JPH074787A - アキュムレータ - Google Patents

アキュムレータ

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JPH074787A
JPH074787A JP14619593A JP14619593A JPH074787A JP H074787 A JPH074787 A JP H074787A JP 14619593 A JP14619593 A JP 14619593A JP 14619593 A JP14619593 A JP 14619593A JP H074787 A JPH074787 A JP H074787A
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JP
Japan
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refrigerant
desiccant
accumulator
container
compressor
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Application number
JP14619593A
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English (en)
Inventor
Takeshi Endo
剛 遠藤
Naoto Katsumata
直登 勝又
Keiji Tanaka
慶治 田中
Koji Terada
浩二 寺田
Kensaku Kokuni
研作 小国
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塩素を含まない弗化炭化水素系冷媒を用いる
冷凍サイクルに適用し、冷媒の圧力損失が小さくかつサ
イクル中の水分を効率よく除去するように乾燥剤を装填
し、また乾燥剤の追加可能とするアキュムレータを提供
する。 【構成】 アキュムレータは、筒状のケーシング10
と、ケーシング10上部に設けられ蒸発器から冷媒を導
入する導入管13と、導入管13下方に設けられた金網
製つば付かご11Aと、かご11A下部に装填された合
成ゼオライトからなる乾燥剤12と、略U字形でかご1
1A下部をめぐりケーシング10上部から外方に出て圧
縮機へ冷媒を送り出す冷媒導出管14と、乾燥剤12を
投入するためケーシング10頂部に形成した口を密封す
るキャップ16とから構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩素を含まない弗化炭
化水素系冷媒を作動冷媒とする冷凍サイクルに用いら
れ、そのために乾燥剤を内蔵するアキュムレータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】圧縮機、凝縮器、膨張機構、蒸発器、ア
キュムレータを循環接続してなる冷凍サイクルの作動冷
媒に使用される冷媒は、地球をとりまくオゾン層の破壊
係数が大きい特定フロン類に加え、オゾン層の破壊係数
が比較的小さいフロンに関しても全廃の決定がされてい
る。それらの代替の最有力候補として、オゾン破壊の原
因である塩素を含まない弗化炭化水素からなる冷媒が開
発されている。ところが、この塩素を含まない弗化炭化
水素系冷媒は、塩素を含まないが故にこれまで使用して
きた冷凍機油とは相溶性が確保されず、相溶性を改善し
た冷凍機油が新たに開発されている。これらの新しい冷
凍機油では水分の含有量が大きくなる特性があることが
知られており、さらに代替冷媒自身も従来のフロン冷媒
より水分を吸収し易い特性を持つものがあるため、冷凍
サイクル中の水分量の増加にともない冷凍サイクルを構
成する機器の信頼性が大きく損なわれる問題を生じる。
この対策として、冷凍サイクル中の水分を除去する乾燥
剤が用いられるが、乾燥剤が吸着する分子の大きさが、
代替冷媒の分子にもかかる場合、分子水分と共に吸着さ
れ冷媒分子が破壊される恐れがあることがわかってい
る。
【0003】これに対して、塩素を含まない弗化炭化水
素系冷媒を用いる冷凍サイクルから水分子のみを選択的
に吸収する乾燥剤を、凝縮器と膨張機構の間に設置する
ことにより、冷凍サイクル内の水分量を低減する方法
が、特開平4−183788号公報に示されている。
【0004】また、従来の冷媒に用いる乾燥剤の水分吸
着能力を向上させる設置場所として、蒸発器と圧縮機の
間に設置されるアキュムレータを用いる方法が、特開昭
56−87767号公報に示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平4−183
788号に示す従来の技術においては、塩素を含まない
弗化炭化水素系冷媒を作動冷媒とする冷凍サイクルの水
分除去は、凝縮器と膨張機構の間に設置された乾燥剤に
より行われる。ところで冷凍サイクル中に設置される乾
燥剤の水分吸着特性として、低温ほど水分吸着能力に優
れることが知られており、したがってこの従来技術では
凝縮器と膨張機構の間よりも低温の場所に乾燥剤を設置
して乾燥剤の能力を十分発揮させることに配慮がなされ
ていなかった。
【0006】また、従来技術として特開昭56−877
67号公報に示すように、アキュムレータに封入された
乾燥剤は、冷媒流路の断面全体を仕切るように配置され
ているために冷媒流速の速い低圧側における圧力損失を
招き、圧縮機吸入圧力を低下させ冷媒循環量を減少させ
ることから、冷凍機の冷凍能力および効率を低下させる
原因となる問題があった。
【0007】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであって、塩素を含まない弗化炭化水素系冷媒
を作動冷媒とする冷凍サイクル中の水分を吸収する乾燥
剤を封入し、この乾燥剤により冷凍サイクルにおける圧
力損失の少ない構造のアキュムレータを提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のアキュムレータは、塩素を含まない弗化炭
化水素系冷媒を作動冷媒とする冷凍サイクルを構成する
ように圧縮機、凝縮器、膨張機構、蒸発器に続いて設置
されるアキュムレータであって、冷媒中の水分を吸収す
る粒状の乾燥剤を保持する保持部と、乾燥剤の粒より小
さな穴を多数設け冷媒を素通りさせる通過部とを有する
ことを特徴とする。
【0009】また、本発明の別のアキュムレータは、塩
素を含まない弗化炭化水素系冷媒を作動冷媒とする冷凍
サイクルを構成するように圧縮機、凝縮器、膨張機構、
蒸発器に続いて設置されるアキュムレータであって、蒸
発器からの冷媒を導入する導入部を上部に、そして圧縮
機に冷媒を送り出す導出部を下部に設けた容器と、この
容器を導入部と導出部に仕切るように設けられた網状の
かごと、このかごの下部に保持され水分を吸収する乾燥
剤と、から構成されたことを特徴とする。
【0010】そして容器の上部には乾燥剤を投入する入
口とこの入口を密封する蓋を設けることが好ましい。
【0011】また本発明のさらに別のアキュムレータ
は、塩素を含まない弗化炭化水素系冷媒を作動冷媒とす
る冷凍サイクルを構成するように圧縮機、凝縮器、膨張
機構、蒸発器に続いて設置されるアキュムレータであっ
て、上部を蒸発器からの冷媒を導入する導入部とし、下
部を圧縮機に冷媒を送り出す導出部とする容器と、この
容器の導入部と導出部とを仕切るように設けられ一方向
に傾斜する網と、この網の下部に保持され水分を吸収す
る乾燥剤とから構成されたことを特徴とする。
【0012】そしてこのさらに別のアキュムレータの容
器の上部に乾燥剤を投入する入口とこの入口を密封する
蓋を設けるのがよく、さらに加えて網の最低部にあたる
容器の部位にかご内の乾燥剤を取り出す出口とこの出口
を密封する蓋を設けるのが好ましい。
【0013】また本発明の各アキュムレータに保持され
る乾燥剤は、結晶構造中の分子吸着空洞部に至る細孔径
が塩素を含まない弗化炭化水素系冷媒の分子より小さく
かつ水の分子より大きい合成ゼオライトからなるものが
よい。
【0014】
【作用】本発明の各アキュムレータにおいては、乾燥剤
に接触する冷媒は蒸発器で低温熱源により低圧力下で蒸
発した冷媒であるため、乾燥剤の使用温度は従来のよう
に凝縮器と膨張機構の間に設置した時より低い温度とな
り、乾燥剤の水分吸着能力は向上し、冷媒及びそれに混
合する冷凍機油から水分を除去する。
【0015】また本発明のアキュムレータにおいては、
圧縮器から導入部に流入した冷媒は、大部分は通過部を
小さい圧力損失で通過する一方、一部が保持部を通過し
てこの時冷媒及びそれに混合する冷凍機油中の水分が乾
燥剤により吸収される。
【0016】本発明の別のアキュムレータにおいて、蒸
発器から導入部に流入した冷媒は、大部分はかご上部の
網の部分を小さい圧力損失で通過する一方、一部がかご
の下部に貯えられた乾燥剤を通過し、この時冷媒及びそ
れに混合する冷凍機油中の水分が乾燥剤により吸収され
る。そしてこの別のアキュムレータに乾燥剤を投入する
入口とその蓋を設けることにより、アキュムレータの部
組後の任意の時に入口を介してかごの下部に乾燥剤を装
填し、蓋により封入することができる。
【0017】また、本発明のさらに別のアキュムレータ
において、圧縮器から導入部に流入した冷媒は、大部分
は傾斜した網の上部を小さい圧力損失で通過する一方、
一部が網の下部に貯えられた乾燥剤を通過し、この時冷
媒及びそれに混合する冷凍機油中の水分が乾燥剤により
吸収される。そしてさらに別のアキュムレータの容器に
乾燥剤を投入する入口とその蓋とを設けることにより、
アキュムレータの部組後の任意の時にかごの下部に乾燥
剤を装填し封入することができ、さらに加えてかごに貯
えた乾燥剤を取り出す出口とその蓋とを設けることによ
り、冷凍サイクルの稼動後であっても、使用した乾燥剤
を取り出し、かつアキュムレータに乾燥剤を追加し封入
することが可能となり、アキュムレータの交換を行わず
に冷凍サイクル内の水分吸着能力を復活させることがで
きる。
【0018】また本発明の各アキュムレータに保持する
乾燥剤は、結晶構造中の分子吸着空洞部に至る細孔径が
塩素を含まない弗化炭化水素系冷媒の分子より小さくか
つ水の分子より大きい合成ゼオライトからなるので、水
分を選択的に吸収し、冷媒分子が乾燥剤に吸着して乾燥
剤を破壊することがない。
【0019】
【実施例】本発明の一実施例を、図1および図2に従い
説明する。図1は本発明によるアキュムレータを備えた
冷凍サイクルを示す図、図2は本発明の一実施例になる
アキュムレータの構造を示す図である。
【0020】この冷凍サイクルは、冷媒ガスを高温高圧
に圧縮する圧縮機2と、圧縮機から供給された冷媒ガス
を凝縮する凝縮器3と、凝縮器3で凝縮された冷媒液を
膨張させる膨張装置4と、膨張装置4で液滴化された冷
媒液を蒸発させる蒸発器5と、蒸発器5から流入する冷
媒を気液分離しかつ冷媒から水分を除去するアキュムレ
ータ1とを配管により循環接続して構成されている。こ
の冷凍サイクルの作動冷媒としては、オゾン層の保護の
ためにすでに全廃の決定がなされているクロロフルオロ
カーボン類(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボ
ン類(HCFC)等の塩素を含む炭化水素系冷媒に代わ
って、オゾン層破壊の原因である塩素を含まない弗化炭
化水素のハイドロフルオロカーボン類(HFC)を単独
あるいは複数種類の混合によりつくられている冷媒、例
えばHFC32/HFC125/HFC134a混合冷
媒を使用する。また、冷凍機油は、塩素を含まない弗化
炭化水素との相溶性を確保するエステル系油から成るも
のを使用する。
【0021】ここで、塩素を含まない弗化炭化水素系冷
媒と冷凍機油との組み合わせでは飽和水分量が増加する
ことが知られており、それが冷凍サイクル内の水分増加
をまねき、水分の氷結に起因するストレーナ詰まりや冷
凍機油の加水分解で生じた酸による冷凍サイクル構成機
器の腐食など、冷凍機の信頼性を大きく低下させる原因
となる。これを回避するため、乾燥剤を冷凍サイクル構
成機器のうち、アキュムレータ1に装填する。
【0022】図2に示すように、本実施例のアキュムレ
ータ1は、縦方向に設置された筒状のケーシング10
と、ケーシング10上部に設けられ、蒸発器5からの冷
媒をケーシング10内に導入する冷媒導入管13と、冷
媒導入管13の下方に設けられた金網製かご11Aと、
かご11Aの下部に装填された乾燥剤12と、略U字形
状で、かご11A下部をめぐるように設けられ、出口側
がケーシング10上部から外方に出て圧縮機へ冷媒を送
り出す冷媒導出管14と、乾燥剤12をかご11Aに投
入するためにケーシング10頂部に形成された封入口を
密封するキャップ16とから構成されている。
【0023】かご11Aは乾燥剤12を通過させない大
きさの編み目状に組まれた細い針金よりなり、逆円錐台
形状の容器とその容器の開口を縁取るつばとからなる。
つばは中心方向に下り傾斜となっており、また、つばに
は冷媒導出管14の出口側を通す穴が明けられている。
ここで、容器の下部は乾燥剤の保持部に該当し、容器の
上部は冷媒の通過部に該当する。かご11Aの外周はケ
ーシング10の内周面に取り付けられており、この取り
付け部および冷媒導出管14が通る穴から乾燥剤11が
洩れることはない。乾燥剤12は、結晶構造中の分子吸
着空洞部に至る細孔径が3.3オングストローム以下で
ある合成ゼオライトからなる、例えばモレキュラシーブ
ス(ユニオンカーバイド社製)のような乾燥剤であり、
直径1〜2mm程度の粒状に成形されている。また冷媒
導出管14には均圧孔15が設けられている。
【0024】ところで、アキュムレータ1は、圧縮機2
の信頼性を著しく低下させる圧縮機中の液圧縮を回避す
るために、冷凍サイクルに通常使用されている。アキュ
ムレータは、冷凍サイクルにおいて冷房時に循環する冷
媒量と暖房時に循環する冷媒量との差を吸収するために
凝縮器3の下流側に設置されるリキッドタンクよりも広
く使用されており、乾燥剤を設置する容器としては最も
手軽に使用できるものである。このため、本発明のごと
くアキュムレータ1を乾燥剤設置用容器とすれば、乾燥
剤を封入する専用容器を新たに設置する必要がない。も
し乾燥剤を封入する専用容器を冷凍サイクル中に設置す
る場合には、それだけ部品点数とろう付作業箇所を増加
させることになり、製造コストの上昇とろう付不良によ
るガス漏れなどを生じる信頼性低下の要因となる。
【0025】次に本実施例の動作を説明する。本実施例
のアキュムレータでは、冷媒導入管13と冷媒導出管1
4の間にある金網製のかご11Aを通過できない乾燥剤
12がせき止められ、溜められることになる。すなわ
ち、かご11Aは、冷媒の下流側に乾燥剤12が流出す
るのを阻止するとともに、受け皿となり乾燥剤12を保
持する。これにより圧縮機に乾燥剤12が流入すること
はない。
【0026】乾燥剤12の封入はキャップ16を外して
ケーシング10頂部の封入口から乾燥剤12を入れ、か
ご11Aの下部に貯め、そしてキャップ16を蓋するこ
とによって行う。この乾燥剤12の封入は冷凍機の製造
において任意の工程で実施できるので、アキュムレータ
を部品として組み立てる部組の工程では乾燥剤12を封
入しておく必要がなく、冷凍機として圧縮機、凝縮器、
膨張機構、蒸発器、アキュムレータを組み立てる総組立
の最終工程で実施すればよい。かくして適宜保管された
乾燥剤をその吸着能力を維持した状態でアキュムレータ
に封入することができる。
【0027】ちなみに乾燥剤の封入をアキュムレータの
部組時に実施した場合には、アキュムレータが部組され
てから冷凍機が総組立されて冷凍サイクルが閉じるまで
ある程度の時間が経過することは、現状のロット生産方
式では必至の状況であり、この間乾燥剤が大気中の水分
を吸着するために、乾燥剤が十分な能力を発揮できなく
なる恐れがある。したがって、アキュムレータを密閉し
たり湿度管理された雰囲気中で保管する等の特別な管理
体制をとる必要が生じる。
【0028】本実施例のアキュムレータ1を備えた冷凍
サイクルを運転すると、アキュムレータ1には蒸発器で
低温熱源により低圧力下で蒸発した冷媒が流入してく
る。乾燥剤12の使用温度は、従来技術に記載するよう
に凝縮器と膨張機構の間に設置した場合に比べて低い温
度となるので、乾燥剤12はより高い水分吸着性能を発
揮して冷凍サイクル中の水分を除去できる。
【0029】また、乾燥剤12の吸着する分子の大きさ
は、乾燥剤12の結晶構造中の分子吸着空洞部に至る細
孔径に依存している。この細孔が、冷媒分子を通過させ
る径を持つ場合、冷媒分子が乾燥剤に吸着されて破壊さ
れることが知られている。そのために発生する酸が乾燥
剤12を破壊する働きをするので、信頼性を著しく低下
させる原因となるため、細孔径は乾燥剤12を規定する
きわめて重要な指標である。そこで本発明にかかる乾燥
剤12として結晶構造中の分子吸着空洞部に至る細孔径
は3.3オングストローム以下の合成ゼオライトを用い
るので、塩素を含まない弗化炭化水素系冷媒、たとえば
分子の大きさ3.4オングストロームのHFC32ある
いは4.2オングストロームのHFC134aを吸着せ
ず、分子の大きさ2.8オングストロームの水分のみを
選択的に吸着する。
【0030】冷凍サイクル運転中にアキュムレータ1内
部で生じる冷媒の流れは、冷媒導出管14としてU字形
の配管を使用する一般的なアキュムレータにおけると同
様に、図2中に示す矢印のように流れる。すなわち、冷
媒導入管13から流入したガス冷媒と液冷媒はそれぞれ
分離され、ガス冷媒は均圧孔15あるいは冷媒導出管1
4の管端部より流出して圧縮機1に供給され、一方、液
冷媒は滴下してアキュムレータ1内に溜められる。ここ
で冷媒雰囲気中にある乾燥剤12は水分分子を吸着し
て、冷凍サイクル内の水分が除去されていく。この時、
かご11Aを通過する冷媒は、主としてかご11Aの上
部で乾燥剤12のない金網部分を流れるため抵抗が小さ
く、乾燥剤12の設置による圧力損失に与える影響は小
さいものにすることができる。したがって、低圧側の圧
力損失を増大させること無く乾燥剤を設置でき、冷凍機
の冷凍能力および効率の低下を抑えることができる。
【0031】また、本実施例のアキュムレータによれ
ば、封入口及びキャップ16を設けたので、いったん運
転した後で冷凍サイクルを解放して乾燥剤を再封入する
必要がある場合でも、既に水分を吸着している乾燥剤1
2はそのままで、新たにキャップ16を開けて乾燥剤を
追加すれば、乾燥剤容器としてのアキュムレータを交換
することなく、容易に水分吸着能力を復活させることが
できる。
【0032】ここで乾燥剤12を貯えるかご11Aの大
きさは、冷凍機の信頼性を維持するために限定される冷
凍サイクル中の水分量で決まり、初期封入量および追加
封入量の合計の乾燥剤量を保有することができるように
設定する。なお、追加封入量の見積は、据え付け後に保
証する乾燥剤追加可能回数に対応する量を保有できるア
キュムレータの大きさと、追加不能になりアキュムレー
タを交換する頻度の兼ね合いにより、経済原理によって
決められる。なお、本実施例では、かごは金網で構成し
たが、金網製に限らず、格子状、板に多数の穴を形成し
たもの等、乾燥剤を通過させずかつ圧力損失が小さい適
宜大きさの穴をもつものであればよく、またかごの形状
は逆円錐台形状に限らず、末広がりあるいは直筒形状で
も用いることができる。
【0033】次に本発明による他の実施例のアキュムレ
ータを図3により説明する。本実施例のアキュムレータ
1は、構造上、図2に示すアキュムレータ1とは、乾燥
剤を貯える、いわゆる、かごの形状が異なる。またケー
シング10の側面に乾燥剤12を取り出す排出口と排出
キャップ17を設けた点が異なる。その他は、前記一実
施例と同じである。この実施例のアキュムレータにおい
て、かごは一方向に傾斜する網11Bにより構成され、
その外周は容器10の内面に取り付けられている。網1
1Bの低い側には乾燥剤12を貯え、最も低い部分にあ
たるケーシング10側面には乾燥剤12の排出口を設け
ている。この実施例のアキュムレータ1における冷媒の
動作は前記実施例におけると同様である。ここで、かご
の低い部分が乾燥剤の保持部に、かごの高い部分が冷媒
の通過部に該当する。
【0034】このアキュムレータによれば、乾燥剤の封
入口および排出口を設けたので、乾燥剤の装填、取り出
しによって入れ替えを任意の時点で行うことができるた
め、乾燥剤12を貯えるためのスペースは、乾燥剤12
を一回封入するに必要な分だけあればよく、アキュムレ
ータ1のサイズを小さくすることができる。
【0035】なお、本発明を適用する冷凍サイクルの作
動冷媒としては、HFC32,HFC125,HFC1
34a,HFC143a等の塩素を含まない弗化炭化水
素系冷媒を単独あるいは複数の混合より得られる冷媒を
使用することができる。また、冷凍機油としてポリアル
キレングリコール系冷凍機油、エステル系冷凍機油の
他、これらと同様に水分を含み易い他の油を使用するこ
とができる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、塩素を含まない弗化炭
化水素系冷媒を作動させる冷凍サイクルを構成する要素
であるアキュムレータを、乾燥剤を保持する保持部と、
冷媒を素通りさせる通過部とを有するものとしたので、
アキュムレータが保持する乾燥剤は蒸発器で低温熱源に
より低圧力下で蒸発した冷媒に接触し、従来のように凝
縮器と膨張機構の間に設置した場合より低温下で働くた
めに水分吸着能力を向上させて冷媒及び冷凍機油から水
分を除去でき、また通過部は冷媒の大部分を通し冷凍サ
イクルにおける冷媒の圧力損失を少なくでき、より信頼
性の高い冷凍サイクルを実現する効果がある。
【0037】また本発明によれば、塩素を含まない弗化
炭化水素系冷媒を作動させる冷凍サイクルを構成する要
素である別のアキュムレータを、蒸発器から冷媒を導入
する導入部と圧縮機に冷媒を送り出す導出部とを上下に
設けた容器と、この導入部と導出部とを仕切るように設
けた網状のかごと、このかごの下部に保持された乾燥剤
とから構成したので、かご上部の網の部分が導入部に流
入した冷媒の大部分を通すことにより冷媒の圧力損失を
小さくでき、かご下部の乾燥剤は、上記同様に、蒸発器
からの低温の冷媒と冷凍機油から効率よく水分を除去す
ることができる効果がある。そしてこの別のアキュムレ
ータに乾燥剤を投入する入口と蓋を設けることにより、
アキュムレータの部組後の任意の時、例えば冷凍サイク
ルの総組立する直前に乾燥剤を封入することができ、ア
キュムレータの部組からラインで総組立されサイクルが
閉じるまで、特別な管理体制をとること無く、乾燥剤の
水分吸着能力を損なわないで容易に保存できる効果があ
る。
【0038】また本発明によれば、塩素を含まない弗化
炭化水素系冷媒を作動させる冷凍サイクルを構成する要
素であるさらに別のアキュムレータは、上部を蒸発器か
らの冷媒を導入する導入部とし、下部を圧縮機に冷媒を
送り出す導出部とする容器と、この容器の導入部と導出
部とを仕切るように設け、一方向に傾斜する網と、この
網の下部に保持され水分を吸収する乾燥剤とから構成し
たので、網の上部が導入部に流入した冷媒の大部分を通
すことにより冷媒の圧力損失を小さくでき、網の下部に
蓄えられた乾燥剤は、上記同様に、蒸発器からの低温の
冷媒と冷凍機油から効率よく水分を除去することができ
る効果がある。そしてこのさらに別のアキュムレータの
容器に乾燥剤を投入する入口と、網の下部に貯えられた
乾燥剤を取り出す出口を設けることにより、冷凍サイク
ルの稼動後であっても、使用した乾燥剤を取り出し、か
つ乾燥剤を追加し封入することが可能となり、アキュム
レータの交換を行わずに冷凍サイクル内の水分吸着能力
を復活させることができ、サービス時の作業効率が良く
なるとともに、安価にサイクルの信頼性の維持ができ、
またアキュムレータ内の乾燥剤保有スペースを節約する
ことができ、安価で場所をとらないアキュムレータを実
現する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアキュムレータを適用する冷凍サイク
ルを示す図である。
【図2】本発明の一実施例のアキュムレータの構造を示
す図である。
【図3】本発明の他の実施例のアキュムレータの構造を
示す図である。
【符号の説明】
1 アキュムレータ 2 圧縮機 3 凝縮器 4 膨張装置 5 蒸発器 10 ケーシング 11A かご 11B 網 12 乾燥剤 13 冷媒導入管 14 冷媒導出管 15 均圧孔 16,17 キャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺田 浩二 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所清水工場内 (72)発明者 小国 研作 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素を含まない弗化炭化水素系冷媒を作
    動冷媒とする冷凍サイクルを構成するように圧縮機、凝
    縮器、膨張機構、蒸発器に続いて設置されるアキュムレ
    ータにおいて、前記冷媒中の水分を吸収する粒状の乾燥
    剤を保持する保持部と、前記乾燥剤の粒より小さな穴を
    多数設け前記冷媒を素通りさせる通過部とを有すること
    を特徴とするアキュムレータ。
  2. 【請求項2】 前記乾燥剤は、結晶構造中の分子吸着空
    洞部に至る細孔径が塩素を含まない弗化炭化水素系冷媒
    の分子より小さくかつ水の分子より大きい合成ゼオライ
    トからなることを特徴とする請求項1記載のアキュムレ
    ータ。
  3. 【請求項3】 塩素を含まない弗化炭化水素系冷媒を作
    動冷媒とする冷凍サイクルを構成するように圧縮機、凝
    縮器、膨張機構、蒸発器に続いて設置されるアキュムレ
    ータにおいて、前記蒸発器からの冷媒を導入する導入部
    を上部に設け、前記圧縮機に冷媒を送り出す導出部を下
    部に設けた容器と、該容器を導入部と導出部に仕切るよ
    うに設けられた網状のかごと、該かごの下部に保持され
    水分を吸収する乾燥剤と、から構成されたことを特徴と
    するアキュムレータ。
  4. 【請求項4】前記容器の上部に前記乾燥剤を投入する入
    口と該入口を密封する蓋を設けたことを特徴とする請求
    項3記載のアキュムレータ。
  5. 【請求項5】 塩素を含まない弗化炭化水素系冷媒を作
    動冷媒とする冷凍サイクルを構成するように圧縮機、凝
    縮器、膨張機構、蒸発器に続いて設置されるアキュムレ
    ータにおいて、前記蒸発器からの冷媒を導入する導入部
    を上部に、前記圧縮機に冷媒を送り出す導出部を下部に
    設けた容器と、該容器の導入部と導出部とを仕切るよう
    に設けられ一方向に傾斜する網と、該網の下部に保持さ
    れ水分を吸収する乾燥剤と、から構成されたことを特徴
    とするアキュムレータ。
  6. 【請求項6】 前記容器の上部に前記乾燥剤を投入する
    入口と該入口を密封する蓋を設けたことを特徴とする請
    求項5記載のアキュムレータ。
  7. 【請求項7】 前記網の最低部にあたる前記容器の部位
    に前記網下部に貯えられた乾燥剤を取り出す出口と該出
    口を密封する蓋を設けたことを特徴とする請求項6記載
    のアキュムレータ。
  8. 【請求項8】 前記乾燥剤は、結晶構造中の分子吸着空
    洞部に至る細孔径が塩素を含まない弗化炭化水素系冷媒
    の分子より小さくかつ水の分子より大きい合成ゼオライ
    トからなることを特徴とする請求項3ないし7のいずれ
    かに記載のアキュムレータ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004190998A (ja) * 2002-12-13 2004-07-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 冷凍サイクル
JP2012233664A (ja) * 2011-05-09 2012-11-29 Calsonic Kansei Corp アキュムレータ
JP2014102058A (ja) * 2012-11-22 2014-06-05 Fuji Koki Corp アキュムレータ

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