JPH0743901A - 光硬化性組成物およびそれを用いたシート状光記録材料 - Google Patents

光硬化性組成物およびそれを用いたシート状光記録材料

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JPH0743901A
JPH0743901A JP5190394A JP19039493A JPH0743901A JP H0743901 A JPH0743901 A JP H0743901A JP 5190394 A JP5190394 A JP 5190394A JP 19039493 A JP19039493 A JP 19039493A JP H0743901 A JPH0743901 A JP H0743901A
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alkyl
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JP5190394A
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Takeshi Endo
剛 遠藤
Toshikazu Takada
十志和 高田
Masaki Nishimura
匡樹 西村
Yukio Hosoda
幸男 細田
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 可視レーザー光の照射により、速やかに硬化
する光硬化性組成物およびそれにより、良好な画像を形
成するシート状光記録材料を提供する。 【構成】 カチオン重合可能な化合物と光カチオン重合
開始剤とを含む光硬化性組成物において、光カチオン重
合開始剤として、一般式(I),(II): (但し、R,Rは、アルキル基、ベンジル基等、か
ら選ばれた1員以上により置換されたベンジル基であ
り、R,R,R,R,R,R10は、水素原
子、アルキル基等、であり、R,R,R11,R
12は、水素原子、アルキル基、又はアリール基であ
り、XはSbF ,AsF ,PF ,BF
、又はC10 である)のアミノスチリルキノリニ
ウム塩化合物を用い、また、シート状光記録材料におい
て、塗料被覆層を上記組成物により形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光硬化性組成物、およ
びそれを用いたシート状光記録材料に関するものであ
る。さらに詳しく述べるならば、本発明は、可視レーザ
ー光の照射によって速やかに硬化物となる、光硬化性組
成物、およびそれを用いたシート状光記録材料に関する
ものである。本発明に係る光硬化性組成物は、保護、装
飾および絶縁コーティング、印刷インク、シール剤、接
着剤等の材料の他、ホログラム記録材料、フォトレジス
ト、印刷板等のシート状記録材料として好適なものであ
る。また本発明のシート状光記録材料は、可視レーザー
光の照射により光硬化樹脂画像を形成することができる
ものである。
【0002】
【従来の技術】光カチオン重合の利点は、空気中の酸素
による重合阻害を受けないこと、使用可能なモノマーの
種類が多いこと、および得られるポリマーの物理的性質
が優れている等であり、このような利点により、産業上
でも広く利用されている重合法である。このような光カ
チオン重合の開始剤としては、芳香族ジアゾニウム塩
(米国特許第3703296号公報等)、芳香族スルホ
ニウム塩(特公昭52−14278号公報等)、芳香族
ヨードニウム塩(特公昭52−14277号公報等)、
およびベンジルピリジニウム塩(特開平2−43202
号公報、特開平4−327574号公報等)等が知られ
ている。
【0003】しかし、これらの既知光カチオン重合開始
剤化合物のほとんどは、紫外光に対してのみ活性を示す
けれども、可視光に対しては不活性であるため、その応
用範囲が限定されているという問題点がある。例えば、
ダイレクト製版システムをはじめとする、レーザーを用
いた光記録システム用の光カチオン重合開始剤化合物と
しては、アルゴンレーザー、ヘリウム・ネオンレーザ
ー、および半導体レーザーのような可視レーザーに対す
る活性を有していることが必要であり、このため可視レ
ーザーを用いるシステムに、可視光に対して不活性な前
記開始剤化合物を用いることはできない。
【0004】この問題を解決する方法として、増感色素
の添加による分光増感法が広く知られている。増感色素
としては、3−ケトクマリン化合物、チアピリリウム
塩、ナフトチアゾールメロシアニン化合物、メロシアニ
ン化合物等が用いられる。しかし、これらの増感方法
は、増感色素化合物分子から開始剤化合物分子へのエネ
ルギー移動または電子移動の過程を経るため、増感色素
と開始剤との相互作用の大きさに影響を及ぼす因子(相
溶性等)が、その活性を左右してしまうという欠点を有
している。
【0005】本発明者らは、Polymer Preprints, Japa
n, 41, 232 (1992)、およびPolymerPreprints, Japan,
40, 193 (1991)に記載され、紫外光に対して活性を有す
る光カチオン重合開始剤について検討を行った。前記文
献に記載された光カチオン重合開始剤は、一般式(II
I):
【化3】 (但し、式(III)中、R13はベンジル基、又はアルキル
基等を表し、R14は水素原子、又はベンゾイル基等を表
す。)で表される化学構造を有しているが、これらの化
合物は可視光域に吸収を有していない。従ってこの式
(III)の化合物は、可視光に対して活性を示すように改
変することが必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
上記問題点を解決し、可視レーザー光の照射によって速
やかに硬化し得る光硬化性組成物、およびそれを用いた
シート状光記録材料を提供しようとするものである。ま
た本発明は、保護、装飾および絶縁コーティング、印刷
インク、シール剤、接着剤、ホログラム記録材料、フォ
トレジスト、印刷板等の材料に適し、増感色素の不要な
光硬化性組成物、およびそれを用いたシート状光記録材
料を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、一般式
(III)の化学構造を含む種々の化合物を合成し、これら
の化合物の可視光に対する活性について検討した。その
結果、特定の化学構造を有するアミノスチリルキノリニ
ウム塩化合物を光カチオン重合開始剤として用いると、
可視レーザー光に対して活性を示す所望の光硬化性組成
物が得られることを発見し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】本発明の光硬化性組成物は、カチオン重合
可能な化合物と、光カチオン重合開始剤とを主要成分と
して含み、前記光カチオン重合開始剤が、下記一般式
(I)および(II) :
【化4】 (但し、式(I)および(II) 中、R1 およびR7 は、
それぞれ互いに独立に、アルキル基、ベンジル基、並び
にアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルオ
キシ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリ
ールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、シアノ基、お
よびニトロ基から選ばれた少なくとも1員により置換さ
れたベンジル基から選ばれた1員を表し、R2 ,R3
4 ,R8,R9 およびR10は、それぞれ互いに独立
に、水素原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アシル
基、アルキルオキシカルボニル基、ハロゲン原子、シア
ノ基、およびニトロ基から選ばれた1員を表し、R5
6 ,R11およびR12は、それぞれ互いに独立に、水素
原子、アルキル基、およびアリール基から選ばれた1員
を表し、X- はSbF6 - ,AsF6 - ,PF6 - ,B
4 - 、およびClO4 - から選ばれた1員を表す。)
によって表される少なくとも1種のアミノスチリルキノ
リニウム塩化合物を含有することを特徴とするものであ
る。
【0009】また本発明のシート状光記録材料は、シー
ト状基体と、その少なくとも一面上に形成され、かつカ
チオン重合可能な化合物、および光カチオン重合開始剤
を主要成分として含む塗料被覆層とを有し、前記光カチ
オン重合開始剤が、下記一般式(I)および(II) :
【化5】 (但し、式(I)および(II) 中、R1 およびR7 は、
それぞれ互いに独立に、アルキル基、ベンジル基、並び
にアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルオ
キシ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリ
ールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、シアノ基、お
よびニトロ基から選ばれた少なくとも1員により置換さ
れたベンジル基から選ばれた1員を表し、R2 ,R3
4 ,R8,R9 およびR10は、それぞれ互いに独立
に、水素原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アシル
基、アルキルオキシカルボニル基、ハロゲン原子、シア
ノ基、およびニトロ基から選ばれた1員を表し、R5
6 ,R11およびR12は、それぞれ互いに独立に、水素
原子、アルキル基、およびアリール基から選ばれた1員
を表し、X- はSbF6 - ,AsF6 - ,PF6 - ,B
4 - 、およびClO4 - から選ばれた1員を表す。)
によって表される少なくとも1種のアミノスチリルキノ
リニウム塩化合物を含有することを特徴とするものであ
る。
【0010】
【作用】本発明の光硬化性組成物に可視レーザー光を照
射することにより、式(I)および/又は式(II) のア
ミノスチリルキノリニウム塩化合物からカチオン重合開
始種が生成し、この開始種が、カチオン重合可能な化合
物に重合を開始させ、これを硬化させることができる。
本発明に使用される一般式(I)および(II) のアミノ
スチリルキノリニウム塩化合物の例としては、次のよう
なものを挙げることができる。
【0011】
【化6】
【0012】
【化7】
【0013】
【化8】
【0014】
【化9】 これらの化合物は単独で用いられてもよく、あるいはそ
の2種以上を混合して用いてもよい。
【0015】一般式(I)および(II) のアミノスチリ
ルキノリニウム塩化合物は、例えば下記反応式:
【化10】 に示された経路に従って合成することができる。
【0016】上記反応式では、前記化合物 No.3、すな
わち4−(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ベンジ
ルキノリニウムヘキサフルオロアンチモネートの合成例
が示されている。さらに具体的に述べると、化合物 No.
3は、4−(p−ジメチルアミノスチリル)キノリン
と、これと等モルのベンジルブロミドとを、アセトニト
リル還流条件下に2日間反応させ、得られた反応生成物
の結晶をメタノール中において六フッ化アンチモン酸カ
リウムと反応させ、さらにこの反応生成物結晶をエタノ
ール−アセトニトリル混合溶媒より再結晶精製すること
により得られる。但し、本発明の光カチオン重合開始剤
の合成法はこれに限定されるものではない。
【0017】本発明の光硬化性組成物に使用されるカチ
オン重合可能な化合物としては、例えばプロピレンオキ
シド、シクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエ
ーテル、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−
3,4−(エポキシシクロヘキシル)カルボキシレー
ト、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペー
ト、4−ビニルシクロヘキセンジオキシド、1,13−
テトラデカジエンジオキシド、リモネンジオキシド、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、多価ア
ルコールのポリグリシジルエーテル等のエポキシ化合
物、n−ブチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエ
ーテル、シキロヘキシルビニルエーテル、イソブチルビ
ニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、アリ
ルビニルエーテル、エチニルビニルエーテル、フェニル
ビニルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテ
ル、ブタンジオールジビニルエーテル、トリエチレング
リコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジ
ビニルエーテル、1,4−ベンゼンジメタノールジビニ
ルエーテル、ヒドロキノンジビニルエーテル等のビニル
エーテル類、スチレン、α−メチルスチレン、p−クロ
ロメチルスチレン等のスチレン類、テトラヒドロフラ
ン、s−トリオキサン、3,3−ビスクロロメチルオキ
セタン等の環状エーテル化合物、1−フェニル−4−エ
チル−2,6,7−トリオキサビシクロ〔2,2,2〕
オクタン、1−エチル−4−ヒドロキシメチル−2,
6,7−トリオキサビシクロ〔2,2,2〕オクタン等
のビシクロオルトエステル化合物、1,4,6−トリオ
キサスピロ〔4,4〕ノナン、2−メチル−1,4,6
−トリオキサスピロ〔4,4〕ノナン、1,4,6−ト
リオキサスピロ〔4,5〕デカン等のスピロオルトエス
テル化合物、1,5,7,11−テトラオキサスピロ
〔5,5〕ウンデカン、3,9−ジベンジル−1,5,
7,11−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等
の環状カーボネート化合物、エチレンスルフィド、チオ
エピクロロヒドリン等のチイラン化合物、およびN−ビ
ニルカルバゾール誘導体等をあげることができる。これ
らは単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いて
もよい。
【0018】本発明の光硬化性組成物は、式(I)およ
び(II) の化合物とは異種の光カチオン重合開始剤を含
んでいてもよい。それらは例えば、特公昭52−142
77号公報、特開昭54−53181号公報、特公昭5
2−14278号公報、特公昭59−19581号公
報、特開平3−39747号公報、特開平2−2562
号公報、および特開平4−1203号公報等に記載され
た芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族
セレノニウム塩、および鉄−アレーン系化合物、特開平
2−43202号公報、および特開平4−327574
号公報等に記載されたピリジニウム塩など、並びに、芳
香族ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホン酸エス
テル類、ハロゲン化トリアジン化合物等から選ぶことが
できる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を混
合して用いてもよいが、その使用量はカチオン重合可能
な化合物の重量に対し、0.01〜20%であることが
好ましい。
【0019】本発明の光硬化性組成物には、硬化反応が
進行していることを示す指示薬として、ラクトン環を有
するロイコ染料が含まれていてもよい。本発明の光カチ
オン重合開始剤とラクトン環を有するロイコ染料との混
合物は、可視レーザー光照射により色が変化する。本発
明の光硬化性組成物に、ラクトン環を有するロイコ染料
を添加した場合は、この色の変化により、硬化反応の進
行を、目視で確認することができる。
【0020】本発明において、上記の目的に使用される
ラクトン環を有するロイコ染料は、トリフェニルメタン
系、フルオラン系、およびジフェニルメタン系化合物な
ど、例えば、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシ
フェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール
−3−イル)−4−アザフタリド、クリスタルバイオレ
ットラクトン、3−(N−エチル−N−イソペンチルア
ミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメ
チルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−p
−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルア
ミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチ
ルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メ
チル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−メチルフルオラン、および3−シクロヘキシルアミノ
−6−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−ヘキ
シルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリ
ノ)フルオラン等から選ぶことができる。これらは単独
で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい
が、この使用量は光カチオン重合開始剤重量に対し0.
001〜20%であることが好ましい。
【0021】本発明の光硬化性組成物は、本発明の目的
を阻害しない範囲内においてラジカル重合可能な化合物
をさらに含んでいてもよい。それらは、例えば、N−ビ
ニル−2−ピロリドン、ビスフェノールAジアクリレー
ト、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエ
チレングリコールアクリレート、ペンタエリスリトール
トリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
オリゴエステルアクリレート等から選ぶことができる。
これらは単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用
いてもよい。
【0022】本発明の光硬化性組成物は、その目的を阻
害しない範囲内において、芳香族ケトン化合物、硫黄化
合物、有機過酸化物、アゾ化合物および有機ハロゲン化
合物等のラジカル重合開始剤をさらに含んでいてもよ
い。
【0023】また本発明の光硬化性組成物は、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチ
ルセルロース、酸化澱粉、カゼイン等の水溶性接着剤、
ならびにスチレン−ブタジエン共重合体、アクリル系共
重合体、およびエチレン−酢酸ビニル系共重合体等の合
成高分子接着剤等をさらに含んでいてもよい。その使用
量は光硬化性組成物の重量に対し1〜50%であること
が好ましい。
【0024】本発明の光硬化性組成物は、クレー、炭酸
カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、二酸化チタ
ン、タルク、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カ
ルシウム、および有機顔料等の顔料をさらに含んでいて
もよい。その使用量は光硬化性組成物の重量に対し1〜
20%であることが好ましい。
【0025】本発明の光硬化性組成物は、その所望の効
果を損なわない限り、硬化促進剤、反応調整剤、濡れ
剤、被膜形成助剤、希釈溶媒等を含んでいてもよい。
【0026】本発明の光記録材料に用いられるシート状
基体としては、紙、不織布および布地のような多孔質基
体あるいは合成紙、高分子フィルム、金属箔等がある。
これらは単独あるいはこれら相互の積層体の形態で用い
てもよい。
【0027】シート状基体上に塗布する光硬化性組成物
を含む塗料被覆層の塗工量は、0.01〜50g/m2
(固形分)であることが好ましく、より好ましくは0.
1〜20g/m2 (固形分)である。塗料被覆層は、所
定の組成を有する塗工液を、常法にしたがってロールコ
ーター等でシート状基体上に塗布し、これを乾燥して形
成する。
【0028】本発明のシート状光記録材料は、次のよう
な原理で画像を形成する。記録シートに、画像情報に基
づいてレーザー光を照射すると、露光部分のみが硬化
し、溶剤やアルカリ性溶液等に不溶な硬化樹脂画像が形
成される。現像は、未露光部分を溶剤やアルカリ性溶液
等で溶出することにより行われる。
【0029】現像処理に用いる溶剤は、用いるカチオン
重合成モノマーの種類や、得られた硬化物の重合度等に
よって異なるが、メタノール、テトラヒドロフラン、メ
チルエチルケトン、トルエン、アセトン、メチルイソブ
チルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アクリロニトリ
ル、およびジメチルホルムアミド等から選ぶことができ
る。
【0030】本発明の光硬化性組成物に対するレーザー
光源としては、アルゴンレーザー、ヘリウム・カドミウ
ムレーザー、クリプトンレーザー、ヘリウム・ネオンレ
ーザー、半導体レーザー、ルビーレーザー等の可視光域
に発振波長を有するレーザー光源が使用可能である。ま
た赤外レーザーも非線形光学結晶を用いて波長変換する
ことにより使用可能である。
【0031】
【実施例】下記合成例および実施例により、本発明を具
体的に説明する。合成例1 4−(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ベンジルキ
ノリニウムヘキサフルオロアンチモネート(化合物 No.
3)の合成 4−(p−ジメチルアミノスチリル)キノリン(商標:
NK−1837、日本感光色素研究所製)100mgと、
ベンジルブロミド62mgとを、50℃に加熱したアセト
ニトリル15mlに溶解し、この混合物を48時間還流し
ながら反応させた。反応混合物からアセトニトリルを留
去した後、得られた反応生成物をメタノールに溶解し、
ヘキサフルオロアンチモン酸カリウム100mgを加え6
時間攪拌した。析出物を濾別して粗結晶を採取し、これ
をエタノール−アセトニトリル混合溶媒より再結晶して
精製した。収量は184mg(収率84%)であった。
【0032】合成例2 4−(p−ジメチルアミノスチリル)−1−(p−オク
チルベンジル)キノリニウムヘキサフルオロアンチモネ
ート(化合物 No.5)の合成 4−(p−ジメチルアミノスチリル)キノリン(商標:
NK−1837、日本感光色素研究所製)200mgと、
p−オクチルベンジルブロミド(製法:p−オクチル安
息香酸クロリドを、水素化アルミニウムリチウムを用い
て還元した後、三臭化りんでブロム化して合成した。)
206mgとを、50度に加熱したアセトニトリル30ml
に溶解し、これを72時間還流しながら反応させた。反
応混合物からアセトニトリルを留去後、反応生成物をメ
タノールに溶解し、これにヘキサフルオロアンチモン酸
カリウム200mgを加え6時間攪拌した。析出物を濾別
して粗結晶を採取した。これをエタノール−アセトニト
リル混合溶媒より再結晶して精製した。収量は364mg
(収率70%)であった。
【0033】実施例1 前記化合物 No.3を重合開始剤とするシクロヘキセンオ
キシドの重合 前記化合物 No.3を光カチオン重合開始剤として用い
て、シクロヘキセンオキシドの重合を行った。化合物 N
o.3の添加量はシクロヘキセンオキシドに対して0.1
モル%とした。この反応混合物に、脱気封管中、室温、
バルク条件下、アルゴンレーザー光源を用いて、波長5
14.5nm、出力100mWのレーザー光を10分間照射
した。レーザー光照射後のシクロヘキセンオキシドのポ
リマーへの転化率を、1H−NMRを用いて測定した。
また、サンプルの硬化の有無を目視で評価した。結果を
表1に示す。
【0034】実施例2 前記化合物 No.5を重合開始剤とするシクロヘキセンオ
キシドの重合 実施例1と同様の操作を行った。但し、化合物 No.3の
代わりに、化合物 No.5を用いた。結果を表1に示す。
【0035】実施例3 前記化合物 No.7を重合開始剤とするシクロヘキセンオ
キシドの重合 実施例1と同様の操作を行った。但し、化合物 No.3の
代わりに、前記化合物No.7を用いた。結果を表1に示
す。
【0036】実施例4 前記化合物 No.8を重合開始剤とするシクロヘキセンオ
キシドの重合 実施例1と同様の操作を行った。但し、化合物 No.3の
代わりに、前記化合物No.8を用いた。結果を表1に示
す。
【0037】比較例1 1−ベンジルキノリニウムヘキサフルオロアンチモネー
トを重合開始剤とするシクロヘキセンオキシドの重合 実施例1と同様の操作を行った。但し、化合物 No.3の
代わりに、紫外光用カチオン重合開始剤として既知の1
−ベンジルキノリニウムヘキサフルオロアンチモネート
を用いた。結果を表1に示す。
【0038】比較例2 1−ベンジルピリジニウムヘキサフルオロアンチモネー
トを重合開始剤とするシクロヘキセンオキシドの重合 実施例1と同様の操作を行った。但し、化合物 No.3の
代わりに、紫外光用カチオン重合開始剤として既知の1
−ベンジルピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート
を用いた。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】実施例5 前記化合物 No.5を用いたシート状光記録材料の製造と
画像形成 前記化合物 No.5, 1重量部、Rapi-Cure DEV-3 (IS
P社製、ビニルエーテル誘導体)1000重量部、およ
びアクリル系共重合体接着剤コーポニール4025(日
本合成化学工業社製)100重量部をアセトンに溶解
し、塗工液を調製した。この塗工液を、ポリオレフィン
系合成紙(商標:ユポFPG−110、王子油化合成紙
社製、厚さ110μm)上に、ロールコーターを用い
て、乾燥塗布量が5g/m2 になるように塗布し、10
0℃で2分間乾燥した。このようにして得たシート状光
記録材料の塗料被覆層表面に、アルゴンレーザー光源か
らのレーザー光線を、所定画像のパターンにしたがって
照射し、アセトンで未照射部を溶出した。この際の記録
画像の形成状態を目視により評価した。結果を表2に示
す。
【0041】実施例6 化合物 No.8を用いたシート状光記録材料の製造と画像
形成 実施例5と同様の操作を行った。但し、化合物 No.5の
代わりに、前記化合物No.8を用いた。結果を表2に示
す。
【0042】比較例3 1−ベンジルキノリニウムヘキサフルオロアンチモネー
トを用いたシート状光記録材料の製造と画像形成 実施例5と同様の操作を行った。但し、化合物 No.5の
代わりに、紫外光用カチオン重合開始剤として既知の1
−ベンジルキノリニウムヘキサフルオロアンチモネート
を用いた。結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】表1より明らかなように、本発明の特定の
光カチオン重合開始剤を含む光硬化性組成物は、可視レ
ーザー光照射によりポリマー化し硬化物となった。これ
に対して、比較例において、紫外光用カチオン重合開始
剤を用いた組成物は、これに可視レーザー光を照射して
も全く硬化しなかった。
【0045】また、表2から明らかなように、本発明の
シート状光記録材料は、可視レーザー光照射により良好
な画像を形成した。これに対して、比較例において、紫
外光用カチオン重合開始剤を用いた場合は、可視レーザ
ー光を照射しても、全く画像を形成することができなか
った。
【0046】
【発明の効果】本発明の光硬化性組成物は、光カチオン
重合開始剤として、特定のアミノスチリルキノリニウム
塩を含むため、可視レーザー光照射により速やかに硬化
する。また、本発明の光硬化性組成物を含む塗料被覆層
を設けたシート状光記録材料は、可視レーザー光照射に
より、良好な記録画像を与えすぐれた実用性を有してい
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/038 G11B 7/24 516 7215−5D (72)発明者 細田 幸男 東京都江東区東雲1丁目10番6号 王子製 紙株式会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン重合可能な化合物と、光カチオ
    ン重合開始剤とを主要成分として含み、前記光カチオン
    重合開始剤が、下記一般式(I)および(II) : 【化1】 (但し、式(I)および(II) 中、R1 およびR7 は、
    それぞれ互いに独立に、アルキル基、ベンジル基、並び
    にアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルオ
    キシ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリ
    ールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、シアノ基、お
    よびニトロ基から選ばれた少なくとも1員により置換さ
    れたベンジル基から選ばれた1員を表し、R2 ,R3
    4 ,R8,R9 およびR10は、それぞれ互いに独立
    に、水素原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アシル
    基、アルキルオキシカルボニル基、ハロゲン原子、シア
    ノ基、およびニトロ基から選ばれた1員を表し、R5
    6 ,R11およびR12は、それぞれ互いに独立に、水素
    原子、アルキル基、およびアリール基から選ばれた1員
    を表し、X- はSbF6 - ,AsF6 - ,PF6 - ,B
    4 - 、およびClO4 - から選ばれた1員を表す。)
    によって表される少なくとも1種のアミノスチリルキノ
    リニウム塩化合物を含有することを特徴とする光硬化性
    組成物。
  2. 【請求項2】 シート状基体と、その少なくとも一面上
    に形成され、かつカチオン重合可能な化合物、および光
    カチオン重合開始剤を主要成分として含む塗料被覆層と
    を有し、前記光カチオン重合開始剤が、下記一般式
    (I)および(II) : 【化2】 (但し、式(I)および(II) 中、R1 およびR7 は、
    それぞれ互いに独立に、アルキル基、ベンジル基、並び
    にアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルオ
    キシ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリ
    ールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、シアノ基、お
    よびニトロ基から選ばれた少なくとも1員により置換さ
    れたベンジル基から選ばれた1員を表し、R2 ,R3
    4 ,R8,R9 およびR10は、それぞれ互いに独立
    に、水素原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アシル
    基、アルキルオキシカルボニル基、ハロゲン原子、シア
    ノ基、およびニトロ基から選ばれた1員を表し、R5
    6 ,R11およびR12は、それぞれ互いに独立に、水素
    原子、アルキル基、およびアリール基から選ばれた1員
    を表し、X- はSbF6 - ,AsF6 - ,PF6 - ,B
    4 - 、およびClO4 - から選ばれた1員を表す。)
    によって表される少なくとも1種のアミノスチリルキノ
    リニウム塩化合物を含有することを特徴とするシート状
    光記録材料。
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