JPH0751371A - 注射針及びその製造法 - Google Patents

注射針及びその製造法

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JPH0751371A
JPH0751371A JP5203128A JP20312893A JPH0751371A JP H0751371 A JPH0751371 A JP H0751371A JP 5203128 A JP5203128 A JP 5203128A JP 20312893 A JP20312893 A JP 20312893A JP H0751371 A JPH0751371 A JP H0751371A
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JP
Japan
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injection needle
synthetic resin
needle
resin composition
weight
Prior art date
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Application number
JP5203128A
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English (en)
Inventor
Moriaki Sudou
盛皓 須藤
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Daikyo Seiko Kk
Original Assignee
Daikyo Seiko Kk
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Publication date
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Publication of JPH0751371A publication Critical patent/JPH0751371A/ja
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  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Perforating, Stamping-Out Or Severing By Means Other Than Cutting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 注射針及びその製造法を提供する。 【構成】 ロックウェル硬さ(M法)65以上の合成樹
脂組成物からなる注射針であり、特に好ましくは該合成
樹脂組成物が曲げ弾性率20,000kg/cm2以上のもの
である。合成樹脂製ではあっても、衛生性、強度、針刃
の切れ味が金属製のものと同等以上の注射針である。製
法の特徴は合成樹脂組成物を射出成形した後針管部を延
伸し、該延伸部分をウォータージェット切断して針刃先
を形成する点にある。これにより鋭い切れ味の針刃先と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医療用に使用する注射
器、輸液、輸血用器具に付属して、薬液などを人体の皮
内、皮下、筋肉内、静脈内、臓器内に注入するための
針、あるいは皮膚上から薬液を加圧して透過させる器具
としての注射針に関する。
【0002】
【従来の技術】注射針に関しては昭和25年に日本工業
規格JIS T3101に示されて以来、厚生省告示第
443号にディスポーザブル注射針基準、厚生省告示第
412号に注射針基準が規定されている。これらの基準
は素材としてステンレス鋼又はニッケルクロムを用いた
場合を対象とした品質及び試験法によっている。故に従
来技術においては,注射針の検討項目として針の形状に
関する提案が多く、例えば注射針の刃先形状(特公昭5
1−32878、同52−1158各号公報等)、刃先
の研削機(特公昭61−28472号公報)、注射針及
び製造方法(特公平1−27749号公報)等が挙げら
れる。また、注射針をセラミックスを素材にして製造す
る技術(例えば特開平3−284264、同3−193
061各号公報)、更には注射針の内部素材として合成
樹脂を使用し針刃の樹脂表面にセラミックスコーティン
グした注射針の製造技術(特開平3−295566号公
報)がある。合成樹脂を素材にした注射針に関しても多
くの技術が提案されている(例えば実公昭49−283
91、同55−15853、同57−50044、実公
平3−42930、特公昭52−41584、特開昭5
8−130052、特開昭59−34265各号公
報)。また、注射針とは異なる導入針に合成樹脂を素材
として用いた技術としては例えば、特開昭59−905
64、同59−91968、同62−221368、同
62−266077、同63−288170各号公報等
がある。さらに合成樹脂を素材とする注射針の製造方法
として特公平3−60511号公報に提案されるものが
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、使用済のステン
レス注射針を衛生的に安全に廃棄することが困難である
という事態が出現しており、上記した金属以外の素材、
特に合成樹脂を用いた注射針が注目されている。しかし
合成樹脂製注射針に関する上記技術はいずれもあくまで
工業製品としての製法を目指すものであって、衛生上の
影響が大である製品の物理的性質までが医療用具として
の種々の規定に合格し得るものを製造する点については
問題とされていなかった。本発明は合成樹脂を素材とし
た注射針であって、従来の金属製注射針に替わり得る衛
生性、物理的性質、化学的性能を有し、廃棄する場合も
環境にやさしい注射針を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決できる本
発明は、ロックウェル硬さ(M法)65以上の合成樹脂
組成物からなる注射針に関する。本発明注射針において
は、上記合成樹脂組成物が曲げ弾性率20,000kg/c
m2以上のものであることが特に好ましく、本発明の上記
合成樹脂組成物として好ましいものとしてはポリエーテ
ルサルホン,ポリサルホン,ポリアミドイミド,ポリエ
ーテルイミド,ポリイミド,ポリカーボネート,ポリエ
ステル,ポリアミド,ポリプロピレン,ポリアリレー
ト,ポリメチルペンテン,変性フェニレンオキシド及び
液晶ポリエステルよりなる群れから選ばれる1種以上を
含有してなるものが挙げられる。本発明はまた注射針の
製造法を提供するものであり、ロックウェル硬さ(M
法)65以上の合成樹脂組成物を混練り、溶融した後該
樹脂組成物を針型に射出成形することを特徴とする。本
発明の製造法において、ロックウェル硬さ(M法)65
以上の合成樹脂組成物を混練り、溶融した後該樹脂組成
物を針型に射出成形することにより得られた成形物の針
管部を延伸処理し、次に延伸処理部分をウォータージェ
ット法で切断することにより注射針先端刃を形成するこ
とにより鋭い針刃切れ味を得ることができる。
【0005】
【作用】本発明は、薬物等を人体又は動物の皮内、皮
下、静脈内、臓器内、輸液輸血投与に用いるのに好適な
鋭い先端刃を有する細い管状体の針(以下、注射針と略
し、図2〜図6に示す形状のもの)、あるいは図6の形
状を有し薬液を噴出して皮膚内へ投与する針に適用でき
る。このような形状の注射針としては、規定量の薬品、
時には多量の薬液や栄養剤を患者に与える際に、不快
感、痛み、出血、傷の発生、傷あとなどを最小にして、
速やかに衛生的に投与できるものが要求される。上記し
た注射針の必須要件を満たす本発明の注射針は、合成樹
脂製ではあっても強い材質で管を細く成形されており、
注射針先を鋭い刃にして良好な切れ味を持ち、衛生的に
は高圧蒸気殺菌、γ線(Co60)殺菌、ガス(例えばエ
チレンオキサイド等)殺菌などに耐え得る注射針であ
る。すなわち、以上の諸条件を満たすために細く、強
く、鋭い刃を形成できる合成樹脂組成物を選択して成形
するが、その際の目安として合成樹脂組成物の硬さがロ
ックウェル硬度(M法)で65以上という条件を満足す
るものであれば細く強い管でしかも鋭い刃先を形成でき
ることを本発明者らは見いだし、本発明に至ったもので
ある。さらに本発明者らは、合成樹脂組成物の注射管に
相当する管部分を延伸処理した後ウォータージェット法
により切断するという手段で非常に切れ味の良い鋭い刃
先を得る製法を開発した。
【0006】硬度の試験方法には、押し込みかたさ(ブ
リネル硬さ、ビッカース硬さ、ロックウエル硬さ H
R: ジュロメーター硬さ、JIS硬さ、バーコル硬
さ)、引っかきかたさ(マルテンス法、ビアバム法)、
ひっかき硬さ(マンテルス法、ビアバム法)、反発硬
さ、振り子硬さ(シヨア硬さ、ハーバート硬さ)など多
くの種類があるが、合成樹脂製品に汎用されていて、測
定精度が比較的高いロックウエル硬さを採用した。すな
わち、JIS B7726の硬さ試験機でJISK69
11、JISK7202、HRMの硬さ記号(M法と略
す)により、基準荷重W1 10kg、試験荷重W2 10
0kgを使用して、樹脂表面を押し込み、くぼみ深さを
尺度とする方法である。(HR =130−500h、h
=くぼみ深さ間の差)。本発明にいうロックウェル硬度
M法の値は、当該合成樹脂組成物で試験片(厚さ6m
m、幅13mm、面積25mm2 )を作成し、該試験片を室
温(20±3℃)に8時間以上放置した後に、2回以上
測定した平均値である。ロックウェル硬度の測定値が1
30以上になると測定精度が落ち、合成樹脂の種類、配
合組成、量等を選択しても測定値に明確に反映しなくな
る。これは鋼球圧子を圧入して樹脂のくぼみ深さを測定
する方法であるため樹脂が硬くなるとくぼみ深さが小さ
くなり精度が低下するためである。硬さ測定値が65以
下では注射針の曲げ弾性値が小さく、合成樹脂組成物に
耐熱性がなく、高圧蒸気殺菌の際に刃先に鋭さがなくな
ることが判明した。即ち、本発明注射針のロックウェル
硬さとして、特に好ましくは硬さ65以上、とりわけ好
ましくは85以上であることが挙げられる。但しロック
ウェル硬度と針刃の鋭さ(切れ味)そのものとは必ずし
も相関関係にあるとは言えないことが判った。すなわ
ち、本発明では硬度65以上と限定したが、合成樹脂の
種類、補強剤の種類によっては硬度65以上でも得られ
た針先の鋭さに不満足な場合もあった。また、本発明の
注射針はJIS T3101−1990のステンレス針
に関する曲げ弾性率の試験法に準拠して測定した曲げ弾
性率が20,000kg/cm2以上であることが好ましく、
より好ましくは50,000kg/cm2以上、より更に好ま
しくは100,000kg/cm2である。本発明では合成樹
脂製針ではあってもステンレス製針と同等以上の性能を
有するように、ステンレス針に関する規格であるJIS
T3101の規定値に入る強度、曲げ弾性率を有する
ものである。
【0007】本発明に係る合成樹脂組成物について以下
具体的に説明する。本発明のロックウェル硬度(M法)
65以上の樹脂組成物は、注射針材料に適する合成樹脂
に補強剤等を配合することにより実現できる。該合成樹
脂としては、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポ
リアミドイミド、ポリエーテルイミド、液晶ポリエステ
ルポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ
アミド、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン(PPと
略記する)、ポリアクリレート(PARと略記する)、
変性フェニレンオキシドからなる群れから選ばれる1種
以上が好ましいものとして挙げられる。これらの合成樹
脂は高軟化点、耐熱性、耐薬品性、物理的性質に優れ、
エンジニアリングプラスチックとして知られているもの
であるが、本発明の用途には高度の活性を有する触媒を
利用して製造された高分子量合成樹脂、分子配向の良い
結晶性の高い合成樹脂が適している。各種の市販樹脂を
利用できるが、市販品の中には例えばPP,PAR等で
針として適用し得る硬さが得られないものもあるので注
意する必要がある。これらの合成樹脂は粉末状、フレー
ク状等種々の形態のものを使用できることは言うまでも
ない。
【0008】合成樹脂組成物を硬度65以上にするに
は、合成樹脂100重量部に対し約80重量部以上とい
う多量の補強剤を配合することにより容易に達成できる
が、衛生上の見地から補強剤は70重量部以下にするこ
とが好ましい。本発明に係る合成樹脂組成物に用いる補
強剤として好ましいものとして、例えばガラス繊維、炭
素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊
維、チタン酸カリウムウィスカーなどの細い短繊維、ホ
ワイトカーボン、カオリン、雲母、無水マイカ、ケイソ
ウ土、酸化マグネシウム、タルク、活性白土、亜鉛華な
どの無機化合物などが挙げられ、これらの補強剤は未処
理でもよいが、シラン系カップリング剤、例えばγ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、エ
ポキシエチルトリエトキシシラン、イソプロピルトリス
テアロイルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオ
クチルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリオ
クタノイルチタネート、イソプロピルイソステアロイル
ジアクリルチタネートなどで表面処理されたものでもよ
い。配合量は前記の理由から合成樹脂100重量部に対
し0〜70重量部が好ましい。
【0009】本発明に係る合成樹脂組成物における加工
助剤としては、ワックス類、超高分子量ポリエチレン、
ポリプロピレンワックス、炭素数の多い同族体(例えば
アラキン酸、ベヘン酸等)、金属石ケン類(例えばステ
アリン酸カルシウム等)、脂肪酸アミド類(例えばステ
アリン酸アミド、スチレンビスステアリルアミド等)、
脂肪酸エステル(例えば長鎖脂肪酸エステル等)、シリ
コンオイル、フッ素オイルなどを合成樹脂組成物100
重量部に対し0〜4重量部加えることができる。4重量
部を超えると衛生性が悪くなる。
【0010】本発明に係る合成樹脂の核剤としては例え
ばソルビトール類(例えばジ(ベンジリデン)ソルビト
ール、ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトールな
ど)、アルミニウムヒドロキシ−ジ−t−ブチルベンゾ
エート、ポリアルケニルシラン、リン酸2,2−メチレ
ンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウ
ム、アルミニウムヒドロオキシ−ビス(t−ブチルフェ
ニル)フォスフェートなどを合成樹脂100重量部に対
し0〜2重量部添加することができる。2重量部を超え
て添加すると製品表面にブリードして衛生性が悪くな
る。
【0011】本発明に係る合成樹脂組成物には、酸化防
止剤,安定剤として例えば2,6,ジ−t−ブチルヒド
ロキシトルエン(BHT)、オクタデシル−3−(4′
−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)
プロピオネート(商品名イルガノックス1076、チバ
ガイギー(株)製)、テトラキス〔メチレン(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕メタン(商品名イルガノックス1010、チバガ
イギー(株)製製)、4,4′−チオビス(6−t−ブ
チル−m−クレゾール)、トリエチレングリコール−ビ
ス−3(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)プロピオネート、ジステアリル−チオ−ジプ
ロピオネート、ペンタエリストールテトラキス(β−ラ
ウリル−チオ−プロピオネート)、2,5−ジ−t−ブ
チル−ヒドロキシベンジルフォスホン酸モノエチルエス
テルCa塩(商品名イルガノックス1425、チバガイ
ギー(株)製)などを合成樹脂100重量部に対し0.
05〜1重量部加えることができる。
【0012】以上の配合剤を粉末状又はフレーク状等の
合成樹脂素材に配合した組成物を混練し、密閉容器内窒
素雰囲気下、温度200〜350℃で混合後、公知技術
により注射針型に射出成形する。本発明の合成樹脂素材
を用いて射出成形する際に、成形工程において針管の延
伸工程を組み入れることにより高分子の配列が長く且つ
規則正しいものにすることができるため、剛性、硬度に
優れた注射針を得ることができる。更に、本発明におい
ては注射針成形後の最後の工程で針表面にγ線,電子線
を照射することにより、針表面の硬度を増加させること
もできる。またこの処理により針表面の殺菌、更に針刃
の研磨(鋭さを増す)という効果も得られる。
【0013】また本発明の特徴の一つである刃を鋭くす
る方法として合成樹脂組成物を成形しその後針管部分を
切断して刃先を形成する該切断手段として、いわゆるウ
ォタージェット法を用いることができる。このウォター
ジェット法とは、約1000〜6000kgf/cm2 、好ま
しくは1000〜5000kgf/cm2 の高圧水,超高圧水
を口径0.1〜0.5mm好ましくは0.1〜0.3mm程
度の極細ノズルから噴出し、この噴流の衝撃作用で切断
する方法である。この方法によれば、図2及び図3に示
すいわゆるレギュラー型や図4及び図5に示すようない
わゆるショート型等の針先型、その他皮内注射針型、バ
バー型等のいかなる形状の針であっても刃先の角度を自
由に変化させ得ることができ、合成樹脂製ではあっても
針先が薄く、切れ味の良い注射針が製造できることを本
発明者等は見いだした。本発明の合成樹脂を用いて射出
成形する注射針の具体的形状としては、上述の従来形状
のものは勿論、図6に示すような皮膚透過する細い経路
を2本以上有しこれにより薬剤を皮膚上から体内に浸透
させるる噴出口器具も好適な例として挙げられる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるべきもので
はない。 〔実施例1:ポリエステル樹脂(PET,PBTな
ど)〕PBT(帝人(株)製、帝人PBTC−7000
N(商品名)固有粘度〔η〕1.15)100重量部、
ポリプロピレン(東燃石油化学(株)製、J−209、
商品名、MFR3.5g/10分、230℃)10重量
部、p−t−ブチル安息香酸アルミニウム 0.3重量
部、活性白土 10重量部、グリセロールモノステアリ
ン酸エステル1重量部、BHT 0.5重量部をヘンシ
ェルミキサーによりドライブレンドした後に、二軸押出
機で240±10℃、250rpmで混練し、図1の注
射針型に成形した。またその一部は硬度測定試験用の板
状試験片に成形した。成形した試験片の硬度をJISK
7202、スケールM(硬度M法と略す)にて測定した
結果は82、次に曲げ弾性率をJISK6911(AS
TMD790)に準拠して測定した結果は32,000
kg/cm2 であった。注射針を外径0.7mmの規定値まで
延伸し、水圧力4000kg/cm2、ノズル径0.2mm、水
流量1.4リットル/分にて針刃角度12°に針刃を成
形した。針先の切れ味の測定をJIST3101─19
90の試験法に準拠して行った。すなわち、針を0.0
2mm厚さのアルミニウムはくの面に垂直に接触させ、荷
重を静かにかけてゆき刺通切断する荷重をオートグラフ
((株)島津製作所製)にて測定した。針3本について
2回ずつ試験した結果、最高荷重値は12.3gであっ
た。その他の試験としてJIS T3101−1990の注
射針の弾性試験に準拠した弾性試験、すなわち針もと側
の一点Aを支点として注射針を固定して水平に保持して
おき、針刃先に荷重をかけてを水平位置から下方に12
°になるまで曲げ、1分間保った後放し、元の位置に復
するかどうかを肉眼で調べる。さらに内外面検査、すな
わちグリセリン液に針を浸漬して液の着色を目視により
観察なども異常は認められなかった。なお、上記組成の
うちグリセロールモノステアリン酸エステルをグリセロ
ールジステアリン酸エステルに変えたものについても同
等の結果を得た。
【0015】〔実施例1−2:ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂(PET)〕PET(ESMO5030、商品
名、クラレ(株)製、ガラス繊維30%含有)100重
量部、エチレン/メタクリル酸共重合体のNa塩(ハイ
ミラン1707、商品名、三井デュポンポリケミカル
(株)製)10重量部、ヘキストワックスE(商品名、
ヘキスト(株)製)1重量部、ポリエチレングリコール
ジグリシルエーテル 2重量部及び老化防止剤(イルガ
ノックス1010、商品名)0.3重量部、以上の原料
を実施例1−1と同様に操作して試験板を成形した。得
られた合成樹脂の硬度M105、曲げ弾性率110,0
00kg/cm2であった。次に実施例1と同様に注射針を一
旦成形し、針管を所定径まで延伸処理後ウォータージェ
ット法にて刃先を切断し、図2の形状に成形した。針の
切れ味を実施例1の場合と同様に測定した結果、荷重1
3.8gであった。
【0016】〔実施例1−3:エステル複合体〕4,
4′−ジアセトキシジフェニル 187g、4−アセト
キシ安息香酸 144g、テレフタル酸 100g及び
酢酸ナトリウム 0.4gを仕込み、真空にし窒素置換
して撹拌下、240℃で20分間、260℃で45分
間、290℃と320℃で35分間保持して、酢酸を留
出し、真空度約10Torrで20分間保持して重合反応を
行なう。冷却後メタノール温液にて洗浄、BHT0.5
重量部を添加し乾燥した。該合成樹脂100重量部に対
し、エチレン・プロピレン共重合樹脂(JISEPO
1、商品名、日本合成ゴム(株)製)5重量部、リケマ
ールS−900(商品名、理研ビタミン油(株)製)
1.5重量部を温度250〜270℃にて混練し、実施
例1−1と同様に試験板及び注射針を成形し、得られた
製品につき同様に試験を行った。その結果硬度(M法)
は98、曲げ弾性率は72,000kg/cm2であった。注
射針刃先の切れ味は荷重11.3gであった。
【0017】〔実施例2−1〜実施例2−6:ポリアミ
ド樹脂(PA)〕PAとは酸アミド結合−CONH−を
主鎖とする結晶性線状高分子樹脂で、ε−カプロラクタ
ムなどの開環重合、ヘキサメチレンジアミン、メタキシ
レンジアミン、ジアミノブタンとアジピン酸、セバミン
酸、ジカルボン酸との縮合物、及び11−アミノウンデ
カン酸の縮重合物を言う。各種のPAに添加物を組み合
わせた配合組成を表1に示す。配合操作、加工、注射針
の成形、針刃の試験方法は実施例1−1と同様に行っ
た。試験結果を表1にあわせて示す。以下の各配合につ
いて特に注記のない限りはいずれも重量部を意味する。
【0018】
【表1】
【0019】表1の注記は以下を意味する。 1)ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との縮合物、ポ
リアミドMXD6(商品名)、三菱瓦斯化学(株)製。 2)PET、KS700YT(商品名)、クラレ(株)
製。 3)グラフト化ポリオレフィン変性物、モディパーA41
00(商品名)、日本油脂(株)製。 4)チタン酸カリウムウィスカー、径0.3μm,長さ1
0μm、ティスモD(商品名)、大塚化学(株)製。 5)エチレンビスステアリルアミド、ルブロンE(商品
名)、日本化成(株)製。 6)イルガノックス1010(商品名)、チバガイギー
(株)製。 7)ポリアミド6、チタンカプリング剤0.5重量%にて
処理した製品、Plaskon8203(商品名)アラ
イドケミカル(株)製。 8)PA、ウルトラミットA−3(商品名)、バーディッ
シュアニリン(株)製。 9)ガラス繊維強化したポリフタルアミド樹脂、AMOD
EL(商品名)、アコモジャパン(株)製。 10) 超高分子量ポリエチレン粉末、ハイゼックスミリオ
ン(商品名)、三井石油化学工業(株)製。
【0020】〔実施例3−1〜実施例3−3:ポリアミ
ドイミド樹脂(PAI)、ポリイミド樹脂(PI)及び
ポリエーテルイミド樹脂(PEI)〕いずれも耐熱性樹
脂として知られているPAI,PI,PEIの中から本
発明の注射針に適する配合組成を表2に示す。該配合組
成にて注射針を実施例1−1と同様に操作して成形し、
同様に試験を行った。その結果を表2に合わせて示す。
【0021】
【表2】
【0022】表2の注記は以下を意味する。6)は前記の
とおり。 6) イルガノックス1010(商品名)。 11) PAI、トーロン4203L(商品名)、アコモエ
ンジニアリング(株)製。 12) PI、AURUM450(商品名)、三井東圧化学
(株)製。 13) PEI、非結晶性のホモポリマー、ウルテム100
0(商品名)、日本ジーイープラスチック(株)製。 14) γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、S
H6040(商品名)、トーレシリコン(株)製。 15) シリコン油、TSF433(商品名)、東芝シリコ
ーン(株)製。 16) 注射針をウォータージェット法にて針先を成形後に
温度260℃で24時間熱処理を行った製品である。
【0023】〔実施例4−1,実施例4−2:ポリカー
ボネート〕高分子樹脂体を (−O−R−O−CO−)
n なるジオキシ化合物でビスフェノールや炭酸ジアリル
などを原料にしている樹脂体を示し、平均分子量は5万
〜10万程度である。該樹脂体を注射針の性能に適する
樹脂組成物とし、成形した。配合組成及び実施例1−1
と同様に成形後試験した結果を表3に示す。
【0024】
【表3】
【0025】表3における注記は以下を意味する。6)、
14) は前記と同じ。 6) イルガノックス1010 14) γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 17) タフロンSC−160(商品名)、出光石油化学
(株)製。 18) ガラス繊維、径13μm、長さ3mm、アミノシラン
処理品、03MA409C(商品名)、旭ファイバーグ
ラス(株)製。 19) エチレン−エチレンアクリレート樹脂、NUC65
70(商品名)、日本ユニカ(株)製。
【0026】〔実施例5−1〜実施例5−6:ポリサル
ホン(PSF)ポリエーテルサルホン(PES)〕芳香
族環を−SO2 基にて結合した高分子樹脂、又は芳香族
環と−SO2 基とエーテル結合の量結合基を有する高分
子樹脂体である市販のPSF,PESを本発明注射針と
して好適な組成物となるよう表4に示す配合で調整し
た。該配合組成物を300〜320℃で混練し、密閉窒
素雰囲気下に温度250〜330℃で射出成形して、実
施例1−1と同様な試験法で試験した。試験結果も表4
に合わせて示す。
【0027】
【表4】
【0028】表3における注記は以下を意味する。4)は
前記と同じ。 4) チタン酸カリウムウィスカー 20) PSF:ユーデルP−1700(商品名)、アコモ
・エンジニアリングプラスチック(株)製。 21) PES:VICTREX4800G(商品名)、三
井東圧化学(株)製。 22) 亜鉛華:亜鉛華S(商品名)、堺化学(株)製。 23) エチレンビスステアリン酸アミド。 24) 酸化チタン:堺化学(株)製。 25) イルガノックス1425(商品名)、チバガイギー
(株)製。 26) フッ素樹脂:ポリフロンTEF(商品名)、ダイキ
ン工業(株)製。
【0029】〔実施例6−1,実施例6−2:ポリメチ
ルペンテン(TPX)〕ポリメチルペンテン:メルトフ
ローレートTPX(商品名)、三井東圧化学工業(株)
製、極限粘度〔η〕3.4 l/g 、融点240℃)に表
5に示す配合剤を添加した組成物を混練し実施例1−1
同様に射出成形し、同様に試験した。試験結果を表5に
まとめて示す。
【0030】
【表5】
【0031】表5における注記は以下を意味する。4),
6),16) ,18) は前記の通り。 4) チタン酸カリウムウィスカー。 6) イルガノックス1010(商品名)。 18) ガラス繊維。 27) ポリメチルペンテン 28) PC:パンライトL−1250(商品名)、帝人化
成(株)製、4,4′−ジオキシジフェニルアルカン系
樹脂。 29) 活性亜鉛華:堺化学(株)製。 30) ステアリン酸亜鉛。
【0032】〔実施例7−1:ポリフェニレンエーテル
(PEE)〕ポリ(ジメチルフェニレン)エーテル(三
菱油化(株)製、アセトンにて精製)100重量部、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体(商品名 ダイラー2
32、アルコポリマー(株)製、無水マレイン酸含有量
8重量%)20重量部、グラフトPP(グリシジルメタ
クリレート2.3重量%含有品)30重量部、Irga
phasPEPQ(商品名、老化防止剤、チバガイギー
(株)製)0.5重量部 及びステアリン酸カルシウム
2重量部、以上の所定量を配合し、ラポプラストミル
混練機(東洋精機製作所製)で温度250〜280℃に
て混練り、注射針の金型100〜120℃に射出成形し
た。成形した樹脂の硬度はJISK6911、ロックウ
エル硬度試験法に準拠して測定した結果、M法で69、
またJISK6911の曲げ弾性率は23,000kg/c
m2であった。注射針の針管をJIST3101の規定寸
法に延伸し、針刃をウォータージェット法にて切断し
た。水圧力3,800kg/cm2、噴出ノズル口径0.2mm
で注射針刃を図3に示す形状にした。針刃の切れ味試験
はJIST3101に準拠して0.02mm厚さのアルミ
ニウム紙に注射針の貫通する荷重をオートグラフ−10
0(島津製作所製)で測定した。測定は針3本について
の測定値の最高値を平均した。その結果は15.3gで
あった。
【0033】〔実施例7−2:PPE〕ポリ(2,6−
ジメチル・フェニレン)エーテル(三井石油化学工業
(株)製、クロロホルム中30℃における極限粘度
〔η〕0.47 dl/g )100重量部、環状オレフィン
系樹脂(商品名ZEONEX280、日本ゼオン(株)
製)15重量部、シラン処理クレー(商品名 Nuca
p290、J.M.Huber社製)30重量部、ステ
アリル酸カルシウム 1.5重量部及び Irgaph
asPEPQ 0.3重量部を、実施例7−1と同様に
混練り、針型の成形品及び試験板を作り、実施例7−1
と同様に試験した結果、合成樹脂の硬度はM法で70、
曲げ弾性率は26,000kg/cm2であった。次に注射針
の刃を実施例7−1と同様にウォータージェット法で切
断して成形した結果、針刃の切れ味は荷重16.2gで
あった。
【0034】〔実施例8−1:ポリアリレート(ケトン
基、エーテル基を有する高分子樹脂)〕ケトン基、エー
テル基を含有する高分子樹脂体でありケトン基の含有率
が高いほど耐熱性を有するポリアリレートとしてPEK
(商品名、ICI社製、ガラス転移点162℃〜DSC
法)100重量部に対し、シリコーンオイル(商品名T
SF433、東芝シリコーン(株)製)0.5重量部を
トライブレンドした後、約200℃にて溶融、混練し、
射出して注射針型及び試験片に成形した。実施例7−1
と同様に試験した結果、硬度はM法で100、曲げ弾性
率は36,000kg/cm2であった。注射針は規定の寸法
に調節した後にウォータージェット法にて針先を成形
し、針刃の鋭さを測定の結果荷重12.3gであった。
【0035】〔実施例8−2:ポリアリレート〕実施例
8−1のトライブレンドを行なう際に、実施例8−1の
配合に更にチタン酸カリウム繊維(チタン工業製HT−
200、繊維口径0.5μm、長さ20μm)を30重
量部混合し、以下実施例8−1と同様に操作した結果、
合成樹脂の硬度はM法で112、曲げ弾性率は92,0
00kg/cm2であった。また成形した注射針の針先の鋭さ
は荷重11.2gであった。
【0036】〔実施例8−3:ポリアリレート〕ポリア
リレートとしてPEK(実施例8−1と同じ)100重
量部、芳香族ポリエステル樹脂(商品名エコノールE1
01−S、住友化学(株)製)10重量部、ポリエーテ
ルイミド樹脂(商品名ウルテム100、ゼネラルエレク
トリック(株)製)15重量部及び ステアリン酸亜鉛
1.5重量部を実施例7−1と同様に混合し以下同様に
操作して注射針に成形し、針の刃鋭さを測定した結果は
次の通りであった。硬度(M法)106、曲げ弾性率
87,000kg/cm2、針先の鋭さ荷重12.1g。
【0037】〔実施例9−1〜実施例9−3:ポリアリ
レート〕エンジニアリングプラスチックスのうち、エー
テル基、ケトン基、エステル基を有してなる合成樹脂は
多くの種類が提案されている。代表例としてUポリマー
U−100(商品名、ユニチカ(株)製)を用い表6に
示す樹脂組成物を調整し、実施例7−1と同様に操作し
て成形、試験した。結果を表6に合わせて示す。
【0038】
【表6】
【0039】表6における注記は以下を意味する。 a) ホワイトカーポン:(ニプシールER、多木化学
(株)製)。 b) 活性亜鉛華:本荘ケミカル工業(株)製。 c) イルガノックス1010:商品名、チバガイギー
(株)製。 d) 炭素数24〜34の脂肪酸及び脂肪酸エステル。 e) アラミド繊維:ケプラー49(商品名、デュポン
(株)製)。 f) ベクトラA130(商品名)、ポリプラスチックス
(株)製の液晶ポリマーにガラス繊維30重量部混合
品。
【0040】〔実施例10−1:ポリプロピレン樹脂
(PP)〕撹拌機付オートクレーブにプロピレンを0.
5kg/cm2に調圧し、n−ヘプタン、(C2 5 2 Al
(OBu)0.3 Cl0.3 〔OBuはブトキシ基を示
す〕,ジ−n−ブチルエーテル及びTiCl4 を反応さ
せてなる固体触媒を添加し、温度60℃でプロピレン6
kg/cm2圧力に昇圧してこの圧力を一定に保ち5時間重合
させる。重合物にブチルアルコールを添加して重合停止
し、温水洗浄後樹脂体を分離する。乾燥樹脂100重量
部に対して、イルガノックス1010(商品名、チバガ
イギー(株)製)0.3重量部、ステアリン酸カルシウ
ム0.5重量部、ジ(ベンジリデン)ソルビトール0.
5重量部を添加した。樹脂の重量平均分子量(Mw)/
数平均分子量(Mn)の比率:14、樹脂の密度
(d):0.911、樹脂の硬度測定は実施例7−1と
同様にしてM法で70、曲げ弾性率23,000kg/cm2
であった。成形した注射針の切れ味は実施例7−1と同
様にして測定し荷重15.2gであった。
【0041】〔実施例10−2:ポリプロピレン樹脂
(PP)〕実施例10−1にて成形した注射針につい
て、電子線照射装置(日新ハイポルテージ(株)製)に
て窒素ガス雰囲気下で電子写真式製版用印刷原版線を5
Mrad 照射した後に、実施例10−1と同様に注射針の
切れ味を測定した結果、荷重13.5gと約10%改良
された。
【0042】〔実施例10−3:ポリプロピレン樹脂
(PP)〕実施例10−1の合成樹脂組成物を注射針の
径が直径7mmと太い形状に成形した。該注射針の針管を
温度110℃のトリエチレングリコール液に浸して0.
5m/分の速度にて針管を延伸した後に、規定の注射針
長さにウォータージェット法により切断して針刃(図2
の形状)を成形した。本実施例により得られた注射針針
先の切れ味は12.8gと非常に向上していた。
【0043】〔実施例10−4:ポリプロピレン樹脂
(PP)〕変性ポリプロピレン樹脂(無水マレイン酸
0.56重量%をグラフトしたもの、徳山曹達(株)
製)重量部、プロピレンにエチレンをブロックした重合
樹脂(商品名BJ4H、 (株)製、MFR3/
10分、230℃(測定法:JISK6758))38
重量部、ガラス繊維(旭ファイバーグラス製、直径3μ
m、長さ15μm)16重量部、老化防止剤イルガノッ
クス1010(商品名)0.3重量部、及びγ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン 3重量部を密閉式
混合機で混練し、約180〜200℃に溶融し、注射針
形(図1)型内に射出成形した。成形した合成樹脂の硬
度、曲げ弾性率、針刃の鋭さを実施例7−1と同様に測
定した結果、硬度M法 82、曲げ弾性率54,000
kg/cm2、針刃鋭さ荷重14.2gであった。
【0044】〔実施例10−5〜実施例10−3:ポリ
プロピレン樹脂(PP)〕ポリプロピレン(商品名、日
石ポリプロJ180Y、日本石油化学工業(株)製、M
FR50g/10分)100重量部、炭素繊維(商品名
ベストファイトUM−68、直径4.7μm、東邦レー
ヨン(株)製)などを表7に示す配合で混練した。配合
操作、試験片及び注射針の成形及び成形した注射針の各
試験は実施例7−1と同様にした。結果を表7に合わせ
て示す。
【0045】
【表7】
【0046】表7における注記は下記を意味する。 g) イルガノックス1010:商品名、チバガイギー
(株)製。 h) ペンタエリスリトールステアレート:花王油脂
(株)製。 i) タルク:Mistron Vapor(商品名)、
Cyprus Ind社製。
【0047】〔比較例〕市販される代表的な樹脂を用い
て比較試験を行った。 〔比較例A:ポリ塩化ビニール樹脂〕ポリ塩化ビニール
樹脂(商品名ゼオン103EP8、日本ゼオン(株)
製)100重量部、安定剤(Ca−Ba−Znのステア
リン酸塩混合溶融品)4重量部、炭酸カルシウム 60
重量部、エポキシ可塑剤 3重量部を混合し、実施例7
−1と同様に注射針を成形した。成形品の硬度M法 6
4、曲げ弾性率18,000kg/cm2であった。実施例7
−1と同様にウォータージェット法にて針刃を成形し、
針刃の切れ味を測定した結果、荷重18.7gの本発明
による各実施例の製品に比べ劣っていた。このような切
れ味では皮内に投入すると傷を発生させ、また被投与者
に不快感を与える。
【0048】〔比較例B:ポリエチレン樹脂(PE)〕
PE(商品名ハイゼックス5100B、三井石油化学
(株)製、MFR0.25g/十分)100重量部、イ
ルガノックス1010 0.3重量%、表面処理クレー
(商品名、Nucap200L、J.M.Huber社
製)60重量部を配合し、実施例7−1と同様に操作し
て注射針を成形し、試験を行った。その結果、合成樹脂
の硬度M 62、曲げ弾性率12,000kg/cm2であっ
た。注射針をウオォタージェット法で切断して形成した
ものの切れ味は荷重19gであったが、これを回転炭素
鋼刃にて切断したものでは荷重20.0g以上であっ
た。また、CO2 レーザー,出力500W,周波数10
〜10,000Hzのレーザーで切断し針先を形成したものの
切れ味は荷重20.0g以上であった。
【0049】〔比較例C:その他の樹脂〕エチレン・酢
酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ブタジエン樹脂ポ
リスチレン樹脂、ポリビニルアルコール等の樹脂は本発
明の材料としては軟質にすぎ、高圧蒸気殺菌で変形した
り、吸水性であったり、寸法変化を起こしたり等、衛生
上また注射針としての特性上で不適であった。
【0050】
【発明の効果】以上説明のとおり、本発明は注射針の特
性に適合するような合成樹脂を選択しこれに補強材、加
工助剤等を配合することにより樹脂組成物の硬度をロッ
クウェル M法65以上とすることにより、合成樹脂製
の注射針として実用できるものが実現できた。特に、針
の先刃の成形を針管を延伸後ウォータージェット法によ
り切断する本発明の製造法によれば、合成樹脂製注射針
であってしかも刃先の切れ味の鋭いものを、生産性高く
製造することができる。従って本発明により、ステン
レス鋼に代わり得る細く、強く、しかも鋭い針刃を有す
る注射針が実現できる、本発明の注射針は合成樹脂製
であり、使用後に焼却可能であるため、廃棄処理等が簡
素化できる、また本発明の注射針の製造法は生産性が
高く経済上有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明の一実施例を説明する概略断面図であ
る。
【図2】は本発明の注射針の刃先レギュラーの正面図で
ある。
【図3】は図2の刃先の横面図である。
【図4】は本発明の刃先ショートの正面図である。
【図5】は図4の刃先の横面図である。
【図6】は本発明の無針の皮下注射器具の管条本体注射
ヘッド部を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 注射針 2 刃先 3 針管 4 針基 5 切削面 6 傾斜面 7 針孔(通液孔)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29D 23/00 2126−4F // B29L 23:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロックウェル硬さ(M法)65以上の合
    成樹脂組成物からなる注射針。
  2. 【請求項2】 上記合成樹脂組成物が曲げ弾性率20,
    000kg/cm2以上のものであることを特徴とする請求項
    1記載の注射針。
  3. 【請求項3】 上記合成樹脂組成物がポリエーテルサル
    ホン,ポリサルホン,ポリアミドイミド,ポリエーテル
    イミド,ポリイミド,ポリカーボネート,ポリエステ
    ル,ポリアミド,ポリプロピレン,ポリアリレート,ポ
    リメチルペンテン,変性フェニレンオキシド及び液晶ポ
    リエステルよりなる群れから選ばれる1種以上を含有し
    てなるものであることを特徴とする請求項1又は請求項
    2記載の注射針。
  4. 【請求項4】 ロックウェル硬さ(M法)65以上の合
    成樹脂組成物を混練り、溶融した後該樹脂組成物を針型
    に射出成形することを特徴とする注射針の製造法。
  5. 【請求項5】 ロックウェル硬さ(M法)65以上の合
    成樹脂組成物を混練り、溶融した後該樹脂組成物を針型
    に射出成形することにより得られた成形物の針管部を延
    伸処理し、次に延伸処理部分をウォータージェット法で
    切断することにより注射針先端刃を形成することを特徴
    とする請求項4記載の注射針の製造法。
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