JPH0743863U - パレツト搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カプセル入り製品の製造に用いるパレット搬
送装置を改良する。 【構成】 ワークを載せたパレットを無端軌道に沿って
循環移動するコンベヤで所定区間搬送するパレット搬送
装置において、パレットがワークを載せている搬送区間
ではパレットがコンベヤに係合した状態とし、パレット
がワークを載せていない戻り区間ではパレットがコンベ
ヤに非係合となった状態にする着脱手段を設けると共
に、前記戻り区間ではコンベヤよりも速い速度でパレッ
トを送り返す高速返送手段を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ワークを載せたパレットを搬送するためのパレット搬送装置に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、化粧品、食料品等をカプセル容器に少量パックした製品を製造するに 際しては、パレットの上に載置したカプセル容器をコンベヤで所定方向に搬送し ながら被充填物の充填、蓋フィルムの装着等を行っている。従来は、前記カプセ ル搬送用のパレットがコンベヤに固定されており、作業中は取り外せないように なっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このため、戻し側でもコンベヤに空パレットを取り付けたままとなり、多数の パレットが必要になると共に、ワークであるカプセル容器の搬送に関与しないパ レットも移動させなければならず余計な動力が必要であるという問題があった。 また、コンベヤにパレットが取り付けられたままであると、パレットを交換する のが容易でないという問題もあった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案は次のように構成した。すなわち、本考案 にかかるパレット搬送装置は、ワークを載せたパレットを無端軌道に沿って循環 移動するコンベヤで所定区間搬送するパレット搬送装置において、パレットがワ ークを載せている搬送区間ではパレットがコンベヤに係合した状態とし、パレッ トがワークを載せていない戻り区間ではパレットがコンベヤに非係合となった状 態にする着脱手段を設けると共に、前記戻り区間ではコンベヤよりも速い速度で パレットを送り返す高速返送手段を設けたことを特徴としている。

【０００５】

【作用】

パレットがワークを載せている実搬送区間ではコンベヤにパレットが係合して おり、パレットがワークを載せていない戻り区間ではパレットがコンベヤから外 される。そして、このコンベヤからパレットが外された戻り区間を、コンベヤよ りも搬送速度の速い高速返送手段によってパレットを送り返して再使用する。こ のため、使用するパレットの必要数が減少すると共に、コンベヤを駆動するため の動力を小さくすることができる。また、コンベヤからパレットを適宜外すこと ができるので、パレット交換等の作業が容易に行える。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の１例として、プラスチックカプセル１に被充填物として化粧用 パウダー２を充填し、これにアルミフィルム製の蓋材３を装着してシールしたカ プセル入り製品４（図９参照）の製造ラインにおいて使用するパレット搬送装置 について説明する。

【０００７】 このパレット搬送装置１０は、図１および図２に示す構成であって、パレット ６０を製造ライン方向に搬送するラインコンベヤ３４と、パレット６０を製造ラ イン方向とは逆向きに返送する高速返送手段としてのフリーフローコンベヤ７４ とを備えている。

【０００８】 ラインコンベヤ３４は、無限軌道に沿って所定方向に移動する左右一対の搬送 チエン７０，７０に複数のパレット台７１，…が一定ピッチｐで架け渡されてお り、該パレット台の上に係合状態に取り付けたパレット６０を前記ピッチｐづつ 図１におけるＢ方向に間欠的に移動させるようになっている。パレット台７１と パレット６０の係合方法は、パレット台７１に突設した左右一対のピン７２，７ ２をパレット６０に設けた後記ピン挿入部６６，６６に嵌合させるようにしてい る。

【０００９】 フリーフローコンベヤ７４は、ラインコンベヤ３４の下方に設けられており、 該ラインコンベヤよりも連続的に高速（例えば２倍）で逆向き（矢印Ｃ方向）に 移動するようになっている。フリーフローコンベヤ７４としてはローラコンベヤ 等が適している。

【００１０】 また、パレット台７１にパレット６０を着脱する着脱手段として、離脱シリン ダ７５、移載シリンダ７６および取付シリンダ７７が設けられている。ラインコ ンベヤ３４の終端部へ搬送されたパレット６０は、離脱シリンダ７５に押し出さ れてパレット台７１から離脱される。この離脱されたパレット６０を移載シリン ダ７６が下側から保持し、そのまま該移載シリンダが収縮することにより当該パ レット６０がフリーフローコンベヤ７４の上に移し替えられる。フリーフローコ ンベヤ７４によって製造ラインコンベヤ３４の始端部まで戻されたパレット６０ は、取付シリンダ７７によって押し上げられ、再度パレット台７１に取り付けら れる。

【００１１】 このように、製造ラインの実搬送区間はラインコンベヤ３４によってを所定速 度でパレット６０を搬送し、戻し区間はラインコンベヤ３４よりも高速なフリー フローコンベヤ７４によって送り返すようになっているので、必要なパレット数 を少なくすることができる。また。フリーフローコンベヤ７４をローラコンベヤ とした場合、パレットはローラコンベヤの上に載っているだけであるので、パレ ットの交換が容易である。

【００１２】 ワークであるカプセルを載せるパレット６０は、例えば図３および図４に示す 形状をしている。すなわち、平面視で長方形をしており、その上面部に複数のカ プセル保持部６１，…が碁盤目状（ヨコ１０×タテ５）に整列させて配されてい る。カプセル保持部６１には、カプセル１がちょうど嵌合する形状をしたブッシ ュ６２がスプリング６３によって下から弾性的に支持された状態で内装されてい る。このブッシュ６２の中心部には、上下に貫通する押上ピン孔６５が設けられ ている。常時は、ブッシュ６２にカプセル１を嵌め込んだ場合、カプセル１の上 部がパレット６０の上面よりも若干突出する状態となる。また、パレット６０の 左右端部には、前記パレット台７１にパレットを取り付けるための下方に開口す るピン挿入部６６，６６が形成されているとともに、これと同位置に上方に突出 する位置決めピン６７，６７が設けられている。さらに、少なくともいずれかの 側面部には、カプセル保持部６１，…の位置に対応させて凸状の側面マーク６８ ，…が形成されている。

【００１３】 図５は上記パレット搬送装置が使用されるカプセル入り製品の製造ラインの平 面図であって、この製造ライン３０は、本考案のパレット搬送装置１０のライン コンベヤ３４に沿って、空カプセル整列台３５、空カプセル移載装置３６、空カ プセルクリーニング装置３８、パウダー充填装置３９、充填チェック装置４０、 フィルム繰出装置４２、フィルムダイカット装置４３、フィルム移載装置４４、 熱シール装置４６、フィルム分離装置４７、カプセル入り製品取出装置５４等が 設けられている。

【００１４】 空カプセル整列台３５では、ラインコンベヤ３４上のカプセル搬送用パレット ６０に空カプセルを供給するための準備作業として、図６および図７に示す補助 パレットに空カプセルをセットする。補助パレット８０は、カプセル搬送用パレ ット６０と同じ配置でカプセル保持部８１，…が設けられており、これら各カプ セル保持部８１，…に１個づつカプセル１を人手で嵌合させる。

【００１５】 空カプセル整列台３５の手前側左端部にはカプセルをセットした補助パレット ８０を後方に押し出す第１の押出具８３が設けられ、また、左端面の後方部に後 記空カプセル移載装置４１にカプセルが移載された後の補助パレット８０を右方 に押し出す第２の押出具８４が設けられている。これら両押出具８３，８４は空 カプセル移載装置３６と連係して動作するようになっており、それに合わせて、 第１の押出具８３による押出位置へのカプセルをセットした補助パレット８０の 供給と、第２の押出具８４によって押し出されたカプセル移載後の補助パレット ８０の回収とを行う。

【００１６】 空カプセル移載装置３６は、補助パレット８０に整列状態で保持されている空 カプセル１，…を製造コンベヤ３４上のカプセル搬送用パレット６０に移し替え る装置であり、１０×５個の空カプセルを吸引保持することのできる吸引ヘッド ９０を備え、該吸引ヘッドを上下動および水平動させ、前記空カプセル整列台３ ５で補助パレット８０の空カプセル１，…をラインコンベヤ３４の始端部に位置 するカプセル搬送用パレット６０に移し替える。

【００１７】 空カプセルクリーニング装置３８は、空カプセル移載装置３６によってパレッ ト６０に移載された空カプセル１に上方からノズル９５，…でエアを吹きつけて 、空カプセル１の凹部１２に付着しているゴミ、毛髪、粉塵等の異物を除去する 。除去された異物はノズル９５，…の近傍に設置した吸引装置９６に吸引される 。

【００１８】 パウダー充填装置３９は、パウダーを貯蔵するホッパ１０５と、該ホッパ内の パウダーを一定量づつ計量保持する複数の計量穴１０１，…が形成された計量板 １００と、該計量穴に保持されているパウダーを下方に排出させる充填ピンユニ ット１１１等を備え、所定位置に搬送されてきた各カプセル１，…内にパウダー を一定量づつ充填する。

【００１９】 充填チェック装置４０は、前記パレット６０の側面マーク６８を光電スイッチ １２０，…で検出し、そのタイミングに基づいて別の光電スイッチ１２１でカプ セル１内のパウダーの有無もしくはパウダーの過不足を検出する。

【００２０】 フィルム繰出装置４２は蓋材用フィルムを順次供給する装置で、該フィルム供 給装置から一定長さづつ繰り出されるフィルム１３１にフィルムダイカット装置 ４３が所定の処理を施す。処理後のフィルム１３１´は、図８に示す如く、蓋材 形状のミシン目１４０と円形の位置合わせ穴１４１が形成され、切断線１４２に 沿って１パレット分ごとに切断されている。

【００２１】 フィルム移載装置４４は、１パレット分づつ各葉に分離されたダイカットフィ ルム１３１´を移載ヘッド１５０が吸引保持し、これをラインコンベヤ３４の上 まで移送し、パレット６０に保持されているカプセル１，…の上に載置するよう になっている。

【００２２】 熱シール装置４６は、下面部が高温に保たれたシールヘッド１６０を備え、該 シールヘッドをダイカットフィルム１３１´の上からカプセル１に押し付けるこ とにより、フィルムの裏面に塗布されている熱融解性の接着剤を融解させ、カプ セル１，…とダイカットフィルム１３１´の蓋部分１３１ａ，…を接着する。な お、この工程では、アルミフィルムは蓋部分１３１ａ，…とスクラップ部分１３ １ｂに分離されておらず、１枚のシート状になったままである。

【００２３】 フィルム分離装置４７は、カプセルに装着されたダイカットフィルム１３１´ を蓋材部分１３１ａ…とスクラップ部分１３１ｂ（図８参照）に分離し、分離さ れたスクラップ部分１３１ｂをコンベヤ３４の側方に設置したスクラップ保持台 （図示省略）に回収させる。

【００２４】 カプセル入り製品取出装置５４は、カプセル搬送用パレット６０からカプセル 入り製品４，…を取り出し、これを移載ヘッド２４０のサクションカップ（図示 省略）が吸引保持して次工程、例えば包装工程のコンベヤ上に位置しているケー ス内に移し替える。

【００２５】

【考案の効果】

以上に説明した如く、本考案にかかるパレット搬送装置は、パレットの必要数 を減少させると共に、コンベヤを駆動するための動力を小さくすることができ、 さらにパレット交換等の作業が容易に行えるようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】パレット搬送装置の側面図である。

【図２】図１におけるＡ−Ａ断面図である。

【図３】カプセル搬送用パレットの平面図である。

【図４】カプセル搬送用パレットの一部断面側面図であ
る。

【図５】カプセル入り製品製造ラインの全体平面図であ
る。

【図６】補助パレットの平面図である。

【図７】補助パレットの一部断面側面図である。

【図８】フィルムのダイカット方法の説明図である。

【図９】カプセル入り製品の説明図である。

【符号の説明】

４ カプセル入り製品（ワーク） １０ パレット搬送装置 ３０ カプセル入り製品製造ライン ３４ ラインコンベヤ ７４ フリーフローコンベヤ（高速返送手段） ６０ パレット ７５ 離脱シリンダ（着脱手段） ７６ 移載シリンダ（着脱手段） ７７ 取付シリンダ（着脱手段）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワークを載せたパレットを無端軌道に沿
   って循環移動するコンベヤで所定区間搬送するパレット
   搬送装置において、パレットがワークを載せている搬送
   区間ではパレットがコンベヤに係合した状態とし、パレ
   ットがワークを載せていない戻り区間ではパレットがコ
   ンベヤに非係合となった状態にする着脱手段を設けると
   共に、前記戻り区間ではコンベヤよりも速い速度でパレ
   ットを送り返す高速返送手段を設けたことを特徴とする
   パレット搬送装置。