JPH0742563A

JPH0742563A - ガスエンジンの燃焼室

Info

Publication number: JPH0742563A
Application number: JP20903193A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Matsuoka; 寛松岡
Original assignee: Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
Current assignee: Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
Priority date: 1993-07-30
Filing date: 1993-07-30
Publication date: 1995-02-10

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】ガス燃料を使用する副燃焼室を備えたエンジン
において、混合燃焼ガスが速やかに主燃焼室に移行する
とともに、構造も小形にできるガスエンジンの燃焼室を
提供する。【構成】圧縮行程の後半に副燃焼室２１の出口２６に燃
料ガス室３１の噴出孔３２を挿入して燃料ガス室３１か
ら燃焼ガスを副燃焼室２１に噴出し、続いて副燃焼室２
１の燃焼ガスを連通孔２３を通して主燃焼室２２の外周
域に噴出する。主燃焼室２２内の燃焼はこの外周から起
こり、燃焼ガスは主燃焼室２２の中心に集まる。燃焼時
間が短くなって、エンジンの燃焼効率を高める。そし
て、副燃焼室２１がピストン２内に設けられているた
め、シリンダヘッド３の構造が簡単になり、エンジンの
設計の自由度が増大する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はエンジンの燃焼室の構造
に関し、特にガスを燃料とするディーゼルエンジンの燃
焼室の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】車両の原動機である内燃機関の燃料に
は、ガソリンなどの化石燃料が多く使用される。また高
圧のガス燃料も内燃機関の燃料として一部で使用されて
いる。最近、小規模な発電単位、たとえば都市ビル単位
の発電設備用ディーゼルエンジンの燃料に高圧のガス燃
料が使用され始めた。ガス燃料は、エンジンの燃焼室内
に噴射されたとき、空気との混合が悪く自己着火が困難
な場合がある。このような不都合を改善するため、エン
ジンのシリンダ内の主燃焼室に続く副燃焼室を設け、該
副燃焼室にガス燃料を噴射する副燃焼室方式のガス燃料
エンジンも開発され、たとえば特開昭６２−１９１６３
２号公報に示されている。上記従来例では、副燃焼室内
に予め封じ込めた低圧ガスにスパークプラグの火花で着
火させ、燃焼ガスを主燃焼室へ噴射させる構造となって
いる。このような従来のエンジンでは副燃焼室において
混合燃焼したガスが主燃焼室へ噴出する際、円滑に該混
合燃焼ガスが主燃焼室に移行できず、良好な燃焼が行わ
れないという不都合が生じる。この他、副燃焼室がシリ
ンダヘッドの上端に位置するので、エンジンが大型化す
るとともに、設計の自由度も減少する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な従来の不都合を解消しようとするものであり、その目
的は、ガス燃料を使用する副燃焼室を備えたエンジンに
おいて、混合燃焼ガスが速やかに主燃焼室に移行すると
ともに、構造も小形にできるガスエンジンの燃焼室を提
供しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記のような本発明の目
的を達成するために、本発明は、主燃焼室と連通する副
燃焼室を具備し、これらとは別に設けた燃料ガス室から
副燃焼室にガス燃料を流入させるエンジンにおいて、シ
リンダの上部に設けられ、該シリンダ内に突出する噴出
孔を有し、内部に供給されたガス燃料を該噴出孔からシ
リンダ内に噴出する燃料ガス室と、該燃料ガス室の噴出
孔を開閉する制御弁と、シリンダ内を上下移動するピス
トンの頭部に窪み状に設けられ、該窪み状部分からシリ
ンダの外周近傍に連通する複数の連通孔を有し、ピスト
ンの上死点近傍において燃料ガス室の噴出孔が嵌合する
出口を有する副燃焼室と、を具備することを特徴とする
ガスエンジンの燃焼室を提供する。

【０００５】

【作用】圧縮行程の後半に副燃焼室の出口に燃料ガス室
の噴出孔を挿入して燃料ガス室から燃焼ガスを副燃焼室
に噴出し、続いて副燃焼室の燃焼ガスを連通孔を通して
主燃焼室の外周域に噴出する。主燃焼室内の燃焼はこの
外周から起こり、燃焼ガスは主燃焼室の中心に集まる。

【０００６】

【実施例】図１は本発明にかかるガスエンジンの燃焼室
の一実施例を示す主要部分の構成図であり、同図におい
て１はシリンダである。該シリンダ１の内側にはピスト
ン２が上下動自在に配置されている。該ピストン２の上
面の中央は大きく凹まされて副燃焼室２１が形成されて
いる。図１はピストンが最上端に位置した状態で示され
ており、ピストン２の上面には主燃焼室２２が形成され
ている。主燃焼室２２と副燃焼室２１との間には、ピス
トン２の本体を刳り抜いて形成された複数本の連通孔２
３で結合されている。２４はピストンリング、２５はコ
ンロッドである。

【０００７】シリンダ１の上端に位置するシリンダヘッ
ド３には、燃焼ガス室３１が設けられている。この燃料
ガス室３１は、例えば高強度で耐熱性のあるセラミック
スからなり、その底部には副燃焼室２１にまで延びる噴
出孔３２が形成されている。そしてピストン２が上死点
近傍にあるとき、該噴出孔３２の外周は副燃焼室２１の
出口２６と僅かな隙間２７をもって該副燃焼室２１内に
挿入される。

【０００８】４は前記噴出孔３２の開閉を制御する制御
弁で、噴出孔３２の下方に設けられた弁座３３に下方か
ら密接接触して燃料ガス室３１を閉鎖する。制御弁４の
ステム４３は燃料ガス室３１の上壁部３４のバルブガイ
ド３５により軸支され、ステム４３は上部プレート４４
を押上げるスプリング４５によってバイアスされてい
る。

【０００９】５は燃料ガス室３１の上方の側部に取付け
られたガス燃料弁で、ガス供給管５３から燃料ガス室３
１へのガス燃料の供給口５４の開閉を行ってガス流を制
御するものであり、そのステム５１の上端を押上げる弁
スプリング５２により常時は供給口５４を閉鎖するよう
に構成されている。５５は燃料ガスの流量を制御する制
御弁である。

【００１０】図１には示されてはいないが、シリンダヘ
ッド３の上部には、それぞれ制御弁４とガス燃料弁５
を、後に述べるタイミングで開閉させるカム機構が設け
られている。また、これら弁を開閉する駆動機構はカム
でなくともよく、電磁力で駆動される電磁駆動弁機構で
も良い。

【００１１】図１には示されてはいないが、シリンダヘ
ッド３には通常の吸気孔と吸気弁、排気孔と排気弁が設
けられ、これら２つの弁を駆動するカム機構が設けられ
ている。

【００１２】次に、図１および図２を用いて本発明の実
施例動作を説明する。図１には示されていない排気弁が
開き、ピストン４が下死点から上昇を始める排気行程か
ら動作の説明を始める。この状態では、ガス燃料弁５は
閉じ、制御弁４は開いた状態にある。ピストン２が上昇
してシリンダ１内の燃焼ガスがエンジンの外部に排気さ
れると、図１には示されていない排気弁が閉じ、吸気弁
が開く。ピストン２が上死点から降下を始めると吸気孔
から新気がシリンダ１内に吸入される。吸入の途中で制
御弁４が閉まり、シリンダ内の燃焼室と燃料ガス室３１
との流通が遮断される。その後すぐにガス燃料弁５が開
き、ガス供給管５３から燃料ガス室５３にガス燃料が供
給される。なおこのガス燃料の供給量は、エンジンの負
荷状態により制御弁５５で調整される。所定量のガス燃
料が供給され、吸気行程が終了すると、吸気弁が閉じガ
ス燃料弁５も閉まる。

【００１３】ピストンが下死点位置から上昇を始める
と、シリンダ内の空気は圧縮され始める。そしてピスト
ン２が上死点に近づくとピストン２の上部に設けられた
副燃焼室２１の出口２６内が燃料ガス室３１の噴出孔３
２の外周にはまり込む。このタイミングに前後して、制
御弁４が開く。そしてシリンダ内で圧縮された空気が燃
料ガス室３１に流入してここで混合気が生成され、燃料
ガス室３１内の温度が着火点に達すると、該燃料ガス室
３１内では燃料リッチな状態で燃焼が始まる。

【００１４】燃料ガス室内の混合気は噴出孔３２から副
燃焼室２１内に噴出流入されて、混合気生成が起こる。
ここで混合・燃焼したガスは副燃焼室２１から連通孔２
３を通って主燃焼室２２のシリンダに近い外周部に噴出
される。このため、主燃焼室２２では燃焼が一気に起こ
る。そしてピストンはこの燃焼により下方に押し下げら
れ、副燃焼室の出口２６は燃料ガス室３１の噴出孔３２
から離れる。このとき副燃焼室２１内に残留するガスが
出口２６から主燃焼室２２の中心部に噴出され主燃焼室
内の燃焼は一気に進行して短時間の内に終了する。ピス
トンが下死点に到達すると、次のサイクルの排気行程に
移る。

【００１５】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、ピストン側に設けた副燃焼室内で燃料リッチな状
態で燃焼を開始させるので、低ＮＯｘ化が図れる。そし
て燃焼の初期に上記副燃焼室から連通孔を通って噴出さ
れるガスは主燃焼室のシリンダ外周に近いところに達す
るので主燃焼室内の燃焼はこの外周から起こり、燃焼ガ
スは主燃焼室の中心に集まるため、燃焼時間が短くなっ
て、エンジンの燃焼効率を高める。そして、副燃焼室が
ピストン内にも受けられているため、シリンダヘッドの
構造が簡単になり、エンジンの設計の自由度が増大す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるガスエンジンの燃焼室の一実施
例を示す主要部分の断面図である。

【図２】実施例の動作を説明する説明図である。

【符号の説明】

１・・・シリンダ２・・・ピストン２１・・・副燃焼室２２・・・主燃焼室２３・・・連通孔２４・・・ピストンリング２５・・・コンロッド２６・・・出口３・・・シリンダヘッド３１・・・燃料ガス室３２・・・噴出孔３３・・・弁座３４・・・上壁部３５・・・バルブガイド４・・・制御弁４３・・・ステム４４・・・上部プレート４５・・・スプリング５・・・ガス燃料弁５１・・・ステム５２・・・ステム５３・・・ガス供給管５４・・・供給口５５・・・制御弁

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】主燃焼室と連通する副燃焼室を具備し、こ
れらとは別に設けた燃料ガス室から副燃焼室にガス燃料
を流入させるエンジンにおいて、シリンダの上部に設けられ、該シリンダ内に突出する噴
出孔を有し、内部に供給されたガス燃料を該噴出孔から
シリンダ内に噴出する燃料ガス室と、該燃料ガス室の噴出孔を開閉する制御弁と、シリンダ内を上下移動するピストンの頭部に窪み状に設
けられ、該窪み状部分からシリンダの外周近傍に連通す
る複数の連通孔を有し、ピストンの上死点近傍において
燃料ガス室の噴出孔が嵌合する出口を有する副燃焼室
と、を具備することを特徴とするガスエンジンの燃焼
室。