JPH074485B2 - 回分式蒸留方法及び回分式蒸留装置 - Google Patents

回分式蒸留方法及び回分式蒸留装置

Info

Publication number
JPH074485B2
JPH074485B2 JP2165393A JP2165393A JPH074485B2 JP H074485 B2 JPH074485 B2 JP H074485B2 JP 2165393 A JP2165393 A JP 2165393A JP 2165393 A JP2165393 A JP 2165393A JP H074485 B2 JPH074485 B2 JP H074485B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rectification column
vapor
liquid
fraction
column
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2165393A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06210101A (ja
Inventor
武次 関沢
雅敏 永野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JGC Corp
Original Assignee
JGC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JGC Corp filed Critical JGC Corp
Priority to JP2165393A priority Critical patent/JPH074485B2/ja
Publication of JPH06210101A publication Critical patent/JPH06210101A/ja
Publication of JPH074485B2 publication Critical patent/JPH074485B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、沸点の異なる成分を2
以上含有する原料を回分式で蒸留分離するに当り、製品
回収率又は製品純度を向上させる蒸留方法及び蒸留装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来行われている装置及び方法を原料が
相対的に高沸点の留分(重質留分)、中間沸点の留分
(中間留分)及び相対的に低沸点の留分(軽質留分)よ
りなる場合について、図3に従って説明する。従来の回
分式蒸留装置は、原料を加熱する手段、例えばリボイラ
ー1を設けたドラム2、ドラム2で発生する蒸気の精留
塔3、精留塔3の頂部蒸気凝縮還流装置(コンデンサ
4、精留塔3の頂部蒸気をコンデンサへ供給する配管及
びコンデンサ4の凝縮液を精留塔3上部へ還流する配管
よりなる)から構成され、コンデンサ4の凝縮液を精留
塔3上部へ還流する配管に設けられた還流制御弁V6、
製品(中間留分)抜き出し弁V5、サンプル抜き出し弁
V9、軽質留分抜き出し弁V7、塔底液(重質留分)抜
き出し弁V8及び塔底液ポンプ5を有する。
【0003】ドラム2に蒸留用の原料を充填し、軽質留
分抜き出し弁V7及び製品(中間留分)抜き出し弁V5
を閉じ、還流制御弁V6を開いた状態で、リボイラー1
にスチームを通してドラム2内の原料を加熱する。ドラ
ム2内の原料は蒸気となり、精留塔3の上部からコンデ
サ4を経由して精留塔3の上部へ全還流される。精留塔
内が定常状態になったところでV7を開き、所定の還流
比で還流を行いながら軽質留分を抜き出す。その後、随
時、弁V9からサンプリングし、留出物中の軽質留分が
規定以下になったら留出物を製品と見なし、弁V7を閉
じ弁V5を開いて抜き出しを軽質留分側から製品側へ切
り替えて回収する。しかしこの従来法では塔内に滞留し
ている軽質留分を流出させるために多量の製品(中間留
分)が軽質留分と共に流出してしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の方法
では製品回収率が低くなる。この対策として精留塔の段
数を増加することが考えられるが、設備費の増加となり
好ましい手段ではない。本発明者らは、留出物中の軽質
留分が規定値以下になる前に、ドラム及び精留塔下部に
おける軽質留分が規定以下になることに着目し、製品回
収率の向上又は製品の純度の向上を計ることができる本
発明をなすに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の回分式蒸留方法
は、沸点の異なる2以上の成分よりなる原料を加熱して
発生した蒸気を第1の精留塔に導き、その頂部蒸気を凝
縮することなく頂部蒸気凝縮還流装置を備えた第2の精
留塔に導き、第2の精留塔の頂部蒸気を凝縮して第2の
精留塔に還流し、第2の精留塔の底部液を第1の精留塔
の上部へ戻しながら留分の抜き出しを行わずに蒸留操作
を行って定常状態に達した後、必要に応じて第2の精留
塔の頂部蒸気の凝縮液の一部を断続的に抜き出し、第1
の精留塔頂部付近における液又は蒸気の純度が所定値以
上になったところで第1の精留塔と第2の精留塔間にお
ける液及び蒸気の流れを閉鎖し、相対的に低沸点の留分
を第2の精留塔の内部に封じ込めた状態で第1の精留塔
から蒸気又は液を抜き出すことを特徴とする。
【0006】回分式蒸留用の原料としては沸点の異なる
2以上の成分よりなるものであれば良く、特に目的とす
る成分とそれより低沸点の成分(軽質留分)を含むもの
や、目的とする成分(中間留分)と軽質留分の他に目的
とする成分よりも高沸点の成分(重質留分)を含むもの
が適する。
【0007】本発明の回分式蒸留方法においては、精留
塔として第1の精留塔及び第2の精留塔の2つを設け、
原料を第1の精留塔に供給し、加熱により原料から発生
した蒸気が順次第1の精留塔と第2の精留塔を通過する
ように接続されている装置を用いる。第2の精留塔は頂
部蒸気凝縮還流装置を備えており、第2の精留塔の頂部
蒸気を凝縮して第2の精留塔に全還流させ、必要により
第2の精留塔の頂部蒸気の凝縮液の一部を断続的に抜き
出して第1の精留塔頂部付近における液又は蒸気の純度
が所定値以上になるまで軽質留分を第2の精留塔に濃縮
させる。第1の精留塔頂部付近における液又は蒸気の純
度が所定値以上になったら、第1の精留塔及び第2の精
留塔間における液及び蒸気の流れを閉鎖し、軽質留分を
第2の精留塔の内部に封じ込めた状態で第1の精留塔か
ら目的とする留分を抜き出す。
【0008】上記の回分式蒸留方法により、軽質留分を
多く含む蒸気を第2の精留塔の内部に封じ込めた状態で
目的とする成分が第1の精留塔から抜き出されるので、
軽質留分が規定値以下になった製品が得られる。
【0009】また本発明の回分式蒸留装置は、原料を加
熱する手段を有し頂部蒸気凝縮還流装置を備えた第1の
精留塔、頂部蒸気凝縮還流装置を備えた第2の精留塔、
第1の精留塔の頂部蒸気を第2の精留塔の下部へ供給す
る配管、第2の精留塔の底部液を第1の精留塔の上部へ
供給する配管、第2の精留塔の頂部蒸気凝縮還流装置の
凝縮液を抜き出す配管、第1の精留塔から蒸気又は液を
抜き出す配管及び第1の精留塔の残留液を抜き出す配管
を有し、第1の精留塔に供給された原料から発生する蒸
気が順次第1の精留塔と第2の精留塔を通過するように
接続されている装置であって、第1の精留塔の頂部蒸気
を第2の精留塔の下部へ供給する配管及び第2の精留塔
の底部液を第1の精留塔の上部へ供給する配管のそれぞ
れに開閉手段を設けたものであることを特徴とする。
【0010】第1の精留塔と第2の精留塔は、図1に示
すように上下に重ねて設置されていても、図2に示すよ
うに個別に設置されていても良いが、両者は機能的に独
立した精留塔である。
【0011】第1図により具体的に説明すると、本発明
の回分式蒸留装置は、原料が供給されるドラム2に原料
を加熱する手段としてリボイラー1を設け頂部蒸気凝縮
還流装置(コンデンサ4A、精留塔3Aの頂部蒸気をコ
ンデンサ4Aへ供給する配管及びコンデンサ4Aの凝縮
液を精留塔3A上部へ還流する配管よりなる)を備えた
第1の精留塔3A、頂部蒸気凝縮還流装置(コンデンサ
4B、精留塔3Bの頂部蒸気をコンデンサ4Bへ供給す
る配管及びコンデンサ4Bの凝縮液を精留塔3B上部へ
還流する配管よりなる)を備えた第2の精留塔3B、第
1の精留塔3Aの頂部蒸気を第2の精留塔3Bの下部へ
供給する配管、第2の精留塔3Bの底部液を第1の精留
塔3Aの上部へ供給する配管、第2の精留塔3Bの頂部
蒸気凝縮還流装置の凝縮液を弁V7を経て抜き出す配
管、第1の精留塔3Aから蒸気又は液を抜き出す配管と
して頂部蒸気凝縮還流装置の凝縮液を弁V5を経て抜き
出す配管、及び第1の精留塔3Aの残留液をドラム2か
ら弁V8を経て抜き出す配管を有し、ドラム2から第1
の精留塔3Aに供給された原料から発生する蒸気が順次
第1の精留塔3Aと第2の精留塔3Bを通過するように
接続されている装置であって、第1の精留塔3Aの頂部
蒸気を第2の精留塔3Bの下部へ供給する配管に弁V
2、第2の精留塔の底部液を第1の精留塔の上部へ供給
する配管に弁V3を設けてある。第2の精留塔における
頂部蒸気凝縮還流装置としては、コンデンサ4Bの出口
に凝縮液のレシーバーを設け、このレシーバーを介し
て、凝縮液を精留塔3B上部へ還流するようにしても良
い。第1の精留塔から蒸気又は液を抜き出す配管として
は、上記の頂部蒸気凝縮還流装置の凝縮液抜き出し配管
に限らず、第1の精留塔の頂部蒸気を凝縮せずに抜き出
すように設けることもでき、また第1の精留塔の内部還
流液、特に頂部付近の内部還流液を抜き出すように設け
ても良い。原料の加熱手段は、図1のように第1の精留
塔の内部に設けても良いが、例えば図2のように精留塔
とは別に設けることもできる。記号5はドラム2から塔
底液を抜き出すためのポンプ、弁V9はサンプル抜き出
し弁である。なお弁V1は第1のコンデンサ4Aへの蒸
気供給を閉鎖する弁、弁V4は第1のコンデンサ4Aか
らの還流液を制御する弁、弁V6は第2のコンデンサ4
Bからの還流液を制御する弁である。
【0012】図2に示した装置は、第1の精留塔と第2
の精留塔が個別に設置されている以外は図1に示した装
置と同じ構成で、第2の精留塔の底部液を第1の精留塔
の上部へ供給するために精留ポンプ6を設けたものであ
る。
【0013】上記のような装置を用いて、沸点の異なる
2以上の成分よりなる原料、例えば相対的に高沸点の留
分(重質留分)、中間沸点の留分(中間留分)及び相対
的に低沸点の留分(軽質留分)よりなる原料を回分蒸留
し中間留分を製品として得る方法を図1及び図2を参照
しながら説明する。
【0014】上記原料をリボイラー1を設けたドラム2
に入れ、加熱して発生した蒸気を頂部蒸気凝縮還流装置
(コンデンサ4A、精留塔3Aの頂部蒸気をコンデンサ
4Aへ供給する配管及びコンデンサ4Aの凝縮液を精留
塔3A上部へ還流する配管よりなる)を備えた第1の精
留塔3Aに導く。第1の精留塔3Aの頂部蒸気は凝縮さ
せることなく(即ちコンデンサ4Aへ通じる弁V1及び
弁V4を閉鎖した状態で)、弁V2(開)を経て頂部蒸
気凝縮還流装置(コンデンサ4B、精留塔3Bの頂部蒸
気をコンデンサ4Bへ供給する配管及びコンデンサ4B
の凝縮液を精留塔3B上部へ還流する配管よりなる)を
備えた第2の精留塔3Bに導き、その頂部蒸気を凝縮し
て第2の精留塔3Bに還流する。第2の精留塔3Bの底
部液を弁V3(開)を経て第1の精留塔3Aの上部へ戻
しながら、留分の抜き出しを行わずに、即ち弁V7、弁
V5及び弁V8を閉鎖した状態で蒸留操作を行う。定常
状態に達した後、必要に応じて(定常状態では第1の精
留塔3Aの頂部付近の液又は蒸気の純度が所定値に達し
ない場合)弁V7を開いて第2の精留塔3Bの頂部蒸気
の凝縮液の一部を断続的に抜き出す。この凝縮液(軽質
留分)の抜き出しの際は還流を行いながら抜き出しても
良いし、還流を行わずに抜き出しても良い。第1の精留
塔3Aの頂部付近の液又は蒸気の純度が所定値に達した
かどうかは、例えば、第2の精留塔3Bの底部液を第1
の精留塔3Aの上部へ戻す配管に接続する弁V9からサ
ンプルを抜き出して分析することにより確認できる。ま
た第1の精留塔3Aの頂部蒸気を第2の精留塔3Bの下
部へ供給する配管からサンプルを抜き出して蒸気の純度
が所定値に達したかどうかを確認しても良い。第1の精
留塔3Aの内部の所定の位置における蒸気或いは内部還
流液の濃度を指標とすることもできる。
【0015】第1の精留塔3Aの頂部付近の液又は蒸
気、図では、第2の精留塔3Bの塔底液の純度が所定値
以上になったところで弁V2及び弁V3を閉じて第1の
精留塔3Aと第2の精留塔3B間における液及び蒸気の
流れを閉鎖し、軽質留分を第2の精留塔3Bの内部に封
じ込める。このように軽質留分を封じ込めた状態で、弁
V1及び弁V4を開いて第1の精留塔の頂部蒸気凝縮還
流装置を働かせ第1の精留塔の頂部蒸気を凝縮して第1
の精留塔に還流しながら第1の精留塔3Aの頂部蒸気の
凝縮液を製品として抜き出す。製品は、弁V5を開いて
コンデンサ4Aの凝縮液を抜き出しても良いし、精留塔
3Aの頂部から直接蒸気を抜き出しても良い。また第1
の精留塔3A内から直接、例えば内部還流液を製品とし
て抜き出すこともできる。その場合抜き出しは塔頂に近
い所で行う方が好ましい。製品は気体の状態で回収する
こともでき、目的に応じて適宜選択できる。製品の回収
後は蒸留を終了し、弁V8を開いて塔底液ポンプ5によ
り重質留分を抜き出す。第2の精留塔3Bの内部に封じ
込められた軽質留分は、次回の蒸溜操作の際に、第2の
精留塔3Bの頂部から抜き出される。
【0016】また原料が相対的に高沸点の留分及び相対
的に低沸点の留分のみよりなる場合の蒸留装置として
は、原料を加熱する手段を有する第1の精留塔、頂部蒸
気凝縮還流装置を備えた第2の精留塔、第1の精留塔の
頂部蒸気を第2の精留塔の下部へ供給する配管、第2の
精留塔の底部液を第1の精留塔の上部へ供給する配管、
第2の精留塔の頂部蒸気凝縮還流装置の凝縮液を抜き出
す配管及び第1の精留塔の残留液を抜き出す配管を有
し、第1の精留塔に供給された原料から発生する蒸気が
順次第1の精留塔と第2の精留塔を通過するように接続
されている装置であって、第1の精留塔の頂部蒸気を第
2の精留塔の下部へ供給する配管及び第2の精留塔の底
部液を第1の精留塔の上部へ供給する配管のそれぞれに
開閉手段を設けたもの、即ち第1の精留塔には頂部蒸気
凝縮還流装置を設けず、高沸点の留分(製品)は第1の
精留塔の底部から抜き出すようにしたものであって良
い。図1及び図2に則して説明すれば、コンデンサ4
A、弁V1、弁V4及び弁V5を設けず、弁V8を製品
抜き出し弁としたものである。
【0017】原料が相対的に高沸点の留分(製品)及び
相対的に低沸点の留分(軽質留分)のみよりなる場合の
蒸留方法は、上記原料を、リボイラー1を設けたドラム
2に入れ、加熱して発生した蒸気を第1の精留塔3Aに
導き、その頂部蒸気を弁V2(開)を経て頂部蒸気凝縮
還流装置(コンデンサ4B、精留塔3Bの頂部蒸気をコ
ンデンサ4Bへ供給する配管及びコンデンサ4Bの凝縮
液を精留塔3B上部へ還流する配管よりなる)を備えた
第2の精留塔3Bに導く。第2の精留塔3Bの頂部蒸気
を凝縮して第2の精留塔3Bに還流し、第2の精留塔3
Bの底部液を弁V3(開)を経て第1の精留塔3Aの上
部へ戻しながら、留分の抜き出しを行わずに、即ち弁V
7及び弁V8を閉鎖した状態で蒸留操作を行う。定常状
態に達した後、必要に応じて(定常状態では第1の精留
塔3Aの塔頂付近の液又は蒸気の純度が所定値に達しな
い場合)弁V7を開いて第2の精留塔3Bの頂部蒸気の
凝縮液の一部を断続的に抜き出す。この凝縮液(軽質留
分)の抜き出しの際は還流を行いながら抜き出しても良
いし、還流を行わずに抜き出しても良い。第1の精留塔
3Aの頂部付近の液又は蒸気の純度が所定値に達したか
どうかは、例えば、第2の精留塔3Bの底部液を第1の
精留塔3Aの上部へ戻す配管に接続する弁V9からサン
プルを抜き出して分析することで確認できる。
【0018】第1の精留塔3Aの頂部付近の液又は蒸
気、図では第2の精留塔3Bの塔底液の純度が所定値以
上になったところで弁V2及び弁V3を閉じて、第1の
精留塔3Aと第2の精留塔3B間における液及び蒸気の
流れを閉鎖し、軽質留分を第2の精留塔3Bの内部に封
じ込めた状態で弁V8を開いて第1の精留塔の塔底液を
製品として抜き出す。第1の精留塔3Aの頂部付近の液
或いは蒸気の純度の確認は、第2の精留塔3Bの塔底液
以外に第1の精留塔3Aの頂部蒸気や第1の精留塔3A
の内部の所定の位置における蒸気或いは内部還流液の濃
度を対象とすることもできる。
【0019】以下実施例(コンピュータによるシミュレ
ーションの結果)により本発明を具体的に説明するが、
本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0020】
【実施例1】パラキシレン(軽質留分)1000重量p
pm、オルトキシレン(軽質留分)1000重量pp
m、プロピルベンゼン(中間留分)99.75重量%、
ドデカン(重質留分)500重量ppmを含む原料か
ら、純度99.96重量%のプロピルベンゼンを回収す
る場合について説明する(図1又は図2参照)。この操
作条件は圧力は常圧、温度は160〜170℃で行っ
た。なお精留塔は段数15の第1の精留塔3A及び段数
5の第2の精留塔3Bを用いた。原料をドラム2に仕込
みリボイラー1にスチームを通して加熱した。ドラム2
内の液は蒸気となって第1の精留塔3Aを通り、第2の
精留塔3Bを通って上部コンデンサ4Bにより凝縮し、
第2の精留塔3Bの上部へ戻る。この時、弁V1〜V9
の内、開放弁はV2、V3、V6であり、製品(プロピ
ルベンゼン)及び軽質留分(パラキシレン及びオルトキ
シレン)の留出がないので全還流の状態であった。全還
流の運転によって塔内の温度と流量が安定した後、第2
の精留塔3Bの底部液を第1の精留塔3Aの上部へ供給
する配管に設けた弁V9からサンプリングし、プロピル
ベンゼンが99.96重量%以上になるまで軽質留分抜
き出し弁V7を断続的に開閉し軽質留分を抜き出した。
弁V9のサンプリングでプロピルベンゼンが99.96
重量%以上になったところで、弁V1、V4、V5、V
6は開の状態、弁V2、V3、V7、V8、V9は閉の
状態になるように弁を操作し、第2の精留塔3Bに流体
を封じ込めたまま、コンデンサ4Aから製品を回収し
た。その後の操作は、従来法と同様、第1の精留塔の温
度が所定値以上になったところでリボイラー1のスチー
ム供給を停止し蒸留を停止した。蒸留終了後、弁V8を
開いて塔底液ポンプ5により重質留分を抜き出した。
【0021】実施例から次のことが判明した。原料を1
0m3 ドラム2に仕込んだ場合、純度99.96重量%
の製品の回収量は従来法における8.3m3 から9.8
3に向上した。従って製品回収率としては83%から
98%に向上した。さらに、軽質留分の流出量が少なく
なることから蒸留時間が8時間から7時間に短縮され
た。なお製品の回収率を従来通り83%にした場合、製
品純度は99.96重量%から99.976重量%に向
上し、不純物の含有量は400ppmから240ppm
に減少する。
【0022】
【発明の効果】本発明の効果は、上記の例から、次のこ
とが挙げられる。 (1)製品の回収量が向上し、製品回収率の向上を計る
ことができる。 (2)軽質留分の留出量が少なくなり、蒸留時間の短縮
ができる。 (3)製品の純度の向上を計ることができる。 (4)上記(1)、(2)に伴い、機器のサイズを小さ
くすることができる。具体的には、軽質留分の留出液受
タンク及びドラムの容量を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回分式蒸留装置及び蒸留方法の一例を
説明する為の図である。
【図2】本発明の回分式蒸留装置及び蒸留方法の他の例
を説明する為の図である。
【図3】従来の回分式蒸留装置及び蒸留方法を説明する
為の図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 沸点の異なる2以上の成分よりなる原料
    を加熱して発生した蒸気を第1の精留塔に導き、その頂
    部蒸気を凝縮することなく頂部蒸気凝縮還流装置を備え
    た第2の精留塔に導き、第2の精留塔の頂部蒸気を凝縮
    して第2の精留塔に還流し、第2の精留塔の底部液を第
    1の精留塔の上部へ戻しながら留分の抜き出しを行わず
    に蒸留操作を行って定常状態に達した後、必要に応じて
    第2の精留塔の頂部蒸気の凝縮液の一部を断続的に抜き
    出し、第1の精留塔頂部付近における液又は蒸気の純度
    が所定値以上になったところで第1の精留塔と第2の精
    留塔間における液及び蒸気の流れを閉鎖し、相対的に低
    沸点の留分を第2の精留塔の内部に封じ込めた状態で第
    1の精留塔から蒸気又は液を抜き出すことを特徴とする
    回分式蒸留方法。
  2. 【請求項2】 沸点の異なる2以上の成分よりなる原料
    が相対的に高沸点の留分、中間沸点の留分及び相対的に
    低沸点の留分よりなり、これを加熱して発生した蒸気を
    頂部蒸気凝縮還流装置を備えた第1の精留塔に導き、そ
    の頂部蒸気を凝縮することなく頂部蒸気凝縮還流装置を
    備えた第2の精留塔に導き、第2の精留塔の頂部蒸気を
    凝縮して第2の精留塔に還流し、第2の精留塔の底部液
    を第1の精留塔の上部へ戻しながら留分の抜き出しを行
    わずに蒸留操作を行って定常状態に達した後、必要に応
    じて第2の精留塔の頂部蒸気の凝縮液の一部を断続的に
    抜き出し、第1の精留塔頂部付近における液又は蒸気の
    純度が所定値以上になったところで第1の精留塔と第2
    の精留塔間における液及び蒸気の流れを閉鎖し、相対的
    に低沸点の留分を第2の精留塔の内部に封じ込めた状態
    で第1の精留塔の頂部蒸気を凝縮して第1の精留塔に還
    流しながら第1の精留塔から中間沸点の留分の蒸気又は
    液を抜き出すことを特徴とする請求項1に記載の回分式
    蒸留方法。
  3. 【請求項3】 沸点の異なる2以上の成分よりなる原料
    が相対的に高沸点の留分及び相対的に低沸点の留分より
    なり、これを加熱して発生した蒸気を第1の精留塔に導
    き、その頂部蒸気を頂部蒸気凝縮還流装置を備えた第2
    の精留塔に導き、第2の精留塔の頂部蒸気を凝縮して第
    2の精留塔に還流し、第2の精留塔の底部液を第1の精
    留塔の上部へ戻しながら留分の抜き出しを行わずに蒸留
    操作を行って定常状態に達した後、必要に応じて第2の
    精留塔の頂部蒸気の凝縮液の一部を断続的に抜き出し、
    第1の精留塔頂部付近における液又は蒸気の純度が所定
    値以上になったところで第1の精留塔と第2の精留塔間
    における液及び蒸気の流れを閉鎖し、相対的に低沸点の
    留分を第2の精留塔の内部に封じ込めた状態で第1の精
    留塔の塔底から相対的に高沸点の留分を抜き出すことを
    特徴とする請求項1に記載の回分式蒸留方法。
  4. 【請求項4】 第1の精留塔の頂部付近における液又は
    蒸気の純度が、第1の精留塔と第2の精留塔間における
    液或いは蒸気、又は第1の精留塔内の蒸気或いは内部還
    流液の純度である請求項1、2又は3のいずれかに記載
    の回分式蒸留方法。
  5. 【請求項5】 原料を加熱する手段を有し頂部蒸気凝縮
    還流装置を備えた第1の精留塔、頂部蒸気凝縮還流装置
    を備えた第2の精留塔、第1の精留塔の頂部蒸気を第2
    の精留塔の下部へ供給する配管、第2の精留塔の底部液
    を第1の精留塔の上部へ供給する配管、第2の精留塔の
    頂部蒸気凝縮還流装置の凝縮液を抜き出す配管、第1の
    精留塔から蒸気又は液を抜き出す配管及び第1の精留塔
    の残留液を抜き出す配管を有し、第1の精留塔に供給さ
    れた原料から発生する蒸気が順次第1の精留塔と第2の
    精留塔を通過するように接続されている装置であって、
    第1の精留塔の頂部蒸気を第2の精留塔の下部へ供給す
    る配管及び第2の精留塔の底部液を第1の精留塔の上部
    へ供給する配管のそれぞれに開閉手段を設けたものであ
    ることを特徴とする回分式蒸留装置。
  6. 【請求項6】 第1の精留塔から蒸気又は液を抜き出す
    配管が、第1の精留塔頂部における蒸気、内部還流液又
    は頂部蒸気凝縮還流装置の凝縮液のいずれかを抜き出す
    配管である請求項5記載の回分式蒸留装置。
  7. 【請求項7】 原料を加熱する手段を有する第1の精留
    塔、頂部蒸気凝縮還流装置を備えた第2の精留塔、第1
    の精留塔の頂部蒸気を第2の精留塔の下部へ供給する配
    管、第2の精留塔の底部液を第1の精留塔の上部へ供給
    する配管、第2の精留塔の頂部蒸気凝縮還流装置の凝縮
    液を抜き出す配管及び第1の精留塔の残留液を抜き出す
    配管を有し、第1の精留塔に供給された原料から発生す
    る蒸気が順次第1の精留塔と第2の精留塔を通過するよ
    うに接続されている装置であって、第1の精留塔の頂部
    蒸気を第2の精留塔の下部へ供給する配管及び第2の精
    留塔の底部液を第1の精留塔の上部へ供給する配管のそ
    れぞれに開閉手段を設けたことを特徴とする回分式蒸留
    装置。
JP2165393A 1993-01-18 1993-01-18 回分式蒸留方法及び回分式蒸留装置 Expired - Lifetime JPH074485B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2165393A JPH074485B2 (ja) 1993-01-18 1993-01-18 回分式蒸留方法及び回分式蒸留装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2165393A JPH074485B2 (ja) 1993-01-18 1993-01-18 回分式蒸留方法及び回分式蒸留装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06210101A JPH06210101A (ja) 1994-08-02
JPH074485B2 true JPH074485B2 (ja) 1995-01-25

Family

ID=12061014

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2165393A Expired - Lifetime JPH074485B2 (ja) 1993-01-18 1993-01-18 回分式蒸留方法及び回分式蒸留装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH074485B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102989189A (zh) * 2012-11-08 2013-03-27 巨化集团公司 一种高纯度二氟乙酰乙酸乙酯提纯装置及方法
CN116531788A (zh) * 2023-06-20 2023-08-04 泰兴市凌飞化学科技有限公司 壬基酚聚氧乙烯醚精馏***及精馏方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06210101A (ja) 1994-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5026549A (en) Method of extracting solid materials using a solvent and an apparatus for implementing same
US2366361A (en) Purification of butadiene
JPS5827961B2 (ja) 蒸留性混合物の精留方法
US4265736A (en) Process and apparatus for reducing the energy required to separate liquids by distillation
CN109851603B (zh) 一种乙醇可连续回收式乙基麦芽酚制备***
US4177137A (en) Aromatics extraction process
JPS61167402A (ja) 精留方法
US2749281A (en) Controlling rich oil with constant kettle temperature by varying the water content of the kettle section
US4088562A (en) Method and apparatus for processing oil shale
US4428829A (en) Process for simultaneous separation of aromatics from heavy and light hydrocarbon streams
JPH074485B2 (ja) 回分式蒸留方法及び回分式蒸留装置
CN107998677B (zh) 一种溶剂回收的环保清洁装置及工艺方法
US3309288A (en) Fractional distillation of a component from a feedstock by the addition of higher boiler vapors to the reboiler
US4321132A (en) Distillation of crude oil
US2273412A (en) Method of recovering hydrocarbons
US2355589A (en) Method of recovery of light hydrocarbons
US5238540A (en) Method of obtaining a pure aromatic hydrocarbon from a sump product of an extractive distillation of a hydrocarbon mixture
US3136706A (en) Optimum fractionation and steam production
US2476010A (en) Rectification
US1933505A (en) Process of purifying alcohols
US2912377A (en) Vacuum distillation apparatus and process
KR0141364B1 (ko) 탄화수소혼합물의 추출증류에서의 정제물의 가공방법
US1942446A (en) Fractional distillation
CN209221534U (zh) 一种危废处理领域中轻溶剂回收装置及其撬装结构
CN209934111U (zh) 一种二氯乙烷的间歇回收设备

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19950801