JPH0742793Y2 - 筆記具のキャップ装着構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 小管式筆記具、ボールペン等のペン先を先端突出する本
体にキャップを圧嵌合にて装着するようにした筆記具の
キャップ装着構造に関する。

（従来の技術） 本体に対するキャップ装着の仕方としては、螺合による
ものと圧嵌合によるものとがある。圧嵌合によるもの
は、圧入力により嵌合する圧入嵌合によるものとか、キ
ャップ・本体双方が凹凸的に嵌合するようにした凹凸嵌
合によるものとかがある。この圧嵌合によるものは、キ
ャップを装着方向に押したり引いたりすることでキャッ
プを着脱できるという操作の簡便性があり、また、合成
樹脂射出成形品として量産容易であることから最近多用
されている。

しかし反面、螺合によるものに比べて、キャップ、本体
の寸法ばらつきによって装着力が大きくばらついたもの
になり易いという欠点があり、弾力性を発揮する材質を
選択することで、この欠点が顕在化することを抑制して
いる。

（考案が解決しようとする課題） 前述した欠点は、弾力性を発揮できる材質をキャップ
側、本体側の両方に選択できれば、確かに都合がよいの
であるが、時として、他の問題を生じる。その一つが、
ペン先の固定が不十分になってしまうことであり、本体
側のペン先を先端突出する部材、例えば、チップホルダ
ーとか前軸とかの材質として、弾力性を十分に発揮でき
るものを選択すると、ペン先の固定にもこの弾力性が発
揮されてしまい、書き味をソフトなものとする上では都
合がよいとは言え、えてして弾力性が強くなりすぎ、ペ
ン先固定そのものが不安定になってしまい、例えば、プ
ロッターなどの機械に取付けて使用する場合など、筆跡
を乱す原因にもなってしまう。

（課題を解決するための手段） 本考案は、ペン先を先端突出する本体にキャップを圧嵌
合にて装着するようにした筆記具のキャップ装着構造に
おいて、本体における一部材にペン先取付部とキャップ
嵌合部とを設け、また、この部材のこれら両部間に、ペ
ン先取付とキャップ装着とを独立にする凹陥部を設けて
なる筆記具のキャップ装着構造を要旨とする。

（実施例） 添付第１図に第１実施例を示す。参照符号Ａが本体、同
Ｂがキャップを示す。本例の本体Ａは小管式筆記具の一
例であり、即ち、本体Ａは、軸筒１の先端にチップホル
ダー２を圧入固定しており、このチップホルダー２の先
端に金属、セラミックなどよりなる小管３を突出してお
り、この小管３内に針体４がその後端を錘り５によって
固定されて遊挿されている。尚、参照符号６は縦断面櫛
歯状となる一時的インキ溜め溝を有する一般にジャバラ
と称されている一時的インキ溜め部材を示し、また、同
６は軸筒１とチップホルダー２との隙間として形成され
た空気通路である。

また、チップホルダー２はキャップＢ装着用の環状凹部
2aと凹陥部2bとを有している。即ち、本例において、キ
ャップとの装着に使用される部材はこのチップホルダー
２となっており、凹陥部2bは、環状凹部2aを形成する肉
部を薄いものとすることで材質的弾力性を発揮させ、ま
た、ペン先３はこの弾力性の発揮とは無関係に固定され
ている。

一方、キャップＢには内孔７の壁面に適宜数の凸部7aが
形成してある。図の状態で、この凸部7aはチップホルダ
ー２の環状凹部2aに嵌合している。即ち、本例のもの
は、圧嵌合するものとして、凹凸嵌合によるものの一例
を示している。

前述したことに基づき、本例のものにおいては、チップ
ホルダー２が小管３を確実に固定していることが望まれ
る。そこで、チップホルダー２の材質としては比較的硬
質のものを選択する。これに対し、キャップＢの材質と
しては、相対的に軟質のものを選択する。ここで、凹陥
部2bによる弾力性発揮、また、キャップＢの形状による
弾力性発揮との関係で、ナイロン、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリアセタール、ポリカーボネート、AS樹
脂、ABS樹脂など適宜のものを選択すればよいが、具体
的一例を挙げると、チップホルダー２としてポリアセタ
ール、キャップＢとしてポリプロピレンをそれぞれ選択
すると、図示のもののようにペン先３の先端をシールし
ない場合でも、キャップＢの壁内を通ってのインキの透
過減量なども十分に抑制できて好ましい。尚、参照符号
Ｃは、「パチン」という快音を発するためや密閉性確保
のためなどの理由で設けた、本体ＡとキャップＢとの当
接部である。

次に第２図に第２実施例を示す。

本例のものにおいては、チップホルダー２の環状凹部2a
形成肉部をペン先３の固定用肉部より前方に突出させて
いる。キャップＢ装着時の環状凹部2a部における弾力性
をより発揮できるようにしたものである。手に把持して
使用する一般的な筆記具の場合には、本例のようなペン
先３を目視し難くすることは好まれないにしても、プロ
ッターなどの機器に取付けて使用するような場合なら
ば、目視しての筆記は必要ないので、弾力性の発揮を優
先的に考慮できる。

次に第３図に第３実施例を示す。

本例のものにおいては、環状凹部2aをチップホルダー２
の凹陥部2b内壁面に形成してある。キャップＢが環状凹
部2a形成肉部に対して外側に向かう拡開力を加えるよう
に装着されるようにしたものである。

図示はしないが、以上の外にも種々なせる。例えば、キ
ャップＢとして、外キャップと内キャップとの複部材か
らなるものとし、凸部7aを内キャップに形成するように
なすこともできるし、チップホルダー２をキャップ装着
用の部材とするのではなく軸筒１先端部をキャップ装着
用に利用することもできるし、凹陥部2bの形状も環状に
窪むよう形成したり、適宜複数のものとして形成したり
することもできるし、ペン先の種類も小管式筆記具のも
のとするのではなく、例えば、筒状の金属チップを使用
したボールペン体としたり、合成樹脂押出成形物製ペン
先材を硬質管状チップに固定したものを使用したりする
こともできるし、また、筆記具のタイプとしてもインキ
吸蔵体を内蔵する一般に中綿式筆記具と称されるものと
することもできるし、ペン先３の先端をシールする密閉
用部材として、例えば、球状の部材を使用することもで
きる。圧嵌合するものとして凹凸嵌合以外の、例えば圧
入嵌合するものとすることもできる。

（考案の効果） 本体における一部材にペン先取付部とキャップ嵌合部と
を設け、また、この部材のこれら両部間に、ペン先取付
とキャップ装着とを独立にする凹陥部を設けたので、一
つの部材を使用しながら、ペン先の固定を確実にしつつ
キャップ装着も確実にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例を示す要部縦断面図、第２
図は第２実施例を示す要部縦断面図、第３図は第３実施
例を示す要部縦断面図。 Ａ……本体、Ｂ……キャップ、Ｃ……本体とキャップと
の当接部、１……軸筒、２……チップホルダー、2a……
環状凹部、2b……凹陥部、３……ペン先、４……錘り、
５……一時的インキ溜め部材、６……空気通路、７……
キャップの内孔、7a……凸部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ペン先を先端突出する本体にキャップを圧
   嵌合にて装着するようにした筆記具のキャップ装着構造
   において、本体における一部材にペン先取付部とキャッ
   プ嵌合部とを設け、また、この部材のこれら両部間に、
   ペン先取付とキャップ装着とを独立にする凹陥部を設け
   てなる筆記具のキャップ装着構造。