JPH0742403Y2 - 内視鏡の操作部 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、人体腔内等を観察するために用いられる内
視鏡の操作部に関する。

〔従来の技術〕

内視鏡の操作部は、一般に、外壁を形成する操作部本体
内に、金属製のフレームが固設されている。そして旧来
は、操作部本体も金属材により形成されていて、フレー
ムは操作部本体にビス止め固定されていた。

しかし、近年になると、軽量化やコスト低減などの要請
から、操作部本体が合成樹脂によって形成されるように
なった。そのため、フレームを操作部本体に直接ビス止
め固定すると、合成樹脂にねじ孔を形成した部分が負荷
に耐えられなくて破損してしまう。

そこで従来は、大きなナットによって操作部本体に締め
付け固定される接眼部の金属製のベースに、フレームを
ビス止め固定していた（特開昭62−97524号公報）。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、接眼部にはテレビカメラなどが取り付けられる
ので、テレビカメラに漏れ電流があった場合、接眼部に
フレームを固定した操作部においては、接眼部から操作
部のフレームにその漏れ電流が伝わる。

すると、ほとんどの場合フレームは内視鏡の挿入部先端
と電気的に導通しているので、テレビカメラの漏れ電流
が、フレームを介して挿入部の先端に達し、内視鏡検査
を受ける患者の感電事故などが発生する恐れがあった。

この考案は、そのような従来の欠点を解消し、合成樹脂
製の操作部本体内に金属製のフレームを固定した内視鏡
において、接眼部への漏れ電流などがフレームに伝わら
ない、電気安全性の高い内視鏡の操作部を提供すること
を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、本考案の内視鏡の操作部
は、挿入部の基端側に連結された操作部の外壁を形成す
る操作部本体を電気絶縁材によって形成し、その中に金
属製のフレームを固設した内視鏡の操作部において、上
記挿入部先端に形成された屈曲自在な湾曲部を遠隔操作
によって屈曲させるための湾曲操作装置を上記操作部本
体に回転自在に軸支し、その軸受に、上記フレームを固
定したことを特徴とする。

〔作用〕

湾曲操作装置の軸受に固定された金属製のフレームは、
内視鏡の接眼部とは電気的に完全に分離して設けること
ができる。

〔実施例〕

図面を参照して実施例を説明する。

第４図は内視鏡の全体的構成を示しており、可撓性の挿
入部１の先端には屈曲自在な湾曲部２が形成され、その
先端に、対物光学系などが組み込まれた先端部本体３が
連結されている。

挿入部１の基端側には操作部４が連結されており、その
操作部４に、湾曲部２を遠隔的に屈曲させるための湾曲
操作装置が設けられている。５及び６は、操作部４の外
壁を形成する、操作部本体と操作部カバーであり、操作
部本体５の表側には、湾曲操作を行うための湾曲操作レ
バー７が回動自在に軸支されている。

操作部本体５の頭部には接眼部８が突設されている。ま
た、操作部本体５の裏側には、照明用ライトガイドファ
イバを挿通した可撓性の連結管９が接続されており、光
源装置に接続されるコネクタ10が連結管９の先端に連結
されている。

第１図は、操作部本体５部分を示している。操作部本体
５は合成樹脂モールドなど電気絶縁材料により形成され
ている。11は、固定ナット12によって操作部本体５の頭
部に立設固定された、接眼部のベースである。13は、シ
ール用のＯリングである。

21は、突端部に湾曲操作レバー７が連結された湾曲操作
軸であり、軸受22内に回転自在に嵌合している。23は飾
りカバー。24は固定ビス。25及び26はシール用のＯリン
グである。

軸受22は、例えば真鍮などの金属により構成されてお
り、ナット27を内側から締付けることによって操作部本
体５に固定されている。そして、このナット27と操作部
本体５との間に、鉄板製のアングル材28が挟み込まれ
て、軸受22に固定されている。

そして、このアングル材28には、操作部４内に配置され
た例えば鉄板製のフレーム30が、ビス31によって固定さ
れている。

つまり、フレーム30は、アングル材28を介して軸受22に
固定されおり、これらはいずれも接眼部のベース11及び
その固定ナット12と離れて、接眼部８とは電気的に分離
されている。32は補強板である。

フレーム30には、補助軸受33がビス止め固定されてお
り、この補強軸受33の図示されていない他端側には、連
結管９の端部が取り付けられている。

湾曲操作軸21には、第２図にも示されるような操作羽根
34が、一体的に回動するように連結されており、操作羽
根34の両端部付近に一対の湾曲操作ワイヤ35が連結され
ている。したがって、湾曲操作レバー７を回動操作する
と、湾曲操作軸21及び操作羽根34を介して湾曲操作ワイ
ヤ35が駆動され、湾曲部２を屈曲させることができる。

また、湾曲操作軸21の内端部は、補助軸受33に回転自在
に嵌合している。36は、操作羽根34の回動範囲を規制す
るためのストッパである。

操作部カバー６と操作部本体５との間にはシール用のＯ
リング38が介装されている。

第３図は、操作部４の下部を示しておりフレーム30の下
端部は、挿入部１の基端口金41が連結固定された連結本
体40にビス止め固定されている。42は、操作部カバー６
を連結本体40に固定するための固定ナット。43はゴム製
の折れ止めである。

〔考案の効果〕

本考案の内視鏡の操作部によれば、操作部のフレームが
湾曲操作装置の軸受に固定されているので、フレームを
接眼部から電気的に完全に分離することができる。した
がって、接眼部にテレビカメラなどを取り付けた際に、
その漏れ電流が挿入部に伝わらないようになり、患者の
感電事故発生の恐れを無くすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の部分断面図、 第２図は実施例の部分正面図、 第３図は実施例の部分断面図、 第４図は内視鏡の全体斜視図である。 １……挿入部、２……湾曲部、４……操作部、５……操
作部本体、22……軸受、28……アングル材、30……フレ
ーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】挿入部の基端側に連結された操作部の外壁
   を形成する操作部本体を電気絶縁材によって形成し、そ
   の操作部本体の中に金属製のフレームを固設すると共
   に、接眼部を上記操作部本体から突設した内視鏡の操作
   部において、 上記挿入部の先端に形成された屈曲自在な湾曲部を遠隔
   操作によって屈曲させるための湾曲操作装置を上記操作
   部本体に回転自在に軸支し、その軸受に、上記フレーム
   を上記接眼部と電気的に分離した状態に固定すると共
   に、上記操作部本体側の軸受に支えられた湾曲操作装置
   の回転軸の端部を回転自在に支えるための補助軸受を上
   記フレームに取り付けたことを特徴とする内視鏡の操作
   部。