JPH0747764B2 - 非金属介在物起因の欠陥の少ない含Ｔｉ非時効性冷延鋼板の製造方法 - Google Patents
非金属介在物起因の欠陥の少ない含Ｔｉ非時効性冷延鋼板の製造方法Info
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- JPH0747764B2 JPH0747764B2 JP63323647A JP32364788A JPH0747764B2 JP H0747764 B2 JPH0747764 B2 JP H0747764B2 JP 63323647 A JP63323647 A JP 63323647A JP 32364788 A JP32364788 A JP 32364788A JP H0747764 B2 JPH0747764 B2 JP H0747764B2
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- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は含Ti非時効性冷延鋼板の製造方法に係り、特に
大型非金属介在物に起因する欠陥が少なく、材質特性の
優れた含Ti非時効性冷延鋼板を得ることを目的としたも
のである。
大型非金属介在物に起因する欠陥が少なく、材質特性の
優れた含Ti非時効性冷延鋼板を得ることを目的としたも
のである。
〈従来の技術〉 周知の如く、低炭素の含Ti非時効性冷延鋼板は非時効で
深絞り性に優れていることから、現在自動車鋼板等に多
用されている。
深絞り性に優れていることから、現在自動車鋼板等に多
用されている。
含Ti非時効性鋼板の製造方法は、以前は特公昭44-18066
号公報にも示されている如く脱ガスTiキルド鋼であった
が、最近では低コストで安定して製造するために、特公
昭50-31531号公報、特公昭63-41671号公報にも示されて
いる如くアルミキルド鋼として製造されることが主流と
なっている。
号公報にも示されている如く脱ガスTiキルド鋼であった
が、最近では低コストで安定して製造するために、特公
昭50-31531号公報、特公昭63-41671号公報にも示されて
いる如くアルミキルド鋼として製造されることが主流と
なっている。
含Tiアルミキルド鋼の一つの問題点は、冷延、焼鈍後の
コイルに大型の非金属介在物に起因する欠陥の発生が見
られることである。かかる大型非金属介在物の起源は、
未脱酸鋼板を含Al物質（及び含Ti物質）により脱酸を行
なう際に生成した微小な固相の酸化物が溶鋼の連続鋳造
段階においてタンディッシュからモールドへ溶鋼を注入
するために使用するイマージェンノズルの内壁に付着堆
積することによる（この現象については、前出の特公昭
63-41671号公報にも記載されている）。この堆積により
粗大化した固相酸化物が溶鋼流により脱落しスラブ内に
捕捉されて大型非金属介在物となったものである。この
大型非金属介在物は焼鈍のコイルで発見される欠陥の発
生割合を増大させ、品質の低下、歩留りの低下等の損失
を招いていた。
コイルに大型の非金属介在物に起因する欠陥の発生が見
られることである。かかる大型非金属介在物の起源は、
未脱酸鋼板を含Al物質（及び含Ti物質）により脱酸を行
なう際に生成した微小な固相の酸化物が溶鋼の連続鋳造
段階においてタンディッシュからモールドへ溶鋼を注入
するために使用するイマージェンノズルの内壁に付着堆
積することによる（この現象については、前出の特公昭
63-41671号公報にも記載されている）。この堆積により
粗大化した固相酸化物が溶鋼流により脱落しスラブ内に
捕捉されて大型非金属介在物となったものである。この
大型非金属介在物は焼鈍のコイルで発見される欠陥の発
生割合を増大させ、品質の低下、歩留りの低下等の損失
を招いていた。
上記含Tiアルミキルド鋼において、アルミナを主成分と
する固相酸化物によるイマージョンノズル詰りを防止す
るために、前出の特公昭63-41671号公報では、溶鋼中に
Caを添加し生成する非金属介在物をAl2O3-CaO,TiO2-Ca
O,Al2O3-TiO2-CaOの如き低融点物質に形態変化させるこ
とを提案している。
する固相酸化物によるイマージョンノズル詰りを防止す
るために、前出の特公昭63-41671号公報では、溶鋼中に
Caを添加し生成する非金属介在物をAl2O3-CaO,TiO2-Ca
O,Al2O3-TiO2-CaOの如き低融点物質に形態変化させるこ
とを提案している。
〈発明が解決しようとする課題〉 ところが前記先願発明は次の如き難点を有するものであ
る。
る。
先ず第１にCa添加による問題であり、Ca添加はコスト高
となるのみならず、蒸気圧が高いために添加歩留りが低
く且つ安定しないと共に、一般的に溶鋼の飛散やヒュー
ムが発生し操業性が悪い。又、耐火物溶損の増大を招
き、耐火物壁の孔開きの原因となると共に、介在物増加
の原因となる。
となるのみならず、蒸気圧が高いために添加歩留りが低
く且つ安定しないと共に、一般的に溶鋼の飛散やヒュー
ムが発生し操業性が悪い。又、耐火物溶損の増大を招
き、耐火物壁の孔開きの原因となると共に、介在物増加
の原因となる。
第２に鋼種がアルミキルド（アルミシリコンキルド）鋼
であることによる問題であり、一部において知られてい
る様に含Ti非時効性冷延鋼板にアルミニウムが含まれて
いると加工性の劣化を起こしやすい。
であることによる問題であり、一部において知られてい
る様に含Ti非時効性冷延鋼板にアルミニウムが含まれて
いると加工性の劣化を起こしやすい。
本発明は上記の点に鑑み、アルミニウムの使用を排除す
ることにより加工性の劣化を防止すると共に高融点酸化
物の生成を回避し、鋼中必須元素を含有する物質の併用
添加により溶鋼の脱酸を行うと共に、その脱酸生成物に
より定融点の液相の酸化物を生成させ、これにより連続
鋳造イマージョンノズルへの酸化物の付着堆積を防止
し、以て大型非金属介在物に起因する欠陥が少なく、材
質の良好な含Ti非時効性冷延鋼板の製造に成功したもの
である。
ることにより加工性の劣化を防止すると共に高融点酸化
物の生成を回避し、鋼中必須元素を含有する物質の併用
添加により溶鋼の脱酸を行うと共に、その脱酸生成物に
より定融点の液相の酸化物を生成させ、これにより連続
鋳造イマージョンノズルへの酸化物の付着堆積を防止
し、以て大型非金属介在物に起因する欠陥が少なく、材
質の良好な含Ti非時効性冷延鋼板の製造に成功したもの
である。
〈課題を解決するための手段〉 本発明の要旨とするところは、下記のとおりである。
（１） 溶鋼を脱酸し且つMn及びTi含有量が夫々0.03〜
1.5％,0.02〜0.15％となるに十分な量の含Mn物質及び含
Ti物質を未脱酸溶鋼に併用添加して得たC:0.02％以下、
Si:0.003〜0.30％,Mn:0.03〜1.5％,S:0.0001〜0.150％,
P:0.001〜0.100％,Ti:0.02〜0.15％,MnO:17〜31％を含
むMnO-Ti酸化物を主成分とする低融点液相酸化物を含有
し残部鉄及び不可避的不純物よりなる溶鋼を連続鋳造
し、以降常法に従って熱延、冷延及び焼鈍を行なうこと
を特徴とする非金属介在物起因の欠陥の少ない含Ti非時
効性冷延鋼板の製造方法。
1.5％,0.02〜0.15％となるに十分な量の含Mn物質及び含
Ti物質を未脱酸溶鋼に併用添加して得たC:0.02％以下、
Si:0.003〜0.30％,Mn:0.03〜1.5％,S:0.0001〜0.150％,
P:0.001〜0.100％,Ti:0.02〜0.15％,MnO:17〜31％を含
むMnO-Ti酸化物を主成分とする低融点液相酸化物を含有
し残部鉄及び不可避的不純物よりなる溶鋼を連続鋳造
し、以降常法に従って熱延、冷延及び焼鈍を行なうこと
を特徴とする非金属介在物起因の欠陥の少ない含Ti非時
効性冷延鋼板の製造方法。
（２） Ｂを0.0002〜0.0025％含有する溶鋼を用いる請
求項１記載の非金属介在物起因の欠陥の少ない含Ti非時
効性冷延鋼板の製造方法。
求項１記載の非金属介在物起因の欠陥の少ない含Ti非時
効性冷延鋼板の製造方法。
（３） Nbを0.005〜0.025％含有する溶鋼を用いる請求
項１記載の非金属介在物起因の欠陥の少ない含Ti非時効
性冷延鋼板の製造方法。
項１記載の非金属介在物起因の欠陥の少ない含Ti非時効
性冷延鋼板の製造方法。
（４） Ｂを0.0002〜0.0025％,Nbを0.005〜0.025％含
有する溶鋼を用いる請求項１記載の非金属介在物起因の
欠陥の少ない含Ti非時効性冷延鋼板の製造方法。
有する溶鋼を用いる請求項１記載の非金属介在物起因の
欠陥の少ない含Ti非時効性冷延鋼板の製造方法。
以下本発明の内容を詳しく説明する。
本発明においては、含Tiキルド鋼の溶製にアルミニウム
を使用しないことが第１の要点である。その理由は、先
ず第１に前記の如き溶鋼の脱酸にアルミニウムを使用す
ると、脱酸生成物である酸化物が固相のものとなり連続
鋳造のイマージョンノズルに付着堆積し粗大化した固相
酸化物が溶鋼中に脱落し、焼鈍後のコイルに欠陥を生ぜ
しめるからであり、第２に第１図からも明らかな如く、
含Ti非時効性冷延鋼板にアルミニウムを含有させると、
加工性の劣化をもたらすからである。この様な２つの理
由により本発明においては、アルミニウムの使用を排除
したものである。
を使用しないことが第１の要点である。その理由は、先
ず第１に前記の如き溶鋼の脱酸にアルミニウムを使用す
ると、脱酸生成物である酸化物が固相のものとなり連続
鋳造のイマージョンノズルに付着堆積し粗大化した固相
酸化物が溶鋼中に脱落し、焼鈍後のコイルに欠陥を生ぜ
しめるからであり、第２に第１図からも明らかな如く、
含Ti非時効性冷延鋼板にアルミニウムを含有させると、
加工性の劣化をもたらすからである。この様な２つの理
由により本発明においては、アルミニウムの使用を排除
したものである。
本発明の第２の要点は、低融点液相酸化物の選定であ
る。本発明者等はアルミナ系介在物を除く多くの酸化物
系介在物を生成させ種々調査検討を行った結果、MnO-Ti
酸化物系介在物が低融点介在物であることを見出した。
第２図はMnO-TiO2系酸化物の平衡状態図で、含Tiキルド
溶鋼の連続鋳造イマージョンノズルを通過する温度は通
常最低で約1535℃程度であり、安全を見て約1530℃で液
相を保つ組成は、第２図からMnO 20〜90％（TiO2 80〜1
0％）のMnO-TiO2系酸化物であることが判る。かかる点
から本発明においては非金属介在物としてMnO-Ti酸化物
を選定したものであり、この酸化物は含Tiキルド溶鋼中
においては液相を呈してイマージョンノズルに付着堆積
することがなく、従って堆積により粗大化した酸化物が
モールド内へ流入することにより生成する大型非金属介
在物に起因する欠陥が防止できるものである。
る。本発明者等はアルミナ系介在物を除く多くの酸化物
系介在物を生成させ種々調査検討を行った結果、MnO-Ti
酸化物系介在物が低融点介在物であることを見出した。
第２図はMnO-TiO2系酸化物の平衡状態図で、含Tiキルド
溶鋼の連続鋳造イマージョンノズルを通過する温度は通
常最低で約1535℃程度であり、安全を見て約1530℃で液
相を保つ組成は、第２図からMnO 20〜90％（TiO2 80〜1
0％）のMnO-TiO2系酸化物であることが判る。かかる点
から本発明においては非金属介在物としてMnO-Ti酸化物
を選定したものであり、この酸化物は含Tiキルド溶鋼中
においては液相を呈してイマージョンノズルに付着堆積
することがなく、従って堆積により粗大化した酸化物が
モールド内へ流入することにより生成する大型非金属介
在物に起因する欠陥が防止できるものである。
本発明においては、前記の如く低融点液相のMnO-TiO2系
酸化物を生成させるために、溶鋼の脱酸にアルミニウム
を使用せずに含Mn物質及び含Ti物質を併用するものであ
るが、Mn及びTiは鋼中含有必須元素であり、含Mn物質及
び含Ti物質の添加量としては、溶鋼を完全に脱酸し、且
つMn及びTiが鋼中の所定量含有されるに十分な量に規定
すべきである。
酸化物を生成させるために、溶鋼の脱酸にアルミニウム
を使用せずに含Mn物質及び含Ti物質を併用するものであ
るが、Mn及びTiは鋼中含有必須元素であり、含Mn物質及
び含Ti物質の添加量としては、溶鋼を完全に脱酸し、且
つMn及びTiが鋼中の所定量含有されるに十分な量に規定
すべきである。
以下本発明における成分組成の限定理由を説明する。
Ｃ含有量:Cを0.02％より多く含有すると、深絞り性を示
すｒ値が低下し、深絞り性が確保できなくなるため、Ｃ
含有量を0.02％以下にする必要がある。
すｒ値が低下し、深絞り性が確保できなくなるため、Ｃ
含有量を0.02％以下にする必要がある。
Si含有量:Siを0.30％より多く含有すると化成処理性が
劣化するのでSi含有量の上限を0.30％とした。一方、下
限を0.003％としたのは、現在の製鋼法では、それより
低い値に低減するのが困難であるためである。
劣化するのでSi含有量の上限を0.30％とした。一方、下
限を0.003％としたのは、現在の製鋼法では、それより
低い値に低減するのが困難であるためである。
Mn含有量:Mnが1.5％を越えると材質が硬質化するので、
Mn含有量の上限を1.5％とした。一方下限を0.03％とし
たのは現在の製鋼法ではそれより低い値に低減するのが
困難となるためである。
Mn含有量の上限を1.5％とした。一方下限を0.03％とし
たのは現在の製鋼法ではそれより低い値に低減するのが
困難となるためである。
Ｓ含有量:Sを0.150％より多く含有すると硫化物が多く
なり、優れた深絞り性が確保できなくなるので、Ｓ含有
量の上限を0.150％とした。一方、下限を0.0001％とし
たのは、現在の製鋼法ではそれより低い値に低減するの
が困難となるためである。
なり、優れた深絞り性が確保できなくなるので、Ｓ含有
量の上限を0.150％とした。一方、下限を0.0001％とし
たのは、現在の製鋼法ではそれより低い値に低減するの
が困難となるためである。
Ｐ含有量:Pを0.100％より多く含有すると材質が硬質化
するためＰ含有量の上限を0.100％とした。一方、下限
を0.001％としたのは現在の製鋼法ではそれより低い値
に低減すのが困難となるためである。
するためＰ含有量の上限を0.100％とした。一方、下限
を0.001％としたのは現在の製鋼法ではそれより低い値
に低減すのが困難となるためである。
Ti含有量:Tiは優れた深絞り性を確保するために含有さ
せるもので、この目的の為には少くとも0.02％以上含有
させる必要があるので下限を0.02％とした。一方、0.15
％を越えると材質が硬質化するので、上限を0.15％とし
た。
せるもので、この目的の為には少くとも0.02％以上含有
させる必要があるので下限を0.02％とした。一方、0.15
％を越えると材質が硬質化するので、上限を0.15％とし
た。
本発明においては、必要に応じてB,Nbの１種又は２種を
含有しうるものである。
含有しうるものである。
Ｂ含有量：二次加工性を良好ならしめた非時効性冷延鋼
板を得るためには、Ｂを0.0002％以上含有させる必要が
ある。一方、Ｂ含有量が0.0025％を越えると硬質化しプ
レス加工性が劣化するため上限を0.0025％とした。
板を得るためには、Ｂを0.0002％以上含有させる必要が
ある。一方、Ｂ含有量が0.0025％を越えると硬質化しプ
レス加工性が劣化するため上限を0.0025％とした。
Nb含有量:Nbを0.005％以上含有させることにより、圧延
方向に対して45度方向のｒ値が向上し、ｒ値の面内異方
性を改善することができる。一方、その含有量が0.025
％を越えると硬質化しプレス加工性が劣化するため上限
を0.025％とした。
方向に対して45度方向のｒ値が向上し、ｒ値の面内異方
性を改善することができる。一方、その含有量が0.025
％を越えると硬質化しプレス加工性が劣化するため上限
を0.025％とした。
本発明の含Ti非時効性冷延鋼板の製造工程の一例を示せ
ば次のとおりである。
ば次のとおりである。
転炉等の製鋼炉で溶製された溶鋼は取鍋に出鋼される。
この取鍋では還元剤を含むスラグ改質剤を添加してスラ
グの改質を行ない、酸化物の生成を抑えることが望まし
い。次いでこの溶鋼はＲ−Ｈ式等の真空処理に付されて
Ｃ含有量が0.02％以下になるまで脱炭し、真空槽中の溶
鋼に含Mn物質（例えばFe-Mn合金、Mn鉱石、Si-Mn合金
等）及び含Ti物質（例えばFe-Ti合金、金属Ti等）を所
定量添加して脱酸を行うと共に、Mn含有量及びTi含有量
を夫々0.3〜1.5％,0.02〜0.15％に調整し、その後所要
の成分調整を行って連続鋳造のタンデッシュへ注入す
る。この段階で生成した酸化物は、MnO含有量が17〜31
％のMnO-TiO2を主成分とする低融点酸化物で溶鋼中では
液相を呈している。この溶鋼はイマージョンノズルから
モールドに鋳入されるが、液相酸化物であるためにイマ
ージョンノズルに付着することなく微細に分散した状態
でモールド内へ流入する。連続鋳造により得られた前記
成分組成のスラブは、スラブ加熱炉で1050〜1150℃程度
に加熱され３〜4mm程度に熱間圧延されてホットコイル
とされる。この際、巻取り温度は600〜800℃が望まし
い。含Tiホットコイルは酸洗によってスケールが除去さ
れ、次いで冷延及び焼鈍が施されて非金属介在物に起因
する欠陥が少なく、且つ材質特性の優れた含Ti非時効性
冷延鋼板が得られる。前記の冷延は圧下率75〜80％程度
で行うのが望ましく、又焼鈍はバッチ焼鈍でも連続焼鈍
でもかまわない。焼鈍温度は750〜860℃が望ましい。
この取鍋では還元剤を含むスラグ改質剤を添加してスラ
グの改質を行ない、酸化物の生成を抑えることが望まし
い。次いでこの溶鋼はＲ−Ｈ式等の真空処理に付されて
Ｃ含有量が0.02％以下になるまで脱炭し、真空槽中の溶
鋼に含Mn物質（例えばFe-Mn合金、Mn鉱石、Si-Mn合金
等）及び含Ti物質（例えばFe-Ti合金、金属Ti等）を所
定量添加して脱酸を行うと共に、Mn含有量及びTi含有量
を夫々0.3〜1.5％,0.02〜0.15％に調整し、その後所要
の成分調整を行って連続鋳造のタンデッシュへ注入す
る。この段階で生成した酸化物は、MnO含有量が17〜31
％のMnO-TiO2を主成分とする低融点酸化物で溶鋼中では
液相を呈している。この溶鋼はイマージョンノズルから
モールドに鋳入されるが、液相酸化物であるためにイマ
ージョンノズルに付着することなく微細に分散した状態
でモールド内へ流入する。連続鋳造により得られた前記
成分組成のスラブは、スラブ加熱炉で1050〜1150℃程度
に加熱され３〜4mm程度に熱間圧延されてホットコイル
とされる。この際、巻取り温度は600〜800℃が望まし
い。含Tiホットコイルは酸洗によってスケールが除去さ
れ、次いで冷延及び焼鈍が施されて非金属介在物に起因
する欠陥が少なく、且つ材質特性の優れた含Ti非時効性
冷延鋼板が得られる。前記の冷延は圧下率75〜80％程度
で行うのが望ましく、又焼鈍はバッチ焼鈍でも連続焼鈍
でもかまわない。焼鈍温度は750〜860℃が望ましい。
（実施例） （１） 本発明例 転炉出鋼後、RH脱ガス処理にて0.5〜15.0kg/t−ｓのFe-
Mn合金及び1.5〜4.0kg/t−ｓのFe-Ti合金を添加し脱酸
及び成分調整を行った。次に１ストランドスラブ連鋳機
にて鋳造した。このときの溶鋼成分，鋼中介在物組成，
ノズル内介在物付着状況，スラブ表面欠陥の有無の実績
を第１表に示した。次にこのスラブを3.5mm厚まで熱間
圧延し、0.8mm厚まで冷間圧延し、更に760℃×40secの
焼鈍を行った後の欠陥状況を第１表に併記した。これら
の製造実績においてノズル内の介在物の堆積は全くな
く、また焼鈍後のコイルに非金属介在物起因の欠陥は認
められなかった。
Mn合金及び1.5〜4.0kg/t−ｓのFe-Ti合金を添加し脱酸
及び成分調整を行った。次に１ストランドスラブ連鋳機
にて鋳造した。このときの溶鋼成分，鋼中介在物組成，
ノズル内介在物付着状況，スラブ表面欠陥の有無の実績
を第１表に示した。次にこのスラブを3.5mm厚まで熱間
圧延し、0.8mm厚まで冷間圧延し、更に760℃×40secの
焼鈍を行った後の欠陥状況を第１表に併記した。これら
の製造実績においてノズル内の介在物の堆積は全くな
く、また焼鈍後のコイルに非金属介在物起因の欠陥は認
められなかった。
（２） 比較例 転炉出鋼後、RH脱ガス処理にて含Mn物質を添加せず2.3
〜3.5kg/t−ｓのFe-Ti合金を添加し、脱酸及び成分調整
を行った。その後、１ストランド連鋳機に鋳造した。こ
のときの溶鋼成分，鋼中介在物組成，ノズルる内介在物
付着状況、スラブ表面欠陥の有無の実績を第１表に記載
した。次にこのスラブを3.2mm厚まで熱間圧延し、0.8mm
厚まで冷間圧延し、更に740℃×40secの焼鈍を行ったの
ちの欠陥状況も併せて第１表に示した。第１表比較例か
ら判るとおり、本比較例全てにおいて連鋳ノズルでの介
在物の付着が認められ、半分のコイルについて非金属介
在物起因の欠陥が発生した。
〜3.5kg/t−ｓのFe-Ti合金を添加し、脱酸及び成分調整
を行った。その後、１ストランド連鋳機に鋳造した。こ
のときの溶鋼成分，鋼中介在物組成，ノズルる内介在物
付着状況、スラブ表面欠陥の有無の実績を第１表に記載
した。次にこのスラブを3.2mm厚まで熱間圧延し、0.8mm
厚まで冷間圧延し、更に740℃×40secの焼鈍を行ったの
ちの欠陥状況も併せて第１表に示した。第１表比較例か
ら判るとおり、本比較例全てにおいて連鋳ノズルでの介
在物の付着が認められ、半分のコイルについて非金属介
在物起因の欠陥が発生した。
（３） 従来例 転炉出鋼後、RH脱ガス処理にて1.5〜1.9kg/t−ｓのAl合
金、1.0〜5.0kg/t−ｓのFe-Mn合金及び0.7〜0.9kg/t−
ｓのFe-Ti合金を添加し脱酸及び成分調整を行った。そ
の後の連続鋳造工程以降を前記本発明例と同一の工程に
て製造した従来例を第１表に記載した。この場合、全て
においてノズル内にAl2O3を主成分とする介在物の堆積
が見られ、焼鈍後の２コイルに非金属介在物起因の欠陥
が認められた。
金、1.0〜5.0kg/t−ｓのFe-Mn合金及び0.7〜0.9kg/t−
ｓのFe-Ti合金を添加し脱酸及び成分調整を行った。そ
の後の連続鋳造工程以降を前記本発明例と同一の工程に
て製造した従来例を第１表に記載した。この場合、全て
においてノズル内にAl2O3を主成分とする介在物の堆積
が見られ、焼鈍後の２コイルに非金属介在物起因の欠陥
が認められた。
尚、上記本発明例及び比較例において少量ではあるがAl
(Al2O3)が含有されているのは、添加合金中に不純物と
して含まれている少量のAlが混入したものである。
(Al2O3)が含有されているのは、添加合金中に不純物と
して含まれている少量のAlが混入したものである。
（発明の効果） 以上述べたように本発明によれば、含Ti非時効性冷延鋼
板の製造において製鋼工程で含Mn物質及び含Ti物質によ
る脱酸によりMnO-Ti酸化物系の酸化物を生成させること
により連鋳ノズル内の介在物の堆積はもちろん、焼鈍後
コイルにて検出される非金属介在物起因の欠陥を大幅に
減少させることができる。また、アルミキルド鋼と異な
り含Al物質を添加しないことから、結果としてAl含有量
が少なくなるため製品の材質上加工性を向上させること
ができる。
板の製造において製鋼工程で含Mn物質及び含Ti物質によ
る脱酸によりMnO-Ti酸化物系の酸化物を生成させること
により連鋳ノズル内の介在物の堆積はもちろん、焼鈍後
コイルにて検出される非金属介在物起因の欠陥を大幅に
減少させることができる。また、アルミキルド鋼と異な
り含Al物質を添加しないことから、結果としてAl含有量
が少なくなるため製品の材質上加工性を向上させること
ができる。
第１図は鋼中〔Al〕含有量と材質の関係の一例を示した
図、第２図はMnO-TiO2系酸化物の平衡状態図である。
図、第２図はMnO-TiO2系酸化物の平衡状態図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ２１Ｄ 9/48 Ｅ // Ｃ２２Ｃ 38/00 ３０１ Ｓ 38/14
Claims (4)
- 【請求項１】溶鋼を脱酸し且つMn及びTi含有量が夫々0.
03〜1.5％,0.02〜0.15％となるに十分な量の含Mn物質及
び含Ti物質を未脱酸溶鋼に併用添加して得たC:0.02％以
下、Si:0.003〜0.30％,Mn:0.03〜1.5％,S:0.0001〜0.15
0％,P:0.001〜0.100％,Ti:0.02〜0.15％,MnO:17〜31％
を含むMnO-Ti酸化物を主成分とする低融点液相酸化物を
含有し、残部鉄及び不可避的不純物よりなる溶鋼を連続
鋳造し、以降常法に従って熱延、冷延及び焼鈍を行なう
ことを特徴とする非金属介在物起因の欠陥の少ない含Ti
非時効性冷延鋼板の製造方法。 - 【請求項２】Ｂを0.0002〜0.0025％含有する溶鋼を用い
る請求項１記載の非金属介在物起因の欠陥の少ない含Ti
非時効性冷延鋼板の製造方法。 - 【請求項３】Nbを0.005〜0.025％含有する溶鋼を用いる
請求項１記載の非金属介在物起因の欠陥の少ない含Ti非
時効性冷延鋼板の製造方法。 - 【請求項４】Ｂを0.0002〜0.0025％,Nbを0.005〜0.025
％含有する溶鋼を用いる請求項１記載の非金属介在物起
因の欠陥の少ない含Ti非時効性冷延鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63323647A JPH0747764B2 (ja) | 1988-12-23 | 1988-12-23 | 非金属介在物起因の欠陥の少ない含Ｔｉ非時効性冷延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63323647A JPH0747764B2 (ja) | 1988-12-23 | 1988-12-23 | 非金属介在物起因の欠陥の少ない含Ｔｉ非時効性冷延鋼板の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02170910A JPH02170910A (ja) | 1990-07-02 |
| JPH0747764B2 true JPH0747764B2 (ja) | 1995-05-24 |
Family
ID=18157052
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63323647A Expired - Lifetime JPH0747764B2 (ja) | 1988-12-23 | 1988-12-23 | 非金属介在物起因の欠陥の少ない含Ｔｉ非時効性冷延鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0747764B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4998365B2 (ja) * | 2008-05-08 | 2012-08-15 | 住友金属工業株式会社 | 極低炭素鋼板およびその製造方法 |
-
1988
- 1988-12-23 JP JP63323647A patent/JPH0747764B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02170910A (ja) | 1990-07-02 |
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