JPH0749248Y2

JPH0749248Y2 - 熱交換器

Info

Publication number: JPH0749248Y2
Application number: JP7354690U
Authority: JP
Inventors: 精次加藤
Original assignee: パロマ工業株式会社
Priority date: 1990-07-10
Filing date: 1990-07-10
Publication date: 1995-11-13
Anticipated expiration: 2005-07-10
Also published as: JPH0433874U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この考案は、ガス湯沸器等の熱交換器に関する。

〔従来の技術〕

従来のこの種の熱交換器にあっては、吸熱管を挿通する
フインカラーの直上近傍にロー材支持孔を穿った同一構
造の多数の吸熱フインを並設して吸熱フイン群を構成し
ているから、該吸熱フイン群をそのロー材支持孔にロー
材を挿通支持してスカートの上部に備えた吸熱管を挿通
するカラーを有する両側板間に挿入して組立てるときと
か、炉中ロー付け作業時等において、吸熱フイン群のロ
ー材支持孔に挿入支持したロー材がずれ動いて吸熱フイ
ン群の外部に飛び出し、スカート又は側板のカラーの部
分と吸熱管とがロー付けされるなどの不具合があった。

そこで、前記不具合を解消する手段として、たとえば、
実開昭58-122883号公報（以下従来例１という）、実開
昭59-170784号公報（以下従来例２という）に示されて
いるように、吸熱フイン群の両端の吸熱フインをロー材
支持孔のないフインで構成して中間部の吸熱フインのロ
ー材支持孔に挿入支持したロー材がずれ動いて吸熱フイ
ン群の外部に突出することのないようにしたものはあ
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来の技術における従来例１は、吸熱フイン群の両
端の吸熱フインをロー材挿通用切欠部のないフインで構
成し、また、従来例２は、吸熱フイン群の両端の吸熱フ
インをロー材支持孔のないフインで構成し、ともにロー
材が吸熱フイン群の外部に突出することのないようにし
ているが、吸熱フイン群の両端の吸熱フインと中間部の
吸熱フインはロー材挿通用切欠部又はロー材支持孔の有
無によりその構造が異なるため、吸熱フイン群の製作、
組立て等に多くの手数と費用を要し、かつコスト的にも
高価となるという問題点があった。

また、従来例１及び２は、吸熱フインの両側折曲げ片が
相隣接する吸熱フインのスペーサを兼備する構造となっ
ているにすぎないから、吸熱フインのスペース保持が安
定しないという問題点があった。

この考案は、従来の技術の有する斯かる問題点に鑑み、
同一構造の吸熱フインを用いてコストダウンを図り、ロ
ー材の外部への飛び出しを防いで組立て作業時あるいは
炉中ロー付け作業時等におけるロー材の安定保持による
確実なロー付けを図るとともに、吸熱フインのフインカ
ラーにスペーサ用カーリング部をロー材の挿通支持に支
障のないように設けて、相隣接する吸熱フインの安定し
たスペース保持もできる熱交換器の提供を目的としてい
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、この考案の熱交換器は、吸
熱管を挿通するフインカラーの直上にロー材支持孔を穿
った多数の吸熱フインをロー材支持孔にロー材を挿通支
持して並設した吸熱フイン群を、スカートの上部に備え
た吸熱管を挿通するカラーを有する両側板の間に挿入
し、該吸熱フイン群のフインカラーと両側板のカラーに
吸熱管を挿通配管して吸熱フイン群と吸熱管をロー材で
一体に溶着固定してなる熱交換器において、前記吸熱フ
イン群のフインカラーの端部にスペーサ用カーリング部
をロー材支持孔とフインカラーの中心を結ぶ直線上から
変位させて設け、該カーリング部で多数の吸熱フインを
一定の間隔を保って並設した吸熱フイン群を設け、該吸
熱フイン群の一端の吸熱フインを上下逆さに反転して配
設するとともに、他端の吸熱フインは裏返し状に上下逆
さに反転して配設したことを特徴とするものである。

〔作用〕

上記構成としたこの考案による熱交換器にあっては、同
一構造の吸熱フインを用いて吸熱フイン群を構成し、該
吸熱フイン群の一端の吸熱フインを上下逆さに反転さ
せ、他端の吸熱フインは裏返し状に上下逆さに反転させ
て該両端の吸熱フインのロー材支持孔を他の吸熱フイン
のロー材支持孔とその位置を反対側にまでずらせること
により他の吸熱フインのロー材支持孔に挿通支持された
ロー材が両端の吸熱フインでずれ動くことのないよう安
定的に保持される。

また、吸熱フインのフインカラーの端部にスペーサ用の
カーリング部をロー材の挿通支持に支障のない位置に設
けたから、フインカラーの直上のロー材支持孔へのロー
材の挿通支持が容易、確実に行えるとともに、該カーリ
ング部において相隣接する吸熱フインのスペース保持が
安定的に行える。

さらに、他端の吸熱フインは裏返しとなっているから、
ロー材による該吸熱フインのロー付けが確実に行えるば
かりでなく、ロー材が側板のカラー部にまで流れ出て側
板と吸熱管を誤ってロー付けすることはない。

〔実施例〕

以下この考案の熱交換器の実施例について図面を参照し
て説明する。

図面において、Ａは吸熱管１を挿通するフインカラー2,
2′,2″の直上にロー材支持孔3,3′,3″を穿った同一構
造の多数の吸熱フイン4,4′,4″を後述するカーリング
部8,8′,8″で一定の間隔を保って並設してなる吸熱フ
イン群で、該吸熱フイン群Ａの一端の吸熱フイン４′を
上下逆さに反転して配設するとともに、他端の吸熱フイ
ン４″は裏返し状に上下逆さに反転して配設している。
このとき、他端の吸熱フイン４″のカーリング部８″と
相隣接する吸熱フイン４のカーリング部８は位置を異に
するため、他端の吸熱フイン４″のカーリング部８″は
相隣接する吸熱フイン４のフインカラー２の端面に当接
し、相隣設する吸熱フイン４のカーリング部８は他端の
吸熱フイン４″のフインカラー２″の端面に当接する
（第２図参照）。したがって、他端の吸熱フイン４″と
相隣接する吸熱フイン４との間隔だけは他のフイン間隔
より若干広くなるが、熱交換作用には何ら支障はない。

前記両端の吸熱フイン４′,4″の取付け手段についてさ
らに詳述すると、先ず、一端の吸熱フイン４′は、第３
図に示されているロー材支持孔３が上部に位置する他の
吸熱フイン４の状態から、吸熱フイン４を第３図におい
て右又は左方向へ吸熱管１を中心として180度回転させ
ると、第４図に示したように、ロー材支持孔３′が下部
に位置する一端の吸熱フイン４′が構成される。

次に、他端の吸熱フイン４″は、第３図に示されている
ロー材支持孔３が上部に位置する他の吸熱フイン４の状
態から、吸熱フイン４を第３図において前又は後方向へ
180度回転させて吸熱管１に嵌めつけると、第５図に示
したように、ロー材支持孔３″が下部に位置する他端の
吸熱フイン４″が構成される。

なお、フイン両側には折曲げ片９が設けられている。

Ｂはスカートで、該スカートＢの上部には吸熱管１を挿
通するカラー５を有する両側板6,6を両端に備えてい
る。

前記両側板6,6は、実施例（第１図参照）のように、別
体の両側板6,6をスカートＢの上部に溶接等によって一
体に固着して設けるほか、スカートＢの上端部を上方へ
延長してスカートＢと一体の両側板を設けてもよい。

前記スカートＢ内には吸熱フイン群Ａを挿入し、該吸熱
フイン群Ａのフインカラー2,2′,2″と両側6,6のカラー
5,5に一連の吸熱管１を挿通配管し、かつ、側板6,6のカ
ラー5,5′と吸熱フイン４′,4″との間に隙間を存して
組立てセットされたものを炉中に入れて加熱することに
より吸熱フイン群Ａのロー材支持孔3,3′３″に予め挿
通支持されているロー材７が溶融して吸熱フイン群Ａの
フインカラー2,2′,2″と吸熱管１との間にロー材が侵
入し、各々の吸熱フイン4,4′,4″と吸熱管１とを一体
に溶着固定（ロー付け）せしめて熱交換器を構成するも
のである。

前記ロー材７によるロー付けにあたり、両側板6,6のカ
ラー5,5と吸熱管１とはロー付けされない。すなわち、
熱交換器の加熱にともなう吸熱管１の伸縮に対応させる
ためである。

８はスペーサ用カーリング部で、吸熱フイン4,4′,4″
のフインカラー2,2′,2″の端部に３つのカーリング部
8,8′,8″が、ロー材支持孔3,3′,3″とフインカラー2,
2′,2″の中心を結ぶ直線上からある角度α，β，γだ
け変位させて、特に、反転された両端の吸熱フイン
４′,4″のカーリング部８′,8″にロー材７が当ること
のないようにし、ロー材７の挿通支持に支障のないよう
形成されている。

なお、前記熱交換器はスカートＢの上部に一体に設けら
れ、該熱交換器の吸熱管１の入口側にはスカートＢの外
面を巻回した給水管11が接続され、吸熱管１の出口側に
は出湯管12が接続されている。

前記構成において、吸熱フイン群Ａの一端の吸熱フイン
４′を上下逆さに反転し、他端の吸熱フイン４″は裏返
し状に上下逆さに反転して両端の吸熱フイン４′,4″の
ロー材支持孔３′,3″を中間部の他の吸熱フイン４のロ
ー材支持孔３とその位置を反対側にまでずらせて他のロ
ー材支持孔３に挿通支持されたロー材７が左右へずれ動
いて両端の吸熱フイン４′,4″より突出することのない
ようにしたから、吸熱フイン群ＡをスカートＢの上部に
備えた側板6,6間に挿入セットする組立て作業時あるい
は炉中ロー付け作業時等においてロー材７がずれ動く不
具合はなく、これらの作業が容易に行いうるとともに、
吸熱フイン4,4′,4″と吸熱管１のロー付けが確実に行
いうるものである。

また、吸熱フイン4,4′,4″のフインカラー2,2′,2″の
端部にスペーサ用のカーリング部8,8′,8″をロー材の
挿通支持に支障のない位置に変位させて設けたので、フ
インカラー２の直上のロー材支持孔３へのロー材７の挿
通支持が容易、確実に行えるとともに、該カーリング部
8,8′,8″において相隣接する吸熱フイン4,4′,4″のス
ペースを安定的に保持するものである。

さらに、他端の吸熱フイン４″は裏返しとなっているか
ら、ロー材７による該吸熱フイン４″のロー付けがその
内向きのフインカラー２″により確実に行え、しかも、
側板６のカラー５と吸熱フイン４″との間には隙間が存
することと相まってロー材７が側板６のカラー５部にま
で流れ出て側板６と吸熱管１をロー付けすることはな
い。

〔考案の効果〕

この考案の熱交換器によれば、同一構造の吸熱フインだ
けで構成できるから、その製作、組付け等が極めて容易
となりコストの低廉が図りうる。

また、吸熱フイン群の両端の吸熱フインを上下逆さに反
転させるだけでロー材がずれ動いて外部に突出すること
がないから、吸熱フイン群をスカート上部の両側板間に
挿入して組立てるときとか、炉中ロー付け作業作業等に
おいて、ロー材が安定保持され、組立て作業の簡易化が
図りうるとともに、吸熱フイン群と吸熱管のロー付けも
確実に行いうる。

さらに、吸熱フインのフインカラーにスペーサ用のカー
リング部をロー材の挿通支持に支障のない位置に設けた
ので、ロー材がフインカラーの直上に容易、確実に挿通
支持できるとともに、該カーリング部において相隣接す
る吸熱フインのスペース保持が安定的に行えるものであ
る。

さらには、他端の吸熱フイン４は裏返しとなっているか
ら、ロー材による該吸熱フインのロー付けがその内向き
のフインカラーにより確実に行え、しかも側板のカラー
と吸熱フインとの間には隙間が存することと相まってロ
ー材が側板のカラー部にまで流れ出て側板と吸熱管をロ
ー付けすることはない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の熱交換器の実施例を示した一部切欠
全体斜視図、第２図は要部の拡大断面図、第３図は第２
図のＸ−Ｘ断面図、第４図は同Ｙ−Ｙ断面図、第５図は
同Ｚ−Ｚ断面図である。１……吸熱管、２……フインカラー、３……ロー材支持
孔、４……吸熱フイン、Ａ……吸熱フイン群、５……カ
ラー、６……側板、Ｂ……スカート、７……ロー材、
４′,4″……両端の吸熱フイン、８……カーリング部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】吸熱管（１）を挿通するフインカラー
（２）の直上にロー材支持孔（３）を穿った多数の吸熱
フイン（４）をロー材支持孔（３）にロー材（７）を挿
通支持して並設した吸熱フイン群（Ａ）を、スカート
（Ｂ）の上部に備えた吸熱管（１）を挿通するカラー
（５）を有する両側板（６）の間に挿入し、該吸熱フイ
ン群（Ａ）のフインカラー（２）と両側板（６）のカラ
ー（５）に吸熱管（１）を挿通配管して吸熱フイン群
（Ａ）と吸熱管（１）をロー材（７）で一体に溶着固定
してなる熱交換器において、前記吸熱フイン群（Ａ）の
フインカラー（２）の端部にスペーサ用カーリング部
（８）をロー材支持孔３とフインカラー２の中心を結ぶ
直線上から変位させて設け、該カーリング部（８）で多
数の吸熱フイン４を一定の間隔を保って並設した吸熱フ
イン群（Ａ）を設け、該吸熱フイン群（Ａ）の一端の吸
熱フイン（４）′を上下逆さに反転して配設するととも
に、他端の吸熱フイン（４）″は裏返し状に上下逆さに
反転して配設したことを特徴とする熱交換器。