chloride
plasticizer
resin
unstretched
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Soichiro Hori
Akira Kato
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、熱成形できる他の樹脂のシート・フ
イルムと貼り合わせ、ガス・水蒸気バリヤー性を
有した熱成形用積層シート・フイルムの、そのバ
リヤー層にする塩化ビニリデン系樹脂、ラミネー
ト用無延伸シート・フイルムの改良技術に関す
る。 〔従来の技術〕 熱成形用積層シート・フイルム(以下フイルム
と略す)のバリヤー層にする塩化ビニリデン系樹
脂・ラミネート用無延伸フイルムは、例えば「未
延伸サランフイルム(商品名、旭化成製)」とし
て市販され、公知である。このものは、塩化ビニ
ル成分が約10重量%の塩化ビニリデン・塩化ビニ
ル共重合樹脂で、約7重量%の液体可塑剤を変性
剤として含有していることから、厚み10ミクロン
当たりの酸素透過量が約30c.c.近傍のガスバリヤー
性を持つ、透明な(HAZE3%)無延伸フイルム
であることが知られている。 又このものは、例えばカナダ国特許第713477号
広告明細書第3図に示されているような製法、即
ち、塩化ビニリデン系樹脂と良く接合はしないポ
リエチレンの様な2枚の樹脂層の間に、塩化ビニ
リデン系樹脂層を挟むようにして伸展し共押出し
て、そのまま冷却して巻き取つておき、後日巻き
取つたフイルムを3枚に剥ぎとり、平坦な無延伸
の塩化ビニリデン系樹脂フイルムを取り出すとい
う製法が用いられる。 その理由は、熱分解し易く、伸展加工し難い樹
脂をより少ない可塑剤量のまま他の樹脂の押出伸
展性を利用して分解させずに薄肉化するための工
夫、及び結晶固化が遅くいつまでも柔らかく変形
し難い薄層を、外力から保護し成膜固化するため
の工夫であるとされている。又この製法には、塩
化ビニリデン系樹脂層内の可塑剤を、外層側に移
行吸収させ、塩化ビニリデン系樹脂層内の可塑剤
量を減じてガスバリヤー性を向上させる利点があ
ることも知られている。 この様な方法で慎重に作られた上記ラミネート
用無延伸フイルムは成形用積層フイルムの芯材と
して活用され、成形技術の進歩に助けられながら
種々の成形分野に多用されるに及んできた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながらこのラミネート用無延伸フイルム
には、大別して次の3つの問題点がある。 1 ガスバリヤー性の水準が今一つ低く、せめて
厚み10ミクロン当たりの酸素透過率で、10c.c.以
下の値になるように要求されるが、現行は30c.c.
近傍に止まつてしまう問題点、尚このガスバリ
ヤー性改善には、液体可塑剤の添加量を下げ、
その不足分を可塑化樹脂類の添加で補うという
考え方のものがあるが〔例えば「未延伸サラン
フイルム」C5H、(商品名・旭化成製)〕、これ
等のものは膜質が白濁化して不透明で、この分
野には応用できない。 2 深絞り成形分野の特に局部的な絞り比が大き
くなつてしまう壁部で、塩化ビニリデン系樹脂
層が破断してしまう成形不良現象が生じるこ
と、尚この現象は塩化ビニリデン系樹脂層の可
塑性を高めれば直せることは予測できるが、バ
リヤー性がすでに目標水準を下回つているた
め、この対象はとれない問題点。 3 ラミネート積層体にしようとしたとき、無延
伸フイルム上にある積層樹脂の剥げ残り部、或
いは凹凸しわ部があり、このものは完全な積層
ができないため、不良品になつてしまう問題
点。 尚この原因は、無延伸フイルム製造時、塩化
ビニリデン系樹脂が程よく固化せず(現在は1
週間以上の経時で剥取る)、剥ぎとり作業時に
生じた不良現象が原因である。 従つて本発明の目的は上記問題点を解消するこ
と、即ち、上記問題点を改善できる塩化ビニリデ
ン系樹脂無延伸フイルムを提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の構成の要件をその役割にそつて説明す
ると、問題点を解決するための主要部をなす部分
は、特許請求の範囲の記載にある「メチルアクリ
レート成分が4〜8重量%の塩化ビニリデン・メ
チルアクリレート共重合樹脂でらなり、液体可塑
剤の残存含量が4重量%以下の無延伸シート・フ
イルム」とした部分にある。 そしてこれに続く「透明性(HAZE値)が10%
以下、90℃における熱収縮率が5%以下、肉厚み
が10μ〜100μのラミネート用無延伸シート・フイ
ルム」の部分は、この対象のフイルムは製造工程
で、失透・白化現象のない、ラミネート積層しや
すい収縮率に調整した、しかも積層成形分野に利
用できる肉厚みの無延伸フイルムとして成膜され
たものであることを明確にしている。従つてこの
要件の部分は、積層成形品の基本的品質を保証す
る部分である。 即ち、例えば出来上がつた無延伸フイルムの特
性として結果的に、HAZE値が10%を越えて大き
いものは、得られる成形体は不透明でこの分野で
は実用的ではないし、90℃における熱収縮率が5
%を越えるものは、当然熱収縮力(ORS)も10
Kg/cm2以上に高いので積層時の加熱で層間ずれ、
不良が生じやすい、肉厚み10μ未満や100μを越え
ては、積層成形分野のものではなくなるという意
味のものである。 以下上記重要な要件について図面などを用いて
その意味するところを詳述する。 第1図は、本発明に用いる塩化ビニリデン系樹
脂の、含有可塑剤の逸散割合を示す実験図であ
る。横軸は、当初樹脂に含有させた可塑剤の量
(重量%)、縦軸は、最終無延伸フイルムに残存し
た可塑剤量から計算した可塑剤の逸散割合であ
る。 実線は本発明に用いる樹脂の場合(メチルアク
リレート成分5%)、破線は従来の市販品フイル
ムの樹脂(塩ビ成分10%)の場合を示す。 いずれも、塩化ビニリデン系樹脂層の両側にポ
リエチレン樹脂が配された状態に積層、ダイ内で
伸展して、塩化ビニリデン系樹脂層が約30μにな
るようにTダイから板状に押出し、冷却して巻取
り、3日後に剥ぎとつて塩化ビニリデン系樹脂、
無延伸フイルムとして取り出したものについて分
析したものである。 この第1図の結果は、本発明に用いる塩化ビニ
リデン系樹脂は、従来品に比べて加工処理時の可
塑剤の逸散割合が大きいことを示している。又、
本発明ではこの樹脂の現象傾向を利用して、押出
−成膜の加工時は可能な範囲で多量の可塑剤添加
の領域で不足しがちな樹脂の加工適正を補い、他
方、無延伸フイルムとして取り出す時点でガスバ
リヤー性に優れ、且つ成形性にも優れるという水
準の可塑剤量に至らしめる。そういう調和点の究
明に発明の完成をみているのである。 第2図は、当技術分野の成形で生じやすい成形
不良現象例で、イ、ロ、ハ図は順にその不良の程
度の大きさを示している。 第3図は、第2図のイ、ロ、ハで、成形容器に
黒い筋状に見える部分のその原因現象を示す拡大
スケツチ(約40倍)図で容器壁のカツト断面での
積層中の塩化ビニリデン系樹脂層が破断している
様子が描かれている。 本発明における深絞り成形での成形性の改良と
は、この様な現象を解消し、成形適性温度領域を
拡大することにある。 第4図は解析結果図で、縦軸は、無延伸フイル
ムであつたときのフイルム内残存可塑剤量(重量
%)、横軸はフイルム樹脂層内のメチルアクリレ
ート成分量(重量%)を示す。 第4図において、図中のプロツト点は、実施
例、比較例の結果のまとめに当たる第1表の総合
評価の項の記号を、その対象フイルムのメチルア
クリレート成分、及び残存可塑剤量との関係の座
標に、実験No.と共に描いた分析図である。そして
矢印は、樹脂に添加した当初の可塑剤量からの変
化を示している。尚、中間に位置するメチルアク
リレート量は、混合比からの計算に基ずくもので
ある。 第4図の結果によると、ガスバリヤー性の水準
を保ち、成形性も改善し、出来上がつた成形体の
外観品位を保ち、且つ成膜時の加工性、剥ぎ取る
までの保持時間の短縮、フイルムしわ不良剥ぎ取
り不良の解消等、そのすべてが揃つて高水準にな
るものは、メチルアクリレート量が4〜8重量%
で残存可塑剤量が4重量%以下にあり、矢印長さ
の長いもの、即ち、当初多くの可塑剤量下で加工
し、後それを逸散させたものであることが分る。 しかしながら、本発明の目的達成、即ち、ガス
バリヤー性の水準、成形性の改良水準、フイルム
しわ剥ぎとり不良を改善する上では、チルアクリ
レート量が4〜8重量%で残存可塑剤量が4重量
%以下であることが保証されれば、充分その目的
が達成されることも示されている。 本発明者等は成膜時の加工性、剥ぎ残り不良フ
イルムしわ不良の解消、剥ぎ取るまでの保持時間
の短縮に作用する可塑剤の逸散量について、次の
様な現象が生じているものと推察している。即
ち、まず樹脂を可塑化しその伸展性を容易にして
きた過剰の可塑剤は、進行する樹脂の結晶化、隣
接樹脂側の吸引作用で塩化ビニリデン系樹脂層か
ら押出されて滲みでるが、隣接樹脂もその全量を
短時間で吸収できないために、塩化ビニリデン系
樹脂層と隣接樹脂との間にたまつてしまう。一方
結晶化が進行した塩化ビニリデン系樹脂はメチル
アクリレート成分による樹脂特質も手伝つて、腰
があつて、変形に強い層になり、その双方で層間
の剥離は極めてやり易く、層間にそつて完全に剥
ぎとりができる現象がそこに生じるものと推察し
ている。 本発明でいう液体可塑剤とは塩化ビニル樹脂用
可塑剤として公知の液体可塑剤をいう。中でも、
食品安全衛生上の見地から脂肪族二塩基酸エステ
ル系、クエン酸エステル系、脂肪酸エステル系、
ポリエステル系等の液体可塑剤から厳選される。 可塑剤の定性、定量は分析に関する出版物例え
ば「高分子分析ハンドブツク」(日本分析化学会
編、1985年)に記載の溶剤抽出法によりガスクロ
マトグラフ、及び質量分析計を用いる方法で行う
ことができる。 可塑剤の逸散率とは、押出−積層製膜−剥ぎ取
り工程中に逸散する可塑剤量(B)の当初含有量(A)に
対する割合 (重量%)、即ち 可塑剤の逸散率(重量%)=B/A×100 =原料樹脂中の可塑剤量(重量%)−フイル
ム中の可塑剤量(重量%)/原料樹脂中の可塑剤量(重
量%)×100 である。 又塩化ビニリデン系樹脂を芯層として3層構造
で成膜した後、剥ぎとる両外側層に用いる熱可塑
性樹脂は、塩化ビニリデン系樹脂と熱接着性を十
分には示さず、押出加工温度が塩化ビニリデン系
樹脂の熱劣化を促進させない範囲のものであれ
ば、特に限定されないが、繰返し再使用或いは剥
ぎとり後のフイルムの利用性からポリオレフイン
系樹脂を用いるのが好ましい。より好適には低密
度ポリエチレンが用いられる。 本発明に用いた評価方法、評価尺度を下記に示
す。 〔〕 成膜加工適性 無延伸塩化ビニリデン系樹脂フイルムを含む
積層フイルムを成膜する際に、カーボン及び熱
分解による気泡等の発生を肉眼で観察し、発生
が認められるまでの所要時間を下記評価尺度で
評価した。 評価記号 評価尺度 ◎; 6時間以上 ○; 3時間以上6時間未満 △; 1時間以上3時間未満 ×; 1時間未満 〔〕 剥ぎ取り保持時間 無延伸塩化ビニリデン系樹脂フイルムを取り
出す前の積層フイルムを20℃で保管し、経時を
追つて順次100mm巾、2mの帯状に切り出し、
5m/分の剥ぎとり速度で取り出し、取り出し
たフイルム長さが積層状態での長さに対し3%
以下の増加に抑えられるまでに必要な経過時間
を下記評価尺度で評価した。 評価記号 評価尺度 ◎; 1日未満 ○; 1日以上3日未満 △; 3日以上7日未満 ×; 7日以上 〔〕 フイルムシワ 得られた無延伸塩化ビニリデン系樹脂フイル
ムを単体で巻返す際に、120℃に加熱した直径
250mmの熱ロールに抱き角90°で接触させて、60
m/分の速度で走行させながら、巻取部でのタ
テシワ、エツジ部のヨコシワ発生を肉眼で観察
し、100m当りのシワ発生回数を下記評価尺度
で評価した。 評価記号 評価尺度 ◎; 全く発生しないもの ○; 1〜2回のもの △; 3〜5回のもの ×; 5回以上のもの 〔〕 剥ぎ取り適性 得られた1000mm巾の無延伸塩化ビニリデン系
樹脂フイルムを100m巻き返し、この間にフイ
ルム表面を肉眼で観察して剥ぎとり欠点をカウ
ントし、下記評価尺度で評価した。 評価記号 評価尺度 ◎; 欠点の全く無いもの ○; 1〜5箇所あるもの △; 6〜10箇所あるもの ×; 11以上のもの 〔〕 ガスバリアー性 得られた評価用無延伸塩化ビニリデン系樹脂
フイルムをASTM D−3985に従つてMOCON
OXTRAN 100型で20℃、65%RHの条件で酸
素ガス透過度を測定し、下記評価尺度により評
価した。 評価記号 評価尺度 (単位c.c./m2.day.atm) ◎; 6以下 ○; 6を越えて10以下 △: 10を越えて15以下 ×; 15を越えて高いもの 〔〕 成形性 評価対象の無延伸塩化ビニリデン系樹脂フイ
ルムの両側に無延伸ポリプロピレンシート(三
井東圧社製)500μと無延伸ポリプロピレンフ
イルム(東セロ社製)50μとを接着剤を用いて
張り合わせ、合計3層のシートにした後、イー
リツヒ成形機を用いてプラグアシスト成形を行
い、外観品位型再現性耐成形戻り性の各
項目について評価した。 シートの加熱温度はシート端部に貼りつけた
ヒートラベルの変色により判断し、加熱水準は
150〜160℃、165〜175℃、180〜190℃、
195〜205℃の4水準とし、コーナー直角の円
筒系の成形型を用い絞り比(型深さ÷開口部
径)水準を0.3、0.6、0.9、1.2、1.5
の5水準とした。 外観品位 加熱温度、絞り比を変えて容器状に成形し
た成形品を底面から肉眼で観察し、外観上第
2図に例示するような欠点の有無を評価し
た。 この欠点が生じない加熱温度、絞り比の範
囲の広さを下記評価尺度により評価した。 評価記号 評価尺度 ◎;加熱ランク3水準以上 絞り比ランク以上 ○;加熱ランク3水準以上 絞り比ランク 或いは 加熱ランク2水準 絞り比ランク以上 △;加熱ランク3水準以下 絞り比ランク ×;加熱ランク3水準以下 絞り比ランク以下 型再現性 で得られた容器状の成形品の底部のコー
ナーの決まり具合を容器の外側からRゲージ
で測り、成形体の角の丸みが5mm以下になる
加熱温度、絞り比の範囲の広さを下記評価尺
度により評価した。 評価記号 評価尺度 ◎;加熱ランク3水準以上 絞り比ランク以上 ○;加熱ランク3水準以上 絞り比ランク 或いは 加熱ランク2水準 絞り比ランク以上 △;加熱ランク3水準以下 絞り比ランク ×;加熱ランク3水準以下 絞り比ランク以下 耐成形戻り性 で得られた容器状の成形品の底部外径を
測定し、この値を成形型の内径で除した値が
0.95以上になる加熱温度、絞り比の範囲の広
さが下記評価尺度により評価した。 評価記号 評価尺度 ◎;加熱ランクが3水準以上で絞り比ラ
ンクが以上のもの ○;加熱ランクが3水準以上で絞り比ラ
ンクのもの、又は加熱ランクが
2水準で絞り比ランクが以上の
もの △;加熱ランクが3水準以下で絞り比ラ
ンクがのもの ×;加熱
ランクが3水準以下で絞り比ラン
クが以下のもの 総合評価 上記8項目の評価項目について個々に評価した
評価記号の組合せにおいて、ガスバリヤー性、剥
ぎとり不良、フイルムしわ、成形性とその品位に
重点をおき、次の尺度でその充足度を評価した。 評価尺度 評価記号 その全項目が◎か○ で○の数が2個以下 ◎ その全項目が◎か○ で○の数が3個以上 ○ 1項でも△がある △ 1項でも×がある × 本発明の内容を以下に示す実施例、比較例で詳
述する。 実施例、比較例 評価に用いる基材樹脂である塩化ビニリデン系
樹脂は、塩化ビニリデンとメチルアクリレートと
の共重合樹脂であり、樹脂中各成分、塩化ビニリ
デン対メチルアクリレートが97対3(重量%、以
下同じ)乃至91対9の範囲に調整されたもので、
これらはいずれも、例えば特願昭59−240483号記
載の方法で得られるもので、予め樹脂成分に対し
1.0重量%のエポキシ化アマニ油を添加したもの
を使用した。 上記基材樹脂に対し、アジピン酸ジイソブチル
と、アセチルクエン酸トリブチルとを予め重量比
で60対40(重量%)に混合させた液状可塑剤を、
第4図の矢印の始まり部に相当する添加量になる
よう調整した塩化ビニリデン系樹脂組成物を準備
した。 これらの組成物を順次口径90mm、L/D:24の
押出機を用いて溶融押出しし、一方ASTM D−
1238に準じて190℃、2.16Kg荷重で測定したメル
トインデツクスが2.5の低密度ポリエチレンを口
径120mm、L/D:22の押出機を用いて溶融押出
しし、両溶融樹脂を例えば米国ダウケミカル社製
フイード・ポートブロツクの様な積層装置を用い
て、塩化ビニリデン系樹脂が芯層となる3層構造
に積層した後、通常Tダイキヤスト法により1200
mm巾の3層フイルムとして巻き取つた。 押出成膜時に併せて成膜加工性を本文に示す評
価方法、評価尺度で評価した。 得られた積層フイルムは20℃雰囲気中で保管
し、剥ぎ取り保持時間を本文に示す評価方法、評
価尺度で評価する一方、予備実験で求めた可塑剤
逸散速度データーに基づき経時を追いつつ、順次
1000mm巾の無延伸塩化ビニリデン系樹脂フイルム
を取り出した。 得られた無延伸フイルムはいずれも透明で
(ASTM D−1003で測つたHAZE値7%以下)
熱収縮を示さない(ASTM D−2732に準じ90℃
の収縮率3%以下)のものであつた。 これら無延伸フイルムの剥ぎとり不良、フイル
ムしわ、バリアー性について本文記載の評価方
法、評価尺度に従つて評価する一方、フイルムの
両表面をエチルアルコールで拭き取つた部分の残
留可塑剤を測定し、第1表に実験No.と共に示し
た。 更に上記フイルムの成形性については外観品
位、型再現性、耐成形戻り性の項目について、取
り得る条件範囲の広さの観点から本文記載の評価
方法・評価尺度に従つて評価した。 以上の塩化ビニリデン・メチルアクリレート共
重合樹脂フイルムの各成分比率及び残留可塑剤と
共に上記各評価結果を第1表に示した。 第1表の評価表のみでは、有用な要因が判り難
いため、メチルアクリレート成分含有量と残存可
塑剤量との関連をより明瞭とする解析図を第4図
に示した。 この評価・解析結果からメチルアクリレート成
分が4重量%未満の少量に過ぎると、成膜加工
性、成形品の外観品位、型再現性が損なわれ易く
なつてしまい、逆に8重量%を越えて多めに過ぎ
ると剥ぎとり保持時間、剥ぎとり不良、フイルム
しわ、型再現性の項目が悪くなることがわかる。 又、残留可塑剤が4重量%を越えて多めに過ぎ
ると成形戻りが悪化するばかりでなく目標とする
バリアー性をも損ないやすいことがわかる。 以上から、共重合樹脂中のメチルアクリレート
成分の量は4〜8重量%の範囲で、且つ残留可塑
剤量が4重量%以下の範囲にあれば、全ての評価
項目において高度な水準を保持できることがわか
る。 以上より明らかなように本発明の実施例は第1
表の実験No.5、6、7、10、11、14、16、17、18
であり、比較例は同実験No.1、2、3、4、8、
9、12、13、15、19、20、21、22である。
【表】
〔発明の効果〕
本発明は、上述の構成を取ることにより、市販
フイルム例えば「未延伸サランフイルム」C2M、
C5H(商品名、旭化成社製)等が達成できなかつ
た、透明であり得て、高度なバリアー性、深絞り
成形適性範囲の拡大を実現し、同時に成膜加工で
の作業性をも大巾に改善するという成形用無延伸
塩化ビニリデン系樹脂フイルムとして産業上極め
て有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
第1図は可塑剤の逸散率を示す実験図である。
第2図は成形不良の状態を示す成形品の斜視図で
ある。第3図は第2図に示す不良部の断面拡大
(約40倍)図である。第4図は実験結果の解析図
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 塩化ビニリデン系樹脂でできたラミネート用
    無延伸フイルムにおいて、メチルアクリレート成
    分が4〜8重量%の塩化ビニリデン・メチルアク
    リレート共重合樹脂からなり、該フイルム層に残
    存する液体可塑剤が4重量%以下、透明性
    (HAZE値)が10%以下、90℃における熱収縮率
    が5%以下、肉厚みが10μ〜100μの範囲にあるこ
    とを特徴とする塩化ビニリデン系樹脂でできたラ
    ミネート用無延伸シート・フイルム。
JP12917886A 1986-06-05 1986-06-05 塩化ビニリデン系樹脂でできたラミネ−ト用無延伸シ−ト・フイルム Granted JPS62285928A (ja)

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KR101578320B1 (ko) 2013-11-19 2015-12-16 아사히 가세이 케미칼즈 가부시키가이샤 성형체 및 그 제조 방법

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