JPH074504U

JPH074504U - 人工芝

Info

Publication number: JPH074504U
Application number: JP3925693U
Authority: JP
Inventors: 靖彦利部
Original assignee: オリンピア建設株式会社
Priority date: 1993-06-25
Filing date: 1993-06-25
Publication date: 1995-01-24

Abstract

(57)【要約】【目的】簡単な構造により長期間経過しても硬くならな
い実用的な砂入り人工芝を提供することにある。【構成】シート状基板面上に芝部材を植設した人工芝に
おいて、前記芝部材間にゴム質などからなる弾性粉粒状
物を層状に充填し、この弾性粉粒状物層上に砂などの無
機質粉粒状物を層状に配した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は人工芝の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術及びその技術的課題】

テニスコート、ゴルフ場の歩径路、ゲートボール場、グラウンドなどにおいて人工芝が汎用されている。こうした人工芝はプラスチックシートにプラスチック製の芝部材を所定間隔で配した構造からなっており、芝部材が突起状ないし針状の剛質のものでは実際の芝の性状と大きな相違があることから、繊維糸状ないし極細短冊状の軟質な芝部材を植え立てたものが使用されている。しかし芝部材の植え立て間隔には限度があり、また芝部材が柔軟で腰が乏しいため、踏み締めにより芝部材が斜めになってシート面が部分的に露出して芝機能を発揮できなくなりやすいという問題があった。

【０００３】この対策として、従来、芝部材の間に砂を充填したものが提案されているが、この構造では当初は砂が流動性があり、踏み締め感が良好であるものの、砂がそれ自体の重量や雨水の通過による粒子の移動で沈下して隙間が埋められ、また使用者の荷重や雪による静圧が加わるため、時間の経過とともに密度が高くなってあたかもコンクリートのように硬くなってしまい、歩行時や、疾走時に滑ったり、衝撃で疲労の増加を招いたり、競技用球の弾みにイレギュラーを生じさせたりするなど人工芝本来の特性を発揮できなくなるという問題があった。

【０００４】本考案は前記のような目的を達成するために考案されたもので、その目的とするところは、簡単な構造により長期間経過しても硬くならない実用的な砂入り人工芝を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため本考案は、シート状基板面上に芝部材を植設した人工芝において、前記芝部材間にゴム質などからなる弾性粉粒状物を層状に充填し、この弾性粉粒状物層上に砂などの無機質粉粒状物を層状に配したものである。

【０００６】

【実施例】

以下本考案の実施例を添付図面に基いて説明する。図１と図２は本考案による人工芝の一実施例を示しており、Ａは基床、Ｂは基床Ａに敷設された人工芝本体である。前記基床Ａは、好ましくは透水性組織例えば粗骨材をセメントまたは合成樹脂接着剤をバインダとして結合した透水性コンクリートや、粗骨材をアスファルトに混合した透水性アスファルトなどからなっている。前記人工芝本体Ｂは、耐熱、耐水、耐侯性の良好なプラスチックからなるシート状基板１に軟質な芝部材２を所定間隔で無数に植え立てており、芝部材２はたとえば耐熱性と耐摩耗性の良好なプラスチック製の極細短冊状片の束２ａを長さ方向中間部でヘアピン状に屈折し、その屈折部位２ｂをシート状基板１にウエルダーなどにより定着している。シート状基板１は透水穴１０が配設されている。

【０００７】本考案においては、前記人工芝本体Ｂの各芝部材２の空隙に、シート状基板１の上面を底として弾性粉粒状物３を層状に充填し、この弾性粉粒状物層の上に砂などの無機質粉粒状物４を層状に配している。弾性粉粒状物３は、合成または天然のゴムを粉砕したゴムチップ、発泡スチロール、発泡ポリスチレン、発泡ポリオリフィンで代表される合成樹脂系の粉砕物、コルクで代表される木質系の粉砕物の一種または２種以上の混合物である。弾性粉粒状物３の粒径は軟質芝部材２の配設間隔より小さく、平均粒径で３mm 以下一般に０．７〜２ｍｍ程度が好ましい。弾性粉粒状物３は層全体が一様な粒径であることは要さず、粒径の異なる複数の層からなっていてもよい。また、その場合各層が材質を異にしていてもよい。

【０００８】無機質粉粒状物４は弾性粉粒状物３を安定して押えることができるように弾性粉粒状物３よりも比重の大きなものたとえばけい砂が使用され、粒径は弾性粉粒状物３と同程度以下たとえば平均粒径で０．５〜１．５ｍｍ程度がのものが好ましい。無機質粉粒状物４は一層であってもよいし粒径の異なる複数の層としてもよい。無機質粉粒状物４は芝部材２の先端が適度に露出し、疾走などによりスパイクを踏み込んでも弾性粉粒状物３をえぐりだしたりせず、弾性粉粒状物３の良好なクッション性を保持しうる層厚さ、たとえば弾性粉粒状物層と無機質粉粒状物層の比を１：１〜１：４とすることが好ましい。なお、場合によっては弾性粉粒状物３に濃度の薄い接着剤を塗布して弾性粉粒状物３同士を点状に結合させるようにしてもよく、これは弾性粉粒状物３を充填した後でも行うことができる。

【０００９】

【実施例の作用】

本考案は前記のような構成からなるので、芝部材２は柔軟で腰が弱くても、各芝部材２間の根部領域に弾性粉粒状物３が充填され、その上に無機質粉粒状物４が層状に充填されているため踏まれても倒れが生じず良好な直立性を維持することができ、しかも踏み面が無機質粉粒状物４であるため、スパイクなどの引掛かりがよい上に、無機質粉粒状物４が下層の弾性粉粒状物３で支えられているため全体として良好なクッション性があり、踏み締め感やボールの弾みなどが自然の芝に近いものとなる。さらに、無機質粉粒状物４が下層の弾性粉粒状物３に支えられているため、踏み締められたり、雪による静圧がかかったりしても、弾性粉粒状物３による弾力性で無機質粉粒状物４の高密度化が防止され、また無機質粉粒状物４の下層が沈降して弾性粉粒状物３の粒子間空隙を埋めても、弾性粉粒状物３の弾性でほぐされて動かされる。従って、時間が経過しても無機質粉粒状物４が硬くなるようなことがなく、良好な性状を維持することができる。また上層の無機質粉粒状物４で上から押えられているため、比重の軽いバラ状の弾性粉粒状物３が浮上して風で飛んだりすることなく安定した層状態を維持することができ、弾性粉粒状物３は粒子相互間に隙間を有しているため雨水の浸透性もよく、シート状基板１の透水穴１０から基床Ａに流すことができる。また、基床と人工芝本体Ｂとの間にクッション層を設ける必要がなく、基床に直に人工芝本体Ｂを敷設することができるため、施工も簡単容易で安価なものとすることができる。

【００１０】

【考案の効果】

以上説明した本考案によるときには、シート状基板面上に芝部材を植設した人工芝において、前記芝部材間にゴム質などからなる弾性粉粒状物を層状に充填し、この弾性粉粒状物層上に砂などの無機質粉粒状物を層状に配したので、弾性粉粒状物層の良好なクッション性と通水性とにより無機質粉粒状物の密度上昇による硬化を防止し、長期に渡り自然に近い良好な芝性能を発揮させることができ、また、無機質粉粒状物により弾性粉粒状物層を上から押えるため、弾性粉粒状物層が散逸することなく安定した層状態を保持させることができ、しかも構造が簡単で施工を容易かつ安価に行うことができるなどすぐれた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による人工芝の一実施例を示す断面図で
ある。

【図２】図１の一部拡大図である。

【符号の説明】

１シート状基板２芝部材３無機質粉粒状物４弾性粉粒状物

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】シート状基板面上に芝部材を植設した人工
芝において、前記芝部材間にゴム質などからなる弾性粉
粒状物を層状に充填し、この弾性粉粒状物層上に砂など
の無機質粉粒状物を層状に配したことを特徴とする人工
芝。