JPH074967Y2 - 車両のエアサスペンション用空気回路 - Google Patents

車両のエアサスペンション用空気回路

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JPH074967Y2
JPH074967Y2 JP1988055079U JP5507988U JPH074967Y2 JP H074967 Y2 JPH074967 Y2 JP H074967Y2 JP 1988055079 U JP1988055079 U JP 1988055079U JP 5507988 U JP5507988 U JP 5507988U JP H074967 Y2 JPH074967 Y2 JP H074967Y2
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compressor
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air suspension
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Aisin Corp
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Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 [産業上の利用分野] 本考案は車両の懸架に用いられるエアサスペンションシ
ステムの空気の回路に関するものである。
[従来の技術] 車両懸架用のエアサスペンションシステムにおいて、エ
アサスペンションへ供給する圧縮空気はコンプレッサに
より発生されるが、そのコンプレッサに取り入れる空気
の供給源として、周辺大気ばかりでなく、エアサスペン
ションから排出される空気をも再利用する、いわゆるセ
ミクローズド方式の空気回路が既に提案されている(実
開昭58−104711)。このようなセミクローズド回路によ
ると、大気中の粉塵あるいは水分の回路への侵入を低減
することができるという効果を有する。
[考案が解決しようとする課題] 上記セミクローズド回路で、エアサスペンションからの
空気をコンプレッサの空気吸入口に導くモードの場合、
エアサスペンション内の空気圧は大気圧よりも高いこと
から、コンプレッサでその空気を圧縮する際、コンプレ
ッサに大きな負荷がかかる。すなわち、コンプレッサモ
ータに大きな作動電流が必要となり、モータの過熱や、
モータの耐久性の低下という問題が生ずる。逆に、この
ような問題を回避するためには、モータの容量増大及び
大容量リレーや太径ハーネスの必要性が生じ、車両の重
量増大やコストアップにつながる。
単にコンプレッサの負荷を軽減するだけであれば、コン
プレッサの圧縮比を下げる方法もあるが、こうすると上
記セミクローズド回路では、周辺大気からの空気を吸入
するモードでの昇圧性能が低下してしまう。
本考案はこのようなセミクローズド回路の従来の問題点
に鑑み、簡単な構成でもって、エアサスペンションから
の空気を圧縮する際のコンプレッサの負荷を低減するこ
とのできる空気回路の実現という課題を解決したもので
ある。
考案の構成 [課題を解決するための手段] 上記課題を解決するためになされた本考案は、車両のエ
アサスペンションに圧縮空気を供給するためのコンプレ
ッサを備え、そのコンプレッサの空気吸入口が周辺大気
を吸入するための通路とエアサスペンション若しくはエ
アサスペンションから排出された空気を保持するタンク
からの空気を吸入するための通路とに接続され、コンプ
レッサへの吸入空気をそれら通路のいずれかからの空気
に切り替えることのできる車両のエアサスペンション用
空気回路において、前記エアサスペンション若しくはエ
アサスペンションから排出された空気を保持するタンク
からの空気を吸入するための通路内であって、前記両通
路の合流点と前記エアサスペンション若しくは前記タン
クとの間に、絞りを設けると共に、該絞りの下流位置に
コンプレッサのクランク室へと連通する分岐管を設けた
ことを特徴とする車両のエアサスペンション用空気回路
をその要旨とするものである。
[作用] 本考案に係る空気回路では、エアサスペンションに圧縮
空気を供給するためにコンプレッサが空気を圧縮する
際、この吸入空気源は2通りある。1つは周辺大気から
の空気を吸入する場合であり、もう1つはエアサスペン
ションから(若しくはエアサスペンションから排出され
る空気を保持するタンクから)の空気を吸入する場合で
ある。このうち、後者の場合には、エアサスペンション
内の空気圧力が大気圧よりも高いことから、そのまま吸
入すると、圧縮の際にコンプレッサに大きな負荷がかか
る。しかし、本考案による空気回路では、エアサスペン
ション(若しくはタンク)からの通路の方に絞りが設け
られているため、エアサスペンション(若しくはタン
ク)からの空気の圧力はこの絞りにより低下し、シリン
ダ内に導入される空気の圧力は低いものとなる。従っ
て、コンプレッサの空気圧縮時の負荷は、後者の場合で
も、大きくならない。
また、本考案によれば、絞りの下流位置のコンプレッサ
のクランク室へと連通する分岐管を設けたので、エアサ
スペンション側からの空気を吸入・圧縮する場合を考え
たとき、クランク室圧力が大気圧よりも高くなり、圧縮
開始時のアシスト作用を発揮する。従って、絞りによっ
て減圧されたとはいえ、ある程度は高圧となっているエ
アサスペンション側からの空気を圧縮する際の負荷低減
作用が向上する。
なお、こうしたアシスト作用だけに注目すれば、後述の
比較例の様に、絞りの上流位置からクランク室へと分岐
管を連通せしめる方が有利となる。しかし、この場合に
は、吸気行程においてクランク室背圧の方が圧縮室へ吸
入される空気よりも常に高圧となり、吸気時の負担が増
大する。
これに対し、本考案では、絞りの下流位置からクランク
室へのアシストを行う様にしたので、吸気行程を考えた
ときには、大気導入時もエアサスペンション側空気導入
時も、いずれにおいても圧縮室圧力とクランク室圧力と
が同一となり、吸気動作を阻害することがない。
この様に、本考案によれば、絞りによる減圧によって圧
縮時の負荷を低減できると共に、分岐管によってエアサ
スペンション側空気の圧縮時にアシスト作用をも発揮さ
せ、しかも、分岐管の配設位置を工夫することで吸気行
程への悪影響を全くないようにすることができるのであ
る。
[実施例] 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第1図は本考案が適用された一実施例としての車高調整
装置の空気回路図である。この空気回路には、モータ1
で駆動されて空気を圧縮するコンプレッサ2が設けられ
る。このコンプレッサ2の吸入口2aには、逆流を防止す
る吸気弁4を介して吸気配管5が接続されている。吸気
配管5には、コンプレッサ2のピストン2cの背面にある
クランク室2dと連通する分岐管5aが設けられ、コンプレ
ッサ2の起動時の負荷を軽減する。
コンプレッサ2については、詳細な一部断面図を第2図
に掲げた。分岐管5aには、フィルタ5bが設けられ、ピス
トンピン2eとブッシュ2fとの間等の摺動部で発生した摩
耗粉がコンプレッサ2の吸入口2aから吸入されて吸気弁
4等のバルブシート不良を起こすことを防止する。一
方、コンプレッサ2のモータ1が格納されている室2gと
クランク室2dとの間には、通路2hが設けられている。こ
の通路2hがないと、モータ1の発熱等によりモータ室2g
とクランク室2dとの間に圧力差が生じた場合、ベアリン
グ2iのグリースがクランク室2d又はモータ室2gへ飛ばさ
れてしまう。通路2hはこのような両室間の圧力差を解消
するためのものであるが、ここにもモータ1のモータブ
ラシ部分等の摺動部で発生した摩耗粉がクランク室2dを
経て吸入口2aに吸入されるのを防止するために、別のフ
ィルタ2jが設けられる。
第1図に戻り、吸気配管5は周辺大気を吸入するための
配管7と車輪に設けられた周知のエアサスペンション28
からの空気を吸入するための配管9とに分岐する。周辺
大気と連通する配管7には回路内の空気が大気へ放出さ
れることを防止するチェック弁8が設けられ、又、その
端部には吸入空気を濾過するエアフィルタ6が設けられ
ている。エアサスペンション28への配管9には本考案に
係る固定絞り11が設けられている。更に、固定絞り11と
エアサスペンション28との間には、開閉可能な下降弁32
が設けられている。
コンプレッサ2の吐出口2bには、コンプレッサ2への空
気の逆流を防止する排気弁10を介して、開閉可能な放出
弁12と、ドライヤ14とが接続されている。放出弁12の他
方は大気に開放されており、ドライヤ14内には、周知の
可逆性除湿剤、例えばシリカゲル等が封入されている。
このドライヤ14の他方には、各々固定絞り16及びドライ
ヤ14への逆流を防止するチェック弁18を介して、圧縮空
気を蓄えるアキュムレータ20が接続されている。アキュ
ムレータ20には、アキュムレータ20内の圧力が予め設定
された所定値P0以上であるときにオン信号を発する圧力
検出センサ22が配置されている。この所定値P0は、例え
ば、少なくとも1回はエアサスペンション28に圧縮空気
を供給して車高を上昇させることができるのに十分な圧
力値に設定される。また、アキュムレータ20内の圧力
が、P0よりも高い予め設定された所定圧力P1を超えたと
きに開くリリーフ弁24も取り付けられており、何らかの
原因でアキュムレータ20内の圧力が過度に上昇した場合
に、アキュムレータ20を保護する。
また、アキュムレータ20は、開閉可能な上昇弁26を介し
てエアサスペンション28に接続されている。このエアサ
スペンション28に空気を供給することにより車高を上昇
させ、また、空気を排出することにより車高を下降させ
て、車高を調整することができる。更に、このエアサス
ペンション28への空気の給排により変化する車高を検出
する車高検出センサ30も設けられている。この車高検出
センサ30は、予め設定された所定幅の基準車高範囲に対
して、実車高が高いときには、高い状態に応じた信号を
出力し、実車高が低いときには、低い状態に応じた信号
を出力する。なお、前記放出弁12、上昇弁26、下降弁32
はノーマルクローズ(常時閉)の2位置型電磁制御弁で
あるが、開閉が可能であれば他のタイプの制御弁でも利
用可能である。
なお、コンプレッサ2は、モータ1により駆動されるも
のに限らず、図示しないエンジンにより電磁クラッチ等
を介して駆動されるものでもよく、このときは、モータ
1に代えて電磁クラッチ等を制御して後述するコンプレ
ッサ2の作動・停止を行なってもよい。
前記モータ1、放出弁12、圧力検出センサ22、上昇弁2
6、車高検出センサ30、下降弁32は、各々電子制御回路5
0に接続されている。この電子制御回路50は、周知のCPU
52、ROM54、RAM56を中心として構成された論理演算回路
であり、それらの他、外部と入出力を行う入出力回路、
ここではセンサ入力回路58及び駆動出力回路60、がコモ
ンバス62を介して相互に接続されている。
CPU52は、圧力検出センサ22及び車高検出センサ30から
の信号をセンサ入力回路58を介して入力する。一方、こ
れらの信号及びROM54、RAM56内のデータに基づいて、CP
U52は駆動出力回路60を介してモータ1、放出弁12、上
昇弁26、下降弁32に駆動信号を出力し、エアサスペンシ
ョン28への空気の給排を制御している。
次に、電子制御回路50において行われる処理を第3図の
フローチャートによって説明する。
本車高調整装置は、図示しないキースイッチが投入され
ると、第3図に示す車高調整制御ルーチンを他の制御ル
ーチンと共に実行する。まず、車高検出センサ30により
検出される車高をセンサ入力回路58を介して読み込み
(ステップ100)、この読み込んだ車高が中位か否か、
即ち、基準車高範囲内にあるか否か、を判定する(ステ
ップ110)。車高が中位であると判定すると、次に、圧
力検出センサ22から出力される信号がオン信号であるか
否か、即ち、アキュムレータ20内の圧力が所定値P0以上
でかるか否か、を判定する(ステップ120)。アキュム
レータ20内の圧力が所定値P0以上であると、コンプレッ
サ2を作動させることなく停止した状態のままで、駆動
出力回路60を介して放出弁12に駆動信号を出力し、放出
弁12を開く。また、このとき上昇弁26と下降弁32とには
駆動信号を出力することなく閉状態のままとする(ステ
ップ130)。放出弁12を開とすることにより、アキュム
レータ20は、固定絞り16、ドライヤ14を介して大気と連
通され、アキュムレータ20から流出した圧縮空気は、固
定絞り16によりその圧力が、コンプレッサ2による圧縮
時の圧力よりも十分に下げられる。圧力が下げられ膨張
した圧縮空気は、ドライヤ14に流入し、ドライヤ14内の
除湿剤から水分を奪って除湿剤を十分に乾燥し、除湿能
力を回復させて、放出弁12から大気に放出される。
本制御ルーチンを繰り返し実行して、放出弁12から大気
にアキュムレータ20内の圧縮空気を放出した後、ある時
点で、ステップ120の処理の実行により、アキュムレー
タ20内の圧力が所定値P0以下になったと判定されると、
即ち、アキュムレータ20内に車高調整に必要な圧縮空気
が、例えば1回分しか蓄圧されていない状態となったと
判定されると、放出弁12への駆動信号を止め、放出弁12
を閉じる(ステップ140)。
また、車高が中位であっても、ステップ120の処理の実
行により、アキュムレータ20内の圧力が所定値P0以上で
はないと判定されると、コンプレッサ2を作動させるこ
となく、また、放出弁12、上昇弁26、下降弁32に駆動信
号を出力することなく閉状態を維持する(ステップ14
0)。これにより、アキュムレータ20内の圧縮空気は減
少せず、車高調整に必要な圧縮空気が蓄圧された状態が
維持される。
ステップ110の処理の実行により、車高検出センサ30に
より検出された車高が中位でないと判定されると、次い
でステップ150では、その検出された車高が基準範囲よ
り低いか否かを判定する。ここで低いと判定されると、
圧力検出センサ22の検出信号に関わらず、駆動出力回路
60を介して、モータ1に駆動信号を出力してコンプレッ
サ2を作動させ、また、上昇弁26に駆動信号を出力して
開とし、放出弁12と下降弁32とには駆動信号を出力する
ことなく閉のままとして、コンプレッサ2と、アキュム
レータ20及びエアサスペンション28とを連通する(ステ
ップ160)。この場合には、下降弁32が閉となっている
ことから、コンプレッサ2は周辺大気と連通する配管7
からエアフィルタ6、チェック弁8を介して周辺大気を
吸入し、吸入した空気を圧縮する。この圧縮空気はドラ
イヤ14内の除湿剤により除湿され、チェック弁18を介し
てアキュムレータ20とエアサスペンション28とに供給さ
れる。本制御ルーチンを繰り返し実行することにより、
エアサスペンション28への圧縮空気の供給により車高が
上昇して、ある時点で、ステップ110の処理の実行によ
り、車高が中位であると判定されると、ステップ130若
しくは140の処理の実行により、モータ1によるコンプ
レッサ2の作動を停止すると共に上昇弁26を閉じる。こ
れにより、車高はその中位の状態が保持される。
一方、ステップ150の処理の実行により、車高が低くな
い、即ち基準車高範囲よりも高い、と判定されると、コ
ンプレッサ2を作動させ、また、下降弁32に駆動信号を
出力して開とし、放出弁12と上昇弁26とには駆動信号を
出力することなく閉のままとして、コンプレッサ2の吸
入口2aとエアサスペンション28とを下降弁32を介して連
通する(ステップ170)。これにより、エアサスペンシ
ョン28からの排気はすべて下降弁32、配管9を介してコ
ンプレッサ2に流入し、コンプレッサ2により圧縮され
る。この際、エアサスペンション28内の空気の高い圧力
は固定絞り11により減圧されるため、圧縮の際にコンプ
レッサ2に大きな負荷をかけることがない。なお、エア
サスペンション28からの空気は固定絞り11により減圧さ
れても、なお大気圧よりは高くなるように固定絞り11の
径が設定されるため、チェック弁8の作用により、周辺
大気からの空気が配管7から吸入されることはない。こ
の圧縮空気をドライヤ14、チェック弁18を介してアキュ
ムレータ20に供給して蓄圧する(ステップ170)。
本制御ルーチンを繰り返し実行して、エアサスペンショ
ン28からの排気により車高が下降し、ある時点で、ステ
ップ110の処理の実行により、車高が中位であると判定
されると、ステップ130若しくは140の処理の実行によ
り、モータ1によるコンプレッサ2の作動を停止すると
共に、下降弁32を閉じる。
前記ステップ130、140、160、170の各処理の実行による
圧力検出センサ22の信号、コンプレッサ2、放出弁12、
上昇弁26、下降弁32の状態を表1に示す。
前記ステップ130、140、160、170の処理の実行を終了す
ると一旦本制御ルーチンの実行を終了する。
上述の通り、本実施例の車高調整装置では、車高上昇時
は、上昇弁26を開とし、周辺大気からの空気をそのまま
コンプレッサ2により吸入・圧縮して、アキュムレータ
20、エアサスペンション28に供給する(ステップ150、1
70)。車高下降時は、下降弁32を開として、コンプレッ
サ2を作動させてエアサスペンション28からの排気を固
定絞り11を介して吸入・圧縮してアキュムレータ2に供
給・蓄圧する(ステップ150、160)。車高調整をしてい
ないときに、アキュムレータ20内の圧力が所定値P0以上
であることが検出されたときには、放出弁12を開として
アキュムレータ20内の圧縮空気を大気に放出する(ステ
ップ110、120、130)。
従って、本実施例の車高調整装置によると、車高下降時
は、エアサスペンション28からの排気が固定絞り11を介
して吸入されるため、エアサスペンション28内の高い圧
力の空気がそのままコンプレッサ2に吸入されることが
なく、圧力の低下した空気が吸入される。このため、吸
入空気の圧縮の際にコンプレッサ2に過度な負荷がかか
らず、モータ1の負荷も軽減されると共に、その作動エ
ネルギが低減される。なお、この固定絞り11により、車
高下降時のエアサスペンション28からの空気の排出速度
は低下し、アキュムレータ20(タンク)内の空気を昇圧
するに要する時間は長くなるが、固定絞り11の径を変化
させたときにコンプレッサ2のモータ1の負荷電流とタ
ンク昇圧時間とは第4図に示す通りの関係を有するた
め、固定絞り11の径を適当に設定することにより、モー
タ負荷電流とタンク昇圧時間とを、両者のバランスを考
慮しつつ、任意の最適の値に設定することができる。
上記実施例の空気圧回路では、エアサスペンション28か
らの空気は直接コンプレッサ2に導かれていたが、それ
らの間に、エアサスペンション28からの空気を一時的に
保持する低圧タンク(ただし、その内部の圧力は、大気
圧よりは高い値に保たれる。)を設けた構成であって
も、本考案は適用できる。
第5図は、本考案の比較例を示す、コンプレッサ2周辺
の概略回路図である。本比較例では、上記実施例の分岐
管5aに相当する分岐管9aが、エアサスペンション28と連
通する方の配管9からクランク室2dへ導かれており、そ
の配管9の固定絞り11はその分岐管9aの分岐点よりも下
流側に設けられている。この比較例によると、上記実施
例と同様の、エアサスペンション28(若しくは上記低圧
タンク)からの空気が減圧され、コンプレッサ2の負荷
が低減されるという効果の他、クランク室2dの方へはエ
アサスペンション28(若しくは低圧タンク)からの圧力
の高い空気が固定絞り11により減圧されることなく導か
れるため、コンプレッサ2の圧縮時のピストン2cの背面
からのアシスト力が減殺されることがないという効果を
も有する。
第6図は、本考案の他の比較例を示す、コンプレッサ2
周辺の概略回路図である。本比較例では上述した比較例
の固定絞り11を可変絞り11bに代え、その絞り径を、エ
アサスペンション28(若しくは低圧タンク)と連通する
方の配管9に設けた圧力センサ9bの検出値に基づいて、
電子制御回路50が変化させるという構成をとる。電子制
御回路50は、エアサスペンション28からの空気の圧力に
かかわらず、コンプレッサ2に吸入される空気の圧力が
一定となるように、可変絞り11bの径を制御する。これ
により、上記第5図の比較例の効果の他、更に、コンプ
レッサ2の昇圧性能を一定にすることができるという効
果をも有する。
しかしながら、これら比較例によれば、こうした効果と
は逆に、コンプレッサのクランク室には、常に減圧前の
エアサスペンション圧力が加わることになり、吸気行程
を考えたときの背圧が大きく、吸気動作を阻害すること
となる。
これに対し、第1図の実施例の如く分岐管5aを絞り11の
下流位置に設ける場合には、吸気行程では、常に、吸気
圧とクランク室圧力とが同一となり、吸気動作を妨げる
ことがない。
以上、本考案の実施例について説明したが、本考案はこ
の様な実施例に何等限定されるものではなく、本考案の
要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得
ることは勿論である。
考案の効果 セミクローズド方式の空気回路では、コンプレッサへの
吸入空気は、周辺大気からとエアサスペンション(若し
くはそこからの空気を保持するタンク)からとの間で切
り替えることができる。本考案では、このうち、エアサ
スペンションからの空気配管の方に絞りを設けたため、
エアサスペンションからの高い圧力の空気が減圧されて
コンプレッサに吸入できる。従って、エアサスペンショ
ンからの空気を圧縮する場合でも、コンプレッサに大き
な負荷がかからない。また、負荷の低減のためにコンプ
レッサの圧縮比を変更する必要がないため、周辺大気を
吸入・圧縮する場合のコンプレッサの昇圧性能が犠牲に
なることもない。さらに、本考案では、分岐管をも設け
てコンプレッサのクランク室圧力を吸入空気圧力と同一
になるようにし、エアサスペンション側空気を圧縮する
場合には大気圧以上のクランク室背圧を与えて圧縮動作
のアシスト効果を発揮し、しかも、吸気行程においては
クランク室背圧が吸気圧と同一となるので吸気動作もス
ムーズに実行することができる。
即ち、本考案によれば、絞りによる減圧によって圧縮時
の負荷を低減できると共に、分岐管によってエアサスペ
ンション側空気の圧縮時にアシスト作用をも発揮させ、
しかも、分岐管の配設位置を工夫することで吸気行程へ
の悪影響を全くないようにすることができるのである。
なお、副次的には、本考案では、その絞りの径を変更す
ることによりコンプレッサの昇圧性能とその負荷の組合
せを任意の値に設定できるため、車両の違いによりエア
サスペンションやそこからの空気を保持するタンクの圧
力や容量が異なっても、常にそれぞれの車両に適した空
気回路を設計することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の第1実施例である車高調整装置の空気
回路及び制御回路の構成図、第2図はコンプレッサの詳
細な一部断面図、第3図は車高調整装置において実行さ
れる車高調整制御ルーチンのフローチャート、第4図は
絞りの径を変化させた場合のタンク昇圧に要する時間と
コンプレッサモータの負荷電流との関係を示すグラフ、
第5図は本考案の比較例を示すコンプレッサ周辺の概略
回路図、第6図は本考案の比較例を示すコンプレッサ周
辺の概略回路図である。 2…コンプレッサ 2a…吸入口 11…固定絞り 28…エアサスペンション
フロントページの続き (72)考案者 山中 敏彦 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−136611(JP,A) 実開 昭60−184710(JP,U)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両のエアサスペンションに圧縮空気を供
    給するためのコンプレッサを備え、該コンプレッサの空
    気吸入口が周辺大気を吸入するための通路とエアサスペ
    ンション若しくはエアサスペンションから排出された空
    気を保持するタンクからの空気を吸入するための通路と
    に接続され、コンプレッサへの吸入空気をそれら通路の
    いずれかからの空気に切り替えることのできる車両のエ
    アサスペンション用空気回路において、 前記エアサスペンション若しくはエアサスペンションか
    ら排出された空気を保持するタンクからの空気を吸入す
    るための通路内であって、前記両通路の合流点と前記エ
    アサスペンション若しくは前記タンクとの間に、絞りを
    設けると共に、該絞りの下流位置にコンプレッサのクラ
    ンク室へと連通する分岐管を設けたことを特徴とする車
    両のエアサスペンション用空気回路。
JP1988055079U 1988-04-22 1988-04-22 車両のエアサスペンション用空気回路 Expired - Lifetime JPH074967Y2 (ja)

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