JPH0751637B2 - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

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JPH0751637B2
JPH0751637B2 JP25648587A JP25648587A JPH0751637B2 JP H0751637 B2 JPH0751637 B2 JP H0751637B2 JP 25648587 A JP25648587 A JP 25648587A JP 25648587 A JP25648587 A JP 25648587A JP H0751637 B2 JPH0751637 B2 JP H0751637B2
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晃一 阿部
聡 西野
秀仁 南沢
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は二軸配向ポリエステルフィルムに関するもので
ある。
[従来の技術] 二軸配向ポリエステルフィルムとしては、ポリエステル
にカーボンブラックを含有せしめたフィルムが知られて
いる(たとえば、特開昭61−154924、特開昭62−150515
号公報など)。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、上記従来のカーボンブラック含有する二軸配向
ポリエステルフィルムは、フィルムの加工工程、たとえ
ば磁気媒体用途における磁性相層布・カレンダー工程な
どの工程速度の増大にともない、接触するロールなどで
フィルムの表面が削られることにより、加工工程上、製
品性能上のトラブルとなるという欠点が、最近、問題と
なってきており、また、高速でダビング(記録の複写)
したり巻き返したりするソフト用磁気テープ(あらかじ
め映画などを録画してあるもの)ではフィルムに傷がつ
くという欠点が問題になってきている。また、高画質化
が進むにしたがって、出力特性も不十分であるという欠
点も表面化してきている。
本発明はかかる問題点を改善し、フィルムの耐スクラッ
チ性(傷のつきにくさ)、耐削れ性、磁気媒体とした時
の出力特性に優れたフィルムを提供することを目的とす
る。
[問題点を解決するための手段] ポリエステルとカーボンブラック粒子からなる組成物を
主たる成分とするフィルムであって、該カーボンブラッ
ク粒子の平均粒径が0.1〜1.0μmの範囲、粒径分布の標
準偏差が0.5以下であり、かつ、フィルムの単一粒子指
数が0.5以上、少なくとも片面のRp(中心線の深さ)とR
a(中心線平均表面粗さ)の比Rp/Raが4〜18の範囲であ
ることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルムとし
たものである。本発明におけるポリエステルは、エチレ
ンテレフタレート、エチレンα,β−ビス(2−クロル
フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボキシレート、エ
チレン2,6−ナフタレート単位から選ばれた少なくとも
一種の構造単位を主要構成成分とする。ただし、本発明
を阻害しない範囲内、好ましくは15モル%以内であれば
他成分が共重合されていてもよい。
また、エチレンテレフタレートを主要構成成分とするポ
リエステルの場合に耐スクラッチ性、耐削れ性、出力特
性がより一層良好となるので特に望ましい。
本発明におけるカーボンブラック粒子は、公知の種類の
ものを用いることができるが、サーマルタイプが本発明
範囲の単一粒子指数を得るのにきわめて有効である。
本発明におけるカーボンブラック粒子の平均粒径は0.1
〜1.0μm、好ましくは0.15〜0.6μm、さらに好ましく
は、0.2〜0.4μmの範囲であることが必要である。平均
粒径が上記の範囲より小さい場合は、耐スクラッチ性が
不良となり、逆に大きい場合は耐削れ性、出力特性が不
良となるので好ましくない。
本発明におけるカーボンブラック粒子の平均粒径の標準
偏差0.5以下、好ましくは0.45以下、さらに好ましくは
0.4以下であることが必要である。標準偏差が上記の範
囲より大きいと耐削れ性、出力が不良となるので好まし
くない。標準偏差の下限は特に限定されないが、0.01程
度の製造上の限界である。
本発明におけるカーボンブラック粒子のフィルム中含有
量は特に限定されないが、0.4〜2.0重量%、好ましくは
0.5〜1.0重量%である場合に本発明のRp/Ra比が得られ
やすく、耐クラッチ性、出力特性、耐削れ性がより一層
良好となるので望ましい。
本発明におけるカーボンブラック粒子の結晶化促進係数
は特に限定されないが、結晶化促進係数が5〜30℃、特
に、10〜25℃の範囲の場合に耐削れ性、耐スクラッチ性
がより一層良好となるので望ましい。
本発明は、上記組成物を主成分とするが、本発明の目的
を阻害しない範囲内で、カーボンブラック粒子以外の無
機粒子あるいは内部析出粒子を併用してもよい。
本発明フィルムは、上記組成物を主要成分とするが、本
発明の目的を阻害しない範囲内で、他種ポリマをブレン
ドしてもよいし、また酸化防止剤、熱安定材、滑剤、紫
外線吸収剤、核生成剤などの無機または有機添加剤が通
常添加される程度添加されていてもよい。特に、水溶性
高分子がカーボンブラック粒子に対して3〜20重量%、
好ましくは5〜15重量%含有されている場合に、出力特
性がより一層良好となるので望ましい。この水溶性高分
子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドンあるいはそれらの共重合体が好ましく、特にポリビ
ニルピロリドン/ビニルアセテート共重合体の場合に出
力特性がより一層良好となるので望ましい。
本発明フィルムは上記組成物を二軸配向せしめたフィル
ムである。未延伸フィルム、一軸配向フィルムでは、耐
スクラッチ性、耐削れ性が不良となるので好ましくな
い。また、その二軸配向の程度を表わす面配向指数は特
に限定されないが、0.935〜0.975、特に0.940〜0.970の
範囲である場合に、耐スクラッチ性、耐削れ性がより一
層良好となるので特に望ましい。
本発明フィルムは、フィルム中のカーボンブラック粒子
の単一粒子指数が0.5以上、好ましくは0.7以上、さらに
好ましくは0.8以上であることが必要である。単一粒子
指数が上記の範囲より小さいと耐削れ性、出力特性が不
良となるので好ましくない。なお、単一粒子指数の上限
は特に限定されないが、完全に単分散した場合では1と
なり、1を越えることは理論的に有り得ない。
本発明フィルムは、少なくとも片面のRp/Ra(単位はと
もにnm)が4〜18、好ましくは5〜15、さらに好ましく
は5〜12の範囲であることが必要である。両面とものRp
/Ra比が上記の範囲より小さいと、耐スクラッチ性が不
良となり、逆に大きいと出力特性、耐削れ性が不良とな
るので好ましくない。
また、本発明フィルムのRpは、50〜170nm、特に、60〜1
30nmの範囲である場合に、耐スクラッチ性、出力特性が
より一層良好となるので特に望ましい。
本発明フィルムは、290℃、200sec-1での溶融粘度が100
0〜10000ポイズ、特に2000〜7000ポイズの範囲である場
合に、耐削れ性がより一層良好となるので特に望まし
い。
本発明フィルムは、幅方向の屈折率が1.655〜1.700、特
に、1.675〜1.700の範囲の場合に、耐スクラッチ性、出
力特性がより一層良好となるので望ましい。
本発明フィルムは、少なくとも片面の表面突起につい
て、突起高さの平均値が50〜120nm、特に60〜100nmの場
合に、耐スクラッチ性、出力特性がより一層良好となる
ので望ましい。
本発明フィルムは、少なくとも片面の表面突起につい
て、突起の平均間隔が20μm以下、特に15μm以下の場
合に耐スクラッチ性が特に良好となるので望ましい。
次に本発明フィルムの製造方法について説明する。
まず、所定のポリエステルにカーボンブラック粒子を含
有せしめる方法としては、重合前、重合中、重合後のい
ずれに添加してもよいが、ポリエステルのジオール成分
であるエチレングリコールに、スラリーの形で混合、分
散せしめて添加する方法が本発明の粒径分布の標準偏
差、単一粒子指数、Rp/Ra比を満足させるのに有効であ
る。また、粒子の含有量を調節する方法としては、高濃
度、好ましくは0.5〜3重量%のマスターペレットを製
膜時に、実質的にカーボンブラック粒子を含有しないポ
リエステルのペレットで希釈する方法が本発明の単一粒
子指数、Rp/Ra比を満足させるのに有効である。また、
エチレングリコールのスラリーの段階で水溶性高分子を
カーボンブラック粒子に対して5〜25重量%添加する方
法は本発明の粒径分布の標準偏差、単一粒子指数、Rp/R
a比を満足させるのに有効である。また、エチレングリ
コールのスラリーの段階でガラスビーズなどを媒体とし
て攪拌を行ない、後にガラスビーズなどの媒体を除去す
るという方法は本発明の粒径分布の標準偏差、単一粒子
指数、Rp/Ra比を満足させるのに有効である。また、高
濃度、好ましくは0.5〜3重量%のマスターペレットの
固有粘度、共重合成分を調整して、ガラス転移点Tgと冷
結晶化温度Tccとの差(Tcc−Tg)、ΔTcgを75〜100℃の
範囲とし、かつ、該マスターポリマを実質的にカーボン
ブラックを含有しないポリエステルで希釈する時、該マ
スターポリマの△Tcgと実質的にカーボンブラックを含
有しないポリエステルの△Tcgとの差(マスターポリマ
の△Tcg−実質的にカーボンブラックを含有しないポリ
エステルの△Tcg)を−15℃以上、好ましくは+2℃以
上にしておくことは、本発明範囲フィルムの単一粒子指
数、Rp/Ra比を満足させるのに極めて有効である。この
場合の共重合成分としてはイソフタル酸成分、シクロヘ
キシレンジメタノール成分が好適である。
かくして、所定量のカーボンブラック粒子を含有するペ
レットと実質的にカーボンブラック粒子を含有しないポ
リエステルのペレットを所定割合で混合したペレットを
十分乾燥したのち、公知の溶融押出機に供給し、270〜3
30℃でスリット状のダイからシート状に押出し、キャス
ティングロール上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを
作る。この場合、ダイのスリット幅(間隙)と未延伸フ
ィルムの厚さの比(スリット幅/未延伸フィルム)を5
〜30、好ましくは8〜20の範囲にすることが本発明範囲
の単一粒子指数、Rp/Ra比を得るのに有効である。ま
た、押し出し時の溶融ポリマの濾過を2段階に分けて行
ない、1段目はコールターカウンター法で測定された95
%カットオフ径が3.0〜10μmのフィルター、2段目は
コールターカウンター法で測定された95%カットオフ径
が0.5〜3.5μmのフィルターで、かつ、フィルターのカ
ットオフ径を1段目>2段目とすることがで本発明範囲
の単一粒子指数、Rp/Ra比を得るのに有効である。ま
た、押し出し温度として、エクストルダーの供給ゾーン
の温度を290〜310℃、溶融・圧縮ゾーンの温度を供給ゾ
ーンの温度より低くして、好ましくは260〜280℃で行な
う方法は本発明範囲の単一粒子指数を得るのに有効であ
る。
次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二軸配向せしめ
る。延伸方法としては、遂次二軸延伸法または同時二軸
延伸法を用いることができる。ただし、最初に長手方
向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸法を用い、
長手方向の延伸を、(ポリマのガラス転移点−20℃)〜
(ポリマのガラス転移点)の低い温度で延伸張力を高く
して、かつ、1000〜50000%/分の範囲の延伸速度で行
なう方法は本発明範囲の単一粒子指数、Rp/Ra比を得る
のに有効である。また、長手方向の延伸を2段階、特に
3段階以上に分けて行なう方法は本発明範囲の単一粒子
指数、Rp/Ra比を得るのに有効である。幅方向の延伸温
度、速度は、80〜160℃、1000〜20000%/分の範囲が好
適である。延伸倍率は長手、幅方向とも3〜5倍が好適
である。次にこの延伸フィルムを熱処理する。この場合
の熱処理条件としては、幅方向に1.02〜1.1倍の微延伸
下で150〜220℃、好ましくは170〜200℃の範囲で0.5〜6
0秒間が好適である。
〔作用〕
本発明はカーボンブラック粒子を用いて、その、平均粒
径、粒径分布の標準偏差、フィルムの単一粒子指数、Rp
/Ra比を特定範囲としたので、ポリエステルとの親和性
に富むカーボンブラック粒子の特性を最大限に引き出せ
た結果、本発明の効果が得られたものと推定される。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法] 本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次の
通りである。
(1) 無機微粒子の平均粒径(μm) フィルムからポリエステルをプラズマ灰化処理法あるい
は0−クロルフェノール溶解法で除去し、これをエタノ
ールに分散させ、遠心沈降法(堀場製作所、CAPA500使
用)で測定した体積平均径である。
(2) 無機微粒子の含有量(重量%) ポリエステル100gにo−クロルフェノール1.0リットル
を加え120℃で3時間加熱した後、日立工機(株)製超
遠心機55P−72を用い、30,000rpmで40分間遠心分離を行
ない、得られた粒子を100℃で真空乾燥する。微粒子を
走査型差動熱量計にて測定した時、ポリマに相当する溶
解ピークが認められる場合には微粒子にo−クロルフェ
ノールを加え、加熱冷却後再び遠心分離操作を行なう。
溶解ピークが認められなくなった時、微粒子を析出粒子
とする。通常遠心分離操作は2回で足りる。かくして分
離された粒子の全体重量に対する比率(重量%)をもっ
て含有量とする。
(3) ガラス転移点Tg、冷結晶化温度Tcc パーキンエルマー社製のDSC(示差走査熱量計)II型を
用いて測定した。DSCの測定条件は次の通りである。す
なわち、試料10mgをDSC装置にセットし、300℃の温度で
5分間溶融した、液体窒素中に急冷する、この急冷試料
を10℃/分で昇温し、ガラス転移点Tgを検知する。さら
に昇温を続け、ガラス状態からの結晶化発熱ピークをも
って冷結晶化温度Tccとした。ここでTccとTgの差(Tcc
−Tg)を△Tcgと定義する。
(4) 結晶化促進係数(単位は℃) 上記方法でカーボンブラック粒子を1重量%含有するフ
ィルムの△Tcg(I)、およびこれらカーボンブラック
粒子を除去した同粘度のポリエステルの△Tcg(II)を
測定し、△Tcg(II)と△Tcg(I)の差[△Tcg(II)
−△Tcg(I)]をもって、結晶化促進係数とした。
(5) 屈折率 ナトリウムD線(589nm)を光源として、アッベ屈折率
計を用いて測定した。マウント液にはヨウ化メチレンを
用い、25℃、65%RHにて測定した。
(6) 厚さ方向屈折率化 上記の方法で、二軸配向フィルムの厚さ方向の屈折率
(Aとする)および溶融プレス後10℃の水中へ急冷して
作った無配向(アモルファス)フィルムの厚さ方向の屈
折率(Bとする)を測定し、A/Bをもって厚さ方向屈折
率比とした。
(7) 溶融粘度 高化式フローテスターを用いて、温度290℃ずり速度200
sec-1で測定した。
(8) Ra、Rp、突起の平均間隔Sm 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用いて測
定した。条件は次のとおりであり、20回の測定の平均値
をもって値とした。
・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重:5mg ・測定長:1mm ・カットオフ値:0.08mm なお、Ra、Rp、突起の平均間隔Smの定義は、たとえば、
奈良治郎著「表面粗さの測定・評価法」(総合技術セン
ター、1983)に示されているものであり、Rpは中心線深
さと呼ばれ、表面の粗さ断面曲線における最大高さの山
頂から中心線までの距離のことであり、またRaは中心線
平均粗さのことである。
(9) 単一粒子指数 フィルムの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で写真観察
し、カーボンブラックの粒子を検知する。観察倍率を10
0000倍にすれば、それ以上分けることができない1個の
粒子が観察できる。粒子の占める全面積をA、その内2
個以上の粒子が凝集している凝集体の占める面積をBと
した時、(A−B)/Aをもって、単一粒子指数とする。
TEM条件は下記の通りであり1視野面積:2μm2の測定を
場所を変えて、500視野測定する。
・装置:日本電子製JEM−1200EX ・観察倍率:100000倍 ・加速電圧:100kV ・切片厚さ:約1000オングストローム (10) 突起の平均高さ 2検出器方式の走査型電子顕微鏡(ESM−3200、エリオ
ニクス(株)製)と断面測定装置(PMS−1、エリオニ
クス(株)製)においてフィルム表面の平坦面の高さを
0として走査した時の突起の高さ測定値を256諧調のグ
レー値として画像処理装置(IBAS2000、カールツァイス
(株)製)に送り、このグレー値をもとにIBAS2000上に
フィルム表面突起画像を再構築する。次にこの表面突起
画像で10諧調以上のものを2値化して得られた個々の突
起の面積から円相当径を求めこれをその突起の平均径と
する。また、この2値化された個々の突起部分の中で最
も高い値をその突起の高さとする。この測定を場所を変
えて500回繰返し、測定された全ての突起についての平
均値を突起の平均高さとして用いた。また1諧調の高さ
は、任意設定値Hを256で割った値であり、任意設置地
Hは、通常測定するフィルム表面のRa(単位:μm)に
30を乗じた値を用いる。また走査型電子顕微鏡の倍率
は、2000〜8000倍の間の値を選択し、フィルム表面のRa
に応じて変更する。
(11) 固有粘度(極限粘度) o−クロルフェノール中で25℃で測定した相対粘度の値
から求めた。
(12) 出力特性 フィルムに下記組成の磁性塗料をグラビアロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカレンダー処理
した後、70℃、48時間キュアリングする。上記テープ原
反を1/2インチにスリットし、VTRカセットに組み込みVT
Rテープとした。このテープに家庭用VTRを用いてシバソ
ク製のテレビ試験波形発生器(TG7/U706)により100%
クロマ信号を記録し、その再生信号からシバソク製カラ
ービデオノイズ測定器(925D/1)でクロマS/Nを測定し
た。
(磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄:100重量部 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体:10重量部 ・ポリウレタンエラストマ:10重量部 ・ポリイソシアネート:5重量部 ・レシチン:1重量部 ・メチルエチルケトン:75重量部 ・メチルイソブチルケトン:75重量部 ・トルエン:75重量部 ・カーボンブラック:2重量部 ・ラウリン酸:1.5重量部 (13) 耐スクラッチ性 フィルムを1/2インチにスリットし、1000m/分の速度で
ガイド径:6mmφ、ガイド材質:SUS27(表面粘度0.2S)、
巻き付け角:180゜のガイドピンの上を走行させた後、フ
ィルム表面(走行面)にアルミニウムを蒸着し、光学顕
微鏡(微分干渉法、観察倍率:32倍)でついた傷を観察
した。1/2インチ幅あたりの傷の本数が0〜3本の場合
は耐スクラッチ性:良好、4本以上の場合は耐スクラッ
チ性:不良と判定した。
(14) 耐削れ性 フィルムを幅1/2インチにテープ状にスリットしたもの
に片刃を垂直に押しあて、さらに0.5mm押し込んだ状態
で20cm走行させる(走行張力:500g、走行速度:6.7cm/
秒)。この時片刃の先に付着したフィルム表面の削れ物
の高さを顕微鏡を読みとり、削れ量とした(単位はμ
m)。この削れ量の両面の平均値が5μm以下の場合は
耐削れ性:良好、5μmを越える場合は耐削れ性:不良
と判定した。この削れ量:5μmという値は、印刷工程や
カレンダー工程などの加工工程でフィルム表面が削れる
ことによって、工程上、製品性能上のトラブルがおこる
か否かを厳しく判定するための臨界点である。
[実施例] 本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1〜4、比較例1〜6 平均粒径の異なるカーボンブラック(サーマルタイプ)
粒子を1重量%含有するエチレングリコールスラリーを
調整した。このスラリーに添加剤としてカーボンブラッ
ク粒子に対して10重量%のポリビニルピロリドン/ビニ
ルアセテート共重合体(モル比:70/30)を添加し、スラ
リーとほぼ同体積の平均径50μmのガラスビーズを加
え、直径280mmの攪拌翼を有する撹拌機で2000rpmで6.5
時間攪拌した。このエチレングリコールスラリーとテレ
フタル酸ジメチルとをエステル交換反応後、重縮合し、
粒子を1重量%含有するポリエチレンテレフタレートの
粒子マスターペレットを作った(実施例1)。この時エ
チレングリコールスラリーの攪拌条件や添加剤の種類を
変更した各種マスタペレットを作った。また、マスタポ
リマの固有粘度を変更したものも作った。これらのマス
ターペレットの△Tcgは第1表に示したとおりであっ
た。これらの粒子マスターペレットと、実質的にカーボ
ンブラック粒子を含有しないエチレンテレフタレートの
ペレット(固有粘度:0.62、△Tcg:72℃)を、カーボン
ブラック粒子含有量が所定量となるよう混合したペレッ
トを180℃で3時間減圧乾燥(3Torr)した。ペレットを
押出機に供給し、300℃で溶融押出し、静電印加キャス
ト法を用いて表面温度30℃のキャスティング・ドラムに
巻きつけて冷却固化した未延伸フィルムを作った。この
時、押し出し時の濾過条件、口金のスリット幅/未延伸
フィルム厚さの比を種々変更して未延伸フィルムを作っ
た。この未延伸フィルムを80℃にて長手方向に4.5倍延
伸した。
この延伸はロールの周速差で行なわれ、延伸段数は種々
変更した。延伸速度の平均は10000%/分で温度は1000
℃であった。この一軸延伸フィルムをステンタを用いて
延伸速度2000%/分で100℃で幅方向に3.6倍延伸し、1.
01倍の微延伸下で、190℃にて5秒間熱処理し、厚さ15
μmの二軸配向フィルムを得た。これらのフィルムの性
能は第2表に示したとおりであり、第1表および第2表
から、本発明の必要要件を満足するフィルムは耐削れ
性、耐スクラッチ性、出力特性がすべて優れたフィルム
が得られるが、そうでない場合は耐削れ性、耐スクラッ
チ性、出力特性のすべてが優れたフィルムは得られない
ことがわかる。
[発明の効果] 本発明はカーボンブラック粒子を用いて、その平均粒
径、粒径分布の標準偏差、フィルムの単一粒子指数、Rp
/Ra比を特定範囲としたので、耐削れ性、耐スクラッチ
性、出力特性に優れ、最近の苛酷な使用条件、すなわ
ち、印刷工程や磁気記録媒体の塗布、カレンダー工程の
高速化、ダビングや巻取り速度の高速化にも耐えうる耐
削れ性、耐スクラッチ性のすぐれたフィルムが得られ、
また、今後の磁気記録媒体の高画室化のための高出力化
にも対応できるものである。
本発明フィルムの用途は特に限定されないが、加工工
程、製品化工程が特にフィルムの表面のとって苛酷な磁
気記録媒体、特に、ソフト用ビデオテープのベースフィ
ルムとして特に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルとカーボンブラック粒子から
    なる組成物を主たる成分とするフィルムであって、該カ
    ーボンブラック粒子の平均粒径が0.1〜1.0μmの範囲、
    粒径分布の標準偏差が0.5以下であり、かつ、フィルム
    の単一粒子指数が0.5以上、少なくとも片面のRp(中心
    線の深さ)とRa(中心線平均表面粗さ)の比Rp/Raが4
    〜18の範囲であることを特徴とする二軸配向ポリエステ
    ルフィルム。
JP25648587A 1987-10-12 1987-10-12 二軸配向ポリエステルフィルム Expired - Lifetime JPH0751637B2 (ja)

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